JP2014052194A - 熱間鋼材の検出方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】搬送されてくる熱間鋼材の温度が広い温度範囲に亘る場合にあっても、温度領域毎に閾値を設定した複数の熱塊検出器を設定することなく、安定した熱間鋼材の検出を行えるようにする。
【解決手段】搬送されている熱間鋼材5の品種および/またはサイズに関する情報に基づいて、熱塊検出器3からのアナログ信号と比較するための閾値を設定し、前記熱塊検出器3からのアナログ信号と前記設定した閾値とを比較し、前記アナログ信号の値が前記閾値以上であるか、あるいは、前記閾値超であるときに、熱塊検出器3の設置位置(特定位置)に熱間鋼材有と判定し以て前記検出を行う。
【選択図】図1
【解決手段】搬送されている熱間鋼材5の品種および/またはサイズに関する情報に基づいて、熱塊検出器3からのアナログ信号と比較するための閾値を設定し、前記熱塊検出器3からのアナログ信号と前記設定した閾値とを比較し、前記アナログ信号の値が前記閾値以上であるか、あるいは、前記閾値超であるときに、熱塊検出器3の設置位置(特定位置)に熱間鋼材有と判定し以て前記検出を行う。
【選択図】図1
Description
本発明は、熱間鋼材の検出方法および装置に関し、特に、形鋼の製造ラインのように、製造される製品の品種及びサイズが多種多様であり、また製造ラインにおける搬送経路中の特定位置で、鋼材の温度が多様となる場合においても、当該特定位置における搬送中の熱間鋼材の有無を精度よく検出する、熱間鋼材の検出方法および装置に関する。
通常、鋼材の熱間圧延ラインにおいては、搬送中の鋼材の検出用センサとして熱塊検出器(HMD)を用いることが多い。また、形鋼圧延ラインの圧延設備を出た鋼材を鋸断する設備である熱間鋸断設備以降では、圧延された熱間鋼材の温度低下が著しく、冷塊検出器(CMD)を用いる場合もある。さらに、CCDカメラを利用して鋼材の先尾端を認識する方法も提案されている(例えば、特許文献1参照。)
しかしながら、形鋼圧延ラインの熱間鋸断設備以降のように、広い温度範囲に亘る熱間鋼材が搬送されるラインにおいては、HMDにて搬送中の熱間鋼材を検出しようとすると、一定閾値を持った一台のHMDのON/OFF信号では鋼材の温度によって安定した動作が確保できないことがあり、各温度領域毎に閾値を設定した複数のHMDを設置する必要がある。この場合、HMDの設置台数が増加するため設置費用が高額となるという問題がある。
また、投受光型のCMDを使用した場合、熱間鋼材の検出においてはスケールや、熱間鋼材搬送設備の冷却水等の水による誤検出が多く発生し、熱間鋼材の安定した検出を行うことはできない。さらに、上述の熱間鋸断設備の下流側には、冷却床へと熱間鋸断後の形鋼を導入するための移送設備が複雑に入組んで配置されており、必要な場所へ投光器と受光器とを設置できないという問題も生ずる。
CCDカメラを用いたシステムは、多数のセンサを設置する必要がある場合、非常に高価なシステムとなってしまうため、設置費用が高額となるという問題がある。
本発明は、このような問題に鑑みて、熱塊検出器(HMD)にて搬送経路上の熱間鋼材の検出を行う際に、搬送されてくる熱間鋼材の温度が広い温度範囲に亘る場合にあっても、温度領域毎に閾値を設定した複数の熱塊検出器を設置することなく、安定した熱間鋼材の検出を行える熱間鋼材の検出方法および装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために成された本発明の要旨構成は以下に示すとおりである。
(1)熱間鋼材の搬送経路上の特定位置に設置された熱塊検出器にて前記特定位置における熱間鋼材の有無を検出する熱間鋼材の検出方法であって、搬送されている熱間鋼材の品種および/またはサイズに関する情報に基づいて、前記熱塊検出器からのアナログ信号と比較するための閾値を設定し、前記熱塊検出器からのアナログ信号と前記設定した閾値とを比較し、前記アナログ信号の値が前記閾値以上であるか、あるいは、前記閾値超であるときに、前記特定位置に熱間鋼材有と判定し以て前記検出を行うことを特徴とする熱間鋼材の検出方法。
