JP2014058888A - 過給機用のコンプレッサハウジング - Google Patents

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竜 大須賀
Tomoyuki Isotani
知之 磯谷
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Abstract

【課題】生産性に優れ、安価でありながら、コンプレッサの性能を十分に確保することができる過給機用のコンプレッサハウジングを提供すること。
【解決手段】コンプレッサハウジング1は、吸気口11を形成する筒状の吸気口形成部21と、シュラウド面221及びディフューザ面222を形成するシュラウド部22と、ディフューザ面222に対向配置されるバックプレート4との間にスクロール室12を形成するスクロール室形成部23とを有するハウジング本体部2と、スクロール室形成部23内に挿入配置され、スクロール室形成部23とバックプレート4とに挟持された状態で両者の間にスクロール室12における外周側内壁面121aの一部を形成する環状のスペーサ部3とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数のブレードを有するインペラを収容可能に構成された過給機用のコンプレッサハウジングに関する。
自動車のターボチャージャー等の過給機に用いられるコンプレッサ(圧縮機)は、複数のブレードを有するインペラを収容可能に構成されたコンプレッサハウジングを有する。
コンプレッサハウジングは、インペラに向けて空気を吸い込む吸気口、インペラの外周側において周方向に形成され、インペラから吐き出された空気を外部へ導くスクロール室等を備えている。
コンプレッサハウジングを製造する方法としては、例えば、重力鋳造により成形する方法がある。この場合には、いわゆる中子を用いて鋳造を行うことができるため、形状自由度が高く、複雑な形状にも対応することができる。しかしながら、鋳造サイクルが長いため生産性が悪く、コストも高い。
そこで、コンプレッサハウジングをダイキャストにより成形する方法がある(特許文献1参照)。この場合には、重力鋳造に比べて鋳造サイクルが短いため生産性が良く、コストも安い。そのため、重力鋳造に比べて安価な製品を提供することができる。
特開2001−234753号公報
しかしながら、コンプレッサハウジングをダイキャストにより成形する場合、型抜き可能な形状でなければ成形することができないため、形状自由度が低く、複雑な形状に対応することが困難である。特に、コンプレッサの性能向上を目的として、スクロール室内の空気の流れを良くするためにスクロール室の壁面の形状をインペラの回転中心軸に対して非対称形状とした場合には、上記の問題が顕著となる。
例えば、図7に示すごとく、コンプレッサハウジング91をダイキャストにより単純に型抜き可能な範囲で成形した場合には、インペラ95の回転中心軸xに対して非対称形状であるスクロール室912の外周側の壁面913がスクロール室912に導入される空気a1の流れ方向に対して略垂直な方向に形成される。そのため、スクロール室912に導入された空気をスムーズにスクロール室912内に流すことができず、コンプレッサの性能低下を招いてしまう。
また、図8に示すごとく、コンプレッサハウジング91をダイキャストにより型抜き可能な範囲で成形し、スクロール室912の外周側の壁面913の一部を形成する壁面形成部941をバックプレート94に設ける構成も考えられる。この場合、バックプレート94に設ける壁面形成部941の形状は、スクロール室912と同様にインペラ95の回転中心軸xに対して非対称形状である。そのため、旋盤等の簡易な加工方法を用いてバックプレート94に加工を施し、非対称形状の壁面形成部941を形成することが困難である。また、他の加工方法を用いて非対称形状の壁面形成部941を形成した場合には、全体として生産性が悪くなり、コストも高くなってしまう。
また、同図に示すごとく、壁面形成部941を有するバックプレート94を一体的に成形し、バックプレート94への加工をなくす方法も考えられるが、この場合には、寸法精度や表面粗さ等の問題が生じる。例えば、コンプレッサハウジング91とバックプレート94との間に隙間cが形成されると、スクロール室912に導入された空気a1の流れが悪くなり、コンプレッサの性能低下を招いてしまう。
