JP2014053980A - 回転電機及び風力発電システム - Google Patents

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真史 藤田
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Abstract

【課題】所定の発電量を確保しつつ小型化を図ることができる回転電機を提供する。
【解決手段】実施の形態の回転電機は、第1のロータ、第2のロータ及びステータを備えている。第1のロータは、外周面に磁極を有し、第1の軸を中心に回転する。第2のロータは、第1のロータの磁極と対向する磁極を外周面に有し、回転する第1のロータとの間で相互に作用する磁力によって、第2の軸を中心に回転する。また、第2のロータは、界磁を備えている。ステータは、第2の軸の軸方向において前記界磁と対向する電機子を備えている。
【選択図】図3

Description

本発明の実施形態は、回転電機及び風力発電システムに関する。
大容量発電機などとして活用される回転電機においては、一般に、発電機の体格(サイズ)は、発電機の定格回転数に対して反比例することが知られている。風力、潮力、波力などの自然エネルギを利用する回転電機は、翼などによって自然エネルギから変換された回転エネルギを動力源とする。しかしながら、このような自然エネルギで翼を回転させる場合、翼の回転速度が低速になる。このため、翼によって得られた回転エネルギが直接伝達される構成の発電機は、体格が大型となる傾向にある。
そこで、発電機の小型化を図るために、自然エネルギを受ける翼と発電機との間に機械式増速機を介在させることによって、発電機を駆動する駆動回転数を増速させる方法などが適用されている。また、磁気式ウォームギヤなどを利用して発電機の駆動回転数を増加させる技術なども提案されている。
特開平9−56146号公報 英国特許出願公開第2463102号明細書
磁気式ウォームギヤを用いた回転電機において、例えば磁気式ウォームホイールと発電側の磁気式ウォームギヤとを磁気的にかみ合せる増速機構部分は、機械的に非接触な状態で配置される。したがって、このような構成の回転電機は、動力の伝達効率が高く、しかも、保守性の面でも機械式増速機に比べて優位である。ここで、多くの利点を持つこの種の回転電機においても、上述した小型化への要請がある。
本発明が解決しようとする課題は、所定の発電量を確保しつつ小型化を図ることができる回転電機及び風力発電システムを提供することである。
実施の形態の回転電機は、第1のロータ、第2のロータ及びステータを備えている。第1のロータは、外周面に磁極を有し、第1の軸を中心に回転する。第2のロータは、第1のロータの磁極と対向する磁極を外周面に有し、回転する第1のロータとの間で相互に作用する磁力によって、第2の軸を中心に回転する。また、第2のロータは、界磁を備えている。ステータは、第2の軸の軸方向において前記界磁と対向する電機子を備えている。
第1の実施形態に係る回転電機を備えた風力発電システムを示す斜視図。 図1の風力発電システムが備えるナセル内の構成を示す図。 図2のナセル内に設置された回転電機の構造を示す図。 図3の回転電機が備える発電モジュールの周辺を切断面Aで切断したときの断面図。 図3の発電モジュールの外周面に配置される磁極の構成を説明するための図。 図5に示す磁極の構成とは異なる他の磁極の構成を説明するための図。 図3の回転電機が備える発電モジュールを切断面Bで切断したときの断面図。 図7中の発電モジュールを矢視C方向からみた矢視図。 図7中の発電モジュールを矢視D方向からみた矢視図。 図7の発電モジュールとは一部構造が異なる他の発電モジュールの構造を示す断面図。 第2の実施形態の回転電機が備えた発電モジュールの構造を示す断面図。 第3の実施形態の回転電機が備えた発電モジュールの構造を示す断面図。 第4の実施形態の回転電機が備えた発電モジュールの構造を示す断面図。 第5の実施形態に係る回転電機の構成を示す図。 図14の回転電機とは一部構成が異なる他の回転電機の構成を示す図。
以下、実施の形態を図面に基づき説明する。
[第1の実施の形態]
図1に示すように、本実施形態の風力発電システム1は、ナセル2、風車翼(ブレード)3及びタワー7を主に備えている。
ナセル2は、タワー7の頂部に取り付けられている。また、図2に示すように、ナセル2は、回転電機10及び電力調整部12を収容している。電力調整部12は、回転電機10が発生させる電力に対して電圧調整や周波数調整を行う。なお、電力調整部12は、地上に設けられる場合もある。
