JP2014051409A - 薄型セラミックグリーンシートの焼成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 セラミックグリーンシートを高い生産性を以って焼成するとともに、得られたセラミックシートの歪みを少なくする。
【解決手段】 アルミナ製多孔性拘束板7の間にセラミックグリーンシート1が交互に挟まれた積層体9を得ること、積層体をセッター10に配置してセッター組立体11を得ること、セッター組立体にスペーサー12を配置すること、セッター組立体を積み上げること、さらに、セッター組立体を積み上げてセッター組立集合体13を得ること及びセッター組立集合体を焼成炉に導入してセラミックグリーンシートを焼成する方法において、上面及び/又は下面1eに断面、V字形又はU字形の分轄溝2を有するセラミックグリーンシート1を使用して、それがセラミックシートになったとき顕在する歪み、反り及び又はうねり等の平面特性の低下をセラミックグリーンシートの焼成時に抑制しておく。
【選択図】図6
【解決手段】 アルミナ製多孔性拘束板7の間にセラミックグリーンシート1が交互に挟まれた積層体9を得ること、積層体をセッター10に配置してセッター組立体11を得ること、セッター組立体にスペーサー12を配置すること、セッター組立体を積み上げること、さらに、セッター組立体を積み上げてセッター組立集合体13を得ること及びセッター組立集合体を焼成炉に導入してセラミックグリーンシートを焼成する方法において、上面及び/又は下面1eに断面、V字形又はU字形の分轄溝2を有するセラミックグリーンシート1を使用して、それがセラミックシートになったとき顕在する歪み、反り及び又はうねり等の平面特性の低下をセラミックグリーンシートの焼成時に抑制しておく。
【選択図】図6
Description
本発明は、薄型セラミックグリーンシートの焼成工程において、歪み、反り又はうねり等の平面特性の低下を抑制しながら、高い生産性を以って薄型セラミックグリーンシートを焼成する方法に関するものである。
従来から周知のセラミックグリーンシートの焼成方法として、セラミックグリーンシートをアルミナ製多孔板に交互に挟んで積層体を形成すること、その積層体をアルミナ製多孔質棚板に載置すること、前記棚板の四隅にスペーサーを配置すること、前記スペーサーの上に前記同様に構成された棚板を積み上げて、上下位の棚段間に所定の空間を有する棚段群を形成すること、前記棚段群を焼成炉に導入して、前記セラミックグリーンシートを焼成することからなる薄型セラミックグリーンシートの焼成方法が公知である{(公知技術)特許第3792466号明細書}。
この公知技術は、薄型の広い平面を有するセラミックグリーンシートを高い生産性を以って焼成できるとともに、得られたセラミックシートにおける寸法のバラツキを抑制できるという相応の効果を発揮している。
特許第3792466号明細書
しかしながら、近年、前記セラミックシートが使用される電気・電子部品業界において、電気・電子部品が小型化かつ高精密化するに伴い、セラミックシート、特に厚みが0.01〜1mmの薄型のセラミックシートの歪み、反り又はうねり等の平面特性の低下現象(以下。「歪み」なる用語をもって総称する。)が発生し易くなるので、この歪みを抑制することが重要になってきている。
そこで、本発明者等は、薄型のセラミックグリーンシートを高い生産性を以って焼成できるとともに、歪みを抑制できるセラミックグリーンシートの焼成方法を確立するために鋭意、検討した結果、セラミックシートの面方向に関する物理的特性を幾分犠牲にすれば、厚み方向に関する物理的特性を重要視する用途の電気・電子部品に使用されるセラミックシートにおいては、前記焼成過程においてセラミックグリーンシートに歪みが発生しても、その発生部位から他の部位に歪みが伝播するのを阻止する手段を前記セラミックグリーンシートに予め施しておけばよいという事実を見出し、本発明を完成した。
