JP2014052287A - 除染用粒子、除染用粒子分散液、及びそれらの製造方法、並びに除染用磁性複合粒子 - Google Patents

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Abstract

【課題】放射性物質類を高効率で除染可能であり、かつ、安価に提供し、さらに環境負荷を低減できる除染用粒子等を提供する。
【解決手段】本発明に係る除染用粒子分散液の製造方法は、第1金属塩の水溶液、第2金属塩の水溶液、第3金属塩の水溶液を調製する。そして、第1金属塩の水溶液と、第2金属塩の水溶液を混合して混合水溶液を得、次いで、混合水溶液に、第3金属塩の水溶液を混合して撹拌することにより、第1金属塩の金属と、第3金属塩の金属に対するカウンターイオンとから形成される第1の難溶性金属塩、及び第3金属塩の金属と、第2金属塩の金属に対するカウンターイオンとから形成される第2の難溶性金属塩の分散液を得る工程を備える。第1の難溶性金属塩、及び第2の難溶性金属塩は、放射性物質類を捕捉可能なものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、除染用粒子、除染用粒子分散液、及びそれらの製造方法に関する。さらに、前記除染用粒子を含む除染用磁性複合粒子に関する。
東日本大震災の際に発生した原子力発電所の事故により、放射性物質除染の高効率化を図ることが重要な課題となっている。除染技術として、除染剤(非特許文献1)を汚染水に投入して放射性物質を捕捉し、液相と固相を分離して除染する方法が知られている。特許文献1においては、2つの区域を有する特定の反応器において除染処理効率を高める方法が提案されている。本発明者は、先般、磁力を利用して短時間で放射性物質を捕捉・分離可能な放射性物質類除染システム、及び放射性物質類の除染方法等を提案した(特許文献2)。
非特許文献2においては、海水や高濃度の塩を含む水に含まれるストロンチウムを選択的に捕集して回収できるストロンチウム選択吸着剤が提案されている。詳細には、ストロンチウム吸着能力の高い材料(ゼオライト系)を内包し、その表面をCa、Mgを透過させない複層の薄膜で覆った構造を有するストロンチウム選択吸着剤が提案されている。
放射性ストロンチウムの人体除染においては、緊急時にはX線造影剤として用いられる硫酸バリウムの使用が推奨されている(非特許文献3)。硫酸バリウムは、X線造影剤以外にも、塗料、化粧品等の顔料や、光沢増強剤など様々な用途に広く用いられ、製造方法についても、従来より様々な提案がなされている(特許文献3〜7)。硫酸バリウムの粒径は、通常、マイクロオーダーであるが、ナノサイズ化する方法についても提案がなされている(特許文献4〜7)。
特許文献6においては、非水性溶媒を含有する液相合成混合物中のZイオン源(Z=カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)又はバリウム(Ba))及び硫酸イオン源から結晶成長によって合成する方法が開示されている。特許文献7においては、a)特定の構造を有する極性有機溶剤、b)多価金属または1価の遷移金属、硫酸塩源および、場合によっては、ドーパント金属源、および、c)特定の塩基を含む反応混合物を加熱する工程を含むナノ粒子化方法が提案されている。なお、非特許文献4〜8については後述する。
特開2012−507000号公報 特許第4932054号 特開2002−265218号公報 特開昭57−51119号公報 特開平9−156924号公報 特開2006−507203号公報 特開2007−536191号公報
"放射性物質の除去・回収技術のためのデータベース"、[online]、独立行政法人 物質・材料研究機構、2011年4月19日、[平成24年8月7日検索]、インターネット(http://reads.nims.go.jp/) "化研が放射性汚染水の除染に非常に有効なストロンチウム選択吸着剤の開発に成功!" プレスリリース・ニュースリリースの「PR News」、[online]、ソーシャルワイヤー株式会社 2012年3月6日、[平成24年8月7日検索]、インターネット(http://prnews.jp/view/1869/) 「人体内放射能の除去技術―挙動と除染のメカニズム」/メーカー 講談社出版、1995年12月15日、p.57−58 R.D. Ambashta, et al., Journal of Magnetic Materials, 2003, 267, 335-340 Urban I, et al., Chem. Commun., 2010, 46, 4583-4585 Zhang XQ, et al., J. Mater. Chem., 2010, 20, 5110-5116 Wang H, et al., J. Hazard. Mater., 2011, 191, 163-169 ' XANES を用いた水田土壌中のヨウ素の非破壊形態分析とその溶脱機構'、[online]、研究トピックス 農業環境技術研究所、[平成23年10月11日検索]、インターネット(http://www.niaes.affrc.go.jp/sinfo/publish/niaesnews/072/news07209.pdf#search=)
放射線被爆、放射性物質拡散の問題を解決するために高効率な除染技術が求められている。また、広範囲で高普及率化を実現するためには、安価で、かつ環境負荷を低減可能な技術が求められている。これらの技術は、現在稼働中の原子力発電所の安全対策においても重要な意義を有する。なお、上記においては原子力発電所の汚染の問題について述べたが、放射性物質類の除染処理の分野においても同様の課題が存在する。
本発明は、上記背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、放射性物質類を高効率で除染可能であり、かつ、安価に提供でき、さらに環境負荷低減も図れる除染用粒子、除染用粒子分散液、及びこれらの製造方法、並びに除染用複合粒子を提供することである。
本発明に係る除染用粒子分散液の製造方法は、易溶性がある第1金属塩の水溶液を調製し、易溶性があり、前記第1金属塩とは異なる第2金属塩の水溶液を調製し、前記第2金属塩の金属のカウンターイオンと難溶性の塩を形成可能な金属と、前記第1金属塩の金属と難溶性の塩を形成可能なカウンターイオンとから形成され、易溶性がある第3金属塩の水溶液を調製し、前記第1金属塩の水溶液と、前記第2金属塩の水溶液を混合して混合水溶液を得、次いで、前記混合水溶液に、前記第3金属塩の水溶液を混合して撹拌することにより、前記第1金属塩の金属と、前記第3金属塩の金属に対するカウンターイオンとから形成される第1の難溶性金属塩と、前記第3金属塩の金属、及び前記第2金属塩の金属に対するカウンターイオンとから形成される第2の難溶性金属塩の分散液を得る工程を備える。前記第1の難溶性金属塩、及び前記第2の難溶性金属塩は、放射性物質類を捕捉可能なものである。
