JP2014055695A - 蒸気供給システム - Google Patents

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Abstract

【課題】過熱に用いる蒸気を有効に利用してシステム全体のエネルギー損失を低減することができる蒸気供給システムを提供する。
【解決手段】本発明に係る蒸気供給システム10Aは、高圧飽和蒸気St1−1、中圧飽和蒸気St1−2および低圧飽和蒸気St1−3を過熱して高圧過熱蒸気St2−1、中圧過熱蒸気St2−2Bおよび低圧過熱蒸気St2−3Bとして蒸気使用機器11A〜11Cに送気する蒸気供給システムであり、高圧過熱蒸気St2−1を用いて中圧飽和蒸気St1−2を過熱する過熱器15Aと、中圧過熱蒸気St2−2Bを用いて低圧飽和蒸気St1−3を過熱する過熱器15Bと、過熱器15Aで用いた蒸気St3−1を中圧過熱蒸気St2−2Aに送気する高圧蒸気排出管L16−1と、過熱器15Bで用いた蒸気St3−2を低圧過熱蒸気St2−3Aに送気する中圧蒸気排出管L16−2と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、蒸気供給システムに関する。
飽和蒸気は、温度の制御が簡単であり、熱の輸送も容易であるといった理由から熱源として広く利用されている。飽和蒸気の温度は蒸気圧力によって定まっているため、飽和蒸気の圧力を調節することで飽和蒸気の温度を制御することができる。
従来より、ボイラを複数台設置した蒸気供給システムが用いられている。複数のボイラから排出される飽和蒸気を過熱装置を用いて過熱した後、蒸気使用機器に送気する蒸気供給システムが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1では、蒸気供給経路の途中に、蒸気の圧力を減圧する減圧装置と蒸気を過熱する過熱器とを、蒸気流れ方向の上流側からこの順に設けている。そして、蒸気ボイラで発生した蒸気を減圧装置で減圧した後、減圧した蒸気を減圧前の蒸気を用いて過熱器で過熱して高温の低圧過熱蒸気としている。これにより、減圧前の蒸気の保有する熱を効率的に使用することで潜熱の大きな低圧蒸気を必要な温度を保ちつつ蒸気使用機器に送気している。
特許文献2では、低圧蒸気を発生する低圧ボイラと高圧蒸気を発生する高圧ボイラと、高圧ボイラで発生した高圧蒸気を用いて低圧蒸気を過熱する過熱器とを設けている。高温の蒸気が必要な場合には、過熱器で低圧蒸気を高圧蒸気と熱交換させて過熱して高温の低圧過熱蒸気として、蒸気使用機器に送気している。これにより、潜熱の大きな低圧蒸気を高圧蒸気の保有する熱を効率的に使用することで低圧蒸気を必要な温度を保ちつつ蒸気使用機器に送気している。
特開2003−336806号公報 特開2003−336807号公報
しかしながら、特許文献1、2のような過熱蒸気の供給システムは、蒸気使用機器で使用する蒸気の温度を低圧蒸気を過熱する熱源として用い、過熱に用いた高い圧力の蒸気は同じ温度のドレンとして排出するか別回路にて回収を行うようにしていることから、エネルギーの有効利用を図る上で更に改善の余地がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、過熱に用いる蒸気を有効に利用してシステム全体のエネルギー損失を低減することができる蒸気供給システムを提供することを目的とする。
本発明に係る蒸気供給システムは、圧力の異なる複数の蒸気を蒸気使用設備にそれぞれ供給する複数の蒸気供給経路を備えた蒸気供給システムにおいて、前記蒸気供給経路を通る高圧の蒸気の一部で他の前記蒸気供給経路を通る前記高圧の蒸気よりも圧力の低い蒸気を過熱して過熱蒸気とすることを特徴とする。
本発明の好ましい態様として、前記蒸気供給経路を通る高圧の蒸気の一部を用いて、他の前記蒸気供給経路を通る前記高圧の蒸気よりも圧力の低い蒸気を過熱する蒸気過熱装置を備え、前記蒸気過熱装置に供給した前記高圧の蒸気を、前記圧力の低い蒸気が通る蒸気供給経路の前記蒸気過熱装置の下流側に混合させることが好ましい。
本発明の好ましい態様として、前記圧力の低い蒸気の通る蒸気供給経路に設けた蒸気過熱装置に供給する前記高圧の蒸気は、前記高圧の蒸気が通る蒸気供給経路に設けた蒸気過熱装置で過熱された高圧の蒸気であることが好ましい。
本発明の好ましい態様として、前記蒸気過熱装置に供給する前記蒸気の供給量を調整する調整装置を備え、前記蒸気過熱装置で過熱される前の前記圧力の低い蒸気の圧力と前記蒸気過熱装置で過熱された後の圧力の低い蒸気の温度とに基づいて前記調整装置を制御して前記蒸気過熱装置に供給される前記高圧の蒸気の供給量を調節し、前記蒸気過熱装置で過熱された後の圧力の低い蒸気の過熱度を調整することが好ましい。
本発明の好ましい態様として、前記蒸気供給経路を通る高圧の蒸気の一部を他の前記蒸気供給経路を通る前記圧力の低い蒸気に混合して、前記圧力の低い蒸気を過熱して過熱蒸気とすることが好ましい。
本発明の好ましい態様として、前記圧力の低い蒸気の通る蒸気供給経路に混合する前記高圧の蒸気は、過熱された高圧の蒸気であることが好ましい。
本発明の好ましい態様として、前記蒸気供給路に混合させる前記高圧の蒸気の供給量を調整する調整装置を備え、前記高圧の蒸気で過熱される前の前記圧力の低い蒸気の圧力と過熱された後の圧力の低い蒸気の温度とに基づいて前記調整装置を制御して前記圧力の低い蒸気の通る蒸気供給経路に供給される前記高圧の蒸気の供給量を調節し、前記過熱された後の圧力の低い蒸気の過熱度を調整することが好ましい。
本発明の好ましい態様として、前記圧力の異なる複数の蒸気のうち、最も圧力の高い蒸気は、前記最も圧力の高い蒸気の飽和蒸気温度よりも温度の高い蒸気または蒸気以外の過熱媒体を熱源として用いて過熱されることが好ましい。
本発明によれば、蒸気供給経路を通る高圧の蒸気の一部で他の蒸気供給経路を通る圧力の低い蒸気を過熱して圧力の低い蒸気を過熱蒸気とすることで、高圧の蒸気を圧力の低い蒸気の熱源として有効に利用することができるため、システム全体のエネルギー損失を低減することができる。
また、本発明によれば、高圧の蒸気を、蒸気過熱装置で圧力の低い蒸気の過熱に用い、過熱に用いた高圧の蒸気を過熱された圧力の低い蒸気に送気することで、高圧の蒸気を過熱された圧力の低い蒸気として有効に利用することができるため、過熱に用いる蒸気を有効に利用してシステム全体のエネルギー損失を低減することができる。
また、本発明によれば、高圧の蒸気の一部を圧力の低い蒸気に混合することで、圧力の低い蒸気を過熱蒸気とすることができると共に高圧の蒸気を過熱された圧力の低い蒸気として有効に利用することができるため、過熱に用いる蒸気を有効に利用してシステム全体のエネルギー損失を低減することができる。
本発明の第1の実施形態に係る蒸気供給システムの概略構成を示す図である。 蒸気供給システムの他の構成を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る蒸気供給システムの概略構成を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る蒸気供給システムの概略構成を示す図である。 蒸気供給システムの他の構成を示す図である。 本発明の第4の実施形態に係る蒸気供給システムの概略構成を示す図である。