また、上述したこれらの問題は、図7、図8のようにコンプレッサハウジングを一部品で構成した場合であっても、上記特許文献1に開示されているようにコンプレッサハウジングを複数の部品で構成した場合であっても生じる問題である。しかしながら、未だに好適な解決手段が見出されていない。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたもので、生産性に優れ、安価でありながら、コンプレッサの性能を十分に確保することができる過給機用のコンプレッサハウジングを提供しようとするものである。
本発明の一の態様は、複数のブレードを有する過給機用のインペラを収容可能に構成されていると共に、上記インペラに向けて空気を吸い込む吸気口と、上記インペラの外周側において周方向に形成され、上記インペラから吐き出された空気を外部へ導くスクロール室とを備えた過給機用のコンプレッサハウジングにおいて、
上記吸気口を形成する筒状の吸気口形成部と、上記インペラに対向するシュラウド面及び該シュラウド面から上記スクロール室に向かって延びるディフューザ面を形成するシュラウド部と、上記ディフューザ面に対向配置されるバックプレートとの間に上記スクロール室を形成するスクロール室形成部とを有するハウジング本体部と、
該ハウジング本体部の上記スクロール室形成部内に挿入配置され、該スクロール室形成部と上記バックプレートとに挟持された状態で両者の間に上記スクロール室における外周側の内壁面の一部を形成する環状のスペーサ部とを備えていることを特徴とする過給機用のコンプレッサハウジングにある(請求項1)。
上記コンプレッサハウジングは、上記ハウジング本体部の上記スクロール室形成部と上記バックプレートとの間に、上記スクロール室における外周側の内壁面(以下、外周側内壁面という)の一部を形成する上記スペーサ部を備えている。ここで、上記スクロール室の上記外周側内壁面は、上記スクロール室に導入された空気が接触する面であるため、その形状を空気の流れがスムーズになるような形状にする必要がある。しかしながら、上記コンプレッサハウジングでは、上記外周側内壁面の一部を形成する上記スペーサ部が上記ハウジング本体部とも上記バックプレートとも別体の部品であるため、上記外周側内壁面の形状を所望の形状にしやすい。
これにより、上記スペーサ部に上記スクロール室の上記外周側内壁面に接触する空気の流れをスムーズにする形状を容易に形成することができ、上記ハウジング本体部や上記バックプレートに上記のような形状を設ける必要は特になくなる。その結果、上記ハウジング本体部を型抜き可能な形状とし、生産性に優れた安価なダイキャスト等により成形することができるし、上記バックプレートの上記ハウジング本体部側の表面を旋盤等にて容易に加工することもできる。よって、上記コンプレッサハウジング全体を生産性に優れた、安価なものとすることができる。
特に、上記スクロール室は、機能上の観点から、例えば外部出口に向かって上記外周側内壁面がインペラの回転中心軸から徐々に遠ざかるように、かつ断面積が徐々に大きくなるように構成される。すなわち、上記スクロール室の上記外周側内壁面の形状を上記インペラの回転中心軸に対して非対称形状とする。それ故、上記外周側内壁面の一部を上記バックプレートに形成しようとすると旋盤等による加工が困難となる。しかしながら、上記コンプレッサハウジングでは、上記スクロール室が上記のような非対称形状であっても、上記スペーサ部を利用することによってその非対称形状を容易に実現することができる。これにより、コンプレッサの性能を十分に確保することができる。
このように、生産性に優れ、安価でありながら、コンプレッサの性能を十分に確保することができる過給機用のコンプレッサハウジングを提供することができる。
実施例における、コンプレッサハウジングを有するコンプレッサの構造を示す説明図。 実施例における、コンプレッサハウジングの構造を示す説明図。 実施例における、ハウジング本体部内にスペーサ部が挿入配置されている状態を示す説明図。 実施例における、(a)ハウジング本体部の係合部を示す説明図、(b)スペーサ部のスペーサ位置決め部を示す説明図。 実施例における、ハウジング本体部のスクロール形成部内にスペーサ部を挿入配置する様子を示す説明図。 実施例における、コンプレッサハウジングにバックプレートを配置する様子を示す説明図。 背景技術における、コンプレッサハウジングの構造を示す説明図。 背景技術における、コンプレッサハウジングの構造を示す説明図。
上記コンプレッサハウジングにおいて、上記ハウジング本体部は、上記吸気口形成部、上記シュラウド部及び上記スクロール室形成部を一体的に成形した一部品で構成されていることが好ましい(請求項2)。
この場合には、上記ハウジング本体部を例えば生産性に優れた安価なダイキャスト等の方法を用いて一体的に成形した一部品で構成することにより、上記コンプレッサハウジング全体の部品点数を少なくすることができると共に、より一層の生産性向上、コスト削減を図ることができる。
