JP2014052700A - 制御装置および制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】制御装置は、高度制御演算により操作量MV1を算出する上位側制御演算部10と、操作量MV1に、規定の操作量幅を与えることにより操作量下限値OL、操作量上限値OHを算出する操作量変換部11と、下位側のリミット処理で用いる操作量下限値OL、操作量上限値OHを操作量変換部11で算出された値に変更する上下限値設定部12と、フィードバック制御演算により操作量MV2を算出する下位側制御演算部20と、下位側制御演算部20で算出された操作量MV2を操作量下限値OL以上で操作量上限値OH以下の値に制限するリミット処理を行うリミット処理部21と、リミット処理された操作量MV2を制御対象に出力する操作量出力部22とを備える。
【選択図】 図2
Description
多くのケースで、高度制御は複数の状態観測値を取り込む多入力のアルゴリズムが採用されるのであるが、それゆえに演算量も大きくなる。そして、演算量が大きい(演算が集中的になる)高度制御は、演算機能がダウンするリスクも無視できないということになるので、高度制御のアルゴリズムを単独で実装するのは、リスクの高い計装ということになる。
したがって、高度制御とPID制御とを組み合わせたハイブリッド制御を実装することが好ましいが、高度制御とPID制御とを組み合わせる手法は実際には確立されておらず、高度制御の異常をPID制御で補うバックアップの技術や高度制御の誤差をPID制御で吸収する誤差吸収の技術は実現できていなかった。
操作量MVを直接的に算出するタイプの高度制御に対し、誤差吸収の機能が必要になるということは、この操作量MVに暗黙の誤差範囲が実質的に想定されていることに、発明者は着眼した。そして、以下の課題解決方法に想到した。
高度制御の操作量MVに、誤差範囲を想定した幅を考慮する。この操作量幅を、PID制御ループの操作量下限値OL、操作量上限値OHとしてPID制御ループに与えれば、PID制御ループはフィードバック演算による誤差吸収が行なえる。このとき、PID制御ループの設定値SPには、高度制御側に設定されるはずの設定値SPと同じ変数を重複して割当てればよい。また、これによりPID制御ループが常時動作することになるので、高度制御が不調になったり無効状態になったりしたときのためのバックアップ構造としても機能するようになる。
なお、操作量下限値OL、操作量上限値OHは市販の温調計などが備える一般的なパラメータなので、PID制御演算部として温調計のような市販のコントローラを利用することができ、製造コスト的にも有利になる。
上記の発明の原理1において、操作量幅を常に適度な幅に維持していれば、高度制御の異常をPID制御で補う適切なバックアップを実現することができる。しかし、高度制御の影響割合(支配率)を高めるために操作量幅をゼロに近づけた状態において高度制御に故障が発生し、そのまま操作量下限値OL、操作量上限値OHが更新されなくなると、PID制御による操作量MVの可変範囲が極端に狭くなったままになり、バックアップとしての機能が制約されてしまうという問題がある。
なお、高度制御の故障発生に限らず、オペレータの操作(誤操作を含む)による高度制御の停止、高度制御で算出する操作量の正常範囲からの逸脱による無効化などについても、同様に異常として通知するのが好ましい。
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施の形態は、上記発明の原理1に対応するものである。図1は本実施の形態に係る制御系の構成を示すブロック図である。本実施の形態の制御系は、高度制御演算部1と、温調計2と、SSR(Solidstate Relay)やSCR(Silicon Controlled Rectifier)などの電力調整器3とから構成される。なお、図1では、操作量MVの出力先である制御対象として電力調整器3を例に挙げているが、これに限るものではなく、バルブ等を制御対象としてもよい。
高度制御演算部1は、例えば高度制御演算により操作量MV1を算出する上位側制御演算部10と、上位側制御演算部10で算出された操作量MV1に、規定された操作量幅を与えることにより操作量下限値OL、操作量上限値OHに変換する操作量変換部11と、操作量変換部11で得られた操作量下限値OL、操作量上限値OHを、温調計2の後述するリミット処理部で用いる値として設定する上下限値設定部12とを有する。
MV1=ASP+BX1+CX2+DX3 ・・・(1)
式(1)において、SPは制御装置のオペレータによって設定される、制御対象の炉内温度に対する設定値、X1は操作量MV1を決定するために考慮すべき第1の状態量(例えば炉内圧力計測値)、X2は操作量MV1を決定するために考慮すべき第2の状態量(例えば炉内湿度計測値)、X3は操作量MV1を決定するために考慮すべき第3の状態量(例えば炉外周辺温度計測値)、A,B,C,Dは予め規定される1次多項式係数である。
OL=MV1−αL ・・・(2)
OH=MV1+αH ・・・(3)
式(2)、式(3)においてαLは予め規定された下限値用の操作量幅、αHは予め規定された上限値用の操作量幅である。操作量幅αLとαHは同じ値でもよいし、異なる値でもよい。
MV2=(100/Pb){1+(1/Tis)+Tds}(SP−PV)
・・・(4)
