JP2014054880A - 車両の駆動力配分制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】走行路の路面状態に応じた最適な駆動力配分として省燃費と車両運動性能の向上とを図る。
【解決手段】μ推定値を統計処理し(S1)、路面状態が低μ状態か否かを判定する(S2)。低μ状態と判定した場合にはAWDモードとすべくセンタークラッチ及びリヤクラッチを制御し(S7)、低μ状態でない場合、高μ状態か否かを判定する(S3)。そして、高μ状態であると仮判定した場合、μ推定値のバラツキが大きく路面状態を特定し難い状況か否かを調べ(S4)、μ推定値のバラツキが大きくない場合、高μ状態の仮判定を確定してFWDモードにセットし、センタークラッチ及びリヤクラッチを全て開放する(S5)。一方、高μ状態でなく中μ状態と判定した場合或いはμ推定値のバラツキが大きい場合には、スタンバイモードにセットしてリヤクラッチを開放した状態でセンタークラッチを所定の締結トルクで締結する(S6)。
【選択図】図6

Description

本発明は、前輪側と後輪側とに駆動力を配分するセンタークラッチと後輪終減速装置と左右のリヤドライブ軸との間に介装される左右のリヤクラッチとを有する車両の駆動力配分制御装置に関する。
近年、自動車等の車両においては、前後輪間の駆動力配分のみならず、左右輪間の駆動力配分を制御して、車両の安定性、回頭性を向上させる技術を採用するものが知られている。
例えば、特許文献1には、前後輪間の動力伝達を遮断するカットオフクラッチと、左右の後輪への動力伝達を遮断し、また、その伝達トルクを変化させる左右の車輪クラッチとを備え、カットオフクラッチと車輪クラッチの制御を走行状態に応じて行うことにより、燃費性能の向上やクラッチ接続時のショック低減を図る技術が開示されている。
特開平3−182840号公報
しかしながら、特許文献1におけるクラッチ制御は、走行路の路面〜タイヤ間の摩擦係数の違いを考慮しておらず、路面状況の変化に対応して適切に駆動力を配分することは困難である。仮に、摩擦係数の高い路面状態でクラッチ制御を適合させると、摩擦係数の低い路面状態ではクラッチの締結力が不足する虞があり、逆に、摩擦係数の低い路面状態でクラッチ制御を適合させると、摩擦係数の高い路面状態では、クラッチの締結力が過大となる虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、走行路の路面状態に応じた最適な駆動力配分として省燃費と車両運動性能の向上とを図ることのできる車両の駆動力配分制御装置を提供することを目的としている。
本発明による車両の駆動力配分制御装置は、前輪側と後輪側とに駆動力を配分するセンタークラッチと、後輪終減速装置と左右のリヤドライブ軸との間に介装される左右のリヤクラッチとを有する車両の駆動力配分制御装置であって、走行路の路面摩擦係数に基づいて、路面状態を複数の段階に区分して判定する路面状態判定部と、前記路面状態判定部で判定した路面状態に対応して、前記センタークラッチ及び前記左右のリヤクラッチの作動に応じた駆動力モードを設定する駆動力モード設定部と、前記駆動力モード設定部で設定された駆動力モードに応じて前記センタークラッチ及び前記左右のリヤクラッチの作動を制御するクラッチ制御部とを備えるものである。
本発明によれば、走行路の路面状態に応じた最適な駆動力配分として省燃費と車両運動性能の向上とを図ることができる。
車両のパワートレイン系の構成図 FWDモードのクラッチ締結状態を示す説明図 AWDモードのクラッチ締結状態を示す説明図 スタンバイモードのクラッチ締結状態を示す説明図 路面状態の判断値と各モードの切換えを示す説明図 駆動力モード切換制御ルーチンのフローチャート
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