図1、図2に示すように、風車翼3は、複数設けられている。これら複数の風車翼3は、翼軸(ブレード軸)5の周囲にそれぞれ取り付けられている。翼軸5は、回転電機10を駆動させる第1の軸としての回転軸11に直結するように取り付けられている。タワー7は、地面に設置され、ナセル2を支持する。タワー7の内部には電力を送電するケーブル8が設けられている。ケーブル8は、例えば、ナセル2側からタワー7の内部を通って下方に導かれ、地面近傍にてタワー7の外部へと導かれている。
上記した風力発電システム1において、風力を受けて風車翼3が回転すると、その回転力は、風車翼3を取り付けた翼軸5からナセル2内の回転軸11を介して回転電機10へと伝達される。この伝達された回転力によって回転電機10が駆動され、発電が行なわれる。回転電機10から発生した電力は、電力調整部12により調整された後、ケーブル8を通じてナセル2からタワー7の内部をとおり、さらにタワー7の外部へと導かれる。
図3に示すように、回転電機10は、第1のロータとして機能するトロイド状(環状)のロータ(以下「大ロータ」と記述)15と、第2のロータとして機能する円筒状のロータ(以下「小ロータ」と記述)25を含む円柱状の発電モジュール20と、を備える発電機である。小ロータ25は、自身の外周面と大ロータ15の外周面とが間隙をおいて対向する位置に配置されている。
小ロータ25を含む発電モジュール20は、大ロータ15に対して少なくとも1つ設けられている。図3では、小ロータ25をそれぞれ備えた複数の発電モジュール20を、大ロータ15の外周面を周回する方向に沿って、各々配列させた構成を例示している。
大ロータ15は、図3に示すように、風車翼3の翼軸5に直結する回転軸11と、大ロータ15が回転軸11の回転とともに回転するように大ロータ15を支持する支持部材14とを備えている。支持部材14は、例えば、回転軸11の外周面と大ロータ15の内周面との間を塞ぐように形成された、円盤状の部材で構成される。なお、支持部材14の構成は、これに限られるものではなく、重量や通風を考慮して、円盤状の部材に貫通口などの開口を設けてもよい。つまり、回転軸11は、風力を回転エネルギとして伝達する伝達軸である。また、図3に示すように、支持部材14を介して回転軸11と同軸的に固定される大ロータ15は、回転軸11を中心に、当該回転軸11とともに一体となって回転する。図4に示すように、大ロータ15の外周面15aは、小ロータ25の外周面25aとの間隙を均等に維持しつつ小ロータ25の半周分を取り囲むよう、半円環状(U字形状)に構成されている。
図3、図4に示すように、小ロータ25は、大ロータ15の中心に位置する回転軸11の軸方向に対して、直交する方向に、軸方向を向けた第2の軸としての軸21を中心に回転するように構成されている。図4に示すように、大ロータ15と小ロータ25との間には、半円環状のギャップ(間隙)16が設けられている。
大ロータ15は、外周面15aに磁極を有しており、磁気式ウォームホイールとしての機能を備えている。一方、小ロータ25は、大ロータ15の外周面15a上の磁極と対向する磁極とを外周面25aに有しており、磁気式ウォームギヤとしての機能を備えている。つまり、小ロータ25は、回転する大ロータ15との間で相互に作用する磁力によって、軸21を中心に回転する。軸21は、例えばナセル2本体を構成する筐体部分に固定されている。
具体的には、図3に示すように、大ロータ15及び小ロータ25は、それぞれの外周面に永久磁石17、22を備えている。詳述すると、図5に示すように、小ロータ25の外周面には、螺旋状に配置した磁性材23を、同極の磁極で挟むように永久磁石22が螺旋状に配置されている。これにより、図5に示すように、小ロータ25の外周面上には、N極、S極が交互に並ぶ螺旋状の磁極パターンが構成される。
磁性材23を永久磁石22で挟む構成を適用することで、磁性材23を挟まない場合に比べて、大きな磁気力を得ることができる。言い換えれば、得られる磁気力を一定とした場合、磁性材23を永久磁石22で挟む構成を適用したときには、磁性材23を挟まない場合に比べて、永久磁石22の小型化を図ることができ、製造コストを削減することができるほか、発電機の小型化によりナセルの重量を軽くすることもでき、さらに、タワーの組立性、風に対するタワーの安定性などにも寄与することができる。
一方、大ロータ15の外周面には、大ロータ15側と小ロータ25側とが磁気的に結合するように、小ロータ25の磁極間隔に対応させて、当該大ロータ15の外周面上の磁性材18を、同極の磁極で挟むように永久磁石17がそれぞれ配置されている。これにより、大ロータ15の外周面上には、N極、S極が交互に並ぶ磁極パターンが構成される。
