JP2014058086A - 液体収容体ユニット及び液体消費装置 - Google Patents

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Katsutomo Tsukahara
克智 塚原
Toshinori Hiraide
俊憲 平出
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Abstract

【課題】液体の流通状態を切替えるために変位させられる変位部材が手動操作に従って操作前の位置から変位したことを容易に認識することができる液体収容体ユニット及び該液体収容体ユニットを備えた液体消費装置を提供する。
【解決手段】チョークバルブは、回動軸331を中心として回動可能なカム345と、カム345に対してカム係合した状態でカム345が回動することに伴って、インクタンクと液体噴射ヘッドとの間のチューブ31を通じたインクの流通を許容する開弁位置と、チューブ31の外面を押圧してチューブ31を押し潰すことによりインクタンクと液体噴射ヘッドとの間のチューブ31を通じたインクの流通を規制する閉弁位置との間で変位可能に構成されたスライダー310とを有し、カム345は、カム345が手動操作に従い回動することに伴ってスライダー310が開弁位置に変位するときにスライダー310が摺接する部位に凸部350を有する。
【選択図】図21

Description

本発明は、例えばインクジェット式のプリンターなどの液体消費装置及び該液体消費装置で消費される液体を収容する液体収容体ユニットに関する。
従来から、インク(液体)を噴射する液体噴射ヘッド(液体消費部)で消費されるインクを収容可能なインクタンク(液体収容体)を含むタンクユニット(液体収容体ユニット)を備えたインクジェット式のプリンター(液体消費装置)が知られている。こうしたプリンターにおいては、インクタンクと液体噴射ヘッドとの間のチューブを通じたインクの流通状態を切り替えるチョークバルブを設けたプリンターが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
こうしたチョークバルブは、回動軸を中心として双方向に回動可能なカムと、カムに対して回動軸の軸線方向と交差する方向への変位自在に当接するスライダー(変位部材)とを備えている。スライダーは、チューブの外面から離れて位置することによりチューブを通じたインクの流動を許容する開弁位置と、チューブの外面を押圧してチューブを押し潰すことによりチューブを通じたインクの流動を規制する閉弁位置との間を、当接するカムの回動に伴い変位可能である。
すなわち、スライダーは、カムが一方の回動方向に回動した場合には、カムによって押圧される結果、開弁位置から閉弁位置に向けて変位する。その一方、スライダーは、カムが他方の回動方向に回動した場合には、カムによる押圧力が低減される結果、弾性復帰するチューブの外面に押圧されて閉弁位置から開弁位置に向けて変位する。
特開2012−71581号公報
ところで、上記のチョークバルブでは、スライダーを開弁位置と閉弁位置との中間位置から開弁位置に変位させるときにカムに作用させる回動トルクの大きさと、スライダーを中間位置の範囲内で変位させるときにカムに作用させる回動トルクの大きさとの間に大差がない。そのため、カムを回動させる手動操作時において、スライダーが中間位置から開弁位置に変位したことが、スライダーが中間位置の範囲内で変位したことと区別して認識され難い。その結果、ユーザがカムを手動操作により回動させてスライダーを中間位置から開弁位置に変位させたつもりであっても、実際にはスライダーが開弁位置に位置せずに中間位置に位置したままでチューブを押し潰していることがあり得るため、インクタンクからチューブを通じて記録ヘッドに良好にインクを供給することができない虞があった。
なお、こうした問題は、インクジェット式のプリンターに備えられるタンクユニットに限らず、液体消費部への液体の流通状態がチョークバルブの手動操作により切り替えられる液体収容体ユニットにおいては、概ね共通したものとなっている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、液体の流通状態を切替えるために変位させられる変位部材が手動操作に従って操作前の位置から変位したことを容易に認識することができる液体収容体ユニット及び該液体収容体ユニットを備えた液体消費装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する液体収容体ユニットは、液体収容体に収容された液体を該液体が消費される液体消費部に向けて供給する可撓性のチューブと、前記液体収容体と前記液体消費部との間の前記チューブを通じた前記液体の流通状態を手動操作により切り替えるバルブユニットとを備え、前記バルブユニットは、回動軸を中心として回動可能なカムと、前記カムに対してカム係合した状態で前記カムが手動操作に従い回動することに伴って、前記液体収容体と前記液体消費部との間の前記チューブを通じた前記液体の流通を許容する開弁位置と、前記チューブの外面を押圧して前記チューブを押し潰すことにより前記液体収容体と前記液体消費部との間の前記チューブを通じた前記液体の流通を規制する閉弁位置との間で変位可能に構成された変位部材とを有し、前記カムは、当該カムが手動操作に従い回動することに伴って前記変位部材が操作前の位置から前記開弁位置及び前記閉弁位置の一方側に変位するときに当該変位部材が摺接する部位に凸部を有する。
これによれば、変位部材を操作前の位置から開弁位置及び閉弁位置の一方側に変位させる際に、変位部材がカムの凸部を乗り越える必要があるため、カムに作用させる回動トルクが増大する。そのため、カムが手動操作に従い回動することに伴って変位部材が操作前の位置から開弁位置及び閉弁一の一方側に変位する際に、カムの回動操作時における抵抗感が変化する。したがって、液体の流通状態を切替えるために変位させられる変位部材が手動操作に従って操作前の位置から開弁位置及び閉弁位置の一方側に変位したことを容易に認識できる。
上記液体収容体ユニットにおいて、前記凸部は、前記変位部材を前記開弁位置及び前記閉弁位置の一方の位置から他方の位置に向けて変位させるときに当該変位部材を摺接させる第1面と、前記変位部材を前記開弁位置及び前記閉弁位置の他方の位置から一方の位置に向けて変位させるときに当該変位部材を摺接させる第2面とを有し、前記第1面と前記第2面とは互いに異なる面形状をしている。
これによれば、カムを手動操作に従って回動させることに伴って、変位部材を開弁位置及び閉弁位置の一方の位置から他方の位置に向けて変位させるときと、同じく変位部材を開弁位置及び閉弁位置の他方の位置から一方の位置に向けて変位させるときとで、変位部材が凸部を乗り越えるためにカムに作用させる回動トルクの大きさに違いが生じる。そのため、カムが変位部材を開弁位置及び閉弁位置の何れの方向に向けて変位させるために回動しているのかを容易に認識できる。
上記液体収容体ユニットにおいて、前記第1面は、前記変位部材を前記閉弁位置から前記開弁位置に向けて変位させるときに当該変位部材を摺接させる面であると共に、前記第2面は、前記変位部材を前記開弁位置から前記閉弁位置に向けて変位させるときに当該変位部材を摺接させる面であり、前記カムは、前記変位部材に対して前記凸部の前記第1面を乗り越えさせるときに作用する回動抵抗の方が、前記変位部材に対して前記凸部の前記第2面を乗り越えさせるときに作用する回動抵抗よりも大きい。
これによれば、カムを手動操作に従って回動させることに伴って、変位部材を開弁位置に変位させるときに変位部材に対して凸部の第1面を乗り越えさせるためにカムに作用させる回動トルクの大きさが相対的に大きくなる。そのため、変位部材が開弁位置に変位するときに、カムの回動操作時における抵抗感の変化量が大きくなるため、変位部材が開弁位置に変位したことを更に容易に認識できる。
上記液体収容体ユニットにおいて、前記凸部は、前記カムが手動操作に従い回動することに伴って前記変位部材が操作前の位置から前記開弁位置に変位するときに当該変位部材が摺接する部位に形成されており、前記変位部材が前記開弁位置と前記閉弁位置との中間位置に位置するときに前記変位部材に当接する面部位が湾曲面であると共に、前記変位部材が前記閉弁位置に位置するときに前記変位部材に当接する面部位が前記湾曲面に連なる平坦面である。
これによれば、変位部材を中間位置から閉弁位置に変位させるときには、カムは変位部材に対して湾曲面で当接する状態から平坦面で当接する状態に切り替わる。そのため、変位部材を中間位置から閉弁位置に変位させるときに、カムに作用させる回動トルクが変化する。したがって、カムの回動操作時における抵抗感が変化することにより、変位部材が中間位置から閉弁位置に変位したことを容易に認識できる。
上記液体収容体ユニットにおいて、前記液体収容体を外側から覆って保護する保護部材を更に備え、前記バルブユニットは、前記保護部材の内面に取り付けられる。
これによれば、保護部材の外部からバルブユニットに衝撃が加わったとしても、この衝撃がバルブユニットから液体収容体に伝わることを抑制できる。また、バルブユニットが保護部材の内面に取り付けられているので、バルブ開閉操作による振動等が直接液体収容体に伝わることが防止され、液体収容体の振動により液面が振動して気泡が発生する等の不具合を防止できる。
上記液体収容体ユニットにおいて、前記バルブユニットは、前記液体収容体または2以上の前記液体収容体を連結して構成した集合体の底面及び該底面と対向する面を除く他の側面と前記保護部材との間に配設される。
これによれば、液体収容体の底面または天面と保護部材との間にバルブユニットを配設する場合と比べ、液体収容体ユニットの高さを抑えることができる。
上記液体収容体ユニットにおいて、前記バルブユニットは、前記側面のうち最も幅の狭い側面と前記保護部材との間に配設される。
これによれば、バルブユニットを液体収容体の側面のうち最も幅の狭い側面の幅の範囲内に収めることができるため、液体収容体ユニットの幅の大型化を抑制できる。
また、上記課題を解決する液体消費装置は、液体を消費する液体消費部と、上記構成の液体収容体ユニットとを備える。
これよれば、上記液体収容体ユニットの発明と同様の効果が得られる。
第1実施形態の複合機の斜視図。 装置本体におけるタンクユニットが取り付けられる取付面の破断斜視図。 タンクユニットの右前方からの斜視図。 タンクユニットの左前方からの斜視図。 部材を一部取り外したタンクユニットの左前方からの斜視図。 図3におけるF6−F6線矢視断面図。 図3におけるF7−F7線矢視断面図。 インクタンクの右前方からの斜視図。 インクタンクの右後方からの斜視図。 インクタンクの右側面図。 インクタンクの上面図。 フィルムの形状を示す斜視図。 インクタンクをその開口部側から見た正面図。 インクタンクが取り付けられたタンクユニットの左前方からの斜視図。 タンクケースをその開口部側から見た正面図。 タンクユニットをタンクケースの開口部側から見た正面図で、フィルムの領域外部位が収納された状態を示す図。 チョークバルブの斜視図。 チョークバルブの左斜め上方からの分解斜視図。 チョークバルブの右斜め上方からの分解斜視図。 開弁状態のチョークバルブの正面図。 開弁状態のチョークバルブの内部構成を示す断面図。 図21の要部拡大図。 取付面にタンクケースを固着した右側面図。 タンクケースの底面図。 タンクユニットにおける谷部の斜視図。 カバーの左下方からの斜視図。 カバーが隠蔽位置に位置するタンクユニットの右側面図。 カバーが非隠蔽位置に位置するタンクユニットの右側面図。 図27におけるF29−F29線矢視断面図。 図28におけるF30−F30線矢視断面図。 上下逆さまに倒置された状態のインクタンクの左側面図。 図31の状態におけるインクタンクの右側面の一部破断図。 図31の状態で加速度が後方にかかるように振動させられた場合のインクタンクの左側面図。 図33の状態におけるインクタンクの右側面の一部破断図。 図31の状態で加速度が前方にかかるように振動させられた場合のインクタンクの左側面図。 図35の状態におけるインクタンクの右側面の一部破断図。 閉弁状態のチョークバルブの正面図。 閉弁状態のチョークバルブの内部構成を示す断面図。 図38に示す状態から開弁方向に変位したチョークバルブの内部構成を示す断面図。 図39に示す状態から開弁方向に変位したチョークバルブの内部構成を示す断面図。 インクタンクの作用を説明するための側面図。 第2実施形態の記録装置の斜視図。 タンクユニットの正面図。 タンクユニットの下側からの斜視図。 第3実施形態の収容体ケースの側面図。 収容体ケースの斜視図。 収容体ケースの斜視図。 第1変形例の収容体ケースの側面図。 第2変形例の収容体ケースの側面図。 第3変形例の収容体ケースの側面図。 第4変形例の収容体ケースの側面図。 第5変形例の収容体ケースの側面図。 第6変形例の収容体ケースの側面図。 第7変形例の収容体ケースの一部破断図。 第8変形例の収容体ケースの一部破断図。 第9変形例のインクタンクの使用時の姿勢状態での左側面の一部破断図。 図56の状態にあるインクタンクの右側面の一部破断図。 第9変形例のインクタンクが上下逆さまに倒置された状態での左側面図。 図58の状態で加速度が後方にかかるように振動させられた場合のインクタンクの左側面図。 図58の状態で加速度が前方にかかるように振動させられた場合のインクタンクの左側面図。 第10変形例のインクタンクの使用時の姿勢状態での左側面の一部破断図。 図61の状態におけるインクタンクの右側面の一部破断図。 第11変形例のインクタンクの使用時の姿勢状態での左側面の一部破断図。 (a)は、図63におけるF64a−F64a線矢視断面図、(b)は、図63におけるF64b−F64b線矢視断面図。 第12変形例のインクタンクの構成を説明するための側面図。 図65のインクタンクの傾斜状態が変化した場合の側面図。
(第1実施形態)
以下、液体消費装置の一例である記録装置の第1実施形態について、図を参照して説明する。
図1に示すように、複合機11は、記録装置12と、記録装置12の装置本体13上に搭載されたスキャナーユニット14とを備えている。
記録装置12は、用紙Pに対して記録を行うことが可能である一方、スキャナーユニット14は原稿に記録された画像等を読みとることが可能である。なお、本明細書では、反重力方向を上方向というとともに、重力方向を下方向という。また、これら上方向及び下方向に沿う方向を鉛直方向の一例としての上下方向Zとして図示する。
スキャナーユニット14は、記録装置12の装置本体13に対して一部が回動自在に連結されたスキャナー本体部15と、スキャナー本体部15の上方に配置された搬送ユニット16とを備えている。スキャナー本体部15は、その一端側に設けられたヒンジなどの回転機構17を介して、記録装置12に対して装置本体13の上方を覆う閉位置と装置本体13の上方を開放する開位置との間での変位可能に取り付けられている。また、搬送ユニット16は、その一端側に設けられたヒンジなどの回転機構18を介して、スキャナー本体部15に対してスキャナー本体部15の上方を覆う位置と開放する位置との間での変位可能に取り付けられている。
なお、以下の説明においては、複合機11において、回転機構17,18が設けられた側を後側または背面側というとともに、その反対側を前側という。また、前方向及び後方向に沿う方向を前後方向Yとして図示する。そして、スキャナーユニット14、スキャナー本体部15及び搬送ユニット16は、その前端側が上方に向けて回動可能となっている。
さらに、前側から後方向を見た場合(正面視)の右方向及び左方向に沿う方向を左右方向Xとして図示する。なお、左右方向X、前後方向Y、上下方向Zは、互いに交差(本実施形態では直交)する。したがって、本実施形態における左右方向X及び前後方向Yは、水平方向に沿う方向である。
複合機11の前面側には操作パネル19が配置されている。操作パネル19はメニュー画面等を表示するための表示部(例えば液晶ディスプレイ)20と、表示部20の周囲に設けられた種々の操作ボタン21とを備えている。
記録装置12において操作パネル19の下方にあたる位置は、装置本体13内から用紙Pを排出するための排出口22が開口している。また、記録装置12における排出口22の下方には、引き出し可能な排紙台23が収容されている。
記録装置12の背面側には、複数の用紙Pを積載可能な略矩形板状をなす引き出し式の媒体支持体24が取り付けられている。また、スキャナー本体部15の後部には、基端側(本実施形態では前端側)を中心に回動可能な導入口カバー25が取り付けられている。
また、装置本体13の外部であって右側面となる取付面13aには、インク(液体の一例)を収容する液体収容体ユニットの一例としてのタンクユニット27が固着されている。また、装置本体13とタンクユニット27の間となる位置であって、且つ取付面13aの後寄りの位置には、スケール28aを収容するスケール収容部28が設けられている。スケール収容部28は、スケール28aの厚さに対応した左右方向Xの深さ及びスケール28aの幅に対応した前後方向Yの幅で上下方向Zに長い矩形の溝形状をなすように、取付面13aに凹み形成されている。
一方、装置本体13の内部には、主走査方向となる左右方向Xに往復移動可能な状態で保持されたキャリッジ29と、キャリッジ29に装着された中継アダプター30とが設けられている。中継アダプター30には、一端側がタンクユニット27に接続された可撓性を有する弾性材料からなるチューブ31の他端側が接続されている。また、キャリッジ29の下面側には、タンクユニット27から供給されたインクを噴射可能な液体消費部の一例としての液体噴射ヘッド32が支持されている。
したがって、タンクユニット27に収容されたインクは、水頭差を利用することによりチューブ31を介して液体噴射ヘッド32へ供給される。そして、液体噴射ヘッド32に供給されたインクは、搬送機構(図示略)によって搬送される用紙Pに対して噴射されることで記録(液体の消費の一例)が行われる。
図2に示すように、取付面13aにおけるタンクユニット27を取り付ける取付位置には、第1取付リブ34と第2取付リブ35とが取付面13aから突出するように形成されている。第1取付リブ34はタンクユニット27の外形に沿うように形成されている。また、第2取付リブ35はスケール収容部28の縁に沿うように形成されている。
なお、第1取付リブ34は、取付面13aの上端側に位置して前後方向Yに沿って延びる上取付リブ部34aと、上取付リブ部34aよりも前側に位置して上下方向Zに沿って延びる前取付リブ部34bと、上取付リブ部34aの前端と前取付リブ部34bの上端とを接続する湾曲取付リブ部34cとを有している。さらに、第1取付リブ34は、上取付リブ部34aよりも後側に位置して上下方向Zに沿って延びる後取付リブ部34dと、取付面13aの下端側に位置して前後方向Yに沿って延びる下取付リブ部34eとを有している。
上取付リブ部34aは、その前側部分が後側部分に比べて下方に位置するように複数箇所が屈曲した形状に形成されていると共に、その後端は、第2取付リブ35の上下方向Zに沿って延びる前側部分の上端と接続している。一方、第2取付リブ35の上下方向Zに沿って延びる後側部分の端部は、スケール収容部28から離れて後方に延びるように且つ後取付リブ部34dの上端との間に上下方向Zの間隔を有するように形成されている。さらに、第1取付リブ34は、後取付リブ部34dの下端と下取付リブ部34eの後端とが接続しているのに対し、前取付リブ部34bの下端と下取付リブ部34eの前端との間には前後方向Yの間隔を有している。さらに、下取付リブ部34eにおける前側位置及び後側位置には、それぞれ下取付リブ部34eの中間位置に比べて取付面13aから大きく突出する補強取付リブ部34fが形成されている。
また、第1取付リブ34には、固定部材の一例としてのねじ36(図4、図23参照)が螺合可能な少なくとも1つ(本実施形態では5つ)のねじボス部37が、上取付リブ部34a及び下取付リブ部34eよりも取付面13aから突出して形成されている。すなわち、ねじボス部37は、上取付リブ部34aの前側位置、後側位置、及び前側位置と後側位置の間の中間位置に形成されている。さらに、ねじボス部37は、下取付リブ部34eにおける補強取付リブ部34fに形成されている。また、前取付リブ部34bの後側の位置には、取付面13aから突出するボス部38が前取付リブ部34bの下端との間に前後方向Yの間隔を有するように形成されている。