先ず、車両のパワートレイン系について説明する。図1において、符号1は車両前部に配置されるエンジンを示し、本実施の形態においては、エンジン1の駆動力が前輪を主駆動輪として前輪と後輪とに可変配分されるフロントエンジン・フロントドライブ車ベース(FFベース)の全輪駆動(AWD;all-wheel drive)車に適用される。
具体的には、エンジン1の駆動力は、エンジン1後方の自動変速装置(トルクコンバータ等も含む)2からトランスミッション出力軸2aを経て、トランスファ3に伝達される。更に、トランスファ3に伝達された駆動力は、リヤドライブ軸4、プロペラシャフト5、ドライブピニオン軸部6を介して、後輪終減速装置7に入力される一方、リダクションドライブギヤ8、リダクションドリブンギヤ9、ドライブピニオン軸部となっているフロントドライブ軸10を介してベベルギヤ機構等からなる前輪終減速装置11に入力される。前輪終減速装置11に入力された駆動力は、前輪左ドライブ軸13FLを経て左前輪14FLに伝達され、前輪右ドライブ軸13FRを経て右前輪14FRに伝達される。
尚、自動変速装置2、トランスファ3および前輪終減速装置11等は、一体にケース12内に設けられている。
トランスファ3は、リダクションドライブギヤ8側に設けたドライブプレート20aとリヤドライブ軸4側に設けたドリブンプレート20bとを交互に重ねて構成したトルク伝達容量可変型クラッチとしての湿式多板クラッチ(センタークラッチ)20を主として構成されている。センタークラッチ20には、センタークラッチ20の締結力を可変自在に付与するクラッチピストン20cが備えられ、このクラッチピストン20cによる押圧力を制御することにより、センタークラッチ20の締結力を可変して後輪終減速装置7へ入力される駆動力を制御し、前輪と後輪とのトルク配分比を可変することができる。
後輪終減速装置7に入力された駆動力は、左側のリヤクラッチ21RLを介して後輪左ドライブ軸13RLから左後輪14RLに伝達され、また、右側のリヤクラッチ21RRを介して後輪右ドライブ軸13RRから右後輪14RRに伝達される。左右のリヤクラッチ21RL,21RRは、センタークラッチ20と同様のトルク伝達容量可変型クラッチである。
具体的には、左側のリヤクラッチ21RLは、後輪終減速装置7側に設けたドライブプレート21RLaと、後輪左ドライブ軸13RL側に設けたドリブンプレート21RLbと、クラッチ締結力を付与するクラッチピストン21RLcとを備えている。右側のリヤクラッチ21RLは、後輪終減速装置7側に設けたドライブプレート21RRaと、後輪右ドライブ軸13RR側に設けたドリブンプレート21RRbと、クラッチ締結力を付与するクラッチピストン21RRcとを備えている。これらのリヤクラッチ21RL,21RRは、クラッチピストン21RLc,21RRcによる押圧力が個別に制御され、左右輪に伝達される駆動力が差動制限される。
次に、車両のパワートレインを制御する電子制御系について説明する。このパワートレインの電子制御系は、CAN(Controller Area Network)等の通信バス100に接続される複数の制御ユニットによって構成され、これらの複数の制御ユニットを介した協調制御により、エンジン1及び自動変速装置2が制御される。複数の制御ユニットは、それぞれマイクロコンピュータを中心として構成され、エンジン1を制御するエンジン制御ユニット(ECU)50、自動変速装置2を制御するトランスミッション制御ユニット(TCU)60、車両挙動を制御するビークルダイナミクス制御(VDC;Vehicle Dynamics Control)ユニット70によって代表される。
これらの制御ユニット50,60,70は、通信バス100によって形成される車内ネットワークを介して各種演算値等の制御情報や各種センサによって検出した制御パラメータ情報を相互に交換し、エンジン制御、駆動力制御を含む変速機制御、車両挙動制御等を実行する。各制御ユニット50,60,70に入力される信号としては、例えば、以下に示すようなセンサ信号がある。
