JP2014052700A - 制御装置および制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高度制御の異常を下位側の制御で補うバックアップの技術や高度制御の誤差を下位側の制御で吸収する誤差吸収の技術を実現する。
【解決手段】制御装置は、高度制御演算により操作量MV1を算出する上位側制御演算部10と、操作量MV1に、規定の操作量幅を与えることにより操作量下限値OL、操作量上限値OHを算出する操作量変換部11と、下位側のリミット処理で用いる操作量下限値OL、操作量上限値OHを操作量変換部11で算出された値に変更する上下限値設定部12と、フィードバック制御演算により操作量MV2を算出する下位側制御演算部20と、下位側制御演算部20で算出された操作量MV2を操作量下限値OL以上で操作量上限値OH以下の値に制限するリミット処理を行うリミット処理部21と、リミット処理された操作量MV2を制御対象に出力する操作量出力部22とを備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、高度制御のような上位側制御とPID制御のような下位側制御とを組み合わせたハイブリッド制御を実現する制御装置および制御方法に関するものである。
従来より、多変数モデル予測制御などの技術に基づく高度制御(例えば大規模プラントで利用されるAdvanced Process Control)技術が知られている。多変数モデル予測制御は、制御変数や操作変数などの多変数間の関係をモデル化して、拘束条件や経済効率などの相互関係を与えることで、最適運転・経済運転を行うための制御である。このような多変数モデル予測制御(特許文献1参照)あるいは多点温度均熱化制御(特許文献2参照)の上位側や目標値整形制御(特許文献3参照)の上位側やシミュレーションベースのオープンループ制御(特許文献4参照)のような高度制御と、PID制御とのハイブリッド制御を実現する手法としては、上位側の高度制御の出力を下位側のPID制御の設定値SPとして設定する手法が考えられる。
図8は高度制御とPID制御とを組み合わせたハイブリッド制御系の構成を示すブロック図である。多くのケースで、高度制御演算部100は、複数の状態観測値を取り込む多入力のアルゴリズムが採用され、シミュレーションや最適化演算などを経て、温度や圧力などの状態量について維持すべき値(目標値)を算出する。そして、温度や圧力などの単変数の状態量を目標値に維持するために、PID制御演算部101は、高度制御演算部100が算出した目標値を設定値SPとして、電力調整器102やバルブ等への指示値である操作量MVを算出する。
したがって、上位側の高度制御演算部100のハードウエアが故障したり、多入力系ゆえに想定された入力値のカバー範囲を外れて無効状態になったりしても、設定値SPが維持されたままのPID制御が継続するので、温度や圧力などの状態量が暴走することは起こらない。すなわち、制御アルゴリズムとしては、高度制御の異常をPID制御で補うバックアップ構造になる。
また、高度制御が例えばシミュレーションベースのオープンループ制御であれば、状態量観測値に基づく修正動作が不十分な構造という可能性もあることになる。このような高度制御に対し、下位の制御アルゴリズムとしてPID制御が組み合わせられていれば、最低限の修正動作が末端に備えられている形になるので、制御系全体の安全性が高められることになる。すなわち、制御アルゴリズムとしては相互補完関係になる。
上記のような有効な組み合わせ方が成り立つのは、PID制御が、高度制御から設定値SPを受け取るポジションに入ることが条件になる。逆に言えば、PID制御が、高度制御と設定値SPを共有する形にできなければ、制御アルゴリズムのバックアップ構造、相互補完関係にはならない。
特許第3758862号公報 特許第4358674号公報 特許第4639821号公報 特開平10−285804号公報
高度制御側の出力を、電力調整器やバルブへの指示値である操作量MVとすることも、理論上は十分可能である。このとき、高度制御の操作量MVがPID制御の操作量MVと同じ変数になって重複する場合は、図9に示すように高度制御の単独構造にならざるを得ない。
多くのケースで、高度制御は複数の状態観測値を取り込む多入力のアルゴリズムが採用されるのであるが、それゆえに演算量も大きくなる。そして、演算量が大きい(演算が集中的になる)高度制御は、演算機能がダウンするリスクも無視できないということになるので、高度制御のアルゴリズムを単独で実装するのは、リスクの高い計装ということになる。
