JP2014055310A - 剛性に優れた薄鋼板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】質量%で、C:0.005〜0.04%、Si:0.5%超1.5%以下、Mn:1.0〜3.0%、Al:0.1%以下、N:0.01%以下を含有し、Ti:0.02〜0.20%およびNb:0.02〜0.20%のうちから選ばれた1種または2種を、炭化物として固定されていないC量C*が0.012〜0.03に、かつCに対するNbの原子比が0.5以下となる鋼素材に、圧延終了温度:850〜950℃とする熱間圧延を施し、650℃以下で巻き取り酸洗したのち、冷延−焼鈍を2回繰返して施す。
【選択図】なし
Description
例えば、特許文献1には、質量%で、C:0.02〜0.15%、Si:1.5%以下、Mn:1.5〜4.0%、Al:1.5%以下、N:0.01%以下、Nb:0.02〜0.40%を含み、かつ炭窒化物として固定されないC量を特定範囲内に限定し、さらにNをNb含有量との関係で特定範囲に限定した組成の鋼素材を、950℃以下での総圧下量を30%以上とし、さらに仕上圧延をAr3〜900℃で終了し、650℃以上で巻取り、酸洗後、50%以上の圧下率で冷間圧延を行い、500℃からの昇温速度を1〜40℃/sとして、780〜900℃の温度に昇温し均熱したのち、500℃までの冷却速度を5℃/s以上の速度で冷却する焼鈍を施す高剛性高強度薄鋼板の製造方法が記載されている。特許文献1に記載された技術では、950℃以下での総圧下量を30%以上とする熱間圧延を施し、未再結晶オーステナイトからのフェライト変態を促進させて、熱延板段階で{113}<110>方位のフェライトを発達させ、その後の冷延、再結晶焼鈍により、{112}<110>を主方位とする組織を形成して、圧延方向に対し直角な方向のヤング率を高めることができるとしている。
(1)鋼素材に、熱間圧延工程と、冷間圧延工程と、焼鈍工程とを順次施して薄鋼板とするにあたり、前記鋼素材を、質量%で、C:0.005〜0.04%、Si:0.5%超1.5%以下、Mn:1.0〜3.0%、P:0.05%以下、S:0.01%以下、Al:0.1%以下、N:0.01%以下を含有し、Ti:0.02〜0.20%およびNb:0.02〜0.20%のうちから1種または2種を含み、かつC、N、S、Ti、Nbが次(1)式
0.012 ≦ C* ≦ 0.03 ‥‥(1)
(ここで、C*=[%C]−(12/93)×[%Nb]−(12/48)×([%Ti]−(48/14)×[%N]−(48/32)×[%S])、[%M]:M元素の含有量(質量%))
および次(2)式
([%Nb]/93)/( [%C]/12) ≦ 0.5 ‥‥(2)
(ここで、[%M]:M元素の含有量(質量%))
を満足するように調整して含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する鋼素材とし、
前記熱間圧延工程を、前記鋼素材に仕上圧延終了温度:850〜950℃とする熱間圧延を施して熱延板としたのち、巻取温度:650℃以下で巻き取る工程とし、前記熱延板に酸洗後、前記冷間圧延工程の1回目として、65%以下の冷延圧下率:R1(%)で冷間圧延を施す第一冷延工程と、前記焼鈍工程の1回目として、(Ac3変態点−150℃)〜(Ac3変態点−50℃)の範囲の均熱温度:T1(℃)まで加熱し、該均熱温度で300s以下の時間保持したのち、500℃までを平均冷却速度:50℃/s以下の冷却速度で冷却する第一焼鈍工程とを、前記冷延圧下率:R1(%)と前記均熱温度:T1(℃)が次(3)式
0.06 ≦|ln(1-R1/100)|×(Ac3変態点−T1)/(Ac3変態点−727) ≦ 0.30 ‥‥(3)
(ただし、R1:65%以下、ここで、Ac3変態点(℃)=910−203×C0.5+44.7×Si−30×Mn+700×P+400×Al−15.2×Ni−11×Cr−20×Cu+31.5×Mo+104×V+400×Ti、(C,Si,Mn,P,Al,Ni,Cr,Cu,Mo,V,Ti:各元素の含有量(質量%)))
