JP2014060905A - 回転電機 - Google Patents
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Abstract
【課題】第2ロータ内に内蔵された発電機に対して外方から容易にアクセスすること。
【解決手段】回転電機100は永久磁石5a、5bからなる第1磁石列10Aが外周に傾斜して配置され第1回転軸11回りを回転する第1ロータ10と、第1ロータ10の外周近傍に設けられ永久磁石5a、5bからなる第2磁石列20Aがらせん状に設けられ、第2回転軸21回りを回転する複数の第2ロータ20とを備えている。第2ロータ20内に発電機30が内蔵され、発電機30は発電機ロータ41と発電機ステータ50とを有する。第2ロータ20内に軸受54を介して発電機ステータ50を保持する固定軸53が設けられ、発電機30の発電機ロータ41と発電機ステータ50は第2ロータ20内の外側に配置されている。
【選択図】図5
【解決手段】回転電機100は永久磁石5a、5bからなる第1磁石列10Aが外周に傾斜して配置され第1回転軸11回りを回転する第1ロータ10と、第1ロータ10の外周近傍に設けられ永久磁石5a、5bからなる第2磁石列20Aがらせん状に設けられ、第2回転軸21回りを回転する複数の第2ロータ20とを備えている。第2ロータ20内に発電機30が内蔵され、発電機30は発電機ロータ41と発電機ステータ50とを有する。第2ロータ20内に軸受54を介して発電機ステータ50を保持する固定軸53が設けられ、発電機30の発電機ロータ41と発電機ステータ50は第2ロータ20内の外側に配置されている。
【選択図】図5
Description
本発明の実施形態は、回転電機および発電機内蔵ロータに関する。
発電機等の回転電機においては、発電機体格は発電機の回転数に反比例することが知られている。風力、潮力、波力などの自然エネルギーを動力源とした回転電機では、タービン翼などにより自然エネルギーを回転エネルギーに変換するが、回転速度は、低速であり、タービン翼によって得られた回転速度にて発電機を駆動する場合には発電機体格が大型となる傾向にある。発電機の体格を小型にするためタービン翼と発電機の間に機械式増速機を配置して、発電機の回転数を増速する方式が一般的であるが、磁気ウォームギヤを用いて発電機を増速する回転電機も提案されている。
磁気ウォームギヤを用いた回転電機は、2種類のロータ(大ロータ、小ロータ)が機械的に非接触であるため、エネルギーの伝達効率が高く、保守性の面でも機械的増速機に比べ利点がある。
磁気ウォームギアを用いた増速システムは、ウォームホイールに相当する大ロータとウォームに相当する小ロータにより構成されるシステムであり、大ロータの円周上に小ロータが配置される構造となる。また大ロータおよび小ロータの表面には、ウォーム角度に応じてらせん状に永久磁石および磁性体が配列されており、その増速比に応じて小ロータの回転速度を増速する。また小ロータに発電機を内蔵させることによって、発電機を駆動し発電を行うことができる。
ところで小ロータに内蔵された発電機は小ロータ内周面に設けられた発電機ロータと、発電機ロータに対向して設けられた発電機ステータとを有している。また小ロータ内に、小ロータとの間に設けられた軸受を介して発電機ステータを保持する固定軸が設けられている。
一般に小ロータ内に内蔵された発電機は小ロータの中央に配置され、発電機の両側に小ロータと固定軸との間に介在される軸受が配置される。しかしながら発電機の両側に軸受を配置した場合、外方から発電機にアクセスすることがむずかしく、発電機の保守管理をすることがむずかしい。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、小ロータ内に内蔵された発電機に対し、外方から容易かつ確実にアクセスすることができる回転電機および発電機内蔵ロータを提供することを目的とする。
本実施形態の磁気ウォームギアを用いた回転電機は、永久磁石からなる第1磁石列が外周に傾斜して設けられ、第1回転軸回りを回転するウォームホイールを構成する第1ロータと、第1ロータの外周近傍に配置され、永久磁石からなる第2磁石列が外周にらせん状に設けられ、第1回転軸と異なる第2回転軸回りを回転するウォームを構成する複数の第2ロータと、各第2ロータ内に内蔵された発電機とを備える。各発電機は対応する第2ロータ内周面に設けられた発電機ロータと、発電機ロータの内側に発電機ロータに対向して設けられた発電機ステータとを有する。当該第2ロータ内に第2ロータとの間に設けられた軸受を介して、発電機ステータを保持する固定軸が設けられ、各第2ロータ内において発電機ロータと発電機ステータは、軸線方向外側に配置される。
