JP2014057031A - 太陽電池及びその製造方法、並びに太陽電池モジュール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくともpn接合が形成された半導体基板と、該半導体基板の少なくとも片面上に櫛歯状に形成された複数のフィンガー電極107と、上記フィンガー電極107の長手方向に対して直交して配置され該フィンガー電極107と接続されるバスバー電極105と、上記フィンガー電極107のうち、少なくとも一部の隣接又は近接するフィンガー電極107の端部同士を接続する該フィンガー電極107の長手方向の外側に凸となる円弧状又は山形突状の補助電極108とを具備する。
【選択図】図9
Description
このように、スクリーン印刷法は他の印刷手法に比べ安価で、高アスペクト比の電極を形成するのに適した手法である。
〔1〕 少なくともpn接合が形成された半導体基板と、該半導体基板の少なくとも片面上に櫛歯状に形成された複数のフィンガー電極と、上記フィンガー電極の長手方向に対して直交して配置され該フィンガー電極と接続されるバスバー電極と、上記フィンガー電極のうち、少なくとも一部の隣接又は近接するフィンガー電極の端部同士を接続する該フィンガー電極の長手方向の外側に凸となる円弧状又は山形突状の補助電極とを具備することを特徴とする太陽電池。
〔2〕 全てのフィンガー電極の隣接する端部同士が補助電極で接続されていることを特徴とする〔1〕に記載の太陽電池。
〔3〕 複数のフィンガー電極が1本につながるようにその隣接又は近接する端部同士が補助電極で接続されていることを特徴とする〔1〕に記載の太陽電池。
〔4〕 上記補助電極の線幅は、フィンガー電極の線幅以上であって、バスバー電極の線幅未満であることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の太陽電池。
〔5〕 上記補助電極の線幅は、40μm以上500μm未満であることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の太陽電池。
〔6〕 少なくともpn接合が形成された半導体基板と、該半導体基板の少なくとも片面上に櫛歯状に形成された複数のフィンガー電極と、上記フィンガー電極の長手方向に対して直交して配置され該フィンガー電極と接続されるバスバー電極と、上記フィンガー電極のうち、少なくとも一部の隣接又は近接するフィンガー電極の端部同士を接続する該フィンガー電極の長手方向の外側に凸となる円弧状又は山形突状の補助電極とを具備する太陽電池の製造方法であって、スクリーン印刷法により上記フィンガー電極、バスバー電極及び補助電極のパターンに対応した開口部を有するスクリーン製版を用いて上記半導体基板上に導電性ペーストを印刷して、上記フィンガー電極、バスバー電極及び補助電極を形成することを特徴とする太陽電池の製造方法。
〔7〕 スクリーン印刷法により、上記フィンガー電極、バスバー電極及び補助電極を同時に形成することを特徴とする〔6〕に記載の太陽電池の製造方法。
〔8〕 印刷方向が上記フィンガー電極の長手方向に平行であることを特徴とする〔6〕又は〔7〕に記載の太陽電池の製造方法。
〔9〕 〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の太陽電池を用いた太陽電池モジュール。
図9は、本発明に係る太陽電池の表面の電極パターンの構成例(1)である。
本構成例は、図9に示すように、フィンガー電極107の両端それぞれの全てのフィンガー電極107の隣接する端部同士が補助電極108で接続されている。また、補助電極108は、隣接する2本のフィンガー電極107の端部間を円弧状(アーチ状)の電極線で接続している。
本構成例は、図10に示すように、図9の構成における補助電極108を一部間引いた構成となっており、フィンガー電極107の両端それぞれにおいて、複数のフィンガー電極107が1本でつながるように、その隣接する端部同士が補助電極108で接続されている。図10では、17本全てのフィンガー電極107が補助電極108により電気的に1本につながるように接続されている。なお、補助電極108は、隣接する2本のフィンガー電極107の端部間を円弧状(アーチ状)の電極線で接続している。