図2に示すように、取付面13aには、上取付リブ部34aに対して下側から隣接すると共に、該上取付リブ部34aよりも左右方向Xに大きな厚みを有する吸収材39が貼着されている。さらに、取付面13aにおける上取付リブ部34aの前端部よりも上側の位置には、装置本体13の内外を連通させる略矩形状の連通孔40が形成されている。なお、連通孔40には、チューブ31が挿通される。
以下、図3に示すタンクユニット27について説明する。
なお、タンクユニット27における左右方向X、前後方向Y、上下方向Zは、タンクユニット27が装置本体13に取り付けられた状態での各方向を基準とする。すなわち、タンクユニット27は、左右方向X及び上下方向Zに比べて前後方向Yに大きな略直方体状をなしている。
さて、図3に示すように、タンクユニット27は、保護部材の一例としてのタンクケース42と、該タンクケース42内に収容される液体収容体の一例としてのインクタンク43とを備えている。タンクケース42における前後方向Y及び上下方向Zに沿う外面(この場合、右側面)を形成する壁部には、タンクケース42の内外を連通する略矩形状の窓部42aが形成されている。したがって、インクタンク43は、タンクケース42内に収容された状態において、その一部が窓部42aを介してタンクケース42の外部から視認可能である。なお、タンクケース42における窓部42aの周囲は面取りがされている。さらに、タンクユニット27は、タンクケース42に対して前後方向Yにスライド移動するカバー44と、タンクケース42内に収容されるチョークバルブ45とを備えている。
タンクケース42の前面には凹部46が形成され、その凹部46内にはバルブユニットの一例としてのチョークバルブ45を操作するためのバルブレバー47が設けられている。なお、チョークバルブ45は、ユーザーによってバルブレバー47が手動操作されるのに伴ってチューブ31を押し潰し、インクタンク43から液体噴射ヘッド32へのインクの供給を遮断する。
次に、インクタンク43について説明する。
図4および図5に示すように、インクタンク43は、一面側に開口部の一例としての収容体開口部48aが設けられた有底箱状の収容体ケース48と、薄膜部材の一例としてのフィルム49とを含んで構成されている。収容体ケース48は、5面一体成形物であって、収容体ケース48の収容体開口部48aにフィルム49が取着されることにより、インクを収容する液体収容室の一例としてのインク室50と、そのインク室50を大気に連通させる空気室200が形成される。
インク室50と空気室200は、収容体ケース48の底面に沿う方向(前後方向Y)に沿って延びるように形成された仕切り壁48bにより空気室200となる領域とインク室50となる領域とに仕切られている。なお、仕切り壁48bは、収容体ケース48の右側の側壁48c(図6参照)と直交すると共に、この側壁48cから収容体開口部48a側に向かって突出するように収容体ケース48と一体成形されている。
また、収容体ケース48は、上下方向Zの高さ及び左右方向Xの奥行きに比べて前後方向Yの幅が大きい、すなわち前後方向Yを長手方向とする略直方体状をなしており、この収容体ケース48の形状に合わせてフィルム49も前後方向Yを長手方向とする略直方体状で形成されている。
本実施形態では、収容体開口部48aは収容体ケース48の外形に沿って全周に形成されたリブ形状とされ、フィルム49はこの収容体開口部48aに溶着によって取着される。また、フィルム49は、収容体開口部48aと同時に、インク室50内において左右方向Xに立設された複数のリブ(例えば、交差リブ部101〜103や縦リブ部111〜118など)に対しても同様に溶着されて取着される。
また、収容体ケース48は、透明もしくは半透明の樹脂製であって、インクタンク43の外側からインク室50内に収容されたインク及びインクの液面51(図6参照)が視認可能である。そのため、インクタンク43がタンクケース42に装着されると、タンクケース42の窓部42aを介して外部からインク室50に収容されたインクが視認可能となる。
すなわち、図3,図6に示すように、インクタンク43(収容体ケース48)の右側面において窓部42aと対応する領域は、右方向(一方向)を向いて形成されると共に、右方向からインク室50に収容されたインクの液面51を視認可能な視認面43aとして機能している。なお、視認面43aは、上下方向Zの高さに比べて前後方向Yの幅が大きい。
図7,図8に示すように、収容体ケース48の上部には、インク室50内にインクを注入可能な液体注入口の一例としての注入口52が形成されている。注入口52は、収容体ケース48において前後方向Yの途中位置よりも片側(本実施形態では前側)の位置であって、視認面43aの前後方向Yの途中位置よりも片側(本実施形態では前側)の位置に形成されている。さらに、注入口52は、インク室50の外側に向かって突出すると共に、上下方向Zに対して非直交、且つ水平方向よりも上方向となる右上方向に向かって突出する筒部53の先端に開口するように形成されている。したがって、注入口52の端面52aは、上下方向Zに対して非直交である。
また、筒部53が傾く方向は、タンクユニット27が装置本体13に取り付けられた場合に、筒部53の先端(端面52a)が取付面13aから離れる方向であって、視認面43aに近づく方向である。
図6,図8に示すように、収容体ケース48の上部において注入口52及び筒部53が形成される注入口形成面54は、上下方向Zと交差する右上方向(一方向)を向いて形成されている。すなわち、注入口形成面54は、筒部53の基端部が形成された位置よりも視認面43a側が低い位置に位置するように上下方向Zに対して非直交となるように傾斜している。
なお、本実施の形態では、上下方向Zに対する注入口形成面54の傾きと筒部53の傾きは同じである。さらに、視認面43aよりも上方位置であって、注入口52と視認面43aとの間となる位置には、板状の堰き止め部及び突出部の一例としての堰き止め凸部55が注入口形成面54から突出形成されている。堰き止め凸部55は、筒部53(注入口52)と同じ方向に傾斜していると共に、注入口形成面54に対して直交する。さらに、堰き止め凸部55は、注入口形成面54の視認面43a側となる右端よりも筒部53に近い位置から突出して形成されると共に、注入口形成面54の右端は、視認面43aよりも上方位置であって且つ堰き止め凸部55と視認面43aとの間に位置する段差部54aとなっている。
なお、図8,図9に示すように、収容体ケース48の上部において注入口52から堰き止め凸部55に向かって下り斜面状に形成された注入口形成面54は、前後方向Yにおける両側の隣接部位に比べて上下方向Zで低い位置にある。すなわち、注入口形成面54は、その前後両側が壁に挟まれている。そのため、注入口52からインクが漏れた場合には、漏洩液体の一例としての漏洩インクが注入口形成面54を伝うように流れる。したがって、注入口形成面54は、漏洩インクの流路として機能していると共に、堰き止め凸部55は、漏洩インクの流路上に位置している。
また、注入口形成面54には、筒部53の左側と右側でそれぞれ左右方向Xに沿って延びるリブ部56が筒部53を左右方向Xの両側から同一線上に位置して挟むように形成されている。したがって、注入口形成面54は、リブ部56により前後に区分けされている。
さらに、図10,図11に示すように、堰き止め凸部55及び段差部54aは、漏洩インクの流れる方向である右下方向(漏洩方向の一例)と交差する前後方向Yの幅が注入口52及び筒部53の幅よりも大きい。
図6,図7に示すように、筒部53の先端には、注入口52を閉塞可能な閉塞部材58が着脱可能に取り付けられている。なお、閉塞部材58には、一端がタンクケース42に接続された繋留部58aの他端側が接続されている。さらに、閉塞部材58には、上側に摘み部58bが形成されていると共に、下側に注入口52と嵌合する円管状の嵌合部58cが形成されている。
また、図10に示すように、収容体ケース48の前面(図10では左側)の下方位置には、インク室50に収容されたインクをチューブ31側へ導出する液体導出口の一例としての導出口59が形成されている。導出口59は、収容体ケース48において前後方向Yの途中位置よりも片側(本実施形態では前側)の位置であって、視認面43aの前後方向Yの途中位置よりも片側(本実施形態では前側)の位置に形成されている。
さらに、収容体ケース48の注入口52が形成された上面には、インク室50内に空気を取り入れて大気開放するための大気開放口60が形成されている。収容体ケース48には、タンクケース42に固着される際に取り付けられる取付ねじ61(図5参照)を係止する少なくとも1つ(本実施形態では2つ)のタンク係止部62が形成されている。また、収容体ケース48の右側面には、少なくとも1つ(本実施形態では2つ)の位置決め部の一例としての位置決め凹部63a,63bが形成されている。なお、位置決め凹部63a,63bのうち、一方の(本実施形態では前側に位置する)位置決め凹部63aは、前後方向Yに長い長穴状に形成されている。
また、視認面43aにおける前側位置には、目盛の一例としての下限目盛64aと目盛の一例としての上限目盛64bとが突出形成されている。下限目盛64aと上限目盛64bは、視認面43aにおける前後方向Yの途中位置よりも片側(本実施形態では前側)に形成されている。ところで、窓部42aは、上限目盛64bを隠蔽しないために、前側における上下方向Zの幅が後側における上下方向Zの幅に比べて大きい(図3参照)。したがって、窓部42aと同様に視認面43aも前側の上下方向Zの幅が後側における上下方向Zの幅に比べて大きい。
下限目盛64aは、前後方向Yの途中位置よりも導出口59側であって、且つ導出口59よりも上方位置に形成されている。一方、上限目盛64bは、前後方向Yの途中位置よりも注入口52側であって、且つ注入口52及び大気開放口60よりも下方位置に形成されている。なお、導出口59と注入口52は、前後方向Yにおいて同じ側(前側)に形成されている。そのため、下限目盛64aは、前後方向Yの途中位置よりも注入口52側であって、注入口52及び上限目盛64bよりも下方位置に形成されている。したがって、視認面43aには、前後方向Yの同じ側に上下方向Zに間隔を有して複数の目盛が形成されている。
なお、下限目盛64aは、インク室50へインクを注入する目安となる下限量を示す目盛である。また、上限目盛64bは、注入口52から注入されてインク室50内に収容されるインクの上限量を示す目盛である。
図12および図13に示すように、フィルム49は、収容体ケース48に取着された状態において収容体開口部48aの開口領域外、すなわち左右方向X視で収容体ケース48の外側に位置する領域外部位49a,49b,49c,49dを有するとともに、領域外部位49aと領域外部位49cとに、それぞれ貫通孔49Hが設けられている。本実施形態では、収容体開口部48aに対して上下方向Zの両側にフィルム49の領域外部位49a,49bがそれぞれ形成され、収容体開口部48aに対して前後方向Yの両側にフィルム49の領域外部位49c,49dがそれぞれ形成されている。また形成された領域外部位49a,49cにおいて設けられる貫通孔49Hは、それぞれ丸孔とされるとともに、インクタンク43の長手方向(前後方向Y)において互いに離れた少なくとも2位置に設けられる。ちなみに、本実施形態では、貫通孔49Hは、収容体ケース48の略対角位置となる位置にそれぞれ一つ、すなわち2位置に設けられている。
図14および図15に示すように、装置本体13への取り付け側となる左側にケース開口部42bを有するタンクケース42は5面一体成型物であり、前後方向Y及び上下方向Zにおいて、ケース開口部42bが収容体ケース48よりも大きく形成されている。したがって、タンクケース42は、収容体ケース48を収容体開口部48aとは反対側から囲んだ状態で覆う構成とされている。この点で、タンクケース42は収容体ケース48を保護する保護部材の一例として機能する。
また、収容体ケース48とタンクケース42との間には上下方向Zの両側および前後方向の両側において隙間が設けられる。この隙間には、フィルム49の領域外部位49a,49b,49c,49dがそれぞれ収納可能とされている。
すなわち、図14および図16に示すように、フィルム49に形成された領域外部位49a,49bは、収容体ケース48とタンクケース42との間に形成された上下方向Zの隙間内に位置する。また、領域外部位49cは、収容体ケース48とタンクケース42との間に形成された前後方向Yのうちの前側の隙間内に位置する。
一方、フィルム49に形成された領域外部位49dは、図14に示すようにタンクケース42から外側(後方側)にはみ出す形状とされている。このはみ出し部分は、図16に示すようにタンクケース42と収容体ケース48との間における隙間として形成される溝部42Mに対して挿入されることによって、この溝部42M内に折り込まれた状態で収納される。すなわち、溝部42Mは、前後方向Yに所定幅を有し、上下方向Zに所定長を有するとともに、左右方向Xに所定長で凹んだ凹空間であって、領域外部位49dが折り込み収納可能な空間として形成されている。
ところで、図15に示すように、タンクケース42における窓部42aが形成された右側の壁部の内側であって、且つインクタンク43のタンク係止部62と対応する位置には、取付ねじ61(図5参照)を螺合可能な少なくとも1つ(本実施形態では2つ)の螺合部66が形成されている。さらに、インクタンク43の位置決め凹部63a,63bと対応する位置には、位置決め部の一例としての位置決め凸部67a,67bが少なくとも1つ(本実施形態では2つ)形成されている。
また、タンクケース42には、該タンクケース42を装置本体13に固着する際に挿通されるねじ36(図23参照)を係止する係止部の一例としてのケース係止部68a〜68eが、少なくとも1つ(本実施形態では5つ)形成されている。すなわち、第1〜第5の各ケース係止部68a〜68eは、取付面13aに形成されたねじボス部37と対応して形成されている。また、タンクケース42における装置本体13のボス部38と対応する位置には、ボス部38と係合可能な係合部69が形成されている。
したがって、図16に示すように、本実施形態では、フィルム49に形成された領域外部位49a,49b,49cは、タンクユニット27を装置本体13に取り付ける際の妨げにならない形状とされている。すなわち、インクタンク43(収容体ケース48)をタンクケース42に取り付けるための螺合部66、およびタンクケース42を装置本体13に固着するためのケース係止部68a〜68eとは、固定部材(ねじ)が挿入される方向つまり左右方向X視で重ならないように切り欠かれた形状とされている。これによって、フィルム49は固定部材(ねじ)による固定作業の妨げにならない形状とされている。
ここで、図13を参照して、本実施形態のインクタンク43の製造方法、すなわち、収容体ケース48の収容体開口部48aにフィルム49を取着してインクタンク43を製造する工程について説明する。なお、本実施形態では、フィルム49は、超音波や熱などを利用した不図示の溶着装置によって、収容体開口部48a(およびインク室50内に形成された縦リブ部111〜118など)に対して取着されるものとして説明する。
まず、最初の工程で、フィルム49は、不図示の保持具(例えば吸着パッド)によって吸着されて保持される。このとき、フィルム49は、図13において網掛け部分で示すように領域外部位49a,49b,49c,49dがそれぞれ吸着されることによって、フィルム49の全体領域が吸着される。また長手方向において互いに離れた2位置のそれぞれ設けられた2つの貫通孔49Hに対して、保持具が備える位置決め部材の一例としてのピンが挿入される。この2つの貫通孔49Hは、収容体開口部48aの略対角位置でもあるフィルム49の略対角位置に設けられるので、フィルム49は回転が抑制された安定した姿勢で保持具に吸着されて保持される。
次の工程で、保持具は、吸着により保持したフィルム49を、所定の載置台上に収容体開口部48aを上向きにして載置されている収容体ケース48の収容体開口部48aと上下方向で対向する位置まで移動させる。この移動において、フィルム49は2つの貫通孔49Hにピンが挿入されているため、フィルム49の厚さ方向の軸線を中心とする回転を伴った位置ずれが生じることなく移動する。
そして次の工程では、収容体開口部48aと対向する位置まで移動させられたフィルム49を、貫通孔49Hに挿入されたピンを基準にして収容体開口部48aに対する位置決めを行いながら、保持具に保持された状態から収容体開口部48aを塞いだ状態に移行させる。具体的には、収容体ケース48が載置された載置台に設けられた凹部などの係合部にピンが挿入されることによって、収容体ケース48(収容体開口部48a)とフィルム49とが位置合わせされた状態となる。これと並行して、保持具の吸着が停止するとともに載置台において領域外部位49a,49b,49c,49dの吸着が新たな吸着パッド(不図示)で行われることによって、フィルム49は載置台側に吸着され、収容体開口部48aを塞いだ状態に移行する。
次に、収容体開口部48aを塞いだ状態のフィルム49を収容体開口部48aに取着させる。本実施形態では、溶着治具(例えば溶着ヘッド)が、フィルム49に対して載置台に載置された収容体ケース48と反対側から当接して、フィルム49を収容体開口部48aに溶着させて取着させる。もとより、この収容体開口部48aとの溶着において、フィルム49はインク室50内の各リブ(例えば、図5に示す交差リブ部101〜103や縦リブ部111〜118)とも溶着される。
ところで、図13において二点鎖線で示すように、領域外部位49a,49b,49cのうち、例えば、吸着代となるフィルム49の領域外部位49aの収容体開口部48aからのはみ出し幅を、吸着性を高めるために広くする場合がある。このような場合、領域外部位49aは、タンクケース42が装置本体13に固着された状態において、タンクケース42の外側にはみ出ることがある。そこで、本実施形態において、領域外部位49dと同様に、フィルム49の領域外部位49aを、インクタンク43とタンクケース42との間に設けられた隙間に折り込んで収納する(図16参照)。したがって、このような場合は、本実施形態において、インクタンク43とタンクケース42との間に、領域外部位49aを折り込んで収納できる隙間が設けられる。なお、領域外部位49b,49cについても同様である。
次に、インク室50の内部構造を説明する。
図5に示すように、インク室50は、その長手方向(前後方向Y)に沿う一面側(図5では下面側)が底部になっている。インク室50の底部には、基底面50aと、基底面50aよりも高くなるように段差を有して基底面50aと前後方向Yに並ぶ段差底面50bと、上端側が段差底面50bと交差する一方で下端側が基底面50aと交差する段差側面50cとが設けられている。
基底面50aは段差底面50bよりも前後方向Yにおける長さが短くなっているとともに、基底面50a及び段差側面50cは底部の前後方向Yにおける第1端側(本実施形態では前端側)に設けられている。また、段差側面50cの上下方向Zにおける長さは、前後方向Yにおける基底面50aの長さ及び前後方向Yにおける段差底面50bの長さよりも短くなっている。
インク室50の底部において、基底面50aの前後方向Yにおける端部側(前端側)であって、短手方向(左右方向X)における端部側(図5における左斜め手前側)となる位置には、基底面50aに開口する集液用凹部50dが凹設されている。なお、集液用凹部50dの開口部は、前後方向Y及び左右方向Xにおける長さが基底面50aよりも短くなっている。また、インクタンク43に設けられた導出口59は、集液用凹部50dの内側面と対応する位置であって、基底面50aの前後方向Yにおける第1端側(前端側)となる位置に設けられている。
基底面50aは、左右方向Xにおいて導出口59側となる端部側(図5における左斜め手前側)が低くなるように傾斜している。また、基底面50aの上方には、インク室50にインクを注入するための注入口52が配置されている。
