JP2014057260A - 電力線通信装置およびそれを備える溶接装置 - Google Patents

電力線通信装置およびそれを備える溶接装置 Download PDF

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Abstract

【課題】パワーケーブルの信号通過特性が種々に異なる場合でも良好に情報を伝達することが可能な電力線通信装置およびそれを備える溶接装置を提供する。
【解決手段】溶接電源10およびワイヤ送給装置100の各々は、送信対象のデータに基づいてパワーケーブル160に重畳する複数の送信信号を生成する電力線搬送通信部18(108)と、結合回路16(160)とを含む。結合回路16(160)は、互いに異なる周波数特性を有する複数の結合部を有する。複数の結合部は、電力線搬送通信部18(108)からそれぞれ複数の送信信号を受ける。電力線搬送通信部18(108)は、互いに異なる周波数の搬送波による変調処理によって複数の送信信号を生成する。
【選択図】図1

Description

この発明は、電力線通信装置およびそれを備える溶接装置に関し、特に、移動可能なパワーケーブルを含む電力線通信装置およびそれを備える溶接装置に関する。
図7は、従来の溶接装置の概略ブロック図である。図7を参照して、溶接装置500は、溶接電源510と、ワイヤ送給装置600と、リモートコントローラ620と、溶接トーチ640とを含む。
溶接電源510は、外部電源からコネクタ520を介して電力の供給を受ける。溶接電源510とワイヤ送給装置600とは、パワーケーブル540および制御ケーブル548によって接続される。溶接対象である母材650と溶接電源510とは、溶接接地ケーブル542によって接続されている。
炭酸ガスなどのシールドガスが、ガスボンベ530からガスホース544を介してワイヤ送給装置600に送られる。ワイヤ送給装置600は、溶接ワイヤをワイヤリール610から溶接トーチ640に送給する。
ワイヤ送給装置600と溶接トーチ640とを接続しているケーブルは、ケーブル内部に溶接ワイヤとシールドガスを送給するとともに、パワーケーブル540によって溶接電源510から供給された電圧、および電流を溶接トーチ640に送っている。
リモートコントローラ620は、溶接電源510と制御ケーブル546によって接続されている。リモートコントローラ620は、溶接電源510に溶接電圧Vや溶接電流I等の溶接パラメータを制御ケーブル546によって送信する。溶接電源510は、設定された溶接電圧Vや溶接電流Iが溶接トーチ640において実現されるように電圧、電流をパワーケーブル540に出力する。
特開2008−172452号公報 特開2008−227837号公報
船舶などの大型構造物を溶接する場合には、溶接電源510を移動させずにワイヤ送給装置600および溶接トーチ640を作業者が移動させつつ作業を行なうほうが便利である。しかし、そのような作業を可能にするためには、パワーケーブル540,542、制御ケーブル546,548およびガスホース544の長さを長くしなければならない。その長さは場合によっては100mに及ぶこともある。
そのような長いケーブルを多数引き回すのは、作業者にとって負担となる。パワーケーブルよりも細い制御用の通信ケーブルであっても、長さが長くなると重量も重くなり、運搬するのも大変である。したがって、通信ケーブルだけでも不要となれば作業者に便利である。
一般に、溶接電源とワイヤ送給装置とは、通常、パワーケーブルと通信ケーブルによって接続されている。通信ケーブルを無くすことができれば溶接装置の設置作業が軽減される。特に、このような長い距離を接続するための通信ケーブルの重量は重いので、作業者の負担が大きいという問題があった。
通信ケーブルを無くすためには、特開2008−172452号公報(特許文献1)や特開2008−227837号公報(特許文献2)で示すように、パワーケーブルを用いて電力線通信を行なうことが考えられる。
しかし、家庭用の屋内電力配線を使用する場合と異なり、溶接装置はパワーケーブルの長さや引き回しがしばしば変化する。溶接電源と溶接トーチとの間の距離に応じて長いパワーケーブルを短いパワーケーブルに交換する場合もある。また、パワーケーブルの長さが同じであっても、パワーケーブルの引き回しが変わると、パワーケーブルを通過する信号の強度もさまざまに変化する。