本発明の除染用粒子の製造方法によれば、得られる第1の難溶性金属塩と第2の難溶性金属塩の両者が放射性物質類を捕捉可能な物質のため、高効率な除染剤を提供できる。また、第1の難溶性金属塩と第2の難溶性金属塩を同一工程で簡便に合成でき、さらに特殊な装置が不要であるというメリットを有する。また、水を用いて合成でき、加熱処理、加圧処理、後処理工程等を行わずに合成可能であるというメリットを有する。これらにより、環境負荷低減を図りつつ安価に除染剤を提供できる。
本発明の除染用粒子分散液は、上記態様の除染用粒子分散液の製造方法により得たものである。
本発明の除染用粒子の製造方法は、上記態様の除染用粒子分散液の製造方法により分散液を得、その後、前記分散液から除染用粒子を取り出す工程を備えるものである。
本発明の除染用粒子は、上記態様の除染用粒子の製造方法により得たものである。
本発明の除染用磁性複合粒子は、コア部に磁性ナノ粒子、表層に液体中の放射性物質類を捕捉する上記態様の除染用粒子、及び、前記磁性ナノ粒子を直接被覆し、前記磁性ナノ粒子と前記除染用粒子の間に実質的に形成されている被覆層を具備するものである。
本発明によれば、放射性物質類を高効率で除染可能であり、かつ、安価に提供でき、さらに環境負荷低減も図れる除染用粒子、除染用粒子分散液、及びこれらの製造方法、並びに除染用複合粒子を提供できるという優れた効果を有する。
第1実施形態に係る放射性物質類の除染方法のフローチャート図。 第2実施形態に係る除染用磁性複合粒子の模式的説明図。 第2実施形態に係る除染用磁性複合粒子の一部分解図。 図2AのIIC−IIC切断部断面図。 磁性ナノ粒子がクラスターを形成している場合の一例を示す説明図。 図2Dのクラスターに、被覆層が形成されている場合の一例を示す説明図。 図2Eに、捕捉性化合物が形成される工程の一例を示す説明図。 クラスターを形成している場合の除染用磁性複合粒子の一例を示す説明図。 クラスターを形成している場合の被覆性磁性ナノ粒子の別の一例を示す説明図。 図2Hの切断部の模式的断面図。 第2実施形態に係る放射性物質類除染システムの説明図。 第2実施形態に係る放射性物質類除染システムの説明図。 第2実施形態に係る放射性物質類除染システムの説明図。 第2実施形態に係る放射性物質類除染システムの説明図。 第2実施形態に係る磁力集積手段の一例を示す模式的分解斜視図。 実施例1に係る除染用粒子分散液の透過型電子顕微鏡写真。
以下、本発明を適用した実施形態の一例について説明する。なお、本発明の趣旨に合致する限り、他の実施形態も本発明の範疇に含まれることは言うまでもない。また、以降の図における各部材のサイズや比率は、説明の便宜上のものであり、実際のものとは必ずしも一致しない。また、以降の実施形態及び実施例において、同一の要素部材には同一符号を付し、適宜その説明を省略する。また、下記の実施形態は、互いに好適に組み合わせられる。
[第1実施形態]
本発明に係る除染用粒子分散液の製造方法について、図1を用いつつ説明する。
ステップ1として、易溶性がある第1金属塩の水溶液を調製する。ここで、「易溶性」とは、溶質1g又は1mLを溶かすのに要する溶媒量が30mL未満のものとする(20±5℃、常圧、5分ごとに強く30秒間振り混ぜるとき、30分以内に溶ける度合にて判定)。より好ましくは、溶質1g又は1mLを溶かすのに要する溶媒量が10mL未満である。
第1金属塩としては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において特に限定されないが、アルカリ土類金属塩、若しくはアルカリ金属塩が好ましい。アルカリ金属としては、リチウム・ナトリウム・カリウム・ルビジウム・セシウム・フランシウムがあり、アルカリ土類金属としては、ベリリウム・マグネシウム・カルシウム・ストロンチウム・ラジウム等があるが、放射性物質類の捕捉能を第2金属塩のカウンターイオンとの間で形成する観点からはバリウムであることが好ましく、第1金属塩の好適な例として水酸化バリウム等が挙げられる。なお、第1金属塩は、1種類でも、複数種類を用いてもよい。また、水溶液を調製する際に、不溶性の物質を除去する目的等のために、濾過工程などを適宜追加することができる。以降の水溶液調製についても同様である。
なお、放射性物質とは、放射能を持つ物質の総称で、ウラン、プルトニウム、トリウムのような核燃料物、放射性物質、若しくは放射性同位体、中性子を吸収又は核反応を起こして生成された放射化物質全般を指す。本発明の放射性物質類除染システム及び放射性物質類の除染方法は、放射性物質のみならず、放射性物質である放射性同位体の安定同位体に対しても同様に適用できるものである。放射性同位体と安定同位体は、物理化学的性質や環境中における挙動に差がないことが一般に知られている(例えば、非特許文献8)。すなわち、放射性同位体と安定同位体とは、捕捉性の挙動が実質的に同一であると考えてよいことが知られている。従って、本明細書において「放射性物質類」とは、ウラン、プルトニウム、トリウムのような核燃料物、放射性物質、若しくは放射性同位体、中性子を吸収又は核反応を起こして生成された放射化物質全般、並びに放射性同位体の安定同位体(非放射性物質)も含むものと定義する。
ステップ2として、易溶性があり、第1金属塩とは異なる第2金属塩の水溶液を調製する。第2金属塩の金属としては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で特に限定されないが、後述する第3金属塩との組み合わせで難溶性塩を形成しやすくする観点からは、アルカリ金属、又はアルカリ土類金属を用いることが好ましく、アルカリ金属がより好ましい。アルカリ金属やアルカリ土類金属の具体例は、前述したとおりである。これらの中でも入手容易性、安全性、及び安価に提供する観点からは、第2金属塩の金属の好ましい例は、ナトリウム、カリウム、カルシウムが挙げられる。なお、第2金属塩は、第1金属塩の水溶液に混ぜた際に、直ちに難溶性の金属塩を形成しないものを用いる。ここで、「直ちに難溶性の金属塩を形成しないもの」とは、除染用粒子を形成する通常のタイムスケールにおいて難溶性の金属塩を形成するものを除外する趣旨である。
第2金属塩のカウンターイオンは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で特に限定されないが、放射性物質類を捕捉可能な捕捉性化合物を用いる。例えば、第2金属イオンのカウンターイオンは、フェロシアン化イオン、フェリシアン化イオン等が好適な例として挙げられる。第2金属塩の一例として、フェロシアン化カリウム、フェロシアン化ナトリウム、フェロシアン化カルシウム、フェリシアン化カリウム、フェリシアン化ナトリウム、フェリシアン化カルシウム等が好適な例として挙げられる。第2金属塩は、1種類でも、複数種類でもよい。
