JP2014055086A - グラフェンの製造方法 - Google Patents

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【課題】グラフェンを電子素子作製に利用した場合、グラフェンの層数は電子素子の特性に影響を与える。そのため、グラフェンの層数は均一であることが求められる。グラフェン成長は、触媒金属表面の結晶状態に大きく影響を受ける。そのため、均一なグラフェン成長のためには、触媒金属は単結晶であることが望まれる(例えば特許文献1参照)。前記従来の結晶性基板上に金属膜の単結晶を成長する方法では、均一なグラフェン成長を実現する結晶性基板と金属の組み合わせが限定されていた。
【解決手段】MgおよびAlが酸素間に配位したスピネル単結晶基板上に銅の単結晶膜を成長させたものを基板とし、グラフェンを成長させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、グラフェンの製造方法に関する。
グラフェンは、ニッケルや銅、ルテニウム等の金属を触媒とし、炭素を含むガスや固体状の炭素を原料として成長できることが知られている。(例えば、非特許文献1参照)。
グラフェンを電子素子作製に利用した場合、グラフェンの層数は電子素子の特性に影響を与える。そのため、グラフェンの層数は均一であることが求められる。
グラフェン成長は、触媒金属表面の結晶状態に大きく影響を受ける。そのため、均一なグラフェン成長のためには、触媒金属は単結晶であることが望まれる(例えば特許文献1参照)。しかし、金属単結晶は大きなものの育成が難しく、大面積基板による効率的なグラフェン成長という点からは好ましくない。
この課題に対し、結晶性基板上に金属膜の単結晶を成長し、それを触媒として利用する方法が提唱されている。これまで、c面サファイア上ルテニウム(非特許文献2参照)と、MgO(111)基板上銅(非特許文献3参照)の組み合わせで、均一なグラフェン成長が実現されている。
国際公開第2011/025045号
S. Hagstromら著, Phys. Rev. Lett誌 1965年15号頁491 Yoshiiら著、Nano Letters誌2011年11号頁2628 Ogawaら著、The Journal of Physical Chemistry Letters誌2012年3号頁219
しかしながら、前記従来の結晶性基板上に金属膜の単結晶を成長する方法では、均一なグラフェン成長を実現する結晶性基板と金属の組み合わせが限定されていた。
前記従来の課題を解決するために、本発明ではスピネル単結晶(111)面基板を利用し、その上に成長させた銅の結晶膜をグラフェン成長に利用する。
本発明の方法により、おおよそ均一なグラフェンを成長させることができる。
実施形態1グラフェンの成長手順を示す図。 グラフェンを利用したトランジスタの作製手順を示す図。 グラフェンを利用したトランジスタの作製手順を示す図。 グラフェンを利用したトランジスタの作製手順を示す図。 スピネル単結晶(111)面基板上に成長した銅膜の{200}極点図。 c面サファイア基板上に成長した銅膜の{200}極点図。 スピネル単結晶(111)面基板上に成長した銅膜を用いグラフェン成長した後の表面顕微鏡像を示す図。 ラマン分光における2D強度分布を示す図。 c面サファイア基板上に成長した銅膜を用いグラフェン成長した後の表面顕微鏡像を示す図。 ラマン分光における2D強度分布を示す図。 c面サファイア基板上に成長したニッケル膜の{200}極点図。 c面サファイア基板上に成長したニッケル膜を用いグラフェン成長した後の表面顕微鏡像を示す図。 スピネル単結晶(111)面基板上に成長したニッケル膜の{200}極点図。 スピネル単結晶(111)面基板上に成長したニッケル膜を用いグラフェン成長した後の表面顕微鏡像を示す図。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施形態1のグラフェン成長手順を示す。