図8は、パワーケーブルの引き回しの状態の変化を説明するための図である。図9は、引き回しの状態の変化によって、通過信号の周波数と強度がどのように変化するかを説明するための図である。
図8、図9を参照して、パワーケーブルLAのように直線に引き伸ばされた場合、図9に示すように低周波数域では通過特性が悪く、高周波数域では通過特性が良好となる。
パワーケーブルLBのように途中にループが形成されるような引き回し状態では、図9に示すように、高周波数域の一部に通過特性が悪化する部分が生じる。
また、パワーケーブルLCのように長さが長く、途中にコイル状に幾重にもループが形成されるような引き回し状態では、図9に示すように、高周波数域の通過特性が悪化する代わりに、低周波数域の一部に通過特性が良好な部分が生じたりすることがある。
なお、図9に示した特性は、引き回しによって種々に通過特性が変化しうることを説明するための一例であり、他の通過特性の変化が生じる場合もありうる。
特開2008−172452号公報(特許文献1)や特開2008−227837号公報(特許文献2)で示すような、単一の結合回路を使用する例では、周波数特性が固定化されており、パワーケーブルに重畳できる周波数範囲が狭い。
この発明の目的は、パワーケーブルの信号通過特性が種々に異なる場合でも良好に情報を伝達することが可能な電力線通信装置およびそれを備える溶接装置を提供することである。
この発明は、要約すると、電力線通信装置であって、送信対象のデータに基づいて電力線に重畳する複数の送信信号を生成する電力線搬送通信部と、電力線に電力線搬送通信部からの複数の送信信号を重畳させる結合回路とを備える。結合回路は、互いに異なる周波数特性を有する複数の結合部を含む。複数の結合部は、電力線搬送通信部からそれぞれ複数の送信信号を受ける。電力線搬送通信部は、互いに異なる周波数の搬送波による変調処理によって複数の送信信号を生成する。
好ましくは、電力線搬送通信部は、送信対象のデータから複数の送信信号を生成し、複数の送信信号をそれぞれ複数の結合部を用いて電力線に重畳させる送信部と、電力線に重畳された複数の受信信号を複数の結合部を介してそれぞれ受信する受信部とを含む。
より好ましくは、送信部は、送信対象のデータの先頭にデータの先頭を検出するためのフラグを付与する。受信部は、フラグを検出し、受信した複数の受信信号のデータの先頭を決定する。
この発明は、他の局面では、溶接装置であって、溶接電源と、ワイヤ送給装置と、溶接電源とワイヤ送給装置との間に溶接用の電力を送る電力線とを備える。溶接電源およびワイヤ送給装置の各々は、送信対象のデータに基づいて電力線に重畳する複数の送信信号を生成する電力線搬送通信部と、電力線に電力線搬送通信部からの複数の送信信号を重畳させる結合回路とを含む。結合回路は、互いに異なる周波数特性を有する複数の結合部を有する。複数の結合部は、電力線搬送通信部からそれぞれ複数の送信信号を受ける。電力線搬送通信部は、互いに異なる周波数の搬送波による変調処理によって複数の送信信号を生成する。
好ましくは、電力線搬送通信部は、送信対象のデータから複数の送信信号を生成し、複数の送信信号をそれぞれ複数の結合部を用いて電力線に重畳させる送信部と、電力線に重畳された複数の受信信号を複数の結合部を介してそれぞれ受信する受信部とを有する。
より好ましくは、送信部は、送信対象のデータの先頭にデータの先頭を検出するためのフラグを付与する。受信部は、フラグを検出し、受信した複数の受信信号のデータの先頭を決定する。
本発明によれば、パワーケーブルの信号通過特性が種々に異なる場合でも良好に情報を伝達可能な電力線通信装置や溶接装置を実現することができる。