本構成例は、図11に示すように、フィンガー電極107の両端それぞれにおいて、複数のフィンガー電極107が1本でつながるように、その近接する端部同士が補助電極108で接続されている。図11では、3本又は4本のフィンガー電極107がそれぞれ補助電極108により電気的に1本につながるように接続されている。なお、補助電極108は、1本のフィンガー電極107を挟んで近接する2本のフィンガー電極107の端部間を山形突状の電極線で接続している。
まず第1に、たとえ温度サイクル試験のような温度履歴を経ることにより、一部のフィンガー電極107が断線しても、断線したフィンガー電極107の端部が補助電極108により他のフィンガー電極107の端部に接続されていることから、該他のフィンガー電極107を経由させて電流を取り出すことができるため、電力損失がない。第2に、フィンガー電極107端部に補助電極108が接続されているので、該フィンガー電極107の端部において半導体基板との接触面積が大きくなっており、フィンガー電極107端部の接着強度が向上し、長期の使用にもフィンガー電極107の剥離を防止することができる。また第3に、焼成時の熱収縮によりフィンガー電極107端部が半導体基板から剥離することを防止できる。第4に、補助電極108により配線抵抗が減少し、曲線因子が増加して変換効率が向上する。第5に、補助電極108を設けることによって、受光面積の減少に伴うJscの損失と曲線因子の増加が相殺されるため、高い変換効率を維持することができる。なお、図10や図11の構成例では補助電極108を間引いても、受光面積増加による短絡電流の増加と、配線抵抗の増加による曲線因子の低下が相殺されるために、高い変換効率を維持したまま、コスト削減することができる。
まず、一般的なワイヤーソーによるインゴット結晶のスライスを行って、基板厚が100〜200μmのp型半導体基板100bを用意する。このp型半導体基板100bは、例えば高純度シリコンにホウ素あるいはガリウムのようなIII族元素をドープしたものである。シリコン単結晶はチョクラルスキー(CZ)法及びフロートゾーン(FZ)法のいずれの方法によって作製されていても構わない。該p型半導体基板100bの比抵抗は例えば0.1〜20Ω・cmが好ましく、0.1〜5.0Ω・cmがより好ましく、0.5〜2.0Ω・cmが更に好ましい。p型半導体基板100bの比抵抗が0.1Ω・cm未満、20Ω・cm超となると、高い性能の太陽電池を作るのに不適となる。
次に、p型半導体基板100bを水酸化ナトリウム水溶液に浸し、ダメージ層をエッチングで取り除く。この基板のダメージ除去は、水酸化カリウム等の強アルカリ水溶液を用いても構わない。また、フッ酸と硝酸の混酸等の酸水溶液でも同様の目的を達成することが可能である。
引き続き、基板表面にテクスチャと呼ばれる微小な凹凸形成を行う。テクスチャは太陽電池の反射率を低下させるための有効な方法である。テクスチャは、加熱した水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ溶液(濃度1〜10質量%、温度60〜100℃)中に10〜30分程度浸漬することで容易に作製される。上記溶液中に、所定量の2−プロパノールを溶解させ、反応を促進させることが多い。
テクスチャ形成後、塩酸、硫酸、硝酸、ふっ酸等、もしくはこれらの混合液の酸性水溶液中で洗浄する。経済的及び効率的見地から、塩酸中での洗浄が好ましい。清浄度を向上するため、塩酸溶液中に、0.5〜5質量%の過酸化水素を混合させ、60〜90℃に加温して洗浄してもよい。
次に、熱処理によりこの基板の受光面にn型拡散層101を形成する。具体的には、オキシ塩化リン(POCl3)ガス雰囲気下で熱処理を行うことでn型拡散層101を受光面に形成する。一般的なシリコン太陽電池は、PN接合を受光面にのみ形成する必要があり、これを達成するために基板同士を2枚重ね合わせた状態で拡散したり、拡散前に裏面にSiO2膜やSiNx膜等を拡散マスクとして形成して、裏面にpn接合ができないような工夫を施す必要がある。なお、上記の熱処理工程でのドーパント拡散は、気相拡散法だけでなく、ドーパントを含む塗布剤を用いる塗布拡散法を用いてもよい。
次に、プラスマエッチング装置を用い、接合分離を行う。このプロセスではプラズマやラジカルが基板の受光面や裏面に侵入しないよう、サンプルをスタックし、その状態で端面を数ミクロン削る。これにより、太陽電池にした場合の漏れ電流を防ぐことができる。
その後、基板表面に形成されたガラスをフッ酸などで除去する。