また、上記一体成形品を型抜き可能な形状とするためには、上記スクロール室形成部を上記バックプレートに向かって拡開する形状とすることとなるため、空気のスムーズな流れを確保するために、上記スペーサ部を採用する必要性はより一層高くなる。
また、上記スペーサ部は、上記バックプレートに押圧された状態で、上記ハウジング本体部の上記スクロール室形成部に当接しており、かつ、上記ハウジング本体部の上記スクロール室形成部よりも剛性が低いことが好ましい(請求項3)。
この場合には、上記スペーサ部が上記ハウジング本体部の上記スクロール室形成部に押し付けられた状態で配置されることにより、両者の間に隙間が形成されることを防止することができる。これにより、上記両者の間に隙間が形成されることによる空気の流れの悪化、それに伴うコンプレッサの性能低下等を防止することができる。
なお、上記スペーサ部の剛性を上記ハウジング本体部の上記スクロール室形成部よりも低くする方法としては、例えば、上記スペーサ部を剛性の低い材料で構成したり、間抜き等で積極的に剛性が低い形状にしたりする方法がある。
また、上記スペーサ部は、上記バックプレートよりも剛性が低いことが好ましい。
この場合には、上記スペーサ部が上記バックプレートによって押圧された状態で配置されることにより、両者の間に隙間が形成されることを防止することができる。これにより、上記両者の間に隙間が形成されることによる空気の流れの悪化、それに伴うコンプレッサの性能低下等を防止することができる。
なお、上記スペーサ部の剛性を上記バックプレートよりも低くする方法としては、上記と同様に、例えば、上記スペーサ部を剛性の低い材料で構成したり、間抜き等で積極的に剛性が低い形状にしたりする方法がある。
また、上記スペーサ部は、樹脂からなることが好ましい(請求項4)。
この場合には、上記スペーサ部を変形させることにより、上記スペーサ部と上記ハウジング本体部の上記スクロール室形成部との間、上記スペーサ部と上記バックプレートとの間に隙間が形成されることをより一層防止することができる。
なお、上記スペーサ部を構成する樹脂としては、例えば、ナイロン66(登録商標)樹脂等を用いることができる。また、上記スペーサ部を構成する材料としては、樹脂以外にも、ゴムを用いたり、剛性の低い形状であれば金属等を用いたりすることもできる。
また、上記スペーサ部における上記スクロール室の上記外部出口近傍部分には、該外部出口の方向に沿って切り込まれるように形成したスリット部が設けられていることが好ましい(請求項5)。
ここで、上記スペーサ部における上記スクロール室の上記外部出口近傍部分は、薄肉となり、成形性が悪化するという問題がある。そのため、上記スリット部を設けることにより、この問題を解消することができる。
また、上記スペーサ部を例えば樹脂等により構成した場合には、上記スリット部を設けることによって上記スペーサの形状の微調整が可能となり、上記ハウジング本体部への組み付け時において位置合わせを精度良く行うことができると共に、張力を持たせることにより脱落等を防止することができる。また、上記スリット部によって熱応力、組み付け応力等を緩和することができ、変形やクリープ等を抑制することができる。
また、上記スペーサ部には、周方向位置を決定するためのスペーサ位置決め部が設けられており、該スペーサ位置決め部は、上記ハウジング本体部の上記スクロール室形成部の内壁面に設けられた係合部に係合していることが好ましい(請求項6)。
この場合には、上記ハウジング本体部の上記スクロール室形成部内に挿入配置された上記スペーサ部を所定の位置に確実に固定することができる。
上記過給機用のコンプレッサハウジングにかかる実施例について、図を用いて説明する。
本例のコンプレッサハウジング1は、図1に示すごとく、自動車のターボチャージャー(過給機)に用いられるコンプレッサ(圧縮機)8の外殻を形成するものであり、複数のブレード52を有するインペラ5を収容可能に構成されていると共に、インペラ5に向けて空気A1を吸い込む吸気口11と、インペラ5の外周側において周方向に形成され、インペラ5から吐き出された空気A2を外部へ導くスクロール室12とを有する。
図1、図2に示すごとく、コンプレッサハウジング1は、インペラ5を内部に収容すると共に吸気口11やスクロール室12を形成するハウジング本体部2と、そのハウジング本体部2内に組み付けられた環状のスペーサ部3とにより構成されている。
本例では、ハウジング本体部2は、アルミニウム材料からなる。また、スペーサ部3は、ナイロン66(登録商標)樹脂からなり、ハウジング本体部2及び後述するバックプレート4よりも剛性が低い。