本発明の実施の形態の一例である溶接装置1の構成の詳細を示すブロック図である。 図1の結合回路16および106の構成例を示す回路図である。 図2における入出力回路201の構成を示したブロック図である。 結合部171と結合部181とのパワーケーブルへの信号伝達特性の違いについて説明するための図である。 溶接電源およびワイヤ送給装置に設けられる電力線搬送通信部の構成を示したブロック図である。 フラグ付与部361で付与されたフラグと同期処理について説明するための図である。 従来の溶接装置の概略ブロック図である。 パワーケーブルの引き回しの状態の変化を説明するための図である。 引き回しの状態の変化によって、通過信号の周波数と強度がどのように変化するかを説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、本発明の実施の形態の一例である溶接装置1の構成の詳細を示すブロック図である。図1を参照して、溶接装置1は、溶接電源10と、ワイヤ送給装置100と、リモートコントローラ120と、溶接トーチ140とを含む。
溶接電源10は、電源部12と、制御部14と、電力線搬送通信部18と、結合回路16とを含む。なお、本明細書では、電力線搬送通信部をPLC(Power Line Communication)通信部とも呼び、図示する。電源部12は、外部電源20から電力の供給を受ける。制御部14は、電源部12と、電力線搬送通信部18とを制御する。
電源部12とワイヤ送給装置100とは、パワーケーブル160によって接続される。溶接対象である母材150と電源部12とは、溶接接地ケーブル162によって接続されている。炭酸ガスなどのシールドガスが、ガスボンベ30からガスホース164を介してワイヤ送給装置100に送られる。
電力線搬送通信部18は、制御部14から与えられた送信データを示す通信信号をパワーケーブル160の溶接電圧または溶接電流に重畳してワイヤ送給装置100に送信する。また、電力線搬送通信部18は、パワーケーブル160に重畳された通信信号を分離して受信データを制御部14に伝達する。電力線搬送通信部18とパワーケーブル160とを結合するために結合回路16が設けられている。
なお、ワイヤ送給装置100と溶接電源10との間の通信は、電力線搬送通信に加えて専用通信線による有線通信や、無線通信を行なうようにしてもよい。
ワイヤ送給装置100は、送給機構102と、制御部104と、電力線搬送通信部108と、表示器110とを含む。送給機構102は、溶接ワイヤ166をワイヤリール111から溶接トーチ140に送給する。
ワイヤ送給装置100と溶接トーチ140とを接続しているケーブルは、ケーブル内部に溶接ワイヤとシールドガスを送給する通路が設けられるとともに、パワーケーブル160によって溶接電源10から供給された電圧、および電流を溶接トーチ140に送っている。また、溶接トーチには、図示しないスイッチが設けられており、スイッチのオン・オフ信号を伝達する信号線もケーブルに含まれている。
トーチのスイッチがオン状態に操作され、溶接トーチ140の先端から突出した溶接ワイヤが母材に接触すると、電流が流れてアークが発生する。溶接ワイヤは送給機構102によって、溶接速度に対応する速度で送給される。アーク周辺にはシールドガスが供給され溶接部の酸化を防いでいる。トーチのスイッチがオフ状態に操作されると、溶接ワイヤの送給は停止され、溶接電源10からの電流や電圧も停止される。
リモートコントローラ120は、操作部122と、マイク124と、スピーカ126と、表示器128と、制御部130と、バッテリ132とを含む。
溶接トーチ140を使用して作業する作業者は、リモートコントローラ120を所持している。リモートコントローラ120は、信号線によってワイヤ送給装置100に接続されている。この信号線は、制御部130と制御部104との間で通信を行なうための信号線である。
リモートコントローラ120は、操作部122に作業者が入力した溶接電圧や溶接電流等の溶接パラメータを制御部130からワイヤ送給装置100の制御部104に送信する。制御部104は、電力線搬送通信部108に作業者が設定した溶接パラメータを示す通信信号をパワーケーブル160に重畳して溶接電源10に向けて送信させる。電力線搬送通信部108とパワーケーブル160とを結合するために結合回路106が設けられている。
溶接電源10は、設定された溶接電圧や溶接電流が溶接トーチ140において実現されるように、電圧、電流をパワーケーブル160に出力する。
また、音声などのデータは、音声認識され制御信号としてリモートコントローラ120からワイヤ送給装置100を中継して溶接電源10に送られるようにしても良い。
