JP2014058496A - Wnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物、ならびに、それを用いた皮膚癌病状改善用医薬組成物およびサプリメント - Google Patents

Wnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物、ならびに、それを用いた皮膚癌病状改善用医薬組成物およびサプリメント Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、黒色腫細胞のWnt/β‐cateninシグナル経路を抑制するWnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物、ならびに、それを用いた皮膚癌病状改善用医薬組成物およびサプリメントを提供する。
【解決手段】Wnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物は、一般式(1)で表される構造又は一般式(1)で表される化合物の還元型の構造を有する。

一般式(1)中で、R1は水素基又は[(C)CH]nであり、nは1〜5の整数であり、R2は水素基又はメトキシ基である。
【選択図】図1

Description

本発明は、Wnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物、ならびに、それを用いた皮膚癌病状改善用医薬組成物およびサプリメントに関する。
黒色腫(melanoma)は、皮膚悪性腫瘍の一つであり、悪性度が最も高く、転移しやすく、西洋人にとって皮膚病の中で罹患率が第1位を占める死亡原因である。
特開平10−45760号公報
現在、黒色腫を治療する薬物についての研究は、まだ完備されていない。黒色腫の化学治療及び放射線治療の効果が良くなく、高度の転移性が伴われているため、癌治療を補助する天然食材を求めることは、現在の重要な課題である。
Wnt/β‐cateninシグナル経路は、増殖(proliferation)、分化(differentiation)、生存(survival)、細胞アポトーシス(apoptosis)、及び細胞の転移(motility)含む数多くの細胞のプロセスを調節することができる。約30%の黒色腫には、Wnt/β‐cateninシグナル経路の異常活性化の現象が観察されているため、Wnt/β‐cateninシグナル経路を抑制することも、黒色腫を治療する対策の一つになる。 本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、Wnt/β‐cateninシグナル経路を抑制するWnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物、ならびに、それを用いた皮膚癌病状改善用医薬組成物およびサプリメントを提供することにある。
請求項1に係る発明によると、Wnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物は、一般式(1)で表される構造又は一般式(1)で表される化合物の還元型の構造を有する。
一般式(1)において、R1は水素基又は[(C)CH]nであり、nは1〜5の整数であり、R2は水素基又はメトキシ基である。
請求項2に係る発明によると、ベンゾキノン系化合物は、一般式(1)で表される化合物の位置異性体であり、一般式(2)で表される構造を有する。
一般式(2)において、R1は水素基又は[(C)CH]nであり、nは1〜5の整数である。
請求項3に係る発明によると、Wnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物は、2,3‐ジメトキシ‐5‐メチル‐1,4‐ベンゾキノン、2‐メトキシ‐6‐メチル‐1,4‐ベンゾキノン、または、5‐メチル‐1‐ベンゾ[1,3]ジオキソール‐4,7‐ジオンであってよい。
請求項4に係る発明によると、Wnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物は、黒色腫細胞の成長を抑制する薬物の調製に用いられる。
請求項5に係る発明によると、黒色腫細胞の成長を抑制する薬物は、黒色腫細胞増殖抑制薬物、黒色腫細胞分化抑制薬物、黒色腫細胞生存抑制薬物、黒色腫細胞転移抑制薬物、又は黒色腫アポトーシス促成薬物を含む。
請求項6に係る発明によると、黒色腫細胞の成長を抑制する薬物は、内服剤、注射剤、又は皮膚外用剤である。
請求項7に係る発明によると、皮膚癌病状改善用医薬組成物は、Wnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物、Wnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物を有効成分とする加工物又は天然物からの抽出物、Wnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物の薬学的に許容可能な塩類、および、前記Wnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物の薬学的に許容可能な溶媒和物のうち少なくとも一つを含む。
請求項8に係る発明によると、Wnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物を有効成分とする加工物は、樟芝(ベニクスノキタケ)の発酵液又は樟芝の発酵液の乾燥粉末である。
請求項9に係る発明によると、サプリメントは、人工合成、樟芝の発酵液又は樟芝の発酵液の抽出物から得られたWnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物を有効成分とする。
請求項10に係る発明によると、サプリメントは、液状、粉末、錠剤、カプセル又は注射剤である。
本発明は、さらに、黒色腫細胞のWnt/β‐cateninシグナル経路への抑制に応用されるユビキノン‐0(Ubiquinone‐0)の用途を提供する。
本発明のWnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物は、黒色腫細胞のWnt/β‐cateninシグナル経路を抑制することができ、黒色腫細胞の増殖、分化、生存、および転移を抑制する薬物、又は黒色腫アポトーシス促成薬物、医薬組成物又はサプリメントを調製するのに用いられることができる。