ステップ3として、第2金属塩のアルカリ金属のカウンターイオンと難溶性の塩を形成可能な金属と、第1金属塩の金属と塩を形成可能なカウンターイオンとから形成され、易溶性がある第3金属塩の水溶液を調製する。第3金属塩は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において特に限定されないが、硫酸ニッケル、硫酸銅、硫酸鉄等の遷移金属塩や硫酸亜鉛などが好適な例として挙げられる。第3金属塩は、単一種類でも複数種類でもよい。なお、本明細書において「難溶性」とは、溶媒1g又は1mLを溶かすに要する溶媒量が100mL以上を要するもの(20±5℃、常圧、5分ごとに強く30秒間振り混ぜるとき、30分以内に溶ける度合にて判定)、及び不溶性のものをいうものとする。なお、上記ステップ1〜ステップ3までは、順不同である。また、ステップ3は、ステップ4の後に調製してもよい。
ステップ4として、ステップ1の第1金属塩の水溶液と、ステップ2の第2金属塩の水溶液を混合して混合水溶液を得る。この際、沈殿物が生じないように注意する。但し、本発明の趣旨を逸脱しない程度の沈殿物が生じていてもよい。混合方法は、沈殿物が生じないように混合できれば特に限定されないが、第1金属塩の水溶液に対し、第2金属塩を穏やかに混合する方法を例示できる。
ステップ5として、ステップ4により得られた水溶液に、ステップ3で得られた第3金属塩の水溶液を混合撹拌することにより、第1金属塩の金属と、第3金属塩の金属に対するカウンターイオンとから形成される第1の難溶性金属塩と、第3金属塩の金属と、第2金属塩の金属に対するカウンターイオンとから形成される第2の難溶性金属塩の分散液を得る。この際、所望の粒径サイズが得られるように撹拌条件を調整する。ナノ粒子を得たい場合には、十分に撹拌することが重要である。即ち、分散液中に2種類の難溶性金属塩を形成する。撹拌条件、撹拌時間、撹拌温度を制御することにより、結晶成長を制御し、所望の粒径の難溶性金属塩を得ることができる。
上記ステップ4、ステップ5において、第1金属塩の水溶液、第2金属塩の水溶液、第3金属塩の水溶液のそれぞれの濃度や混合比率等は、用いる分散液の用途に応じて適宜設計すればよい。ステップ5により得られた除染用粒子分散液は、そのまま除染に利用することができる。無論、ステップ5に加えて、必要に応じてpHを調整する工程や、溶液の濃度や量を調整する工程、第1の難溶性金属塩と第2の難溶性金属塩を濾過により回収して、水に再分散させて除染用粒子分散液を得てもよい。以上の工程を経て、本発明の除染用粒子分散液を得ることができる。
さらに、上記工程で得られた除染用粒子分散液から、除染用粒子を粉体として取り出す工程により、除染用粒子を得ることができる。粉体とする方法は特に限定されないが、例えば、濾過・洗浄を行った後に乾燥することにより除染用粒子の粉体を得ることができる。また、溶媒を留去することにより、除染用粒子の粉体を得てもよい。得られた除染用粒子は、除染対象となる液体中にそのまま投入して除染に利用することができる。また、除染前に予め、水に再分散させて利用してもよい。また、後述する実施形態のように、得られた除染用粒子を磁性ナノ粒子などと複合粒子化し、これを利用してもよい。
ここで2種類の難溶性金属塩とは、第1金属塩、第2金属塩、第3金属塩がそれぞれ独立に単一種類であっても、複数種類であってもよいことに付随するもので、形成される第1の難溶性金属塩、第2の難溶性金属塩が、それぞれ独立に単一種類でも、複数種類であってもよいことを意味する。なお、各水溶液中には、それぞれ独立に、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で他の添加剤が含まれていてもよい。また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記第1金属塩〜第3金属塩に分類されない他の金属塩を添加してもよい。
第1の難溶性金属塩としては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で特に限定されないが、好ましい例として硫酸バリウムが挙げられる。硫酸バリウムは、ストロンチウム(放射性ストロンチウム、非放射性ストロンチウムを含む(以下、同様))やラジウムの吸着に有効である。
第2の難溶性金属塩としては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で特に限定されないが、フェロシアン化ニッケル、フェロシアン化鉄(プルシアンブルー)、フェロシアン化コバルト、フェロシアン化銅などのフェロシアン化金属が好適な例として挙げられる。これらは、セシウム(放射性セシウム、非放射性セシウム)の吸着に有効である。また、プルシアンブルーは、セシウムの他、タリウム除去などにも有効である。
第1実施形態により得られる第1の難溶性金属塩と第2の難溶性金属塩は、両者共に放射性物質類を捕捉可能な粒子である。従って、放射性物質類の吸着の高効率化を実現できる。しかも、第1の難溶性金属塩と第2の難溶性金属塩を撹拌・混合により特別な装置を用いずに一度に簡便に合成できる。従って、安価に提供することができる。また、水を用いて合成でき、加熱処理、加圧処理、後処理工程等を行わずに合成可能であり、環境負荷低減を図ることができる。なお、水以外の溶媒を用いたり、加熱処理工程を加えたり、後処理工程を加えることを排除するものではない。
ここで、放射性物質類を捕捉する第1の難溶性金属塩、及び第2の難溶性金属塩は、それぞれ独立にナノ粒子でもマイクロ粒子でもよいが、より高効率に吸着させる観点、すなわち比表面積を増大させる観点からは、ナノ粒子とすることが好ましい。ナノ粒子化することにより、比表面積が大きくなり、これにより放射性物質類の高効率捕捉が可能になると推測している。
得られた除染用粒子は、放射性物質類を含む液体中に投入して、液体中の放射性物質類を捕捉後、これらを回収することにより除染する。若しくは、除染対象物を得られた除染用粒子分散液中に浸漬する。
本発明の除染の対象となる液体、すなわち、放射性物質類が含有された液体は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば特に限定されない。好適な例としては、放射能汚染水等の水系、有機溶剤が一部に含まれている水系溶剤を挙げられるが、有機溶剤系に適用することも可能である。本発明の回収の対象となる液体は、例えば、雨水、地下水、雪解け水、海水、河川、湖、池、貯水槽等の水や、汚染土壌を含む土壌水、汚染した塵の分散水、汚染した埃の分散水、汚染がれき・装置・機械などの洗浄水、三輪車・自転車・オートバイ・自動車・電車・貨車・船・飛行機・ヘリコプターなど人・動物・荷物などの輸送手段を洗浄した水、上水道へ供給する水、中水道に供給する水、下水道から集められた水、下水汚泥、浄水汚泥、放射性物質類を含む焼却灰の分散水、牛乳、果汁、お茶などの食品を含む飲料水、収穫した茶葉等の洗浄水、母乳、内部被爆者の血清や体液、その他動物・植物・微生物由来の水分・汚染水・洗浄水を挙げることができる。なお、上水道、中水道に供給する水とは、例えば、各家庭に供給する水、工業用水、農業用水、林業・畜産業・水産業に使用する水を含む。