少なくとも大ロータ15と小ロータ25とが磁気的に結合する領域においては、大ロータ15の磁極間隔及び磁極パターンの傾斜角度が、それぞれ、小ロータ25の磁極間隔及び磁極パターンの傾斜角度とほぼ等しくなるように構成されていることが好ましい。
このような構成において、大ロータ15が回転すると、大ロータ15の磁極と小ロータ25の磁極とが吸引又は反発することにより、大ロータ15の回転に追従して小ロータ25が回転する。このとき、大ロータ15の磁極数と小ロータ25のギヤ条数とで決まるギヤ比で小ロータ25の回転が増速され、小ロータ25の回転数に応じた電力が、小ロータ25を含む発電モジュール20から発生する。ここで、図5に示した構成に代えて、図6に示すように、磁性材を介在させずに永久磁石24の磁極を所定の向きで螺旋状に配置することによって、小ロータ25の外周面上に、N極、S極が交互に並ぶ螺旋状の磁極パターンを構成してもよい。
次に、回転電機10に複数設けられた発電モジュール20の構造を主に図3及び図7〜図10に基づいて詳述する。図7に示すように、発電モジュール20は、小ロータ25とステータ26との組で構成されている。小ロータ25は、ともに一体となって回転する界磁27、29を備えている。ステータ26は、軸21の軸方向(長さ方向)において界磁27、29と対向する電機子28を備えている。
図7に示すように、小ロータ25は、大ロータ15側に固定された軸21に対し、軸受21aを介して回転可能に支持されている。また、小ロータ25は、軸21の軸方向から電機子28を挟んで対向する位置に上記した界磁27、29が対で配置されている。つまり、発電モジュール20は、界磁27、29と電機子28との間のギャップがアキシャル方向に形成されるアキシャルギャップ型の発電ユニットである。
より具体的には、図7、図9に示すように、ステータ26側の電機子28は、軸21に固定された電機子巻線28aと電機子巻線28a内に挿入された電機子鉄心28bとを備えている。一方、小ロータ25側の界磁27、29は、図7、図8に示すように、界磁用永久磁石27a、29a及び界磁鉄心27b、29bを備えている。界磁用永久磁石27a、29aは、電機子巻線28aを挟んで互いに対向する位置に配置されている。
電機子巻線28aを挟んで対向する界磁用永久磁石27a側の対向面と界磁用永久磁石29a側の対向面とは、相異なる磁極(一方がN極の場合、他方はS極)となるように配置されている。界磁鉄心27b、29bは、それぞれ円板状に構成されており、中心部分には軸21を貫通させる貫通穴が形成されている。この貫通穴の内壁部分に上記軸受21aが配置されている。
また、界磁鉄心27b、29bは、界磁用永久磁石27a、29aの各々における電機子巻線28a側と対向してない非対向面側にそれぞれ接合されている。さらに、小ロータ25は、外周面の磁気ウォームギヤとして機能する部位の内周側に、ステンレス鋼などを材料とする円筒状の非磁性材25bを備えている。
ここで、一般的なこの種の回転電機は、発電モジュールの発電容量に応じて、必要となる大ロータ及び小ロータ間の伝達磁気力が決定される。例えば所定の発電容量に対して必要な伝達磁気力が得られない場合には、大ロータと小ロータとが同期して回転せずに脱調状態になることなどが想定される。風力発電などでは、風速変動に対応するために、大ロータと小ロータとの間の伝達磁気力をより高める設計が求められる。
大ロータ及び小ロータ間の伝達磁気力を増加させる方法としては、永久磁石を厚くして磁力を増加させる方法などが考えられる。しかしながら、大ロータ及び小ロータ間の磁極ピッチは、ギヤ比よって決められるため、永久磁石の厚さには制約がある。つまり、永久磁石を厚くする際には、大ロータ及び小ロータの例えば径方向に永久磁石を厚くする必要がある。しかしながら、永久磁石の厚さを小ロータの径方向に増加させた場合、界磁と電電機子とで構成される実質的な発電部分を配置するスペースが十分には得られず、所望の発電量を確保できないことなどが懸念される。
ところで、本実施形態の回転電機10は、個々の発電モジュール20で発電された電力を加算したものが当該回転電機10本体から出力される電力となる。このため、例えば発電される電力量を維持しつつ回転電機10の小型化を図る場合には、実質的に発電モジュール自体の単位体積あたりの発電量を増加させたうえで、発電モジュールの体格を小さくする必要がある。
発電モジュールの体格は、主に、小ロータとステータとで挟むギャップ面積と比例関係にある。例えば、ラジアルギャップ型の発電モジュールの適用を想定した場合、所望のギャップ面積を十分に確保することが困難であり、小ロータの外径又は小ロータの軸方向の長さを増大させる必要性などが生じる。