(1)熱間鋼材の搬送経路上の特定位置に設置された熱塊検出器にて前記特定位置における熱間鋼材の有無を検出する熱間鋼材の検出方法であって、搬送されている熱間鋼材の品種および/またはサイズに関する情報に基づいて、前記熱塊検出器からのアナログ信号と比較するための閾値を設定し、前記熱塊検出器からのアナログ信号と前記設定した閾値とを比較し、前記アナログ信号の値が前記閾値以上であるか、あるいは、前記閾値超であるときに、前記特定位置に熱間鋼材有と判定し以て前記検出を行うことを特徴とする熱間鋼材の検出方法。
(2)前記比較する閾値を、搬送されている熱間鋼材の前記搬送経路での滞留時間に関する情報に応じて補正することを特徴とする前記(1)に記載の熱間鋼材の検出方法。
(3)前記比較する閾値を、前記特定位置よりも上流側に配置された熱塊検出器で前記熱間鋼材を検出したときのアナログ信号の値に応じて補正することを特徴とする前記(1)または(2)に記載の熱間鋼材の検出方法。
(4)前記特定位置は、熱間鋼材の鋸断設備の下流側であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の熱間鋼材の検出方法。
(5)熱間鋼材の搬送経路上の特定位置に設置された熱塊検出器にて前記特定位置における熱間鋼材の有無を検出する熱間鋼材の検出装置であって、搬送されている熱間鋼材の品種および/またはサイズに関する情報に基づいて、前記熱塊検出器からのアナログ信号と比較するための閾値を設定する閾値設定部と、前記熱塊検出器からのアナログ信号と、前記閾値設定部が設定した閾値とを比較し、前記アナログ信号が前記閾値以上あるいは前記閾値超であるときに前記特定位置に熱間鋼材有と判定する判定部と、を有することを特徴とする熱間鋼材の検出装置。
(6)前記閾値設定部が設定した閾値を、搬送されている熱間鋼材の前記搬送経路での滞留時間に関する情報に応じて補正する閾値補正部をさらに有し、前記判定部は前記閾値補正部が補正した閾値と前記アナログ信号とについて前記比較を行うことを特徴とする前記(5)に記載の熱間鋼材の検出装置。
(7)前記閾値設定部が設定した閾値を、前記特定位置よりも上流側に配置された熱塊検出器で前記熱間鋼材を検出したときのアナログ信号の値に応じて補正する閾値補正部をさらに有し、前記判定部は前記閾値補正部が補正した閾値と前記アナログ信号とについて前記比較を行うことを特徴とする前記(5)または(6)に記載の熱間鋼材の検出装置。
(8)前記特定位置は、熱間鋼材の鋸断設備の下流側であることを特徴とする前記(5)〜(7)のいずれかに記載の熱間鋼材の検出装置。
本発明によれば、例えば、H形鋼製造ラインにおける熱間鋸断設備以降のように、検出対象となる熱間鋼材の温度範囲が広い搬送ラインにおいても、熱間鋼材の検出を安定して行うことができ、搬送操業の自動運転を安定して行うことができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る装置構成を示すものであり、本発明を形鋼製造ラインの圧延設備から冷却床に至る搬送経路で、途中に熱間鋸断設備10を有する搬送経路における熱間鋼材5(以下単に鋼材5とも言う)の自動搬送システムに適用したものである。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る装置構成を示すものであり、本発明を形鋼製造ラインの圧延設備から冷却床に至る搬送経路で、途中に熱間鋸断設備10を有する搬送経路における熱間鋼材5(以下単に鋼材5とも言う)の自動搬送システムに適用したものである。
この自動搬送システムは、複数の搬送ローラ11aが図中の矢印で示した搬送方向に配列されて搬送経路をなす搬送テーブル11と、搬送テーブル11の搬送ローラ11aの回転を制御して熱間鋼材5の位置を制御する搬送制御装置1(以下、単に制御装置1と言う)と、熱間鋼材5を検出する熱塊検出器3(以下、HMD3と言う)とを備えている。