また、本発明の除染の対象となる非液体としては、食品、牧草、焼却灰、土等が挙げられる。
放射性物質を捕捉した除染用粒子の回収方法は、公知の方法を制限なく利用できる。例えば、共沈、吸着、イオン交換等を単独で、若しくは組み合わせて回収することができる。
本発明の除染用粒子分散液、若しくは除染用粒子によれば、第1の難溶性金属塩、第2の難溶性金属塩の両者を、放射性物質類を捕捉する金属塩としているので、放射性物質類の吸着を高効率的に行うことが可能となる。しかも、例えば、ストロンチウムとセシウム等、異なる放射性物質類を同時に吸着して除染することができるという優れた効果がある。
また、3種類の水溶液を調製して、混合撹拌するという方法により特別な装置を用いずに簡便に第1の難溶性金属塩、第2の難溶性金属塩を一度に得ることができる。しかも、加温装置、加熱装置等も不要のためコスト的なメリットも高い。また、特許文献6、7のように、非水性溶媒や有機化合物を用いずに合成できるので環境負荷を低減できる。また、後処理工程を行わずに、得られた分散液をそのまま利用することも可能であるという簡便性がある。また、除染用粒子をナノサイズとすることにより、比表面積を大きしてさらに放射性物質類の高効率吸着を図ることもできる。
[第2実施形態]
次に、上記実施形態の除染用粒子を除染用磁性複合粒子として応用した例について説明する。
除染用磁性複合粒子1は、図2A〜図2Cの模式的説明図に示すように、磁性ナノ粒子10、被覆層15、除染用粒子18を有する。磁性ナノ粒子10の表面の少なくとも一部には、被覆層15が形成され、被覆層15を介して磁性ナノ粒子10と除染用粒子18が結合されている。換言すると、除染用磁性複合粒子1は、コア部に磁性ナノ粒子10、表層に液体中の放射性物質類を捕捉する除染用粒子18、及び、磁性ナノ粒子10を直接被覆し、磁性ナノ粒子10と除染用粒子18の間に実質的に形成されている被覆層15を有する。被覆層15は、単一の被覆層のみならず、複数の被覆層から構成されてもよい。
磁性ナノ粒子10としては、(1)除染用粒子18と除染用磁性複合粒子1を形成する、(2)磁力集積手段によって、集積可能な磁性を有する、という条件を満たすものであれば、特に限定されずに適用することができる。例えば、マグネタイト(Fe)、マグヘマイト(Fe)、一酸化鉄(FeO)、窒化鉄、鉄(Fe)、ニッケル、コバルト、コバルト白金クロム合金、バリウムフェライト合金、マンガンアルミ合金、鉄白金合金、鉄パラジウム合金、コバルト白金合金、鉄ネオジムボロン合金、及びサマリウムコバルト合金等が挙げられる。また、複写機等で用いられている磁性トナー等を利用してもよい。なお、磁性ナノ粒子表面の耐食性を向上させるため、表面を各種酸化金属などで被覆してもよい。
磁性ナノ粒子10は、粒子径が小さくても高い磁気誘導特性を有する磁気異方性の高い材料が好ましい。磁性ナノ粒子10の好ましい材料としては、窒化鉄、鉄、FePt粒子や、FePt粒子と他の磁性金属元素を含むナノ粒子との除染用磁性複合粒子を挙げることができる。また、磁性分子が非磁性分子によって被覆されたナノ粒子、若しくはマイクロ粒子を用いてもよい。さらに、上記特許文献2に開示した自己会合型磁性脂質ナノ粒子、若しくは脂質被覆磁性ナノ粒子やポリマー被覆磁性ナノ粒子など有機物被覆磁性ナノ粒子を磁性ナノ粒子として用いてもよい。その他シリカ被覆磁性ナノ粒子など無機物被覆磁性ナノ粒子を磁性ナノ粒子として用いてもよい。
磁性ナノ粒子10の平均粒径は、放射能汚染水20中に分散可能であればよく、特に限定されない。放射能汚染水20に対する分散性を考慮すると、1nm以上、10mm以下とすることが好ましい。より好ましくは、磁気吸着能の観点から、5nm以上、吸着表面積拡大の観点から、1mm以下である。
除染用粒子18としては、上記実施形態1において製造された除染用粒子分散液から得られた放射性物質類を捕捉できる第1の難溶性金属塩、又は/及び第2の難溶性金属塩である。これに加えて、他の公知の捕捉性化合物を混合してもよい。即ち、被覆層15の外側に配設される化合物として、除染用粒子18のみを配設してもよいし、除染用粒子18以外の捕捉性化合物と除染用粒子18との両者を配設してもよい。以降の説明においては、除染用粒子18のみを用いた例について説明するが、除染用粒子18と除染用粒子18以外の捕捉性化合物とを組み合わせた場合も同様である。
なお、捕捉性化合物としては、ゼオライト、イライト、雲母(mica)、バーミキュライト(vermiculite)、スメクタイト(smectite)等の粘土鉱物全般、活性炭、イオン交換体全般、公知の天然・人工のナノ多孔体、ペクチンなどの食物繊維等が有効である。また、上記実施形態以外の方法で製造された難溶性金属塩が一部に含まれていてもよい。イオン交換体は、イオン交換樹脂、バーミキュライト・ベントナイトなどの天然イオン交換体、リン酸ジルコニウム・酸化アルミニウム・フェロシアン化鉄などの無機イオン交換体などが挙げられる。放射性物質類がセシウムの場合には、前述したフェロシアン化金属の他に、ゼオライト、粘土鉱物、ペクチン(食物繊維)が特に有効である。その他、グアー豆酵素分解物、アガロース、グルコマンナン、ポリデキストロース、アルギン酸ナトリウム、イヌリン、カラギーナン、セルロース、ヘミセルロース、リグニン、キチン、キトサンなども有効である。捕捉性化合物は、捕捉したい放射性物質に応じて適宜設計すればよい。捕捉性化合物は、必要に応じて、熱処理や圧熱処理等の処理を施してもよい。例えば、ゼオライトなどは、熱処理や圧熱処理によってセシウム吸着能を向上させることができる。複数種類の放射性物質を捕捉したい場合は、種類の異なる捕捉性化合物を被覆性磁性ナノ粒子に導入したり、複数の除染用磁性複合粒子を用いればよい。
除染用磁性複合粒子は、第1実施形態で得られた除染用粒子分散液をそのまま被覆性磁性ナノ粒子の分散液と混合することにより得ることができる。また、除染用粒子分散液から除染用粒子を得、これらを被覆性磁性ナノ粒子の分散液と混合することにより除染用磁性複合粒子を得てもよい。簡便に合成する観点からは、本発明の除染用粒子分散液を後処理工程せずに用いることが好ましい。