従って、本発明が解決しようとする課題は、薄型のセラミックグリーンシートを高い生産性を以って焼成できるとともに、歪みが発生してもその発生部位から他の部位に伝播するのを抑制できるセラミックグリーンシートの焼成方法を提供することにある。
本発明は前記の課題を解決するために、厚みDが0.1〜1mmの焼結アルミナからなる多孔性拘束板の上に、最終的に焼成して得られるセラミックシートの厚みを0.01〜1mmにできる方形セラミックグリーンシートを重ねて、上下の前記拘束板の間にセラミックグリーンシートが交互に挟まれた積層体を形成する第一ステップと、その積層体を1層又はそれより多い複数層積み上げるとともに、前記積層体より少なくとも一方の幅が広い方形のセッターに1個、載置して又は複数個、併置して、前記積層体がセッターに配置されたセッター組立体を形成する第二ステップと、前記セッター組立体のセッターの少なくも2箇所に前記積層体の高さより大きいスペーサーを配置する第三ステップと、前記スペーサーの上に前記同様に構成された他のセッター組立体を積み上げて、上下位のセッター組立体間に所定の空間を形成する第四ステップと、同様に前記第一〜第四ステップを反復して前記セッター組立体が複数段、積み上げられたセッター組立集合体を形成する第五ステップと、前記セッター組立集合体を焼成炉に導入して、前記セラミックグリーンシートを焼成する第六ステップと、を含むセラミックグリーンシートの焼成方法において、前記セラミックグリーンシートとして、その表面及び/又は裏面にセラミックグリーンシートの厚みの2/3までの深さの断面、V字形又はU字形の縦横溝が少なくとも1組、設けたセラミックグリーンシートを使用するという手段を採用する。
本発明は、前記の手段を採用することにより、まず公知技術と同様に、セラミックグリーンシートを高い生産性をもって焼成できる。
すなわち、第一ステップにおいて、最終的にして焼成して得られる厚みDが0.01〜1mmと薄い方形セラミックグリーンシートがそれと等しいか又は僅かに厚みの大きい0.1〜1mmの焼結アルミナからなる多孔性拘束板の間にセラミックグリーンシートが交互に挟まれた積層体を使用するので、その積層体の厚みは総じて小さくなり、同一焼成能力のある焼成炉により多くのセラミックグリーンシートを供給できる。
同様に第二ステップにおいて、前記積層体がそれより少なくとも一方の幅が広い方形のセッターの上に1個、載置され又は複数個、併置される。そのため、第三ステップにおいて、積層体の外方においてセッターの上に複数個のスペーサーを配置できる。
第四ステップにおいて、セッター組立体の高さより大きいスペーサーが使用されているので、その上に前記同様に構成された他のセッター組立体を積み上げると、上下位のセッター組立体間に所定の空間を形成でき、その結果、第五ステップにおける焼成過程でセッター組立体間に熱空間を確保できる。
第五ステップにおいて、前記第一〜第四ステップを反復して前記セッター組立体が複数段、積み上げられるので、生産性の向上に繋がるセッター組立集合体を形成できる。なお、本発明において生産性とは、前記セッター組立集合体に積み込んだセラミックグリーンシートの表面積の総計を以って定義する。従って、セラミックグリーンシート、1枚当たりの表面積が大きい場合は焼成枚数が減少するし、逆に小さい場合は、焼成枚数は増大する。本発明の場合、前記セッター組立集合体1基当たり前記の総表面積は、0.0001〜10000平方mの範囲とする。
第五ステップにおいて、上記のようにセッター組立集合体を焼成炉に導入するので、セラミックグリーンシートが高い生産性をもって焼成されるとともに、この過程でセラミックグリーンシートは、多孔性拘束体に挟まれているので、厚さ方向の変位が拘束されるとともに、そこから発生する有機バインダ、溶媒及び可塑剤等は、拘束体の多孔から外方に放散させることができる。