本実施形態の磁気ウォームギアを用いた回転電機用の発電機内蔵ロータは、回転軸回りを回転するウォームを構成するロータと、ロータ内に内蔵された発電機とを備える。発電機はロータ内周面に設けられた発電機ロータと、発電機ロータの内側に発電機ロータに対向して設けられた発電機ステータとを有する。ロータ内にロータとの間に設けられた軸受を介して、発電機ステータを保持する固定軸が設けられ、ロータ内において発電機ロータと発電機ステータは、軸線方向外側に配置される。
以下、図面を参照して、実施の形態について説明する。
(本実施形態)
最初に、図1乃至図11を参照して、本実施形態について説明する。
最初に、図1乃至図11を参照して、本実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る風力発電システム概略構成の一例を示す斜視図である。
また、図2は、図1の風力発電システムにおけるナセルの内部構成の一例を示す概略図である。
図1に示される風力発電システムは、主な要素として、ナセル1、風車翼2、およびタワー3を備えている。
ナセル1は、タワー3の頂部に取り付けられ、図2に示されるように、回転電機100を収容するほか、回転電機100に搭載された発電機から発生される電力に対して電圧調整や周波数調整を行う電力調整部101などを収容している。ただし、電力調整部101は場合により地上に設けられる場合もある。
風車翼2は、ナセル1内の回転電機100の回転軸11に直結するよう取り付けられた翼軸(ブレード軸)2Aと、この翼軸2Aの周囲に取り付けられた複数の風車翼本体2Bとから成る。
タワー3は、地面に設置され、ナセル1を支持する。タワー3の内側には電力を伝達するケーブルCが設けられている。ケーブルCは、ナセル1側からタワー3の内側を通って下方に導かれ、地面近傍にてタワー3の外側へと導かれる。
このような構成において、風力により風車翼2が回転すると、その回転力は風車翼2の翼軸2Aからナセル1内に設置された回転電機100の回転軸11へと伝わり、回転電機100に搭載された発電機により発電が行われる。回転電機100の発電機から発生した電力は、電力調整部101により調整された後、ケーブルCを通じてナセル1からタワー3を通り、タワー3の外側へ送り出される。
電力調整部101が地上に設置される場合には、回転電機100の発電機から発生じた電力は、ケーブルを通じてナセル1からタワー3を通り、タワー3の外側へ送り出され、電力調整部101により調整される。
図3は、図2中に示されるナセル1の中に設置される回転電機100の構造の一例を示す斜視図である。
図3に示されるように、回転電機100は、トロイド状の第1ロータ10(以下、「大ロータ10」と称す)と、大ロータ10の外周側に離間して配置される1つ又は複数の円筒状の第2ロータ20(以下、「小ロータ20」と称す)と、小ロータ20の内側に配置されるアウターロータ方式の発電機30とを有する。発電機30は、本実施形態では、永久磁石同期発電機によって構成され、永久磁石を備えた回転子(発電機ロータ)およびコイルを備えた固定子(発電機ステータ)により構成される。
大ロータ10は、図3に示されるように、風車翼2の翼軸2Aに直結するとともに軸受け11Aに支持された回転軸(第1回転軸)11と、支持部材(スポーク)12とを備え、回転軸11を中心に回転するように構成されている。大ロータ10の外周面は、小ロータ20の外周面とのギャップGを均等に保ちつつ小ロータ20の半周分を取り囲むよう、半円環状(U字形状)を構成している。ここで支持部材12は全面に渡って板状に形成されているが、重量、通風を考慮して板状の支持部材12に複数の開口を設けてもよい。小ロータ20は、大ロータ10の回転軸1の方向に対して垂直方向を向いた回転軸(第2回転軸)21を中心に回転するように構成されている。図3中の面Aにて回転電機100を切断した部分を小ロータ20の軸方向から見た場合の断面概略形状を図4に示す。図4に示されるように、大ロータ10と小ロータ20との間には、半円環状のギャップGがある。このように、大ロータ10の回転軸1と、小ロータ20の回転軸21とは、互いに直交している。