被覆層15は、コア部に形成された磁性ナノ粒子の被覆層として機能する。磁性ナノ粒子10と除染用粒子18の間に実質的に設けられており、これらを接着させる機能を担う。磁性ナノ粒子10と被覆層15からなる被覆性磁性ナノ粒子は、市販されている磁性ビーズなどを好適に用いることができる。磁性ナノ粒子10と被覆層15の結合形態は、公知の技術を制限なく利用できる。結合強度から、共有結合、若しくは静電結合が望ましい。例えば、磁性ナノ粒子を、高分子電解質を用いて容易に被覆することができる。
被覆層15と除染用粒子18の結合形態は特に限定されないが、好ましくは、静電結合、若しくは共有結合が挙げられる。なお、被覆層15と捕捉性化合物、又は除染用粒子18と捕捉性化合物の混合物の結合形態についても同様である。
被覆層15に、除染用粒子18等と結合する反応基を有することが好ましい。非特許文献4においては、被覆層15に相当する層を設けていなかったので、複合粒子が分解しやすいという問題があった。一方、本発明に係る除染用磁性複合粒子1によれば、被覆層15を設けているので、除染用磁性複合粒子1の分解を効果的に防止することができる。換言すると、廃液汚染水、海水等において、分解を抑制して除染用磁性複合粒子を用いることができる。その結果、粒子の磁力を所望の値に保持することができるので、磁力発生手段による回収を高効率に行うことができる。また、被覆層15の反応基を調節することにより、所望量の除染用粒子18等を磁性ナノ粒子10に導入することが可能となるというメリットも有する。なお、異種の磁性体、異種の捕捉性化合物を組み合わせて、複合粒子を製造することも可能である。
被覆層15の好適な例として、脂質、界面活性剤、高分子を挙げることができる。また、シリカ等の無機物でもよく、いわゆるプラスチック材でもよい。高分子としては、末端にアルコキシシリル基、クロロシリ基、イソシアナトシリル基、メルカプト基等を有するポリエチレングリコール等の高分子、ポリ―L−リジン、ポリ(塩化ジアリルジメチルアンモニウム)、メチルグリコールキトサン(MGch)、ポリ(アリルアミン塩酸塩)、ポリ(アクリルアミド−co−ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、ジアリルジメチルアンモニウム等のカチオン性ポリ電解質、4−スチレンスルホン酸ナトリウム、Poly(4-styrenesulfonic acid-co-maleic acid) sodium、Polyanetholesulfonic acid sodium、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸)、ポリ(4−スチレンスルホン酸)アンモニウム、ポリ(4−スチレンスルホン酸)リチウム、ポリ(4−スチレンスルホン酸)、ポリ(4−スチレンスルホン酸)−co−マレイン酸)ナトリウム、ポリ(アクリル酸、ナトリウム塩)、ポリ(ビニルスルホン酸、ナトリウム塩)、ポリ(硫酸ビニル)カリウム塩、ポリ(4−スチレンスルホン酸ナトリウム)、ポリビニル硫酸カリウム(PVSK)等のポリア二オン性ポリ電解質などが挙げられる。被覆層15の反応基としては、アピジン−ビオチン系結合、エポキシ基、トシル基、エステル基、チオール基、アミノ基、ハロゲン化アシル基、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル基、アルデヒド基、マレイミド基、ビニルスルホン基、ベンゾトリアゾールカーボネート基、プロモアセトアミド基などが挙げられる。放射性照射により耐熱性・耐候性などの向上作用のあるポリエチレンなどの架橋型ポリマーを一部含んでも良い。また、磁性ナノ粒子に対し、公知の界面活性剤は全て使用できる。
除染用磁性複合粒子のサイズは、10nm〜5mmの範囲であることが分散性・比表面積・磁気吸着性のバランスの観点から好ましく、50nm〜500μmの範囲であることがさらに好ましく、250nm〜50μmの範囲がさらに好ましい。また、除染用磁性複合粒子の飽和磁化は、磁力による集積効率を高める観点から、5emu/g以上であることが好ましく、より好ましくは10emu/g以上である。また、さらに好ましくは20emu/g以上である。磁石への吸着効率を高める上では、飽和磁化が高いほうが好ましいが、入手性の観点から、通常、220emu/g以下である。
除染用磁性複合粒子に用いる磁性ナノ粒子は、図2Dに示すように、複数の磁性ナノ粒子10が凝集しているクラスター100であってもよい。磁性ナノ粒子としてクラスターを用いる場合、クラスター100の表面に対して、直接、被覆層15を形成すればよい(図2E参照)。複数の磁性ナノ粒子10のクラスター100に対して、その表層に被覆層15がコーティングされている。
また、図2Hの被覆性磁性ナノ粒子の説明図、及びその断面図である図2Iに示すように、単分散の磁性ナノ粒子10それぞれに被覆層15がコーティングされていてものが凝集したクラスター100であってもよい。いずれにしても、磁性ナノ粒子10の表層の少なくとも一部に被覆層15がコーティングされていればよい。なお、個々の磁性ナノ粒子を被覆する被覆層と、クラスター全体を被覆する被覆層の種類が異なっていてもよい。
除染用粒子18は、除染用磁性複合粒子の表層に形成されている(図2G参照)。図2Fには、静電結合によって除染用粒子18と被覆層15を結合させている例を示す。この例においては、除染用磁性複合粒子1は、負に帯電しているクラスター100に対し正に帯電している被覆層15を静電結合により結合させ、さらに、負に帯電している除染用粒子18を被覆層15に結合させている。磁性ナノ粒子10がクラスター100を形成することによって、除染用磁性複合粒子1の磁力による吸着力・吸着スピードを高めることができ、磁気集積効率を高めることができるというメリットを有する。
除染用磁性複合粒子1の分解を効果的に抑制する観点からは、磁性ナノ粒子の表層の50%以上が被覆層にコーティングされていることが好ましく、80%以上がコーティングされていることがさらに好ましい。
次に、第2実施形態に係る除染用磁性複合粒子を用いた除染方法の一例について説明する。
まず、放射性物質類を含む液体である放射能汚染水20に放射性物質類を捕捉する除染用磁性複合粒子1を投入する(図3A参照)。第2実施形態の例では、放射性物質類である放射性セシウム21を捕捉する粒子を放射能汚染水20に投入する。除染用磁性複合粒子1とは、放射性物質類捕捉性と磁性を兼ね備えた粒子である。除染用磁性複合粒子1の投入量は、放射能汚染水20中の放射性物質類の濃度を測定し、放射性セシウム21を捕捉するために十分な量を算出して投入する。
次いで、放射能汚染水20中に投入された除染用磁性複合粒子1によって、放射性物質類を捕獲する(図3B参照)。必要に応じて、放射性汚染水を撹拌、分散、加温等してもよい。