以下、本発明を好適に実施するための形態(以下、実施形態という。)につき、詳細に説明する。尚、本発明は以下の実施形態に記載した内容により限定されるものではない。また、以下に記載した実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。更に、以下に記載した実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせてもよいし、適宜選択して用いてもよい。
[第1の実施形態]
<蒸気供給システム>
本発明の第1の実施形態に係る蒸気供給システムについて説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る蒸気供給システムの概略構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る蒸気供給システム10Aは、加熱源、動力源として蒸気を使用して作動する蒸気使用機器(蒸気使用設備)11A〜11Cに蒸気を供給するシステムである。本実施形態の蒸気供給システム10Aは、ボイラ(蒸気発生装置)12と、スチームヘッダ13と、蒸気供給経路L11と、過熱器14と、過熱器(蒸気過熱装置)15A、15Bと、制御装置16とを備える。
[ボイラ]
ボイラ12は、種々の熱源方式によって飽和蒸気St1を発生させるものである。ボイラ12は、燃焼式のボイラ、電気式のボイラなど種々の形式のものを用いることができる。ボイラ12は、燃焼式の場合、燃料を燃焼させた際の燃焼熱を熱源として缶体内の缶水を蒸発させ飽和蒸気St1を発生させる。この場合、燃料としては、例えば、都市ガス、プロパンガス、バイオガスなどの気体燃料、重油、灯油などの液体燃料などが用いられる。ボイラ12は、燃焼式の場合、例えば、貫流ボイラ、炉筒煙管ボイラ、水管ボイラなどが挙げられる。ボイラ12が、電気式の場合、電気ヒータなどを熱源として缶体内の缶水を蒸発させ飽和蒸気St1を発生させる。
なお、本実施形態においては、飽和蒸気St1とは、わずかに液体の水を含む蒸気から100%乾き蒸気までの範囲の蒸気である。
[蒸気供給経路]
蒸気供給経路L11は、ボイラ12で発生した飽和蒸気St1を、飽和蒸気St1のまままたは過熱して蒸気使用機器11A〜11Cまで送気するための蒸気供給ラインである。蒸気供給経路L11は、飽和蒸気配管(飽和蒸気供給経路)L12、高圧飽和蒸気配管(高圧飽和蒸気供給経路)L13−1、中圧飽和蒸気配管(中圧飽和蒸気供給経路)L13−2と、低圧飽和蒸気配管(低圧飽和蒸気供給経路)L13−3と、高圧過熱蒸気配管(高圧過熱蒸気供給経路)L14−1、中圧過熱蒸気配管(中圧過熱蒸気供給経路)L14−2と、低圧過熱蒸気配管(低圧過熱蒸気供給経路)L14−3と、高圧蒸気分岐配管L15−1、中圧蒸気分岐配管L15−2と、高圧蒸気排出管L16−1、中圧蒸気排出管L16−2とを含む。
飽和蒸気配管L12は、ボイラ12の蒸気流出口とスチームヘッダ13の蒸気流入口とを接続し、飽和蒸気St1をスチームヘッダ13に送気する。
高圧飽和蒸気配管L13−1はスチームヘッダ13から過熱器14の被過熱側(二次側)の蒸気流入口に接続され、高圧飽和蒸気St1−1を過熱器14に送気する。中圧飽和蒸気配管L13−2はスチームヘッダ13から過熱器15Aの二次側の蒸気流入口に接続され、高圧飽和蒸気St1−1よりも圧力の低い中圧飽和蒸気St1−2を過熱器15Aに送気する。低圧飽和蒸気配管L13−3はスチームヘッダ13から過熱器15Bの二次側の蒸気流入口に接続され、中圧飽和蒸気St1−2よりも圧力が更に低い低圧飽和蒸気St1−3を過熱器15Bに送気する。
高圧飽和蒸気配管L13−1、中圧飽和蒸気配管L13−2および低圧飽和蒸気配管L13−3は、その途中に圧力調整弁21−1〜21−3をそれぞれ含む。そのため、スチームヘッダ13から高圧飽和蒸気配管L13−1、中圧飽和蒸気配管L13−2および低圧飽和蒸気配管L13−3に送られる飽和蒸気St1の圧力は圧力調整弁21−1〜21−3により調整される。これにより、スチームヘッダ13から高圧飽和蒸気配管L13−1、中圧飽和蒸気配管L13−2および低圧飽和蒸気配管L13−3を流れる飽和蒸気St1は、それぞれ、高圧飽和蒸気St1−1、中圧飽和蒸気St1−2および低圧飽和蒸気St1−3に圧力が調整される。
なお、本実施形態おいては、高圧飽和蒸気配管L13−1、中圧飽和蒸気配管L13−2および低圧飽和蒸気配管L13−3はスチームヘッダ13に接続されているが、スチームヘッダ13と接続される飽和蒸気配管の数は、これに限定されるものではなく、スチームヘッダ13から排出される圧力の異なる飽和蒸気St1の数に応じて適宜調整される。
高圧過熱蒸気配管L14−1は、過熱器14の二次側の蒸気流出口と蒸気使用機器11Aの蒸気流入口とを接続し、高圧過熱蒸気St2−1を蒸気使用機器11Aへ送気する。中圧過熱蒸気配管L14−2は、過熱器15Aの二次側の蒸気流出口と蒸気使用機器11Bの蒸気流入口とを接続し、過熱器15Aで過熱された中圧過熱蒸気St2−2Aを過熱器15Aの過熱媒体として用いられて熱量の低下した蒸気St3−1と混合した中圧過熱蒸気St2−2Bを蒸気使用機器11Bへ送気する。低圧過熱蒸気配管L14−3は、過熱器15Bの二次側の蒸気流出口と蒸気使用機器11Cの蒸気流入口とを接続し、過熱器15Bで過熱された低圧過熱蒸気St2−3Aを過熱器15Bの過熱媒体として用いられて熱量の低下した蒸気St3−2と混合した低圧過熱蒸気St2−3Bを蒸気使用機器11Cへ送気する。
高圧蒸気分岐配管L15−1は、高圧過熱蒸気配管L14−1と過熱器15Aの過熱側(一次側)の蒸気流入口とを接続し、高圧過熱蒸気St2−1の一部を過熱器15Aに供給する。中圧蒸気分岐配管L15−2は、中圧過熱蒸気配管L14−2と過熱器15Bの一次側の蒸気流入口とを接続し、中圧過熱蒸気St2−2Bの一部を過熱器15Bに供給する。高圧蒸気分岐配管L15−1は流量調整弁V11を含み、中圧蒸気分岐配管L15−2は、流量調整弁V12を含む。高圧過熱蒸気配管L14−1から過熱器15Aに送られる高圧過熱蒸気St2−1の供給量は流量調整弁V11により調整され、中圧過熱蒸気配管L14−2から過熱器15Bに送られる中圧過熱蒸気St2−2Bの供給量は流量調整弁V12により調整される。
高圧蒸気排出管L16−1は、過熱器15Aの一次側の蒸気流出口と中圧過熱蒸気配管L14−2とを接続し、蒸気St3−1を中圧過熱蒸気配管L14−2へ送気する。中圧蒸気排出管L16−2は、過熱器15Bの一次側の蒸気流出口と低圧過熱蒸気配管L14−3とを接続し、蒸気St3−2を低圧過熱蒸気配管L14−3へ送気する。高圧蒸気排出管L16−1は減圧弁22−1を含み、中圧蒸気排出管L16−2は減圧弁22−2を含む。減圧弁22−1は、蒸気St3−1を中圧過熱蒸気配管L14−2へ送気するための圧力調整用のバルブである。減圧弁22−2は、蒸気St3−2を低圧過熱蒸気配管L14−3へ送気するための圧力調整用のバルブである。
[過熱器]
過熱器14は、高圧飽和蒸気配管L13−1から送気された高圧飽和蒸気St1−1を過熱して高圧過熱蒸気St2−1にするものである。過熱器14は、電気式の過熱器、熱交換式の過熱器など、種々の形式のものを用いることができる。過熱器14は、電気式の場合、過熱器14の内部または外部に設けられる電気ヒータなどを熱源として、高圧飽和蒸気St1−1を過熱して高圧過熱蒸気St2−1にする。過熱器14は、熱交換式の場合、過熱器14の一次側に供給される過熱媒体を熱源として、過熱媒体と高圧飽和蒸気St1−1とを熱交換させることで高圧飽和蒸気St1−1を過熱して高圧過熱蒸気St2−1にする。この場合、過熱媒体としては、例えば、熱媒ボイラからの高温の熱媒油、ボイラ12から排出される燃焼排ガス、高圧飽和蒸気St1−1よりも温度が高い他のボイラから供給される蒸気などが用いられる。