大ロータ10および小ロータ20は、それぞれの外周面に永久磁石を備え、磁気ウォームギヤを構成している。
具体的には図3に示すように、大ロータ10の外周には多数の永久磁石5Bからなる第1磁石列10Aが傾斜角αをもって傾斜して設けられている。
このうち各永久磁石5Bは、N極5cとS極5dを有し、、N極5cとS極5dとを有する永久磁石5Bが連続して配置されて第1磁石列10Aを構成している。
また第1磁石列10Aを構成する永久磁石5B間に磁性材6Bが介在されている。この磁性材6Bは永久磁石5Bを近接配置することにより磁極を形成するとともに、永久磁石5Bにより生じる渦電流損を抑える機能を果たす。
また図6に示すように、小ロータ20の外周には多数の永久磁石5Aからなる第2磁石列20Aが所定のらせん角βをもってらせん状に設けられている。
このうち各永久磁石5Aは、N極5aとS極5bとを有し、N極5aとS極5bとを有する永久磁石5Aが連続して配置されて第2磁石列20Aを構成している。
また第2磁石列20Aを構成する永久磁石5A間に磁性材6Aが介在されている。この磁性材6Aは永久磁石5Aを近接配置することにより磁極を形成するとともに、永久磁石5Aにより生じる渦電流損を抑える機能を果たす。
なお、第2磁石列20Aのらせん角βは磁気ウォームギアのウォーム角に対応する。
また少なくとも大ロータ10と小ロータ20とが磁気的に結合する領域においては、大ロータ10の第1磁石列10Aの間隔および第1磁石列10Aの傾斜角度αが、それぞれ、小ロータ20の第2磁石列20Aの間隔および第2磁石列20Aのらせん角βと略等しくなるように構成されていることが望ましい。
このような構成において、大ロータ10が回転すると、大ロータ10の第1磁石列10Aと小ロータ20の第2磁石列20Aとが吸引または反発することにより、大ロータ10の回転に追従して小ロータ20が回転する。このとき、大ロータ10の第1磁石列10Aによる磁極数と小ロータ20の第2磁石列20Aによるギヤ条数とで決まるギヤ比で小ロータ20の回転が増速され、小ロータ20の回転数に応じた電力が発電機30(図5参照)から発生する。
図5は本実施形態に係り、図3中の面Bにて回転電機100を切断した部分を小ロータ20の断面の概略形状を示すものである。図5において、発電機30は、対応する小ロータ20内に内蔵されたアウターロータ方式永久磁石発電機からなる。
この場合、小ロータ20と、小ロータ20内に内蔵された発電機30によって発電機内蔵ロータ200が構成される。
このような発電機30は小ロータ20の内周面に設けられた発電機ロータ41と、発電機ロータ41の内側に発電機ロータ41に対向して設けられた発電機ステータ50とを備えている。このうち発電機ロータ41は小ロータ20の内周面に固着された界磁ロータ鉄心51と、この界磁ロータ鉄心51の内周面に取付けられた永久磁石9とを有している。また発電機ステータ50はステータヨーク50aと、ステータヨーク50aの外周に設けられた電機子巻線22とを有している。
さらにまた発電機ステータ50のステータヨーク50aは、固定軸53に連結されてこの固定軸53により保持されている。
また小ロータ20と固定軸53との間には、第1軸受54aと第2軸受54bとからなる軸受54が介在され、この軸受54によって小ロータ20が固定軸53の周囲を第2回転軸21を中心として回転する。
また、永久磁石9によって界磁ロータ鉄心51に生じる磁束が、小ロータ20の外周に設けられた永久磁石5Aが磁性材6Aの特性を害さないよう、小ロータ20は非磁性リングからなる。図5において、永久磁石5Aは小ロータ20の外周に部分的に示されている。
ところで、小ロータ20内において、発電機ロータ41と発電機ステータ50は、小ロータ20の一方側(図5の左側)に配置され、第1軸受54aと第2軸受54bとからなる軸受54は小ロータ20の他方側(図5の右側)に配置されている。
図5に示すように、小ロータ20内において、発電機ロータ41と発電機ステータ50は小ロータ20の一方側に配置され、このことにより、発電機ロータ41と発電機ステータ50は小ロータ20内において軸線方向外方に位置することになる。このため、発電機ロータ41と発電機ステータ50に対して外方から容易にアクセスすることができ、発電機ロータ41と発電機ステータ50を組立てた後、発電機ロータ41と発電機ステータ50との間のギャップを容易に確認して、このギャップの大きさを調整することができる。また発電機ロータ41と発電機ステータ50に対するメンテナンス性を向上させることができる。