図2は、図1の結合回路16および106の構成例を示す回路図である。図2を参照して、結合回路16は、複数の結合部171〜174,181〜184を含む。
結合部171は、パワーケーブル160に巻回されたコイルL1と、コイルL1に接続された入出力回路201とを含む。結合部172は、パワーケーブル160に巻回されたコイルL2と、コイルL2に接続された入出力回路202とを含む。結合部173は、パワーケーブル160に巻回されたコイルL3と、コイルL3に接続された入出力回路203とを含む。結合部174は、パワーケーブル160に巻回されたコイルL4と、コイルL4に接続された入出力回路204とを含む。
コイルL1,L2,L3,L4の巻回数をそれぞれN(L1),N(L2),N(L3),N(L4)とする。これらには、N(L1)<N(L2)<N(L3)<N(L4)の関係がある。したがって、結合部171〜174からパワーケーブル160に伝達される信号はいずれの強度が高いかは信号周波数によって異なる。
結合部181は、パワーケーブル160に一方端が接続されたコンデンサC1と、コンデンサC1の他方端と溶接接地ケーブル162との間に接続されたコンデンサC11と、コンデンサC11の両端に接続された入出力回路211とを含む。結合部182は、パワーケーブル160に一方端が接続されたコンデンサC2と、コンデンサC2の他方端と溶接接地ケーブル162との間に接続されたコンデンサC12と、コンデンサC12の両端に接続された入出力回路212とを含む。結合部183は、パワーケーブル160に一方端が接続されたコンデンサC3と、コンデンサC3の他方端と溶接接地ケーブル162との間に接続されたコンデンサC13と、コンデンサC13の両端に接続された入出力回路213とを含む。結合部184は、パワーケーブル160に一方端が接続されたコンデンサC4と、コンデンサC4の他方端と溶接接地ケーブル162との間に接続されたコンデンサC14と、コンデンサC14の両端に接続された入出力回路214とを含む。
コンデンサC1,C2,C3,C4の容量をそれぞれC(C1),C(C2),C(C3),C(C4)とする。これらには、C(C1)<C(C2)<C(C3)<C(C4)の関係がある。したがって、結合回路181〜184からパワーケーブル160に伝達される信号はいずれが強度が高いかは信号周波数によって異なる。
なお、コンデンサC1〜C4,C11〜C14としては、たとえばセラミックコンデンサを使用することができる。特に、溶接装置のパワーケーブルは電圧は比較的低く電流が大きいので、耐熱性が良好であり耐圧が低いセラミックコンデンサでも良好に使用することができる。
図2に示した構成は、コイルを使用する磁界による重畳とコンデンサを使用する電界による重畳の2方式を用意することにより、パワーケーブル160の素材の変更等にも対応できるようにしている。
なお、図2で示した例ではコイルを含む結合部とコンデンサを含む結合部を使用した結合回路の例を示したが、溶接機によっては、複数のコイルのみ、または複数のコンデンサのみによる結合回路の構成を使用しても良い。この場合でも複数の結合部は、数KHz帯、数10KHz帯、数MHz帯、数10MHz帯など複数の周波数帯に対応して複数設けられていることが好ましい。
図3は、図2における入出力回路201の構成を示したブロック図である。図3を参照して、入出力回路201は、コイルL1の両端に接続される抵抗221と、抵抗221に接続されるインピーダンスマッチング回路222と、インピーダンスマッチング回路222と電力線搬送通信部18または108との間に接続されるバンドパスフィルタ223とを含む。
なお、図2の他の入出力回路202〜204,211〜214も、図3に示した入出力回路201と同様な構成とすることができる。
図4は、結合部171と結合部181とのパワーケーブル160への信号伝達特性の違いについて説明するための図である。
図2、図4を参照して、コイルL1でパワーケーブル160に結合する場合には、磁界によってパワーケーブル160に通信信号が重畳される。このような場合、グラフLに示すように低周波数域の信号は伝達しにくいが高周波数域では伝達特性が良くなる。