過熱器14は、制御装置16によって加熱量が制御される。過熱器14における加熱量は、過熱器14内を通過する高圧飽和蒸気St1−1に付与される熱量に相当する。過熱器14における加熱量は、過熱器14が電気式の場合には、制御装置16が過熱器14内の電気ヒータへの電圧を調節することで増減することができる。また、過熱器14における加熱量は、過熱器14が熱交換式の場合には、制御装置16が過熱器14内に供給される過熱媒体の供給量(流量)、温度などを調節することで増減することができる。過熱器14における加熱量が大きくなるほど、高圧飽和蒸気St1−1に付与する熱量が大きくなるため、高圧過熱蒸気St2−1の過熱度は高くなる。
なお、高圧過熱蒸気St2−1の過熱度とは、高圧飽和蒸気St1−1を過熱した高圧過熱蒸気St2−1の過熱の度合を表す指標である。高圧過熱蒸気St2−1の過熱度は、例えば、下記式(1)で表すように、高圧過熱蒸気St2−1の温度(過熱蒸気温度)と高圧飽和蒸気St1−1の温度(飽和蒸気温度)との差分で表される。また、中圧過熱蒸気St2−2B、低圧過熱蒸気St2−3Bのそれぞれの過熱度についても同様に下記式(1)で表される。
過熱度(Deg)=過熱蒸気温度(℃)−飽和蒸気温度(℃) ・・・(1)
過熱器15A、15Bは、熱交換式の過熱器である。過熱器15Aは、中圧飽和蒸気St1−2を過熱するものである。過熱器15Bは、低圧飽和蒸気St1−3を過熱するものである。
過熱器15Aは、高圧蒸気分岐配管L15−1から供給される高圧過熱蒸気St2−1を熱源として、中圧飽和蒸気St1−2を過熱して中圧過熱蒸気St2−2Aにする。
過熱器15Bは、中圧蒸気分岐配管L15−2から供給される中圧過熱蒸気St2−2Bを熱源として、低圧飽和蒸気St1−3を過熱して低圧過熱蒸気St2−3Aにする。
過熱器15A、15Bは、制御装置16によって加熱量が制御される。過熱器15Aにおける加熱量は、過熱器15A内を通過する中圧飽和蒸気St1−2に付与する熱量に相当する。過熱器15Bにおける加熱量は、過熱器15B内を通過する低圧飽和蒸気St1−3に付与する熱量に相当する。過熱器15A、15Bにおける加熱量は、過熱器15A、15B内に供給される熱源として用いられる高圧過熱蒸気St2−1、中圧過熱蒸気St2−2Bの供給量(流量)を流量調整弁V11、V12を用いて調節することで増減することができる。
[センサ]
蒸気供給経路L11は、種々のセンサを含んでいる。これらのセンサは、制御装置16と電気的に接続されている。本実施形態においては、蒸気供給経路L11は、圧力センサ24−1〜24−3、蒸気温度センサ25−1〜25−3を含む。
圧力センサ24−1〜24−3は、高圧飽和蒸気配管L13−1、中圧飽和蒸気配管L13−2および低圧飽和蒸気配管L13−3にそれぞれ設けられている。圧力センサ24−1〜24−3は、高圧飽和蒸気配管L13−1、中圧飽和蒸気配管L13−2および低圧飽和蒸気配管L13−3内のそれぞれの圧力を検出するものである。
蒸気温度センサ25−1〜25−3は、高圧過熱蒸気配管L14−1、中圧過熱蒸気配管L14−2および低圧過熱蒸気配管L14−3にそれぞれ設けられている。蒸気温度センサ25−1〜25−3は、高圧過熱蒸気配管L14−1、中圧過熱蒸気配管L14−2および低圧過熱蒸気配管L14−3内を流れる高圧過熱蒸気St2−1、中圧過熱蒸気St2−2Bおよび低圧過熱蒸気St2−3Bの温度をそれぞれ検出するものである。
圧力センサ24−1〜24−3、蒸気温度センサ25−1〜25−3は、それぞれの検出結果に対応した電気信号を制御装置16に送信する。
[制御装置]
制御装置16は、本実施形態に係る蒸気供給システム10Aの各部を制御するものである。制御装置16は、例えば、圧力センサ24−1〜24−3、蒸気温度センサ25−1〜25−3などの本実施形態に係る蒸気供給システム10Aの各所に取り付けられた種々のセンサが電気的に接続され、検出結果に対応した電気信号が入力される。また、制御装置16は、各種センサから入力された各種入力信号、各種マップなどに基づいて、過熱器14、圧力調整弁21−1〜21−3、流量調整弁V11、V12などの各部に制御信号を出力し、これらを制御する。
制御装置16は、過熱器14を制御し過熱器14における加熱量を調節することで、過熱器14で過熱される高圧過熱蒸気St2−1の過熱度を調節することができる。制御装置16は、過熱器14が電気式である場合には、過熱器14内の電気ヒータなどへの電圧を制御することで、過熱器14における加熱量を調節し、高圧過熱蒸気St2−1の過熱度を所定の過熱度としての目標過熱度に調節することができる。なお、この目標過熱度は、制御装置16により設定される。制御装置16は、過熱器14が熱交換式である場合には、過熱器14内に供給される熱交換媒体の供給量、温度などを制御することで、過熱器14における加熱量を調節し、高圧過熱蒸気St2−1の過熱度を目標過熱度に調節することができる。このとき、制御装置16は、例えば、圧力センサ24−1が検出した高圧飽和蒸気配管L13−1内の圧力から求められる高圧飽和蒸気St1−1の飽和蒸気温度と、蒸気温度センサ25−1が検出した過熱蒸気温度とに基づいて、上記式(1)を用いて、過熱器14で過熱された高圧過熱蒸気St2−1の実際の過熱度を算出することができる。これにより、制御装置16は、実際の過熱度を目標過熱度と比較して実際の過熱度と目標過熱度との差を算出することができる。このため、制御装置16は、過熱器14で過熱した高圧過熱蒸気St2−1の過熱度が目標過熱度に調節されているか否かを判定することができる。
ここで、目標過熱度とは、過熱器14で過熱された高圧過熱蒸気St2−1の目標とする過熱度である。この目標過熱度は、例えば、高圧過熱蒸気配管L14−1で高圧過熱蒸気St2−1を蒸気使用機器11Aまで送った際に、高圧過熱蒸気St2−1が蒸気使用機器11Aに至る前にドレンが発生しない過熱度である。
制御装置16は、蒸気使用機器11Aで許容される過熱度以下である所望の過熱度、蒸気供給経路L11の放熱量などに基づいて目標過熱度を設定する。ここで、所望の過熱度には、蒸気使用機器11Aに高圧過熱蒸気St2−1が届いたときにほぼ飽和状態である蒸気などを含む概念である。蒸気供給経路L11の放熱量は、高圧飽和蒸気St1−1および高圧過熱蒸気St2−1が蒸気供給経路L11を通って蒸気使用機器11Aに送気されるまでに放熱される熱量に相当する。この蒸気供給経路L11の放熱量は、作業者などによって予め現場で調査、計測された放熱量を固定値として用いてもよいし、制御装置16によって適宜算出してもよい。後者の場合、制御装置16は、例えば、蒸気供給経路L11の状況に関する情報、周囲の環境を表す指標、高圧飽和蒸気配管L13−1内の圧力を表す指標などに応じて蒸気供給経路L11の放熱量を算出することができる。蒸気供給経路L11の状況に関する情報は、例えば、蒸気供給経路L11の全長、敷設位置、フランジ形状などの配管構成、配管の熱伝導率、断熱材の性能、分岐管の数、各種弁の数、分岐管に接続された他の機器の作動状態、各種弁の作動状態などに関する情報などである。上記周囲の環境を表す指標は、例えば、蒸気供給経路L11の周囲の気温の他、湿度、季節、時間帯などである。高圧飽和蒸気配管L13−1内の圧力を表す指標は、例えば、圧力センサ24−1によって検出される高圧飽和蒸気配管L13−1内の圧力などである。