しかしながら、図7に示すように、本実施形態の回転電機10は、アキシャルギャップ型の発電モジュール20を構成していることで、界磁27、29と電機子28との間の対向面のギャップ面積を、ラジアルギャップ型の発電モジュールなどと比べて増加させることができる。これにより、発電モジュール20の体格を小型化でき、また、発電モジュール20の単位体積あたりの発電容量を高めることが可能となる。したがって、本実施形態の回転電機10によれば、所定の発電量を確保しつつ回転電機10全体の小型化を図ることができる。
また、本実施形態の回転電機10は、発電モジュール20の小型化に伴い、小ロータ25の軸方向における非磁性材25bの長さを短縮できるので、図4に示すように、大ロータ15の外周面15aが半円環状であるゆえに非磁性リング25aの位置で発生し得る渦電流損を低減できる。
なお、図10に示すように、電機子鉄心28bを設けずに電機子28(電機子巻線28a)を空芯コイル48にした発電モジュール40を構成することも可能である。このような発電モジュール40によれば、重量を軽減できると共に、製造時に界磁用永久磁石27a、29aと電機子鉄心28bとの吸引についての配慮が不要になるので、容易に製造することができる。なお、後述する第2〜第4の実施形態の発電モジュールが備える電機子巻線についても、空芯コイルを適用することが可能である。
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施形態を図11に基づき説明する。なお、図11中において、図7に示した第1の実施形態中の構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付与し重複する説明を省略する。
本実施形態の風力発電システムは、発電モジュール20を複数備えていた第1の実施形態の回転電機10に代えて、図11に示す発電モジュール50を複数備えた回転電機が適用されている。複数の発電モジュール50は、第1の実施形態の発電モジュール20が備えていた小ロータ25及びステータ26に代えて、小ロータ55及びステータ56を備えている。小ロータ55は、界磁57、59を備えている。ステータ56は、軸21の軸方向において界磁57、59とそれぞれ対向する電機子54、58を備えている。
具体的には、図11に示すように、小ロータ55は、軸21の軸方向に沿って並ぶ位置に界磁57、59が対で配置されている。一方、ステータ56は、軸21の軸方向から界磁57、59の対を挟んで対向する位置に電機子54、58が対で配置されている。ステータ56側の電機子54、58は、電機子巻線54a、58aと電機子鉄心54b、58bとヨーク54c、58cとを備えている。
ヨーク54c、58cは、それぞれ円板状に構成されており、中心部分には軸21を貫通させる貫通穴が形成されている。ヨーク54c、58cにおける貫通穴の内壁部分が軸受21aに固定されている。電機子鉄心54b、58bは、電機子巻線54a、58a内に挿入されている。電機子鉄心54b、58bが挿入された電機子巻線54a、58aは、円板状のヨーク54c、58cにおける小ロータ55と対向する側の面に接合されている。
一方、小ロータ55側の界磁57、59は、図11に示すように、界磁用永久磁石57a、59a及び界磁鉄心57b、59bを備えている。界磁用永久磁石57a、59aは、電機子巻線54a、58aとそれぞれ対向する位置に配置されている。界磁鉄心57b、59bは、それぞれ円板状に構成されており、中心部分には軸21を貫通させる貫通穴が形成されている。この貫通穴の内壁部分に軸受21aが配置されている。また、界磁鉄心57b、59bは、界磁用永久磁石57a、59aの各々における電機子巻線54a、58a側と対向してない非対向面側にそれぞれ接合されている。
本実施形態の回転電機は、小ロータ55の界磁57、59の対を軸21の軸方向から挟んで対向する位置に、ステータ56の電機子54、58が対で配置されている。本実施形態の回転電機では、このような構成によって、発電モジュール50内に発電のための内部部品を配置するうえでの部品レイアウト上の制約が緩和されるので、所望の発電出力を確保しつつ発電モジュール50及び回転電機本体の小型化を図ることができる。
なお、図11に示した発電モジュール50では、2組の界磁用永久磁石57a、59a及び界磁鉄心57b、59bで界磁が構成されていたが、小ロータ55の磁気ウォームギヤとして機能する部位の軸方向の長さが比較的短い場合には、1つの界磁鉄心の両側に界磁用永久磁石を配置して界磁を構成することで、発電モジュールのさらなる小形化を図ることができる。
[第3の実施の形態]
次に、第3の実施形態を図12に基づき説明する。なお、図12中において、図7に示した第1の実施形態中の構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付与し重複する説明を省略する。
