JP2014053802A - 報知装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ユーザが洗濯物の取り出しを忘れることによる異臭の発生をユーザに対して報知することができる報知装置を提供する。
【解決手段】アラーム装置1は、自装置周辺の温度および湿度を検出する温度/湿度センサ2と自装置に作用する加速度を検出する加速度センサ3とを備え、CPU9などを含む電子機器部分は、防水構造を備える外郭体に収容される。アラーム装置1が洗濯物とともに洗濯槽に投入された状態で、CPU9が、アラーム装置1の停止を検出すると、温度/湿度センサ2を動作させ、検出された温度および検出された湿度が、予め定める閾値に達したと判断すると、閾値に達したことを示す報知情報を、無線通信モジュール4およびアンテナ5を用いてユーザ端末装置に送信する。
【選択図】図1
【解決手段】アラーム装置1は、自装置周辺の温度および湿度を検出する温度/湿度センサ2と自装置に作用する加速度を検出する加速度センサ3とを備え、CPU9などを含む電子機器部分は、防水構造を備える外郭体に収容される。アラーム装置1が洗濯物とともに洗濯槽に投入された状態で、CPU9が、アラーム装置1の停止を検出すると、温度/湿度センサ2を動作させ、検出された温度および検出された湿度が、予め定める閾値に達したと判断すると、閾値に達したことを示す報知情報を、無線通信モジュール4およびアンテナ5を用いてユーザ端末装置に送信する。
【選択図】図1
Description
本発明は、洗濯装置の洗濯槽に投入され、洗濯が終了したことをユーザに報知する報知装置に関する。
全自動洗濯装置は、洗濯槽への注水、洗濯物の洗い、濯ぎおよび脱水に至るまで、予め設定された内容に応じて行うことから、ユーザの手間を極力排した使い勝手の良い家電製品である。全自動洗濯機は、設定された動作を終了すると、ブザーなどを鳴動させて、ユーザに動作終了を報知する。しかし、ブザー音が聞こえない場所でユーザが他の作業をしているような場合は、洗濯装置が停止したことにユーザが気づかないことがある。
洗濯装置の動作が停止したことを知らせる技術としては次のような技術がある。
特許文献1記載のメッセージ存在通知システムは、ユーザ宛のメッセージがあると、ユーザの近傍にある機器のうち使用程度が高い機器に対してメッセージがある旨をユーザに通知する。特許文献2記載の監視装置は、家庭内機器から発する振動、音、熱、光などを検出し、動作状態を判断して通信端末に送信する。
特許文献1記載のメッセージ存在通知システムは、ユーザ宛のメッセージがあると、ユーザの近傍にある機器のうち使用程度が高い機器に対してメッセージがある旨をユーザに通知する。特許文献2記載の監視装置は、家庭内機器から発する振動、音、熱、光などを検出し、動作状態を判断して通信端末に送信する。
洗濯装置が停止したことにユーザが気づかず、洗濯槽内に脱水後の水分を含んだ洗濯物を放置していると、洗濯物がいわゆる半乾き、生乾きの状態となって、異臭が発生する。
特許文献1,2記載の発明は、単に洗濯装置が動作を停止したことをユーザに通知するものであって、ブザーを鳴動させる技術と大差は無く、異臭の発生についてまで考慮したものではない。
本発明の目的は、ユーザが洗濯物の取り出しを忘れることによる異臭の発生をユーザに対して報知することができる報知装置を提供することである。
本発明は、洗濯機の洗濯槽内で、被洗濯物の移動に伴って移動する報知装置であって、
洗濯槽内における自装置周辺の温度を検出する温度検出部と、
洗濯槽内における自装置周辺の湿度を検出する湿度検出部と、
自装置の移動の停止を検出する停止検出部と、
停止検出部が移動の停止を検出すると、温度検出部と湿度検出部とを動作させ、検出された自装置周辺の温度が、予め定める閾値に達したかどうかの判断、および検出された自装置周辺の湿度が、予め定める閾値に達したかどうかの判断を行う判断部と、