HMD3は、熱間鋸断設備10の下流側の搬送経路上の特定位置に配置されて、この特定位置における熱間鋼材の有無を検出するものであり、熱塊例えば熱間鋼材から放射される輻射光を検出する検出素子を有し、この検出素子は受光エネルギーに応じたアナログ信号を制御装置1に出力する。
制御装置1は、閾値設定部6、判定部8、搬送制御部9を有している。搬送制御部9は、搬送テーブルの運転操作を制御するもので、熱間鋸断設備10が鋸断を終了すると、鋸断済の熱間鋼材5を図中矢印の方向へと搬送するように搬送ローラ11aを回転させる。HMD3の位置まで熱間鋼材5を搬送すると、HMD3が熱間鋼材5の先端を検知し、判定部8が搬送制御部9に検知信号を発信する。また、HMD3が熱間鋼材5の尾端を検知した時にも、判定部8は搬送制御部9に検知信号を発信する。搬送制御部9はHMD3からの検知信号を受けた時に、熱間鋼材5の先端および尾端の搬送経路上の特定位置(HMD3のある位置)にあることを認識し、以後、搬送ローラ11の回転量から、先端および尾端が搬送経路上のいずれの位置にあるかを正確に認識しつつ、熱間鋼材5の搬送制御を行なう。
このような自動搬送システムにおいて、HMD3、閾値設定部6および判定部8とが、本発明の熱間鋼材の検出装置を構成する部分である。以下、本発明の検出装置の作用について説明する。
判定部8にはHMD3からのアナログ信号が入力され、アナログ信号に基づき前記特定位置における鋼材の有無を検出する。具体的には、図2に示すようなHMD3からのアナログ信号が入力され、判定部8は閾値とアナログ信号の入力値とを比較し、アナログ信号の入力値が閾値以上であるとき(あるいは閾値超であるとき)を、熱間鋼材有のときであると判定する。すなわち、熱間鋼材5の先端がHMD3を通過すると、HMD3からのアナログ信号の値が上昇するので、この信号の値を閾値と比較し、閾値以上(あるいは閾値超)となった時点で熱間鋼材有と判定し、先端の検知信号を搬送制御部9に送信する。また、熱間鋼材5の尾端がHMD3を通過すると、HMD3からのアナログ信号の値が低下するので、この信号の値と閾値との比較結果が、アナログ信号<閾値(あるいはアナログ信号≦閾値)となった時点で熱間鋼材無と判定し、尾端の検知信号を搬送制御部9に送信する。
判定部8がHMD3からのアナログ信号の入力値と比較するための閾値は、閾値設定部6が設定して判定部8に与える。閾値設定部6には、図示しない上位計算機から熱間鋸断設備10で鋸断した鋼材の品種およびサイズに関する情報が入力され、閾値設定部6は、品種およびサイズの情報に基づいて閾値を設定する。具体的には、図3に示すような、品種、サイズ毎に閾値が予め設定されている閾値設定テーブルを参照し、品種、サイズを検索キーとして閾値の選択を行う。
例えば、熱間鋸断設備10が品種:H形鋼、サイズ:250×250(単位:mm,以下同じ)の鋼材を切断している場合、上位計算機は熱間鋸断設備10が鋸断しているものが品種:H形鋼、サイズ:250×250であるとの情報が入力されている。そして、閾値設置部6には、熱間鋸断が終了した段階で、次にHMD3へ搬送される熱間鋼材が、品種:H形鋼、サイズ:250×250であるとの情報が入力される。閾値設定部6では、図3に破線で示すように閾値設定テーブルから品種:H形鋼、サイズ:250×250である場合の閾値は50であることを読み取り、判定部8がHMD3からのアナログ信号と比較するための閾値を50と設定する。閾値設定テーブルへの閾値の登録は、通常の操業において、品種、サイズ毎に鋸断後の熱間鋼材ではHMD3からのアナログ信号の値がどの程度であるかを予め求めておき、求めておいた値よりも確実に低い値を登録しておけばよい。
判定部8は、閾値設定部6が熱間鋼材の品種およびサイズに応じて設定した閾値Bを用い、この閾値とHMD3からのアナログ信号とを比較して、HMD3設置箇所(特定位置)での熱間鋼材の有無を判定する。