本発明の一実施形態によるWnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物の特性図である。 本発明の一実施形態によるWnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物の特性図である。 本発明の一実施形態によるWnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物の特性図である。 本発明の一実施形態によるWnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物の特性図である。 本発明の一実施形態によるWnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物の特性図である。 本発明の一実施形態によるWnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物の特性図である。 本発明の一実施形態によるWnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物の特性図である。 本発明の一実施形態によるWnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物の特性図である。 本発明の一実施形態によるWnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物の特性図である。 本発明の一実施形態によるWnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物の特性図である。 (a)は本発明の一実施形態によるWnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物の特性図である。(b)は(a)に示したものの対照群である。 本発明の一実施形態によるWnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物の特性図である。 本発明の一実施形態によるWnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物の特性図である。 本発明の一実施形態によるWnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物の特性図である。 本発明の一実施形態によるWnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物の特性図である。 本発明の一実施形態によるWnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物の特性図である。 本発明の一実施形態によるWnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物の特性図である。 (a)は本発明の一実施形態によるWnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物の特性図である。(b)は(a)の部分の結果を定量化した図である。 本発明の一実施形態によるWnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物の特性図である。 本発明の一実施形態によるWnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物の特性図である。 本発明の一実施形態によるWnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物の特性図である。 本発明の一実施形態によるWnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物の特性図である。 本発明の一実施形態によるWnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物の特性図である。 本発明の一実施形態によるWnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物の特性図である。 図24に示した結果を定量化した図である。
(一実施形態)
本発明の一実施形態によると、Wnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物(以下、は単に「化合物(I)」という)は、一般式(1)で表される構造を有し、その還元型又はその異性体が、化学合成、又は天然物、加工物又は加工物からの抽出物から得られることができる
R1は水素基又は[(C)CH]nであり、nは1〜5の整数であり、R2は水素基又はメトキシ基である。
ここで、天然物、加工物又は加工物からの抽出物から得られる化合物(I)は、自然状態で、酸化還元型の置換、異なる構造異性体(constitutional isomers)又は位置異性体(configurational isomers)が生じられる。本実施形態では、合成された化合物(I)、又は樟芝の発酵液から得られた化合物(I)含有の天然物又は加工物からの抽出物に関わらず、黒色腫細胞Wnt/β‐cateninシグナル経路に対して、何れも抑制効果が一致していることを表している。そのため、下記実験例に記載の実験の目標化合物(I)の具体的な構造において、R1は水素基であり、R2はメトキシ基である。また、純粋な化合物(I)は、化合物(I)を主な有効成分とする混合物と同様な効果を有する。
下記の実施例は、本発明の特定の態様を明らかにし、当業者に本発明の内容に対する理解及び実施に寄与するためのものである。ただし、本発明の範囲は、これらの実施例に限定されない。
(第一実施例:黒色腫細胞の増殖(Proliferation)に対する化合物(I)の抑制作用)
(実験例1‐1:黒色腫細胞の生存率に対する化合物(I)の抑制作用)
験用の細胞は、ヒトの正常な皮膚細胞(HaCaT)、黒色腫瘍細胞(A2058)、マウスの黒色腫細胞(B16F1)、および、マウスの黒色腫高転移性細胞(B16F10)である。各供試細胞を適当な培養基で培養する。インキュベーターを5%CO、37℃恒温に維持する。細胞を一定数まで培養した場合、900rpmの回転数で10分間遠心して、培養液を除去する。実験の24時間前に、培養液を交換し、細胞計数器(hemocytometer)によって細胞の数を数える。