図5,図13に示すように、インク室50内には、注入口52よりも下側に位置する基底面50aと交差する少なくとも1つ、もしくは少なくとも2つ、(本実施形態では3つ)の交差リブ部101〜103が設けられている。交差リブ部101〜103は、前後方向Y(第1方向の一例)に距離をおいて基底面50aから上方に向かって突出している。また、交差リブ部101〜103は、左右方向X(第2方向の一例)に沿って延びるように設けられている。なお、本実施形態における前後方向Yは、重力方向と交差しつつ注入口52から離れる方向に沿う方向であって、インク室50の長手方向である。さらに、左右方向Xは、重力方向と前後方向Yの双方向に対して直交する方向である。
また、本実施形態では、交差リブ部101〜103のうち第1交差リブ部101と第2交差リブ部102が、前後方向Yにおいて注入口52よりも導出口59と側に形成されている。すなわち、第1交差リブ部101と第2交差リブ部102は、前後方向Yにおいて注入口52と導出口59との間の位置に形成され、第2リブの一例として機能している。また、第1交差リブ部101と第2交差リブ部102は、第1交差リブ部101が第2交差リブ部102よりも注入口52から離れた位置に位置し、第2交差リブ部102が第1交差リブ部101に比べて注入口52側に位置している。そして、第1交差リブ部101と第2交差リブ部102は、インク室50における基底面50a側の部分を導出口59側(前側)の第1領域と、前後方向Yにおいて前側の領域とは反対側の第2領域とに仕切る。
交差リブ部101〜103は、基底面50aからの上方への突出高さが互いに異なる。すなわち、交差リブ部101〜103のうち、前後方向Yにおいて注入口52から離れて最も導出口59側に位置する第1交差リブ部101の突出高さは、第2交差リブ部102及び第3交差リブ部103の突出高さに比べて大きい。さらに、第2交差リブ部102の突出高さは、第2交差リブ部102よりも前後方向Yにおいて導出口59から離れた(後側の)位置に位置する第3交差リブ部103の突出高さよりも大きい。換言すると、交差リブ部101〜103は、導出口59から離れるにつれて徐々に高さが低くなる。したがって、注入口52が配置されたインク室50の上面50eと交差リブ部101〜103との間隔はそれぞれ異なる。具体的には、第2交差リブ部102と上面50eとの間隔が、第1交差リブ部101と上面50eとの間隔よりも広く、第3交差リブ部103と上面50eとの間隔よりも狭い。
なお、インク室50の底面の一例としての基底面50a及び段差底面50bは、注入口52よりも下側に位置している。そして、インク室50の上面50eは、下側を向く面であって、且つ基底面50a及び段差底面50bより上側に位置する面である。すなわち、本実施形態では、上面50eに注入口52が形成されていると共に、仕切り壁48bの下側の面が上面50eとなる。
また、各交差リブ部101〜103には、導出口59とは反対側(後側)に延出した延出部の一例としての第1延出部104が形成されている。なお、第1延出部104は、収容体ケース48の収容体開口部48a側からインク室50の右側面50f側に向かって前後方向Yの幅が徐々に広くなるように上面視で略直角三角形状となるように右側面50fと直交して形成されている。なお、右側面50fは、前後方向Yに沿って延びると共に、上下方向Zに沿って延びる面である。
すなわち、交差リブ部101〜103と第1延出部104は、収容体ケース48の右側面50fと直交すると共に、右側面50f側から収容体開口部48a側に向かって突出するように収容体ケース48と一体成型されている。換言すると、交差リブ部101〜103と第1延出部104は、インク室50の右側面50fから突出形成されている。
さらに、左右方向Xにおいて交差リブ部101〜103の幅は、収容体ケース48の内側の面となる右側面50fから収容体開口部48aまでの幅と略等しい。すなわち、交差リブ部101〜103は、インク室50において、左右方向Xに亘って形成されている。そのため、収容体開口部48aにフィルム49が接着されると、交差リブ部101〜103の左端となる接着面101a〜103aにもフィルム49が接着される。また、各交差リブ部101〜103の下端は、接着面101a〜103aから右側面50f側に向かって凹み形成されている。したがって、交差リブ部101〜103にフィルム49が接着されると、交差リブ部101〜103の凹み形成された部分が第1連通部105として機能する。すなわち、第1連通部105は、基底面50aと交差リブ部101〜103の各々との間に設けられている。
また、各交差リブ部101〜103は、上面50eから離間して形成されている。したがって、フィルム49が接着されると、各交差リブ部101〜103の上側が第2連通部106として機能する。すなわち、第2連通部106は、上面50eと交差リブ部101〜13の各々の間に設けられている。また、交差リブ部101〜103は、上下方向Zの異なる位置に複数(本実施形態では2つ)の連通部105,106を有している。また、第1交差リブ部101と第2交差リブ部102では、基底面50aからの突出高さが異なるため、第1交差リブ部101と第2交差リブ部102の各々の上面50eからの高さが互いに異なる。そのため、第1交差リブ部101と第2交差リブ部102の連通部106は、上下方向Zで異なる位置に設けられている。そして、各交差リブ部101〜103によって前後方向Yに仕切られた領域は、連通部105,106を介して連通する。
また、インク室50内において、注入口52よりも後側位置には、少なくとも2つ、もしくは3つ以上(本実施形態では8つ)の第1リブの一例としての縦リブ部111〜118が形成されている。すなわち、縦リブ部111〜118は、前後方向Yにおいて注入口52から見て導出口59とは反対側(後側)の位置に、左右方向Xに沿って延びるように設けられている。さらに、縦リブ部111〜118は、段差底面50bと交差する方向である上下方向Zに沿って延びると共に、前後方向Yに距離をおいて形成されている。
縦リブ部111〜118は、上下方向Zにおいて段差底面50b及び仕切り壁48bと隙間を有すると共に、前後方向Yにおいてインク室50の後側面50gと隙間を有して形成されている。すなわち、縦リブ部111〜118は、少なくとも一部が上下方向Zにおいて上面50eと段差底面50bとの間に位置している。
また、縦リブ部111〜118は、段差底面50bから離間するように上方に距離を置いて位置している。さらに、縦リブ部111〜118は、仕切り壁48bから離間するように下方に距離を置いて位置している。なお、縦リブ部111〜118の前後両側には、収容体ケース48の収容体開口部48a側から右側面50f側(右方)に向かって前後方向Yの幅が徐々に広くなるように上面視で略直角三角形状をなす第2延出部119が右側面50fと直交して形成されている。
さらに、第2縦リブ部112と第3縦リブ部113との間と、第5縦リブ部115と第6縦リブ部116との間には、段差底面50bから上方に向かって突出する補強リブ部の一例としての第1突出部121が形成されている。さらに、第1突出部121の上方位置には、仕切り壁48bから下方に向かって突出する第2突出部122が形成されている。突出部121,122は、右側面50fから収容体開口部48a側(左方)に向かって徐々に上下方向Zの幅が狭くなるように正面視で略直角三角形状をなしている。
これら縦リブ部111〜118と第2延出部119、及び突出部121,122は、右側面50fと直交すると共に、右側面50f側から収容体開口部48a側に向かって突出するように収容体ケース48と一体成型されている。換言すると、縦リブ部111〜118と第2延出部119、及び突出部121,122は、右側面50fから突出形成されている。
さらに、左右方向Xにおいて縦リブ部111〜118の幅は、右側面50fから収容体開口部48aまでの幅と略等しい。すなわち、縦リブ部111〜118は、インク室50内において左右方向Xに亘って形成されている。そのため、収容体開口部48aにフィルム49が接着されると、縦リブ部111〜118の左端となる接着面111a〜118aにもフィルム49が接着される。そのため、縦リブ部111〜118にフィルム49が接着されると、各縦リブ部111〜118によって前後方向Yに仕切られた領域は、縦リブ部111〜118と段差底面50bとの間の隙間、及び縦リブ部111〜118と仕切り壁48bとの間の隙間を介して連通する。
次に、空気室200について説明する。
図5及び図13等に示すように、空気室200は、インクタンク43におけるインク室50と大気開放口60との間に介在し、インクタンク43が記録装置12に固定された使用時の姿勢状態(図3〜図7に示す姿勢状態)においては、仕切り壁48bを境にして、インク室50よりも上方に位置する配置構成とされている。また、空気室200は、壁面が左右方向Xに沿う区画壁201〜209により前後方向Yにおいて隣り合うように区画された複数(本実施形態では10室)の空気小室200a〜200jを含んで構成されている。
複数の空気小室200a〜200jのうち最も後側(図5及び図13では最も左側)の第1空気小室200aは、その室の底壁でもある仕切り壁48bに上下方向Zへ貫通形成された連通口210を介してインク室50と連通している。一方、各空気小室200a〜200jのうち最も前側(図5及び図13では最も右側)の第10空気小室200jは、その室の上壁でもある収容体ケース48の上壁に形成された大気開放口60を介して大気に連通している。
なお、各区画壁201〜209のうち最も後側に位置する第1区画壁201は、第1空気小室200aとその1つ前側の第2空気小室200bとを区画し、その第2空気小室200bに前側から面する第2区画壁202は、第2空気小室200bとその1つ前側の第3空気小室200cとを区画している。以下同様に、第3区画壁203から第8区画壁208までの各区画壁203〜208は、それぞれの前後に位置する空気小室同士(例えば空気小室200cと空気小室200d、空気小室200dと空気小室200e等)を区画している。そして、最も前側に位置する第9区画壁209が、最も前側の第10空気小室200jとその1つ後ろの第9空気小室200iとを区画している。
また、各区画壁201〜209により区画されて前後方向Yへ直列に並ぶ第1空気小室200aから第10空気小室200jまでの各空気小室200a〜200jは、前後方向Yで隣り合う空気小室同士(例えば空気小室200aと空気小室200b、空気小室200bと空気小室200cなど)が互いに通気可能に連通している。
そこで、各空気小室200a〜200j間の連通構成について以下説明する。
図13に示すように、第1空気小室200aの内面における第1区画壁201以外の面部位(図13では第1空気小室200aの内奥側の面部位)には、第1区画壁201における第1空気小室200aに面する壁面の面積よりも開口面積が小さい第1開口211が収容体ケース48の収容体開口部48aとは反対側の側壁48cに貫通形成されている。また同様に、第2空気小室200bの内面における第1区画壁201以外の面部位(図13では第2空気小室200bの内奥側の面部位)には、第1区画壁201における第2空気小室200bに面する壁面の面積よりも開口面積が小さい第2開口212が収容体ケース48の側壁48cを貫通するように形成されている。
なお、第1開口211及び第2開口212は、上下方向Zにおける仕切り壁48bから第1開口211への距離と仕切り壁48bから第2開口212への距離が等しくなる位置に形成されている。因みに、本実施形態では、第1空気小室200a及び第2空気小室200bの内奥側の面部位における仕切り壁48bの付近であって第1区画壁201の壁面付近となる隅角の各位置に第1開口211及び第2開口212はそれぞれ形成されている。すなわち、第1開口211及び第2開口212は第1区画壁201を基準にして線対称となる各位置にそれぞれ形成されている。
同様に、図13に示すように、第3空気小室200cの内奥側の面部位及び第4空気小室200dの内奥側の面部位には、両空気小室200c,200d間の第3区画壁203における壁面の面積よりも開口面積が小さい第1開口211及び第2開口212が収容体ケース48の側壁48cに貫通形成されている。なお、この場合の第1開口211と第2開口212も、仕切り壁48bの付近であって第3区画壁203の壁面付近となる隅角の各位置、すなわち第3区画壁203を基準にして線対称となる各位置にそれぞれ形成されている。
また同様に、図13に示すように、第5空気小室200eの内奥側の面部位及び第6空気小室200fの内奥側の面部位にも、両空気小室200e,200f間の第5区画壁205における壁面の面積よりも開口面積が小さい第1開口211及び第2開口212が収容体ケース48の側壁48cに貫通形成されている。なお、この場合の第1開口211と第2開口212も、仕切り壁48bの付近であって第5区画壁205の壁面付近となる隅角の各位置、すなわち第5区画壁205を基準にして線対称となる各位置にそれぞれ形成されている。
その一方、図10に示すように、インクタンク43の収容体ケース48において、その側壁48cにおける収容体開口部48a側とは反対側となる外側面(本実施形態では右側面)には、一端側が第1開口211に連通すると共に他端側が第2開口212に連通する蛇行した長溝部213a〜213cが形成されている。本実施形態の場合、収容体ケース48の側壁48cの外側面における上部で最も後側となる領域に、第1空気小室200aに連通する第1開口211と第2空気小室200bに連通する第2開口212との間を接続する第1長溝部213aが形成されている。
そして、その第1長溝部213aの形成領域の前側に隣り合う領域に、第3空気小室200cに連通する第1開口211と第4空気小室200dに連通する第2開口212との間を接続する第2長溝部213bが形成されている。また、その第2長溝部213bの形成領域の前側に隣り合う領域に、第5空気小室200eに連通する第1開口211と第6空気小室200fに連通する第2開口212との間を接続する第3長溝部213cが形成されている。
そして、これら3つの長溝部213a〜213cの形成領域を被覆するように、収容体ケース48の側壁48cの外側面には、各長溝部213a〜213cを覆うよう配置される被覆部材の一例としてのフィルム214が接着(例えば熱溶着)されている。その結果、収容体ケース48の側壁48cの外側面側には、第1、第3、第5の各区画壁201,203,205の壁面の面積よりも流路断面積がそれぞれ小さい3つの連通路221,223,225が、3つの長溝部213a〜213cとそれらを被覆するフィルム214との間に形成される。
なお、これら3つの連通路221,223,225は、蛇行した長溝部213a〜213cに沿って形成されるため、各連通路221,223,225が個々に連通させている空気小室(例えば空気小室200aと空気小室200b)同士の間の距離よりも長い距離で第1開口211と第2開口212との間を接続している。また、図10及び図13から理解されるように、これら3つの連通路221,223,225は、第1開口211及び第2開口212よりも仕切り壁48bから上方に離間した流路部分(図10では各長溝部213a〜213cにおける最も上方位置で水平方向に延びる溝の部分)221a,223a,225aを有している。すなわち、仕切り壁48bから連通路221,223,225の少なくとも一部(一例として上記の流路部分221a,223a,225a)への距離は、仕切り壁48bから第1開口211への距離よりも大きい。
また、図5及び図13に示すように、各区画壁201〜209のうちで、第2区画壁202、第4区画壁204、第6区画壁206、及び第7区画壁207には、それらの区画壁202,204,206,207を前後方向Yに貫通する連通路222,224,226,227が形成されている。具体的には、それらの区画壁202,204,206,207は壁面の形状が矩形状をなしており、その矩形状の壁面において収容体ケース48の収容体開口部48a側であって仕切り壁48b側となる角部に矩形の切り欠き形状をなすように各連通路222,224,226,227は形成されている。そして、これらの各連通路222,224,226,227を介して、それらの連通路222,224,226,227が形成された区画壁202,204,206,207の前後方向Yで隣り合う空気小室同士、例えば第7空気小室200gと第8空気小室200hなどが互いに通気可能に連通している。
また、図8,図9及び図11に示すように、収容体ケース48の大気開放口60が形成された上面において第8空気小室200hと第9空気小室200iとに前後方向Yで跨る位置には、左右方向Xの幅が狭い直線状の細溝215が前後方向Yに延びるように形成されている。そして、この細溝215内において、第8空気小室200hの上側位置となる一端部には第8空気小室200hに連通する通孔216aが上下方向Zに貫通形成されると共に、第9空気小室200iの上側位置となる他端部には第9空気小室200iに連通する通孔216bが上下方向Zに貫通形成されている。
また、同じく収容体ケース48の上面において、左右方向Xで細溝215の側方(本実施形態では左方)となる位置には、上からの平面視で矩形状をなす凹溝217が形成されている。なお、この凹溝217内には、空気などの気体は透過させるがインクや水などの液体の透過は規制するフィルター(図示略)が配設される。そして、この凹溝217内において第9空気小室200iの上側位置となる一つの隅角部には第9空気小室200iに連通する通孔218aが上下方向Zに貫通形成されている。
また、同じく収容体ケース48の上面において、細溝215の延長線上で第10空気小室200jの上側となる位置には、第10空気小室200jに連通する通孔218bが上下方向Zに貫通形成されている。また、同じく収容体ケース48の上面において、前後方向Yで凹溝217の側方(本実施形態では前方側)となる位置には、通孔218aが形成された凹溝217内と通孔218bとの間を接続する蛇行状の細溝219が形成されている。なお、各通孔216a,216b,218a,218bの開口面積は、第1開口211及び第2開口212の開口面積と同じであり、各細溝215,219の溝幅は各長溝部213a〜213cの溝幅と同じである。
そして、図11に示すように、収容体ケース48の上面には、各細溝215,219と凹溝217を覆うよう配置される被覆部材の一例としてのフィルム220が接着(例えば熱溶着)されている。その結果、収容体ケース48の上面には、第8及び第9の各区画壁208,209の壁面の面積よりも流路断面積がそれぞれ小さい2つの連通路228,229が、2つの細溝215,219と凹溝217及びそれらを被覆するフィルム220との間に形成される。したがって、空気室200を構成する各空気小室200a〜200j間は、以上のような各連通路221〜229を介して通気可能に連通している。
次に、チョークバルブ45について説明する。
図15及び図16に示すように、チョークバルブ45は、タンクケース42の内側面におけるインクタンク43の前方となる面部位から上下左右に間隔をおいて突設された略L字状をなす4つの固定リブ301によって囲まれる内側部分に配置されている。そのため、チョークバルブ45は、インクタンク43の前面43bとタンクケース42との間に配置されている。この場合、インクタンク43の前面43bは、インクタンク43における底面43c(図10参照)及び該底面43cと対向する天面43dを除く側面の一部を構成している。また、インクタンク43の前面43bは、インクタンク43の側面のうち最も幅の狭い面部位となっている。そして、チョークバルブ45は、これらの固定リブ301によって上下左右に位置決めされている。また、チョークバルブ45には、インクタンク43から延びるチューブ31が挿通されている。そして、チョークバルブ45は、チューブ31を通じたインクの流動を許容する開弁状態と、チューブ31を通じたインクの流動を規制する閉弁状態との間で切り替え可能に構成されている。
図17に示すように、チョークバルブ45の外装を構成するケース302は、一面側が開口した略矩形箱状をなす一対のケースユニット303,304が互いの開口端同士を左右方向Xに重ね合わせるようにして連結されることにより中空の箱体状に構成されている。この場合、両ケースユニット303,304の開口端は、前後方向Yが長手方向とされると共に、上下方向Zが短手方向とされている。