そして、制御装置16は、現時点での高圧過熱蒸気配管L14−1の放熱量、ボイラ12から送気される高圧飽和蒸気St1−1の乾き度、蒸気使用機器11Aで許容される過熱度などに基づいて、過熱器14で過熱される高圧過熱蒸気St2−1の目標過熱度を設定する。すなわち、制御装置16は、過熱器14で過熱された高圧過熱蒸気St2−1が蒸気使用機器11Aまで送気される際、蒸気使用機器11Aに至る前に蒸気供給経路L11からの放熱でドレンが発生することなく、蒸気使用機器11Aで許容される過熱度で蒸気使用機器11Aに供給されるように、目標過熱度を設定する。さらに言えば、制御装置16は、過熱器14で過熱される高圧過熱蒸気St2−1の過熱分の熱量が、上記で算出した高圧過熱蒸気配管L14−1の放熱量と同等、または当該算出した高圧過熱蒸気配管L14−1の放熱量より所定量高い熱量となるように目標過熱度を設定する。ここで、上記所定量は、例えば、蒸気使用機器11Aに影響を与えない程度の熱量である。
制御装置16は、上記のように設定された目標過熱度に基づいて、過熱器14を制御し、高圧過熱蒸気St2−1の過熱度を調節する。ここでは、制御装置16は、圧力センサ24−1が検出した高圧飽和蒸気配管L13−1内の圧力から求められる高圧飽和蒸気St1−1の飽和蒸気温度と、蒸気温度センサ25−1が検出した過熱蒸気温度とに応じて現時点での実際の高圧過熱蒸気St2−1の過熱度を算出する。そして、制御装置16は、算出した現時点での実際の高圧過熱蒸気St2−1の過熱度が、上記目標過熱度となるように過熱器14を制御する。この場合、制御装置16は、過熱器14を制御して過熱器14における加熱量を調節することで、過熱器14で過熱される高圧過熱蒸気St2−1の過熱度を目標過熱度に調節する。
この結果、制御装置16は、過熱器14で過熱される高圧過熱蒸気St2−1の過熱分の熱量を、算出した蒸気供給経路L11の放熱量と同等、または算出した蒸気供給経路L11の放熱量より所定量高い熱量に制御することができる。すなわち、制御装置16は、スチームヘッダ13から送気される高圧飽和蒸気St1−1の過熱分の熱量として蒸気供給経路L11の放熱量と同等、またはわずかに高い熱量を持つ高圧過熱蒸気St2−1となるように過熱器14を制御することができる。この結果、本実施形態に係る蒸気供給システム10Aは、過熱器14で過熱される高圧過熱蒸気St2−1の過熱度を蒸気使用機器11Aまでドレンが発生しない過熱度として、蒸気使用機器11Aに高圧過熱蒸気St2−1を送ることができる。
また、制御装置16は、中圧過熱蒸気St2−2B、低圧過熱蒸気St2−3Bの過熱度を、目標過熱度に調節する。具体的には、制御装置16は、過熱器15Aの一次側の蒸気流入口に供給される高圧過熱蒸気St2−1の供給量を流量調整弁V11で調節して過熱器15Aにおける加熱量を調節し、中圧過熱蒸気St2−2Aの過熱度を調節する。また、過熱器15Aから排出される蒸気St3−1は高圧蒸気排出管L16−1を通って中圧過熱蒸気配管L14−2で中圧過熱蒸気St2−2Aと混合される。そのため、制御装置16は、中圧過熱蒸気St2−2Aに蒸気St3−1が混合されることを考慮して、中圧過熱蒸気St2−2Bの過熱度が目標過熱度となるように、中圧過熱蒸気St2−2Aの過熱度を調節する。
また、制御装置16は、過熱器15Bの一次側の蒸気流入口に供給される中圧過熱蒸気St2−2Bの供給量を調節して、過熱器15Bにおける加熱量を調節し、低圧過熱蒸気St2−3Aの過熱度を調節する。また、過熱器15Bから排出される蒸気St3−2は、中圧蒸気排出管L16−2を通って低圧過熱蒸気配管L14−3で低圧過熱蒸気St2−3Aと混合される。そのため、制御装置16は、過熱器15Aで中圧過熱蒸気St2−2Aに過熱する場合と同様、低圧過熱蒸気St2−3Aに蒸気St3−2が混合されることを考慮して、低圧過熱蒸気St2−3Bの過熱度が目標過熱度となるように、低圧過熱蒸気St2−3Aの過熱度を調節する。
なお、過熱器15A、15Bで過熱媒体として使用された蒸気St3−1、St3−2は、それぞれ中圧過熱蒸気St2−2A、低圧過熱蒸気St2−3Aに対して圧力が高い、ドレンを含んだ蒸気となって高圧蒸気排出管L16−1、中圧蒸気排出管L16−2に排出される。蒸気St3−1、St3−2は、減圧弁22−1、22−2で減圧され膨張して温度が上昇する。この減圧膨張で生じた熱により蒸気St3−1、St3−2中に含まれるドレンの少なくとも一部は蒸発する。そのため、蒸気St3−1、St3−2から生じるドレン量と、減圧で生じた熱により蒸気中のドレンが蒸発する量とによっては、蒸気St3−1、St3−2がドレンを一部含んだ状態で中圧過熱蒸気配管L14−2、低圧過熱蒸気配管L14−3に流れ込む可能性がある。そのため、制御装置16は、蒸気St3−1、St3−2が、それぞれ中圧過熱蒸気St2−2A、低圧過熱蒸気St2−3Aと混合することで、中圧過熱蒸気St2−2B、低圧過熱蒸気St2−3Bの過熱度が上昇する場合を想定して、中圧過熱蒸気St2−2A、低圧過熱蒸気St2−3Aの過熱度を目標過熱度より低くする。一方、制御装置16は、蒸気中にドレンが残っている場合、そのドレン量によって中圧過熱蒸気St2−2B、低圧過熱蒸気St2−3Bの過熱度が下がることを予測して中圧過熱蒸気St2−2A、低圧過熱蒸気St2−3Aの過熱度を高めに制御する。
このように、制御装置16は、中圧過熱蒸気St2−2B、低圧過熱蒸気St2−3Bの過熱度についても、蒸気使用機器11B、11Cまでドレンが発生しない過熱度として、蒸気使用機器11B、11Cに中圧過熱蒸気St2−2B、低圧過熱蒸気St2−3Bをそれぞれ送気することができる。
具体的には、制御装置16は、少なくとも、圧力センサ24−2、24−3がそれぞれ検出した圧力から換算される飽和蒸気温度と、蒸気温度センサ25−2、25−3が検出した過熱蒸気温度との検出結果に基づいて、上記式(1)を用いて、中圧過熱蒸気St2−2B、低圧過熱蒸気St2−3Bのそれぞれの実際の過熱度を算出する。これにより、制御装置16は、中圧過熱蒸気St2−2B、低圧過熱蒸気St2−3Bの過熱度が所定の過熱度に調節されているか否かを判定することができる。制御装置16は、圧力センサ24−2と蒸気温度センサ25−2との検出結果と、圧力センサ24−3と蒸気温度センサ25−3との検出結果とに基づいて流量調整弁V11、V12を制御する。これにより、過熱器15A、15Bの一次側の蒸気流入口にそれぞれに送られる高圧過熱蒸気St2−1、中圧過熱蒸気St2−2Bの供給量が制御されると共に、中圧過熱蒸気St2−2A、低圧過熱蒸気St2−3Aに混合される蒸気St3−1、St3−2の供給量が制御される。この結果、制御装置16は、中圧過熱蒸気St2−2B、低圧過熱蒸気St2−3Bの過熱度を調節することができ、算出した中圧過熱蒸気St2−2B、低圧過熱蒸気St2−3Bの実際の過熱度を所定の過熱度とすることができる。