細胞の生存率(viability)の測定は、細胞賦活評価実験(Method of transcriptional and translational assay;MTT assay)によって行う。細胞生存率検出の実験方法については、Parada‐Turska等により提案されたステップを参照する。
供試細胞を、24穴プレート(2.5×105 cells/well)に植え、翌日、細胞が壁に付着した後、PBSで洗浄する。1%ウシ胎児血清(FBS)を含むDMEM培養液を加え、細胞を同期化させる。翌日、異なる濃度の化合物(I)を加え、37℃、5%COで24時間培養し、PBSで1回洗浄する。400μlのMTT試薬を加え、4時間反応させた後、400μlの10%SDSを更に加え、12時間反応させる。200μlの上澄みを抽出して96穴マイクロプレートに入れ、570nmの波長で吸光度を測定する。
図1は、化合物(I)の投与量が異なる場合、ヒトの正常な皮膚細胞(HaCaT)、黒色腫瘍細胞(A2058)、マウスの黒色腫細胞(B16F1)、およびマウスの黒色腫高転移性細胞(B16F10)の生存率の抑制に対する化合物(I)の影響を定量化した図である。結果は、mean±SD値で表され、n=3、p<0.05である。
図1に示すように、実験濃度0〜20μMの化合物(I)が供試細胞に24時間作用した後、正常な皮膚細胞HaCaTは化合物(I)の影響を受けておらず、A2058の生存率が70%であり、B16F1に対するIC50濃度は約15〜20μMであり、高転移性細胞B16F10に対するIC50濃度は約10μMであり、高転移性細胞B16F10に対する毒性が著しいことが明らかである。
結果から、化合物(I)は、マウスの黒色腫高転移性細胞株の活性に対して、強い抑制効果を有することが判明できる。
下記の実験例において、使用される「腫瘍細胞」、「黒色腫細胞」の用語は、特に説明しない場合、何れもマウスの黒色腫高転移性細胞株B16F10を指す。
(実験例1‐2:腫瘍細胞コロニーの形成に対する化合物(I)の抑制作用)
黒色腫高転移性細胞B16F10のコロニー形成に対する化合物(I)の影響を理解するために、細胞コロニー形成アッセイ(Colony formation assay)によって観察する。
図2の(a)部分は、細胞を細胞マトリックスに付着させた後、異なる濃度の化合物(I)で24時間反応させてから、10%FBSを含む新鮮な細胞培養液に入替えた後、5日間培養した細胞コロニーの成長状況である。結果、化合物(I)が、黒色腫細胞のコロニー形成に対して著しい抑制作用を有することを示す。
図2の(b)部分は、(a)部分に示した細胞コロニーをコンピュータで走査して、70%のアルコールでコロニーを溶解し、吸光度540nmで測定して得られた数値である。結果から、黒色腫細胞コロニーの数は、化合物(I)の投与量との依存性を示すことが判明できる。
(第二実施例:黒色腫細胞Wnt/β‐catenin調節経路に対する化合物(I)の抑制作用)
癌細胞の成長を起動させるには、数多くのシグナル伝達経路があり、多種類のタンパク質の活性化に関わっている。30%の黒色腫に、Wnt/β‐cateninシグナル経路の異常活性化の現象が観察できるため、Wnt/β‐cateninシグナル経路を抑制することも、黒色腫を治療する対策の一つになる。Wnt/β‐cateninシグナル経路における関連するタンパク質の発現又は活性化は、増殖(proliferation)、分化(differentiation)、生存(survival)、アポトーシス(apoptosis)、及び細胞の転移(motility)を含む腫瘍細胞のプロセスを調節することができる。
(実験例2‐1:β‐Cateninのリン酸化に対する化合物(I)の促進作用)
グリコーゲンシンターゼキナーゼ‐3β(Glycogen synthase kinase‐3 beta;GSK3β)は、多機能の酵素キナーゼであり、細胞において、グリコーゲンシンテターゼ経路に関与するほか、数多くのシグナル伝達、遺伝子発現、細胞生存又は死亡等の重要なメカニズムを調節する。β‐cateninは、分解を調節することができる腫瘍に関連するタンパク質であり、現在の研究によると、β‐cateninは、GSK3βにリン酸化されることができ、β‐cateninのリン酸化が癌化と緊密な関係があると考えられる。
以下、ウエスタンブロット解析(Western blotting)によって、黒色腫細胞内のβ‐catenin及びGSK3βのタンパク質の含有量及びそのリン酸化反応に対する化合物(I)の影響を観察する。
図3は、24時間培養された黒色腫細胞B16F10が濃度0、5、10、15及び20μMの化合物(I)により処理された後、ウエスタンブロット解析によって、黒色腫細胞内のβ‐catenin及びリン酸化されたβ‐catenin(p‐β‐catenin)、ならびに、GSK3β及びリン酸化されたGSK3β(p‐GSK3β)のタンパク質の含有量を検出する結果である。β‐actinは、内部標準である。
ウエスタンブロット解析のステップは、下記の通りである。
細胞を4℃のPBSで2回洗浄し、溶解バッファー(lysis buffer)を加え、ラバーポリスマン(rubber policeman)で細胞をすり潰して溶解させ、この細胞溶解液を1.5mlの微量遠心管に入れ、1分間振動する。また、12000回転数で10分間遠心して上澄みを取って、タンパク質の濃度をBio‐Rad protein assay kitで測定する。残りのタンパク質抽出液を−70℃で保存する。100μgのタンパク質溶液を取って、等体積で約2倍濃度のSDS/protein loading bufferを加え、100℃で10分間煮沸し、冷却した後、タンパク質サンプルをそれぞれ入れて、電圧を100ボルトに調整し、タンパク質サンプルの泳動が終わってから、タンパク質電気泳動の転写を行う。1枚のポリフッ化ビニリデン膜(poly(vinylidene fluoride);PVDF)を取り、メタノールで濡れらした後、4℃のアイスボックスにおける転写タンクに入れて、600マイクロアンペアの電流でタンパク質の転移を行う。4時間後、PVDFを取り出して、1%BSAのPBS blocking solutionに入れて、2時間揺動した後、一次抗体のblocking solutionに入れて、室温で1時間ゆっくり揺動する。PBSTで、毎回3〜5分間、回転数100rpmでPVDF膜を3回洗浄する。異なる一次抗体により倍数になるよう希釈し、水平型回転装置において、室温で2時間揺動し、PBSTで3回洗浄する。そして、プラスチックグリップを使用してPVDF膜を黒色金属プレートに置き、タンパク質側が上向きになるように、1:1で混合されたChemiluminesent Substrateを膜に加え、冷光映像装置を用いて、異なる抗体の蛍光の強弱によって露光時間を調整してから撮影する。