本発明は、前記の手段を採用することにより、さらに前記の作用に加えてセラミックグリーンシートの焼成過程において歪みの拡散を抑制するという作用を生み出す。
すなわち、本発明に係るセラミックグリーンシートの表面及び/又は裏面にセラミックグリーンシートの厚みの2/3までの深さの断面、V字形又はU字形の縦横溝を少なくとも1組、設けられているので、焼成時にセラミックグリーンシートから焼成セラミックシートに変化する過程で焼成セラミックシートの特定の部位に歪みが発生しても、前記縦横溝がその歪みを他の部位に伝播するのを阻止し、ひいては歪みのより少ないセラミックシートの生成を可能にする。
さらに、本発明に使用されるセラミックグリーンシートの好ましい実施態様(第一実施態様)において、前記縦横溝が、セラミックグリーンシートの側端面から所定距離内方側の部位に方形をなすように配置されているので、その縦横溝は、セラミックグリーンシートにおいて自由端をなす側縁部に発生し易い歪み、特にうねりが内方に伝播するのを阻止する。
本発明に使用されるセラミックグリーンシートのより好ましい実施態様(第二実施態様)において、前記縦横溝がセラミックグリーンシートの側端面から所定距離内方側の部位に方形をなすように配置された第一縦横溝群と、その第一縦横溝群の内方に格子状に配置されている第二縦横群とから構成されているので、まず、第一縦横溝群が、前記第一実施態様と同様の作用、すなわち、セラミックグリーンシートの側縁部に発生し易い歪みが内方に伝播するのを阻止するとともに、第二縦横群がセラミックグリーンシートの内方領域に発生した歪みをその部位から同じ領域内の他の部位に伝播するのを阻止する。
本発明の第三実施態様として、縦横溝同士の交差部を非連続にするという手段を採用しているので、縦横溝として連続溝を採用した場合併発する本発明の弊害を抑制する。すなわち、縦横溝を無制限に多数組、配置すると、焼成時に縦横溝の交差領域に形成される縦横溝が存在するセラミックグリーンシートの厚さの上半分以上の領域における四つのコーナー部が自由端のような挙動を示し易くなるという弊害を抑制する。
前記同様の思想のもとで本発明の第四実施態様では、縦横溝を非連続にするという手段を採用する。
本発明は、薄型のセラミックグリーンシートを高い生産性を以って焼成できるとともに、歪みの発生による平面特性の低下を抑制できるという優れた効果を発揮する。
次に、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について、説明する。
最初に本発明に使用する原材料等を準備する。すなわち、多数枚の方形セラミックグリーンシート、それを載置する多孔性拘束板、それらを積層体にして載置するセッター及びさらにそれらからなるセッター組立体同士の間に挟むスペーサーを準備する。なお、本発明においてセラミックとは、グリーンシートを焼成して最終的に厚さを0.01〜1mmの薄型セラミックシートにできる原材料を意味し、このようなセラミックとしては、例えば、ジルコニア、チタニア、窒化アルミニウム、ホウ酸ガラス、コージェライト、ムライトシート、その他、現在電気・電子工業分野において実用化されているセラミック等を意味する。ただし、アルミナは次に述べる多孔性拘束板として利用されるので、セラミックの対象としないし、好ましくは、アルミナの色と補色の関係にある色彩を有するセラミックを採用する。なぜならば、後述するように、方形セラミックグリーンシートを2枚の多孔性拘束板で挟む作業を人為的に実施するとき、作業者が両者の相対的位置関係を視覚で調節するのに有利であるからである。
次に、このような薄型セラミックを製造するためのグリーンシートは、それ自体公知の方法により製造される。すなわち、前記セラミックの原料粉末と有機質又は無機質のバインダとを分散媒に分散させてスラリーにし、さらに必要により、そのスラリーに可塑剤を添加して、ドクターブレード法、カレンダーロール法又は押出し法等により、移動するキャリヤシート、例えば、ポリエチレンテレフタレートシートの上に所定の厚みの長尺セラミックグリーンシートの形態で成形する。