よって、制御装置16は、中圧過熱蒸気St2−2B、低圧過熱蒸気St2−3Bの過熱分の熱量を、蒸気供給経路L11の放熱量と同等またはわずかに高い熱量となるように制御することができる。これにより、本実施形態に係る蒸気供給システム10Aは、中圧過熱蒸気St2−2B、低圧過熱蒸気St2−3Bの過熱度を蒸気使用機器11B、11Cまでドレンが発生しない過熱度として中圧過熱蒸気St2−2B、低圧過熱蒸気St2−3Bを蒸気使用機器11B、11Cに送気することができる。
つぎに、以上の構成を有する本実施形態に係る蒸気供給システム10Aの動作を図1を参照にしつつ説明する。まず、本実施形態に係る蒸気供給システム10Aは、ボイラ12で発生させた飽和蒸気St1が蒸気供給経路L11の飽和蒸気配管L12を介してスチームヘッダ13に送気される。そして、飽和蒸気St1のうち、高圧飽和蒸気配管L13−1の圧力調整弁21−1で高圧に調整された高圧飽和蒸気St1−1は、高圧飽和蒸気配管L13−1を通って過熱器14に送気される。また、飽和蒸気St1のうち中圧飽和蒸気配管L13−2の圧力調整弁21−2で中圧に調整された中圧飽和蒸気St1−2は、中圧飽和蒸気配管L13−2を通って過熱器15Aに送気される。また、飽和蒸気St1のうち低圧飽和蒸気配管L13−3の圧力調整弁21−3で低圧に調整された低圧飽和蒸気St1−3は、低圧飽和蒸気配管L13−3を通って過熱器15Bに送気される。
次いで、本実施形態に係る蒸気供給システム10Aは、過熱器14、15A、15Bで高圧飽和蒸気St1−1、中圧飽和蒸気St1−2および低圧飽和蒸気St1−3を、所定の過熱度の高圧過熱蒸気St2−1、中圧過熱蒸気St2−2Aおよび低圧過熱蒸気St2−3Aとなるように過熱する。具体的には、高圧飽和蒸気St1−1は過熱器14内で同じ圧力で過熱された高圧過熱蒸気St2−1となる。このとき、制御装置16は、過熱器14の加熱量を制御して高圧過熱蒸気St2−1の過熱度を所望の過熱度に調節する。所望の過熱度に調節された高圧過熱蒸気St2−1は、高圧過熱蒸気配管L14−1を通って蒸気使用機器11Aに送気される。
また、高圧過熱蒸気配管L14−1内を通る高圧過熱蒸気St2−1の一部は高圧蒸気分岐配管L15−1から過熱器15Aに過熱媒体として供給される。この過熱器15Aに供給される高圧過熱蒸気St2−1の流量は流量調整弁V11により調整される。過熱器15A内を流れる中圧飽和蒸気St1−2は、過熱器15A内で高圧過熱蒸気St2−1と熱交換により過熱され、中圧過熱蒸気St2−2Aとなる。また、過熱器15A内で中圧飽和蒸気St1−2の過熱媒体として用いられた蒸気St3−1は、高圧蒸気排出管L16−1を通って、中圧過熱蒸気St2−2Aに混合される。これにより、所望の過熱度を有する中圧過熱蒸気St2−2Bとなる。中圧過熱蒸気St2−2Bは、中圧過熱蒸気配管L14−2を通って蒸気使用機器11Bへ送気される。
また、中圧過熱蒸気配管L14−2内を通る中圧過熱蒸気St2−2Bの一部は中圧蒸気分岐配管L15−2から過熱器15Bに過熱媒体として供給される。この過熱器15Bに供給される中圧過熱蒸気St2−2Bの流量は流量調整弁V12により調整される。過熱器15B内を流れる低圧飽和蒸気St1−3は、過熱器15B内で中圧過熱蒸気St2−2Bと熱交換により過熱され、低圧過熱蒸気St2−3Aとなる。また、過熱器15B内で低圧飽和蒸気St1−3の過熱媒体として用いられた蒸気St3−2は、中圧蒸気排出管L16−2を通って、低圧過熱蒸気St2−3Aに混合される。これにより、所望の過熱度を有する低圧過熱蒸気St2−3Bとなる。低圧過熱蒸気St2−3Bは、低圧過熱蒸気配管L14−3を通って蒸気使用機器11Cへ送気される。
なお、所望の過熱度とは、蒸気使用機器11A〜11Cに送気される蒸気が蒸気使用機器11A〜11Cの入口において乾き度100%の飽和蒸気または蒸気使用機器11A〜11Cで許容される過熱度以下の過熱蒸気の過熱度をいう。
このように、本実施形態に係る蒸気供給システム10Aは、過熱器15A、15Bと、高圧蒸気排出管L16−1と、中圧蒸気排出管L16−2とを備えている。本実施形態に係る蒸気供給システム10Aは、過熱器15Aで、高圧過熱蒸気St2−1を中圧飽和蒸気St1−2の過熱に用い、中圧飽和蒸気St1−2を中圧過熱蒸気St2−2Aとしている。そして、過熱器15Aで過熱媒体として用いた蒸気St3−1は高圧蒸気排出管L16−1を通して中圧過熱蒸気St2−2Aと混合し、中圧過熱蒸気St2−2Bとなる。また、本実施形態に係る蒸気供給システム10Aは、過熱器15Bで、中圧過熱蒸気St2−2Bを低圧飽和蒸気St1−3の過熱に用い、低圧飽和蒸気St1−3は低圧過熱蒸気St2−3Aとなる。そして、過熱器15Bで過熱媒体として用いた蒸気St3−2は中圧蒸気排出管L16−2を通して低圧過熱蒸気St2−3Aと混合し、低圧過熱蒸気St2−3Bとなる。すなわち、本実施形態に係る蒸気供給システム10Aによれば、過熱器15Aで中圧飽和蒸気St1−2の過熱媒体として用いた蒸気St3−1を中圧過熱蒸気St2−2Aに混合して中圧過熱蒸気St2−2Bとして利用することができる。また、過熱器15Bで低圧飽和蒸気St1−3の過熱媒体として用いた蒸気St3−2を低圧過熱蒸気St2−3Aに混合して低圧過熱蒸気St2−3Bとして利用することができる。したがって、本実施形態に係る蒸気供給システム10Aによれば、高圧側の過熱蒸気を低圧側の飽和蒸気の過熱媒体として用いると共に、過熱媒体として用いた高圧側の過熱蒸気を低圧側の過熱蒸気に混合して利用することにより、過熱媒体として用いた高圧側の過熱蒸気の保有する熱を有効利用することができるため、エネルギー全体の有効利用を図ることができる。これにより、システム全体のエネルギー損失の低減を図ることができる。
また、本実施形態に係る蒸気供給システム10Aは、中圧過熱蒸気配管L14−2および低圧過熱蒸気配管L14−3でのドレンの発生を抑制することができるため、例えば、中圧過熱蒸気配管L14−2および低圧過熱蒸気配管L14−3上のスチームトラップの数を削減することができ、トラップロス、トラップ配管ロスなどを抑制することができる。これにより、本実施形態に係る蒸気供給システム10Aは、より効率のよい運転を行うことができると共に製造コストを削減することができる。また、保守点検の負担を低減することができる。
また、本実施形態に係る蒸気供給システム10Aは、中圧過熱蒸気配管L14−2および低圧過熱蒸気配管L14−3の放熱量を考慮して、中圧過熱蒸気St2−2Bおよび低圧過熱蒸気St2−3Bのそれぞれの過熱度を所定の過熱度となるように過熱器15A、15Bでの加熱量を制御できる。このため、中圧過熱蒸気St2−2Bおよび低圧過熱蒸気St2−3Bを蒸気使用機器11B、11Cの直前までドレンが発生しないように蒸気使用機器11B、11Cに送気することができる。そのため、本実施形態に係る蒸気供給システム10Aは、中圧過熱蒸気配管L14−2および低圧過熱蒸気配管L14−3の状況の変化、季節、一日のうちの気温変動などに伴った周囲の環境の変化、中圧過熱蒸気配管L14−2および低圧過熱蒸気配管L14−3内の圧力の変動などにより中圧過熱蒸気配管L14−2および低圧過熱蒸気配管L14−3の放熱量が変化しても、中圧過熱蒸気St2−2B、低圧過熱蒸気St2−3Bの過熱度をこれらの変動に追従させることができる。これにより、本実施形態に係る蒸気供給システム10Aは、精度よく中圧過熱蒸気St2−2Bおよび低圧過熱蒸気St2−3Bの過熱度を調節することができるので、蒸気供給経路L11の状況、周囲の環境、蒸気供給経路L11内の圧力などの変化に応じてより確実に中圧過熱蒸気配管L14−2および低圧過熱蒸気配管L14−3でドレンが発生することを抑制することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更をすることが可能である。