ここでは、発明の実施に影響を与えない要素、例えばグラフェン成長に利用されない部分に形成されている可能性のある素子などは記載していない。また、図は概念図であり、その縮尺、縦横比等は全く考慮されていない。
(ステップS1 基板101の準備)
基板101は、MgおよびAlが酸素間に配位されたスピネル単結晶であり、かつ、その表面が(111)面を有する基板を用いる。一般的に、スピネルは、スピネル型構造のXY(X:Mg、Fe、Mn、Y:Al、Fe、Crなど)の組成を有する材料を意味する。
スピネル型構造は、酸素が面心立方型の基本骨格を形成し、その酸素間に異種材料が配位した構造である。本明細書のスピネル型構造は、酸素間に、MgとAlが1:2の割合で配位した構造を意味する。本明細書のスピネルの化学式は、MgAlである。
スピネルは、潮解性を有さないため、MgOとは異なり安定な材料である。例えば、CZ法(Czochralski)などを用いて育成した単結晶基板が入手可能である。
ステップ2の前に、基板101の(111)面を洗浄することが望ましい。これにより、基板101の(111)面の不純物および異物を取り除く。
例えば、アセトン中による超音波処理を用いて、基板101を洗浄する。また、有機系の不純物を除去するためには、UVオゾナイザによるオゾン暴露を用いて、基板101を洗浄しても良い。液体を用いた洗浄をする場合、乾燥窒素等を利用し、十分乾燥させる。
なお、基板101の下に、他の単結晶の材料が位置されていても良い。
(ステップS2 金属膜堆積)
基板101の(111)面上に、金属膜102を堆積させる。金属膜102の材料は、銅である。例えば、スパッタリング法を用いて、金属膜102を堆積させる。スパッタリング装置のチャンバー内に基板101を配置し、基板101の(111)面に対して、金属膜102の材料をスパッタリングする。
金属膜102を堆積する時は、基板101を加熱することは必須ではない。ただし、加熱した基板101上に、金属膜102を堆積することにより、結晶化を促進できるため、次の固相エピタキシー工程を短時間化することができる。
なお、金属膜102の堆積時に、所定以上の温度あり、かつ、所定以下の速度で金属膜102を堆積させることで、基板101上に、単結晶の金属膜102を堆積することも可能である。この場合には、次のステップS3を省略することができる。金属膜102は、200nm以上の厚みを有することが望ましい。
この例示以外の厚みを用いても良い。スパッタリング装置のシャッターにより、スパッタリングする材料の調整することで、金属膜102の厚みを制御できる。
なお、金属膜102の堆積をするために、MBE法、電子ビーム蒸着法、又はCVD法などを利用することもできる。
(ステップS3 金属の固相エピタキシー)
次に、基板101上の金属膜102を単結晶化する。この工程は、上述のように、基板101上に、単結晶の金属膜102を堆積する場合には省略可能である。
基板101上の金属膜102である銅を加熱することにより、基板101の影響を受けながら、銅を単結晶にする。つまり、金属膜102は基板101の(111)面と接しており、金属膜102を加熱することにより、基板101の(111)面の結晶構造を反映させた結晶構造に変化させることができる。これを、固相エピタキシー(Solid−Phase Epitaxy: SPE)と呼ぶ。
例えば、次のグラフェン成長の工程を行う炉内で、金属膜102を熱処理する。
熱処理に要する時間は、熱処理温度と、金属膜102の厚みとに依存する。金属膜102が単結晶化したか否かは、X線回折又はEBSD(Electron Back Scattering Diffraction)分析により、確認できる。熱処理温度及び金属膜102の厚みに対して処理時間が十分であるか、条件検討用試料を用いて確認し、十分であることが確認できた処理時間を用いて処理を行えばよい。
還元性又は不活性雰囲気下での熱処理することにより、金属膜102を単結晶金属膜103にする。例えば、水素を含む還元雰囲気又はアルゴンの不活性雰囲気で、金属膜102を熱処理することが望ましい。その他の加熱処理する雰囲気の例は、1000℃において酸素圧力が10−4Pa以下の超高真空である。
