JP2014056643A - 架空裸電線 - Google Patents
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Abstract
【課題】素線切れが発生したときに、地上からの観察でも素線切れを発見しやすい架空裸電線を提供する。
【解決手段】最外層素線3の型付率〔(d/D)×100%〕を100%より大きくする。撚線の最外層素線の素線切れが発生したときに、切れた素線が撚線外周面から跳ね出しやすくなるので、素線切れを発見しやすくなる。無張力時に最外層素線3がバラバラにならないようにするため、長手方向に適当な間隔をおいて最外層素線を締め付けるリング5を取り付ける。
【選択図】図1
【解決手段】最外層素線3の型付率〔(d/D)×100%〕を100%より大きくする。撚線の最外層素線の素線切れが発生したときに、切れた素線が撚線外周面から跳ね出しやすくなるので、素線切れを発見しやすくなる。無張力時に最外層素線3がバラバラにならないようにするため、長手方向に適当な間隔をおいて最外層素線を締め付けるリング5を取り付ける。
【選択図】図1
Description
本発明は、架空送電線や架空地線などの架空裸電線に関するものである。
架空裸電線は、撚線で構成されているため、雷撃による溶損や、スリートジャンプ・ギャロッピングなどによる電線同士の衝突により、素線切れが発生する場合がある。素線切れを放置すると重大な事故につながるおそれがあるので、素線切れは早期に発見して、対策をとる必要がある。
架空裸電線は高所に架設されているため、作業員が地上から双眼鏡等を用いて素線切れを発見しようとしても、地上からの発見は困難である。そこで従来は、送電を停止した後に、架空裸電線上を作業員が宙乗り機に乗って移動しながら、素線切れの有無を目視で点検する方法や、ヘリコプターに搭載したビデオカメラで架空裸電線を撮影した後、ビデオ映像を再生し、作業員がこのビデオ映像を目視観察して素線切れの有無を確認する方法がとられていた。
しかし、作業員が宙乗り機に乗って点検する方法は、作業員の負担が大きいため、作業員の負担を軽くすることを目的として、自走式の点検機による点検方法も提案されている(特許文献1)。また、ビデオ映像の目視観察も注意力の要る大変な作業であるため、ヘリコプターで撮影したビデオ映像を自動解析して素線切れ等を発見する方法も提案されている(特許文献2)。
しかし、自走式点検機による点検は、作業員が鉄塔上まで点検機を運搬して架空裸電線にセットする作業が必要であり、この作業に労力がかかるだけでなく、点検のために送電を停止しなければならないという難点がある。
また、ヘリコプターによる点検は、ヘリコプターの使用に費用がかかり、経済的ではない。
従来の架空裸電線で最外層素線の素線切れが発生した場合に、素線切れを地上から発見しにくい理由は、素線切れを起こした素線が撚線外周面から跳ね出しにくいことである。従来の架空裸電線の一例を図4に示す。この電線1は、鋼心撚線2の上にアルミ素線3を2層に撚り合わせた鋼心アルミ撚線である。撚線を製造する際には通常、素線をらせん状にプレフォームしてから撚り合わせるが、従来の架空裸電線1は、最外層素線3の型付率を100%より小さくしてある。
型付率は、図4(B)、(C)に示すように、撚り合わせ前にらせん状にプレフォームされた素線3の素線中心のらせん直径をd、その素線3が撚り合わされた層の層心径をDとしたとき、(d/D)×100%で定義される。最外層素線の型付率を100%より小さくする理由は、最外層素線がその内側の撚線層を締め付ける状態にして、撚線端部などで素線がバラバラにならないようにするためである。通常の架空送電線の撚線は、型付率を100%以下にして製造している。
ところが、最外層素線の型付率を100%より小さくしておくと、最外層素線がその内側の撚線層を締め付ける状態になっているため、図5に示すように、最外層素線3に素線切れが発生したときに、切れた素線3aが撚線の外周面から跳ね出しにくく、跳ね出したとしても跳ね出し量はわずかであるため、地上からの観察では素線切れを発見することは困難なのである。
本発明の目的は、以上のような問題点に鑑み、地上からの観察でも素線切れを発見しやすくした架空裸電線を提供することにある。
本発明に係る架空裸電線は、撚線の最外層素線の素線切れが発生したときに、切れた素線が撚線外周面から跳ね出すように、最外層素線の型付率を100%より大きくしたことを特徴とするものである。