図18及び図19に示すように、一対のケースユニット303,304のうち、左側のケースユニット303における上下両側の壁部303a,303bには、ケースユニット303の開口端から左方に凹設された凹部305がそれぞれ形成されている。これらの凹部305は、ケースユニット303の両壁部303a,303bのうち、ケースユニット303の開口端の長手方向の中央よりも前方寄りの位置にそれぞれ形成されている。各凹部305は、平面視において同一の位置に配置されており、上下方向Zに互いに対向して配置されている。そして、両ケースユニット303,304が連結されてケース302を構成した場合に、各凹部305はケース302の内外を連通させている。そして、各凹部305には、ケース302の内外を上下方向Zに貫通するようにチューブ31が挿通可能とされている。
ケースユニット303における上下両側の壁部303a,303bの内側面には凹溝307a,307bが形成されている。凹溝307a,307bは、ケースユニット303の開口端における長手方向の中央位置に配置されている。また、凹溝307a,307bは、ケースユニット303の開口端からケースユニット303の内奥側に向けて延びている。
ケースユニット303における前後両側の壁部303c,303dの内側面には凹溝307c,307dが形成されている。凹溝307c,307dは、ケースユニット303の開口端における短手方向の中央位置に配置されている。また、凹溝307c,307dは、ケースユニット303の開口端からケースユニット303の内奥側に向けて延びている。
ケースユニット303の内側には、ケースユニット303の右側の開口を通じて変位部材の一例としてのスライダー310が収容されている。スライダー310は、前後方向Yに長く延びる横長の略U字状をなす基体311を有している。基体311の前後方向Yの両端部は、四角柱状をなす突起部312a,312bとなっている。また、基体311の前後方向Yの中央位置には、矩形板状をなす壁部313が突起部312a,312bの突出方向と平行に延びるように突設されている。この場合、壁部313は、突起部312a,312bの突出方向となる左右方向Xが長手方向とされると共に、基体311の厚み方向となる上下方向Zが短手方向とされている。そして、壁部313の長手方向の寸法は、突起部312a,312bの突出寸法よりも小さい。また、壁部313の短手方向の寸法は基体311の厚み方向の寸法よりも大きい。そのため、壁部313は基体311の上下両面から突出している。
基体311の外面のうち、両突起部312a,312bの間で突起部312a,312bの突出方向に面する内底面314には、略矩形板状をなす押圧部315a,315bが延出されている。具体的には、基体311の内底面314のうち、突起部312aと壁部313との間に位置する面部位から押圧部315aが延出されると共に、突起部312bと壁部313との間に位置する面部位から押圧部315bが延出されている。そして、これらの押圧部315a,315bにおける延出方向の先端部位は凸状に滑らかに湾曲した先細りの形状となっている。なお、これらの押圧部315a,315bの延出寸法は、突起部312a,312bの突出寸法よりも小さい。
基体311において両押圧部315a,315bが延出される内底面314とは反対側の外底面316には、断面形状が半円状をなす凸条317が形成されている。凸条317は、基体311の外底面316における上下方向Zの中央に位置しており、基体311の外底面316における前後方向Yの全域に亘って延びている。
そして、スライダー310は、基体311の突起部312a,312bがケースユニット303の凹溝307c,307dに対して凹凸係合されると共に、基体311の壁部313がケースユニット303の凹溝307a,307bに対して凹凸係合されている。そのため、スライダー310は、前後方向Y及び上下方向Zに位置決めされつつケースユニット303に収容されている。
ケースユニット303における上下両側の壁部303a,303bの外側面、及びケースユニット303における前後両側の壁部303c,303dの外側面には、凸状の係合部320が形成されている。具体的には、係合部320は、ケースユニット303における上下両側の壁部303a,303bの外側面のうち、ケースユニット303の開口端寄りとなる面部位であって且つケースユニット303の開口端の長手方向の中央となる面部位にそれぞれ形成されている。また、係合部320は、ケースユニット303における前後両側の壁部303c,303dの外側面のうち、ケースユニット303の開口端寄りの面部位に対して上下に距離をおいて二箇所にそれぞれ形成されている。
一対のケースユニット303,304のうち、右側のケースユニット304における前側の壁部304cには、ケースユニット304の開口端から右方に向けて凹部325が凹設されている。凹部325の内側にはバルブレバー47の回動軸331が挿入されている。そして、回動軸331の外周面が凹部325の内面に当接することにより、回動軸331が凹部325の内面によって回動自在に支持されている。
回動軸331における軸線方向の一端側となる前端部には、一面側が開口した略矩形筒状をなす取着部340が外側から嵌着されている。そして、バルブレバー47の把持部341から延設された係止爪342が取着部340の開口を通じて取着部340に対して内側から係合されることにより、バルブレバー47の把持部341が取着部340に対して一体回転可能に連結されている。
図20に示すように、バルブレバー47の把持部341は、略直方体状をなしており、バルブレバー47の回動軸331を回動操作する際に把持される。把持部341の外側面343は、その長手方向の一端側(図20では上側)が滑らかに湾曲した湾曲面となっており、この湾曲面に凹溝344が形成されている。凹溝344は、把持部341の外側面343における長手方向の一端側から中央位置に向けて延びている。
図21に示すように、回動軸331における軸線方向の途中位置にはカム345が支持されている。具体的には、回動軸331の外周面には嵌合凹部346が形成されており、この嵌合凹部346にカム345に設けられた嵌合凸部347が嵌合されることにより、カム345が回動軸331に対して一体回転可能に支持されている。
カム345は、回動軸331の軸線方向に沿う方向から見た側面視において略D字状をなす外郭形状を有している。そして、カム345の中心位置は、回動軸331の軸中心Jの位置から外れた位置に配置されている。すなわち、カム345は、回動軸331に対して偏心した状態で支持されている。
カム345の外周面のうち回動軸331から最も離れた面部位は、平坦状に切り欠かれて平坦面348となっている。また、カム345の外周面のうち回動軸331を中心として平坦面348から約半周ずれた面部位には、凸部350が形成されている。
図22に示すように、凸部350は、図21における回動軸331を中心とした時計回り方向に位置する面部位が凹状に湾曲した第1面の一例としての湾曲面351となっており、図21における回動軸331を中心とした反時計回り方向に位置する面部位が凸状に湾曲した第2面の一例としての湾曲面352となっている。そして、凸部350において両湾曲面351,352が互いに交差する部位は、カム345の外周面の法線方向に向けて鋭角をなすように尖った角部353となっている。なお、カム345の外周面における凸部350と平坦面348との間の面部位は、凸部350側から平坦面348側に向けて回動軸331の軸中心Jからの距離が次第に大きくなる湾曲面355となっている。
図18及び図19に示すように、ケースユニット304における上下両側の壁部304a,304bの外側面、及びケースユニット304における前後両側の壁部304c,304dの外側面には、被係合部360が延設されている。被係合部360は、両ケースユニット303,304の重合方向となる左右方向Xにおいてケースユニット303の各係合部320に対応する位置に形成されており、ケースユニット304の開口端よりも左方に突出している。そして、両ケースユニット303,304の開口端同士が重ね合わされた場合には、ケースユニット303の係合部320がケースユニット304の被係合部360に対して係合されることにより、両ケースユニット303,304が連結されている。また、両ケースユニット303,304が連結された場合には、スライダー310及びバルブレバー47の回動軸331が両ケースユニット303,304の間に挟まれた状態で締結固定されている。この場合、スライダー310の凸条317とバルブレバー47の回動軸331の外周面とが左右方向Xにおいて対向して配置されている。
ケースユニット304における上側の壁部304aの外側面には、矩形板状をなすブラケット361が垂直に延設されている。ブラケット361には、厚み方向に貫通した貫通孔362が形成されている。そして、ブラケット361の貫通孔362に固定ねじ363(図16参照)を挿通した状態で、タンクケース42の内面に形成されたねじ穴364(図15参照)に対して固定ねじ363が螺合されることにより、チョークバルブ45がタンクケース42の内側面に対して取り付けられている。なお、チョークバルブ45におけるケース302の左右方向Xの寸法は、タンクケース42の左右方向Xの寸法よりも小さい。そのため、チョークバルブ45は、タンクケース42の厚み方向の寸法内に収められた状態でタンクケース42の内側面に取り付けられている。
次に、タンクケース42の他の構成について説明する。
図23,図24に示すように、タンクケース42における窓部42aよりも下側位置であって、且つ第4ケース係止部68dと第5ケース係止部68eの間となる位置には、手掛部71が形成されている。さらに、タンクケース42の下面における第4ケース係止部68dと第5ケース係止部68eが形成された位置には、取付面13a側の補強取付リブ部34fと係合する係合凹部72がケース開口部42b側に形成されている。
また、図23,図25に示すように、タンクケース42の上面における前側位置には、上下方向Zの高さが上面よりも一段低くなった谷部42cが形成されている。なお、第1ケース係止部68aは、この谷部42c内に位置するように形成されている。そして、第1ケース係止部68aの周囲には、後方及び上方から第1ケース係止部68aを被覆しつつ右側を開口した被覆部73が形成されている。したがって、第1ケース係止部68aに螺合したねじ36は、タンクユニット27を俯瞰するユーザーに対して被覆部73により隠される。
さらに、図25に示すように、谷部42cには、インクタンク43がタンクケース42に装着される際にケース開口部42b側となる左側から谷部42c内への筒部53の進入を受容する上面視U字状の受容部74が形成されている。さらに、谷部42c内において、受容部74の後方は、受容部74が形成された位置よりも1段高く形成されていると共に、閉塞部材58を載置可能な載置部75が形成されている。そのため、繋留部58aの長さは、閉塞部材58が筒部53及び載置部75へ択一的に位置可能な程度の長さに設定されている。
載置部75は、閉塞部材58の嵌合部58cの外周形状よりも内周形状が一回り大きな円環状に形成されたリング部75aと、リング部75aの内側に位置して嵌合部58cの内周形状よりも一回り小さなクルス部75bとにより構成されている。なお、クルス部75bは、前後方向Y及び左右方向Xに沿って延びる垂直板部同士が十字状に交差した形状であると共に、各垂直板部の前後方向Y及び左右方向Xの各側面には該側面から突出して上下方向Zに沿って延びる上面視略三角形状の突起75cが形成されている。したがって、閉塞部材58は、載置部75に載置された場合に、嵌合部58cがリング部75aの内側に位置すると共に、その内周面をクルス部75bの突起75cに当接させた状態で支持される。
図23,図25に示すように、タンクケース42には、カバー44を前後方向Yにスライド移動可能に支持する支持部の一例としてのレール部76a,76bが前後方向Yに延びるように一対形成されている。さらに、一対のレール部76a,76bの間には、前後方向Yに沿って延びる複数(本実施形態では3つ)の凸条77が形成されている。なお、一対のレール部76a,76bのうち右側に位置する第1レール部76aの後端上面と、左側に位置する第2レール部76bの後端上面(図示略)は、面取りされている。
図23に示すように、第1レール部76aには、前後方向に間隔を有して一対のストッパー凹部78a,78bが形成されている。一対のストッパー凹部78a,78bは、互いに前後両内側面のうち相手の凹部側となる内側面が面取りされている。すなわち、前側の第1ストッパー凹部78aは、後側の内側面が面取りされていると共に、後側の第2ストッパー凹部78bは前側の内側面が面取りされている。
図26に示すように、カバー44は、上壁44aと、該上壁44aとそれぞれ連続する右壁44b、左壁44c、後壁44dとを有している。なお、右壁44bと後壁44dの上下方向Zの高さは略同一であるのに対し、左壁44cの高さは、右壁44b及び後壁44dよりも低い。
右壁44bにおける左壁44c側の面である内面には、第1レール部76aと係合して摺接する一対の摺接部80が前後方向Yに間隔を有して形成されている。また、左壁44cにおける右壁44b側の面である内面には、第2レール部76bと係合して摺接する一対の摺接部80が前後方向Yに間隔を有して形成されている。なお、各摺接部80は、前後方向Yに位置をずらして互い違いに形成されている。さらに、右壁44bに形成された一対の摺接部80のうち、前側に位置する摺接部80には、ストッパー凹部78a,78bと係合可能なストッパー凸部80aが形成されている。
そして、カバー44は、ストッパー凸部80aがストッパー凹部78aと係合する図27に示す隠蔽位置Aと、ストッパー凸部80aがストッパー凹部78bと係合する図28に示す非隠蔽位置Bとの間を、前後方向Yにスライド移動する。
具体的には、図27,図29に示すように、ストッパー凸部80aが第1ストッパー凹部78aと係合する場合には、カバー44は、注入口52が形成された筒部53と載置部75とを隠蔽する隠蔽位置Aに位置する。
一方、図28,図30に示すように、ストッパー凸部80aが第2ストッパー凹部78bと係合する場合には、カバー44は隠蔽位置Aとは異なる非隠蔽位置Bに位置し、注入口52が形成された筒部53と載置部75とが出現する。
なお、図7,図27に示すように、前後方向Yにおけるカバー44のサイズは、タンクケース42のサイズよりも小さく、カバー44が隠蔽位置Aに位置した場合に、カバー44がタンクケース42上に収まる。また、筒部53は、インクタンク43がタンクケース42に固着された際に、タンクケース42の受容部74よりも注入口52の端面52aが高く位置すると共に、筒部53に嵌合した閉塞部材58の高さが隠蔽位置Aに位置するカバー44よりも低くなるように形成されている。
また、図3,図23,図28に示すように、第2ケース係止部68b及び第3ケース係止部68cに螺合した各ねじ36は、タンクケース42に取り付けられたカバー44により隠される。さらに、第4ケース係止部68d及び第5ケース係止部68eに螺合したねじ36は、タンクユニット27自身により、該ユニットを俯瞰するユーザーに対して隠されている。
また、図3,図4に示すように、カバー44の上壁44aには、全体形状が略三角状をなすように上方に向かって突出する滑り止め部82が形成されている。さらに、カバー44における滑り止め部82の後方位置には、タンクユニット27に収容するインクの種類を示す文字や図などの表示や、異なる種類のインクの注入などを警告する表示、インクの注入方法や注意などが記載されたラベル83が貼着されている。なお、同様のラベル83は、タンクケース42の右側面及び前面の凹部46、及び取付面13aにおいてカバー44が隠蔽位置Aに位置するときには該カバー44により隠される一方で該カバー44が非隠蔽位置Bに位置したときには出現する箇所にも貼着されている。
次に、インクの液面51の最大変動幅と、インクタンク43から液体噴射ヘッド32へのインクの供給状態について説明する。
ところで、本実施形態の記録装置12は、水頭差を利用してインク室50内に収容されたインクを液体噴射ヘッド32へ供給している。そのため、上下方向Zに液面51が大きく変動するとインクタンク43から液体噴射ヘッド32へ良好にインクを供給することができなくなる。具体的には、液面51よりも液体噴射ヘッド32が相当低い位置にあると、液体噴射ヘッド32からインクが漏れ出てしまう虞があるのに対し、液面51よりも液体噴射ヘッド32が相当高い位置にあると、液体噴射ヘッド32までインクを供給することができない虞がある。
本実施形態の記録装置12では、インクの液面51(図6参照)の上下方向Zにおける最大変動幅が75mm以上の場合には、液体噴射ヘッド32へ良好にインクを供給できなかった。すなわち、例えばインク室50にインクを最大量収容した場合に合わせて液体噴射ヘッド32を配置した場合には、インクが消費されて液面51が低下すると、インク室50内にインクが残っていても液体噴射ヘッド32までインクを供給することができなかった。また、例えばインク室50内のインクが消費されて液面51が低下した場合に合わせて液体噴射ヘッド32を配置すると、インクを最大量収容した場合に液体噴射ヘッド32からインクが漏れ出てしまった。
一方、インクの液面51の上下方向Zにおける最大変動幅を70mm以下とすると、インク室50にインクを最大量収容した場合でも、また、インク室50内のインクの液面51が低下した場合でも、インクを液体噴射ヘッド32に供給することができた。
しかし、液面51の最大変動幅が70mmの場合には、液体噴射ヘッド32とインクタンク43の組み付け誤差や製造誤差により良好な供給ができないことがあった。そこで、最大変動幅を55mm以下とすると、多少の組み付け誤差や製造誤差がある場合でも、液体噴射ヘッド32へインクを良好に供給することができた。さらに、最大変動幅を40mm以下とした場合には、例えば記録装置12の設置面に多少の傾きがあった場合でもインクタンク43から液体噴射ヘッド32へ良好にインクを供給することができた。
そこで、図10に示すように、本実施形態では、下限目盛64aから上限目盛64bまでの上下方向Zにおける高さを40mm以下とする。すなわち、ユーザーは、インクの液面51が下限目盛64aまで低下すると、インクの液面51が上限目盛64bまで上昇するように注入口52からインクを注入する。したがって、液体噴射ヘッド32を通常使用する場合のインクの液面51の変動幅を40mm以下とすることができるので、インク室50内のインクは液体噴射ヘッド32へ良好に供給される。
また、インク室50に形成された導出口59の開口の下端(底面の一例)から上限目盛64bまでの上下方向Zの高さを55mm以下とする。そのため、例えばユーザーが下限目盛64aまでインクの液面51が低下したことに気づかずに印刷を続けた場合であっても、インク室50内にインクが残っている場合には、液体噴射ヘッド32へインクが供給される。
次に、インク室50の形状について説明する。
さて、インク室50の上下方向Zの高さを制限すると、液体噴射ヘッド32へインクを良好に供給することができるが、インク室50に収容可能なインクの量が少なくなってしまう。そこで、本実施形態のインクタンク43は、前後方向Yの幅を大きくして水平断面積を大きくすることでインク室50に収容可能なインク量を確保している。
具体的には、インク室50の左右方向Xのサイズを奥行きD、前後方向Yのサイズを幅W、上下方向Zのサイズを高さHと仮定する。そして、インク室50は、導出口59からインク室50に収容可能な収容量の5%相当のインクを導出した場合に、インク室50内におけるインクの液面51の変動幅がインク室50に収容可能な収容量の3乗根の5%以下となる領域(例えば、図10で少なくとも下限目盛64aから上限目盛64bまでの上下方向Zにおける高さの領域)を有する。なお、以下の説明では、インク室50の形状に関する条件を形状条件というと共に、インク室50に収容可能な収容量を最大収容量という。
例えば、インク室50の左右方向Xの奥行きD、前後方向Yの幅W、上下方向Zの高さHがそれぞれ等しい(D=W=H)立方体形状である場合には、インクの液面51がどの位置にある場合でも形状条件を満たす。具体的には、立方体形状である場合には、最大収容量の5%を導出した場合の液面51の変動幅(0.05×D×W×H/(D×W))が、最大収容量の3乗根の5%(0.05×(D×W×H)1/3)と等しくなる。