例えば、本実施形態に係る蒸気供給システム10Aは、高圧飽和蒸気St1−1、中圧飽和蒸気St1−2および低圧飽和蒸気St1−3をそれぞれ過熱することで、高圧過熱蒸気St2−1、中圧過熱蒸気St2−2Aおよび低圧過熱蒸気St2−3Aとして、圧力の異なる飽和蒸気の数に応じて過熱蒸気に過熱されるようにしているが、これに限定されるものではない。本実施形態に係る蒸気供給システム10Aの他の構成の一例を図2に示す。図2に示すように、本実施形態に係る蒸気供給システム10Bは、高圧飽和蒸気配管L13−1と高圧過熱蒸気配管L14−1との間に過熱器14を設けず、高圧飽和蒸気配管L13−1を蒸気使用機器11Aに接続して高圧飽和蒸気配管L13−1を通る高圧飽和蒸気St1−1を過熱することなく蒸気使用機器11Aに送気するようにしてもよい。この場合、高圧飽和蒸気St1−1が過熱器15Aで過熱媒体として用いられる。中圧飽和蒸気St1−2は過熱器15Aにおいて高圧飽和蒸気St1−1で過熱され、中圧過熱蒸気St2−2Aとなる。また、過熱器15Aで中圧飽和蒸気St1−2の過熱媒体として用いられた蒸気St4−1は、高圧蒸気排出管L16−1を介して中圧過熱蒸気St2−2と混合し、中圧過熱蒸気St2−2Bとして利用することができる。
また、本実施形態においては、高圧飽和蒸気St1−1、中圧飽和蒸気St1−2、低圧飽和蒸気St1−3の圧力が異なる3種類の飽和蒸気を用いるようにしているが、本実施形態に係る蒸気供給システム10Aは、これに限定されるものではなく、高圧と低圧の2種類の圧力が異なる飽和蒸気でもよいし、更に4種類以上の圧力が異なる飽和蒸気を用いるようにしてもよい。
また、本実施形態においては、スチームヘッダ13で高圧飽和蒸気St1−1、中圧飽和蒸気St1−2、低圧飽和蒸気St1−3の圧力が異なる3種類の飽和蒸気を生成するようにしているが、本実施形態に係る蒸気供給システム10Aは、これに限定されるものではない。例えば、高圧飽和蒸気St1−1を発生させる1つ以上の高圧用ボイラ、中圧飽和蒸気St1−2を発生させる1つ以上の中圧用ボイラ、低圧飽和蒸気St1−3を発生させる1つ以上の低圧用ボイラなど、圧力が異なる飽和蒸気を発生させる複数のボイラを用いてもよい。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係る蒸気供給システムについて説明する。図3は、本発明の第2の実施形態に係る蒸気供給システムの概略構成を示す図である。本実施形態に係る蒸気供給システムは、図1に示す第1の実施形態に係る蒸気供給システム10Aの中圧蒸気分岐配管L15−2を設けず、高圧過熱蒸気配管L14−1と過熱器15Bとを接続する高圧蒸気分岐配管を備えたこと以外は第1の実施形態に係る蒸気供給システム10Aと同様であるため、重複した説明は省略する。
図3に示すように、本実施形態に係る蒸気供給システム30は、高圧過熱蒸気St2−1を過熱器15A、15Bにそれぞれ個別に供給して中圧飽和蒸気St1−2、低圧飽和蒸気St1−3の過熱用の熱源に用いるものである。具体的には、本実施形態に係る蒸気供給システム30は、高圧蒸気分岐配管L15−1、L15−3を有する。高圧蒸気分岐配管L15−3は、高圧過熱蒸気配管L14−1と過熱器15Bの一次側の蒸気流入口とを接続している。なお、高圧蒸気分岐配管L15−3は流量調節弁V13を含み、高圧蒸気分岐配管L15−3に供給される高圧過熱蒸気St2−1の流量は流量調節弁V13により調整される。
本実施形態に係る蒸気供給システム30は、高圧過熱蒸気配管L14−1を通る高圧過熱蒸気St2−1の一部を高圧蒸気分岐配管L15−3から過熱器15Bの一次側の蒸気流入口に供給して、低圧飽和蒸気St1−3を過熱して低圧過熱蒸気St2−3Aとする。また、高圧過熱蒸気配管L14−1を通る高圧過熱蒸気St2−1の一部を高圧蒸気分岐配管L15−1から過熱器15Aの一次側の蒸気流入口に供給して、中圧飽和蒸気St1−2を過熱して中圧過熱蒸気St2−2Aとする。高圧過熱蒸気St2−1は中圧過熱蒸気St2−2Bよりも高温であるため、過熱媒体として、高圧過熱蒸気St2−1の方が中圧過熱蒸気St2−2Bよりも少ない蒸気量で低圧飽和蒸気St1−3を過熱することができる。
また、過熱器15Aの一次側の蒸気流出口から排出される蒸気St3−1は、高圧蒸気排出管L16−1を通って中圧過熱蒸気St2−2Aと混合され、所定の過熱度を有する中圧過熱蒸気St2−2Bとなる。中圧過熱蒸気St2−2Bは中圧過熱蒸気配管L14−2を通って蒸気使用機器11Bへ送気される。また、過熱器15B内で低圧飽和蒸気St1−3の一次側の蒸気流出口から排出される蒸気St3−3は、中圧蒸気排出管L16−2を通って低圧過熱蒸気St2−3Aと混合され、所定の過熱度を有する低圧過熱蒸気St2−3Bとなる。低圧過熱蒸気St2−3Bは低圧過熱蒸気配管L14−3を通って蒸気使用機器11Cへ送気される。
よって、本実施形態に係る蒸気供給システム30によれば、過熱器15A、15Bで中圧飽和蒸気St1−2、低圧飽和蒸気St1−3の過熱媒体として高圧過熱蒸気St2−1を用いることができる。そして、過熱器15A、15Bで過熱媒体として用いた蒸気St3−1、St3−3を、中圧過熱蒸気St2−2A、低圧過熱蒸気St2−3Aにそれぞれ混合して中圧過熱蒸気St2−2B、低圧過熱蒸気St2−3Bとして利用することができる。このため、低圧過熱蒸気St2−3Bにより効率良く過熱することができるため、更にエネルギー全体の有効利用の効率を向上させることができる。これにより、システム全体のエネルギー損失の更なる低減を図ることができる。
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態に係る蒸気供給システムについて説明する。図4は、本発明の第3の実施形態に係る蒸気供給システムの概略構成を示す図である。本実施形態に係る蒸気供給システムは、図1に示す第1の実施形態に係る蒸気供給システム10Aの高圧蒸気分岐配管L15−1および中圧蒸気分岐配管L15−2の高圧側の蒸気の流入口の位置を変更したこと以外は第1の実施形態に係る蒸気供給システム10Aと同様であるため、重複した説明は省略する。
図4に示すように、本実施形態に係る蒸気供給システム40Aは、高圧蒸気分岐配管L15−1および中圧蒸気分岐配管L15−2の高圧側の蒸気の流入口の位置をそれぞれ過熱器14、15Aよりも蒸気の流れ方向の上流側とし、過熱器14、15Aでの中圧飽和蒸気St1−2、低圧飽和蒸気St1−3の過熱用の熱源に、高圧飽和蒸気St1−1、中圧飽和蒸気St1−2を用いたものである。具体的には、本実施形態に係る蒸気供給システム40Aは、高圧蒸気分岐配管L15−1により、高圧飽和蒸気配管L13−1を流れる高圧飽和蒸気St1−1の一部を過熱器15Aの一次側の蒸気流入口に供給するように構成されている。また、中圧蒸気分岐配管L15−2により、中圧飽和蒸気配管L13−2を流れる中圧飽和蒸気St1−2の一部を過熱器15Bの一次側の蒸気流入口に供給するように構成されている。