形鋼の製造ラインでは、製造される製品の品種が、H形鋼、等辺山形鋼、不等辺山形鋼等と多種に亘り、また、サイズも多数あるため、品種、サイズによって熱間圧延後の熱間鋼材の温度が異なる。このことは、HMD3からのアナログ信号の値が品種、サイズによって異なることを意味する。本実施形態においては、実際にHMD3に到達する熱間鋼材の温度がどの程度であるかを品種、サイズから勘案して予め決めておいた閾値を用いるので、品種、サイズに応じてHMD3の位置で種々の温度の鋼材が搬送されたとしても、HMD3により正確に熱間鋼材を検出することができる。
形鋼の製造ラインでは、製造される製品の品種が、H形鋼、等辺山形鋼、不等辺山形鋼等と多種に亘り、また、サイズも多数あるため、品種、サイズによって熱間圧延後の熱間鋼材の温度が異なる。このことは、HMD3からのアナログ信号の値が品種、サイズによって異なることを意味する。本実施形態においては、実際にHMD3に到達する熱間鋼材の温度がどの程度であるかを品種、サイズから勘案して予め決めておいた閾値を用いるので、品種、サイズに応じてHMD3の位置で種々の温度の鋼材が搬送されたとしても、HMD3により正確に熱間鋼材を検出することができる。
ここで、図2(a)に示すように、低温材を安定して検出できる閾値Aを判定部8に設定しておけば、外乱が発生しない限り高温材においても、一律の閾値Aで対応可能であると言える。しかし、高温材が通過することで搬送設備が高温に熱せられるため、図2(b)に示すように、HMD3を高温材が通過した後には、熱された後の搬送設備からの輻射光によるアナログ信号がHMD3から判定部8に入力される。この熱された搬送設備からの輻射光にもとづくアナログ信号は、高温材が通過時のアナログ信号よりは小さいものの、閾値を図2(b)に示した閾値Aのようにあまりに低く設定しすぎると高温材通過後にもアナログ信号が閾値を下回らない結果、誤検出となる。そこで、本実施形態では、高温材においてはこのような外乱を回避できるレベル(閾値B)を設定することで、高温材においても安定した検出が可能となる。
また、熱間鋸段設備10以降では、熱間鋼材5の先端や尾端には、図4に示すように切断時に発生するバリ51が付着していたり、搬送中にこのバリ51が落下することも多い。上述したCMDを適用した場合には、このバリ51が鋼材検出時の大きな外乱要素となる。しかし、バリ51は熱エネルギーが小さく、バリ51からの輻射光は熱間鋼材5からの輻射光よりも弱くなるため、図5に示すように、バリ51が付着した熱間鋼材5がHMD3を通過した際に、バリ51からの輻射光を検出したことによるHMD3からのアナログ信号は、熱間鋼材5からの輻射光を検出したことによるHMD3からのアナログ信号に比べて低くなる。したがって、バリ51が熱間鋼材5の先端や尾端に付着していたり、搬送経路上にバリが落下している場合においても、上述のようにHMD3に到達する熱間鋼材5の温度を品種、サイズから勘案し、予め決めておいた閾値Bを、熱間鋼材5有無を判定するための閾値として設定することで、バリ等の外乱があったとしても十分に安定した熱間鋼材5の検出が可能となる。
なお、本実施形態においては、熱間鋼材の品種およびサイズ毎に閾値を設定しているが、品種が変化しても熱間鋼材の温度がさほど広範囲とならない場合、あるいは、サイズが変化しても熱間鋼材の温度がさほど広範囲とならない場合は、品種、サイズのうちのいずれか一方に基づいて閾値を設定するようにしてもよい。
なお、本実施形態においては、熱間鋼材の品種およびサイズ毎に閾値を設定しているが、品種が変化しても熱間鋼材の温度がさほど広範囲とならない場合、あるいは、サイズが変化しても熱間鋼材の温度がさほど広範囲とならない場合は、品種、サイズのうちのいずれか一方に基づいて閾値を設定するようにしてもよい。
図6は、本発明の第2の実施形態に係る装置構成を示すものであり、第1の実施形態と同様に形鋼製造ラインの熱間鋸断設備10から冷却床(図示せず)に至る搬送経路における熱間鋼材5の自動搬送システムに適用したものである。
第2の実施形態は、制御装置1が、閾値設定部6が設定した閾値を、搬送されている熱間鋼材の搬送経路での滞留時間に関する情報に応じて補正する、閾値補正部7をさらに有する点で、第1の実施形態とは異なっている。