コンデンサC1でパワーケーブル160に結合する場合には、電界によってパワーケーブル160に通信信号が重畳される。このような場合、グラフCに示すように高周波数域の信号は伝達しにくいが低周波数域では伝達特性が良くなる。
さらに、図2に示した例では、コイルやコンデンサを通信信号の搬送波の周波数に対応させてそれぞれ複数種類用意している。
したがって、送信側である電力線搬送通信部18または108から同じ制御指令または制御パラメータを、各結合部171〜174,181〜184がそれぞれ伝達特性が良好である複数の異なる周波数帯域でパワーケーブル160に入力する。そして受信側である電力線搬送通信部18または108において同じ制御指令または制御パラメータを、各結合部171〜174,181〜184がそれぞれ伝達特性が良好である複数の異なる周波数帯域でパワーケーブル160から受信する。
パワーケーブル160の長さや引き回しによって、通過しやすい周波数帯域が異なるので、複数の周波数帯域の信号のうち良好に伝達された信号を使用して制御指令または制御パラメータを送信側から受信側に伝達することができる。
図5は、溶接電源およびワイヤ送給装置に設けられる電力線搬送通信部の構成を示したブロック図である。図5を参照して、電力線搬送通信部18は、受信部300と送信部360とを含む。
送信部360は、フラグ付与部361と、符号化処理部362と、変調処理部371〜378と、D/A変換器381〜388とを含む。
フラグ付与部361は、図1の制御部14から受けた送信制御値(電圧、電流などの指令値や観測値、停止指令、作動指令など)に、図6で説明する同期合わせのためのフラグを付与する。符号化処理部362は、フラグが付与された送信制御値を一定の規則に従って符号に変換する。符号化処理はエンコードとも呼ばれる。
変調処理部371〜378は、デジタル信号上で位相偏移変調(PSK:Phase Shift Keying)などによって符号化処理部362で処理された信号を変調する。このとき変調処理部371〜378は、それぞれ異なる複数の周波数の搬送波で変調を行なう。これにより、パワーケーブル160の長さや引き回しが変化しても、通信信号を良好に伝達できる可能性が高まる。
D/A変換器381〜388は、変調処理部371〜378で変調された信号をそれぞれデジタル信号からアナログ信号に変換して、結合回路16中の結合部171〜174,181〜184に出力する。
受信部300は、A/D変換器301〜308と、復調処理部311〜318と、復号処理部321〜328と、同期処理部331〜338と、メモリ341〜348と、判定部350とを含む。
A/D変換器301〜308は、結合回路16中の結合部171〜174,181〜184のいずれか1つから受信信号を受けてデジタル信号に変換する。復調処理部311〜318は、デジタル信号に変換された受信信号を変調処理部371〜378に対応する復調処理によって復調する。復号処理部321〜328は、復調された信号に対して符号化処理部362が行なった符号化処理に対応する復号処理(デコード)を実行する。
同期処理部331〜338は、フラグ付与部361によって付加されたフラグを抽出し同期合わせを行なって、信号の本体部分をメモリ341〜348に記録する。なおメモリ341〜348は、別々の記憶素子でも良いが、容量の大きな記憶素子を領域を分割してメモリ341〜348として使用しても良い。
判定部350は、メモリ341〜348に記録された受信信号を用いてダイバーシチ合成処理を行ない受信制御値を制御部14に送信する。ダイバーシチ合成処理は、メモリ341〜348に記録された受信信号のうち最も良好に受信された信号を選択して使用する処理であっても良いし、複数の受信信号を使用して1つの受信制御値を生成する処理であっても良い。
なお、ワイヤ送給装置100の電力線搬送通信部108も同様な構成であるので説明は繰返さない。図2の結合部171〜174,181〜184の数とA/D変換器301〜308の数は同じ8個である。また、結合部171〜174,181〜184の数とD/A変換器381〜388の数も同じ8個である。結合部を増減させる時には、A/D変換器、D/A変換器の数も同様に増減させると良い。なお、図5に示した構成の信号処理に関する部分は、ハードウエアでもソフトウエアでも実現することができる。ソフトウエアで実現する場合には、コンピュータを送信部、受信部として交互に動作させるようにしても良い。