次に、受光面にシリコン窒化膜の反射防止膜102の形成を行う。詳しくは、プラズマCVD装置を用い、厚さ約100nmのSiNx膜を製膜する。反応ガスとして、モノシラン(SiH4)及びアンモニア(NH3)を混合して用いることが多いが、NH3の代わりに窒素を用いることも可能であり、また、プロセス圧力の調整、反応ガスの希釈、更には、基板に多結晶シリコンを用いた場合には基板のバルクパッシベーション効果を促進するため、反応ガスに水素を混合することもある。なお、他の反射防止膜102としては、シリコン酸化膜や、二酸化チタン膜、酸化亜鉛膜、酸化スズ膜等があり、シリコン窒化膜との代替が可能である。また、形成法も上記以外にリモートプラズマCVD法、コーティング法、真空蒸着法等があるが、経済的な観点から、上記窒化膜をプラズマCVD法によって形成するのが好適である。
次いで、スクリーン印刷法により、基板の裏面側にアルミニウム電極104用ペースト及びバスバー電極106用ペーストを印刷し、乾燥を行う。例えば、上記基板の裏面に、銀粉末とガラスフリットを有機物バインダで混合したペーストをバスバー電極形状にスクリーン印刷した後、アルミニウム粉末を有機物バインダで混合したペーストをバスバー電極以外の領域にスクリーン印刷する。これらの印刷後、5〜30分間、700〜800℃の温度で焼成して、裏面電極を形成する。裏面電極形成は印刷法による方が好ましいが、蒸着法、スパッタ法等で作製することも可能である。
次に、スクリーン印刷法により、基板の受光面(表面)側にバスバー電極105、フィンガー電極107及び補助電極108用の導電性ペーストを所定パターンでスクリーン印刷して乾燥させる。例えば、上記基板の表面に、銀粉末とガラスフリットと有機物バインダを混合したペーストを、フィンガー電極幅が30〜80μm、フィンガー電極間隔0.5〜4.0mmで設計されたくし型の印刷パターンを有するスクリーン製版を用いて印刷する。本スクリーン印刷工程が本発明の根幹を成すものであり、詳細は後述する。
最後に、焼成炉において焼成を行い、基板の裏面側のアルミニウム電極104及びバスバー電極106、受光面側のバスバー電極105、フィンガー電極107及び補助電極108を形成し、本発明の太陽電池を得る。焼成は、例えば大気下、700〜800℃で5〜30分間熱処理することにより行う。なお、基板の裏面側のアルミニウム電極104及びバスバー電極106を形成するための焼成と、受光面側のバスバー電極105、フィンガー電極107及び補助電極108を形成するための焼成を別々に行ってもよい。また、電極焼成時に形成されるBSF層103は、太陽電池の開放電圧の向上に寄与する。
まず、本発明で用いられるスクリーン印刷用のスクリーン製版409は、図4に示すように、互いに直交する縦糸と横糸とを編み込んだメッシュ材409aに、感光性の乳剤で被覆し、この乳剤を露光により一部除去することによって所望のパターン形状(例えば、電極用であれば略長方形)に開口したパターン開口部409cを有する版膜(乳剤層)409bを形成したものである。
ついで、このペースト膜を乾燥して、スクリーン印刷工程が終了する。
即ち、本発明は、前述した太陽電池の製造工程のうち、少なくとも受光面(表面)側の電極形成工程においてスクリーン印刷法を採用するものであって、上記フィンガー電極107、バスバー電極105及び補助電極108のパターン(図9〜図11)に対応した開口部を有する所定のスクリーン製版(図12〜図14)を用いてスクリーン印刷法により半導体基板上に導電性ペーストを印刷して、前述した所定パターンのフィンガー電極107、バスバー電極105及び補助電極108を形成することを特徴とするものである。
図12は、図9に示した電極パターンのフィンガー電極107、バスバー電極105及び補助電極108を形成するために用いるスクリーン製版409の例である。
図12に示すように、フィンガー電極の端部より外側の領域の版膜409b1とフィンガー電極間の領域の版膜409b2がつながることなく島状に孤立する状態となっているが、版膜409b1、409b2のいずれもが印刷方向(図中、左右方向)に対して角となる部分がなく、特に版膜409b2の端部は補助電極108用のパターン開口部409c1を形成するために円弧状となっていることから繰り返しの印刷に対して乳剤が剥がれにくい形状となっている。また、補助電極108用のパターン開口部409c1の開口形状は、印刷方向に対して直交する直線形状ではなく、一定の幅を持ち印刷方向に平行となる成分を含む円弧状であることからスクリーン印刷により形成される補助電極108のかすれや断線、並びに印刷刷り終わり方向へのペーストのにじみを抑制することもできる。