を満足するように調整して施し、ついで、前記冷延工程の2回目として、65%以下の冷延圧下率:R2(%)で冷間圧延を施す第二冷延工程と、ついで前記焼鈍工程の2回目として、(Ac3変態点−150℃)〜(Ac3変態点)の範囲の均熱温度:T2(℃)まで加熱し、該均熱温度:T2(℃)で150s以下の時間保持したのち、500℃までを平均冷却速度:5〜50℃/sの冷却速度で、500℃以下の冷却停止温度まで冷却する第二焼鈍工程とを、前記冷延圧下率:R2(%)と前記均熱温度:T2(℃)が次(4)式
0.04≦|ln(1-R2/100)|×(Ac3変態点−T2)/(Ac3変態点−727)≦ 0.16 ‥‥(4)
(ただし、R2:65%以下、ここで、Ac3変態点(℃)=910−203×C0.5+44.7×Si−30×Mn+700×P+400×Al−15.2×Ni−11×Cr−20×Cu+31.5×Mo+104×V+400×Ti、(C,Si,Mn,P,Al,Ni,Cr,Cu,Mo,V,Ti:各元素の含有量(質量%)))
を満足するように調整して施し、引張強さ:540MPa以上、圧延方向に直角な方向のヤング率:230 GPa以上を有する鋼板とすることを特徴とする剛性に優れた薄鋼板の製造方法。
(2)(1)において、前記鋼素材の前記組成に加えてさらに、質量%で、Cr:0.1〜1.0%、Ni:0.1〜0.5%、Mo:0.1〜0.5%およびB:0.0005〜0.0030%のうちから選らばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする薄鋼板の製造方法。
(3)(1)または(2)において、前記鋼素材の前記組成に加えてさらに、質量%で、Cu:0.1〜0.5%、V:0.01〜0.20%のうちから選ばれた1種または2種を含有することを特徴とする薄鋼板の製造方法。
C:0.005〜0.04%
Cは、Nb、Tiとともに、本発明において重要な元素である。鋼板の高ヤング率化に有利な方位の発達のためには、C含有量を低減するとともに、Nbおよび/またはTiにより炭化物(NbC、TiC)としてCを固定して、固溶C量を低減することが有効である。しかし、Cが0.005%未満では、所望の引張強さTS:540MPa以上を確保することが困難となる。一方、0.04%を超える含有は、高ヤング率化に有利な方位の生成を抑制する。このため、Cは0.005〜0.04%の範囲に限定した。なお、好ましくは、0.03%以下である。
Siは、固溶強化により鋼板の強度を高める作用を有する元素である。引張強さTS:540MPa以上の強度を安定的に確保するために、Siは0.5%超の含有を必要とする。一方、1.5%を超える多量の含有は、鋼板の溶接性を低下させるとともに、熱延工程での加熱時に、スラブ表面にファイヤライトの生成を促進させ、いわゆる赤スケールと呼ばれる表面模様の発生を助長し、さらに、表面に生成するSi酸化物が冷延鋼板の化成処理性を低下させ、また溶融亜鉛めっき鋼板として使用される場合には、表面に生成するSi酸化物が不めっきを誘発する。このようなことから、Siは0.5%超1.5%以下の範囲に限定した。なお、好ましくは0.7〜1.2%である。
Mnは、固溶強化により鋼板の強度を高める作用を有する元素である。引張強さTS:540MPa以上の強度を安定的に確保するために、Mnは1.0%以上の含有を必要とする。一方、3.0%を超える多量の含有は、原料コストの上昇を招くとともに、溶接性を低下させる。このため、Mnは1.0〜3.0%の範囲に限定した。なお、好ましくは1.5%以上、より好ましくは2.5%以下である。
Pは、粒界に偏析して、鋼板の延性および靱性を低下させ、溶接性をも低下させる。さらには、合金化溶融亜鉛めっき鋼板として使用する場合に、溶融亜鉛めっき層の合金化速度を遅延させるという悪影響を及ぼす元素であり、本発明ではできるだけ低減することが望ましい。しかし、0.05%以下であれば許容できるため、Pは0.05%以下に限定した。
Sは、熱間圧延での延性を著しく低下させて熱間割れを誘発し、表面性状を著しく劣化させるとともに、粗大なMnSを形成し、延性および穴拡げ性を低下させる。このような問題は、S量が0.01%を超えると顕著となる。このため、Sは0.01%以下に限定した。なお、好ましくは0.005%以下である。