そのため、立方体形状よりも前後方向Yもしくは左右方向Xに長い直方体形状であれば形状条件を満たす。すなわち、インク室50の高さHが奥行きD及び幅Wよりも小さい場合には形状条件を満たす。具体的には、インク室の底面積(D×W)もしくは液面51の面積(インク室50の水平断面積)が高さHの2乗以上であれば形状条件を満たす。ただし、高さHが奥行きDと幅Wのいずれか一方よりも大きい場合でも形状条件を満たす場合もある。例えば、奥行きDが高さHの半分である場合でも、幅Wが高さHの2倍以上であれば形状条件を満たす。
次に、最大収容量の5%相当のインクを導出した場合のインク室50内におけるインクの液面51の変動幅について説明する。
最大収容量の5%相当のインクを導出した場合のインク室50内におけるインクの液面51の最小変動幅(以下、単に「最小変動幅」という。)が、最大収容量の3乗根の6%以上である場合には、インク室50に収容可能なインク量を十分に確保することができない。
それに対し、最小変動幅が最大収容量の3乗根の5%以下である場合には、インク室50に十分にインクを収容することができるが、最小変動幅が最大収容量の3乗根の4%以下であるとより好ましい。
以下、インクタンク43を装置本体13に固着する際の作用を説明する。
図5,図16に示すように、まずタンクケース42のケース開口部42bからインクタンク43を挿入し、位置決め凸部67a,67bと位置決め凹部63a,63bとを凹凸嵌合させて位置合わせする。このとき、フィルム49の左側の部分がタンクケース42内に折り込まれる。さらに、タンク係止部62と螺合部66とに取付ねじ61を螺合してインクタンク43をタンクケース42に固着する。すなわち、タンクケース42は、インクタンク43を外側から覆うことによって該インクタンク43を保護する。さらに、チューブ31が挿通されたチョークバルブ45がタンクケース42に取り付けられると共に、チューブ31の先端が導出口59に差し込まれる。
続いて、図23に示すように、インクタンク43を固着したタンクケース42を取付面13aに位置合わせする。すなわち、タンクケース42が第1取付リブ34を囲うと共に、ボス部38と係合部69とを係合させ、さらに補強取付リブ部34fと係合凹部72とを係合させる。
また、図7に示すように、インクタンク43が取り付けられたタンクケース42を取付面13aに位置合わせすると、吸収材39は、注入口52と装置本体13との間の位置に位置する。なお、吸収材39は、上取付リブ部34aよりも左右方向Xに大きな厚みを有している。そのため、装置本体13とインクタンク43との間に介装された吸収材39は、装置本体13とインクタンク43とに挟圧されて圧縮変形する。
さらに、図23に示すように、タンクケース42が取付面13aに位置合わせされた状態では、ケース係止部68a〜68eとねじボス部37とが一致している。そのため、ケース係止部68a〜68eにねじ36を螺合させると、各ケース係止部68a〜68eとねじボス部37が螺着してタンクケース42と装置本体13とが固着する。
このようにタンクケース42と装置本体13とが固着された状態において、収容体開口部48aから外にはみ出すフィルム49の領域外部位49a,49b,49c(図13参照)は、インクタンク43とタンクケース42との間に設けられた隙間に収納される。また、タンクケース42の外側へはみ出すフィルム49の領域外部位49d(図14参照)は、インクタンク43とタンクケース42との間に設けられた隙間に折り込まれた状態で収納される(図4参照)。したがって、フィルム49は、タンクケース42が装置本体13に固着された状態において、タンクケース42の外側には、はみ出さない。
なお、タンクケース42が装置本体13に取り付けられると、タンクケース42のケース開口部42bが装置本体13に覆われる。したがって、装置本体13とタンクケース42は、インクタンク43を外側から覆って保護可能な保護部材の一例として機能すると共に、装置本体13、タンクケース42、インクタンク43、吸収材39により液体供給システムの一例が構成される。
続いて、タンクケース42が装置本体13に固着された状態において、カバー44をタンクケース42の後方からレール部76a,76bと摺接部80とが係合するように装着する。
さて、図28,図30に示すように、カバー44は、ストッパー凸部80aがまず後側に位置する第2ストッパー凹部78bに係合して非隠蔽位置Bに位置する。そして、非隠蔽位置Bに位置したカバー44がさらに前方へ押し込まれると、ストッパー凸部80aが第2ストッパー凹部78bの面取りされた前側の内側面に乗り上げるようにしてストッパー凸部80aと第2ストッパー凹部78bの係合が外れ、カバー44は前方へ移動する。
すると、図27,図29に示すように、カバー44は、ストッパー凸部80aが第1ストッパー凹部78aに係合して隠蔽位置Aに位置する。なお、第1ストッパー凹部78aは、後側の内側面が面取りされているため、隠蔽位置Aに位置したカバー44が後方へ押された場合には、ストッパー凸部80aが第1ストッパー凹部78aの面取りされた後側の内側面に乗り上げるようにしてストッパー凸部80aと第1ストッパー凹部78aの係合が外れ、カバー44は後方へ移動する。
続いて、インクタンク43にインクを注入する際の作用を説明する。
さて、インクタンク43内に収容されたインクの液面51が下限目盛64aまで低下すると、ユーザーは、隠蔽位置Aから非隠蔽位置Bまでカバー44を後方へスライド移動させる(図28参照)。すると、隠蔽位置Aに位置したカバー44に隠されていた閉塞部材58と載置部75とが出現する。
さらにユーザーは、筒部53の先端に嵌合した閉塞部材58を載置部75へ移動させると共に、注入口52からインクを注入する。なお、注入されたインクはタンクケース42の窓部42aから確認することができる。
ところで、インクの注入に伴ってインクがこぼれてしまった場合には、漏洩インクは注入口形成面54を伝って装置本体13から離れる方向へ流れて堰き止め凸部55により堰き止められる。なお、漏洩インクの量が多く、万が一堰き止め凸部55を越えてしまった場合でも、漏洩インクは段差部54aに沿って広がるようにして漏洩方向が変更される。また、例えば装置本体13側へインクが飛んだ場合であっても、装置本体13とタンクユニット27との間に介装された吸収材39により漏洩インクが吸収される。
そして、インクの注入に伴って液面51が上限目盛64bまで上昇すると、ユーザーはインクの注入を終了し、載置部75に載置していた閉塞部材58を筒部53に戻すと共に、カバー44を前方へスライド移動させて隠蔽位置Aへ移動させる。
次に、インクが注入されるインク室50内の作用について説明する。
図13に示すように、注入口52からインクが注入されると、インクは交差リブ部101〜103によって堰き止められるようにして後方へ誘導される。また、交差リブ部101〜103には、第1延出部104が形成されている。そのため、インクは、第1延出部104によって交差リブ部101〜103を前側に乗り越える方向への流れが抑制され、より後方に向かって流れやすい。
さらに、インクは、縦リブ部111〜118と段差底面50bとの間の隙間を通って後方へ流れる。そのため、インクの注入に伴ってインク室50内における液面51(図6参照)が上昇して縦リブ部111〜118が形成された位置に達すると、まず後方へのインクの流れが第1縦リブ部111によって阻害されることになる。したがって、後方へ向かうインクの流れが変化する。
すなわち、インクの流れる流動方向(本実施形態では段差底面50bに沿う後方)において縦リブ部111〜118よりも下流側となる後側位置では、インクに渦が発生する。そのため、インクには、段差底面50bと交差する方向(上方)へ向かう流れが生じる。そのため、例えば、インクを何度かに分けて注入した場合には、先に注入されたインクが、後から注入されたインクの流れに伴って生じた渦によって攪拌されると共に、後から注入されたインクとも混合する。
ところで、インクタンク43は、インクを大量に収容することができるものほど、先にインクが注入されてから次にインクの注入が必要になるまでの時間が長くなる。そのため、例えばインクの一例である顔料インクをインク室50で収容する場合には、インクの顔料成分が沈降してしまう場合がある。しかし、注入口52から新たにインクを注入することによってインク室50内に残存していたインクが攪拌されるため、インク室50内の濃度の偏りは低減される。
次に、複合機11(記録装置12)をインクタンク43にインクが収容された使用可能な状態で運搬する際の作用について説明する。
さて、インクタンク43にインクが収容された複合機11(記録装置12)を運搬する際には、まず、チョークバルブ45が閉弁状態とされる。そして、その状態において、例えば複合機11(記録装置12)を梱包したダンボール箱などが上下逆さまに置かれたりすると、図31に示すように、インクタンク43は、空気室200よりもインク室50の方が上方に位置する倒置された姿勢状態になる。
すると、インクタンク43のインク室50側から連通口210を介して空気室200(具体的には第1空気小室200a)側に向けて、水頭圧によりインクが流入し始める。そして通常の場合は、やがて水頭圧とインク室50の負圧が釣り合うため、連通口210を介したインク室50側から空気室200側へのインクの流入は止まる。
すなわち、図31に示すように、空気室200側では、連通口210を介して直接的にインク室50と連通している第1空気小室200aが流入したインクで満たされ、更に、図32に示すように、第1長溝部213aに対応した蛇行状の連通路221においては、そのときに最も下方に位置する流路部分221aまでが流入したインクで満たされる。そして、その連通路221内では最も下方に位置する流路部分221aにおいて気液交換が不可能となるため、インク室50に負圧が発生するようになり、その結果、その負圧と水頭圧とが釣り合って、空気室200側へのインクの流入が止まるようになる。
また、図33及び図35に示すように、倒置された状態にあるインクタンク43に更に前後方向Yへの加速度がかかる振動が加えられた場合には、図32に示す連通路221内のインクは、図34及び図36に示すように、その連通路221内を加速度がかかる向きに移動するようになる。但し、この場合でも、連通路221内のインクは、その連通路221内の一端側(第1開口211側)と他端側(第2開口212側)との間を、加速度の方向に従って往き来するだけで、第2開口212から大気開放口60側となる第2空気小室200b内へ流出することはない。この連通路221の仕切り壁48bに沿う方向における部分である第1長溝部213aの長さは第1開口211と第2開口212との距離よりも長く設定されているが、第1長溝部213aをさらに長くすることで前後方向Yにおける振動に起因する第2開口212へのインクの到達をさらに抑制することができる。
そして、インクタンク43の姿勢状態が、図31等に示す空気室200よりもインク室50が上側になる倒置された姿勢状態から、図13等に示す空気室200の方がインク室50よりも上側になる使用時の姿勢状態に戻されると、連通路221内に流入していたインクは第1開口211及び第2開口212から各空気小室200a,200bに戻る。そのため、流路断面積の小さい連通路221内にインクが残って乾燥固化することが回避される。
次に、チョークバルブ45を閉弁状態から開弁状態に切り替える際の作用を説明する。
さて、本実施形態では、図37に示すように、チョークバルブ45が閉弁状態にあるときには、バルブレバー47の把持部341に形成された凹溝344が回動軸331を中心とした周回経路上における最下端位置に配置される。
この場合、図38に示すように、スライダー310の凸条317の先端部位がカム345の外周面の平坦面348に当接する閉弁位置に配置される。そして、スライダー310は、カム345の平坦面348によってケースユニット303の内奥側に押圧される。
そのため、ケースユニット303の内奥側を上下に挿通されるチューブ31は、スライダー310の押圧部315a,315bの先端部位によってチューブ31の外面が押圧されて押し潰される。その結果、チューブ31は、スライダー310の押圧部315a,315bによって押し潰された部位を通じてインクタンク43側から液体噴射ヘッド32側に向けてインクを流動させることが規制される。
そして次に、図39に示すように、バルブレバー47が回動軸331を中心として図39に示す時計回り方向に回動操作される。すると、スライダー310の凸条317がカム345の平坦面348から湾曲面355に乗り上げて中間位置に配置される。
この場合、スライダー310からカム345の外周面に作用する回動抵抗は、スライダー310の凸条317がカム345の平坦面348から湾曲面355に乗り上げる場合と、スライダー310の凸条317がカム345の湾曲面355を摺動する場合とで異なる。そのため、バルブレバー47を開弁方向に回動操作する際の抵抗感が変化することに基づき、チョークバルブ45が閉弁状態から開弁状態に切り替わり始めたことが容易に認識される。
続いて、図40に示すように、バルブレバー47が回動軸331を中心として図40に示す時計回り方向に更に回動操作される。この場合、カム345の湾曲面355は、平坦面348側から凸部350側に向けて回動軸331の軸中心Jからの距離が次第に小さくなる。そのため、スライダー310は、カム345の回動に伴って、チューブ31を押し潰す方向に向けてカム345の湾曲面355から作用する押圧力が次第に低減される。この場合、スライダー310は、チューブ31の外面に当接している押圧部315aの先端部位がチューブ31の弾性復帰力に従って押し返される。そのため、スライダー310の凸条317は、カム345の回動時においてカム345の湾曲面355に摺接した状態が維持される。
そして次に、バルブレバー47が回動軸331を中心として図40に示す時計回り方向に更に回動操作されると、スライダー310の凸条317がカム345の凸部350を乗り越える。
すると、図21、図22に示すように、スライダー310の凸条317の先端部位が、カム345の外周面のうち、回動軸331に対して最も近接した面部位356(図22参照)に当接する開弁位置に配置される。すなわち、本実施形態では、カム345は、スライダー310が中間位置から開弁位置に変位するときにスライダー310の凸条317が摺接する面部位に凸部350を有している。そして、スライダー310は、チューブ31を押し潰す方向に向けてカム345の外周面から作用する押圧力が更に低減される。その結果、チューブ31は、スライダー310の押圧部315aによって押し潰されることが殆ど無くなる。したがって、チョークバルブ45は、インクタンク43側から液体噴射ヘッド32側に向けてのインクの流動が許容される開弁状態となる。
ここで、スライダー310の凸条317がカム345の凸部350を乗り越える際にスライダー310からカム345の外周面に作用する回動抵抗は、スライダー310の凸条317がカム345の湾曲面355を摺動する場合よりも大きくなる。そのため、バルブレバー47を開弁方向に回動操作する際の抵抗感が変化することに基づき、チョークバルブ45が開弁状態に切り替わったことが容易に認識される。
また、スライダー310の凸条317がカム345の凸部350を乗り越えると、凸条317がカム345の外周面に衝突して音を発する。そのため、バルブレバー47が開弁状態に切り替わったことが容易に認識される。
また、チョークバルブ45が開弁状態に切り替わると、カム345の凸部350がスライダー310の凸条317によって係止されるため、チョークバルブ45が開弁状態に仮固定される。したがって、バルブレバー47に対して回動操作のための外力の付与が解除されたとしても、チョークバルブ45が開弁状態にて信頼性良く維持される。
そして、図20に示すように、チョークバルブ45が開弁状態にあるときには、バルブレバー47の把持部341に形成された凹溝344が回動軸331を中心とした周回経路上における最上端位置に配置される。
ところで、チョークバルブ45を開弁状態から閉弁状態に切り替える際も同様にして、スライダー310の凸条317がカム345の凸部350を乗り越える。ただし、チョークバルブ45が閉弁状態から開弁状態に切り替わる際に、凸部350においてスライダー310の凸条317が摺接する湾曲面351は凹状をなすように湾曲している。これに対し、チョークバルブ45が開弁状態から閉弁状態に切り替わる際に、凸部350においてスライダー310の凸条317が摺接する湾曲面352は凸状をなすように湾曲している。
その結果、スライダー310の凸条317がカム345の凸部350を乗り越える際にスライダー310からカム345の外周面に作用する回動抵抗は、チョークバルブ45を閉弁状態から開弁状態に切り替える場合の方が、チョークバルブ45を開弁状態から閉弁状態に切り替える場合よりも大きくなる。そのため、チョークバルブ45を開弁状態に切り替える際に、カム345に作用させる回動トルクの大きさが相対的に大きくなる。そのため、カム345の回動操作時における抵抗感の変化量が大きくなるため、チョークバルブ45が開弁状態に切り替わったことが更に容易に認識される。
次に、複合機11が斜めに設置された場合のインクタンク43の作用について説明する。なお、インクタンク43の構成については、図4及び図5に図示している。
複合機11において、その設置面が傾いていたり、タンクユニット27(図1参照)が傾斜した状態で装置本体13に取り付けられたりした場合には、インクタンク43が傾斜した状態になることがある。
そして、インク室50の段差底面50b側が基底面50a側よりも高くなるようにインクタンク43が傾斜状態となった場合には、段差底面50b側から基底面50a側にインクが流動する。この場合には、インク室50に収容されたインクは、集液用凹部50dに集液された後、導出口59を通じて流出する。
一方、図41に示すように、インク室50の基底面50a側が段差底面50b側よりも高くなるようにインク室50が傾斜状態となった場合には、段差底面50b側へのインクの流動が段差側面50cによって抑制される。そして、導出口59は底部の長手方向(前後方向Y)における基底面50a側(図41では右端側)に設けられているので、段差側面50cによって基底面50a側に堰き止められたインクは導出口59から流出する。
このとき、インクタンク43に段差底面50b及び段差側面50cが設けられていない場合には、図41に二点鎖線で示すように、低くなった底部側に溜まったインクが導出口59から流出せずに残ってしまう。これに対して、本実施形態では段差側面50cによって基底面50a側に堰き止められたインクは、集液用凹部50dに集液された後、導出口59から流出する。
その結果、段差底面50b側に溜まったインクが導出口59から流出せずに残るが、この残量は、段差底面50b及び段差側面50cが設けられていない場合よりも少ない。すなわち、インクタンク43において、導出口59が設けられた長手方向の第1端側が高くなるように傾斜状態となった場合に、インク室50の底部に残るインクの量が少なくなる。
なお、記録装置12においては、収容体ケース48(図1参照)に設けられた視認面43a(図1参照)を通じてインク室50内の液面51が低下したことが視認されると、注入口52を通じてインクを注入することでインクが補充される。
しかし、インクが導出口59から流出せずにインク室50の底部に残ってしまうと、収容体ケース48に設けられた視認面43aから液面51が視認されるものの、そのインクは液体噴射ヘッド32(図1参照)に供給されない、ということが生じ得る。
すると、インクが導出口59を通じて供給されない状態でインクが噴射されて、印刷不良を生じる虞がある。なお、液体噴射ヘッド32からのインクの噴射量を積算することでインク室50のインク残量を管理する場合でも、インクが導出口59から流出せずにインク室50の底部に残ってしまうと、同様の印刷不良が生じる虞がある。その点、本実施形態では、インク室50の底部に残るインクの量が少なくなるので、こうした虞が低減される。
また、記録装置12においては、水頭差を利用してインク室50に収容されたインクを液体噴射ヘッド32に供給しているので、インクタンク43は前後方向Yにおける幅を大きくする一方で上下方向Zにおける高さを抑えた横長形状となっている。そのため、インク室50にインクを注入する際に、インク室50の底部で跳ね返ったインクなどが注入口52から溢れてしまう虞がある。その点、本実施形態では、段差底面50bよりも低い位置にある基底面50aの上方に注入口52が配置されているので、注入口52からインクが溢れにくい。