図3の結果が示すように、化合物(I)は、処理濃度の増加に伴いβ‐cateninのタンパク質発現量は減少するが、そのリン酸化タンパク質(p‐β‐catenin)の発現量は濃度の増加に伴い増加し、投与量との依存性を示す。それに対して、GSK3βの量は、化合物(I)に抑制される状況になり、そのリン酸化タンパク質(p‐GSK3β)も、化合物(I)の濃度の増加に伴い減少する。よって、化合物(I)は、腫瘍の進行への抑制に寄与するタンパク質p‐β‐Cateninのリン酸化を促進し、非リン酸化β‐Catenin及びGSK3βの分解を調節することができることが明らかである。
(実験例2‐2:Wnt/β‐catenin調節に関連するタンパク質発現に対する化合物(I)の抑制作用)
以下、化合物(I)による黒色腫瘍高転移性細胞の抑制作用のメカニズムを説明するために、Wnt/β‐catenin調節経路における代表的なタンパク質について、ウエスタンブロット解析を行う。
図4は、Wnt‐5a、Low‐density lipoprotein receptor‐related protein 6(LPR6)、Axin、Dvlを含む黒色腫瘍細胞において、腫瘍の進行を促進するタンパク質の発現状況である。β‐actinは、内部標準である。ウエスタンブロット解析のステップは、実験例2‐1に示すようなものである。
図4の結果が示すように、化合物(I)の投与量の増加に伴い、黒色腫瘍高転移性細胞において、Wnt/β‐catenin調節経路のWnt‐5a、LPR6、Axin、Dvlタンパク質の発現量は、何れも抑制られ、投与量との依存性を示す。
(実験例2‐3:β‐Cateninの核内移行・発現に対する化合物(I)の抑制作用)
化合物(I)は、腫瘍の進行への抑制に寄与するタンパク質p‐β‐Cateninのリン酸化を促進し、非リン酸化β‐Catenin及びGSK3βの分解を調節することができる。研究によると、非リン酸化β‐cateninの大部分は、核中に位置決められていることが知られており、以下、化合物(I)が存在する場合、細胞内のβ‐cateninの位置について解析する。
図5は、細胞免疫蛍光染色(Immunofluenrence staining)法によって、β‐Cateninの一次抗体を用いて、蛍光顕微鏡で200倍視野において観察した写真である。
細胞を、異なる濃度の化合物(I)で刺激した後、β‐Cateninの一次抗体(1:250希釈)を加え、37℃、5%CO2において2時間培養する。更に、蛍光二次抗体(1:200希釈)を加え、最後、DAPI(1:1000希釈)を加え、光線を避けるように室温で5分間放置し、蛍光顕微鏡で観察して写真を撮り(200x)、また、mounting gelで封入する。
図5の結果が示すように、化合物(I)は、β‐cateninの核内移行を抑制し、核質β‐cateninのタンパク質発現を低下させることができ、化合物(I)がp‐β‐Cateninのリン酸化を促進して、腫瘍の進行を抑制することができることが証明された。
(実験例2‐4:核内及び細胞質β‐catenin分解に対する化合物(I)の促進作用)
リン酸化されなかったβ‐cateninは、細胞質に累積して細胞核に転位するため、化合物(I)が存在する場合、β‐cateninの分解への促進効果があるかどうかについて、更に解析する。
図6は、ウエスタンブロット法によって、異なる濃度の化合物(I)で処理する場合、細胞質、核内のβ‐cateninの核内、及び細胞質における発現量への影響を解析した結果を示す図である。Histoneは、核内の内部標準であり、β‐actinは、細胞質の内部標準である。
図6の結果が示すように、化合物(I)の処理濃度の増加に伴い、細胞質及び核内のβ‐catenin量は、何れも著しく減少する。
(実験例3‐1:β‐cateninの分解に対する化合物(I)の促進作用)
上述したように、化合物(I)は、β‐cateninの核内移行・発現を抑制し、核質β‐cateninのタンパク質発現を低下させることができる。化合物(I)のWnt/β‐catenin調節経路におけるβ‐cateninタンパク質量に対する影響メカニズムを明確するため、供試サンプルにプロテアソーム抑制剤(proteasome inhibitor)、GSK3β抑制剤、又はタンパク質合成抑制剤(protein synthesis inhibitor)を与える方式で、ウエスタンブロット法によって黒色腫瘍高転移性細胞内のタンパク質量の変化を解析して観察する。
図7は、化合物(I)及びプロテアソーム抑制剤MG132を同時に与えた後、β‐cateninタンパク質の発現状況を示す図である。β‐actinは、内部標準である。ウエスタンブロット解析のステップについては、実験例2‐2を参照。
図7に示すように、化合物(I)が単独に存在する場合、β‐cateninタンパク質の細胞内の量が著しく減少し、プロテアソーム抑制剤MG132が単独に存在する場合、β‐cateninタンパク質の細胞内の量がかなり高いが、化合物(I)及びプロテアソーム抑制剤MG132を同時に与える場合、β‐cateninのタンパク質の量が少量に回復することが明らかである。
図8は、化合物(I)及びGSK3β抑制剤SB216763を同時に与えた後、β‐cateninタンパク質の発現状況を示す図である。
図8に示すように、化合物(I)が単独に存在する場合、β‐cateninタンパク質の細胞内の量が著しく減少し、GSK3β抑制剤SB216763が単独に存在する場合、β‐cateninタンパク質の細胞内の量が変わらずに維持されるが、化合物(I)及びGSK3β抑制剤SB216763を同時に与える場合、β‐cateninのタンパク質の量が低下することが明らかである。
図9は、異なる時間で化合物(I)又はタンパク質合成抑制剤(Cycloheximide;CHX)を与えた後、β‐cateninの発現状況を示す図である。
図9に示すように、タンパク質合成抑制剤CHXで細胞を0、6、12、24時間処理する場合、β‐cateninの細胞内の量は、処理時間の増加に伴い減少し、15μMの化合物(I)で細胞を処理する実験群においても、同じような傾向があり、化合物(I)がβ‐cateninの分解の促進に関わると推測できる。
(実験例3‐2:GSK3βに依存しない、β‐cateninの分解に対する化合物(I)の促進作用)
図10は、免疫沈降法(Immunoprecipitation;IP)によって、化合物(I)が存在する場合、β‐catenin及びその分解複合物におけるGSK3β、Axinとの交互作用を解析した結果を示す図である。