Alは、脱酸剤として作用する有用な元素である。このような効果を得るためには、0.005%以上含有することが望ましい。一方、0.1%を超える過剰な含有は、鋼板の表面欠陥を誘発する原因ともなる。このため、Alは0.1%以下に限定した。なお、好ましくは0.05%以下である。
Nは、0.01%を超えて多量に含有すると、過剰な窒化物が生成し、熱間圧延中にスラブ割れを伴い、表面疵が発生する恐れがある。また延性や靱性の低下も招く。このため、Nは0.01%以下に限定した。なお、好ましくは0.005%以下である。
Ti、Nbはいずれも、炭化物としてCを固定し、固溶Cを低減する作用を有する本発明では重要な元素であり、1種または2種を選択して含有する。
Tiは、Cと結合し、熱延板中に炭化物(TiC)として析出し、鋼中に存在する固溶Cの一部を固定し、鋼板の高ヤング率化に寄与する。このような効果を得るためには、0.02%以上の含有を必要とする。一方、0.20%を超える多量の含有は、合金コストの増加も招くだけでなく、冷間圧延時の圧延負荷を高め、安定した鋼板製造を困難にする。このため、含有する場合には、Tiは0.02〜0.20%の範囲に限定した。なお、好ましくは、0.15%以下である。
0.012 ≦ C* ≦ 0.03 ‥‥(1)
(ここで、C*=[%C]−(12/93)×[%Nb]−(12/48)×([%Ti]−(48/14)×[%N]−(48/32)×[%S])、[%M]:M元素の含有量(質量%))
および次(2)式
([%Nb]/93)/( [%C]/12) ≦ 0.5 ‥‥(2)
(ここで、[%M]:M元素の含有量(質量%))
を満足するように調整して含有する。
Cr、Ni、Mo、Bはいずれも、熱延工程において、加工オーステナイトの再結晶を抑制することで、未再結晶オーステナイトからのフェライト変態を促進し、鋼板のヤング率の向上に寄与する結晶方位を発達させる作用を有する元素であり、必要に応じて選択して1種または2種以上を含有できる。
Crは、熱延工程において、加工オーステナイトの再結晶を抑制して、未再結晶オーステナイトからのフェライト変態を促進し、{113}<110>方位を発達させ、その後の冷延工程、焼鈍工程を経て鋼板のヤング率を向上させることができる。このような効果を得るためには、0.1%以上の含有を必要とする。一方、1.0%を超えて多量に含有しても、効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待できなくなり経済的に不利となる。また、溶融亜鉛めっき鋼板として使用する場合には、表面に生成するCrの酸化物が不めっきを誘発する。このようなことから、含有する場合には、Crは0.1〜1.0%の範囲に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.5%以下である。
Cu、Vは、いずれも、鋼板強度を増加させる元素であり、必要に応じて1種または2種を選択して含有できる。
Cuは、固溶して、鋼板強度の増加に寄与する元素であり、このような効果を得るためには、0.1%以上含有する必要があるが、0.5%を超えて多量に含有すると、熱間圧延時に割れを引き起こして、表面性状を低下させる悪影響を及ぼす。このため、含有する場合には、0.1〜0.5%に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.3%以下である。
上記した組成を有する鋼素材の製造方法は、とくに限定する必要はなく、通常公知の溶製方法、鋳造方法がいずれも適用できる。上記した組成の溶鋼を、転炉、電気炉、真空溶解炉等の溶製炉で溶製し、連続鋳造法等の鋳造方法で、スラブ等の鋼素材とすることが好ましい。なお、造塊−分塊圧延法を用いても何ら問題はない。
なお、一旦冷却したのちの加熱は、加熱温度:1150〜1300℃とする加熱とすることが好ましい。加熱温度が1150℃未満では、冷却中に析出した粗大な析出物が再固溶せず残存し、成形性を低下させる要因となる。一方、1300℃を超えて高温では、結晶粒の粗大化や、酸化ロスによる歩留低下が増大する。