次に、インク室50に収容されたインクを導出口59から導出する場合の作用について説明する。
さて、上述したとおり、インク室50に収容されたインクは、注入時に攪拌されて濃度の偏りは低減されているものの、時間が経過するにしたがって顔料成分が沈降し、インクの濃度に偏りが生じることがある。すなわち、下方に位置するインクは濃度が濃くなり(以下、「濃いインク」という。)、上方に位置するインクは濃度が薄くなる(以下、「薄いインク」という。)。
そのため、インクの液面51が第1交差リブ部101よりも高い位置に位置する場合には、薄いインクが第1交差リブ部101と上面50eとの間の連通部106を通過して導出口59側へ流れる。一方、濃いインクは、第1交差リブ部101の下端に位置する連通部105を通過して導出口59側へ流れる。したがって、インクは、濃いインクと薄いインクとが混ざった状態で導出口59から導出される。
そして、インクが導出されて液面51が第1交差リブ部101の上端よりも低い位置まで変位すると、薄いインクが第2交差リブ部102と上面50eとの間を通って導出口59側へ流れる。一方、濃いインクは、第2交差リブ部102の下端に位置する連通部105を通って導出口59側へ流れる。さらに、インクは、濃いインクと薄いインクが混ざった状態で第1交差リブ部101の連通部105を通過して導出口59から導出される。
さらにインクが導出されて液面51が第2交差リブ部102の上端よりも低い位置まで変位すると、薄いインクが第3交差リブ部103と上面50eとの間の連通部106を通過して導出口59側へ流れる。一方、濃いインクは、第3交差リブ部103の下端に位置する連通部105を通過して導出口59側へ流れる。すなわち、インクは、濃いインクと薄いインクが混ざった状態で第2交差リブ部102の連通部105及び第1交差リブ部101の連通部105を通過して導出口59から導出される。
上記第1実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)収容体ケース48の収容体開口部48aに取着するために例えば保持具により保持されて移動されるフィルム49を保持するときの保持具に対する位置決めを、例えばピンなどの位置決め部材を挿入可能な貫通孔49Hを用いて容易に行うことができる。そのため、フィルム49は、位置ずれを生じていない予定どおりの状態で収容体ケース48の収容体開口部48aを塞ぐ位置まで運ばれた後、収容体ケース48に対して例えば溶着などにより取着される。したがって、収容体ケース48の収容体開口部48aを封止するように収容体ケース48に取着されるフィルム49の収容体開口部48aに対する位置ずれが抑制される。
(2)フィルム49が相対的に位置ずれを生じやすい長手方向を有した形状である場合にも、その長手方向で互いに離れた少なくとも2位置の貫通孔49Hを利用してフィルム49を位置決めすることができるので、収容体ケース48に取着されるフィルム49の収容体開口部48aに対する位置ずれを抑制することができる。
(3)インクタンク43において収容体ケース48の収容体開口部48aから外側にはみ出すフィルム49の領域外部位49a,49b,49c,49dをタンクケース42との間の隙間に露出しないように折り込むなどして収納することができるので、例えば外観上好ましいタンクユニット27が得られる。
(4)収容体ケース48に取着されるフィルム49の収容体開口部48aに対する位置ずれを抑制することができるので、密閉性が良好なインク室50を有するタンクユニット27を備える記録装置12(液体消費装置)が実現できる。
(5)タンクユニット27のインク室50からチューブ31を介して液体噴射ヘッド32にインクを供給するので、例えば大量のインクを液体噴射ヘッド32へ継続供給可能な記録装置12(液体消費装置)が実現できる。
(6)フィルム49は収容体ケース48への取着時において収容体開口部48aに対する位置ずれが抑制されるので、例えば収容体ケース48との間の溶着面積の減少による密着力の低下が抑制され、インクタンク43の良好な密閉性が得られる。
(7)インク室50内の段差底面50bから離間して縦リブ部111〜118が設けられているため、注入口52からインク室50に注入されたインクは、段差底面50bに沿うように該段差底面50bと縦リブ部111〜118との間を流動する。さらに、インクは、縦リブ部111〜118やインク室50の段差底面50bと交差する後側面50gなどによって流れが阻害されると、インクには段差底面50bと交差する方向の流れが生じる。したがって、インク室50に収容されたインクに濃度の偏りが生じていた場合であっても、新たにインク室50に注入されたインクの流れによってインク室50に収容されていたインクが攪拌される。すなわち、注入口52から前後方向Yに離れた位置でも上方への流れを生じさせることができる。したがって、インク室50内にインクを注入することで、インク室50内に収容されたインクの濃度の偏りを容易に解消することができる。
(8)注入口52から注入されたインクは、導出口59から導出される。そのため、注入口52から見て導出口59とは反対側の位置では、注入口52と導出口59との間の位置に比べ、導出口59からのインクの導出に伴ったインクの流れが起こりにくい。その点、注入口52から見て導出口59とは反対側に縦リブ部111〜118が設けられているため、導出に伴うインクの流れが起こりにくい位置に存在するインクを、注入口52からのインクの注入に伴って攪拌することができる。したがって、インク室50内にインクを注入することで、インク室50内に収容されたインクの濃度の偏りを効率よく解消することができる。
(9)縦リブ部111〜118をインク室50内の右側面50fから突出形成することにより、縦リブ部111〜118を容易に形成することができる。さらに、縦リブ部111〜118を少なくとも2つ形成することにより攪拌可能な領域を増やすことができるため、インク室50のサイズをより大きくすることができる。
(10)段差底面50bと交差する方向に延びている縦リブ部111〜118により、注入口52から離れる方向である前後方向Yに沿ったインクの流れを阻害することができる。すなわち、インクに渦状の流れを生じさせることにより、インクを攪拌することができる。
(11)交差リブ部101〜103が注入口52と導出口59との間に設けられているため、注入口52から導出口59に向かうインクの流れを阻害することができる。したがって、例えば、注入口52からインクを勢いよく注入した場合でも、導出口59付近のインクにかかる圧力を低減することができる。
(12)インク室50に収容されたインクが導出口59を通じて導出されると、インクには、上下方向Zにおいて異なる位置に位置する連通部105,106を通過する流れが生じる。そのため、インク室50に収容されたインクに濃度の偏りが生じている場合であっても、異なる濃度のインクをそれぞれの連通部105,106を通過させて流動させることができる。さらに、少なくとも2つの交差リブ部101〜103は、連通部105,106の位置が互いに異なるため、上下方向Zにおいて異なる位置のインクを流動させることができる。したがって、インク室50に収容されたインクが導出されて液面51が低下した場合であっても、液面51付近の濃度の薄い液体と基底面50a付近の濃度の濃い液体とを混合させて導出することができる。
(13)注入口52から離れた位置に位置する第1交差リブ部101の基底面50aからの突出高さを大きくすることによって、注入口52から導出口59に向かうインクの流れをより阻害することができる。一方、注入口52に近い位置に位置する第2交差リブ部102の基底面50aからの突出高さが小さいため、突出高さの大きな第1交差リブ部101に堰き止められたインクが導出口59から離れる後方に向かう流れが許容される。したがって、注入口52から見て導出口59から離れた側においてよりインクを攪拌させることができる。
(14)交差リブ部101〜103は、第1延出部104を有するため注入口52から注入されたインクが交差リブ部101〜103を乗り越えてしまう虞を低減することができる。したがって、導出口59付近のインクにかかる圧力をより低減することができる。
(15)インク室50内に収容されたインクの濃度の偏りを容易に解消することができる記録装置12を使用することができる。
(16)インクタンク43は、使用時の姿勢状態では、空気室200の方がインク室50よりも上方に位置し、インク室50側から連通口210を介して空気室200側にインクが入りにくいので、インクが大気開放口60を通じて外部に漏出することを抑制できる。
(17)また、インクタンク43は、使用時の姿勢状態から倒置されたとしても、インク室50内のインクは連通口210を介して一旦は空気室200の内部空間に受け入れられるので、インク室50から外部へ直接にインクが漏出することを抑制できる。したがって、倒置された場合にも内部に収容しているインクが大気開放口60を通じて外部に漏出することを抑制できる。
(18)インク室50からインクが連通口210を介して連通する1つの空気小室200aに流入したとしても、その空気小室200aと連通する次の空気小室200bへは小さい流路断面積の連通路221を通過する必要があるので、大気開放口60が形成された空気小室200j側へのインクの流動が抑制される。したがって、より一層、内部に収容しているインクが大気開放口60を通じて外部に漏出することを抑制できる。
(19)インク室50側から第1空気小室200aに流入したインクが更に第1空気小室200aから第2空気小室200b側に流動しようとする場合には、第1空気小室200aと第2空気小室200bとの距離よりも長い距離の連通路221内を第1開口211から第2開口212まで流動する必要がある。したがって、この長い距離が、第1空気小室200aから第2空気小室200b側へのインクの流動に対する流路抵抗を大きくするので、より一層、内部に収容しているインクが大気開放口60を通じて外部に漏出することを抑制できる。
(20)インクタンク43が倒置されたことによりインク室50側から空気室200側に流入し、さらに第1空気小室200aと第2空気小室200bとを連通する連通路221内までインクが流入した場合でも、使用時の姿勢状態に戻すと、連通路221内のインクは第1開口211及び第2開口212を介して連通路221内から流出する。そのため、連通路221内にインクが残って乾燥することで固化物が連通路221内に生じる虞を回避できる。
(21)気液界面が第1開口211付近に来るような状態でインクタンク43が倒置した場合であっても、その第1開口211と第2開口212とを接続する連通路221は、第1開口211及び第2開口212よりも仕切り壁48bから離間することで気液界面から遠ざかる流路部分221aを有している。そのため、倒置された場合に最も下側の部位となる流路部分221aのところで、空気とインクとの気液交換を不可能とすることができる。したがって、連通路221よりもインク室50側に負圧を発生させることができ、インク室50側からのインクの漏出を止めることができる。
(22)蛇行状に形成された長溝部213a〜213cの開口を閉塞するようにフィルム214を接着して連通路221,223,225を形成するので、インクタンク43が倒置された場合にインク室50側からのインクの漏出を抑制できる効果を好適に発揮できる連通路221,223,225を簡単に実現することができる。
(23)スライダー310を開弁位置に変位させる際に、スライダー310がカム345の凸部350を乗り越える必要があるため、カム345に作用させる回動トルクが増大する。そのため、カム345が手動操作に従い回動することに伴ってスライダー310が開弁位置に変位する際に、カム345の回動操作時における抵抗感が変化する。したがって、インクの流通状態を切替えるために変位させられるスライダー310が手動操作に従って開弁位置に変位したことを容易に認識できる。
(24)カム345を手動操作に従って回動させることに伴って、スライダー310を開弁位置から閉弁位置に向けて変位させるときと、スライダー310を閉弁位置から開弁位置に向けて変位させるときとで、スライダー310がカム345の凸部350を乗り越えるためにカム345に作用させる回動トルクの大きさに違いが生じる。そのため、カム345がスライダー310を開弁位置及び閉弁位置の何れの方向に向けて変位させるために回動しているのかを容易に認識できる。
(25)カム345を手動操作に従って回動させることに伴って、スライダー310を開弁位置に変位させるときにスライダー310に対して凸部350の湾曲面351を乗り越えさせるためにカム345に作用させる回動トルクの大きさが相対的に大きい。そのため、スライダー310が開弁位置に変位するときに、カム345の回動操作時における抵抗感の変化量が大きくなるため、スライダー310が開弁位置に変位したことを更に容易に認識できる。
(26)スライダー310を閉弁位置から中間位置に変位させるときには、カム345はスライダー310に対して平坦面348で当接する状態から湾曲面355で当接する状態に切り替わる。そのため、スライダー310を閉弁位置から中間位置に変位させるときに、カム345に作用させる回動トルクが変化する。したがって、カム345の回動操作時における抵抗感が変化することにより、スライダー310が閉弁位置から中間位置に変位したことを容易に認識できる。
(27)チョークバルブ45はタンクケース42の内側面に取り付けられているため、タンクケース42の外部からチョークバルブ45に衝撃が加わったとしても、この衝撃がチョークバルブ45からインクタンク43に伝わることを抑制できる。また、チョークバルブ45がタンクケース42の内側面に取り付けられているので、バルブ開閉操作による振動等が直接インクタンク43に伝わることが防止され、インクタンク43の振動によりインクの液面が振動して気泡が発生する等の不具合を防止できる。また、チョークバルブ45をタンクケース42の内底面に取り付ける場合とは異なり、チョークバルブ45をタンクケース42の内底面にねじ止めするためのブラケット361をチョークバルブ45からタンクケース42の厚み方向に延設する必要がないため、タンクケース42の厚み方向の寸法を低減することができる。また、チョークバルブ45をインクタンク43とは独立してタンクケース42に組み付けることができるため、タンクケース42に対するチョークバルブ45の組み付け性を向上することができる。
(28)インクタンク43において、段差底面50b側が基底面50a側よりも高くなるようにインク室50が傾斜状態となった場合には、段差底面50b側から基底面50a側にインクを流動させて導出口59からインクを流出させることができる。一方、基底面50a側が段差底面50b側よりも高くなるようにインク室50が傾斜状態となった場合には、段差底面50b側へのインクの流動が段差側面50cによって抑制される。そして、導出口59は底部の長手方向(前後方向Y)における基底面50a側に設けられているので、段差側面50cによって基底面50a側に堰き止められたインクを導出口59から流出させることができる。すなわち、インクタンク43が傾斜状態となった場合にインク室50内のインクの全てが流出せず底部に残ってしまうことが回避される。したがって、傾斜状態となった場合にも、インク室50の底部に残るインクの量を少なくすることができる。
(29)チョークバルブ45は、インクタンク43における底面43c及び該底面43cと対向する天面43d以外の側面を構成する前面43bとタンクケース42との間に配設されている。そのため、インクタンク43の底面43cまたは天面43dとタンクケース42との間にチョークバルブ45を配設する場合と比べ、タンクユニット27の高さを抑えることができる。
(30)チョークバルブ45は、インクタンク43における底面43c及び該底面43cと対向する天面43d以外の側面のうち、最も幅の狭い前面43bとタンクケース42との間に配設されている。そのため、インクタンク43の側面のうち最も幅の狭い前面43bの幅の範囲内にチョークバルブ45を収めることができるため、タンクユニット27の幅の大型化を抑制できる。
(31)インクタンク43においては、基底面50aは段差底面50bよりも前後方向Yにおける長さが短いので、基底面50aが傾斜状態となった場合に、基底面50aの前後方向Yにおける端部側となる位置に設けられた導出口59から流出せずに残るインクの量を少なくすることができる。
(32)インクタンク43においては、長手方向の第1端側が高くなるようにインク室50が傾斜状態となった場合に、段差側面50cが第1端側寄りに配置される程、段差側面50cの上端位置が高くなるので、第1端側に設けられた導出口59付近に高い液面位置を保持することができる。したがって、インク室50の傾斜角度が大きくなった場合にも、段差側面50cによって基底面50a側に堰き止められたインクを導出口59から流出させることができる。
(33)インクタンク43においては、段差側面50cによって基底面50a側に堰き止められたインクを集液用凹部50d内に集液して、導出口59を通じてインクを流出させることができる。したがって、インク室50の底部において段差側面50cより基底面50a側に残るインクの量を少なくすることができる。
(34)インクタンク43において、注入口52は段差底面50bよりも低い位置にある基底面50aの上方に配置されているので、インクを注入する際にインクが溢れにくい。
(35)インクタンク43においては、基底面50aは導出口59側が低くなるように傾斜しているので、段差側面50cによって基底面50a側に堰き止められたインクを傾斜に沿って導出口59側に流動させることができる。したがって、傾斜状態となった場合にも、インク室50の底部に残るインクの量を少なくすることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図を参照して説明する。なお、この第2実施形態は、スキャナーユニット14を備えていない点で第1実施形態の場合とは異なっている。そして、その他の点では第1実施形態とほぼ同じであるため、同一の構成については同一符号を付すことによって重複した説明は省略する。
図42に示すように、液体消費装置の一例としての記録装置85は、前面側に操作ボタン86を備えている。記録装置85において操作ボタン86の下方にあたる位置は、装置本体87内から用紙Pを排出するための排出口88が開口している。また、記録装置12における排出口88の下方には、引き出し可能な排紙台89が収容されている。さらに、記録装置85の背面側には、複数の用紙Pを積載可能な回動式の媒体支持体90が取り付けられている。
また、図42,図43に示すように、装置本体87においてタンクユニット27が取り付けられる取付面87aの前側位置には、上面視楔状の張出部87bが一体形成されている。なお、張出部87bは、装置本体87とタンクユニット27との隙間を埋めるように上方から前方にかけて湾曲して形成されていると共に、張出部87bの前面とタンクユニット27の前面とが面一となる。
さらに、図44に示すように、タンクユニット27は、装置本体87との下側部分の隙間を埋める断面L字状のスペーサー91を介して装置本体87に固着されている。なお、スペーサー91は、前後方向Yにおいて張出部87bから第4ケース係止部68dと対応する係合凹部72にかけて設けられている。そして、スペーサー91は、第4ケース係止部68dが形成された係合凹部72と係合する。
次に、タンクユニット27を記録装置85に取り付ける際の作用について説明する。
図44に示すように、まずインクタンク43を固着したタンクケース42をスペーサー91を介在させた状態で取付面87aに位置合わせする。なお、このときスペーサー91は、図示しない係合部がボス部38と係合すると共に、第4ケース係止部68dが形成された係合凹部72と係合して位置合わせされる。
そして、タンクケース42が取付面87aに位置合わせされた状態でケース係止部68a〜68eにねじ36を螺着してタンクケース42と装置本体87とを固着する。
続いて、タンクケース42が装置本体87に固着された状態において、カバー44をタンクケース42の後方からレール部76a,76bと摺接部80とが係合するように装着する。