本発明に係る架空裸電線は、最外層素線がバラバラにならないように長手方向に適当な間隔おいて、最外層素線を締め付けるリングを取り付けておくことが好ましい。
本発明において、リングの取付間隔は150〜1000mmとすることが好ましい。リングの取付間隔は、最外層素線の素線切れが発生したときに切れた素線の垂れ下がりで絶縁破壊が生じない程度に設定されていることが好ましい。
本発明に係る架空裸電線は、最外層の内側の層を、又は最外層の内面を、最外層の外面と異なる色に着色しておくことが好ましい。
本発明に係る架空裸電線で、最外層の内側の層を、又は最外層の内面を、最外層の外面と異なる色に着色する場合、指温塗料を用いて着色することが好ましい。
本発明によれば、最外層素線の型付率を100%より大きくしたので、素線切れが発生すると、切れた素線が撚線外周面から跳ね出すようになり、跳ね出し量も大きくなる。このため地上からでも素線切れを容易に検出することが可能となる。
また、素線切れが発生して、素線の跳ね出しが自由になると、素線の垂れ下がりで相間絶縁破壊が生じるおそれがあるが、素線の垂れ下がりで絶縁破壊が生じない程度に長手方向に所要の間隔をおいて、最外層素線を締め付けるリングを取り付けておけば、素線切れによる絶縁破壊を回避することができる。
また、最外層の内側の層を、又は最外層の内面を、最外層の外面と異なる色に着色しておけば、素線切れが発生して素線が跳ね出した部分では、その色を視認できるので、素線切れをより確実に発見することができる。
さらに、最外層の内側の層を、又は最外層の内面を、最外層の外面と異なる色に着色する場合、指温塗料を用いて着色すれば、雷撃時等で素線切れが発生したときの温度を知ることができる。
図1は本発明の一実施例を示す。この架空裸電線4は、鋼心撚線2の上にアルミ素線3を2層に撚り合わせた鋼心アルミ撚線であるが、最外層素線3の型付率を100%より大きくした(D<dとした)ものである。最外層素線3の型付率を100%より大きくしておくと、撚り合わされた最外層素線はプレフォーム時のらせん直径に戻ろうとする応力が残っているため、雷撃等により最外層素線に素線切れが発生したときには、切れた素線が撚線外周面から跳ね出しやすくなる。
ただし、最外層素線3の型付率を100%より大きくすると、電線に張力がかからない状態では、最外層素線3がバラバラになりやすいので、これを防止するため、長手方向に適当な間隔おいて、最外層素線3を締め付けるリング5を取り付ける。リング5としてはシリコーンゴムやポリカーボネート製、金属製のリングを用いることができる。また、この架空裸電線4に難着雪効果を持たせるため、リング5として、一般的な難着雪リングや融雪リングを用いても良い。
なお、難着雪リングとは、一般的にプラスチック製のリングであり、架空裸電線等に一定間隔で取付けることで、着雪を分断化し落雪させるリングである。また、融雪リングとは、金属(例えばFe−Ni系合金)製のリングであり、架空裸電線の送電電流による磁界によって発熱するリングである。本発明における架空裸電線4に取付けるリング5は、これらにリングであっても良く、2種類以上のリングを混合して用いても良い。
リング5を取り付けておくと、最外層素線に素線切れが発生した場合には、図2に示すように、切れた素線3aがリング5を基点として最外層から大きく跳ね出すことになるので、地上からの観察でも素線切れを容易に検出することができる。
なお、最外層の直下の素線を着色したり、最外層の内面を着色したりしておくと、素線切れが発生して素線が跳ね出した部分では、その色を目視で確認できるので、素線切れをより確実に発見することができる。塗料として、示温塗料を用いれば、雷撃時の素線の温度を知ることもできる。示温塗料としては、例えば、日油技研工業株式会社製のサーモペイント(登録商標)を使用することができる。また、最外層の内側の層を、又は最外層の内面を、着色する分には、電線の外観は変わらないので、景観を損ねることはない。
リング5の取付間隔については、着雪対策を兼ねる場合は、難着雪リング・融雪リングの取付間隔と同じにすると難着雪効果が得られる。この場合の取付間隔の最小値は150mm程度となる。