図10に示すように、化合物(I)が存在する場合、β‐cateninは、Axinと結合するが、GSK3βとの結合が明らかでないので、化合物(I)が存在する場合、β‐cateninの分解がGSK3βに依存していないことが明らかである。
(実験例4‐1:化合物(I)によるβ‐catenin転写活性への抑制)
化合物(I)はβ‐cateninの分解に対して促進効果を有し、β‐cateninレポーターアッセイ(TCF/β‐catenin reporter assay)を行うので、β‐catenin下流の遺伝子の発現状況を知ることができる。
図11の(a)部分は、蛍光レポーター遺伝子でβ‐cateninレポーターの発現量を解析して定量化した図である。結果が示すように、化合物(I)の投与量の増加に伴い、B16F10細胞内のβ‐cateninレポーターの発現量は低下し、即ち、化合物(I)はβ‐catenin転写活性を抑制することができる。
図11の(b)部分は、対照群として、GSK3β抑制剤LiCL(Lithim Chroride)を添加する場合の、蛍光レポーター遺伝子でβ‐cateninレポーターの発現量を解析して定量化した図である。結果が示すように、GSK3β抑制剤LiClのみを添加する場合、β‐cateninレポーターの強度を増加できるが、化合物(I)の投与量の増加に伴い、LiClと化合物(I)を同時に添加し、化合物(I)は依然としてβ‐catenin転写活性への抑制作用を示す。
(実験例4‐2:β‐catenin下流遺伝子発現に対する化合物(I)の抑制作用)
上述したように、化合物(I)がβ‐cateninレポーターの発現を低下させることができるので、腫瘍増殖促進タンパク質(c‐myc)、細胞周期タンパク質(cyclin D1)、アポトーシス抑制タンパク質(サバイビン(survivin))のような、下流対象遺伝子の発現は、影響されて減少する。
図12は、ウエスタンブロット法によって、化合物(I)が存在する場合、β‐catenin下流対象遺伝子産物の発現状況を解析した結果を示す図である。結果が示すように、化合物(I)の処理濃度の増加に伴い、c‐myc、cyclin D1及びsurvivinの発現量の何れも減少する。
(第三実施例:黒色腫アポトーシス(Apoptosis)に対する化合物(I)の促進作用)
(実験例5‐1:黒色腫アポトーシスに対する化合物(I)の促進作用)
実験例1‐1及び実験例1‐2から分かれるように、化合物(I)は、黒色腫細胞の生存率を低下させる効果を有する。以下、DNA特殊性蛍光染色法及び細胞形態解析によって、化合物(I)がアポトーシスを促進するか否かについて分析する。
図13は、ターミナル・デオキシヌクレオチジル・トランスフェラーゼ‐dUTPニック末端標識法(terminal‐deoxynucleotidyl transferase mediated nick end labeling;TUNEL)によって、細胞内の染色体の破壊状況を解析して検出することで、検出したアポトーシスの結果を定量化した図である。図13の結果が示すように、化合物(I)の処理濃度の増加に伴い、アポトーシスの程度が高くなる。
図14は、フローサイトメトリー(flow cytometry)によって、異なる投与量の化合物(I)が存在する場合、細胞形態の変化を解析して、細胞死亡の有無を示す図である。図14の結果が示すように、化合物(I)の処理濃度の増加に伴い、細胞が死亡になる比率が高くなる。
(実験例5‐2:細胞における黒色腫アポトーシス促進タンパク質の含有量に対する化合物(I)の影響)
アポトーシス経路は、一連の関連タンパク質の調節に関わっている。例えば、Procaspase‐9、Procaspase‐3は、アポトーシスを誘導するタンパク質caspase‐9及びcaspase‐3の前駆体であり、腫瘍細胞において、Procaspase‐9及びProcaspase‐3の活性化メカニズムが破壊されるため、癌細胞の大部分で見つけたProcaspase‐9、Procaspase‐3の量は、何れも正常な細胞より高い。
Bcl‐2の生理機能は、アポトーシスを抑制することであり、Baxは、アポトーシス作用に関与する。また、細胞毒性薬物がアポトーシスを誘導する場合、核膜Baxの量の増加は、核タンパク質PARPの分解の正依存性を示す。p53は、アポトーシス活性化遺伝子であり、Bc1‐2とBax遺伝子の発現を調節することによって、アポトーシスを促進する。
前の実験例では、化合物(I)がアポトーシスを促進する効果を有することが既に証明されたため、アポトーシス経路に関連するタンパク質の含有量と化合物(I)投与量との依存性を検討することによって、腫瘍の進行を抑制する関連メカニズムを更に明確にすることができる。
図15は、ウエスタンブロット法によって、化合物(I)が存在する場合、アポトーシス関連タンパク質の発現量を示す図である。
図15の結果が示すように、化合物(I)の処理濃度の増加に伴い、Procaspase‐9、Procaspase‐3、ProPARP、Bcl‐2を含む腫瘍細胞におけるアポトーシス抑制タンパク質は、含有量が何れも低下し、化合物(I)の投与量との依存性を示す。それに対して、アポトーシス作用に関与するタンパク質Bax及びp53は、化合物(I)処理濃度の増加に伴い増加する。
前記結果より、化合物(I)はアポトーシスへの誘導能力を有し、そして、p53のタンパク質発現の増加、Bax/Bcl‐2の比率(ratio)の向上、及びcaspase‐3、caspase‐9、PARPの裂解も伴われていることが証明された。アポトーシス作用に関与するタンパク質発現を促進し、そして、細胞におけるアポトーシス抑制タンパク質の発現を低下させることによって、腫瘍細胞成長増殖への抑制効果を達成する。
(第四実施例:黒色腫細胞転移(Metastasis)に対する化合物(I)の抑制作用)
腫瘍転移とは、腫瘍細胞が原発巣から、一連のステップを経て、遠位部の器官組織へ拡散し、別の新しい腫瘍塊を形成する過程である。癌転移は、侵入能力(invasion)の起動、遊出(extravasation)及び転移(metastasis)の過程を含む。侵入の過程において、腫瘍細胞は、細胞同士の間の接着性を失い、移動性を得る。そして、遊出した細胞は、血液及びリンパ系に入り、最後、癌細胞は、目標位置に転移して、新しい腫瘍細胞になる。
(実験例6‐1:黒色腫細胞におけるMMPs発現に対する化合物(I)の影響)