このようにして得られたセラミックグリーンシートを、図1に示すように、所定の大きさの形状に裁断して方形のセラミックグリーンシート1にする。次いで、それら方形セラミックグリーンシート1の表面又は裏面1eに、その四つの側端面1a,1b,1c,1dから所定距離L、好ましくは0.5〜20mmをおいて内方側に寄った部位に縦溝2aと横溝2bからなる分割溝2、好ましくは方形の分割溝2を形成する。なお、本発明においてセラミックグリーンシートを方形にするのは、多孔性拘束板又はセッターの形状に合わせた形にするとともに、その焼成時にそれを平面的に配置するときの占有面積効率を高めるためである。
ここで分割溝2とは、図2及び図3に示すように、方形セラミックグリーンシート1の表面及び/又は裏面(以下、前記図及び関連する図において、代表的に表面を以ってかつ符号1eを付して説明する。)にセラミックグリーンシート1の厚みDの2/3、好ましくは、2/3以下、1/5までの深さd1の断面、V字形又はU字形の縦溝2aと横溝2bを総称する。なお、分割溝2の深さd1をセラミックグリーンシート1の厚みDの2/3以下とするのは、厚みDの2/3を超えると、最終的に得られた焼結セラミックシートにおける長さ方向の物理的特性が損なわれて、その用途範囲が制限されるからであり、逆に1/5未満にすると、本発明特有の効果が発現しないからである。
本発明においては、好ましくは、前記分割溝2として、図4に示すように、前記縦溝2aと横溝2bが、方形セラミックグリーンシート1の表面1eに、その四つの側端面1a,1b,1c,1dから所定距離Lをおいて内方側に寄った部位に配置された第一縦横溝群3と、その第一縦横溝群3の内方に前記縦溝2aと横溝2bが格子状に配置されている第二縦横群4とから構成するとともに、前記第一縦横溝群3と第二縦横群4との間に非接合領域5を設けて、両縦横溝3,4を接合させないようにする。なお、前記第二縦横溝群4として、図5に示すように、縦溝2aと横溝2bとを複数対、設けるとともに、前記縦溝2aと横溝2bとが、特に工夫しない場合にできる交差部(図示なし)において、縦溝2aと横溝2bとを敢えて接合させない非接合領域6を形成する。
本発明において、さらに好ましい実施態様として、前記縦溝2aと横溝2b自体を鎖線、破線又は1点鎖線状の非連続溝する。このような縦溝2a、横溝2b及び第二縦横群4を非連続線にするとともに、第一縦横群3と第二縦横群4との間及び第二縦横群4自体に非接合領域6を設けることにより、後述する発明の効果に影響する負の作用を抑制するのである。
次に、アルミナ製の方形多孔性拘束板を用意する。そして、図6に示すように、方形の多孔性拘束板7の表面7aに前述した方形セラミックグリーンシート1を載置するとともに、その方形セラミックグリーンシート1の上にさらに他の多孔性拘束板7を載せて、1枚のセラミックグリーンシート1を2枚の多孔性拘束板7の間にサンドウィッチ状に挟む。
なお、多孔性拘束板7には、多数個の透孔8が規則的又は非規則的にあけられており、後述するセラミックグリーンシート1の焼成時にそれらの透孔8を通じて、有機質のバインダや分散剤等を外方に蒸発させたり、焼成に必要な熱風を外方からセラミックグリーンシート1に当てたりすることが可能になっている。また、多孔性拘束板7として、アルミナ板を使用するのは、セラミックグリーンシート1の焼成に耐えるセラミックとして耐熱性があるのみならず、外観が白色であるからである。なぜならば、本発明の実施において多孔性拘束板7は反復して使用するが、セラミックグリーンシートとの焼成回数が増えると多孔性拘束板であるアルミナ板が着色する。着色の一要因としてセラミックグリーンシートからその構成成分が微量ではあるがアルミナ板を汚染する現象がある。アルミナ板の汚染度を視覚で判断するために本発明においては白色のアルミナ板を多孔性拘束板として使用する。