同図に示すごとく、ハウジング本体部2は、吸気口11を形成する筒状の吸気口形成部21と、インペラ5に対向するシュラウド面221及びそのシュラウド面221からスクロール室12に向かって延びるディフューザ面222を形成するシュラウド部22と、ディフューザ面222に対向配置されるバックプレート4との間にスクロール室12を形成するスクロール室形成部23とを有する。
本例では、ハウジング本体部2は、吸気口形成部21、シュラウド部22及びスクロール室形成部23をダイキャストにより一体的に成形した一部品で構成されている。
また、シュラウド部22内には、吸気口11と連通する吸気通路220が形成されている。また、シュラウド部22のディフューザ面222とバックプレート4のハウジング本体部2側の表面401との間には、インペラ5から吐き出された空気A2を昇圧させるディフューザ部13が形成されている。
なお、バックプレート4は、両面が平坦な面の板状であり、シュラウド部22のディフューザ面222に対向する位置に、コンプレッサハウジング1の吸気側とは反対の側を覆うように配置されている。また、バックプレート4は、アルミニウム材料からなる。
同図に示すごとく、スペーサ部3は、ハウジング本体部2のスクロール室形成部23内に挿入配置されている。そして、スペーサ部3は、ハウジング本体部2のスクロール室形成部23とバックプレート4とに挟持された状態で、両者の間にスクロール室12の外周側の内壁面(以下、外周側内壁面という)121aの一部を形成している。
具体的には、スペーサ部3は、ハウジング本体部2のスクロール室形成部23の外周側の内壁面231に沿って配置されている。
また、スペーサ部3のバックプレート4側の表面301は、バックプレート4のハウジング本体部2側の表面401によって軸方向に押圧された状態となっている。また、スペーサ部3のハウジング本体部2側の表面302は、ハウジング本体部2のスクロール室形成部23の当接面232に対して軸方向に当接している。
また、スペーサ部3の内周面303は、スクロール室12の内壁面121のうち、外周側内壁面121aの一部を形成しており、インペラ5の回転中心軸Xを含む断面において凹状となる凹状曲面を有している。また、スペーサ部3の内周面303は、スクロール室形成部23とバックプレート4のハウジング本体部2側の表面401とを滑らかに連結している。
同図に示すごとく、ハウジング本体部2のスクロール室形成部23、スペーサ部3及びバックプレート4によって形成されたスクロール室12は、外部出口120(図3参照)に向かって外周側内壁面121aがインペラ5の回転中心軸Xから徐々に遠ざかるように(スクロール室12の外周側内壁面121aとインペラ5の回転中心軸Xとの間の距離L(図2参照)が徐々に大きくなるように)、かつ断面積が徐々に大きくなるように構成されている。
図3に示すごとく、スペーサ部3におけるスクロール室12の外部出口120近傍部分には、その外部出口120の方向に沿って切り込まれるように形成したスリット部31が設けられている。
図4(a)に示すごとく、ハウジング本体部2のスクロール室形成部23の当接面232には、凹形状の係合部233が設けられている。また、図4(b)に示すごとく、スペーサ部3のハウジング本体部2側の表面302には、スペーサ部3の周方向位置を決定するための凸形状のスペーサ位置決め部32が設けられている。スペーサ部3のスペーサ位置決め部32は、スクロール室形成部23の係合部233に係合している。これにより、スペーサ部3がスクロール室形成部23に対して固定されている。
図1に示すごとく、インペラ5は、ハウジング本体部2のシュラウド部22の内周側に配置されており、回転軸50を中心に回転可能に取り付けられている。また、インペラ5は、ハブ51の外周面から周方向に並ぶ複数のブレード52を突出させている。複数のブレード52は、ハウジング本体部2のシュラウド部22のシュラウド面221に対向して配置されている。
同図に示すごとく、上記構成のコンプレッサハウジング1を有するコンプレッサ8においては、インペラ5の回転により、吸気口11から吸気通路220を介してインペラ5へと空気A1が吸い込まれる。また、インペラ5のブレード51によって加速され、インペラ5から吐き出された空気A2は、ディフューザ部13において昇圧され、スクロール室12へと送り込まれる。また、スクロール室12に導入された空気A3は、スペーサ部3の内周面303を含む外周側内壁面121aに接触し、スクロール室12内を周方向に流れ、外部出口120(図3参照)から排出される。
次に、本例のコンプレッサハウジング1の製造方法について説明する。
本例のコンプレッサハウジング1を製造するに当たっては、まず、吸気口形成部21、シュラウド部22及びスクロール室形成部23を有するハウジング本体部2(図1、図2参照)をダイキャストにより一体的に一部品として成形する。