また、高度制御が状態量観測値をフィードバックする制御でない場合、温度や圧力などの目標値(設定値SPに相当)と実際の値(制御量PVに相当)との間に誤差が生じる可能性が高くなる。高度制御のアルゴリズムを単独で実装する場合には、この誤差を吸収できないことになる。
したがって、高度制御とPID制御とを組み合わせたハイブリッド制御を実装することが好ましいが、高度制御とPID制御とを組み合わせる手法は実際には確立されておらず、高度制御の異常をPID制御で補うバックアップの技術や高度制御の誤差をPID制御で吸収する誤差吸収の技術は実現できていなかった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、高度制御とPID等のフィードバック制御とを組み合わせたハイブリッド制御を実現し、高度制御の異常をフィードバック制御で補うバックアップの技術や高度制御の誤差をフィードバック制御で吸収する誤差吸収の技術を実現することができる制御装置および制御方法を提供することを目的とする。
本発明の制御装置は、高度制御演算により設定値SPから操作量MV1を算出する上位側制御演算手段と、この上位側制御演算手段で算出された操作量MV1に、予め規定された操作量幅を与えることにより操作量下限値OL、操作量上限値OHのうち少なくとも一方を算出する操作量変換手段と、下位側のリミット処理で用いる操作量下限値OL、操作量上限値OHを前記操作量変換手段で算出された値に変更する上下限値設定手段と、フィードバック制御演算により設定値SPから操作量MV2を算出する下位側制御演算手段と、この下位側制御演算手段で算出された操作量MV2を操作量下限値OL以上で操作量上限値OH以下の値に制限する前記リミット処理を行なうリミット処理手段と、このリミット処理された操作量MV2を制御対象に出力する操作量出力手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の制御装置の1構成例は、さらに、前記上位側制御演算手段に異常が発生したときに、異常が発生したことを通知する異常化通知手段と、前記上位側制御演算手段の異常が解消したときに、異常が解消したことを通知する正常化通知手段と、前記異常化通知手段からの通知を受けたときに、前記リミット処理手段で用いる操作量下限値OLの数値として許容される最小値を設定し、前記リミット処理手段で用いる操作量上限値OHの数値として許容される最大値を設定すると共に、前記上下限値設定手段の処理を停止させる上下限値変更手段と、前記正常化通知手段からの通知を受けたときに、前記上下限値設定手段の処理を起動する起動指示手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の制御方法は、高度制御演算により設定値SPから操作量MV1を算出する上位側制御演算ステップと、この上位側制御演算ステップで算出した操作量MV1に、予め規定された操作量幅を与えることにより操作量下限値OL、操作量上限値OHのうち少なくとも一方を算出する操作量変換ステップと、下位側のリミット処理で用いる操作量下限値OL、操作量上限値OHを前記操作量変換ステップで算出した値に変更する上下限値設定ステップと、フィードバック制御演算により設定値SPから操作量MV2を算出する下位側制御演算ステップと、この下位側制御演算ステップで算出した操作量MV2を操作量下限値OL以上で操作量上限値OH以下の値に制限する前記リミット処理を行なうリミット処理ステップと、このリミット処理した操作量MV2を制御対象に出力する操作量出力ステップとを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の制御方法の1構成例は、さらに、前記上位側制御演算ステップを実行する上位側制御演算手段に異常が発生したときに、異常が発生したことを通知する異常化通知ステップと、前記上位側制御演算手段の異常が解消したときに、異常が解消したことを通知する正常化通知ステップと、前記異常化通知ステップによる通知を受けたときに、前記リミット処理ステップで用いる操作量下限値OLの数値として許容される最小値を設定し、前記リミット処理ステップで用いる操作量上限値OHの数値として許容される最大値を設定すると共に、前記上下限値設定ステップの処理を停止させる上下限値変更ステップと、前記正常化通知ステップによる通知を受けたときに、前記上下限値設定ステップの処理を起動する起動指示ステップとを備えることを特徴とするものである。