本実施形態の風力発電システムは、発電モジュール20を複数備えていた第1の実施形態の回転電機10に代えて、図12に示す発電モジュール60を複数備えた回転電機が適用されている。複数の発電モジュール60は、第1の実施形態の発電モジュール20が備えていた小ロータ25及びステータ26に代えて、小ロータ65及びステータ66を備えている。
小ロータ65は、界磁63、67、69を備えている。ステータ66は、軸21の軸方向において界磁63、67、69と対向する電機子64、68を備えている。つまり、図12に示すように、発電モジュール60では、互いに対向する界磁と電機子との組は、軸21の軸方向に沿って並ぶ位置に複数組配置されている。本実施形態では、図12に示すように、界磁と電機子との組が、2組並ぶ発電モジュール60を例示している。
本実施形態の回転電機によれば、界磁と電機子との組からなる発電機構部分をアキシャル方向(軸21の長さ方向)に2組並べて配置した発電モジュール60を備えていることで、発電モジュール1台あたりの発電量を増大させることが可能となる。図12では、界磁と電機子との組からなる発電機構部分を2組並べた構成を例示したが、2組よりも多く配置することで更に大きな発電量を得ることが可能となる。また、軸方向中央部の軸受を共用できるとともに、軸方向中央部の磁界鉄心も共用でき、部品点数を削除することも可能となる。
[第4の実施の形態]
次に、第4の実施形態を図13に基づき説明する。なお、図13中において、図7に示した第1の実施形態中の構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付与し重複する説明を省略する。
本実施形態の風力発電システムは、発電モジュール20を複数備えていた第1の実施形態の回転電機10に代えて、図13に示す発電モジュール70を複数備えた回転電機が適用されている。複数の発電モジュール70は、第1の実施形態の発電モジュール20が備えていた小ロータ25及びステータ26に代えて、小ロータ75及びステータ76を備えている。
図13に示すように、小ロータ75は、第1の実施形態の小ロータ25において、対で配置されていた界磁27、29(界磁鉄心27b、29b)どうしを磁気的に結合した構成の界磁鉄心77bを備えている。つまり、界磁鉄心77bは、図13に示すように、小ロータ75の内周面にも配置されることになる。また、界磁鉄心77bは、第1の実施形態において界磁鉄心27b、29bを配置していた部位の軸方向の厚さ(小ロータの軸方向の両端部における鉄心部分の厚さ)が、界磁鉄心27b、29bに比べて薄く形成されている。
本実施形態の発電モジュール70では、小ロータ75の内周面に鉄心を設けることで磁路を形成し、この磁路を形成した効果によって、小ロータ75の軸方向の両端部における鉄心部分の磁束密度が低くなるため、この鉄心部分の厚さを薄くすることが可能となる。この結果、発電モジュール70の軸方向の長さを短縮して小形化を図ることができる。
[第5の実施の形態]
次に、第5の実施形態を図14に基づき説明する。なお、図14中において、図3などに示した第1の実施形態中の構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付与し重複する説明を省略する。
本実施形態の風力発電システムは、第1の実施形態の風力発電システム1が備えていた回転電機10に代えて、回転電機80を備えている。回転電機80は、回転電機10の構成に加え、加算回路(加算器)81、82、83、84をさらに備えている。また、回転電機80は、発電モジュール20(又は既述した発電モジュール40、50、60、70)を複数備えていると共に、これらのモジュールをそれぞれ2つ以上束ねた複数(例えば4つ)のモジュール群として管理している。
加算回路81、82、83、84は、個々の発電モジュール20の電機子巻線から得られる発電出力をモジュール群ごとに加算(統合)し、このモジュール群ごとに加算した発電出力を、変圧器などを介して系統に個別に出力する。
したがって、本実施形態の回転電機80によれば、モジュール群ごとの出力が独立して系統に送られるので、一部のモジュール群の運転を停止しても、残りのモジュール群から発電出力が得られるため、事故時の交換作業や保守作業を、発電出力を得ながら実施することができる。また、系統側の要求負荷が小さい場合には、一部のモジュール群における発電モジュールを運転することによって、運転しないモジュール群における発電モジュールの小ロータやステータの部品寿命を延伸することも可能となる。