さらにまた発電機ロータ41と発電機ステータ50からなる発電機30に小ロータ20の外方から容易に気流を流すことができ、このことにより発電機30を外部の気流により容易に冷却することができる。
上述のように、小ロータ20と固定軸53との間に介在される軸受54は、第1軸受54aと第2軸受54bとを有するが、これら第1軸受54aと第2軸受54bは小ロータ20の軸線方向に沿って配置されている。
図5において、小ロータ20が回転すると、発電機ロータ41が発生する回転磁束に同期した電力が、電機子巻線22に誘起され、電機子巻線22から電力が出力として取り出される。このような小ロータ20は複数あり、電機子巻線22の出力は、変換器によって、個別に整流され、その直流出力は加算回路によって加算され、更に交流変換器によって系統出力に相応した周波数の交流電力に変換される。電機子巻線22の交流出力は、制御回路によって、小ロータ20ごとに制御される。出力制御には界磁ロータ41の位置検出を行う必要があるが、これについては、位置センタを用いる方法、センサレス制御による方法など種々の方法が知られており、条件に応じて選択される。
本実施形態によれば、発電機ロータ41と発電機ステータ50とからなる発電機30は小ロータ20内において軸線方向外側に位置することになるため、発電機30のメンテナンス性を高め、かつ発電機30を外部の気流により容易に冷却することができる。
次に図13により比較例としての小ロータ20に内蔵された発電機30について説明する。
発電機30は小ロータ20の内周面に設けられた発電機ロータ41と、発電機ロータ41の内側に発電機ロータ41に対向して設けられた発電機ステータ50とを備えている。このうち発電機ロータ41は小ロータ20の内周面に固着された界磁ロータ鉄心51と、この界磁ロータ鉄心51の内周面に取付けられた永久磁石9とを有している。また発電機ステータ50はステータヨーク50aと、ステータヨーク50aの外周に設けられた電機子巻線22とを有している。
さらにまた発電機ステータ50のステータヨーク50aは、左右方向に延びて固定軸53を形成し、ステータヨーク50aはこの固定軸53により保持されている。
また小ロータ20と固定軸53との間には、第1軸受54aと第2軸受54bとからなる軸受54が介在され、この軸受54によって小ロータ20が固定軸53の周囲を第2回転軸21を中心として回転する。
図13に示す比較例において、発電機ロータ41と発電機ステータ50とからなる電動機30は小ロータ20の軸線方向中央部に配置され、電動機30の両側に第1軸受54aと第2軸受54bが各々配置されている。
図13に示すように、小ロータ20内において、電動機30の両側に第1軸受54aと第2軸受54bが配置されているため、外方から電動機30にアクセスすることはむずかしくなる。このため発電機ロータ41と発電機ステータ50を組立てた後、これら発電機ロータ41と発電機ステータ50に対してメンテナンスすることはむずかしく、かつ第1軸受54aおよび第2軸受54bの存在により、発電機30を外部の気流により冷却することも容易ではない。
これに対して本実施形態によれば、図5に示すように、発電機ロータ41と発電機ステータ50とからなる発電機30を小ロータ20内においてその一方側に配置することができ、発電機ロータ41と発電機ステータ50に対して外方から容易にアクセスすることができる。
次に図6乃至図11により、大ロータ10と小ロータ20との間に生じる力の作用について説明する。
図6乃至図11に示すように、小ロータ20の外周にはN極5aおよびS極5bを含む永久磁石5Aからなる第2磁石列20Aが、小ロータ20の円周方向に対して所定のらせん角βをもってらせん状に配置されている。上述のように、同様に大ロータ10の外周にもN極5cおよびS極5dを含む永久磁石5Bからなる第1磁石列10Aが、大ロータ10の軸方向に対して傾斜して設けられている。
また小ロータ20の第2磁石列20A間には、磁性材6Aが介在され、大ロータ10の第1磁石列10A間にも磁性材6Bが介在されている。
ここで大ロータ10の第1磁石列10Aと小ロータ20の第2磁石列20Aとの間に位相差が生じた場合、大ロータ10と小ロータ20との間のギャップGにおいて大ロータ10の第1磁石列10Aと小ロータ20の第2磁石列20Aとの間に磁気吸引力が生じ、この磁気吸引力により大ロータ10の回転が小ロータ20の回転を生じさせる。