本発明によれば、上位側制御演算手段で算出された操作量MV1に、予め規定された操作量幅を与えることにより操作量下限値OL、操作量上限値OHのうち少なくとも一方を算出する操作量変換手段と、下位側のリミット処理で用いる操作量下限値OL、操作量上限値OHを操作量変換手段で算出された値に変更する上下限値設定手段とを設けることにより、高度制御とPID等のフィードバック制御とを組み合わせたハイブリッド制御を実現することができ、高度制御の異常をフィードバック制御で補うバックアップの技術や高度制御の誤差をフィードバック制御で吸収する誤差吸収の技術を実現することができる。また、本発明では、下位側制御演算手段とリミット処理手段と操作量出力手段として、例えば温調計のような市販のコントローラを利用することができる。
また、本発明では、上位側制御演算手段に異常が発生したときに、異常が発生したことを通知する異常化通知手段と、異常化通知手段からの通知を受けたときに、リミット処理手段で用いる操作量下限値OLの数値として許容される最小値を設定し、リミット処理手段で用いる操作量上限値OHの数値として許容される最大値を設定すると共に、上下限値設定手段の処理を停止させる上下限値変更手段とを設けることにより、高度制御の異常をフィードバック制御で補うバックアップ機能が不要な制約を受けないようにすることができる。
本発明の第1の実施の形態に係る制御系の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る制御装置の詳細な構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る制御装置の動作を説明するフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係る制御装置の動作を説明する図である。 本発明の第2の実施の形態に係る制御装置の詳細な構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態に係る制御装置の動作を説明するフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る制御装置の動作を説明する図である。 高度制御とPID制御とを組み合わせたハイブリッド制御系の構成を示すブロック図である。 高度制御単独の制御系の構成を示すブロック図である。
[発明の原理1]
操作量MVを直接的に算出するタイプの高度制御に対し、誤差吸収の機能が必要になるということは、この操作量MVに暗黙の誤差範囲が実質的に想定されていることに、発明者は着眼した。そして、以下の課題解決方法に想到した。
高度制御の操作量MVに、誤差範囲を想定した幅を考慮する。この操作量幅を、PID制御ループの操作量下限値OL、操作量上限値OHとしてPID制御ループに与えれば、PID制御ループはフィードバック演算による誤差吸収が行なえる。このとき、PID制御ループの設定値SPには、高度制御側に設定されるはずの設定値SPと同じ変数を重複して割当てればよい。また、これによりPID制御ループが常時動作することになるので、高度制御が不調になったり無効状態になったりしたときのためのバックアップ構造としても機能するようになる。
さらに、操作量幅(上限値OHと下限値OLとの差)をゼロに近づければ、高度制御側から直接的に操作量MVを電力調整器などに作用させている状態に近づけることができる。すなわち、操作量幅を調整することで、高度制御の影響割合(支配率)を実質的に調整できるというように、可調整なハイブリッド制御を実現することができる。
なお、操作量下限値OL、操作量上限値OHは市販の温調計などが備える一般的なパラメータなので、PID制御演算部として温調計のような市販のコントローラを利用することができ、製造コスト的にも有利になる。
[発明の原理2]
上記の発明の原理1において、操作量幅を常に適度な幅に維持していれば、高度制御の異常をPID制御で補う適切なバックアップを実現することができる。しかし、高度制御の影響割合(支配率)を高めるために操作量幅をゼロに近づけた状態において高度制御に故障が発生し、そのまま操作量下限値OL、操作量上限値OHが更新されなくなると、PID制御による操作量MVの可変範囲が極端に狭くなったままになり、バックアップとしての機能が制約されてしまうという問題がある。