図13に示すように、フィンガー電極の端部より外側の領域の版膜409b1とフィンガー電極間の領域の版膜409b2がつながることなく島状に孤立する部分があるが、版膜409b1、409b2のいずれもが印刷方向(図中、左右方向)に対して角となる部分がなく、特に版膜409b2の端部は補助電極108用のパターン開口部409c1を形成するために円弧状となっていることから繰り返しの印刷に対して乳剤が剥がれにくい形状となっている。また、図12のパターンよりも補助電極108用のパターン開口部409c1が間引かれていることから一部のフィンガー電極間の領域の版膜がフィンガー電極の端部より外側の領域の版膜409b1とつながっており、その部分はメッシュ材409aとより強固に接着していることから剥がれにくくなっている。更に、補助電極108用のパターン開口部409c1の開口形状は、印刷方向に対して直交する直線形状ではなく、一定の幅を持ち印刷方向に平行となる成分を含む円弧状であることからスクリーン印刷により形成される補助電極108のかすれや断線、並びに印刷刷り終わり方向へのペーストのにじみを抑制することもできる。
図14に示すように、フィンガー電極107の端部より外側の領域の版膜409b1とフィンガー電極107間の領域の版膜409b2がつながることなく島状に孤立する部分があるが、版膜409b1、409b2のいずれもが印刷方向(図中、左右方向)に対して少なくとも直角となる部分がなく、特に版膜409b2の端部は補助電極108用のパターン開口部409c1を形成するために山形突状となっていることから繰り返しの印刷に対して乳剤が剥がれにくい形状となっている。また、図12のパターンよりも補助電極108用のパターン開口部409c1が間引かれていることから一部のフィンガー電極107間の領域の版膜がフィンガー電極107の端部より外側の領域の版膜409b1とつながっており、その部分はメッシュ材409aとより強固に接着していることから剥がれにくくなっている。更に、版膜409b2は、1本のフィンガー電極107を挟んで近接する2本のフィンガー電極107用のパターン開口部と補助電極108用のパターン開口部409c1で囲まれた領域であり、図12や図13の版膜409b2よりも広い領域となっていることからメッシュ材409aとより強固に接着して剥がれにくくなっている。また、補助電極108用のパターン開口部409c1の開口形状は、印刷方向に対して直交する直線部分が従来よりも少なく、一定の幅を持ち印刷方向に平行となる成分を含む山形突状であることからスクリーン印刷により形成される補助電極108のかすれや断線、並びに印刷刷り終わり方向へのペーストのにじみを抑制することもできる。
即ち、太陽電池そのものは、屋外環境に曝されると、温度、湿度、圧力などにより、集電電極にダメージが加えられ、変換効率が低下してしまう。また、ごみなど光を透過しない異物が受光面に付着すると、太陽光を取り込むことができず、著しく変換効率が低下してしまう。そのため、従来より、白板強化ガラスなどの透明な表面側カバー/エチレンビニルアセテート(EVA)などの充填剤/太陽電池/EVAなどの充填剤/ポリエチレンテレフタラート(PET)などの樹脂フィルムからなる耐候性の裏面側カバーの順に積層した状態で加熱圧着することによって、変換効率の低下をできる限り防ぐように構成された太陽電池モジュールとしている。しかしながら、このような太陽電池モジュールであっても、長年厳しい屋外環境に曝されると、徐々に変換効率が低下する傾向がある。その中でも、特に電極は、水分によって腐食したり、水分によって金属粒子が溶出するなどして、半導体基板との接着性が弱くなり、剥離してしまう場合があった。
本発明の太陽電池を用いれば、フィンガー電極端部の接着強度が増加するため、上記のような問題を解決することが可能である。
本発明の有効性を確認するため、以下の工程を半導体基板1000枚について行い、図1に示す太陽電池100を作製した。