判断部によって温度と湿度とがいずれも閾値に達したと判断されると、閾値に達したことを示す報知情報を、予め定める送信先に無線通信によって送信する無線通信部と、
収容空間を形成する外郭体であって、該収容空間に停止検出部、温度検出部、湿度検出部、判断部および無線通信部を収容し、外部から該収容空間への水の浸入を防ぐ防水構造を備える外郭体と、を備えることを特徴とする報知装置である。
洗濯槽内における自装置周辺の温度を検出する温度検出部と、
洗濯槽内における自装置周辺の湿度を検出する湿度検出部と、
自装置の移動の停止を検出する停止検出部と、
停止検出部が移動の停止を検出すると、温度検出部と湿度検出部とを動作させ、検出された自装置周辺の温度が、予め定める閾値に達したかどうかの判断、および検出された自装置周辺の湿度が、予め定める閾値に達したかどうかの判断を行う判断部と、
判断部によって温度と湿度とがいずれも閾値に達したと判断されると、閾値に達したことを示す報知情報を、予め定める送信先に無線通信によって送信する無線通信部と、
収容空間を形成する外郭体であって、該収容空間に停止検出部、温度検出部、湿度検出部、判断部および無線通信部を収容し、外部から該収容空間への水の浸入を防ぐ防水構造を備える外郭体と、を備えることを特徴とする報知装置である。
また本発明は、前記閾値は、特定の微生物が増殖可能となる温度および湿度に基づいて定められることを特徴とする。
また本発明は、前記閾値は、微生物が特定の異臭原因物質を生成可能となる温度および湿度に基づいて定められることを特徴とする。
また本発明は、前記外郭体は、JIS C0920:2003で規定される保護等級のIPX5、IPX6、IPX7、IPX8、IPX5/IPX7、IPX5/IPX8、IPX6/IPX7およびIPX6/IPX8のいずれかを満たすことを特徴とする。
また本発明は、前記外郭体は、球殻構造体であることを特徴とする。
また本発明は、前記外郭体は、球殻構造体であることを特徴とする。
また本発明は、前記無線通信部は、停止検出部が移動の停止を検出すると、前記予め定める送信先に、停止したことを示す停止情報を送信することを特徴とする。
本発明によれば、洗濯機の洗濯槽内で、被洗濯物の移動に伴って移動する報知装置であって、洗濯槽内における自装置周辺の温度を検出する温度検出部と、洗濯槽内における自装置周辺の湿度を検出する湿度検出部と、自装置の移動の停止を検出する停止検出部と、を備える。
判断部は、停止検出部が移動の停止を検出すると、温度検出部と湿度検出部とを動作させ、検出された自装置周辺の温度が、予め定める閾値に達したかどうかの判断、および検出された自装置周辺の湿度が、予め定める閾値に達したかどうかの判断を行う。無線通信部は、判断部によって温度と湿度とがいずれも閾値に達したと判断されると、閾値に達したことを示す報知情報を、予め定める送信先に無線通信によって送信する。
報知装置は、洗濯槽に投入されるため、外部から収容空間への水の浸入を防ぐ防水構造を備える外郭体に、停止検出部、温度検出部、湿度検出部、判断部および無線通信部の各部が収容される。
これにより、温度と湿度とがいずれも閾値に達すると、報知情報が予め定める送信先に無線通信によって送信されるので、洗濯物の取り出しを忘れることによる異臭の発生をユーザに対して報知することができる。
また本発明によれば、前記閾値は、特定の微生物が増殖可能となる温度および湿度に基づいて定められる。異臭原因物質を生成する微生物が増殖すると洗濯物から異臭が発生する可能性が高くなるので、閾値を特定の微生物が増殖可能となる値に設定することで、より確実に異臭の発生をユーザに対して報知することができる。
また本発明によれば、前記閾値は、微生物が特定の異臭原因物質を生成可能となる温度および湿度に基づいて定められる。微生物によって特定の異臭原因物質が生成されると洗濯物から異臭が発生する可能性が高くなるので、閾値を特定の異種原因物質を生成可能となる値に設定することで、より確実に異臭の発生をユーザに対して報知することができる。