第2の実施形態において、閾値補正部7には、上位計算機から搬送経路上での滞留時間に関する情報が入力され、この情報に基づいて閾値設定部6が設定した閾値の補正を行い、補正後の閾値を判定部8に送信する。
熱間鋸断設備10では、図7に示すように上流側の圧延機から送られてきた鋸断前の熱間鋼材(以下圧延材という)を、オーダー長さ毎に鋸断し、鋸断された鋼材5が順次熱間鋸断設備10の下流側へ搬送される。このように、圧延材1本を複数の鋼材に分割する処理を行うが、圧延材1本あたりの鋸断回数が多い場合、圧延材の先端側の鋸断済材と圧延材の後端側の鋸段済材とでは、鋼材温度に大きな差が生じる。1回目の鋸断を行って得られた熱間鋼材51では、圧延終了からHMD3に到達するまでの時間は短いが、鋸断回数が多くなるにつれ圧延終了からHMD3に到達するまでの時間は長くなる。圧延終了後に時間が経過するにつれて鋼材5の温度は低下するため、図8に示すように、鋸断回数が多くなるにつれ鋸断により得られた鋼材の温度は低くなる。つまり、n回目(n>1)の鋸断で生じた鋼材5nは、1回目の鋸断で生じた先端側の鋼材51よりも低い温度となる。
HMDからのアナログ信号は、被検出物である熱間鋼材の温度に応じて変化し、熱間鋼材の温度が高ければアナログ信号の値は大きくなり、熱間鋼材の温度が低ければアナログ信号の値は小さくなる。したがって、閾値設定部6が熱間鋼材の品種、サイズに応じた閾値を設定していたとしても、圧延材の先端側の熱間鋼材に最適な閾値に設定した場合には、圧延材の後端側の熱間鋼材に対しては閾値が高すぎて検知ができなくなったり、逆に圧延材の後端側の熱間鋼材に最適な閾値に設定した場合には、圧延材の先端側の熱間鋼材に対しては閾値が低すぎて、上記したような熱された搬送設備からの輻射光による誤検出や、バリからの輻射光による誤検出が生ずる問題がある。
そこで、第2の実施形態では、搬送経路上で滞留中の熱間鋼材の温度低下に対応するために閾値を補正する閾値補正部を設けた。
具体的には、上位計算機は搬送経路での滞留時間に関する情報として、鋸断済の熱間鋼材が得られるまでの鋸断回数を閾値補正部7に与える。閾値補正部7では、例えば、鋸断1回あたりの最適閾値レベルの低下量αを予め求めておき、鋸断回数nに応じて、閾値設定部6から得た閾値Bを下式のようにして補正して、補正閾値B’を得るようにしておけばよい。
B’= B−(n−1)×α
具体的には、上位計算機は搬送経路での滞留時間に関する情報として、鋸断済の熱間鋼材が得られるまでの鋸断回数を閾値補正部7に与える。閾値補正部7では、例えば、鋸断1回あたりの最適閾値レベルの低下量αを予め求めておき、鋸断回数nに応じて、閾値設定部6から得た閾値Bを下式のようにして補正して、補正閾値B’を得るようにしておけばよい。
B’= B−(n−1)×α
このように、搬送経路上での滞留時間に関する情報に応じて閾値を補正することで、鋸切回数が多い等の理由で、滞留時間が短いものと、滞留時間が長いものとが順に搬送されてくる場合であっても、HMD3にて安定して熱間鋼材5の検出が可能となる。
なお、第2の実施形態においては、滞留時間に関する情報として、鋸断回数を採用しているが、これにかぎらず、実際の鋸断設備での滞留時間や、圧延終了から鋸断終了までの時間を滞留時間に関する情報として閾値補正部7に入力し、この情報にもとづいて閾値の補正を行うようにしてもよい。
図9は、本発明の第3の実施形態に係る設備構成を示すものである。第3の実施形態においては、熱間鋸断設備10の下流側で、かつ、特定位置のHMD3の上流側に熱塊検出器2(以下基準HMD2という)を有している。基準HMD2は閾値補正のために用いるもので、基準HMD2からのアナログ信号は、閾値補正部7へ入力される。また、閾値補正部7には、基準HMD2からのアナログ信号の他、第2の実施形態と同様に滞留時間に関する情報として鋸断回数が上位計算機から入力される。
閾値補正部7は、基準HMD2を熱間鋼材5が通過したときのアナログ信号の入力レベルがある数値(閾値変更レベルD)を下回った場合、判定部8がHMD3からのアナログ信号と比較するための閾値が最適な閾値となるように、閾値設定部6が設定した閾値Bを次切断対象の鋼材より補正して補正後閾値Cとする。