また、図15に示すように、回転電機90を構成してもよい。回転電機90は、切換回路92を備えている。切換回路92は、複数のモジュール群のうちの少なくとも1つのモジュール群に属する各発電モジュールを、モータ又は発電機として選択的に切り換えて動作させる。切換回路92は、上記した加算回路81、82、83、84としての機能を有すると共に、接続されたモジュール群における発電モジュール内の電機子巻線に通電を行う機能を有している。図15の例では、回転電機90は、回転電機80が備える加算回路81、82、83、84のうちの加算回路82に代えて切換回路92を備えている。
したがって、回転電機90を備える風力発電システムでは、例えば風速が低く、風車翼を回転できない場合に、切換回路92が接続されたモジュール群の各発電モジュールをモータ(発動機)として機能させ、風車翼にトルクを与えることが可能となる。このように、風車翼を電力により回転させ、カットイン速度(風車翼起動時の負荷)を小さくすることで、回転電機90の運転範囲を広げることができる。さらに、ここで、切換回路92に接続されたモジュール群の発電モジュールに、誘導機としての機能部品を搭載させておけば、永久磁石同期機のような位置センサを用いることなく、より簡素な構成でモジュールを起動させることができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…風力発電システム、3…風車翼(ブレード)、10,80,90…回転電機、11…回転軸、12…電力調整部、15…大ロータ、15a…大ロータの外周面、16…ギャップ、17,22,24…永久磁石、18,23…磁性材、20,40,50,60,70…発電モジュール、21…軸、25,55,65,75…小ロータ、25a…小ロータの外周面、26,56,66,76…ステータ、27,29,57,59,63,67,69…界磁、28,54,58,64,68…電機子、48…空芯コイル、81,82,83,84…加算回路、92…切換回路。

Claims (8)

  1. 外周面に磁極を有し、第1の軸を中心に回転する第1のロータと、
    前記第1のロータの磁極と対向する磁極を外周面に有し、回転する前記第1のロータとの間で相互に作用する磁力によって、第2の軸を中心に回転する界磁を備えた第2のロータと、
    前記第2の軸の軸方向において前記界磁と対向する電機子を備えたステータと、
    を具備する回転電機。
  2. 前記第2のロータは、前記第2の軸の軸方向から前記電機子を挟んで対向する位置に前記界磁が対で配置されている、
    請求項1記載の回転電機。
  3. 前記第2のロータは、前記第2の軸の軸方向に沿って並ぶ位置に前記界磁が対で配置されており、
    前記ステータは、前記第2の軸の軸方向から前記界磁の対を挟んで対向する位置に前記電機子が対で配置されている、
    請求項1記載の回転電機。
  4. 互いに対向する前記界磁と前記電機子との組は、前記第2の軸の軸方向に沿って並ぶ位置に複数組配置されている、
    請求項1又は2記載の回転電機。
  5. 前記第2のロータは、前記対で配置される前記界磁どうしを磁気的に結合する鉄心をさらに備える、
    請求項2記載の回転電機。
  6. 前記第2のロータと前記ステータとの組で構成される発電可能なモジュールを複数備えていると共にこれらのモジュールをそれぞれ2つ以上束ねた複数のモジュール群を有し、
    個々の前記モジュールから得られる発電出力をモジュール群ごとに加算し、このモジュール群ごとに加算した発電出力を系統に個別に出力する加算回路をさらに備える、
    請求項1ないし5のいずれか1項に記載の回転電機。
  7. 前記複数のモジュール群のうちの少なくとも1つのモジュール群に属する各モジュールを、モータ又は発電機として選択的に切り換えて動作させる切換回路をさらに備える、
    請求項6記載の回転電機。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の回転電機と、
    前記第1の軸と機械的に連結された風車翼と、
    を具備する風力発電システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2019077780A1 (ja) * 2017-10-16 2019-04-25 雅以 西村 複式発電機
FR3124036A1 (fr) * 2021-06-10 2022-12-16 Psa Automobiles Sa Machine électrique tournante à flux axial multiple ayant une configuration creuse

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