また本発明によれば、前記外郭体は、JIS C0920:2003で規定される保護等級のIPX5、IPX6、IPX7、IPX8、IPX5/IPX7、IPX5/IPX8、IPX6/IPX7およびIPX6/IPX8のいずれかを満たすことにより、洗濯槽内での過酷な条件でも十分な防水特性を有する。
また本発明によれば、前記外郭体は、球殻構造体であるので、衣類などの洗濯物と一緒に洗濯槽に投入されても洗濯物を傷つけることがない。
また本発明によれば、前記無線通信部が、自装置の移動が停止したことを示す停止情報を送信するので、ユーザは洗濯が終了することを知ることもできる。
図1は、本発明の一実施形態であるアラーム装置1の構成を示すブロック図である。アラーム装置1は、洗濯装置の洗濯槽に投入され、洗濯中継続して洗濯物と一緒に洗濯槽内に留まる。アラーム装置1は、洗濯終了後に一旦、ユーザの携帯端末装置やPC(パーソナルコンピュータ)など(以下では「ユーザ端末装置」という)に洗濯終了を示す情報を送信する。その後洗濯槽内の温度および湿度を測定し、菌体が繁殖する条件を満たしたときに、ユーザ端末装置に警告情報を送信する。
アラーム装置1は、温度/湿度センサ2、加速度センサ3、無線通信モジュール4、アンテナ5、操作パネル6、バッテリ7、USB(Universal Serial Bus)コネクタ8、CPU(Central Processing Unit)9および防水筐体10を有する。
温度/湿度センサ2は、アラーム装置1周辺の温度、すなわち洗濯終了後の洗濯物が存在する洗濯槽内の温度を検出する温度検出部であり、アラーム装置1周辺の湿度(相対湿度)、すなわち洗濯終了後の洗濯物が存在する洗濯槽内の湿度を検出する湿度検出部である。
加速度センサ3は、アラーム装置1に作用する加速度を検出する。加速度センサ3の検出結果に基づいて、CPU9がアラーム装置1の移動の停止を検出する。アラーム装置1は、洗濯物と一緒に洗濯槽内で絶えず移動しており、脱水が終了して洗濯動作が終了すると、アラーム装置1の移動は停止する。
無線通信モジュール4は、アンテナ5と接続され、アンテナ5が受信した電波から受信信号を解析してCPU9に受け渡し、CPU9が生成した送信信号を電波に変換しアンテナ5を介して送信する。無線通信モジュール4が行う無線通信は、たとえば近距離無線通信であり、Wi−Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)あるいはZigbee(登録商標)などの通信方式で無線通信を行う。
操作パネル6は、表示部および操作キーを備え、ユーザが表示部に表示された内容を見ながら操作キーを操作することで、各種設定値の入力、動作コマンドの入力などを行う。たとえば、無線通信モジュール4による通信方式は、ユーザが操作パネル6を操作することにより設定することが可能であり、複数の通信方式から適宜選択することができる。
バッテリ7は、アラーム装置1の各部位に動作するための電源電圧を供給する。バッテリ7は、一次電池でも二次電池でも使用可能である。
USBコネクタ8は、USBケーブルが挿脱可能なUSBインターフェイスである。ユーザ端末装置とアラーム装置1とを有線接続する際に使用する。
CPU9は、一次メモリを含み、アラーム装置1全体の動作を制御する。CPU9は、加速度センサ3出力に基づいてアラーム装置1が停止したことを判断し、検出された温度および湿度が報知水準に達したかどうかを判断する。
防水筐体10は、温度/湿度センサ2、加速度センサ3、無線通信モジュール4、アンテナ5、操作パネル6、バッテリ7、USBコネクタ8、CPU9およびその他アラーム装置1を構成する各部材をその内部空間に収容し、外部からの水の侵入を防ぐ外郭である。防水筐体10は、防水性に関する規格を満足するように構成される。防水性に関する規格としては、JIS C0920:2003があり、防水筐体10は、JIS C0920:2003で規定される保護等級のIPX5、IPX6、IPX7、IPX8、IPX5/IPX7、IPX5/IPX8、IPX6/IPX7およびIPX6/IPX8のいずれかを満足するか、またはこれに相当する国際規格などを満足することが好ましい。また、防水筐体10は、アラーム装置1が洗濯物と一緒に洗濯槽に投入されることから、洗濯物の衣類などを傷つけないように外表面が球状であることが好ましく、たとえば球殻構造である。