図6は、フラグ付与部361で付与されたフラグと同期処理について説明するための図である。図5、図6を参照して、フラグ付与部361は、一連の送信データの先頭にたとえば“01111110”等の決められたフラグを付与する。このフラグは、送信データの本体中では使用されないデータ列である。同期処理部331〜338は、フラグを検出するとその直後が送信側からの送信データの先頭であると認識する。そして同期処理部331〜338は、送信データをメモリ341〜348にそれぞれ記録する。使用する周波数帯によって信号の遅延量が異なる場合も考えられるので、対応するデータ同士を比較するために同期処理を行なうことが好ましい。
たとえば図6に示すようにA/D変換器301〜308のいずれか1つ(CH1)で受信され記録されたデータと他の1つ(CH2)で受信され記録されたデータが異なる場合が生じうる。このような場合に正しいデータを生成することが必要となる。
たとえば、単純な方法であれば、多数決で決定すればよい。図6にはCH1,CH2の2つしかデータを記載していないが、実際にはさらに多くの同じ内容の信号が別々の搬送周波数で伝達されてくる。したがって、多数決によって正しいデータを選択することができる。
他の方法としては、たとえば、データの単位ごとにパリティビットなどの誤り検出訂正符号(ECC:Error Correction Code)を付与しておき、誤りが無いデータを選択して使用することができる。
なお、以上の処理では、複数の信号から1つの信号を合成する処理として、1つのフラグに対して先頭データはCH1を使用し次のデータはCH2を使用するような場合も考えられる。
以上説明したように、本実施の形態では、溶接機電源とワイヤ送給装置との間でパワーケーブルとグランド間にトーチからのオン・オフ情報や電圧・電流調整情報や音声情報などを重畳するために複数の結合部を有する結合回路を使用する。複数の結合部は幅広い周波数帯域をカバーするため、複数の特性の異なる素子(コイル、コンデンサ)をそれぞれ含む。好ましくは磁界による結合と電界による結合を併用する。複数の結合部からの信号を用いてダイバーシチによって高利得を得ることができる。
本実施の形態の電力線通信装置を用いれば、パワーケーブルの素材を変更しても送受信品質の劣化を防ぐことができる。またパワーケーブルの長さ、配置によって送受信品質が劣化することも防ぐことができる。さらに結合回路部分のコイルやコンデンサの定数をケーブルを変更するごとに調整しなくても済む。
最後に、再び図を参照して本実施の形態について総括する。図1、図2を参照して、溶接装置1は、溶接電源10と、ワイヤ送給装置100と、溶接電源10とワイヤ送給装置100との間に溶接用の電力を送るパワーケーブル160とを備える。溶接電源10およびワイヤ送給装置100の各々は、送信対象のデータに基づいてパワーケーブル160に重畳する複数の送信信号を生成する電力線搬送通信部18(108)と、パワーケーブル160に電力線搬送通信部18(108)からの複数の送信信号を重畳させる結合回路16(160)とを含む。結合回路16(160)は、互いに異なる周波数特性を有する複数の結合部171〜174,181〜184を有する。複数の結合部171〜174,181〜184は、電力線搬送通信部18(108)からそれぞれ複数の送信信号を受ける。電力線搬送通信部18(108)は、互いに異なる周波数の搬送波による変調処理によって複数の送信信号を生成する。
好ましくは、図5に示すように、電力線搬送通信部18(108)は、送信対象のデータから複数の送信信号を生成し、複数の送信信号をそれぞれ複数の結合部171〜174,181〜184を用いてパワーケーブル160に重畳させる送信部360と、パワーケーブル160に重畳された複数の受信信号を複数の結合部を介してそれぞれ受信する受信部300とを有する。
より好ましくは、送信部360は、図6に示すように、送信対象のデータの先頭にデータの先頭を検出するためのフラグを付与する。受信部300は、フラグを検出し、受信した複数の受信信号のデータの先頭を決定する。