酸化性の気体を含む雰囲気中で熱処理する場合、金属膜102の表面が酸化する可能性があるため、望ましくない。また、炭素を含む分子が含まれた雰囲気中で熱処理を行うと、金属膜102の表面にアモルファスカーボン等が堆積する恐れがあるのでやはり望ましくない。
例えば、常圧の水素雰囲気下で、1050℃に加熱し、かつ、20分間維持することにより、金属膜102が1μmの厚みを有する銅を単結晶化することができる。
以下、触媒構造体105は、基板101と、基板101上に位置する単結晶金属膜103とを備えることを意味する。
(ステップS4 グラフェン104の成長)
次に、単結晶金属膜103上に、グラフェン104を成長させる。
触媒構造体105を、単結晶金属膜103の表面が酸化されていない状態で、炭素を含む原料ガス雰囲気下に位置する。次に、触媒構造体105を、加熱し、その後、冷却することにより、単結晶金属膜103の表面に、グラフェン104を成長させる。
炭素を含む原料ガスの例は、メタン又はエチレン等の炭化水素である。または、炭素を含む原料ガスは、樟脳等の炭素含有分子でもよい。なお、原料ガスは、純粋なメタン又はエチレンの場合、アモルファスカーボンが成長する可能性があるため、水素又はアルゴンにより100ppmから1%程度に希釈された原料ガスが望ましい。また、その圧力は大気圧でも減圧でも良い。なお、圧力が高い場合には、やはりアモルファスカーボンが成長しやすいため、減圧雰囲気が好ましい。
触媒構造体105を、加熱する温度や時間は、原料ガスの種類、単結晶金属膜103の種類及び厚みに依存する。単結晶金属膜103が銅で、原料ガスが100ppmの水素希釈エチレンの場合、グラフェンが成長する条件の一例は、原料ガス圧力350Pa前後、1000℃以上1050℃以下の温度範囲で20分加熱である。なお、銅触媒でグラフェンを成長させられるのであれば、ここに開示した条件以外の条件を用いることは本発明の実施を妨げない。
ステップS3において、還元性雰囲気(reducing atmosphere)下で、単結晶金属膜103を熱処理することにより、単結晶金属膜103の表面が酸化されていない状態にすることができる。この場合、ステップS3の後、触媒構造体基板105にグラフェンを成長させるのに適した所定の温度に加熱し、かつ、炉内の雰囲気を原料ガス雰囲気に変更するだけでよい。
ステップS3とステップS4とを別の炉で行う場合あるいはステップS3を不活性雰囲気で処理した場合、ステップS4でグラフェン成長させる炉内でステップS4に先立ち、単結晶金属膜103の表面の還元処理を行う。すなわち、還元性雰囲気下で、触媒構造体105を加熱する。例えば、水素雰囲気下において1050℃で20分間加熱する。
還元に要する時間や温度は表面の酸化状態に依存する。表面還元が不十分な場合、グラフェン成長がうまく行われない。そこで、発明の実施者は試作サンプルにおいて、還元処理が十分かを確認し、還元処理が十分であることを確認した条件を用いればよい。
還元処理が行われた後に、同一炉内でステップS4を行う。ここまでの工程で、単結晶金属膜103上に、グラフェン104が成長せることができる。以下、積層体106は、基板101と、基板101上に位置する単結晶金属膜103と、単結晶金属膜103上に位置するグラフェン104と備えることを意味する。グラフェン104はトランジスタ等の製造に利用することができる。
図2〜図4に、ここまでの工程で成長させたグラフェン104を利用したトランジスタの製造方法手順の一例を示す。なお、グラフェン104の用途および利用手順は下記例に限定されるものではない。
(ステップS5 樹脂塗布)
積層体106に含まれるグラフェン104上に、硬化性樹脂201を塗布し、硬化させる。硬化性樹脂201の材料は、例えば、PMMA等である。
(ステップS6 金属除去)
次に、塩酸や塩化第二鉄等のエッチング液により単結晶金属膜103を除去する。この工程により、グラフェン(104)と硬化性樹脂(201)の積層体(210)が、スピネル基板(101)から離れる。
(ステップS7 転写)
積層体(210)を、酸化膜(203)が表面に形成された低抵抗シリコン基板(202)上に載せる。
(ステップS8 樹脂の除去)