図2は、アラーム装置1の外観図である。防水筐体10は、2つの半球殻部10a,10bに分割可能であり、図2では2つの半球殻部10a,10bが分割された状態を示している。使用時にはこれら2つの半球殻部10a,10bを、嵌め込みまたはねじ込みによって結合させ、防水性を有する球殻状にして洗濯槽内に投入する。
本実施形態では、半球殻部10b側に、少なくとも温度/湿度センサ2、加速度センサ3、無線通信モジュール4、アンテナ5、操作パネル6、バッテリ7、USBコネクタ8、CPU9が収容され、操作パネル6およびUSBコネクタ8の端子は、2つの半球殻部10a,10bに分離したときに露出するように構成される。
ユーザは、設定を変更したり、コマンドを入力するときには、防水筐体10を2つの半球殻部10a,10bに分離し、露出した操作パネル6の表示部6aおよび操作キー6bを操作することができる。洗濯装置に投入する際には、2つの半球殻部10a,10bを再度球殻状に戻せばよい。
半球殻部10a,10bの結合は、上記のように嵌め込みでもねじ込みでもよいが、洗濯槽内でアラーム装置1に発生する衝撃力、要求される防水性を考慮すると、ねじ込み式とするのが好ましい。
図3は、半球殻部10a,10bの螺合部分の構成を示す拡大断面図である。螺合時に、半球殻部10a側の螺合部が、半球殻部10b側の螺合部よりも内側に位置し、半球殻部10b側の螺合部が、半球殻部10a側の螺合部よりも外側に位置するように、半球殻部10a,10bにそれぞれ螺合部が設けられる。半球殻部10a側の螺合部には外ねじ11が設けられ、半球殻部10b側の螺合部には、外ねじ11に螺合する内ねじ12が設けられる。外ねじ11と内ねじ12とが螺合することで、半球殻部10a,10bが結合されるとともに、防水筐体10の内部空間と外部空間とがこのねじ部で遮断され、ある程度の防水性を有することになる。ねじによる螺合だけでは所望の防水性は得られないので、半球殻部10b側の螺合部の内ねじ12よりも半球殻部10a寄りに、内周面に開口する嵌合凹所13を設け、嵌合凹所13にたとえばOリングなどのシール部材14を嵌め込む。Oリングの直径は、嵌合凹所13の深さよりも大きくする。外ねじ11と内ねじ12とが螺合すると、Oリングが半球殻部10aの螺合部の外周面に当接し、シール面が形成され、所望の防水性を有する防水構造を備えることができる。
防水筐体10は、たとえば、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)およびポリカーボネート樹脂(PC樹脂)などの熱可塑性樹脂などの材質からなり、半球殻部10a,10bの螺合部分が十分な剛性を有するので、螺合部分におけるシール部材の当接圧は十分に高く、大きな防水性が得られる。
また、防水筐体10は、直径がたとえば7〜12cmであり、アラーム装置1全体としての比重が1以下で、アラーム装置1全体が水に浮くように形成されることが好ましい。
このような構成のアラーム装置1は、洗濯装置で衣服などの洗濯物を洗濯する際に、洗濯槽に投入される。注水、洗い、濯ぎおよび脱水時には、洗濯槽は連続的または断続的に回転しており、アラーム装置1もその回転によって洗濯物と一緒に洗濯槽内を移動させられることになる。この間加速度センサ3は、所定値以上の加速度を検出し続ける。
脱水が終了すると洗濯槽の回転も止まるので、加速度センサ3は0(ゼロ)または所定値よりも小さな加速度しか検出しなくなるので、CPU9は、加速度センサ3の出力結果から脱水が終了した、すなわち洗濯が終了したと判断する。
速やかにユーザが、洗濯物とアラーム装置1とを洗濯槽から取り出せば、不具合は生じないが、ユーザが洗濯物の取り出しを忘れて放置すると、脱水後の水分を含んだ洗濯物の生地内部または生地表面において、特定の菌体が増殖することにより異臭が発生するおそれがある。