ECU50に入力されるセンサ信号としては、エンジン回転数を検出するクランク角センサ51、ドライバのアクセル操作(アクセルペダルの踏み込み量:アクセル開度)を検出するアクセルセンサ52等からの信号がある。また、TCU60には、自動変速装置2のセレクト操作部における各レンジ、例えば、パーキング(P)レンジ、リバース(R)レンジ、ニュートラル(N)レンジ、ドライブ(D)レンジ、マニュアル(M)レンジ等を検出するインヒビタスイッチ61、トランスミッション出力軸2aの回転数を検出するトランスミッション出力軸回転センサ62等の信号が入力される。
更に、VDCユニット70には、各車輪14FL,14FR,14RL,14RRの車輪速を検出する車輪速センサ15FL,15FR,15RL,15RR、操舵角を検出する舵角センサ71、車両の横加速度を検出する横加速度センサ72、車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサ73等からの信号が入力される。
ここで、本実施の形態における車両は、センタークラッチ20を介して前輪と後輪とのトルク配分比を可変することができ、前後輪のトルク配分比が100:0のFWDモード(前輪駆動モード)と50:50のAWDモード(全輪駆動モード)との駆動力モードを切り換えることができる。更に、FWDモードとAWDモードとの間の中間的なモードとして、トランスミッション出力軸2aの回転に中間駆動系の回転を同期させておくスタンバイモードを備えている。
具体的には、各駆動力モード(FWDモード、AWDモード、スタンバイモード)の切り換えは、複数のソレノイドバルブ等を擁した油圧回路で構成されるクラッチ駆動部65を介して行われる。クラッチ駆動部65は、TCU60からの指令により、各クラッチのクラッチピストン20c,21RLc,21RRcに供給する油圧を制御してセンタークラッチ20及び左右のリヤクラッチ21RL,21RRの締結状態を可変し、FWDモード、AWDモード、スタンバイモードを切換える。
FWDモードは、図2に示すように、センタークラッチ20及びリヤクラッチ21RL,21RRを全て開放し、プロペラシャフト5〜後輪終減速装置7間のパワートレイン要素を分離させる。このFWDモードは、フリクションロス及び内部循環トルクを低減した省燃費走行を可能とするモードである。
また、AWDモードは、図3に示すように、センタークラッチ20及びリヤクラッチ21RL,21RRを全て作動(締結)させる。このAWDモードは、ベクタリング効果を含めた4輪の駆動力を制御し、安定した走行を可能とするモードである。
一方、スタンバイモードは、図4に示すように、センタークラッチ20のみを作動(締結)させ、リヤクラッチ21RL,21RRを開放するモードである。このスタンバイモードは、トランスミッション出力軸2aの回転にプロペラシャフト5〜後輪終減速装置7の中間駆動系の回転を同期させておくことで、内部循環トルクを発生させず、FWDモードからAWDモードへの切換え時等、急激にリヤクラッチ21RL,21RRを締結する必要が生じた際にも、中間駆動系の回転慣性モーメントによる振動を抑制することができる。
これらの駆動力モードは、走行路の路面摩擦係数μの大小に応じて切換えられ、省燃費と車両運動性能の向上との両立を図ることができる。具体的には、図5に示すように、タイヤ駆動力や車両挙動等から推定した路面摩擦係数μの値を統計処理して、走行路の状態を複数の段階に区分して判定し、各段階毎に対応する駆動力モードに切り換える。
本実施の形態においては、走行路の状態を、基本的に、高摩擦状態(高μ状態),中摩擦状態(中μ状態),低摩擦状態(低μ状態)の3段階に区分しており、付随的に、路面摩擦係数μの推定値のバラツキが大きく路面状態を特定し難い場合のμ不明確状態を設けている。高μ状態は、乾燥路等のように、路面摩擦係数μが大きく滑りにくい路面状態であることを表し、この高μ状態では、FWDモードに切り換える。一方、低μ状態は、雪道や雨天時等のように、路面摩擦係数μが小さく滑りやすい路面状態であることを表しており、この低μ状態では、AWDモードに切り換える。また、中μ状態は、高μと低μとの中間の路面状態であることを表しており、この中μ状態では、スタンバイモードに切り換える。尚、μ不明確状態は、中μ状態と見なして、スタンバイモードとする。