アセトン等の有機溶剤により硬化性樹脂(201)を除去する。この工程により、グラフェン(104)のみが低抵抗シリコン基板(202)表面の酸化膜(203)上に残る。
(ステップS9 グラフェン104の加工)
フォトリソグラフィーないしは電子ビームリソグラフィー技術を用いて、グラフェンを素子として用いる範囲にのみマスク(301)を形成し、その他の領域のグラフェンをドライエッチングを用いて除去する。
(ステップS10 ソース・ドレイン堆積)
フォトリソグラフィーないしは電子ビームリソグラフィー技術を用いて、ソース・ドレインとなる領域のみ開口したマスク(302)を形成する。その後、全面にニッケル等の金属(204),(205)を堆積する。
(ステップS11 リフトオフ)
アセトン等の有機溶剤を用いてマスク(302)をその上に堆積した金属(205)ごと除去する。結果、グラフェン(104)上のソース・ドレイン領域にのみ金属(204)が残る。
以上のプロセスにより、低抵抗シリコン基板(202)をゲート電極、シリコン酸化膜(203)をゲート絶縁膜とし、グラフェン(104)をチャネルとする電界効果型トランジスタが完成する。必要に応じ、パッシベーション膜や配線等を追加して利用する。これらに関しては、一般的半導体プロセスであるので、明を省略する。
以下の実験例は、本発明をより詳細に説明する。
(実施例1)
図1に示される基板(101)を以下のように用意した。
有限会社クリスタルベースから購入したCRYSTAL GmbH製の(111)面を有するスピネルの基板101を利用した。基板101の組成は、Mg:Al=1:2であった。
基板101を常温のアセトン中で20分間超音波洗浄した後、乾燥窒素によるブロー乾燥を行った。次に、株式会社エイコー製RFスパッタ装置で、スピネル(111)基板上に、金属膜102を堆積させた。金属膜102の材料は、銅であった。このとき、スパッタ装置のチャンバー内の環境は、基板設定温度300℃であり、1Paのプロセス圧力、RF出力100Wの条件であった。約10nm/minの堆積速度で20分間銅を堆積した。
金属膜102を堆積させた基板101を、アルバック理工社製常圧CVD装置のチャンバー内に導入し、大気圧の水素雰囲気に置換した後、1050℃に加熱、20分間保持した。
この後、基板温度はそのままで、チャンバー内を350Paの1%エチレン99%水素雰囲気に置換し20分間保持した。
その後、ヒーターへの電源供給を停止し、室温まで冷却してCVD装置から取り出した。
プロセス完了後の結晶状態を調査するため、X線回折装置により金属結晶の{200}面が現れる数を調べた。ブラッグの反射条件から特定の面からの反射は、入射X線と反射X線の成す角が面間隔と特定の関係にあり、かつその面に対する入射角と反射角が一致する場合にのみ観測される。そのため、X線源と測定器の相対的な角度を{200}面に対応するように固定しておき、結晶を回転させれば、{200}面がブラッグの反射条件を満たす方向を向いた時だけ反射X線が測定器に入る。
そこで、結晶を色々な向きに回転させ、何種類の向きで反射X線が測定器に入るかを数えることで、結晶が何枚の{200}面を持つかを知ることが出来る。結晶の向きは天頂角と方位角の2つの角度で指定することができる。今回は、天頂角が0から90度、方位角が0から360度の半球領域を調査した。その結果を図5に示す。
銅の単結晶には、{200}面は6個しか存在せず、今回調査した天頂角が0から90度、方位角が0から360度の半球領域には3個しか存在しない。
図5には3個の回折極(501)が見られた。つまり実施例1の金属膜102が単結晶であることが確認できた。また、表面の顕微鏡写真を図7に示す。ダストが原因と推定される局所的な膜はがれ702の領域を除けば、表面はきわめて均一である。図7中701で示した領域をラマン分光法で評価した結果を図8に示す。図8はグラフェン104の層数と強い相関関係があることが知られている2Dピークと呼ばれる信号の値の分布を示したものである。ラマン分光で評価した範囲において、2Dピークの強度は均一であり、これは均一なグラフェンが成長したことを示す。
(比較例1)