粗圧延は、所定の寸法形状のシートバーとすることができればよく、とくに限定する必要はない。また、仕上圧延は、圧延終了温度を850〜950℃の範囲の温度とする圧延とする。仕上圧延終了温度を950℃以下とすることにより、未再結晶オーステナイトからフェライトへの変態が進み、微細なフェライト組織の熱延板が得られ、さらに冷延、焼鈍工程後に(112)[1-10]方位への集積度を高めることができる。一方、仕上圧延終了温度が850℃未満では、Ar3変態点を下回るおそれが大きくなり、熱延板組織に加工組織が混在し、冷延、焼鈍工程後に(112)[1-10]方位への集積が妨げられる。また、変形抵抗の増加により圧延荷重が大幅に増大するなど、鋼板製造上の困難が伴う。このようなことから、仕上圧延は、圧延終了温度:850〜950℃とする圧延とした。
本発明では、酸洗された熱延板に、冷延工程−焼鈍工程をその順に2回繰返す工程とする。1回目の冷延工程を第一冷延工程、1回目の焼鈍工程を第一焼鈍工程と、2回目の冷延工程を第二冷延工程、2回目の焼鈍工程を第二焼鈍工程と、称する。
1回目の冷延工程−焼鈍工程は、鋼板組織の微細化を目的の1つとする。
第一冷延工程に続く第一焼鈍工程は、(Ac3変態点−150℃)〜(Ac3変態点−50℃)の範囲の均熱温度:T1(℃)まで加熱し、該均熱温度T1で300s以下の時間保持したのち、平均冷却速度:50℃/s以下の冷却速度で冷却する工程とする。
さらに、1回目の冷延工程−焼鈍工程では、冷延圧下率R1(%)と均熱温度T1(℃)は、次(3)式
0.06≦|ln(1−R1/100)|×(Ac3変態点−T1)/(Ac3変態点−727)≦0.30 ‥‥(3)
を満足するように調整する。ここで、R1(%)は65%以下とし、Ac3変態点は、次式
Ac3変態点(℃)=910−203×C0.5 +44.7×Si−30×Mn+700×P+400×Al−15.2×Ni−11×Cr−20×Cu+31.5×Mo+104×V+400×Ti、
(C、Si、Mn、P、Al、Ni、Cr、Cu、Mo、V、Ti:各元素の含有量(質量%))
で算出するものとする。
2回目の冷延工程である第二冷延工程は、65%以下の冷延圧下率:R2(%)で冷間圧延を施す工程とする。
第二冷延工程に続く第二焼鈍工程は、(Ac3変態点−150℃)〜(Ac3変態点)の範囲の均熱温度T2(℃)まで加熱し、該均熱温度T2(℃)で150s以下の時間保持したのち、平均冷却速度:5〜50℃/sの冷却速度で、500℃以下の冷却停止温度まで冷却する工程とする。
さらに、2回目の冷延工程−焼鈍工程では、冷延圧下率R2(%)と均熱温度T2(℃)は、次(4)式
0.04≦|ln(1−R2/100)|×(Ac3変態点−T2)/(Ac3変態点−727)≦0.16 ‥‥(4)
を満足するように調整する。ここで、R2(%)は65%以下とし、Ac3変態点は、次式
Ac3変態点(℃)=910−203×C0.5 +44.7×Si−30×Mn+700×P+400×Al−15.2×Ni−11×Cr−20×Cu+31.5×Mo+104×V+400×Ti、
(C、Si、Mn、P、Al、Ni、Cr、Cu、Mo、V、Ti:各元素の含有量(質量%))
で算出するものとする。
また、上記した第二焼鈍工程後に、溶融亜鉛浴中を通板させて、鋼板表面に溶融亜鉛めっき層を形成し溶融亜鉛めっき鋼板とする溶融亜鉛めっき処理を施してもよい。また、さらに溶融亜鉛めっき層を合金化し、合金化溶融亜鉛めっき鋼板とする合金化処理を施しても良い。
表1に示す組成の鋼Aを真空溶解炉にて溶製し、鋳型に鋳造して小型鋼塊(鋼素材)とした。得られた鋼素材を、1250℃で1時間加熱後、実験圧延機で熱間圧延し、板厚2.5mmの熱延板とした。その際、熱間圧延の仕上温度は900℃、コイル巻取り相当処理として600℃で1時間保持後炉冷した。なお、熱延板板厚を3.0mm、4.0mmと厚くした熱延板も用意した。
また、得られた冷延鋼板から、引張方向が圧延方向に対し平行な方向となるように、JIS5号引張試験片(GL:50mm)を切り出し、引張特性(引張強さTS、伸びEl)を測定した。
(実施例2)
表4に示す組成の溶鋼を真空溶解炉にて溶製し、鋳型に鋳造して小型鋼塊(鋼素材)とした。得られた鋼素材を1250℃で1時間加熱したのち、実験圧延機で熱間圧延し、板厚3.0mmの熱延板とした。その際、熱間圧延の仕上温度は900℃、コイル巻取り相当処理として600℃で1時間保持後炉冷した。
得られた冷延鋼板から、実施例1と同様に試験片を採取し、引張特性およびヤング率を調査した。得られた結果を表6に示す。