その後、磁力集積手段30を放射能汚染水に浸漬して除染用磁性複合粒子1を集積する。次いで、磁力集積手段30を放射能汚染水から分離した後に、磁気発生をオフすることによって放射性物質類を回収する(図3C参照)。すなわち、磁力集積手段30の磁力により、放射性物質類をトラップした除染用磁性複合粒子1を集積し、除染用磁性複合粒子1を回収する。従って、簡便かつ効率よく放射性物質類を回収することができる。磁力集積手段30は、放射能汚染水内に浸漬せずに、容器の外壁に当接あるいは近接させることにより、除染用磁性複合粒子1を集積させて、分離・回収してもよい。
磁力集積手段30は、磁力のON−OFF可能な機能と、移動機構を備えている。例えば、電磁石、超電導磁石等が好適に用いられる。また、永久磁石とシールド手段とによって磁力のON−OFFを制御することも可能である。さらに、永久磁石等を用いて除染用磁性複合粒子1をまず回収し、その後、より強力な電磁石、超電導磁石等により除染用磁性複合粒子1を回収し、次いで、電磁石や超電導磁石等の磁力をオフすることにより、除染用磁性複合粒子1を分離することも可能である。
永久磁石を用いる場合には、特に限定されるものではないが、一例として、フェライト、Ne−Fe−B合金、サマリウム−コバルト合金を挙げることができる。強力な磁力を要する場合には、Ne−Fe−B合金が好ましい。磁力集積手段30は、電磁石や超電導磁石等を用いる場合にも、磁石の磁力線に指向性を付与させるために、シールド手段を設けることが有効である。磁力発生手段30を海水による腐食などから適切に保護するために、必要に応じて磁石等をケーシング内に密封する。
図4に、第2実施形態にかかる磁力集積手段30の主要部の一例を示す模式的分解斜視図を示す。磁力集積手段30は、磁石31、シールド手段32、ケーシング33、等を備えている。磁石31の磁界発生方向に指向性を付与するためのシールド機能を有する。第2実施形態に係るシールド手段32は、ヨーク(継鉄)により構成した。無論、シールド機能を有する材料であればこれに限定されるものではない。第2実施形態においては、一方向に強い磁力が発生するように、シールド手段32であるヨークは、磁石31の側面及び上面を被覆するような凹部形状の円筒体からなる。シールド手段32を設けることにより、磁石31の底面からの磁力を増強する。
図4の磁力集積手段30は、例えば、除染用磁性複合粒子1を回収後、より強力な電磁石や超電導磁石等によって除染用磁性複合粒子を磁石31から分離し、次いで、より強力な電磁石や超電導磁石の磁力をオフすることにより除染用磁性複合粒子1のみを回収する。
その後、放射能汚染水の放射能濃度をセンサー40によって再測定する(図3D参照)。そして、放射性物質類の回収が必要と判断された場合には、上記工程を繰り返す。放射性物質類の回収が不要と判断された場合には、放射性物質類の回収作業を終了する。放射性物質類が除去された水は、原子力発電所の冷却水等などに再利用することができる。
第2実施形態に係る放射性物質類の除染方法によれば、磁力集積手段30を放射能汚染水に浸漬して引き上げ、引き上げ後に、磁気発生をオフすれば放射性物質類を回収できるので、操作性がよく効率も高い。しかも、磁力集積手段は、何度も利用可能であるという優れたメリットがある。また、特別の設備等を導入する必要がないという優れた効果もある。すなわち、第2実施形態に係る放射性物質類の除染方法によれば、放射性物質類を高効率で回収することができる。
また、非特許文献5のような高価な化合物を用いずに形成可能であるので、低コスト化を実現できる。さらに、除染用磁性複合粒子は、多層構造を有し、磁性ナノ粒子と捕捉性化合物の間に被覆層を設けているので、環境耐性を高めることができる。例えば、特許文献4、6、7においては、磁性ナノ粒子表層をフェロシアン化鉄が覆っているため、磁性ナノ粒子、フェロシアン化鉄の両者の表面電位がマイナスを示すpH8以上のアルカリ領域では、磁性ナノ粒子、フェロシアン化鉄の間の反発力が生まれ、磁性ナノ粒子表面からフェロシアン化鉄が剥離しやすくなる欠点があった。また、特許文献4においては、原料として、爆発などの危険性のある過塩素酸を用いるという問題もあった。
また、第2実施形態に係る除染用磁性複合粒子によれば、クラスター(磁性ナノ粒子塊)を容易に形成できるので、磁気による吸着力・吸着速度を高めることが容易であるというメリットを有する。また、クラスターを形成した場合、クラスターを被覆層と捕捉性化合物の2層により被覆しているので、物理的に安定な粒子を提供することができる。そのため、環境耐性の高い除染用磁性複合粒子を提供することができるという優れた効果を有する。
なお、汚染土壌に対して放射性物質類回収を実施する際には、汚染土壌、若しくは汚染土壌の分散液に対して除染用磁性複合粒子を投入する前に、汚染土壌中、若しくは汚染土壌の分散液中に含まれる磁性体を事前に磁気選別により回収しておくことが望ましい。これにより、除染用磁性複合粒子による放射性物質類の捕捉、及び回収を高効率で実現することができる。
また、第2実施形態においては、磁性ナノ粒子、被覆層、捕捉性化合物の3層構造よりなる例を説明したが、磁性ナノ粒子−被覆層−捕捉性化合物−被覆層−捕捉性化合物の5層構造であってもよい。また、磁性ナノ粒子−被覆層−捕捉性化合物−被覆層−捕捉性化合物−被覆層の6層構造等であってもよい。また、用いる磁性ナノ粒子、被覆層、捕捉性化合物は、それぞれ独立に、単一、複数種類のいずれであってもよい。
また、放射性物質類の除染方法は、上記第施形態の例に限定されず種々の変形が可能である。例えば、放射性物質類除染システムは、液体注入口、除染用磁性複合粒子混合タンク、磁力による除染用磁性複合粒子回収タンク、濾過装置を有していてもよい。例えば、液体注入口からの液体注入に伴って除染用磁性複合粒子混合タンクに、液体注入量や汚染度等に応じて予め設定した除染用磁性複合粒子を投入する。そして、液体と除染用磁性複合粒子とを除染用磁性複合粒子混合タンク内でよく混合する。その後、磁力による除染用磁性複合粒子回収タンクに除染用磁性複合粒子を含む液体を移動させ、磁気集積手段により除染用磁性複合粒子を回収する。その後、用途に応じて必要であれば、濾過装置を通過させる。このような放射性物質類除染システムは、例えば、浄水器、上水処理施設、マンション等の上水処理システムとして好適に利用できる。
第2実施形態の除染用磁性複合粒子によれば、第1実施形態の除染用粒子分散液、若しくは除染用粒子を利用することにより、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、放射性物質類を捕捉後、磁力により放射性物質を捕捉した除染用磁性複合粒子を回収できるので、放射性物質類を高効率で回収除去できるという優れたメリットを有する。
[実施例]
(実施例1)<ナノ化硫酸バリウム・フェロシアン化ニッケル混合物の製造>