このようにして、図7、図8及び図9に示すように、セラミックグリーンシート1の上に多孔性拘束板7を積み上げ、最終的には複数枚、例えば、5枚のセラミックグリーンシート1がそれより1枚多い多孔性拘束板7によりサンドウィッチ状にされた積層体9を組み立てる(第一ステップ)。
次に、方形のアルミナ製セッター10を準備し、その上に1個の積層体9を載置し、さらに複数個、2〜8個の積層体9を併置して、セッター組立体11を形成する。これらの場合、セラミックグリーンシート1又は前記多孔性拘束板7より少なくとも一方の幅が広いアルミナ製セッター10を用いて、その両側縁部又はコーナー部10a,10bにセラミック又は金属製直方体状のスペーサー12を載せる(第二、第三ステップ)。スペーサー12は、セッター組立体11の高さhより僅かに大きい高さHを有し、両者の間に0.1〜10mm、好ましくは0.5〜5mmの高低差tを有するようにする。
さらに続いて、このように組み立てられたセッター組立体11の上に同様にして組み立てられた他のセッター組立体11を、スペーサー12又は所定の空間Pを介して、載置し、さらに同様にセッター組立体11を複数段、好ましくは2〜100段積み上げて、セッター組立集合体13とする(第四、第五ステップ)。
最後に、このように得られたセッター組立集合体13を焼成炉、例えば、特開平08−290976号公報に記載の焼成炉のコンベアに載せて、加熱トンネル領域に供給し、常圧下で800〜1400℃でセラミックグリーンシート1を焼成する。すると、本発明の目的物である焼成セラミックシートが得られる(第六ステップ)。
この焼成過程で、積層体9内のセラミックグリーンシート1はセッター組立体11の外部から熱エネルギーを受けて、周縁部から内方に向かって徐々に焼成されてゆくとともに、セラミックグリーンシート1が保有する有機質バインダ及び分散剤等が内部から蒸発して、多孔性拘束板7を通じて又は通ずることなく多孔性拘束板7とセラミックグリーンシート1との間を通って外部に逸散する。
セラミックグリーンシート1は焼成されてゆくにつれて逸散していった有機質バインダ及び分散剤が占めていた容積分が収縮する乾燥収縮及び粉体の焼結に伴う収縮が生ずる。最終的に得られるセラミックシートの厚みが0.1〜1mmと比較的薄いので、収縮過程で歪みが所定部位に集中したりうねりになったりし易い。特に、セラミックグリーンシート1において自由端が存在する周縁部にうねりが生じ易い。
しかしながら、本発明に係るセラミックグリーンシート1には、その表面1eにセラミックグリーンシート1の厚みDの2/3までの深さd1の断面、V字形又はU字形の分割溝2が少なくとも1組、設けられているので、図2及び図3に示したように、セラミックグリーンシート1の特定の部位で歪みWが発生しても、その影響が周囲に伝播しない。つまり、図3において2本の鎖線1f,1g間で示した歪み領域Sが増幅しようとしても、その増幅が分割溝2で減衰されるとともに、前記歪み現象Wの発生によりセラミックグリーンシート1が膨らもうとしても、それはセラミックグリーンシート1の上にある多孔性拘束板7の拘束作用により抑制される。
他方、セラミックグリーンシート1において分割溝2の下方の肉厚の厚みd2は、他の部位の肉厚の厚みDより小さいので、セラミックグリーンシート1が多孔性拘束板7に押圧されると、当然、その拘束板7の拘束作用をより受け易いから歪み現象Wは抑制される。なお、図2及び図3には、上記の現象が理解し易いように、その現象をマクロ的にかつ誇張して記載されている。
特に、本発明のセラミックグリーンシート1の好ましい実施態様においては、図4及び図5に示すように、側端面1a〜1dから所定の距離Lをおいて形成されている第一縦横溝群3が不連続的に形成されている場合、縦横溝2a,2bが側端部に発生する歪みWが内方に伝播するのを顕著に遮断する。