発明者は、この問題を解決するために、上位側の高度制御に故障が発生したときに、このことがPID制御側に通知されるように構成し、高度制御に故障が発生したことが通知されたら、PID制御の操作量下限値OL、操作量上限値OHをそれぞれ許容される最小値、最大値(例えば下限値OLは0%、上限値OHは100%)に自動変更することに想到した。これにより、PID制御ループが下位側で連続演算として動作しながら、非常時用のバックアップとして不要な制約を受けない理想的な分散配置になる。
なお、高度制御の故障発生に限らず、オペレータの操作(誤操作を含む)による高度制御の停止、高度制御で算出する操作量の正常範囲からの逸脱による無効化などについても、同様に異常として通知するのが好ましい。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施の形態は、上記発明の原理1に対応するものである。図1は本実施の形態に係る制御系の構成を示すブロック図である。本実施の形態の制御系は、高度制御演算部1と、温調計2と、SSR(Solidstate Relay)やSCR(Silicon Controlled Rectifier)などの電力調整器3とから構成される。なお、図1では、操作量MVの出力先である制御対象として電力調整器3を例に挙げているが、これに限るものではなく、バルブ等を制御対象としてもよい。
図2は本実施の形態の制御装置の詳細な構成を示すブロック図である。本実施の形態の制御装置は、図1に示した高度制御演算部1と温調計2とから構成される。
高度制御演算部1は、例えば高度制御演算により操作量MV1を算出する上位側制御演算部10と、上位側制御演算部10で算出された操作量MV1に、規定された操作量幅を与えることにより操作量下限値OL、操作量上限値OHに変換する操作量変換部11と、操作量変換部11で得られた操作量下限値OL、操作量上限値OHを、温調計2の後述するリミット処理部で用いる値として設定する上下限値設定部12とを有する。
温調計2は、例えばPID制御演算等のフィードバック制御演算により操作量MV2を算出する下位側制御演算部20と、下位側制御演算部20で算出された操作量MV2を操作量下限値OL以上で操作量上限値OH以下の値に制限するリミット処理を行なうリミット処理部21と、このリミット処理された操作量MV2を制御対象に出力する操作量出力部22とを有する。
次に、本実施の形態の制御装置の動作を図3を用いて説明する。本実施の形態では、説明を簡単にするために、上位側制御演算部10の制御演算式を、簡易な多入力1出力の1次多項式とする。また、炉内温度を制御対象の状態量とする。つまり、炉を加熱するヒータ(不図示)が図1の電力調整器3に接続されていて、電力調整器3は、温調計2から出力される操作量MV2に応じてヒータに供給する電力を調整する。
上位側制御演算部10は、次式の制御演算式により、電力調整器3に出力されることを想定した操作量MV1を算出する(図3ステップS1)。
MV1=ASP+BX1+CX2+DX3 ・・・(1)
式(1)において、SPは制御装置のオペレータによって設定される、制御対象の炉内温度に対する設定値、X1は操作量MV1を決定するために考慮すべき第1の状態量(例えば炉内圧力計測値)、X2は操作量MV1を決定するために考慮すべき第2の状態量(例えば炉内湿度計測値)、X3は操作量MV1を決定するために考慮すべき第3の状態量(例えば炉外周辺温度計測値)、A,B,C,Dは予め規定される1次多項式係数である。
続いて、操作量変換部11は、上位側制御演算部10で算出された操作量MV1に、予め規定された操作量幅を加減算して、温調計2の操作量下限値OL、操作量上限値OHを次式のように算出する(図3ステップS2)。
OL=MV1−αL ・・・(2)
OH=MV1+αH ・・・(3)
式(2)、式(3)においてαLは予め規定された下限値用の操作量幅、αHは予め規定された上限値用の操作量幅である。操作量幅αLとαHは同じ値でもよいし、異なる値でもよい。
上下限値設定部12は、操作量変換部11で得られた操作量下限値OL、操作量上限値OHを、通信機能などを介して温調計2のリミット処理部21に対して設定する(図3ステップS3)。