基板101が、c面サファイアであること以外は、実施例1と同様の実験が行われた。c面サファイアは、京セラ株式会社から購入した材料を用いた。図6に{200}面の数を調べた結果を示す。スピネルの場合とは異なり、6つの{200}面からの極(601)が確認された。これは銅膜が双晶であることを示す。またグラフェン成長後の表面顕微鏡写真を図9に示す。スピネル基板の場合には見られなかった、幾何学的な双晶境界(902)が明らかに認められた。また、図9の四角で囲んだ範囲(901)をラマン分光法で評価した結果を図10に示す。2Dピーク強度の増大が、双晶境界において見られる。これは双晶境界においてグラフェンが多層化したことを示す。つまり、サファイア基板を用いたサンプルでは双晶が原因となり、グラフェンの均一成長が妨げられた。
(比較例2)
基板101をc面サファイアに変更、金属膜102の材質をニッケルに変更、原料ガスを1%メタン99%水素に変更した実施例1と同様の実験が行われた。図11に{200}面の数を調べた結果を示す。比較例1同様、6つの{200}面からの極(1101)が確認された。すなわち、ニッケルの場合においても、c面サファイアを基板とした場合、双晶が形成されることが確認された。また、グラフェン成長後の表面顕微鏡写真を図12に示す。黒くなった部分は、多層グラフェンないしはグラファイトが析出した部分である。双晶境界特有の120°の角度をもつ幾何学模様に析出が生じているのが確認できた。このように、c面サファイア基板上のニッケル金属膜においても双晶が原因となり、グラフェンの均一成長が妨げられた。
(比較例3)
基板101が実施例1に用いたスピネルと同一であることを除けば、比較例2と同様の実験が行われた。図13に{200}面の数を調べた結果を示す。実施例1と同様3つの極(1301)しか確認されず、スピネル基板上ではニッケルも単結晶化することが確認された。図14にグラフェン成長後の表面顕微鏡写真を示す。比較例2同様、多層グラフェンないしはグラファイトが析出し、黒くなった領域(1401)が確認できる。このように、金属膜102としてニッケルを用いた場合には、金属層102が単結晶化してもグラフェンの均一成長が困難であることが判明した。この原因は、ニッケルの炭素固溶度が高く、CVD成長中に金属膜102に過剰に溶け込んだ炭素が冷却過程において表面に析出するためと推定される。本発明に利用する銅は、ニッケルよりも炭素固溶度が低く、このような過剰析出が抑制されたものと推定される。
本発明の方法により均一なグラフェンを成長させることができ、トランジスタの製造等に利用することができる。
101 基板
102 金属膜
103 単結晶金属膜
104 グラフェン
105 単結晶金属膜を成長させた基板
106 積層体
201 硬化性樹脂
202 低抵抗シリコン基板
203 酸化膜
204 金属
205 金属
210 積層体
301 マスク
302 マスク
501 銅結晶{200}面からの回折
601 銅結晶{200}面からの回折
701 ラマン分光測定を行った範囲
702 ダストに起因する膜はがれ領域
901 ラマン分光測定を行った範囲
902 双晶境界
1101 ニッケル結晶(200)面からの回折
1201 双晶境界に析出したグラファイト
1301 ニッケル結晶(200)面からの回折
1401 析出したグラファイト

Claims (3)

  1. MgおよびAlが酸素間に配位しその比率が1:2であるスピネル単結晶(111)面基板上に、銅の単結晶膜を成長させたものを触媒とし、炭素を含む原料ガスによりCVD法によりグラフェンの成長を行うことを特徴とするグラフェンの製造方法。
  2. 前記成長させたグラフェンをチャネルとして用いるトランジスタを形成する工程を含む、
    請求項1に記載グラフェンの製造方法。
  3. 単結晶のMgAlの上に、銅の単結晶膜を形成する工程と、
    炭素を含む原料ガスを用いたCVD法により、前記銅の単結晶膜の上に、グラフェンを成長させる工程とを含む、
    グラフェンの製造方法。
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