これにより、高圧飽和蒸気配管L13−1を流れる高圧飽和蒸気St1−1の一部は高圧蒸気分岐配管L15−1から過熱器15Aに供給され、過熱器15Aで中圧飽和蒸気St1−2を過熱して中圧過熱蒸気St2−2Aとしている。過熱器15A内で中圧飽和蒸気St1−2の過熱媒体として用いられた蒸気St4−1は、高圧蒸気排出管L16−1を通って、中圧過熱蒸気St2−2Aと混合され、中圧過熱蒸気St2−2Bとして利用される。また、中圧飽和蒸気配管L13−2を流れる中圧飽和蒸気St1−2の一部は中圧蒸気分岐配管L15−2から過熱器15Bに供給され、過熱器15Bで低圧飽和蒸気St1−3を過熱して低圧過熱蒸気St2−3Aとしている。過熱器15B内で低圧飽和蒸気St1−3の過熱媒体として用いられた蒸気St4−2は、中圧蒸気排出管L16−2を通って、低圧過熱蒸気St2−3Aと混合され、低圧過熱蒸気St2−3Bとして利用される。
高圧飽和蒸気St1−1、中圧飽和蒸気St1−2のように飽和蒸気を過熱媒体として使用することにより、過熱器15Aでは過熱媒体として用いられる高圧飽和蒸気St1−1が通る伝熱管(流通管)で高圧飽和蒸気St1−1が凝縮して熱伝達率が大きくなることで、高圧飽和蒸気St1−1の伝熱効率を向上させることができる。また、過熱器15Bにおいても、過熱器15Aと同様に、過熱媒体として用いられる中圧飽和蒸気St1−2が通る流通管で中圧飽和蒸気St1−2が凝縮して熱伝達率が大きくなることで、中圧飽和蒸気St1−2の伝熱効率を向上させることができる。そのため、過熱器15A、15Bにおいて、高圧飽和蒸気St1−1、中圧飽和蒸気St1−2を過熱媒体として使用することで、過熱器15A、15Bの過熱媒体に使用する蒸気の量を少なくして、中圧飽和蒸気St1−2、低圧飽和蒸気St1−3を効率的に過熱することができる。
また、本実施形態においては、中圧飽和蒸気St1−2、低圧飽和蒸気St1−3を過熱する際、過熱媒体はいずれも飽和蒸気である必要はない。本実施形態に係る蒸気供給システム40Aの他の構成の一例を図5に示す。図5に示すように、本実施形態に係る蒸気供給システム40Bは、中圧飽和蒸気St1−2を過熱する際の過熱媒体には高圧過熱蒸気St2−1を用い、低圧飽和蒸気St1−3を過熱する際の過熱媒体には中圧飽和蒸気St1−2を用いている。高圧の領域では過熱媒体となる高圧飽和蒸気St1−1と被過熱媒体である中圧飽和蒸気St1−2との潜熱の差が小さい。そのため、過熱器15Aでは、高圧過熱蒸気St2−1を過熱用の熱媒体として使用し、過熱器15Bでは、中圧飽和蒸気St1−2を過熱用の熱媒体として使用することで、過熱器15A、15Bのそれぞれで過熱媒体に使用する蒸気の量を少なくすることができる。よって、本実施形態に係る蒸気供給システム40Bは、中圧飽和蒸気St1−2、低圧飽和蒸気St1−3を更に効率的に過熱することができる。
また、本実施形態においては、中圧飽和蒸気St1−2を中圧過熱蒸気St2−2Aに過熱する際の過熱源には高圧飽和蒸気St1−1を用い、低圧飽和蒸気St1−3を低圧過熱蒸気St2−3Aに過熱する際の過熱源には中圧過熱蒸気St2−2A、St2−2Bを用いてもよい。また、低圧飽和蒸気St1−3を低圧過熱蒸気St2−3Aに過熱する際の過熱源に高圧過熱蒸気St2−1および中圧飽和蒸気St1−2の両方を用いてもよい。
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態に係る蒸気供給システムについて説明する。図6は、本発明の第4の実施形態に係る蒸気供給システムの概略構成を示す図である。なお、本実施形態に係る蒸気供給システムは、図1に示す第1の実施形態に係る蒸気供給システム10Aの過熱器15A、15Bを設けず、高圧過熱蒸気配管L14−1と中圧飽和蒸気配管L13−2とを接続する高圧蒸気分岐配管と、中圧過熱蒸気配管L14−2と低圧飽和蒸気配管L13−3とを接続する中圧蒸気分岐配管とを備えたこと以外は第1の実施形態に係る蒸気供給システム10Aと同様であるため、重複した説明は省略する。
図6に示すように、本実施形態に係る蒸気供給システム50は、高圧蒸気分岐配管L15−4と、中圧蒸気分岐配管L15−5とを有する。高圧蒸気分岐配管L15−4は、高圧過熱蒸気配管L14−1と中圧飽和蒸気配管L13−2とを接続している。中圧蒸気分岐配管L15−5は、中圧過熱蒸気配管L14−2と低圧飽和蒸気配管L13−3とを接続している。また、高圧蒸気分岐配管L15−4は減圧弁22−3を含み、中圧蒸気分岐配管L15−5は減圧弁22−4を含む。減圧弁22−3は、高圧過熱蒸気St2−1を中圧飽和蒸気配管L13−2へ送気するための圧力調整用のバルブである。減圧弁22−4は、中圧過熱蒸気St2−2を低圧飽和蒸気配管L13−3へ送気するための圧力調整用のバルブである。
制御装置16は流量調整弁V11を制御して、高圧過熱蒸気配管L14−1を通る高圧過熱蒸気St2−1の一部を高圧蒸気分岐配管L15−4から中圧飽和蒸気配管L13−2に供給して、中圧飽和蒸気St1−2に混合する。中圧飽和蒸気St1−2は高圧過熱蒸気St2−1で過熱されて中圧過熱蒸気St2−2となる。中圧過熱蒸気St2−2は中圧飽和蒸気St1−2に混合される高圧過熱蒸気St2−1の量に応じて、所定の過熱度を有する中圧過熱蒸気St2−2となる。中圧過熱蒸気St2−2は中圧過熱蒸気配管L14−2を通って蒸気使用機器11Bへ送気される。
また、制御装置16は流量調整弁V12を制御して、中圧蒸気分岐配管L15−5を通る中圧過熱蒸気St2−2の一部を中圧蒸気分岐配管L15−5から低圧飽和蒸気配管L13−3に供給して、低圧飽和蒸気St1−3に混合する。低圧飽和蒸気St1−3は中圧過熱蒸気St2−2で過熱されて低圧過熱蒸気St2−3となる。低圧過熱蒸気St2−3は低圧飽和蒸気St1−3に混合される中圧過熱蒸気St2−2の量に応じて、所定の過熱度を有する低圧過熱蒸気St2−3となる。低圧過熱蒸気St2−3は低圧過熱蒸気配管L14−3を通って蒸気使用機器11Cへ送気される。
なお、本実施形態においては、中圧飽和蒸気St1−2は高圧過熱蒸気St2−1により過熱されて中圧過熱蒸気St2−2となるため、中圧飽和蒸気配管L13−2が高圧蒸気分岐配管L15−4と接続している箇所より中圧飽和蒸気St1−2の蒸気流れ方向の下流側を中圧過熱蒸気配管L14−2とする。また、低圧飽和蒸気St1−3は中圧過熱蒸気St2−2により過熱されて低圧過熱蒸気St2−3となるため、低圧飽和蒸気配管L13−3が中圧蒸気分岐配管L15−5と接続している箇所より低圧飽和蒸気St1−3の蒸気流れ方向の下流側を低圧過熱蒸気配管L14−3とする。
よって、本実施形態に係る蒸気供給システム50によれば、中圧飽和蒸気St1−2に高圧過熱蒸気St2−1の一部を混合して中圧飽和蒸気St1−2を過熱すると共に、低圧飽和蒸気St1−3に中圧過熱蒸気St2−2の一部を混合して低圧飽和蒸気St1−3を過熱した場合であっても、高圧過熱蒸気St2−1は中圧飽和蒸気St1−2の過熱媒体として用いることができると共に高圧過熱蒸気St2−1を中圧過熱蒸気St2−2として利用することができる。また、中圧過熱蒸気St2−2は低圧飽和蒸気St1−3の過熱媒体として用いることができると共に中圧過熱蒸気St2−2を低圧過熱蒸気St2−3として利用することができる。これにより、高圧過熱蒸気St2−1および中圧過熱蒸気St2−2を有効に利用してシステム全体のエネルギー損失を低減することができる。
なお、本実施形態は、上記実施形態に限定されるものではなく、上記各実施形態において説明した各構成を単独でまたは組み合わせるようにしてもよい。