なお、実施の形態として溶接装置に適用した例を説明したが、電力線の長さや引き回しがしばしば変更されるような装置であれば溶接装置に限らず本実施の形態の電力線通信装置を適用することが可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 溶接装置、10 溶接電源、12 電源部、14,104,130 制御部、16,106 結合回路、18,108 電力線搬送通信部、20 外部電源、30 ガスボンベ、100 ワイヤ送給装置、102 送給機構、110,128 表示器、111 ワイヤリール、120 リモートコントローラ、122 操作部、124 マイク、126 スピーカ、132 バッテリ、140 溶接トーチ、150 母材、160 パワーケーブル、162 溶接接地ケーブル、164 ガスホース、166 溶接ワイヤ、171〜174,181〜184 結合部、201〜204,211〜214 入出力回路、221 抵抗、222 インピーダンスマッチング回路、223 バンドパスフィルタ、300 受信部、301〜308 A/D変換器、311〜318 復調処理部、321〜328 復号処理部、331〜338 同期処理部、341〜348 メモリ、350 判定部、360 送信部、361 フラグ付与部、362 符号化処理部、371〜378 変調処理部、381〜388 D/A変換器、510 溶接電源、C1〜C4,C11〜C14 コンデンサ、L1〜L4 コイル。

Claims (6)

  1. 送信対象のデータに基づいて電力線に重畳する複数の送信信号を生成する電力線搬送通信部と、
    前記電力線に前記電力線搬送通信部からの前記複数の送信信号を重畳させる結合回路とを備え、
    前記結合回路は、
    互いに異なる周波数特性を有する複数の結合部を含み、
    前記複数の結合部は、前記電力線搬送通信部からそれぞれ前記複数の送信信号を受け、
    前記電力線搬送通信部は、互いに異なる周波数の搬送波による変調処理によって前記複数の送信信号を生成する、電力線通信装置。
  2. 前記電力線搬送通信部は、
    前記送信対象のデータから前記複数の送信信号を生成し、前記複数の送信信号をそれぞれ前記複数の結合部を用いて前記電力線に重畳させる送信部と、
    前記電力線に重畳された複数の受信信号を前記複数の結合部を介してそれぞれ受信する受信部とを含む、請求項1に記載の電力線通信装置。
  3. 前記送信部は、送信対象のデータの先頭にデータの先頭を検出するためのフラグを付与し、
    前記受信部は、前記フラグを検出し、受信した前記複数の受信信号のデータの先頭を決定する、請求項2に記載の電力線通信装置。
  4. 溶接電源と、
    ワイヤ送給装置と、
    前記溶接電源と前記ワイヤ送給装置との間に溶接用の電力を送る電力線とを備え、
    前記溶接電源および前記ワイヤ送給装置の各々は、
    送信対象のデータに基づいて前記電力線に重畳する複数の送信信号を生成する電力線搬送通信部と、
    前記電力線に前記電力線搬送通信部からの前記複数の送信信号を重畳させる結合回路とを含み、
    前記結合回路は、
    互いに異なる周波数特性を有する複数の結合部を有し、
    前記複数の結合部は、前記電力線搬送通信部からそれぞれ前記複数の送信信号を受け、
    前記電力線搬送通信部は、互いに異なる周波数の搬送波による変調処理によって前記複数の送信信号を生成する、溶接装置。
  5. 前記電力線搬送通信部は、
    前記送信対象のデータから前記複数の送信信号を生成し、前記複数の送信信号をそれぞれ前記複数の結合部を用いて前記電力線に重畳させる送信部と、
    前記電力線に重畳された複数の受信信号を前記複数の結合部を介してそれぞれ受信する受信部とを有する、請求項4に記載の溶接装置。
  6. 前記送信部は、送信対象のデータの先頭にデータの先頭を検出するためのフラグを付与し、
    前記受信部は、前記フラグを検出し、受信した前記複数の受信信号のデータの先頭を決定する、請求項5に記載の溶接装置。
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