TCU60は、このような路面摩擦係数μに応じた駆動力モード切換えに係る機能として、図1中に示すように、路面摩擦係数推定部60a、路面状態判定部60b、駆動力モード設定部60c、クラッチ制御部60dによって代表される機能部を備えている。TCU60は、路面摩擦係数推定部60aで路面摩擦係数μを推定し、路面状態判定部60bで路面摩擦係数μの推定値を統計処理して、高μ状態,中μ状態,低μ状態に区分して判定し、駆動力モード設定部60cで各路面状態に応じて駆動力モード(FWDモード,スタンバイモード,AWDモード)を決定する。そして、決定した駆動力モードに応じて、クラッチ制御部60dを介してセンタークラッチ20、リヤクラッチ21RL,21RRの作動を制御することにより、高μ〜中μの路面状態での走行における駆動系のフリクションロス及び内部循環トルクを低減すると共に、低μの路面状態での走行における走行性能を向上する。
詳細には、路面摩擦係数推定部60aは、所定の時間刻み毎にタイヤ駆動力や車両挙動等から路面摩擦係数μを推定・演算し、時系列的なμ推定値を出力する。この路面摩擦係数μを推定する技術には特に限定はなく、例えば、本出願人の提案による特開2008−265467号公報、特開平8−2274号公報、特開2000−71968号公報等に開示されている技術を用いることができる。
特開2008−265467号公報に開示の技術では、車速と車輪のすべり角に基づいて路面摩擦係数を予め定めた設定値に復帰させる復帰速度を設定し、この復帰速度で設定値に路面摩擦係数を復帰させていくことで路面摩擦係数を推定する。より詳細には、操舵系の推定ラック推力と基準ラック推力との偏差の関係により、車輪の摩擦円利用率、或いは予め定めた設定値(例えば、1.0)に、路面摩擦係数を復帰させていくことにより、路面摩擦係数を推定する。
また、特開平8ー2274号公報に開示の技術では、適応制御理論を用いて、操舵角,車速,ヨーレート等から路面摩擦係数を推定する技術に対し、路面摩擦係数の推定が不可能な状況(例えば、操舵角が0の場合等)を検出した場合に、車速Vと前輪すべり角βfに基づいて路面摩擦係数μを予め定めた設定値(例えば、1.0)に復帰させる復帰速度Vμを予め設定しておいたマップを参照して定め、この復帰速度Vμで路面摩擦係数を復帰させていきながら路面摩擦係数μを演算する。更に、特開2000−71968号公報に開示の技術では、オブザーバを用いて路面摩擦係数μを推定する。
路面状態判定部60bは、路面摩擦係数推定部60aから出力されるμ推定値の時系列データを統計処理して、路面状態が高μ、中μ、低μの何れの状態であるかを判定する。路面状態の判定は、直近の所定時間におけるμ推定値の平均値を求め、このμ推定平均値μaveを上下の閾値μH,μL(例えば、μH=0.8、μL=0.5)と比較して、以下のように路面状態を仮判定する。
μave≧μH → 高μ状態
μH>μave>μL → 中μ状態
μave≦μL → 低μ状態
また、同時に、μ推定値のバラツキを求め、このバラツキが設定値よりも大きい場合、路面状態を特定し難いと判断して高μ状態の仮判定を中μ状態に変更して確定する。例えば、μ推定値の標準偏差σが設定値σH(例えば、σH=0.2)より大きい場合、μ推定のバラツキが大きく路面状態を特定し難いと判断して、高μ状態の仮判定を中μ状態に変更する。
高μ状態の仮判定に対してμ推定値のバラツキを考慮するのは、路面状態を特定し難い状況でFWDモードに切り換えると、走行性の悪化を招く可能性があるからであり、このような場合、中μ状態として予めスタンバイモードにしておき、迅速にAWDモードに切り換え可能とする。中μ状態及び低μ状態の仮判定は、μ推定値のバラツキに拘わらず、仮判定の判定結果をそのまま確定する。