水酸化バリウム(Wako純薬社製)を用いて飽和水酸化バリウム水溶液(25℃)を得た。得られた水溶液を0.45μmのフィルターで濾過することにより、空気中の二酸化炭素と反応して生じた混在する炭酸バリウムの難溶性塩を取り除いた。次いで、濾過後の飽和水酸化バリウム水溶液5.5mLにフェロシアン化カリウム・3水和物(Wako純薬社製)の水溶液(0.5モル/L)6mLを沈殿物が生じないように緩やかに混合した。次に、これに、硫酸ニッケル・6水和物(Wako純薬社製)の水溶液(0.49モル/L)13.5mLを加え、激しく攪拌・混合した。得られた溶液を「除染用粒子分散液」と称する。
図5に、得られた除染用粒子分散液の透過型電子顕微鏡写真を示す。透過型電子顕微鏡において、硫酸バリウムと、フェロシアン化ニッケルの粒子を認めた。透過型電子顕微鏡を用いて測長したところ、硫酸バリウムと、フェロシアン化ニッケルのいずれの粒径も数十nmオーダーの粒径であることを確認した。上記実験例においては、硫酸バリウムの最小粒径は、約20nm程度であった。また、第1の難溶性金属塩と第2の難溶性金属塩とが、概ね同時に形成されていることを確認した。これらの難溶性金属塩は、後述するように、放射性捕捉能があることを確認した。
なお、上記実施例1の撹拌速度を落とし、撹拌時間を長くすることにより、マイクロサイズの除染用粒子が得られることを確認した。
(実施例2)<磁性ナノ粒子> 0.02モルの塩化第一鉄(II)(和光純薬社製)、0.04モルの塩化第二鉄(III)(和光社製)を、25mLの純水に溶解した。次いで、アルゴンガスの下で、25mLのアンモニア水(25%)を加え、黒色の酸化鉄ナノ粒子の磁性スラリーを得た。得られた磁性スラリーは、10分間3000Gで遠心分離を行い、塩化アンモニウムの副産物を除去するために35mLの純水で10回洗浄した。
<PDDA被覆磁性ナノ粒子の製造> 次いで、1gの磁性ナノ粒子(酸化鉄ナノ粒子)が含まれるように磁性スラリーを10%アンモニア水に再分散させた液20mLを得た。さらに、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)(Poly(diallyldimethylammonium chloride)(シグマアルドリッチ社製)(「PDDA」と称する)原液の10倍希釈水溶液20mLを加え、2時間混合した。9800Gで20分間遠心分離した後、純水45mLにより3回洗浄した。そして、PDDA被覆磁性スラリーである被覆性磁性ナノ粒子を得た。この被覆性磁性ナノ粒子1gを、10mLの純水に分散させた。得られた溶液を「被覆性磁性ナノ粒子の分散液」と称する。
<除染用磁性複合粒子> 上記実施例1で得られた除染用粒子分散液、上記被覆性磁性ナノ粒子の分散液との分散液を1:2の割合で混合した。そして、15分間室温で放置し、除染用磁性複合粒子を0.5テスラのネオジム磁石で吸着させ、上澄みを除去した。これらの工程を経て、酸化鉄ナノ粒子・PDDA被覆層・吸着剤の多層構造を有する除染用磁性複合粒子の分散液を得た。
(実施例3)上記捕捉性化合物の分散液と、上記被覆性磁性ナノ粒子の分散液の混合割合を、1:1に変更した以外は、実施例2と同様の方法により除染用磁性複合粒子を得た。
(実施例4)上記捕捉性化合物の分散液と、上記被覆性磁性ナノ粒子の分散液の混合割合を、1:1.5に変更した以外は、実施例2と同様の方法により除染用磁性複合粒子を得た。
(実施例5)上記捕捉性化合物の分散液と、上記被覆性磁性ナノ粒子の分散液の混合割合を、1:2.5に変更した以外は、実施例2と同様の方法により除染用磁性複合粒子を得た。
(実施例6)上記捕捉性化合物の分散液と、上記被覆性磁性ナノ粒子の分散液の混合割合を、1:3に変更した以外は、実施例2と同様の方法により除染用磁性複合粒子を得た。
実施例2〜6において、いずれも除染用磁性複合粒子が得られることを確認した。このうち、実施例2〜5において特に優れた粒子が得られることがわかった。
(実施例A)1ppmの塩化ストロンチウムを含有する蒸留水を用意した。この塩化ストロンチウム溶液2.5mLに、実施例1で製造した除染用粒子分散液16.7μLを添加した。なお、この捕捉性化合物の分散液16.7μL中に1.67mgの乾燥除染剤を含むことを、乾燥遠心前後の重量測定で確認した。前記混合物を5分間撹拌後、15000G(重力加速度)にて10分間、遠心分離機(日立工機社製)により遠心分離した。上澄みの塩化ストロンチウム濃度を、偏光ゼーマン原子吸光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて測定したところ、517ppbへの低下を認めた。なお、塩化ストロンチウムに対する分配係数を下記式(1)より求めたところ、223.8であった(吸着前の水溶液濃度:1ppm、吸着後の水溶液濃度:0.517ppm、水溶液体積:2.5mL、吸着材重量:0.00167g)。
<式1> 分配係数={(吸着前の水溶液濃度(ppm))−(吸着後の水溶液濃度(ppm))}/(吸着後の水溶液濃度ppm)×水溶液体積(mL)/吸着材重量(gram)
なお、偏光ゼーマン原子吸光光度計は、ストロンチウムについては、ストロンチウム計測用ホロカソードランプを使用して分析し、セシウムについては、セシウム計測用ホロカソードランプを使用し分析した。
(実施例B) 実施例4の塩化ストロンチウム溶液2.5mLに、実施例2で製造した除染用磁性複合粒子の分散液50μLを添加した。なお、除染用磁性複合粒子の分散液50μL中に4.78mgの乾燥磁性除染剤を含み、さらにこの中に乾燥したナノ化硫酸バリウム・フェロシアン化ニッケル混合物が3.34mg含量することを、乾燥遠心前後の重量測定で確認した。前記混合物を5分間ほど撹拌した後、0.5テスラのネオジム磁石にて1分間磁気分離を行った。磁気分離後に溶液の塩化ストロンチウム濃度を、偏光ゼーマン原子吸光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて測定したところ、595ppbへの低下を認めた。また、塩化ストロンチウムに対する分配係数を上記式1より求めたところ、57.0であった(吸着前の水溶液濃度:1ppm、吸着後の水溶液濃度:0.595ppm、水溶液体積2.5mL、吸着材重量:0.00478g)。
(実施例C) 0.5ppmの塩化ストロンチウムを含有する蒸留水を用意した。この塩化ストロンチウム溶液2.5mLに、実施例2で製造した除染用磁性複合粒子の分散液を真空乾燥させた除染用磁性複合粒子(25mg)を、5分間撹拌後、0.5テスラのネオジム磁石にて1分間磁気分離を行った。磁気分離後、溶液の塩化ストロンチウム濃度を偏光ゼーマン原子吸光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製)により測定したところ、67.5ppbへの低下を認めた。また、塩化ストロンチウムに対する分配係数を上記式1より求めたところ102.5185であった(吸着前の水溶液濃度:0.5ppm、吸着後の水溶液濃度:0.0675ppm、水溶液体積:2.5mL、吸着材重量:0.025g)。