例えば、閾値設定部6が設定した閾値がBであるとき、閾値変更レベルDの値をB×1.2としておき、基準HMD2を鋼材5が通過した時の基準HMD2からのアナログ信号が閾値変更レベルDを下回った場合は、閾値Bを補正して、補正後閾値C=B×0.7とする。
図10に、圧延材1本分についてn回の鋸断を行い、n+1本の鋼材51、52、・・・5n、5n+1を順次熱間鋸断設備10の下流へと搬送する場合の、基準HMD2のアナログ信号の時間変化を示す。この図の例では、1本目の鋼材51からn本目の鋼材5nまでの鋼材では、アナログ信号が閾値Bよりも高い値を示しているので、HMD3による閾値は閾値Bに設定しておけば、安定して検出が可能である。
しかし、n+1本目の鋼材5n+1では、アナログ信号が閾値Bを下回り始める。よって、n+1本目の鋼材5n+1では、HMD3が閾値Bで鋼材の有無を判定しようとすると、HMD3による検出は安定性を欠いたものとなる。
そこで、D=B×1.2を閾値変更レベルとして設定しておき、基準HDM2から入力信号が閾値変更レベルDを下回るn+1本目の鋼材5n+1については、閾値を補正後閾値C=B×0.7とする。このようにすることで、鋸断処理の回数が進むにつれ温度が低下していった後端あるいは後端に近い位置の鋼材5であっても、安定したHMD3による検出が可能となる。
なお、閾値変更レベルDは閾値Bよりも高い値に、補正後閾値Cは閾値Bよりも低い値とする必要があるが、Dを閾値Bに対してどの程度高く、および、Cを閾値Bに対してどの程度低く設定するかは、実際に搬送される熱間鋼材5の温度変化状況に応じて設定すればよい。
ここで、第3の実施形態では、閾値補正部7は、鋸断回数が所定回数を越えた以降に搬送されている熱間鋼材5に対して、閾値設定部6が設定した閾値Bを補正するようにした。具体的には、閾値補正部7は鋸断済の熱間鋼材5がHMD2の位置に搬送されてくると、熱間鋼材5が何回目の鋸断で生じたものであるかの情報を上位計算機より入手し、鋸断回数nが所定数n0以上であるか否かを判断する構成とした。
そして、鋸断回数が所定数n0未満である場合には、熱間鋸断設備10における滞留時間は短く熱間鋼材5の温度低下が少ないものとし、閾値設定部6が設定した閾値Bの補正を行うことなく、閾値Bを判定部8に送信し、判定部8では閾値設定部6が設定した閾値Bをそのまま閾値として用いるようにした。
一方、鋸断回数が所定数n0以上である場合には、熱間鋸断設備10における滞留時間が長く熱間鋼材5の温度低下が大きいと考えられるため、HMD2からのアナログ信号にもとづく上述の閾値Bの補正を行い、補正後閾値Cを判定部8が用いる閾値として採用するようにした。
本実施形態では、このように、鋸断回数が所定数以上である場合にのみ補正を行うようにしたが、鋸断回数を特に考慮せず、全ての鋸断済の熱間鋼材5について、基準HMD2を鋼材5が通過した時の基準HMD2からのアナログ信号について、閾値変更レベルDを下回っているかを判定し、下回っている場合には、閾値の補正を行うようにしてもよい。この場合、閾値補正部7への鋸断回数情報の入力は必ずしも必要ない。
以上説明したとおり、本発明によれば、搬送される熱間鋼材の品種、サイズが多様である場合においても、さらには、搬送中の熱間鋼材の温度低下が大きい場合においても、安定して熱間鋼材の検出が可能となり、熱間鋼材の搬送制御を精度よく行うことが可能となる。
なお、上述した実施形態は、いずれも、本発明を形鋼製造ラインの熱間鋸断設備10から冷却床に至る搬送経路における熱間鋼材5の自動搬送システムに適用した例であるが、本発明はこれに限らず、複数の品種やサイズの熱間鋼材が搬送される搬送ラインであれば、適用できる。
1 制御装置
2 基準HMD
3 熱塊検出器(HMD)
5 熱間鋼材
6 閾値設定部
7 閾値補正部
8 判定部
9 搬送制御部
10 熱間鋸断設備
11 搬送テーブル
2 基準HMD
3 熱塊検出器(HMD)
5 熱間鋼材
6 閾値設定部
7 閾値補正部
8 判定部
9 搬送制御部
10 熱間鋸断設備
11 搬送テーブル
Claims (8)