さらに、前記同様に第二縦横溝群4が不連続的に形成されている場合において、縦横溝2a,2bに非接合領域5が形成されているとき、前記の効果を発揮するのみならず、もし交差領域が存在していた場合、その交差領域における四つの自由端の形成により誘発し易い歪みWの発生を抑制するという効果を発揮する。
本発明は、その根本的技術思想を踏襲し発明の効果を著しく損なわない限度において、前記の実施態様に一部分を変更して実施することができる。例えば、図10に示すように、1枚の縦長のセッター10の上に3個の積層体9を並列配置した複数個のセッター組立体11を上方に積層してセッター組立集合体13を形成するとともに、各セッター10の上に前記実施態様の場合より多いスペーサー12を載せて、その上方に載せられるセッター10が途中で撓むのを抑制することもできる。
本発明は、最終的に得られた焼結セラミックシートに分割溝が存在していてもその物理的特性が顕著に阻害されない分野、例えば圧電体、電池等の分野に利用できる。
1:方形セラミックグリーンシート,1a,1b,1c,1d:側端面、2:分割溝,2a:縦溝,2b:横溝、3:第一縦横溝群,4:第二縦横溝群,5:非接合領域,6:非接合領域,7:多孔性拘束板,8:透孔,9:積層体,10:セッター,11:セッター組立体,12:スペーサー,13:セッター組立集合体、L:距離。
Claims (5)
- 厚み(D)が0.1〜1mmの焼結アルミナからなる多孔性拘束板(7)の上に、最終的に焼成して得られるセラミックシートの厚みを0.01〜1mmにできる方形セラミックグリーンシート(1)を重ねて、上下の前記拘束板の間にセラミックグリーンシートが交互に挟まれた積層体(9)を形成する第一ステップと、
その積層体を1層又はそれより多い複数層積み上げるとともに、前記積層体より少なくとも一方の幅が広い方形のセッター(10)に1個、載置して又は複数個、併置して、前記積層体がセッターに配置されたセッター組立体(11)を形成する第二ステップと、
前記セッター組立体のセッターの少なくとも2箇所に前記積層体の高さより高いスペーサー(12)を配置する第三ステップと、
前記スペーサーの上に前記同様に構成された他のセッター組立体を積み上げて、上下位のセッター組立体間に所定の空間(P)を形成する第四ステップと、
同様に前記第一〜第四ステップを反復して前記セッター組立体が複数段、積み上げられたセッター組立集合体(13)を形成する第五ステップと、
前記セッター組立集合体を焼成炉に導入して、前記セラミックグリーンシートを焼成する第六ステップと、を含むセラミックグリーンシートの焼成方法において、
前記セラミックグリーンシートとして、その上面及び/又は下面(1e)にセラミックグリーンシートの厚み(D)の2/3までの深さ(d1)の断面、V字形又はU字形の縦横溝(2a,2b)を少なくとも1組、設けたセラミックグリーンシートを使用することを特徴とするセラミックグリーンシートの焼成方法。 - 前記縦横溝(2a,2b)が、セラミックグリーンシート(1)の側端面(1a,1b,1c,1d)から所定距離(L)、内方側の部位に方形をなすように配置されている請求項1記載のセラミックグリーンシートの焼成方法。
- 前記縦横溝(2a,2b)が、セラミックグリーンシート(1)の側端面(1a,1b,1c,1d)から所定距離(L)、内方側の部位に方形をなすように配置された第一縦横溝群(3)と、その第一縦横溝群の内方に格子状に配置されている第二縦横溝群(4)とからなる請求項1記載のセラミックグリーンシートの焼成方法。
- 前記縦横溝(2a,2b)が、交差部で非連続になっている請求項1〜3のいずれか1項に記載のセラミックグリーンシートの焼成方法。
- 前記縦横溝(2a,2b)は、非連続溝である請求項1〜4のいずれか1項に記載のセラミックグリーンシートの焼成方法。
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