まず、15cm角、厚さ250μm、比抵抗2.0Ω・cmの、ホウ素ドープ{100}p型アズカットシリコン基板100を用意し、濃水酸化カリウム水溶液によりダメージ層を除去、テクスチャを形成、オキシ塩化リン雰囲気下850℃で熱処理したn型拡散層101を形成し、フッ酸にてリンガラスを除去し、洗浄、乾燥させた。次に、プラズマCVD装置を用い、反射防止膜102としてSiNx膜を製膜し、裏面に、銀粉末とガラスフリットを有機物バインダで混合したペーストを裏面バスバー電極106用にバスバー状にスクリーン印刷した後、アルミニウム粉末を有機物バインダで混合したペーストを上記バスバー状に印刷した領域以外の領域にアルミニウム電極104用にスクリーン印刷し、有機溶媒を乾燥して裏面電極を形成した半導体基板を作製した。
次に、この半導体基板上に、銀粉末と、ガラスフリットと、有機ビヒクルと、有機溶媒とを主成分とし、添加物として金属酸化物を含有した導電性ペーストを、図12に示す開口パターンを有するスクリーン製版409を用いて、スキージゴム硬度70度、スキージ角度70度、印圧0.3MPa、印刷速度50mm/secで半導体基板上に形成された反射防止膜102上に塗布した。印刷後、150℃のクリーンオーブンで有機溶媒の乾燥を行ったのち、800℃の空気雰囲気下で焼成して、太陽電池100を得た。
なお、図12のスクリーン製版409は、ステンレスメッシュの紗張りしたスクリーン材に感光剤(商品名MDX−100、(株)ミノグループ製)を塗布したものについて露光処理により図12に示す開口パターンを形成したものである。このとき、フィンガー電極107用のパターン開口部409cとして線幅を80μmとし、隣接間隔2.4mmで66本設け、補助電極108用のパターン開口部409cの線幅を90μmとした。
実施例1において、表面の電極形成用のスクリーン製版409として、図12に示すものに代えて、図13に示すスクリーン製版409として、それ以外は実施例1と同様にして太陽電池100を作製した。
なお、図13のスクリーン製版409において、フィンガー電極107用のパターン開口部409cとして線幅を80μmとし、隣接間隔2.4mmで66本設け、補助電極108用のパターン開口部409cの線幅を90μmとした。
実施例1において、表面の電極形成用のスクリーン製版409として、図12に示すものに代えて、図5に示すスクリーン製版409として、それ以外は実施例1と同様にして比較用の太陽電池を作製した。
なお、図5のスクリーン製版409において、フィンガー電極107用のパターン開口部409cとして線幅を80μmとし、隣接間隔2.4mmで66本設けた。
実施例1において、表面の電極形成用のスクリーン製版409として、図12に示すものに代えて、図8に示すスクリーン製版409として、それ以外は実施例1と同様にして比較用の太陽電池(図7)を作製した。
なお、図8のスクリーン製版409において、フィンガー電極107用のパターン開口部409cとして線幅を80μmとし、隣接間隔2.4mmで66本設け、補助電極108’用のパターン開口部の線幅を90μmとした。
(1)電気的特性
太陽電池の電気的特性の測定として、ソーラーシミュレーター(山下電装株式会社製、型式YSS−160A)を用いて、ソーラーシミュレーターの光(基板温度25℃、照射強度:1kW/m2、スペクトル:AM1.5グローバル)を太陽電池サンプルに照射して、該太陽電池サンプルの電流−電圧特性を測定し、測定結果から曲線因子、電流密度、変換効率を求めた。なお、測定値は太陽電池1000枚の平均値として求めた。
(2)乳剤剥がれ
使用後のスクリーン製版の版膜を光学顕微鏡により50倍に拡大して観察し、乳剤の剥がれの有無を確認した。このとき、乳剤の剥がれの状態として、形成される電極の形状が明らかにくずれる程度に影響がある状態のものを剥がれ有とし、その影響のないものを剥がれ無とした。
(3)端部の剥離
太陽電池1000枚から無作為に10枚を抜き取り、それらのフィンガー電極端部を光学顕微鏡で観察し、フィンガー電極端部の剥離有無を確認した。このとき、太陽電池1枚当りのフィンガー電極端部は132箇所あり、全端部箇所に対する剥離発生箇所の割合を求めた。
実施例1、2では、曲線因子が飛躍的に向上した。これは、フィンガー電極の端部同士を接続したことにより、配線抵抗が減少したこと、スクリーン製版の乳剤剥がれがなくなったことでパターン太りがなくなったこと、更に断線が無くなったことなどの理由による。
比較例1では、スクリーン製版における乳剤剥がれやフィンガー電極端部の剥離が観察されたが、実施例1、2ではいずれも確認されなかった。
次に、実施例1、2及び比較例1で作製した太陽電池を用いて下記要領でモジュール化した。