菌体には、個体数を増加させる増殖条件があり、十分な養分が存在する前提では、所定の温度範囲および所定の水分量範囲を満たすと、増殖が可能となる。洗濯物の場合は、洗濯によって落ちていない汚れ、たとえば皮脂汚れなどの有機物の汚れは、菌体が増殖するのに十分な養分となり、脱水後であっても水分が存在する。したがって、温度範囲が所定の範囲内であれば、菌体は容易に増殖してしまう。
洗濯後の異臭の原因物質としては、いくつか考えられるが、代表的な原因物質に4−メチル−3−ヘキセン酸(4M3H)がある。この4M3Hは、雑巾様臭の原因物質であり、脂肪酸の一種である。洗濯物に付着した汚れは、そのままでは4M3Hに変化することはないが、近年の研究によりモラクセラ菌(Moraxella osloensis)が、洗濯物に付着した汚れの有機物から4M3Hを生成することがわかっている。
ユーザが洗濯物の取り出しを忘れたとしても、異臭が発生しなければ特に不具合は生じないが、異臭が発生してしまうと、再度洗濯をしなければならなくなるなど大きな不具合が生じる。本発明のアラーム装置1は、単に洗濯の終了をユーザに知らせるだけではなく、菌体の増殖を予測して、菌体が増殖する可能性が高くなるとユーザに対して警告を発する。
前述のように汚れに起因する有機物によって十分な養分が存在するという前提で、菌体が増殖可能な条件を判断するには、洗濯が終了した洗濯物が残された洗濯槽内の温度と水分量(相対湿度)とを検出し、その検出結果が菌体の増殖可能な閾値に達すると、ユーザに対して、洗濯物から異臭が発生する可能性が高いことを報知する。
温度と相対湿度の閾値は、洗濯が終了してからの経過時間によって変更することが好ましい。相対湿度が高く、温度も高いほど短時間で異臭が発生する可能性が高いという傾向がある。洗濯が終了してからの経過時間が30分以内では、相対湿度60%および温度30℃を閾値とし、検出された相対湿度と温度とが閾値に達すると報知を行う。洗濯が終了してからの経過時間が30分を超えて1時間以内では、相対湿度50%および温度20℃を閾値とし、検出された相対湿度と温度とが閾値に達すると報知を行う。また、1時間を超えると、相対湿度40%および温度15℃を閾値とし、検出された相対湿度と温度とが閾値に達すると報知を行う。なお、経過時間によって閾値が変更された時点で、すでに相対湿度と温度とが閾値に達しているまたは閾値を超えている場合は、閾値が変更された時点で変更後の閾値に相対湿度と温度とが達したものとして速やかに報知を行う。
したがって、たとえば洗濯槽内環境を想定したモラクセラ菌(Moraxella osloensis)が増殖可能な温度および相対湿度条件を、予め菌体培養実験などにより決定しておき、決定した温度および相対湿度条件を、警告を発するかどうかの判断基準としてアラーム装置1に記憶しておく。
なお、異臭の原因物質は、微量であってもユーザが認識できる程度の異臭を発することになるので、菌体が増殖しなくとも異臭が発生する可能性がある。したがって、警告を発するかどうかの判断基準としては、菌体が増殖可能かどうか以外に、菌体が異臭の原因物質を生成可能かどうかとすることもできる。
たとえば洗濯槽内環境を想定したモラクセラ菌(Moraxella osloensis)が4M3Hを生成可能な温度および相対湿度条件を、予め実験などにより決定しておき、決定した温度および相対湿度条件を、警告を発するかどうかの判断基準としてアラーム装置1に記憶しておいてもよい。
ユーザに対する、洗濯物から異臭が発生する可能性が高いことの報知は、予め定める送信先のユーザ端末装置に対して無線通信によって、電子メールやショートメッセージを送信する他、独自のメッセージプログラムに基づいて報知することも可能である。たとえば電子メールでは、予めユーザのメールアドレスをアラーム装置1に記憶しておき、検出結果が菌体の増殖可能な閾値に達すると、記憶されているアドレスを宛先として報知のための電子メールを送信する。「洗濯物が臭くなってしまうので、早く取り出して下さい。」などの定型文テキストを記憶しておき、送信時に電子メール本文に挿入すればよい。