一方、切れた素線の垂れ下がり量が大きいと、電線間の離隔距離が不足して絶縁破壊が起こり、相間短絡事故となるおそれがある。電気学会技術報告II部第220号「架空送電線路の絶縁設計要項」第48頁には、標準径間と長径間での電線の垂直線間距離の計算式が記載されている。長径間の場合、垂直線間距離は長くなるので、ここでは標準径間の場合に留意する。また、同要項第56頁には、最小相間絶縁距離が記載されている。公称電圧が低い場合には、電線間隔が狭くなるので、33kVの場合までデータを外挿して求めた垂直線間距離と最小相間絶縁距離の関係を図3に示す。図3によると、公称電圧33kVの場合に垂直線間距離と最小相間絶縁距離の差は1mとなる。電圧が高くなると、この差は大きくなることから、離隔距離が1mを下回ると絶縁破壊を起こす可能性がある。したがって、リングの取付間隔は、150mm〜1000mmの範囲内にすれば、難着雪効果を得ながら、素線切れが発生したときに相間短絡を起こさずに済むことになる。
本発明の架空裸電線は、鋼心線とアルミ素線の例で説明してきたが、これらの材料からなる電線に限定されるものではない。例えば、架空地線(アルミ被覆鋼線と光ファイバ心線入りアルミパイプからなる電線)、アルミ線とアルミ被覆鋼線で構成される架空裸電線、アルミ線とカーボンファイバで構成される架空裸電線、銅線とカーボンファイバで構成される架空裸電線、亜鉛メッキ鋼線のみからなる架空裸電線、アルミ線のみからなる架空裸電線、アルミ被覆鋼線のみからなる架空裸電線、等の架空電線が挙げられ、これらの架空電線・架空裸電線でも同様に本発明を適用することができる。
1:従来の架空裸電線
2:鋼心線
3:アルミ素線
4:本発明の架空裸電線
5:リング
D:最外層の層心径
d:撚り合わせ前にらせん状にプレフォームされた最外層素線のらせん直径
2:鋼心線
3:アルミ素線
4:本発明の架空裸電線
5:リング
D:最外層の層心径
d:撚り合わせ前にらせん状にプレフォームされた最外層素線のらせん直径
Claims (7)
- 最外層素線の型付率を100%より大きくしたことを特徴とする架空裸電線。
- 撚線の最外層素線の素線切れが発生したときに、切れた素線が撚線外周面から跳ね出すことを特徴とする請求項1記載の架空裸電線。
- 最外層素線を締め付けるリングを取り付けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の架空裸電線。
- 前記リングの取付間隔を150〜1000mmとしたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の架空裸電線。
- 前記リングが、難着雪リング及び/又は融雪リングであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の架空裸電線。
- 最外層の内側の層を、又は最外層の内面を、最外層の外面と異なる色に着色したことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の架空裸電線。
- 示温塗料を用いて着色したことを特徴とする請求項6に記載の架空裸電線。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012199128A JP2014056643A (ja) | 2012-09-11 | 2012-09-11 | 架空裸電線 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2012199128A JP2014056643A (ja) | 2012-09-11 | 2012-09-11 | 架空裸電線 |
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JP2014056643A true JP2014056643A (ja) | 2014-03-27 |
Family
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JP (1) | JP2014056643A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103985468A (zh) * | 2014-05-16 | 2014-08-13 | 江苏中天科技股份有限公司 | 一种内嵌式可融冰中心管式光纤复合架空地线 |
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2012
- 2012-09-11 JP JP2012199128A patent/JP2014056643A/ja active Pending
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