本実施形態においては、高圧蒸気分岐配管L15−4を中圧飽和蒸気配管L13−2に接続して高圧過熱蒸気St2−1の一部を中圧飽和蒸気St1−2に混合させるようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、図2に示す第1の実施形態に係る蒸気供給システム10Bと同様に、高圧飽和蒸気配管L13−1には過熱器14を設けず、高圧飽和蒸気配管L13−1を通る高圧飽和蒸気St1−1の一部を高圧蒸気分岐配管L15−4から中圧飽和蒸気配管L13−2に供給して中圧過熱蒸気St2−2に混合させるようにしてもよい。これにより、中圧飽和蒸気St1−2は高圧過熱蒸気St2−1で過熱され、中圧過熱蒸気St2−2となる。
また、本実施形態においては、中圧蒸気分岐配管L15−5を低圧飽和蒸気配管L13−3に接続して中圧過熱蒸気St2−2の一部を低圧飽和蒸気St1−3に混合させるようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、図3に示す第2の実施形態に係る蒸気供給システム30と同様に、高圧過熱蒸気配管L14−1と低圧飽和蒸気配管L13−3とを接続する高圧過熱蒸気配管を設けるようにしてもよい。これにより、前記高圧過熱蒸気配管を通る高圧過熱蒸気St2−1の一部を前記高圧蒸気分岐配管から低圧飽和蒸気配管L13−3に供給して、低圧飽和蒸気St1−3に混合させることができる。これにより、低圧飽和蒸気St1−3は高圧過熱蒸気St2−1で過熱され、低圧過熱蒸気St2−3となる。
また、本実施形態においては、高圧蒸気分岐配管L15−4の高圧側の蒸気流入口を高圧過熱蒸気配管L14−1と接続すると共に、中圧蒸気分岐配管L15−5の高圧側の蒸気流入口を中圧過熱蒸気配管L14−2と接続し、中圧飽和蒸気St1−2、低圧飽和蒸気St1−3を過熱する過熱媒体としていずれも過熱蒸気を用いているが、これに限定されるものではない。例えば、図4に示す第3の実施形態に係る蒸気供給システム40Aと同様に、高圧蒸気分岐配管L15−4が高圧飽和蒸気配管L13−1と中圧飽和蒸気配管L13−2とを接続し、中圧蒸気分岐配管L15−5が中圧飽和蒸気配管L13−2と低圧飽和蒸気配管L13−3とを接続するように設け、中圧飽和蒸気St1−2、低圧飽和蒸気St1−3の過熱媒体に高圧飽和蒸気St1−1、中圧飽和蒸気St1−2を用いてもよい。また、他に、図5に示す第3の実施形態に係る蒸気供給システム40Bと同様に、高圧蒸気分岐配管L15−4が高圧過熱蒸気配管L14−1と中圧飽和蒸気配管L13−2とを接続し、中圧蒸気分岐配管L15−5が中圧飽和蒸気配管L13−2と低圧飽和蒸気配管L13−3とを接続するように設け、中圧飽和蒸気St1−2の過熱媒体に高圧過熱蒸気St2−1を用い、低圧飽和蒸気St1−3の過熱媒体に中圧飽和蒸気St1−2を用いるようにしてもよい。
以上、上記各実施形態に係る蒸気供給システム10A、10B、30、40A、40B、50の各構成はこれに限定されるものではなく、上記各実施形態の各構成を適宜組み合わせるようにしてもよい。
10A、10B、30、40A、40B、50 蒸気供給システム
11A〜11C 蒸気使用機器(蒸気使用設備)
12 ボイラ(蒸気発生装置)
13 スチームヘッダ
14 過熱器
15A、15B 過熱器(蒸気過熱装置)
16 制御装置
21−1〜21−3 圧力調整弁
22−1〜22−4 減圧弁
24−1〜24−3 圧力センサ
25−1〜25−3 蒸気温度センサ
L11 蒸気供給経路
L12 飽和蒸気配管(飽和蒸気供給経路)
L13−1 高圧飽和蒸気配管(高圧飽和蒸気供給経路)
L13−2 中圧飽和蒸気配管(中圧飽和蒸気供給経路)
L13−3 低圧飽和蒸気配管(低圧飽和蒸気供給経路)
L14−1 高圧過熱蒸気配管(高圧過熱蒸気供給経路)
L14−2 中圧過熱蒸気配管(中圧過熱蒸気供給経路)
L14−3 低圧過熱蒸気配管(低圧過熱蒸気供給経路)
L15 蒸気分岐配管
L15−1、L15−3、L15−4 高圧蒸気分岐配管
L15−2、L15−5 中圧蒸気分岐配管
L16 蒸気排出管
L16−1 高圧蒸気排出管
L16−2 中圧蒸気排出管
L21−1〜L21−3 バイパス配管(バイパス経路)
St1 飽和蒸気
St1−1 高圧飽和蒸気
St1−2、St4−2 中圧飽和蒸気
St1−3 低圧飽和蒸気
St2−1 高圧過熱蒸気
St2−2A、St2−2B 中圧過熱蒸気
St2−3A、St2−3B 低圧過熱蒸気
St3−1、St3−2、St3−3、St4−1、St4−2 蒸気
V11、V12、V13 流量調整弁

Claims (8)

  1. 圧力の異なる複数の蒸気を蒸気使用設備にそれぞれ供給する複数の蒸気供給経路を備えた蒸気供給システムにおいて、
    前記蒸気供給経路を通る高圧の蒸気の一部で他の前記蒸気供給経路を通る前記高圧の蒸気よりも圧力の低い蒸気を過熱して過熱蒸気とすることを特徴とする蒸気供給システム。
  2. 請求項1において、
    前記蒸気供給経路を通る高圧の蒸気の一部を用いて、他の前記蒸気供給経路を通る前記高圧の蒸気よりも圧力の低い蒸気を過熱する蒸気過熱装置を備え、
    前記蒸気過熱装置に供給した前記高圧の蒸気を、前記圧力の低い蒸気が通る蒸気供給経路の前記蒸気過熱装置の下流側に混合させることを特徴とする蒸気供給システム。
  3. 請求項2において、
    前記圧力の低い蒸気の通る蒸気供給経路に設けた蒸気過熱装置に供給する前記高圧の蒸気は、前記高圧の蒸気が通る蒸気供給経路に設けた蒸気過熱装置で過熱された高圧の蒸気であることを特徴する蒸気供給システム。
  4. 請求項2または3において、
    前記蒸気過熱装置に供給する前記蒸気の供給量を調整する調整装置を備え、
    前記蒸気過熱装置で過熱される前の前記圧力の低い蒸気の圧力と前記蒸気過熱装置で過熱された後の圧力の低い蒸気の温度とに基づいて前記調整装置を制御して前記蒸気過熱装置に供給される前記高圧の蒸気の供給量を調節し、前記蒸気過熱装置で過熱された後の圧力の低い蒸気の過熱度を調整することを特徴とする蒸気供給システム。
  5. 請求項1において、
    前記蒸気供給経路を通る高圧の蒸気の一部を他の前記蒸気供給経路を通る前記圧力の低い蒸気に混合して、前記圧力の低い蒸気を過熱して過熱蒸気とすることを特徴とする蒸気供給システム。
  6. 請求項5において、
    前記圧力の低い蒸気の通る蒸気供給経路に混合する前記高圧の蒸気は、過熱された高圧の蒸気であることを特徴する蒸気供給システム。
  7. 請求項1、5または6の何れか1つにおいて、
    前記蒸気供給路に混合させる前記高圧の蒸気の供給量を調整する調整装置を備え、
    前記高圧の蒸気で過熱される前の前記圧力の低い蒸気の圧力と過熱された後の圧力の低い蒸気の温度とに基づいて前記調整装置を制御して前記圧力の低い蒸気の通る蒸気供給経路に供給される前記高圧の蒸気の供給量を調節し、前記過熱された後の圧力の低い蒸気の過熱度を調整することを特徴とする蒸気供給システム。
  8. 請求項1乃至7の何れか1つにおいて、
    前記圧力の異なる複数の蒸気のうち、最も圧力の高い蒸気は、前記最も圧力の高い蒸気の飽和蒸気温度よりも温度の高い蒸気または蒸気以外の過熱媒体を熱源として用いて過熱されることを特徴とする蒸気供給システム。
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