次いで、図5に示すごとく、ハウジング本体部2に対してスペーサ部3を軸方向に挿入する。具体的には、ハウジング本体部2のスクロール室形成部23内にスペーサ部3を軸方向に挿入し、スクロール室形成部23の外周側の内壁面231に沿って配置する。このとき、スペーサ部3のスペーサ位置決め部32(図4(b))をスクロール室形成部23の係合部233(図4(a))に係合させる。これにより、スペーサ部3をハウジング本体部2のスクロール室形成部23に対して固定する。
次いで、図6に示すごとく、ハウジング本体部2のシュラウド部22のディフューザ面222に対向する位置に、コンプレッサハウジング1の吸気側とは反対の側を覆うようにバックプレート4を配置する。このとき、バックプレート4の表面401によってスペーサ部3の表面301を軸方向に押圧し、スペーサ部3の表面302をハウジング本体部2のスクロール室形成部23の当接面232に対して軸方向に当接させる。これにより、樹脂からなるスペーサ部3は、変形した状態でハウジング本体部2のスクロール室形成部23とバックプレート4との間に隙間を形成することなく配置される。
以上により、図2に示すコンプレッサハウジング1を得る。
次に、本例のコンプレッサハウジング1における作用効果について説明する。
本例のコンプレッサハウジング1は、ハウジング本体部2のスクロール室形成部23とバックプレート4との間に、スクロール室12の外周側内壁面121aの一部を形成するスペーサ部3を備えている。ここで、スクロール室12の外周側内壁面121aは、スクロール室12に導入された空気A3が接触する面であるため、その形状を空気A3の流れがスムーズになるような形状にする必要がある。しかしながら、本例では、外周側内壁面121aの一部を形成するスペーサ部3がハウジング本体部2ともバックプレート4とも別体の部品であるため、外周側内壁面121aの形状を所望の形状にしやすい。
これにより、スペーサ部3にスクロール室12の外周側内壁面121aに接触する空気A3の流れをスムーズにする形状を容易に形成することができ、ハウジング本体部2やバックプレート4に上記のような形状を設ける必要は特になくなる。その結果、本例のように、ハウジング本体部2を型抜き可能な形状とし、生産性に優れた安価なダイキャスト等により成形することができるし、バックプレート4のハウジング本体部2側の表面401を旋盤等にて容易に加工することもできる。よって、コンプレッサハウジング1全体を生産性に優れた、安価なものとすることができる。
特に、スクロール室12は、機能上の観点から、本例のように外部出口120に向かって外周側内壁面121aがインペラ5の回転中心軸Xから徐々に遠ざかるように、かつ断面積が徐々に大きくなるように構成されている。すなわち、スクロール室12の外周側内壁面121aの形状は、インペラ5の回転中心軸Xに対して非対称形状となっている。それ故、外周側内壁面121aの一部をバックプレート4に形成しようとすると旋盤等による加工が困難となる。しかしながら、本例では、スクロール室12が上記のような非対称形状であっても、スペーサ部3を利用することによってその非対称形状を容易に実現することができる。これにより、コンプレッサ8の性能を十分に確保することができる。
また、本例では、ハウジング本体部2は、吸気口形成部21、シュラウド部22及びスクロール室形成部23を生産性に優れた安価なダイキャストにより一体的に成形した一部品で構成されている。そのため、コンプレッサハウジング1全体の部品点数を少なくすることができると共に、より一層の生産性向上、コスト削減を図ることができる。
また、スペーサ部3は、バックプレート4に押圧された状態で、ハウジング本体部2のスクロール室形成部23に当接しており、かつ、ハウジング本体部2のスクロール室形成部23よりも剛性が低い。そのため、スペーサ部3がハウジング本体部2のスクロール室形成部23に押し付けられた状態で配置されることにより、両者の間に隙間が形成されることを防止することができる。これにより、上記両者の間に隙間が形成されることによるスクロール室12に導入された空気A3の流れの悪化、それに伴うコンプレッサ8の性能低下等を防止することができる。
また、スペーサ部3は、バックプレート4よりも剛性が低い。そのため、スペーサ部3がバックプレート4によって押圧された状態で配置されることにより、両者の間に隙間が形成されることを防止することができる。これにより、上記両者の間に隙間が形成されることによるスクロール室12に導入された空気A3の流れの悪化、それに伴うコンプレッサ8の性能低下等を防止することができる。