癌細胞転移の過程において、細胞外マトリックス(Extracellular matrix;ECM)の分解が伴っていることが一般的であるが、ECM分解の役割をするのは、主にマトリックス金属プロテアーゼ(Matrix metalloproteinase;MMPs)である。腫瘍細胞は、MMPsを大量に分泌するが、数多くの研究によると、MMP‐2及びMMP‐9は、腫瘍転移過程において、重要な役割を果たしていると考えられる。また、マトリックス金属プロテアーゼ抑制剤TIMP‐1、TIMP‐2の発現は、MMPs活性の抑制、ならびに、腫瘍細胞の侵入及び転移の抑制作用を達成することができる。
そのため、以下、黒色腫細胞の転移に対する化合物(I)の抑制作用のメカニズムを説明するために、腫瘍転移に関連する前記細胞タンパク質について、ウエスタンブロット解析を行う。
図16は、濃度が0、2.5、5、7.5μMである異なる投与量の化合物(I)を与える場合、ウエスタンブロット解析法によって、黒色腫高転移性細胞の転移に関連するタンパク質の含有量に対する化合物(I)の影響を示す図である。β‐actinは、内部標準である。
図16の結果が示すように、化合物(I)の投与量の増加に伴い、黒色腫高転移性細胞内のMMP‐2、MMP‐9の発現が抑制され、MMP‐2およびMMP‐9と化合物(I)の投与量とは依存性関係を有する。つまり、化合物(I)の投与量の増加に伴い、黒色腫高転移性細胞内のTIMP‐1、TIMP‐2の発現量が何れも増加する。
前記結果から、化合物(I)は、MMP抑制剤TIMP‐1、TIMP‐2の発現を促進し、且つMMPsの活性を抑制することによって、腫瘍細胞の侵入及び転移への抑制作用を達成することができることが明らかである。
(実験例6‐2:黒色腫細胞の遊走(migration)に対する化合物(I)の抑制作用)
癌細胞が転移する際に、高転移性細胞株である場合、細胞が破壊される。また、細胞自身は、大量のタンパク質分解酵素を放出して、細胞外マトリックスの分解を促進する。すると、癌細胞の遊走状態を加速し、癌細胞の転移となる。
図17の(a)部分は、異なる投与量の化合物(I)を与える場合、スクラッチアッセイ(Wound scratching assay)によって、黒色腫高転移性細胞の遊走に対する影響効果を解析した結果を示す図である。
細胞遊走(Wound migration)の観察方法としては、B16F10(3×105)を、12穴プレートに植え、翌日、PBSで2回洗浄し、1%FBS含有の細胞培養液に入替え、翌日、一定のスペースがあるように穴プレートの底部をこすった後、細胞培養液を除去して、PBSで2回洗浄し、1%FBS含有の細胞培養液及び異なる濃度の化合物(I)を加え、0、24時間たってからそれぞれ写真を撮って細胞遊走の状況を観察する。反応が終わった後、75%の冷えたアルコールで30分間固定し、アルコールが完全に揮発した後、Giemsa Stainで染色し、顕微鏡(200X)で、3つの視野を任意に選択し、遊走した細胞量をカウントする(Lin et al.,2008)。スクラッチアッセイは、化合物(I)を添加しなかったものを対照群とし、2.5、5、7.5μMの化合物(I)を添加したものを実験群として、細胞を24時間処理した後、黒色腫高転移性細胞B16F10の遊走に対する化合物(I)の定量化結果を観察する。結果を、mean±SD値で表し、n=3である。
図17の(b)部分に示すように、遊走する細胞量をカウントする場合、低い濃度(2.5μM)の化合物(I)が存在すると、24時間後、細胞が遊走し、化合物(I)の濃度が5μM以上になると、細胞の遊走能力を著しく抑制されるようになる。
(実験例6‐3:黒色腫細胞侵入(invasion)に対する化合物(I)の抑制作用)
悪性腫瘍が転移しようとする場合、腫瘍細胞は、extracellular matrix(ECM)を破壊することによって、組織の基底膜(basement membrane)に更に侵入するのは、侵入(invasion)と呼ばれ、それは、金属タンパク質酵素群MMPsの関与によって、癌細胞の侵襲能力を促進することである。
図18は、トランスウェル移動アッセイ(Transwell invasion assay)によって、異なる投与量の化合物(I)による黒色腫高転移性細胞侵襲への影響効果を解析した結果を示す図である。その内、(a)部分は、トランスウェル移動アッセイで染色された後の顕微鏡写真であり、(b)部分は、(a)部分の結果を定量化した図である。結果を、mean±SD値で表し、n=3である。
トランスウェル移動アッセイは、細胞外マトリックスの成分としてMatrigelを用い、細胞間環境を模擬することができ、BD Matrigel(登録商標) Invasion Chamberにおける細胞がMatrigel matrixにおける成長因子に刺激されると、細胞は、若干のマトリックス分解酵素を分泌し、Matrigelを分解し、細胞の移行を吸引することができ、細胞の移動が強い場合、染色した後、濾過膜上に細胞を観察することができる。
実験方法は、化学誘引物質として、トランスウェル(Transwell)に10%FBS含有のDMEMを800μl加え、500μlの細胞(1×105)をトランスウェルに植え、FBS無しのDMEM培養液及び0.5、1、2μMの化合物(I)をそれぞれ加え、37℃、5%CO2のインキュベーターに移して20時間培養し、Giemsaで15分間染色した後、光学顕微鏡によって200倍視野で観察して写真を撮る。毎回の実験において、各群は、三重(triplicate)のトランスウェルの平均値を代表とする。
トランスウェル移動アッセイの定量化方法は、トランスウェル膜の下表面における9つの視野を任意に選び取り、各視野における細胞総数を算出する。9つの視野における細胞数の平均値は、各トランスウェルの細胞の走化性移動の指標であり、毎回の実験中の各群は、三重のトランスウェルの平均値を代表とする(Rose et al.,2005)。
図18(a)部分の顕微鏡写真によって細胞の移行状況を観察した結果、化合物(I)の濃度の増加に伴い、癌細胞の移行が著しく低下することが明確に見える。B16F10は、高転移性黒色腫細胞株であるため、写真において、対照群には、数多くの細胞が化学誘引物質(10%FBS細胞培養液)に誘引され、細胞外マトリックスを模擬するMatrigelを通過して、濾過膜まで移行することが観察され、2.5、5、7.5μMの化合物(I)が加えられた実験群において、化合物(I)の濃度の増加に伴い、黒色腫細胞B16F10の移行が著しく低下する。
なお、(b)部分において、カウントされた移行の細胞量は、化合物(I)の濃度の増加に伴い、移動が減少することを示す。
前記結果によると、化合物(I)は、MMP‐9、MMP‐2の発現量を低減させ、癌細胞侵入の発現を低下させることができることが明らかである。