次に、下位側制御演算部20は、PID制御演算により、以下の伝達関数式のように操作量MV2を算出する(図3ステップS4)。
MV2=(100/Pb){1+(1/Tis)+Tds}(SP−PV)
・・・(4)
式(4)において、SPは制御対象の炉内温度に対する設定値であり、上位側制御演算部10が用いる値と同じである。PVは図示しない温度センサによって計測される制御対象の炉内温度計測値(制御量)、Pbは予め規定された比例帯、Tiは予め規定された積分時間、Tdは予め規定された微分時間、sはラプラス演算子である。
続いて、リミット処理部21は、下位側制御演算部20で算出された操作量MV2を操作量下限値OL以上で操作量上限値OH以下の値に制限する上下限リミット処理を行なう(図3ステップS5)。
IF MV2<OL THEN MV2=OL ・・・(5)
IF MV2>OH THEN MV2=OH ・・・(6)
つまり、リミット処理部21は、操作量MV2が操作量下限値OLより小さい場合、操作量MV2=OLとし、操作量MV2が操作量上限値OHより大きい場合、操作量MV2=OHとする。
そして、操作量出力部22は、リミット処理部21でリミット処理された操作量MV2を制御対象の電力調整器3に出力する(図3ステップS6)。
以上のようなステップS1〜S6の処理が、例えばオペレータからの指令によって制御が終了するまで(図3ステップS7においてYES)、制御周期毎に繰り返し実行される。
図1、図2に示した制御系の構成において、上位側制御演算部10により算出される操作量MV1は、多入力の条件値を参照して決定されるので、複雑な多変数系、非線形系に対して効率的な制御を実現するのに有効である。しかし、操作量MV1は、予め規定された数式により一意的に算出されるので、条件変動により生じる制御誤差を修正するようには作用しない。すなわち、正確な制御を実現するための操作量の値は、操作量MV1の周辺に存在することになる。
温調計2によるPID制御演算は、操作量下限値OL、操作量上限値OHによりMV1−αL〜MV1+αHの範囲で操作量MV2を探索するように作用する。操作量MV2の範囲が限定されているので、複雑な多変数系、非線形系に対して操作量MV2が発散するリスクが低減された状態で、PID制御ループによるフィードバック制御が行なわれる。
操作量幅αL,αHの値をゼロにすると、MV2=OL=OH=MV1になり、温調計2のPID制御演算は、上位側制御演算部10により算出される操作量MV1を一切修正しないことになる。すなわち、上位側の影響割合(支配率)を100%に調整できる。そのように調整したとしても、PID制御演算は常時継続しているので、操作量幅αL,αHの値を大きくするだけで、上位側の異常をPID制御演算で補うバックアップ機能や上位側の誤差をPID制御演算で吸収する誤差吸収機能を実現することができる。
図4(A)、図4(B)は本実施の形態の制御装置の動作を説明する図であり、図4(A)は操作量MV1の変化に伴う操作量下限値OL、操作量上限値OHの変化を示す図、図4(B)は操作量下限値OL、操作量上限値OHによって制約される操作量MV2の変化を示す図である。図4(A)には、操作量MV1が時間の経過とともに8%から92%に直線的に上昇し、αL=αH=8%の設定に基づき操作量下限値OLが0%から84%に直線的に上昇し、操作量上限値OHが16%から100%に直線的に上昇する事例が示されている。
図4(B)には、時間の経過とともに操作量下限値OLが0%から84%、操作量上限値OHが16%から100%に直線的に上昇し、この操作量下限値OLと操作量上限値OHの範囲内で操作量MV2が算出される事例が示されている。このように、上位側の高度制御により大局的な操作量変化が与えられ、下位側のPID制御により誤差吸収程度の操作量の調整(変更)が常時継続する。
こうして、本実施の形態では、高度制御とPID制御とを組み合わせたハイブリッド制御を実現することができ、高度制御の異常をPID制御で補うバックアップの技術や高度制御の誤差をPID制御で吸収する誤差吸収の技術を実現することができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、上記発明の原理2に対応するものである。本実施の形態においても制御系の構成は図1に示したとおりである。図5は本実施の形態の制御装置の詳細な構成を示すブロック図である。