上記第2実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図を参照して説明する。なお、この第3実施形態は、収容体ケース125の形状が第1実施形態の場合とは異なっている。そして、その他の点では第1実施形態とほぼ同じであるため、収容体ケース125の内部の構成であっても、同一の構成部分については同一符号を付すことによって重複した説明は省略する。
図45に示すように、収容体ケース125は、収容体開口部125aを有する有底箱状をなしている。さらに、収容体ケース125には、タンクケース(図示略)に固着される際に取り付けられる取付ねじ61を係止する少なくとも1つ(本実施形態では2つ)のタンク係止部126が収容体ケース125の下側に形成されている。一方、図示しないタンクケースには、タンク係止部126と対応する位置に取付ねじ61が螺合可能な螺合部(図示略)が形成されている。
図45〜図47に示すように、インク室50には、少なくとも2つ(本実施形態では6つ)の第1リブの一例としての横リブ部131〜136が形成されている。横リブ部131〜136は、段差底面50bに沿う方向に延びている。すなわち、横リブ部131〜136は、前後方向Y及び左右方向Xに沿って延びると共に、前後方向Yにおいて注入口52から見て導出口59とは反対側の位置に設けられている。
なお、横リブ部131〜136は、上下方向Zに間隔を有して少なくとも1列(本実施形態では2列)形成されている。そして、横リブ部131〜136は、重力方向において注入口と段差底面50bとの間に位置している。また、各列を構成する(本実施形態では3つの)横リブ部同士は、前後方向Yに互いに間隔を有すると共に、前後方向Yにおいてインク室50の後側面50gとも間隔を有して形成されている。すなわち、第1横リブ部131〜第3横リブ部133は、前後方向Yに互いに間隔を有し、第4横リブ部134〜第6横リブ部136は、第1横リブ部131〜第3横リブ部133よりも上方位置で前後方向Yに互いに間隔を有している。
すなわち、横リブ部131〜136は、段差底面50b及び仕切り壁125bと隙間を有して形成されているため、段差底面50bに対して上方に距離を置いて位置している。なお、各横リブ部131〜136の上下両側には、収容体ケース125の収容体開口部125a側から右側面50f側(右側)に向かって前後方向Yの幅が徐々に広くなるように正面視で略直角三角形状をなす第3延出部137が右側面50fと直交して形成されている。
そして、横リブ部131〜136と第3延出部137は、収容体ケース125の右側面50fと直交すると共に、右側面50f側から収容体開口部125a側に向かって突出するように収容体ケース125と一体成型されている。換言すると、横リブ部131〜136と第3延出部137は、右側面50fから突出形成されている。
さらに、左右方向Xにおいて横リブ部131〜136の幅は、収容体ケース125の右側面50fから収容体開口部125aまでの幅と略等しい。そのため、収容体開口部125aにフィルム49が接着されると、横リブ部131〜136の左端となる接着面131a〜136aにもフィルム49が接着される。
次に、インクが注入されるインク室50内の作用について説明する。
さて、図45に示すように注入口52から注入されたインクは、段差底面50bに沿うように後方へ流れる。そのため、インクの注入に伴ってインク室50内における液面(図示略)が上昇して横リブ部131〜136が形成された位置に達すると、横リブ部131〜136の下側を通って後方へ向かうインクの流れが、インクの流動方向と交差する後側面50gに沿うように上方への流れに変化する。さらに、インクは、下側に位置する第1横リブ部131〜第3横リブ部133の上側を通って前方へ流れる。
したがって、インク室50内では、縦リブ部111〜118を形成して流れを阻害する場合に比べてより早い流速でインクが流れることになる。そのため、例えば、インクを何度かに分けて注入した場合には、先に注入されたインクが、後から注入されたインクに押されるようにして流動する。すなわち、注入口52から新たにインクを注入することによってインク室50内に残存していたインクが攪拌されるため、インク室50内のインクに濃度の偏りが生じていた場合でも、インク濃度の偏りが低減される。
そして、さらにインクが注入されてインクの液面51が上側に位置すると、第1横リブ部131〜第3横リブ部133の上側を通る液体の流れに加え、第4横リブ部134〜第6横リブ部136の上側を通る流れも生じる。
上記第3実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(34)段差底面50bに沿う方向に延びている横リブ部131〜136により、段差底面50bに沿って流れるインクの流れが段差底面50bと交差する上方向に変更された後、さらに横リブ部131〜136に沿ってインクを流動させることができる。したがって、インクの流れが衝突するのを抑制することができるため、段差底面50bに沿う方向に流れるインクの流速を上げることができる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記各実施形態において、タンクユニット27のインク室50に収容されたインクを液体噴射ヘッド32に供給するチューブ31を必ずしも備えなくてもよい。例えば、タンクユニット27がキャリッジ29上に配置された構成であってもよい。
・上記各実施形態において、インクタンク43とタンクケース42との間に、フィルム49の領域外部位49a,49b,49c,49dが収納可能な隙間が設けられなくてもよい。例えば、フィルム49の領域外部位49a,49b,49c,49dが収容体開口部48aからのはみ出し幅が狭くて外観上問題とならない場合は、インクタンク43とタンクケース42との間の隙間は不要である。
・上記各実施形態において、貫通孔49Hは必ずしも収容体開口部48aの長手方向において互いに離れたフィルム49の2位置に設けられなくてもよい。例えば、収容体開口部48aの短手方向において互いに離れたフィルム49の2位置に設けられてもよい。さらに、貫通孔49Hは、2位置以上(例えば3位置)設けられてもよい。
・上記各実施形態において、貫通孔49Hは、領域外部位49a,49b,49c,49dのうちいずれか一つの部位にのみ設けられてもよい。また、貫通孔49Hの形状は、例えば丸孔以外に四角形などの矩形孔などでもよい。あるいは、互いに異なる形状や大きさであってもよい。要は位置決めが可能な形状であればどのような形状であってもよい。
・上記各実施形態において、図48に示すように、インク室50内に段差底面50bに対して傾いた第1斜方リブ部141を形成してもよい(第1変形例)。すなわち、第1斜方リブ部141は、左右方向Xに沿う方向に沿って延びると共に、上端が下端よりも前側に位置するように上下方向Zに対して傾いている。なお、第1斜方リブ部141は、少なくとも1つもしくは少なくとも2つ(図48では6つ)設けられ、段差底面50b及び仕切り壁48bと離間すると共に、前後方向Yに互いに間隔を有して形成されている。また、第1斜方リブ部141は、インク室50の後側面50gとも前後方向Yに間隔を有している。
・上記各実施形態において、図49に示すように、インク室50内に段差底面50bに対して傾いた第2斜方リブ部142を形成してもよい(第2変形例)。すなわち、第2斜方リブ部142は、左右方向Xに沿う方向に沿って延びると共に、下端が上端よりも前側に位置するように上下方向Zに対して傾いている。なお、第2斜方リブ部142は、少なくとも1つもしくは少なくとも2つ(図49では6つ)設けられ、段差底面50b及び仕切り壁48bと離間すると共に、前後方向Yに互いに間隔を有して形成されている。また、第2斜方リブ部142は、インク室50の後側面50gとも前後方向Yに間隔を有している。
・上記各実施形態において、図50に示すように、インク室50内に第1縦リブ部111及び第2縦リブ部112と、第2横リブ部132、第3横リブ部133、第5横リブ部135、第6横リブ部136を設けてもよい(第3変形例)。すなわち、縦リブ部111〜118と、横リブ部131〜136とを任意に組み合わせて設けてもよい。また、縦リブ部111〜118と、横リブ部131〜136の数も、任意に選択することができる。すなわち、例えば後リブ部を後側に設けると共に、横リブ部を前側に設けてもよい。また、前後方向Yにおいて縦リブ部と横リブ部を交互に設けてもよい。
・上記各実施形態において、図51に示すように、縦リブ部111〜118の上下方向Zに沿う大きさを互いに異ならせてもよい(第4変形例)。すなわち、例えば、縦リブ部111〜118における上下方向Zの大きさを、注入口52に近い位置(前側)に位置する第1縦リブ部111を最も大きくし、注入口52から離れた位置(後側)に位置する第8縦リブ部118にかけて徐々に小さくしてもよい。そして、縦リブ部111〜118は、上下方向Zのサイズが小さいものほど、段差底面50bから大きく離間して設けられる。
注入口52から離れた位置に位置する縦リブ部111〜118は、段差底面50bから大きく離間しているため、段差底面50bから離れた位置で渦を生じさせることができる。したがって、インクの濃度の偏りが大きくなりやすい注入口52から離れた位置において、段差底面50b付近の濃度の濃いインクと液面51付近の濃度の薄いインクとを攪拌することができるため、よりインクの濃度の偏りを低減することができる。
・上記各実施形態において、図52に示すように、前後方向Yにおいて隣り合う縦リブ部111〜117同士の間隔を異ならせてもよい(第5変形例)。すなわち、縦リブ部111〜117は、前側に位置する第1縦リブ部111と第2縦リブ部112との間隔が最も狭く、後側に位置するものほど大きくなるように設けられている。すなわち、前後方向Yにおいて隣り合う縦リブ部同士の間隔が前側に比べて後側が大きい。なお、縦リブ部の数も3つ以上であれば、任意に選択することができる。
縦リブ部111〜117に流れが阻害されることに伴って生じる渦状の流れは、インクが流れる方向である前後方向Yで隣り合う縦リブ部111〜117同士の間で生じる。そして、縦リブ部111〜117同士の間隔が広いほど大きな渦状の流れが生じる。その点、注入口52から離れた位置で隣り合う縦リブ部111〜117同士の間隔が大きいため、注入口52から離れた位置でより大きな渦状の流れを生じさせることができる。したがって、インクの濃度の偏りが大きくなりやすい注入口52から離れた位置において、液面51付近の濃度の薄いインクをも流動させることができるため、よりインクの濃度の偏りを低減することができる。
・上記各実施形態において、図53に示すように、突出部121,122の前側の面を段差底面50bに対して注入口52から遠ざかる後方向に向けて鋭角をなすように交差するように設けてもよい(第6変形例)。また、突出部121,122の後側の面を段差底面50bに対して注入口52側に近づく前方向に向けて鋭角をなすように交差するように設けてもよい。
注入口52から注入されたインクは段差底面50bに沿って流動する。そして、突出部121における前側の面は、段差底面50bに対してインクの流動方向となる後方向に向けて鋭角をなすように交差している。すなわち、流路抵抗が低減されるため、インクタンク43の剛性を確保しつつ、インク室50に注入されたインクを注入口52から離れる後方に良好に流動させることができる。また、突出部121の後側の面が段差底面50bに対して前方向に向けて鋭角をなすように交差しているため、さらに流路抵抗を低減することができる。
・上記各実施形態において、図53に示すように、突出部121を設ける場合には、前後方向Yにおいて第1突出部121に近い位置に位置する縦リブ部を設けない構成としてもよい。すなわち、例えばインク室50内に第1縦リブ部111、第4縦リブ部114、第7縦リブ部117、第8縦リブ部118を設ける構成としてもよい。この場合には、前後方向Yにおいて第1突出部121を挟んで配置された第1縦リブ部111と第4縦リブ部114同士の間隔と、第4縦リブ部114と第7縦リブ部117同士の間隔は、他の第7縦リブ部117と第8縦リブ部118同士の間隔よりも大きい。
突出部121を挟んで配置された縦リブ部同士の間隔を大きくすることにより、突出部121によって流動方向が変化したインクの流れが縦リブ部によって阻害されてしまう虞を低減することができる。すなわち、突出部121を挟んで配置された縦リブ部の間隔を小さくする場合に比べて注入口52から離れる後方向に流動する流路抵抗を低減することができる。したがって、インクタンク43の剛性を確保しつつ、インク室50に注入されたインクを注入口52から離れる方向に良好に流動させることができる。
・上記各実施形態において、交差リブ部101〜103の高さは任意に変更してもよい。例えば、図54に示すように、交差リブ部101〜103は、前側に位置するものほど基底面50aからの突出高さを小さくしてもよい(第7変形例)。すなわち、第2交差リブ部102の突出高さを、第1交差リブ部101の突出高さよりも大きくすると共に、第3交差リブ部103の突出高さよりも小さくしてもよい。
また、図55に示すように、第1交差リブ部101の突出高さを第2交差リブ部102の突出高さよりも小さくすると共に、第3交差リブ部103の突出高さよりも大きくしてもよい(第8変形例)。
交差リブ部101〜103の高さを変更した場合であっても、インク室50に収容されるインクは、液面51の高さに応じて各交差リブ部101〜103の連通部105及び106を通過する。したがって、液面が変動した場合でも、上下方向Zにおいて異なる位置のインクを通過させることができる。
・上記各実施形態において、突出部121,122を設けない構成としてもよい。また、突出部121は、基底面50aもしくは段差底面50bに設けられていればよく、基底面50aもしくは段差底面50bから突出していれば、いずれの方向に沿って延びるものであってもインクタンク43の剛性を高めることができる。すなわち、例えば突出部121を前後方向Y及び上下方向Zに沿って形成してもよい。また、突出部121を、上下方向Zに対して傾いて形成してもよい。
・上記各実施形態において、第1延出部104、第2延出部119、第3延出部137を設けない構成としてもよい。
・上記各実施形態において、交差リブ部101〜103を湾曲もしくは屈曲状に形成してもよい。なお、この場合、交差リブ部101〜103は、後方に向かって湾曲もしくは屈曲しているのが好ましい。交差リブ部101〜103の上端を下端よりも後側に位置させることにより、注入口52から注入されたインクが交差リブ部101〜103を乗り越える虞を低減し、インクの流れを後側へと誘導することができる。
・上記各実施形態において、基底面50aからの交差リブ部101〜103の突出高さを同じにしてもよい。
・上記各実施形態において、交差リブ部101〜103は、基底面50aから離間して設けてもよい。すなわち、縦リブ部111〜118を前後方向Yにおいて注入口52と導出口59の間に設けてもよい。
・上記各実施形態において、交差リブ部101〜103を1つ設ける構成としてもよい。また、交差リブ部101〜103を1つ設ける場合には、導出口59に近い位置に位置する第1交差リブ部101を設けるのが好ましい。また、第1リブ部101及び第2リブ部102は、第2連通部106を設けない構成としてもよい。すなわち、第1交差リブ部101及び第2交差リブ部を上面50eから突出するように形成してもよい。第1交差リブ部101及び第2交差リブ部102を上面50eから突出されることにより、注入口52から注入されたインクが第1交差リブ部101及び第2交差リブ部102を越えて導出口59側に流れる虞がより低減することができる。さらに、第2連通部106は、上面50eと第1交差リブ部101及び第2交差リブ部102の各々との間に設けてもよい。第2連通部106を上面50e側に設けることにより、第1交差リブ部101及び第2交差リブ部によって仕切られる第1領域と第2領域とでインクの液面51の上下方向における位置を揃えることができる。
・上記各実施形態において、第2連通部106を第1連通部105と同様に交差リブ部101〜103を接着面101a〜103aを凹み形成することによって設けてもよい。また、第1連通部105は、第2連通部106と同様に、インク室50において左右方向に亘って設けてもよい。
・上記各実施形態において、縦リブ部111〜118は、仕切り壁48bから突出していてもよい。また、交差リブ部101〜103は、インク室50の上面50eから突出していてもよい。なお、この場合には、縦リブ部111〜118及び交差リブ部101〜103に仕切られた領域同士で空気が行き来可能な連通部を形成するのが好ましい。
・上記各実施形態において、交差リブ部101〜103を設けない構成としてもよい。
・上記各実施形態において、2つの縦リブ部を前後方向Yに距離をおいて設けると共に、上下方向Zおいて互いに位置が異なるように設けてもよい。すなわち、例えば上下方向のサイズが同じ縦リブ部を、基底面50aからの離間距離が異なるように設けてもよい。
・上記第3実施形態において、横リブ部131〜136は、一列設けてもよい。また、同列の横リブ部131〜136は、前後方向に連続した1つの横リブ部としてもよい。また、縦リブ部111〜118もいずれか1つ設ける構成としてもよい。
・上記各実施形態において、縦リブ部111〜118もしくは横リブ部131〜136は、収容体ケース48,125の右側面50fに対して接着もしくは係合などによって固着してもよい。また、フィルム49に縦リブ部111〜118もしくは横リブ部131〜136を設けてもよい。
・上記各実施形態において、第1開口211及び第2開口212は、隣り合う2つの空気小室(例えば第1空気小室200aと第2空気小室200b)の各々の内奥側の面部位における仕切り壁48bから最も遠く離れた天井面の付近にそれぞれ形成してもよい。すなわち、図56に示す第9変形例のように、2つの空気小室(例えば第1空気小室200aと第2空気小室200b)間の区画壁(例えば第1区画壁201)の壁面付近となる隅角の各位置に当該区画壁201を基準にして線対称となる各位置にそれぞれ形成してもよい。
また、この場合において、収容体ケース48の側壁48cの外側面に形成される長溝部は、図57に示すような、直線状の長溝部230a〜230cに形成してもよい。このような構成とした場合でも、インクタンク43が倒置された場合には、図58に示すように、空気室200側では、連通口210を介して直接的にインク室50と連通している第1空気小室200aが流入したインクで満たされる。そして更に、長溝部230aと対応した直線状の連通路221を介して第1空気小室200aと連通する第2空気小室200b内にも第1空気小室200a側から少しずつインクが流入する。
しかし、この場合も、倒置された状態では直線状の連通路221の部分が最も下方に位置するため、この連通路221の部分までインクで満たされると、その連通路221内では気液交換が不可能となる。その結果、インク室50に負圧が発生するようになり、その負圧と水頭圧とが釣り合って、空気室200側へのインクの流入が止まるようになる。
また、その状態で前後方向Yへの加速度がかかる振動が加えられた場合でも、図59及び図60に示すように、連通路221で繋がった第1空気小室200a及び第2空気小室200bに流入しているインクは加速度がかかる向きに行き来するだけで、更に大気開放口60側となる第3空気小室200c内へ流出することはない。
・上記各実施形態において、第1開口211及び第2開口212は、仕切り壁48bからの距離が等しくなくてもよい。例えば、図61に示す第10変形例のように、第1開口211が仕切り壁48bから最も遠く離れた天井面付近に形成される一方、第2開口212が仕切り壁48bの近くに形成される構成としてもよい。なお、この場合は、図62に示すように、収容体ケース48の側壁48cの外側面に形成される長溝部は、傾斜する直線状の長溝部230a〜230cに形成するとよい。
この場合も、倒置された状態では直線状の長溝部230aと対応する連通路221において第1開口211の部分が最も下方に位置することになるため、この連通路221の第1開口211の部分までインクで満たされると、その連通路221内では気液交換が不可能となる。したがって、インク室50に負圧が発生するようになり、その負圧と水頭圧とが釣り合って、空気室200側へのインクの流入が止まるようになる。