図4は、アラーム装置1の警告処理を示すフローチャートである。ユーザは、洗濯装置で洗濯を開始しようとするときにアラーム装置1の電源をオンする。アラーム装置1の電源がオンされるとフローが開始され、ステップS1では、使用する通信方式がBluetoothであるかどうかを判断する。使用する通信方式は、ユーザが設定可能であるので、ユーザがBluetoothを選択して通信方式として設定していればステップS2に進み、警告メッセージの送信先となるユーザ端末装置の接続リンクを形成するためのペアリングを行う。ペアリングは、ユーザが操作パネル6を操作することで行ってもよく、PCなどをUSBケーブルでアラーム装置1に接続してPCの操作でペアリングを行ってもよい。
ペアリングが終了してユーザ端末装置との接続リンクが確立すると、ステップS3で、加速度センサ3を起動させる。ユーザは、ペアリングが終了すると、洗濯物と一緒にアラーム装置1を洗濯槽内に投入する。なお、アラーム装置1を投入するタイミングは、任意であり、注水前から投入してもよく、洗い時、濯ぎ時および脱水時に投入してもよい。
ステップS1で、通信方式がBluetoothでない場合、たとえばWi−Fiなどが通信方式として選択され設定されている場合は、ステップS4で、無線LANの接続を開始するとともに、加速度センサ3を起動させる。予め送信先のユーザ端末装置でWi−Fiによる無線通信の設定しておけば、アラーム装置1の電源をオンすればアラーム装置1とユーザ端末装置とが無線通信可能な状態となる。
ステップS5では、加速度センサ3の検出結果である加速度データが変化しない時間が規定値1を超えたかどうかを判断する。洗濯装置による洗濯動作を停止するまでは、アラーム装置1は、洗濯槽の回転によって連続的または断続的に移動させられるので、加速度センサ3により加速度データは、連続的または断続的に変化する。洗濯動作が終了すると、アラーム装置1は移動しなくなるので、加速度データは、ゼロまたはゼロに近似の値で変化しなくなる。加速度データが変化しなくなると変化のない時間を計時し、洗濯の終了を判断するために、計時した時間が予め定める規定値1を超えたかどうかを判断する。規定値1は、洗濯装置による洗濯が終了したことを判断するための指標であり、たとえば1〜10分間の間でユーザが任意に設定することが可能である。
加速度データが変化しない時間、すなわちアラーム装置1の移動が停止し続けている時間が規定値1を超えると、洗濯が終了したものとしてステップS6に進み、規定値1を超えなければ待機する。なお、加速度データが変化しない時間の計時は、ステップS5の判断が終了したのちも継続する。
ステップS6では、ユーザ端末装置に対して、まずは洗濯が終了したことを通知する。選択終了の通知は、警告メッセージの送信と同様に行うことができる。たとえば、洗濯が終了したことを示す定型文テキストをメール本文に挿入した電子メールを、記憶されているユーザ端末装置のアドレスに送信する。
ここで、ユーザが気付いて洗濯物を洗濯槽から取り出し、アラーム装置1の電源をオフすれば、警告処理は強制終了となる。ユーザが気付かずに洗濯物を取り出さない場合は、警告処理が継続する。
ステップS7では、温度/湿度センサ2を起動させる。ステップS8では、温度/湿度センサ2の検出結果である温度データおよび湿度データを、予め記憶された判断基準と比較し、温度データおよび湿度データがいずれも判断基準の閾値に達したかどうかを判断する。いずれも判断基準の閾値に達したら、閾値に達してからの時間を計時し、計時した時間が規定値2を超えたかどうかを判断する。規定値2を超えればステップS10に進み、超えていなければステップS9に進む。ステップS9では、継続して計時している加速度データが変化しない時間が、規定値3を超えたかどうかを判断する。