(実験例7:黒色腫細胞侵襲と転移関連タンパク質発現に対する化合物(I)の抑制作用)
黒色腫高転移性細胞において、β‐catenin累積、及び下流タンパク質c‐myc、細胞周期タンパク質D1、サバイビン等の発現増加の現象があり、β‐cateninの低分子干渉RNA(small interfering RNA;siRNA)によって、β‐cateninの遺伝子が失い、化合物(I)によるWnt/β‐cateninシグナル経路の関連タンパク質が関与する細胞侵襲及び転移作用への調節を観察することができる。
図19は、ウエスタンブロット解析法によって、化合物(I)が存在する場合、β‐cateninの低分子干渉RNAにトランスフェクションされる黒色腫高転移性細胞の転移に関連するタンパク質の含有量の変化を示す図である。β‐actinは、内部標準である。結果が示すように、トランスフェクションされなかった細胞に比べ、β‐catenin低分子干渉RNAにトランスフェクションされた黒色腫高転移性細胞は、累積が少なく、化合物(I)を加えて処理すると、更に、その下流転移関連タンパク質の発現への抑制効果を持つようになる。
(第五実施例:ヌードマウスの黒色腫瘍の成長に対する化合物(I)の抑制作用)
前記結果により、化合物(I)は、Wnt/β‐cateninシグナル経路を抑制することによって、黒色腫高転移性細胞の成長、転移、侵入を抑制することができることが分かった。以下、生体内実験(in vivo)の方式によって、その効能を更に検証する。
(実験例7‐1:腫瘍移植ヌードマウスの黒色腫瘍の成長に対する化合物(I)の抑制作用)
生体内実験を、ヌードマウス異種移植腫瘍モデル(nude mice xenograft tumor model)によって行う。実験動物は、中華民国国家動物センターから購入したBALB/c‐nu系ヌードマウスである。無菌箱で飼育し、光照射期間は、7:00〜19:00であり、濾過された空気、滅菌された水及び飼料を提供し、自由摂食させる。8〜10週齢の成熟した雌のヌードマウスを用いて、実験を行う。
黒色腫高転移性細胞B16F10(2×106/100μl)を、皮下注射の方式によって、60匹のヌードマウスの背部の一側に埋め込み、約10日間、ヌードマウスの背部に1〜3mmの腫瘍ができた後、任意に4つの群に分けて、更に、異なる投与量の化合物(I)を3つの群に投与する、その腫瘍の生成の状況を毎日観察して、撮影して保存し、3日ごとに腫瘍の体積を測定する。体積の算出方式は、1987年Osborne氏らにより提案された公式に準拠する。
実験動物を、対照群(全く無処理)、溶剤群(生理食塩水のみ注射)及び化合物(I)注射群(投与量2mg/Kg)に分けて、毎日注射し、動物を正常な状況で飼育し、各群の実験動物の腫瘍の成長状況を比較するように、撮影して記録する。
図20において、(a)部分は、対照群及び化合物(I)注射群のB16F10移植ヌードマウスの腫瘍体積を示す写真である。(b)部分は、対照群及び化合物(I)注射群のB16F10移植ヌードマウスの成長日数と腫瘍体積とを比較する図である。(c)部分は、対照群及び化合物(I)注射群のB16F10移植ヌードマウスの腫瘍の重量を比較する図である。
図20の(a)部分により、化合物(I)を注射した移植ヌードマウスは、腫瘍の体積が対照群に比べて明らかに小さいことが分かる。
図20の(b)部分の比較図により、化合物(I)を注射した移植ヌードマウスは、腫瘍の体積が対照群に比べて小さいことが分かる。
図20の(c)部分の比較図により、その腫瘍の重量について、対照群と注射群との間には、著しく差異があることが分かる。
前記結果によると、化合物(I)は、腫瘍組織成長を直接に抑制する効果を有することが分かる。
(実験例7‐2:腫瘍移植ヌードマウスの組織病理学による検査比較)
腫瘍移植ヌードマウスの組織病理検査を、組織病理学的なH&E染色法によって行う。腫瘍及び内臓の組織を、パラフィンで埋め込み、ミクロトームで厚さ5mmのスライドを切り出し、脱ろう、再水和、回復等を経て、二次水で洗浄し、Hematoxylin solutionによって30〜50秒染色し、0.1%酢酸水で更に20秒反応させ、二次水で洗浄し、最後、Eosinによって100秒染色して、Histocladで封入する。
図21は、組織病理学検査の顕微鏡写真である。図から、化合物(I)を注射しなかった対照群の移植ヌードマウスは、その腫瘍細胞が、高度な有糸分裂状態(拡大倍率400X)を示したことに対し、化合物(I)を2mg/Kg/日で注射した注射群の移植ヌードマウスは、その腫瘍細胞が低度な有糸分裂状態(拡大倍率400X)を示したことが明らかである。前記結果は、適当な投与量の化合物(I)を直接に注射すれば、腫瘍細胞の分裂を効果的に抑制することができることを示す。
(実験例7‐3:腫瘍移植ヌードマウスのアポトーシスに対する化合物(I)注射の影響)
図22は、化合物(I)を投与する場合、ターミナル・デオキシヌクレオチジル・トランスフェラーゼ‐dUTPニック末端標識法(TUNEL)によって、腫瘍移植ヌードマウスのアポトーシスを比較して解析した結果を示す図である。
図22の結果が示すように、2mg/kg/日の投与量で化合物(I)が注射されるヌードマウスは、その腫瘍アポトーシスの程度が注射されなかった制御群より明らかに高く、両群の差異が統計的意義を持っている。
(実験例7‐4:腫瘍移植ヌードマウスの細胞内のシグナル伝達関連タンパク質の発現量に対する化合物(I)注射の影響)
腫瘍移植ヌードマウスの細胞内のシグナル伝達タンパク質の発現量を、免疫組織化学染色解析(Immunochemitry Staining)法によって行う。本実験は、Wnt/β‐cateninシグナル経路の関連タンパク質の発現について検出する。
図23(a)〜(d)は、それぞれ腫瘍移植ヌードマウスの細胞内の各種の関連タンパク質発現量を示す、免疫組織化学染色による顕微鏡写真である。その内、(a)は、制御群及び注射群のβ‐cateninの発現状況を示す。(b)はcyclin D1の発現状況を示す。(c)はsurvivinの発現状況示す。(d)はMMP‐9の発現状況を示す。右側は、(a)〜(d)に示した結果を定量化して比較する図である。
図24の結果が示すように、制御群に比べ、2mg/Kg/日で化合物(I)を注射した注射群移植ヌードマウスは、その腫瘍組織で腫瘍の進行を促進するWnt/β‐cateninシグナル経路タンパク質発現量が、何れも抑制されている。両群の差異が、何れも統計的意義を持っている。