また、スペーサ部3は、ナイロン66(登録商標)樹脂からなる。そのため、スペーサ部3を変形させることにより、スペーサ部3とハウジング本体部2のスクロール室形成部23との間、スペーサ部3とバックプレート4との間に隙間が形成されることをより一層防止することができる。
また、スペーサ部3におけるスクロール室12の外部出口120近傍部分には、外部出口120の方向に沿って切り込まれるように形成したスリット部31が設けられている。ここで、スペーサ部3におけるスクロール室12の外部出口120近傍部分は、薄肉となり、成形性が悪化するという問題がある。そのため、スリット部3を設けることにより、この問題を解消することができる。
また、スペーサ部3を例えば本例のように樹脂等により構成した場合には、スリット部31を設けることによってスペーサ部3の形状の微調整が可能となり、ハウジング本体部2への組み付け時において位置合わせを精度良く行うことができると共に、張力を持たせることにより脱落等を防止することができる。また、スリット部3によって熱応力、組み付け応力等を緩和することができ、変形やクリープ等を抑制することができる。
また、スペーサ部3には、周方向位置を決定するためのスペーサ位置決め部32が設けられており、スペーサ位置決め部32は、ハウジング本体部2のスクロール室形成部23の内壁面231に設けられた係合部233に係合している。そのため、ハウジング本体部2のスクロール室形成部23内に挿入配置されたスペーサ部3を所定の位置に確実に固定することができる。
このように、本例によれば、生産性に優れ、安価でありながら、コンプレッサ8の性能を十分に確保することができる過給機用のコンプレッサハウジング1を提供することができる。
1 コンプレッサハウジング
11 吸気口
12 スクロール室
121a 外周側内壁面
2 ハウジング本体部
21 吸気口形成部
22 シュラウド部
221 シュラウド面
222 ディフューザ面
23 スクロール室形成部
3 スペーサ部
4 バックプレート
5 インペラ
X 回転中心軸

Claims (6)

  1. 複数のブレードを有する過給機用のインペラを収容可能に構成されていると共に、上記インペラに向けて空気を吸い込む吸気口と、上記インペラの外周側において周方向に形成され、上記インペラから吐き出された空気を外部へ導くスクロール室とを備えた過給機用のコンプレッサハウジングにおいて、
    上記吸気口を形成する筒状の吸気口形成部と、上記インペラに対向するシュラウド面及び該シュラウド面から上記スクロール室に向かって延びるディフューザ面を形成するシュラウド部と、上記ディフューザ面に対向配置されるバックプレートとの間に上記スクロール室を形成するスクロール室形成部とを有するハウジング本体部と、
    該ハウジング本体部の上記スクロール室形成部内に挿入配置され、該スクロール室形成部と上記バックプレートとに挟持された状態で両者の間に上記スクロール室における外周側の内壁面の一部を形成する環状のスペーサ部とを備えていることを特徴とする過給機用のコンプレッサハウジング。
  2. 請求項1に記載のコンプレッサハウジングにおいて、上記ハウジング本体部は、上記吸気口形成部、上記シュラウド部及び上記スクロール室形成部を一体的に成形した一部品で構成されていることを特徴とする過給機用のコンプレッサハウジング。
  3. 請求項1又は2に記載のコンプレッサハウジングにおいて、上記スペーサ部は、上記バックプレートに押圧された状態で、上記ハウジング本体部の上記スクロール室形成部に当接しており、かつ、上記ハウジング本体部の上記スクロール室形成部よりも剛性が低いことを特徴とする過給機用コンプレッサハウジング。
  4. 請求項3に記載のコンプレッサハウジングにおいて、上記スペーサ部は、樹脂からなることを特徴とする過給機用のコンプレッサハウジング。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のコンプレッサハウジングにおいて、上記スペーサ部における上記スクロール室の上記外部出口近傍部分には、該外部出口の方向に沿って切り込まれるように形成したスリット部が設けられていることを特徴とする過給機用コンプレッサハウジング。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のコンプレッサハウジングにおいて、上記スペーサ部には、周方向位置を決定するためのスペーサ位置決め部が設けられており、該スペーサ位置決め部は、上記ハウジング本体部の上記スクロール室形成部の内壁面に設けられた係合部に係合していることを特徴とする過給機用のコンプレッサハウジング。
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