駆動力モード設定部60cは、路面状態の判定結果に対応して駆動力モードを設定し、クラッチ制御部60dにセンタークラッチ20及びリヤクラッチ21RL,21RRの作動制御を指示する。路面状態の判定結果に対応した駆動力モードは、以下のように設定される。
高μ状態 → FWDモード
中μ状態 → スタンバイモード
低μ状態 → AWDモード
クラッチ制御部60dは、駆動力モード設定部60cで設定された駆動力モードに応じて、以下のように、センタークラッチ20及びリヤクラッチ21RL,21RRの作動を制御する。
FWDモード :センタ−クラッチ20→開放
リヤクラッチ21RL,21RR→開放
スタンバイモード:センタークラッチ20→締結(トランスミッション出力軸2aの
回転に中間駆動系が同調回転可能な締結力で締結)
リヤクラッチ21RL,21RR→開放
AWDモード :センタ−クラッチ20→締結(運転状態に応じた締結力で締結)
リヤクラッチ21RL,21RR→締結(左右差を確保しつつ、
左右の締結力の総和がセンタークラッチ20の締結力相当となる
ように制御)
以上の駆動力モードに係る処理は、具体的には、図6のフローチャートに示すプログラム処理によって実現される。以下、図6のフローチャートに示す駆動力モード切換制御ルーチンについて説明する。
この駆動力モード切換制御ルーチンでは、先ず最初のステップS1において、μ推定値の時系列データを読み込んで統計処理し、平均値μave及び標準偏差σを算出する。次にステップS2へ進み、算出した平均値μaveを下側の閾値μLと比較して、現在の路面状態が低μ状態か否かを判定する。
その結果、μave>μLで低μ状態でない場合には、ステップS2からステップS3へ進み、平均値μaveを上側の閾値μHと比較して高μ状態か否かを判定する。そして、μave≧μHの場合には、高μ状態であると仮判定してステップS4へ進み、標準偏差σを設定値σHと比較してμ推定値のバラツキが大きく、路面状態を特定し難い状況か否かを調べる。
ステップS4においてσ≦σHであり、μ推定値のバラツキが大きくない場合には、高μ状態の仮判定を確定してステップS5へ進み、センタークラッチ20及びリヤクラッチ21RL,21RRを全て開放し、駆動力モードをFWDモードにセットする。これにより、トランスミッション出力軸2aから中間駆動系が分離され、高μ路走行時にフリクションロス及び内部循環トルクを低減して省燃費走行を実現することが可能となる。
一方、ステップS3においてμL<μave<μHであり、中μ状態と確定した場合、或いは、ステップS4においてσ>σHであり、μ推定値のバラツキが大きく、高μ状態の仮判定を変更して中μ状態として確定した場合には、ステップS6へ進み、駆動力モードをスタンバイモードにセットする。このスタンバイモードでは、リヤクラッチ21RL,21RRを開放した状態でセンタークラッチ20を所定の締結トルクで締結する。
このスタンバイモードにおけるセンタークラッチ20の締結トルクは、中間駆動系の慣性力によって定まる機種毎の値であり、トランスミッション出力軸2aの回転に中間駆動系の回転を同期させることのできる締結トルクとして与えられる。これにより、リヤクラッチ21RL,21RRを急激に締結する必要が生じた際の回転慣性モーメントによる振動を抑制することができる。
一方、ステップS2において、μave≦μLであり、低μ状態と確定した場合には、ステップS2からステップS7へ進み、駆動力モードをAWDモードとすべくセンタークラッチ20及びリヤクラッチ21RL,21RRを制御する。AWDモードでは、センタ−クラッチ20の締結トルクTcは、例えば、アクセル開度(又は前後加速度)と横加速度とをパラメータとするマップ等を参照して設定され、同じアクセル開度では横加速度が大きくなるほど、締結トルクが大きくされる。