図24は、移植ヌードマウスの腫瘍組織内のWnt/β‐cateninシグナル経路関連のタンパク質の発現についてのウエスタンブロット解析を示す図である。図に示すように、化合物(I)が与えられなかった移植ヌードマウス対照群は、その腫瘍細胞において、例えば、β‐catenin、c‐myc、cyclin D1、survivin、ProPARP、Bcl‐2のような、腫瘍の進行を促進するタンパク質の量は何れも高いが、例えば、p53、Baxのような、アポトーシスを促進するタンパク質の量は少ない。それに対して、2mg/Kg/日で化合物(I)を注射した注射群移植ヌードマウスは、その腫瘍組織内の腫瘍の進行を促進するタンパク質の量が何れも抑制され、アポトーシスを促進するタンパク質の量が向上する。
図25は、図24を定量化した解析図であり、制御群の発現量を100%として、注射群の発現が抑制され又は促進される程度を解析した結果を示す図である。その内、各タンパク質が制御群及び注射群の組織における含有量を比較し、タンパク質を問わず、両群の差異が何れも、統計的意義を持っている。また、Bax/Bcl2 ratioから見れば、注射群の比率が制御群より著しく高く、化合物(I)が腫瘍組織のアポトーシスを促進できることを表す。
上述したように、本発明の実施例の化合物(I)及びその医薬組成物は、Wnt/β‐cateninシグナル経路のシグナル伝達を調節することによって、黒色腫細胞の増殖の抑制、黒色腫細胞の転移の抑制、黒色腫癌のアポトーシスの促成、又は前記機能に関連する薬物の調製に応用されることができる。
従って、化合物(I)又は化合物(I)を有効成分とする混合物は、腫瘍細胞の増殖を抑制することができるので、医薬組成物の形式で治療用の薬物として提供されることができる。また、サプリメントの形式で提供されることもできる。
例えば、化合物(I)含有の医薬組成物において、化合物(I)は、遊離状態の形式又は薬学的に許容される塩の形式で存在している。また、化合物(I)含有の医薬組成物は、例えば、賦形剤、溶剤、乳化剤、懸濁化剤、分解剤、結合剤、安定化剤、防腐剤、潤滑剤、吸収遅延剤及びリポソームのような、1つまたは複数の薬学的に許容される担体を更に備えてもよい。化合物(I)含有の医薬組成物は、腫瘍細胞増殖を抑制するように、実際の要求に応じて、経口投与、注射剤又は外用塗布剤の形式で、応用することができる。
本発明の実施例の化合物(I)は、人工合成、樟芝の発酵液又は樟芝の発酵液からの抽出物から得られることができる。サプリメントは、液状、粉末、錠剤、カプセル又は注射剤の形式であってもよい。
本発明では実施形態を前述の通りに開示したが、これは本発明を限定するものではなく、当業者であれば、本発明の思想から逸脱しない限り、多様の変更や修正を加えることができる。従って本発明の保護範囲は、特許請求の範囲で指定した内容を基準とする。

Claims (10)

  1. 一般式(1)で表される構造又は一般式(1)で表される化合物の還元型の構造を有し、
    一般式(1)中で、R1は水素基又は[(C)CH]nであり、nは1〜5の整数であり、R2は水素基又はメトキシ基であることを特徴とする黒色腫細胞のWnt/β‐cateninシグナル経路の抑制に用いられるWnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物。
  2. 前記一般式(1)で表される化合物の位置異性体であり、一般式(2)で表される構造を有し、
    一般式(2)中で、R1は水素基又は[(C)CH]nであり、nは1〜5の整数であることを特徴とする請求項1に記載のWnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物。
  3. 2,3‐ジメトキシ‐5‐メチル‐1,4‐ベンゾキノン、2‐メトキシ‐6‐メチル‐1,4‐ベンゾキノン、又は5‐メチル‐1‐ベンゾ[1,3]ジオキソール‐4,7‐ジオンであることを特徴とする請求項1に記載のWnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物。
  4. 黒色腫細胞の成長を抑制する薬物の調製に用いられることを特徴とする請求項1に記載のWnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物。
  5. 黒色腫細胞の成長を抑制する前記薬物は、黒色腫細胞増殖(proliferation)抑制薬物、黒色腫細胞分化(differentiation)抑制薬物、黒色腫細胞生存(survival)抑制薬物、黒色腫細胞転移(motility)抑制薬物、又は黒色腫アポトーシス(apoptosis)促成薬物を含むことを特徴とする請求項4に記載のWnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物。
  6. 黒色腫細胞の成長を抑制する前記薬物は、内服剤、注射剤又は皮膚外用剤であることを特徴とする請求項4に記載のWnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物の用途。
  7. 請求項1に記載のWnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物、前記Wnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物を有効成分とする加工物又は天然物からの抽出物、前記Wnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物の薬学的に許容可能な塩類、および、前記Wnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物の薬学的に許容可能な溶媒和物のうち少なくとも一つを含むことを特徴とする皮膚癌病状改善用医薬組成物。
  8. 前記Wnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物を有効成分とする加工物は、樟芝の発酵液又は前記樟芝の発酵液の乾燥粉末であることを特徴とする請求項7に記載の皮膚癌病状改善用医薬組成物。
  9. 人工合成、樟芝の発酵液又は樟芝の発酵液の抽出物から得られた請求項1に記載のWnt/β‐cateninシグナル経路抑制用ベンゾキノン系化合物を有効成分とすることを特徴とするサプリメント。
  10. 液状、粉末、錠剤、カプセル、又は注射剤であることを特徴とする請求項9に記載のサプリメント。
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