Claims (3)
- 鋼素材に、熱間圧延工程と、冷間圧延工程と、焼鈍工程とを順次施して薄鋼板とするにあたり、
前記鋼素材を、質量%で、
C:0.005〜0.04%、 Si:0.5%超1.5%以下、
Mn:1.0〜3.0%、 P:0.05%以下、
S:0.01%以下、 Al:0.1%以下、
N:0.01%以下
を含有し、Ti:0.02〜0.20%およびNb:0.02〜0.20%のうちから1種または2種を含み、かつC、N、S、Ti、Nbが下記(1)式および下記(2)式を満足するように調整して含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する鋼素材とし、
前記熱間圧延工程を、前記鋼素材に仕上圧延終了温度:850〜950℃とする熱間圧延を施して熱延板としたのち、巻取温度:650℃以下で巻き取る工程とし、
前記熱延板に酸洗後、前記冷間圧延工程の1回目として、65%以下の冷延圧下率:R1(%)で冷間圧延を施す第一冷延工程と、前記焼鈍工程の1回目として、(Ac3変態点−150℃)〜(Ac3変態点−50℃)の範囲の均熱温度:T1(℃)まで加熱し、該均熱温度で300s以下の時間保持したのち、500℃までを平均冷却速度:50℃/s以下の冷却速度で冷却する第一焼鈍工程とを、前記冷延圧下率:R1(%)と前記均熱温度:T1(℃)が下記(3)式を満足するように調整して施し、ついで、
前記冷延工程の2回目として、65%以下の冷延圧下率:R2(%)で冷間圧延を施す第二冷延工程と、ついで前記焼鈍工程の2回目として、(Ac3変態点−150℃)〜(Ac3変態点)の範囲の均熱温度:T2(℃)まで加熱し、該均熱温度:T2(℃)で150s以下の時間保持したのち、500℃までを平均冷却速度:5〜50℃/sの冷却速度で、500℃以下の冷却停止温度まで冷却する第二焼鈍工程とを、前記冷延圧下率:R2(%)と前記均熱温度:T2(℃)が下記(4)式を満足するように調整して施し、
引張強さ:540MPa以上、圧延方向に直角な方向のヤング率:230 GPa以上を有する鋼板とすることを特徴とする剛性に優れた薄鋼板の製造方法。
記
0.012 ≦ C* ≦ 0.03 ‥‥(1)
ここで、C*=[%C]−(12/93)×[%Nb]−(12/48)×([%Ti]−(48/14)×[%N]−(48/32)×[%S])、[%M]:M元素の含有量(質量%)
([%Nb]/93)/( [%C]/12) ≦ 0.5 ‥‥(2)
ここで、[%M]:M元素の含有量(質量%)
0.06≦|ln(1-R1/100)|×(Ac3変態点−T1)/(Ac3変態点−727) ≦ 0.30 ‥‥(3)
ただし、R1:65%以下、
ここで、Ac3変態点(℃)=910−203×C0.5+44.7×Si−30×Mn+700×P+400×Al−15.2×Ni−11×Cr−20×Cu+31.5×Mo+104×V+400×Ti
C,Si,Mn,P,Al,Ni,Cr,Cu,Mo,V,Ti:各元素の含有量(質量%)
0.04≦|ln(1-R2/100)|×(Ac3変態点−T2)/(Ac3変態点−727)≦ 0.16 ‥‥(4)
ただし、R2:65%以下
ここで、Ac3変態点(℃)=910−203×C0.5+44.7×Si−30×Mn+700×P+400×Al−15.2×Ni−11×Cr−20×Cu+31.5×Mo+104×V+400×Ti
C,Si,Mn,P,Al,Ni,Cr,Cu,Mo,V,Ti:各元素の含有量(質量%) - 前記鋼素材の前記組成に加えてさらに、質量%で、Cr:0.1〜1.0%、Ni:0.1〜0.5%、Mo:0.1〜0.5%およびB:0.0005〜0.0030%のうちから選らばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の薄鋼板の製造方法。
- 前記鋼素材の前記組成に加えてさらに、質量%で、Cu:0.1〜0.5%、V:0.01〜0.20%のうちから選ばれた1種または2種を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の薄鋼板の製造方法。
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