また、リヤクラッチ21RL,21RRの締結トルクTL,TRは、左右後輪の差動制限トルクを発生させる必要左右差トルクΔT_LRの総和がセンタークラッチ20の締結トルクTcとなるように制御される。必要左右差トルクΔT_LRは、例えば、下式に示すように、操舵特性による理想ヨーレートγiとヨーレートセンサ73によって検出される実ヨーレートγrとの差に実車走行試験等によって求められる固定ゲインKmを乗算して求められる必要付加モーメントM、車両トレッドLtread、タイヤ半径Rtから求めることができる。
γi=θhan×Khan_yaw
M=(γiーγr)×Km
ΔT_LR=M/(Ltread/2)×Rt
ここで、必要左右差トルクΔT_LRを、ΔT_LR=TL−TRとすると、リヤクラッチ21RLの締結トルクTL、リヤクラッチ21RRの締結トルクTRは、それぞれ、以下の式によって表すことができ、これを、リヤクラッチ21RL,21RRに対する制御出力値とする。このAWDモードでは、低μの滑りやすい路面状態において、ベクタリング効果を含めた4輪の安定した駆動力で走行性能を向上することができる。
TL=(Tc+ΔT_LR)/2
TR=(Tc−ΔT_LR)/2
このように本実施の形態においては、路面摩擦係数に基づく走行路の状態に応じて、FWDモード、AWDモード、スタンバイモードを切り換えて駆動力配分を最適化することができ、省燃費と車両運動性能の向上とを実現して車両としての商品性を向上することができる。
1 エンジン
2 自動変速装置
3 トランスファ
7 後輪終減速装置
20 センタークラッチ
21RL,21RR リヤクラッチ
60 トランスミッション制御ユニット
60a 路面摩擦係数推定部
60b 路面状態判定部
60c 駆動力モード設定部
60d クラッチ制御部
μ 路面摩擦係数
Tc,TL,TR 締結トルク

Claims (4)

  1. 前輪側と後輪側とに駆動力を配分するセンタークラッチと、後輪終減速装置と左右のリヤドライブ軸との間に介装される左右のリヤクラッチとを有する車両の駆動力配分制御装置であって、
    走行路の路面摩擦係数に基づいて、路面状態を複数の段階に区分して判定する路面状態判定部と、
    前記路面状態判定部で判定した路面状態に対応して、前記センタークラッチ及び前記左右のリヤクラッチの作動に応じた駆動力モードを設定する駆動力モード設定部と、
    前記駆動力モード設定部で設定された駆動力モードに応じて前記センタークラッチ及び前記左右のリヤクラッチの作動を制御するクラッチ制御部と
    を備えることを特徴とする車両の駆動力配分制御装置。
  2. 前記路面状態判定部は、前記路面摩擦係数の推定値を統計処理して、前記路面状態を高摩擦状態と中摩擦状態と低摩擦状態とに区分して判定し、
    前記駆動力モード設定部は、前記路面状態が高摩擦状態と判定された場合、前記センタークラッチ及び前記左右のリヤクラッチを開放する前輪駆動モードに設定し、前記路面状態が中摩擦状態と判定された場合、前記左右のリヤクラッチを開放して前記センタークラッチを所定の締結力で締結するスタンバイモードに設定し、前記路面状態が低摩擦状態と判定された場合、前記センタークラッチ及び前記左右のリヤクラッチを、運転状態に応じた締結力で締結する全輪駆動モードに設定することを特徴とする請求項1記載の車両の駆動力配分制御装置。
  3. 前記スタンバイモードにおける前記センタークラッチの締結力を、変速機出力軸の回転に中間駆動系の回転が同期可能な締結力とすることを特徴とする請求項2記載の車両の駆動力配分制御装置。
  4. 前記路面状態判定部は、前記路面状態が高摩擦状態と判定しても前記路面摩擦係数の推定値のバラツキが大きい場合には、判定結果を変更することを特徴とする請求項2記載の車両の駆動力配分制御装置。
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