図8に示すように、大ロータ10と小ロータ20との間のギャップGに生じる磁気吸引力を21Fで表すことができる。
この場合、大ロータ10と小ロータ20との間の磁気吸引力21Fは更に、ギャップGにおいて小ロータ20の半径方向に働く半径方向分力23Fと、この半径方向分力23Fに直交するせん断方向分力22Fとに分解することができる。
ここで、図9は図7におけるB−B断面を示している。上述した小ロータ20の半径方向に働く半径方向分力23Fは、更にx軸方向の力と、y軸方向の力に分解される。図9に示すように、半径方向分力23Fのうちx軸方向の力は互いにキャンセルされることになる。このため結局、半径方向分力23Fは、y軸方向の合成ベクトルとなる。
次に大ロータ10と小ロータ20との間のギャップGに働く磁気吸引力21Fのうち、せん断方向分力22Fについて、図6、図10および図11により説明する。
図6に示すように、小ロータ20外表面にはN極5aとS極5bとを含む永久磁石5Aにより構成される第2磁石列20Aがウォーム角度に対応するらせん角βに応じてらせん状に配列されている。ここで磁気吸引力21Fのせん断方向分力22Fは、この第2磁石列20Aに対して直交する方向に作用する。この場合、せん断方向分力22Fは小ロータ20の軸方向分力24Fと接線方向分力25Fに分解されるが、この接線方向分力25Fが発電機の回転に用いられる磁気力となる。
図10に、小ロータ20における磁気吸引力21Fのうち、半径方向分力23F、軸方向分力24F、および接線方向分力25Fをそれぞれ示す。
次に図11により大ロータ10側に作用する磁気吸引力について説明する。図11は図7のB−B線断面図であり、大ロータ10に加わる接線方向分力と半径方向分力を表したものである。ここで、小ロータ20から大ロータ10に作用する接続方向分力25Fは、更にx軸方向分力とy軸方向分力に分解される。小ロータ20からのy軸方向分力は大ロータ10において偶力の関係となるが、大ロータ10の回転軸11とは直交する軸における偶力であるため、接線方向分力25Fの合成ベクトルはx軸方向のベクトルとなり、大ロータ10の軸方向分力35Fとして作用する。また小ロータ20における半径方向分力23Fは大ロータ10に対して反対方向のベクトルを持つ半径方向分力33Fとなり、同様に小ロータ20における軸方向分力24Fも反対方向のベクトルとなり、大ロータ10においては接線方向分力34Fとなる(図10および図11参照)。
(変形例)
次に小ロータに内蔵された発電機の変形例について図12により説明する。
次に小ロータに内蔵された発電機の変形例について図12により説明する。
図12に示すように、変形例としての発電機30は小ロータ20の内周面に設けられた発電機ロータ41と、発電機ロータ41の内側に発電機ロータ41に対向して設けられた発電機ステータ50とを備えている。
この場合、小ロータ20と、小ロータ20内に内蔵された発電機30によって発電機内蔵ロータ200が構成される。
また発電機ロータ41は、小ロータ20内の一方側(図12の左側)に設けられた第1発電機ロータ41Aと、小ロータ20内の他方側(図12の右側)に設けられた第2発電機ロータ41Bとを有する。また発電機ステータ50は、小ロータ20内の一方側に設けられ第1発電機ロータ41Aに対向する第1発電機ステータ50Aと、小ロータ20内の他方側に設けられ第2発電機ロータ41Bに対向する第2発電機ステータ50Bとを有している。
また第1発電機ロータ41Aおよび第2発電機ロータ41Bは略同一構造をもち、第1発電機ステータ50Aおよび第2発電機ステータ50Bも略同一構造をもつ。
すなわち、第1発電機ロータ41Aおよび第2発電機ロータ41Bはいずれも、小ロータ20の内周面に固着された界磁ロータ鉄心51と、この界磁ロータ鉄心51の内周面に取付けられた永久磁石9とを有している。また第1発電機ステータ50Aおよび第2発電機ステータ50Bはいずれもステータヨーク50aと、ステータヨーク50aの外周に設けられた電機子巻線22とを有している。
さらにまた第1発電機ステータ50Aのステータヨーク50aおよび第2発電機ステータ50Bのステータヨーク50aは、いずれも小ロータ20の中央に配置された固定軸53に連結されてこの固定軸53により保持されている。