幅が2mmで厚さが0.2mmの直線状のインターコネクタ201を用いて、図15、図16に示すように、インターコネクタ201とバスバー電極105を接続する箇所に、予めフラックスを塗布し、インターコネクタ201と太陽電池の受光面のバスバー電極105を半田で接続した。また、太陽電池の裏面側のバスバー電極106にも同様にインターコネクタ201をハンダ付けした。
次に、白板強化ガラス/エチレンビニルアセテート(EVA)/配線材料を取り付けた太陽電池100/EVA/ポリエチレンテレフタラート(PET)の順に積層し、周囲を真空にしたあと、150℃の温度で10分間加熱圧着したのち、150℃で1時間加熱することにより完全に硬化させた。ここでは、4個の太陽電池をお互いにインターコネクタ201で接続して封止した。
以上の工程を経て、太陽電池モジュールを製造した。
以上のように、従来のスクリーン製版で作製した太陽電池ではフィンガー電極端部が剥離して、出力を長期に亘って維持できなかったが、本発明ではスクリーン製版の印刷パターンの軽微な変更で、工程数を増やすことなく、また変換効率を減少させることなく、高い長期信頼性を有する太陽電池を製造することができた。
100b p型半導体基板
101 n型拡散層
102 反射防止膜
103 BSF層
104 アルミニウム電極
105 バスバー電極
106 裏面バスバー電極
107、107’ フィンガー電極
108、108’ 補助電極
408 スキージ
409 スクリーン製版
409a メッシュ材
409b、409b1、409b2 版膜(乳剤層)
409c、409c1 パターン開口部
201 インターコネクタ
202 半田
Claims (9)
- 少なくともpn接合が形成された半導体基板と、該半導体基板の少なくとも片面上に櫛歯状に形成された複数のフィンガー電極と、上記フィンガー電極の長手方向に対して直交して配置され該フィンガー電極と接続されるバスバー電極と、上記フィンガー電極のうち、少なくとも一部の隣接又は近接するフィンガー電極の端部同士を接続する該フィンガー電極の長手方向の外側に凸となる円弧状又は山形突状の補助電極とを具備することを特徴とする太陽電池。
- 全てのフィンガー電極の隣接する端部同士が補助電極で接続されていることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
- 複数のフィンガー電極が1本につながるようにその隣接又は近接する端部同士が補助電極で接続されていることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
- 上記補助電極の線幅は、フィンガー電極の線幅以上であって、バスバー電極の線幅未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽電池。
- 上記補助電極の線幅は、40μm以上500μm未満であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の太陽電池。
- 少なくともpn接合が形成された半導体基板と、該半導体基板の少なくとも片面上に櫛歯状に形成された複数のフィンガー電極と、上記フィンガー電極の長手方向に対して直交して配置され該フィンガー電極と接続されるバスバー電極と、上記フィンガー電極のうち、少なくとも一部の隣接又は近接するフィンガー電極の端部同士を接続する該フィンガー電極の長手方向の外側に凸となる円弧状又は山形突状の補助電極とを具備する太陽電池の製造方法であって、スクリーン印刷法により上記フィンガー電極、バスバー電極及び補助電極のパターンに対応した開口部を有するスクリーン製版を用いて上記半導体基板上に導電性ペーストを印刷して、上記フィンガー電極、バスバー電極及び補助電極を形成することを特徴とする太陽電池の製造方法。
- スクリーン印刷法により、上記フィンガー電極、バスバー電極及び補助電極を同時に形成することを特徴とする請求項6に記載の太陽電池の製造方法。
- 印刷方向が上記フィンガー電極の長手方向に平行であることを特徴とする請求項6又は7に記載の太陽電池の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池を用いた太陽電池モジュール。
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