洗濯装置の周辺環境や洗濯動作によっては、長時間にわたって温度データおよび湿度データが判断基準の閾値に達しない場合も想定される。このような場合、温度データおよび湿度データが判断基準の閾値に達してはいないが、わずかながらも菌体の個体数が増加したり、異臭の原因物質が生成される状態が長時間継続する、すなわち洗濯物が取り出されずに放置されると、異臭が発生する可能性がある。規定値3は、このような場合にもやはり警告メッセージをユーザ端末装置に送信するための指標であり、たとえば1〜8時間の間でユーザが任意に設定することが可能である。
継続して計時している加速度データが変化しない時間が、規定値3を超えればステップS10に進み、超えていなければステップS9に戻る。
ステップS10では、洗濯物から異臭が発生する可能性が高いことを報知するための警告メッセージをユーザ端末装置に送信する。
ステップS11では、ユーザが洗濯物を取り出すなどし、アラーム装置1を操作して警告メッセージの通知を解除したかどうかを判断し、解除されると処理を終了し、解除されなければ、ステップS12に進み、解除されるまで一定間隔で定期的に警告メッセージの送信を繰り返す。
1 アラーム装置
2 温度/湿度センサ
3 加速度センサ
4 無線通信モジュール
5 アンテナ
6 操作パネル
6a 表示部
6b 操作キー
7 バッテリ
8 USBコネクタ
9 CPU
10 防水筐体
10a 半球殻部
10b 半球殻部
11 外ねじ
12 内ねじ
13 嵌合凹所
14 シール部材
2 温度/湿度センサ
3 加速度センサ
4 無線通信モジュール
5 アンテナ
6 操作パネル
6a 表示部
6b 操作キー
7 バッテリ
8 USBコネクタ
9 CPU
10 防水筐体
10a 半球殻部
10b 半球殻部
11 外ねじ
12 内ねじ
13 嵌合凹所
14 シール部材
Claims (6)
- 洗濯機の洗濯槽内で、被洗濯物の移動に伴って移動する報知装置であって、
洗濯槽内における自装置周辺の温度を検出する温度検出部と、
洗濯槽内における自装置周辺の湿度を検出する湿度検出部と、
自装置の移動の停止を検出する停止検出部と、
停止検出部が移動の停止を検出すると、温度検出部と湿度検出部とを動作させ、検出された自装置周辺の温度が、予め定める閾値に達したかどうかの判断、および検出された自装置周辺の湿度が、予め定める閾値に達したかどうかの判断を行う判断部と、
判断部によって温度と湿度とがいずれも閾値に達したと判断されると、閾値に達したことを示す報知情報を、予め定める送信先に無線通信によって送信する無線通信部と、
収容空間を形成する外郭体であって、該収容空間に停止検出部、温度検出部、湿度検出部、判断部および無線通信部を収容し、外部から該収容空間への水の浸入を防ぐ防水構造を備える外郭体と、を備えることを特徴とする報知装置。 - 前記閾値は、特定の微生物が増殖可能となる温度および湿度に基づいて定められることを特徴とする請求項1記載の報知装置。
- 前記閾値は、微生物が特定の異臭原因物質を生成可能となる温度および湿度に基づいて定められることを特徴とする請求項1記載の報知装置。
- 前記外郭体は、JIS C0920:2003で規定される保護等級のIPX5、IPX6、IPX7、IPX8、IPX5/IPX7、IPX5/IPX8、IPX6/IPX7およびIPX6/IPX8のいずれかを満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の報知装置。
- 前記外郭体は、球殻構造体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の報知装置。
- 前記無線通信部は、停止検出部が移動の停止を検出すると、前記予め定める送信先に、停止したことを示す停止情報を送信することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の報知装置。
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