本実施の形態の高度制御演算部1は、上位側制御演算部10と、操作量変換部11と、上下限値設定部12と、上位側制御演算部10に異常(故障、停止、無効化)が発生したときに、異常が発生したことを通知する異常化通知部13と、上位側制御演算部10の異常が解消したときに、異常が解消したことを通知する正常化通知部14と、異常化通知部13からの通知を受けたときに、リミット処理部21の操作量下限値OLの数値として許容される最小値(例えば0%)を設定し、操作量上限値OHの数値として許容される最大値(例えば100%)を設定すると共に、上下限値設定部12の処理を停止させる上下限値変更部15と、正常化通知部14からの通知を受けたときに、上下限値設定部12の処理を起動する起動指示部16とを有する。温調計2の構成は第1の実施の形態と同様である。
次に、本実施の形態の制御装置の動作を図6を用いて説明する。本実施の形態においても、炉内温度を制御対象の状態量とする。
ステップS1〜S7の処理は通常時の繰返し処理であり、第1の実施の形態で説明したとおりであるので、説明は省略する。
次に、異常発生時の処理について説明する。異常化通知部13は、上位側制御演算部10による操作量MV1の算出(更新)が予め規定された時間を超えて停止しているか、あるいは操作量MV1が予め規定された正常範囲を逸脱している場合、上位側制御演算部10に異常が発生したと判定し(図6ステップS8においてYES)、異常が発生したことを上下限値変更部15に通知する(図6ステップS9)。
上下限値変更部15は、異常化通知部13からの通知を受けたときに、リミット処理部21の操作量下限値OLの数値として許容される最小値(例えば0%)を設定し、操作量上限値OHの数値として許容される最大値(例えば100%)を設定する(図6ステップS10)。さらに、上下限値変更部15は、異常化通知部13からの通知を受けたときに、上下限値設定部12の処理を停止させる(図6ステップS11)。
図6のステップS12,S13,S14の処理は、それぞれステップS4,S5,S6の処理と同じなので、説明は省略する。
以上のようなステップS9〜S14の処理が、上位側制御演算部10の異常が解消するまで(図6ステップS15においてYES)、制御周期毎に繰り返し実行される。
次に、異常解消時の処理について説明する。正常化通知部14は、異常化通知部13が異常発生と判定した後に、上位側制御演算部10による操作量MV1の算出(更新)が予め規定された時間以内の間隔で行なわれている状態であり、かつ操作量MV1が予め規定された正常範囲を逸脱していない状態に移行したときに、上位側制御演算部10の異常が解消したと判定し(図6ステップS15においてYES)、異常が解消したことを起動指示部16に通知する(図6ステップS16)。
起動指示部16は、正常化通知部14からの通知を受けたときに、上下限値設定部12の処理を起動する(図6ステップS17)。そして、ステップS1に戻る。ステップS1〜S7の処理は第1の実施の形態で説明したとおりである。
図7(A)、図7(B)は本実施の形態の制御装置の動作を説明する図であり、図7(A)は操作量MV1の異常に伴う操作量下限値OL、操作量上限値OHの変化を示す図、図7(B)は正常時に操作量下限値OL、操作量上限値OHによって制約され、異常時には不要な制約を受けない操作量MV2の変化を示す図である。
図7(A)には、操作量MV1の更新が規定時間を超えて停止したことにより異常化通知部13が異常発生と判定し、操作量下限値OLが0%に変更され、操作量上限値OHが100%に変更される事例が示されている。図7(B)には、正常時に操作量MV2が操作量下限値OLと操作量上限値OHの範囲内で算出され、異常発生時に操作量MV2が不要な制約を受けずに算出される事例が示されている。
こうして、本実施の形態では、高度制御の異常をPID制御で補うバックアップ機能が不要な制約を受けないようにすることができる。
なお、第1、第2の実施の形態では、操作量変換部11において操作量下限値OLと操作量上限値OHの両方を算出して、リミット処理部21で用いる値を変更しているが、これに限るものではなく、操作量変換部11は操作量下限値OLと操作量上限値OHのうちどちらか一方の値だけを算出するようにしてもよい。この場合、上下限値設定部12は、リミット処理部21で用いる操作量下限値OLと操作量上限値OHのうち操作量変換部11で算出されていない方の値については変更しないものとし、操作量変換部11で算出された方の値だけを変更することになる。