また小ロータ20と固定軸53との間には、第1軸受54aと第2軸受54bとからなる軸受54が介在され、この軸受54によって小ロータ20が固定軸53の周囲を第2回転軸21を中心として回転する。
また、永久磁石9によって界磁ロータ鉄心51に生じる磁束が、小ロータ20の外周に設けられた永久磁石5Aが磁性材6Aの特性を害さないよう、小ロータ20は非磁性リングからなる。図12において永久磁石5Aは小ロータ20の外周に部分的に示されている。
ところで、小ロータ20内において、第1発電機ロータ41Aと発電機ステータ50Aは、軸受54の一方側(図12の左側)に配置され、第2発電機ロータ41Bと第2発電機ステータ50Bは軸受54の他方側(図12の右側)に配置されている。
図12に示すように、小ロータ20内において、第1発電機ロータ41Aと第1発電機ステータ50Aは軸受54の一方側に配置され、第2発電機ロータ41Bと第2発電機ステータ50Bは軸受54の他方側に配置され、このことにより、第1発電機ロータ41Aと第1発電機ステータ50A、および第2発電機ロータ41Bと第2発電機ステータ50Bは、いずれも小ロータ20内において軸線方向外方に位置することになる。このため、第1発電機ロータ41Aと第1発電機ステータ50A、および第2発電機ロータ41Bと第2発電機ステータ50Bに対して外方から容易にアクセスすることができ、第1発電機ロータ41Aおよび第2発電機ロータ41Bと、第1発電機ステータ50Aおよび第2発電機ステータ50Bを組立てた後、第1発電機ロータ41Aと第1発電機ステータ50Aとの間のギャップ、および第2発電機ロータ41Bと第2発電機ステータ50Bとの間のギャップを容易に確認して、このギャップの大きさを調整することができる。また第1発電機ロータ41Aと第1発電機ステータ50A、および第2発電機ロータ41Bと第2発電機ステータ50Bに対するメンテナンス性を向上させることができる。
さらにまた第1発電機ロータ41Aおよび第2発電機ロータ41Bと、第1発電機ステータ50Aおよび第2発電機ステータ50Bとからなる発電機30に、小ロータ20の外方から容易に気流を流すことができ、このことにより発電機30を外部の気流により容易に冷却することができる。
上述のように、小ロータ20と固定軸53との間に介在される軸受54は、第1軸受54aと第2軸受54bとを有するが、これら第1軸受54aと第2軸受54bは小ロータ20の軸線方向に沿って配置されている。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 ナセル、2 風車翼、2A 翼軸、2B 風車軸本体、3 タワー、5A 小ロータの永久磁石、5B 大ロータの永久磁石、6A 磁性材、6B 磁性材、9 永久磁石、10 大ロータ、10A 第1磁石列、20 小ロータ、20A 第2磁石列、22 電機子巻線、30 発電機、41、41A、41B 発電機ロータ、50、50A、50B 発電機ステータ、50a ステータヨーク、51 界磁ロータ鉄心、54 軸受、54a 第1軸受、54b 第2軸受、100 回転電機、200 電動機内蔵ロータ
Claims (8)
- 永久磁石からなる第1磁石列が外周に傾斜して設けられ、第1回転軸回りを回転するウォームホイールを構成する第1ロータと、
第1ロータの外周近傍に配置され、永久磁石からなる第2磁石列が外周にらせん状に設けられ、第1回転軸と異なる第2回転軸回りを回転するウォームを構成する複数の第2ロータと、
各第2ロータ内に内蔵された発電機とを備え、
各発電機は対応する第2ロータ内周面に設けられた発電機ロータと、発電機ロータの内側に発電機ロータに対向して設けられた発電機ステータとを有し、
当該第2ロータ内に第2ロータとの間に設けられた軸受を介して、発電機ステータを保持する固定軸が設けられ、
各第2ロータ内において発電機ロータと発電機ステータは、軸線方向外側に配置されることを特徴とする磁気ウォームギアを用いた回転電機。 - 発電機ロータは第1発電機ロータと、第2発電機ロータとを有し、発電機ステータは第1発電機ロータに対向する第1発電機ステータと、第2発電機ロータに対向する第2発電機ステータとを有し、
第1発電機ロータおよび第1発電機ステータは第2ロータ内において軸受の一方側に配置され、