- 熱間鋼材の搬送経路上の特定位置に設置された熱塊検出器にて前記特定位置における熱間鋼材の有無を検出する熱間鋼材の検出方法であって、
搬送されている熱間鋼材の品種および/またはサイズに関する情報に基づいて、前記熱塊検出器からのアナログ信号と比較するための閾値を設定し、
前記熱塊検出器からのアナログ信号と前記設定した閾値とを比較し、前記アナログ信号の値が前記閾値以上であるか、あるいは、前記閾値超であるときに、前記特定位置に熱間鋼材有と判定し以て前記検出を行うことを特徴とする熱間鋼材の検出方法。 - 前記比較する閾値を、搬送されている熱間鋼材の前記搬送経路での滞留時間に関する情報に応じて補正することを特徴とする請求項1に記載の熱間鋼材の検出方法。
- 前記比較する閾値を、前記特定位置よりも上流側に配置された熱塊検出器で前記熱間鋼材を検出したときのアナログ信号の値に応じて補正することを特徴とする請求項1または2に記載の熱間鋼材の検出方法。
- 前記特定位置は、熱間鋼材の鋸断設備の下流側であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱間鋼材の検出方法。
- 熱間鋼材の搬送経路上の特定位置に設置された熱塊検出器にて前記特定位置における熱間鋼材の有無を検出する熱間鋼材の検出装置であって、
搬送されている熱間鋼材の品種および/またはサイズに関する情報に基づいて、前記熱塊検出器からのアナログ信号と比較するための閾値を設定する閾値設定部と、
前記熱塊検出器からのアナログ信号と、前記閾値設定部が設定した閾値とを比較し、前記アナログ信号が前記閾値以上あるいは前記閾値超であるときに前記特定位置に熱間鋼材有と判定する判定部と、を有することを特徴とする熱間鋼材の検出装置。 - 前記閾値設定部が設定した閾値を、搬送されている熱間鋼材の前記搬送経路での滞留時間に関する情報に応じて補正する閾値補正部をさらに有し、前記判定部は前記閾値補正部が補正した閾値と前記アナログ信号とについて前記比較を行うことを特徴とする請求項5に記載の熱間鋼材の検出装置。
- 前記閾値設定部が設定した閾値を、前記特定位置よりも上流側に配置された熱塊検出器で前記熱間鋼材を検出したときのアナログ信号の値に応じて補正する閾値補正部をさらに有し、前記判定部は前記閾値補正部が補正した閾値と前記アナログ信号とについて前記比較を行うことを特徴とする請求項5または6に記載の熱間鋼材の検出装置。
- 前記特定位置は、熱間鋼材の鋸断設備の下流側であることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の熱間鋼材の検出装置。
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JP2012194711A JP2014052194A (ja) | 2012-09-05 | 2012-09-05 | 熱間鋼材の検出方法および装置 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015224126A (ja) * | 2014-05-30 | 2015-12-14 | Jfeスチール株式会社 | 鋼材の定位置停止方法およびシステムならびにプログラム |
CN107825427A (zh) * | 2017-11-30 | 2018-03-23 | 马鞍山钢铁股份有限公司 | 一种型钢锯机夹持臂控制方法 |
CN108489383A (zh) * | 2018-03-01 | 2018-09-04 | 北京科技大学 | 一种h型断面尺寸的测量装置及方法 |
JP2019505384A (ja) * | 2015-12-24 | 2019-02-28 | ポスコPosco | 素材冷却領域検出装置及び線材冷却領域検出方法 |
-
2012
- 2012-09-05 JP JP2012194711A patent/JP2014052194A/ja active Pending
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