第1、第2の実施の形態で説明した制御装置は、CPU、記憶装置及びインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。CPUは、記憶装置に格納されたプログラムに従って第1、第2の実施の形態で説明した処理を実行する。
本発明は、高度制御のような上位側制御とPID制御のような下位側制御とを組み合わせたハイブリッド制御に適用することができる。
1…高度制御演算部、2…温調計、3…電力調整器、10…上位側制御演算部、11…操作量変換部、12…上下限値設定部、13…異常化通知部、14…正常化通知部、15…上下限値変更部、16…起動指示部、20…下位側制御演算部、21…リミット処理部、22…操作量出力部。

Claims (4)

  1. 高度制御演算により設定値SPから操作量MV1を算出する上位側制御演算手段と、
    この上位側制御演算手段で算出された操作量MV1に、予め規定された操作量幅を与えることにより操作量下限値OL、操作量上限値OHのうち少なくとも一方を算出する操作量変換手段と、
    下位側のリミット処理で用いる操作量下限値OL、操作量上限値OHを前記操作量変換手段で算出された値に変更する上下限値設定手段と、
    フィードバック制御演算により設定値SPから操作量MV2を算出する下位側制御演算手段と、
    この下位側制御演算手段で算出された操作量MV2を操作量下限値OL以上で操作量上限値OH以下の値に制限する前記リミット処理を行なうリミット処理手段と、
    このリミット処理された操作量MV2を制御対象に出力する操作量出力手段とを備えることを特徴とする制御装置。
  2. 請求項1記載の制御装置において、
    さらに、前記上位側制御演算手段に異常が発生したときに、異常が発生したことを通知する異常化通知手段と、
    前記上位側制御演算手段の異常が解消したときに、異常が解消したことを通知する正常化通知手段と、
    前記異常化通知手段からの通知を受けたときに、前記リミット処理手段で用いる操作量下限値OLの数値として許容される最小値を設定し、前記リミット処理手段で用いる操作量上限値OHの数値として許容される最大値を設定すると共に、前記上下限値設定手段の処理を停止させる上下限値変更手段と、
    前記正常化通知手段からの通知を受けたときに、前記上下限値設定手段の処理を起動する起動指示手段とを備えることを特徴とする制御装置。
  3. 高度制御演算により設定値SPから操作量MV1を算出する上位側制御演算ステップと、
    この上位側制御演算ステップで算出した操作量MV1に、予め規定された操作量幅を与えることにより操作量下限値OL、操作量上限値OHのうち少なくとも一方を算出する操作量変換ステップと、
    下位側のリミット処理で用いる操作量下限値OL、操作量上限値OHを前記操作量変換ステップで算出した値に変更する上下限値設定ステップと、
    フィードバック制御演算により設定値SPから操作量MV2を算出する下位側制御演算ステップと、
    この下位側制御演算ステップで算出した操作量MV2を操作量下限値OL以上で操作量上限値OH以下の値に制限する前記リミット処理を行なうリミット処理ステップと、
    このリミット処理した操作量MV2を制御対象に出力する操作量出力ステップとを備えることを特徴とする制御方法。
  4. 請求項3記載の制御方法において、
    さらに、前記上位側制御演算ステップを実行する上位側制御演算手段に異常が発生したときに、異常が発生したことを通知する異常化通知ステップと、
    前記上位側制御演算手段の異常が解消したときに、異常が解消したことを通知する正常化通知ステップと、
    前記異常化通知ステップによる通知を受けたときに、前記リミット処理ステップで用いる操作量下限値OLの数値として許容される最小値を設定し、前記リミット処理ステップで用いる操作量上限値OHの数値として許容される最大値を設定すると共に、前記上下限値設定ステップの処理を停止させる上下限値変更ステップと、
    前記正常化通知ステップによる通知を受けたときに、前記上下限値設定ステップの処理を起動する起動指示ステップとを備えることを特徴とする制御方法。
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