第2発電機ロータおよび第2発電機ステータは第2ロータ内において軸受の他方側に配置されていることを特徴とする請求項1記載の磁気ウォームギアを用いた回転電機。 - 各第2ロータ内において、発電機ロータおよび発電機ステータは第2ロータの一方側に配置され、軸受は第2ロータの他方側に配置されていることを特徴とする請求項1記載の磁気ウォームギアを用いた回転電機。
- 軸受は第2ロータの軸線方向に沿って設けられた第1軸受と、第2軸受とを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の磁気ウォームギアを用いた回転電機。
- 磁気ウォームギアを用いた回転電機用の発電機内蔵ロータにおいて、
回転軸回りを回転するウォームを構成するロータと、
ロータ内に内蔵された発電機とを備え、
発電機はロータ内周面に設けられた発電機ロータと、発電機ロータの内側に発電機ロータに対向して設けられた発電機ステータとを有し、
ロータ内にロータとの間に設けられた軸受を介して、発電機ステータを保持する固定軸が設けられ、
ロータ内において発電機ロータと発電機ステータは、軸線方向外側に配置されることを特徴とする発電機内蔵ロータ。 - 発電機ロータは第1発電機ロータと、第2発電機ロータとを有し、発電機ステータは第1発電機ロータに対向する第1発電機ステータと、第2発電機ロータに対向する第2発電機ステータとを有し、
第1発電機ロータおよび第1発電機ステータはロータ内において軸受の一方側に配置され、
第2発電機ロータおよび第2発電機ステータはロータ内において軸受の他方側に配置されていることを特徴とする請求項5記載の発電機内蔵ロータ。 - ロータ内において、発電機ロータおよび発電機ステータはロータの一方側に配置され、軸受はロータの他方側に配置されていることを特徴とする請求項5記載の発電機内蔵ロータ。
- 軸受はロータの軸線方向に沿って設けられた第1軸受と、第2軸受とを有することを特徴とする請求項5乃至7のいずれか記載の発電機内蔵ロータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012206122A JP2014060905A (ja) | 2012-09-19 | 2012-09-19 | 回転電機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012206122A JP2014060905A (ja) | 2012-09-19 | 2012-09-19 | 回転電機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014060905A true JP2014060905A (ja) | 2014-04-03 |
Family
ID=50616851
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012206122A Pending JP2014060905A (ja) | 2012-09-19 | 2012-09-19 | 回転電機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014060905A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107516970A (zh) * | 2017-07-25 | 2017-12-26 | 山东科技大学 | 一种可调速的永磁磁力耦合器 |
CN107896047A (zh) * | 2017-11-22 | 2018-04-10 | 哈尔滨工业大学 | 单绕组混合励磁磁力丝杠 |
-
2012
- 2012-09-19 JP JP2012206122A patent/JP2014060905A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107516970A (zh) * | 2017-07-25 | 2017-12-26 | 山东科技大学 | 一种可调速的永磁磁力耦合器 |
CN107896047A (zh) * | 2017-11-22 | 2018-04-10 | 哈尔滨工业大学 | 单绕组混合励磁磁力丝杠 |
CN107896047B (zh) * | 2017-11-22 | 2019-09-13 | 哈尔滨工业大学 | 单绕组混合励磁磁力丝杠 |
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