式(4)において、SPは制御対象の炉内温度に対する設定値であり、上位側制御演算部10が用いる値と同じである。PVは図示しない温度センサによって計測される制御対象の炉内温度計測値(制御量)、Pbは予め規定された比例帯、Tiは予め規定された積分時間、Tdは予め規定された微分時間、sはラプラス演算子である。
IF MV2<OL THEN MV2=OL ・・・(5)
IF MV2>OH THEN MV2=OH ・・・(6)
つまり、リミット処理部21は、操作量MV2が操作量下限値OLより小さい場合、操作量MV2=OLとし、操作量MV2が操作量上限値OHより大きい場合、操作量MV2=OHとする。
以上のようなステップS1〜S6の処理が、例えばオペレータからの指令によって制御が終了するまで(図3ステップS7においてYES)、制御周期毎に繰り返し実行される。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、上記発明の原理2に対応するものである。本実施の形態においても制御系の構成は図1に示したとおりである。図5は本実施の形態の制御装置の詳細な構成を示すブロック図である。
ステップS1〜S7の処理は通常時の繰返し処理であり、第1の実施の形態で説明したとおりであるので、説明は省略する。
以上のようなステップS9〜S14の処理が、上位側制御演算部10の異常が解消するまで(図6ステップS15においてYES)、制御周期毎に繰り返し実行される。
こうして、本実施の形態では、高度制御の異常をPID制御で補うバックアップ機能が不要な制約を受けないようにすることができる。
Claims (4)
- 高度制御演算により設定値SPから操作量MV1を算出する上位側制御演算手段と、
この上位側制御演算手段で算出された操作量MV1に、予め規定された操作量幅を与えることにより操作量下限値OL、操作量上限値OHのうち少なくとも一方を算出する操作量変換手段と、
下位側のリミット処理で用いる操作量下限値OL、操作量上限値OHを前記操作量変換手段で算出された値に変更する上下限値設定手段と、
フィードバック制御演算により設定値SPから操作量MV2を算出する下位側制御演算手段と、
この下位側制御演算手段で算出された操作量MV2を操作量下限値OL以上で操作量上限値OH以下の値に制限する前記リミット処理を行なうリミット処理手段と、
このリミット処理された操作量MV2を制御対象に出力する操作量出力手段とを備えることを特徴とする制御装置。 - 請求項1記載の制御装置において、
さらに、前記上位側制御演算手段に異常が発生したときに、異常が発生したことを通知する異常化通知手段と、
前記上位側制御演算手段の異常が解消したときに、異常が解消したことを通知する正常化通知手段と、
前記異常化通知手段からの通知を受けたときに、前記リミット処理手段で用いる操作量下限値OLの数値として許容される最小値を設定し、前記リミット処理手段で用いる操作量上限値OHの数値として許容される最大値を設定すると共に、前記上下限値設定手段の処理を停止させる上下限値変更手段と、
前記正常化通知手段からの通知を受けたときに、前記上下限値設定手段の処理を起動する起動指示手段とを備えることを特徴とする制御装置。 - 高度制御演算により設定値SPから操作量MV1を算出する上位側制御演算ステップと、
この上位側制御演算ステップで算出した操作量MV1に、予め規定された操作量幅を与えることにより操作量下限値OL、操作量上限値OHのうち少なくとも一方を算出する操作量変換ステップと、
下位側のリミット処理で用いる操作量下限値OL、操作量上限値OHを前記操作量変換ステップで算出した値に変更する上下限値設定ステップと、
フィードバック制御演算により設定値SPから操作量MV2を算出する下位側制御演算ステップと、
この下位側制御演算ステップで算出した操作量MV2を操作量下限値OL以上で操作量上限値OH以下の値に制限する前記リミット処理を行なうリミット処理ステップと、
このリミット処理した操作量MV2を制御対象に出力する操作量出力ステップとを備えることを特徴とする制御方法。 - 請求項3記載の制御方法において、
さらに、前記上位側制御演算ステップを実行する上位側制御演算手段に異常が発生したときに、異常が発生したことを通知する異常化通知ステップと、
前記上位側制御演算手段の異常が解消したときに、異常が解消したことを通知する正常化通知ステップと、
前記異常化通知ステップによる通知を受けたときに、前記リミット処理ステップで用いる操作量下限値OLの数値として許容される最小値を設定し、前記リミット処理ステップで用いる操作量上限値OHの数値として許容される最大値を設定すると共に、前記上下限値設定ステップの処理を停止させる上下限値変更ステップと、
前記正常化通知ステップによる通知を受けたときに、前記上下限値設定ステップの処理を起動する起動指示ステップとを備えることを特徴とする制御方法。
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JP2014085688A (ja) * | 2012-10-19 | 2014-05-12 | Azbil Corp | 制御装置および制御方法 |
JP2015022670A (ja) * | 2013-07-23 | 2015-02-02 | アズビル株式会社 | 制御装置および制御方法 |
CN107155337A (zh) * | 2014-10-28 | 2017-09-12 | 三菱重工业株式会社 | 辅助设备控制装置、控制系统、增压器、控制方法及程序 |
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