(実施例D) 0.5ppmの塩化ストロンチウムを含有する蒸留水を用意した。この塩化ストロンチウム溶液2.7mLに、実施例2で製造した除染用磁性複合粒子の分散液を真空乾燥させた除染用磁性複合粒子(36mg)を、5分間撹拌後、0.5テスラのネオジム磁石にて1分間磁気分離を行った。磁気分離後、溶液の塩化ストロンチウム濃度を偏光ゼーマン原子吸光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製)により測定したところ、22.5ppbへの低下を認めた。また、塩化ストロンチウムに対する分配係数を上記式1より求めたところ、218.3356であった(吸着前の水溶液濃度:0.5ppm、吸着後の水溶液濃度:0.0225ppm、水溶液体積:2.7mL、吸着材重量:0.036g)。
(実施例E)
2ppmの塩化セシウムを含有する蒸留水を用意した。この塩化セシウム水溶液2.5mLに、実施例2で製造した除染用磁性複合粒子の分散液を真空乾燥させた除染用磁性複合粒子(2.5mg)を投入して5分間撹拌を行った。その後、0.5テスラのネオジム磁石にて1分間磁気分離を行った。磁気分離後、溶液の塩化セシウム濃度を偏光ゼーマン原子吸光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製)により測定した。その結果、セシウム濃度が0.184ppmに低下したことを確認した。また、塩化セシウムに対する分配係数を式1より求めたところ9869.565であった(吸着前の水溶液濃度:2ppm、吸着後の水溶液濃度:0.184ppm、水溶液体積:2.5mL、吸着材重量:0.0025g)。
(比較例A) 硫酸ニッケルと水酸化バリウムを撹拌混合して、マイクロサイズの硫酸バリウムを得た。得られた硫酸バリウムを真空乾燥させた。得られた硫酸バリウムの粒径は、1μm前後であることを確認した。
次に、1ppmの塩化ストロンチウムを含有する蒸留水を用意した。この塩化ストロンチウム溶液2.5mLに、真空乾燥させた硫酸バリウムを1.5mg添加して混合し、5分間撹拌した。その後、15000G(重力加速度)にて10分間、遠心分離機(日立工機社製)により遠心分離した。そして、上澄みの塩化ストロンチウム濃度を偏光ゼーマン原子吸光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製)により測定したところ、塩化ストロンチウム濃度がほぼ1ppmのままであるという結果を得た。
本発明に係る除染用粒子は、液体中に混入した放射性物質類を除去するために好適に利用できる。また、放射性同位体と安定同位体は、前述したように物理化学的性質や環境中における挙動に差がないことから、非放射性物質の除染に対しても、本発明に係る除染用粒子を好適に利用できる。本発明は、前述したように、海水等の天然由来、血清等の生体由来、飲料水等の食品分野、浄水、中水、下水、汚泥、各種洗浄水等の分野をはじめとする液体中に分散した放射性物質類の除染に対して、広範囲に利用することができる。
1 除染用磁性複合粒子
10 磁性ナノ粒子
12 磁性籠状骨格
13 中空構造
14 空隙
15 被覆層
18 捕捉性化合物
20 放射能汚染水
21 放射性セシウム(放射性物質類)
25 塩化セシウム
30 磁力集積手段
31 磁石
32 シールド手段
33 ケーシング

Claims (12)

  1. 易溶性がある第1金属塩の水溶液を調製し、
    易溶性があり、前記第1金属塩とは異なる第2金属塩の水溶液を調製し、
    前記第2金属塩の金属のカウンターイオンと難溶性の塩を形成可能な金属と、前記第1金属塩の金属と難溶性の塩を形成可能なカウンターイオンとから形成され、易溶性がある第3金属塩の水溶液を調製し、
    前記第1金属塩の水溶液と、前記第2金属塩の水溶液を混合して混合水溶液を得、
    次いで、前記混合水溶液に、前記第3金属塩の水溶液を混合して撹拌することにより、前記第1金属塩の金属と、前記第3金属塩の金属に対するカウンターイオンとから形成される第1の難溶性金属塩と、前記第3金属塩の金属、及び前記第2金属塩の金属に対するカウンターイオンとから形成される第2の難溶性金属塩の分散液を得る工程を備え、
    前記第1の難溶性金属塩、及び前記第2の難溶性金属塩は、放射性物質類を捕捉可能である除染用粒子分散液の製造方法。
  2. 前記第1金属塩は、放射性物質類を捕捉可能な金属を含む請求項1に記載の除染用粒子分散液の製造方法。
  3. 前記第2金属塩の金属に対するカウンターイオンが、放射性物質類を捕捉可能なものである請求項1又は2に記載の除染用粒子分散液の製造方法。
  4. 前記第2金属塩の金属が、アルカリ金属、及びアルカリ土類金属の少なくともいずれかである請求項1〜3の少なくともいずれかである除染用粒子分散液の製造方法。
  5. 前記第1の難溶性金属塩が、硫酸バリウムである請求項1〜4のいずれか1項に記載の除染用粒子分散液の製造方法。
  6. 前記第1の難溶性金属塩、及び前記第2の難溶性金属塩の少なくとも一方がナノ粒子である請求項1〜5のいずれか1項に記載の除染用粒子分散液の製造方法。
  7. 前記第2の難溶性金属塩が、フェロシアン化ニッケル、フェロシアン化鉄、フェロシアン化銅、フェロシアン化コバルト、フェロシアン化亜鉛の少なくともいずれかである請求項1〜6のいずれか1項に記載の除染用粒子分散液の製造方法。
  8. 前記放射性物質類が、放射性セシウム、非放射性セシウム、放射性ストロンチウム、非放射性ストロンチウム、放射性タリウム、非放射性タリウム、ラジウムから選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の放射性物質類の除染用粒子分散液の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の除染用粒子分散液の製造方法により得られた除染用粒子分散液。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の除染用粒子分散液の製造方法により分散液を得、その後、前記分散液から除染用粒子を取り出す工程を備える除染用粒子の製造方法。
  11. 請求項10に記載の除染用粒子の製造方法により得られた除染用粒子。
  12. コア部に磁性ナノ粒子、
    表層に液体中の放射性物質類を捕捉する請求項11に記載の除染用粒子、
    及び、前記磁性ナノ粒子を直接被覆し、前記磁性ナノ粒子と前記除染用粒子の間に実質的に形成されている被覆層を具備する除染用磁性複合粒子。
JP2012197018A 2012-09-07 2012-09-07 除染用粒子、除染用粒子分散液、及びそれらの製造方法、並びに除染用磁性複合粒子 Pending JP2014052287A (ja)

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