・上記各実施形態において、第1空気小室200aと第2空気小室200b、第3空気小室200cと第4空気小室200d、第5空気小室200eと第6空気小室200fを各々連通する連通路221,223,225が、それらの各空気小室同士を区画している区画壁201,203,205に貫通形成される構成であってもよい。例えば、図63に示すように、第1,第3,第5の各区画壁201,203,205を境にして隣り合う両空気第11変形例の小室の内奥の側面に第1開口211と第2開口212を形成することなく、図64(a)(b)に示すように、前後方向Yで隣り合う両区画壁に仕切り壁48bからの距離が互いに異なる連通路を貫通形成してもよい。
因みに、図64(a)は第1空気小室200a側から偶数番目(2番目)の第2区画壁202における仕切り壁48b寄りで収容体開口部48a側となる隅角部に連通路222が前後方向Yに貫通形成された状態を図示している。また、図64(b)は第1空気小室200a側から奇数番目(5番目)の第5区画壁205における仕切り壁48bから最も離れた天井面寄りで第5空気小室200eの内奥の側面側となる隅角部に連通路225が前後方向Yに貫通形成された状態を図示している。
換言すると、第1連通路の一例である連通路221,223,225は、矩形状をなす奇数番目の区画壁の壁面における1つの角部に貫通形成される。その一方、第2連通路の一例である連通路222,224,226は、奇数番目の区画壁の壁面を前後方向Yで対向する同じく矩形状をなす偶数番目の区画壁の壁面に投影した場合に、その壁面において投影された一つの角部と対角に位置する他の1つの角部に形成されることになる。
このように構成した場合は、奇数番目の区画壁に貫通形成された連通路221,223,225を第1連通路とし、偶数番目の区画壁に貫通形成された連通路222,224,226を第2連通路としたとき、インクタンク43が倒置された状態のときには、第1連通路及び第2連通路のうち何れか一方の連通路の部分が気液界面から遠ざかることになる。したがって、この場合もインク室50に負圧を発生させることができ、インク室50からのインクの流出を抑制できる。なお、第1連通路と第2連通路は、前後方向Yに連続する各区画壁201〜209に対して第1連通路と第2連通路を交互に形成する場合に限らず、例えば前後方向Yに連続する少なくとも2つの区画壁に第1連通路を形成し、それに続けて前後方向に連続する他の少なくとも1つの区画壁に第2連通路を形成するようにしてもよい。
また、この場合は、第1開口211と第2開口212との間を繋ぐ長溝部213a〜213c等を形成する必要がなく、また、そのような長溝部213a〜213c等の開口を閉塞するようにフィルム214を接着する必要もないので、簡単に連通路の構成を得ることができる。しかも、矩形状の区画壁における対角位置の隅角部に連通路を貫通形成するだけでよいため、倒置された場合のインクの漏出を抑制できる構成を簡単に実現することができる。
さらに、この場合は、第1連通路(例えば連通路225)と第2連通路(例えば連通路222)が第1区画壁と仕切り壁48bとに平行な方向(一例として上下方向Z及び左右方向X)において互いに異なる位置に配置されている。したがって、上下逆さまに倒置された場合だけでなく、例えば横倒し状態とされた場合にも、第1連通路及び第2連通路のうち気液界面から遠ざかった側の連通路の部分で気液交換を不可能とすることができ、インク室50に負圧を発生させることでインク室50からのインクの漏出を抑制することができる。
・図63及び図64に示す第11変形例において、第1連通路と第2連通路は矩形の区画壁の対角線位置に限らず、上下方向Z及び左右方向Xで互いに異なる位置に各々形成されていればよい。また、倒置された場合に第1連通路と第2連通路の何れか一方が気液界面から遠ざかった位置となればよいので、その意味では、第1連通路と第2連通路は上下方向Zで互いに異なる位置に各々形成されていればよく、その場合において何れの連通路が上側にあってもよい。
・図61及び図62に示す第10変形例において、第1開口211と第2開口212は、使用時の姿勢状態で第2開口212の方が第1開口211よりも上側に位置する構成であってもよい。
・上記各実施形態及び変形例において、蛇行状の長溝部213a〜213c及び蛇行状の細溝219は、円弧状やV字状などの曲線形状に溝を形成してもよく、また、直線状の細溝215及び直線状の長溝部230a〜230cは、蛇行形状や湾曲形状など非直線状に溝を形成してもよい。さらに、これらの溝を覆うように接着される被覆部材はフィルム以外に例えば薄い樹脂製シートやプレートなどでもよい。
・上記各実施形態及び変形例において、区画壁201〜209に貫通形成される連通路は、当該区画壁の隅角部に矩形状に切り欠くように形成する以外に、区画壁の隅角部以外の面部位を厚さ方向に貫通する貫通孔であってもよい。
・上記各実施形態及び変形例において、長溝部213a〜213cに対応した連通路221,223,225における仕切り壁48bから離間した流路部分221a,223a,225aは、非直線状をなしていてもよい。また、連通路221,223,225において仕切り壁48bからの距離が仕切り壁48bから第1開口211への距離よりも大きい部分は、水平方向に延びる流路部分221a,223a,225aであることは必要でなく、その連通路221,223,225の少なくとも一部であればよい。
・上記各実施形態において、チョークバルブ45は、インクタンク43の内部に搭載してもよいし、インクタンク43の外面に取り付けてもよい。
・上記各実施形態において、2以上のインクタンク43が横並びの配置態様で連結されて構成された集合体がタンクケース42に収容される構成としてもよい。この場合、チョークバルブ45は、各インクタンク43の底面43cが構成する集合体の底面、及び各インクタンク43の天面43dが構成する集合体の天面を除く、集合体における他の側面とタンクケース42との間に配設されることが望ましい。
・上記各実施形態において、スライダー310が閉弁位置に位置するときに、カム345の外周面においてスライダー310の凸条317が当接する面部位が湾曲面状をなしてもよい。
・上記各実施形態において、チョークバルブ45が閉弁状態から開弁状態に切り替わる際に、凸部350においてスライダー310の凸条317が摺接する湾曲面351が凸状をなすように湾曲してもよい。また、チョークバルブ45が開弁状態から閉弁状態に切り替わる際に、凸部350においてスライダー310の凸条317が摺接する湾曲面352が凹状をなすように湾曲してもよい。
この構成では、スライダー310の凸条317がカム345の凸部350を乗り超える際にスライダー310からカム345の外周面に作用する回動抵抗は、チョークバルブ45を開弁状態から閉弁状態に切り替える場合の方が、チョークバルブ45を閉弁状態から開弁状態に切り替える場合よりも大きくなる。そのため、カム345を手動操作に従って回動させることに伴って、スライダー310を開弁位置から変位させるときにスライダー310に対して凸部350の湾曲面355を乗り越えさせるためにカム345に作用させる回動トルクの大きさが相対的に大きくなる。したがって、カム345の凸部350がスライダー310の凸条317によって安定して係止されるため、チョークバルブ45を開弁状態にて信頼性良く維持することができる。
・上記各実施形態において、カム345の凸部350は、チョークバルブ45が開弁状態と閉弁状態との間で切り替わる際にスライダー310が摺接する面は、必ずしも湾曲面状をなす必要はなく、例えば、屈曲面状や平坦面状をなしてもよい。
・上記各実施形態において、カム345の凸部350は、チョークバルブ45が閉弁状態から開弁状態に切り替わる際にスライダー310の凸条317が摺接する面と、チョークバルブ45が開弁状態から閉弁状態に切り替わる際にスライダー310の凸条317が摺接する面とが同一の形状であってもよい。
・上記各実施形態において、カム345の外周面のうち、スライダー310が閉弁位置に位置するときにスライダー310が当接する面部位となる、回動軸331から最も離れた面部位の近傍に凸部350を形成してもよい。
この構成では、スライダー310を閉弁位置に変位させる際に、スライダー310がカム345の凸部350を乗り越える必要があるため、カム345に作用させる回動トルクが増大する。そのため、カム345が手動操作に従い回動することに伴ってスライダー310が閉弁位置に変位する際に、カム345の回動操作時における抵抗感が変化する。したがって、インクの流通状態を切替えるために変位させられるスライダー310が手動操作に従って閉弁位置に変位したことを容易に認識できる。
・上記各実施形態のインクタンク43において、図65の第12変形例に示すように、長手方向(前後方向Y)における第1端側(図65では右端側)に設けられた基底面50aに集液用凹部50d(図5参照)を設けず、導出口59を基底面50aの前後方向Yにおける第2端側(図65では左端側となる段差側面50c側)に設けてもよい。なお、図65及び図66においては、フィルム49(図4参照)の図示を省略している。
この場合には、インクタンク43の基底面50a側が段差底面50b側よりも高くなるようにインク室50が傾斜状態となった場合には、段差底面50b側へのインクの流動が段差側面50cによって抑制される。そして、導出口59は基底面50aの長手方向(前後方向Y)における段差側面50c側(図65では左端側)に設けられているので、段差側面50cによって基底面50a側に堰き止められたインクを導出口59から流出させることができる。
一方、図66に示すように、インクタンク43の段差底面50b側が基底面50a側よりも高くなるようにインクタンク43が傾斜状態となった場合には、段差底面50b側から基底面50a側にインクが流動する。そのため、インク室50に収容されたインクを、導出口59を通じて流出させることができる。
・上記各実施形態のインクタンク43において、インク室50の底部に複数(少なくとも2つ以上)の段差底面50bが前後方向Yに沿って階段状に設けられるようにしてもよい。この構成によれば、2つ以上の段差底面50bが前後方向Yに沿って階段状に設けられるので、その段差が形成された容積の分、傾斜によって段差側面50cよりも段差底面50b側に溜まるインクの量を少なくすることができる。したがって、インク室50が傾斜状態となった場合に導出口59から流出せずに残るインクの量を少なくすることができる。
・上記各実施形態において、インクタンク43に設けられた段差底面50bは、基底面50a側が低くなるように傾斜していてもよい。この構成によれば、段差底面50b側にあるインクを傾斜に沿って基底面50a側に流動させることができるので、インクタンク43が傾斜状態となった場合にも、インク室50の底部に残るインクの量を少なくすることができる。
・上記各実施形態のインクタンク43において、段差側面50cの上端側が段差底面50bの長手方向における長さを短くする方向に向けて傾斜していてもよい。
・上記各実施形態のインクタンク43において、基底面50aが長手方向(前後方向Y)において導出口59側が低くなるように傾斜していてもよい。
・上記各実施形態のインクタンク43において、基底面50aが傾斜していなくてもよい。
・上記各実施形態のインクタンク43において、長手方向(前後方向Y)における基底面50aと段差底面50bの長さを等しくしてもよいし、基底面50aの前後方向Yにおける長さが段差底面50bよりも長くなるようにしてもよい。
・上記各実施形態のインクタンク43において、インク室50の長手方向(前後方向Y)の中央付近に基底面50aを設け、その両端側に段差底面50bを設けてもよい。この場合には、インクタンク43の傾斜時に、長手方向におけるどちらの端部側が高くなってもインクを基底面50aに流動させることができるので、基底面50a付近に設けた導出口59から流出せずに残るインクの量をさらに少なくすることができる。
・上記各実施形態のインクタンク43において、導出口59が下方に向けて開口するようにしてもよい。
・上記各実施形態のインクタンク43において、基底面50aの長手方向(前後方向Y)における中央付近に導出口59を設けてもよい。
・上記各実施形態のインクタンク43における段差底面50bを第1段差底面50b、段差側面50cを第1段差側面50cとすると、図65及び図66に示す第12変形例のように、基底面50aと短手方向(図65及び図66では紙面と直交する方向となる左右方向X)に並ぶ第2段差底面50h及び第2段差側面50iをインク室50に設けてもよい。なお、第2段差底面50hは基底面50aよりも高く、かつ、第1段差底面50bよりも低くなるように段差を有してインク室50に設けられている。また、第2段差側面50iは、上端側が第2段差底面50hと交差する一方で下端側が基底面50aと交差している。そして、この場合には、インク室50の底部において、導出口59を短手方向における基底面50a側に設けるのが好ましい。さらに、第2段差底面50hは基底面50a側が低くなるように傾斜させてもよい。
この構成によれば、短手方向において基底面50a側が第2段差底面50h側よりも高くなるようにインク室50が傾斜状態となった場合には、第2段差底面50h側へのインクの流動が第2段差側面50iによって抑制される。そして、導出口59は底部の短手方向における基底面50a側に設けられているので、第2段差側面50iによって基底面50a側に堰き止められたインクを導出口59から流出させることができる。したがって、インク室50が短手方向において傾斜状態となった場合にも、インク室50の底部に残るインクの量を少なくすることができる。
・上記各実施形態のインクタンク43において、基底面50a及び段差側面50cに撥液処理を施してもよい。この場合には、基底面50aや段差側面50cに溜まったインクを速やかに集液用凹部50d内に流動させて、導出口59から流出させることができる。
・上記各実施形態において、インクタンク43を装置本体13内に設けてもよい。
・上記各実施形態において、タンクケース42を設けない構成としてもよい。すなわち、例えば装置本体13におけるねじボス部37をインクタンク43のタンク係止部62に対応する位置に形成し、インクタンク43を装置本体13に直接固定してもよい。
・上記各実施形態において、液体消費装置は、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したり塗布したりして消費する液体消費装置であってもよい。なお、液体消費装置から微小量の液滴となって吐出される液体の状態としては、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体は、液体消費装置で消費させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状体を含むものとする。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体の代表的な例としては上記各実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体消費装置の具体例としては、例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造等に用いられる電極材や色材等の材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置がある。また、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置であってもよい。また、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置であってもよい。
そして、液体収容体、液体収容体ユニット、液体供給システムは、これらの液体消費装置に供給する液体を収容する液体収容体、液体収容体ユニット、液体供給システムであってもよい。
12…液体消費装置の一例としての記録装置、27…液体収容体ユニットの一例としてのタンクユニット、31…チューブ、32…液体消費部の一例としての液体噴射ヘッド、42…保護部材の一例としてのタンクケース、43…液体収容体の一例としてのインクタンク、45…バルブユニットの一例としてのチョークバルブ、310…変位部材の一例としてのスライダー、331…回動軸、345…カム、348…平坦面、350…凸部、351…第1面の一例としての湾曲面、352…第2面の一例としての湾曲面、355…湾曲面。

Claims (8)

  1. 液体収容体に収容された液体を該液体が消費される液体消費部に向けて供給する可撓性のチューブと、
    前記液体収容体と前記液体消費部との間の前記チューブを通じた前記液体の流通状態を手動操作により切り替えるバルブユニットと
    を備え、
    前記バルブユニットは、
    回動軸を中心として回動可能なカムと、
    前記カムに対してカム係合した状態で前記カムが手動操作に従い回動することに伴って、前記液体収容体と前記液体消費部との間の前記チューブを通じた前記液体の流通を許容する開弁位置と、前記チューブの外面を押圧して前記チューブを押し潰すことにより前記液体収容体と前記液体消費部との間の前記チューブを通じた前記液体の流通を規制する閉弁位置との間で変位可能に構成された変位部材と
    を有し、
    前記カムは、当該カムが手動操作に従い回動することに伴って前記変位部材が操作前の位置から前記開弁位置及び前記閉弁位置の一方側に変位するときに当該変位部材が摺接する部位に凸部を有することを特徴とする液体収容体ユニット。
  2. 前記凸部は、
    前記変位部材を前記開弁位置及び前記閉弁位置の一方の位置から他方の位置に向けて変位させるときに当該変位部材を摺接させる第1面と、
    前記変位部材を前記開弁位置及び前記閉弁位置の他方の位置から一方の位置に向けて変位させるときに当該変位部材を摺接させる第2面とを有し、
    前記第1面と前記第2面とは互いに異なる面形状をしていることを特徴とする請求項1に記載の液体収容体ユニット。
  3. 前記第1面は、前記変位部材を前記閉弁位置から前記開弁位置に向けて変位させるときに当該変位部材を摺接させる面であると共に、
    前記第2面は、前記変位部材を前記開弁位置から前記閉弁位置に向けて変位させるときに当該変位部材を摺接させる面であり、
    前記カムは、前記変位部材に対して前記凸部の前記第1面を乗り越えさせるときに作用する回動抵抗の方が、前記変位部材に対して前記凸部の前記第2面を乗り越えさせるときに作用する回動抵抗よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の液体収容体ユニット。
  4. 前記凸部は、前記カムが手動操作に従い回動することに伴って前記変位部材が操作前の位置から前記開弁位置に変位するときに当該変位部材が摺接する部位に形成されており、
    前記変位部材が前記開弁位置と前記閉弁位置との中間位置に位置するときに前記変位部材に当接する面部位が湾曲面であると共に、
    前記変位部材が前記閉弁位置に位置するときに前記変位部材に当接する面部位が前記湾曲面に連なる平坦面であることを特徴とする請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の液体収容体ユニット。
  5. 前記液体収容体を外側から覆って保護する保護部材を更に備え、
    前記バルブユニットは、前記保護部材の内面に取り付けられることを特徴とする請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の液体収容体ユニット。
  6. 前記バルブユニットは、前記液体収容体または2以上の前記液体収容体を連結して構成した集合体の底面及び該底面と対向する面を除く他の側面と前記保護部材との間に配設されることを特徴とする請求項5に記載の液体収容体ユニット。
  7. 前記バルブユニットは、前記側面のうち最も幅の狭い側面と前記保護部材との間に配設されることを特徴とする請求項5に記載の液体収容体ユニット。
  8. 液体を消費する液体消費部と、
    請求項1〜請求項7のうち何れか一項に記載の液体収容体ユニットと
    を備えることを特徴とする液体消費装置。
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