JP2014051328A - 包装材 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の解決しようとする課題は、高度のガスバリア性と彩虹色を伴う高度の意匠性とを兼ね備えた包装材を提案するものである。
【解決手段】高分子樹脂組成物からなる基材(3)上に、無機化合物からなる蒸着層(4)を第1層とし、水溶性高分子と、(a)1種以上のアルコキシドまたは/およびその加水分解物または(b)塩化錫の少なくともいずれか1つを含む水溶液、或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を塗布し、加熱乾燥してなるガスバリア性被膜層(5)を第2層として積層し、さらに前記ガスバリア性被膜面側にヒートシール可能な熱可塑性樹脂層(6)を積層したガスバリア性包装材(2)において、前記第1層の厚さと第2層の厚さのいずれか一方または両方が不均一であることを特徴とする包装材である。
【選択図】図1
【解決手段】高分子樹脂組成物からなる基材(3)上に、無機化合物からなる蒸着層(4)を第1層とし、水溶性高分子と、(a)1種以上のアルコキシドまたは/およびその加水分解物または(b)塩化錫の少なくともいずれか1つを含む水溶液、或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を塗布し、加熱乾燥してなるガスバリア性被膜層(5)を第2層として積層し、さらに前記ガスバリア性被膜面側にヒートシール可能な熱可塑性樹脂層(6)を積層したガスバリア性包装材(2)において、前記第1層の厚さと第2層の厚さのいずれか一方または両方が不均一であることを特徴とする包装材である。
【選択図】図1
Description
本発明は、包装材に関し、特にガスバリア性と装飾性を兼ね備えた包装材に関する。
従来、ガスバリア性を必要とする包装体に用いる包装材料としては、アルミニウム箔を用いたアルミラミネート包材が一般的に用いられてきた。アルミラミネート包材は、ガスバリア性が高く、耐熱性、耐ボイル性、遮光性等の点においても優れているため、長期間の保存性を必要とするレトルト食品用の包材として広く用いられている。
しかし近年、金属アルミニウムの持つ生体毒性や、焼却時の残渣の問題などから、アルミニウム箔を用いないガスバリア性フィルムが注目されてきている。
特許文献1に記載されたガスバリア性積層フィルムおよびこの積層フィルムを用いた包装材料は、アルミニウム箔に匹敵する高度のガスバリア性を備えた包装材である。
特許文献1に記載された包装材は、透明であり、アルミニウム箔と異なり内容物が外部から視認可能であるという特徴を備えている反面、意匠性においては、必ずしも満足の行くものではなかった。
本発明の解決しようとする課題は、高度のガスバリア性と彩虹色を伴う高度の意匠性とを兼ね備えた包装材を提案するものである。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、高分子樹脂組成物からなる基材上に、無機化合物からなる蒸着層を第1層とし、水溶性高分子と、(a)1種以上のアルコキシドまたは/およびその加水分解物または(b)塩化錫の少なくともいずれか1つを含む水溶液、或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を塗布し、加熱乾燥してなるガスバリア性被膜層を第2層として積層し、さらに前記ガスバリア性被膜面側にヒートシール可能な熱可塑性樹脂層を積層したガスバリア性包装材において、前記第1層の厚さと第2層の厚さのいずれか一方または両方が不均一であることを特徴とする包装材である。
本発明に係る包装材は、第1層である無機蒸着層と第2層であるガスバリア性被膜層の厚さを不均一にしたことにより、光の干渉による彩虹色を発現する。2層の厚さが均一であると、光が干渉しても単一の波長の干渉色しか発現しないが、それぞれの厚さが不均一であるとさまざまな波長の干渉色が発現する。
本発明に係る包装材は、第1層である無機化合物からなる蒸着層と、第2層であるガスバリア性被膜層の2層からなるガスバリア層を有するので、極めて高いガスバリア性を発揮する。
また本発明に係る包装材は、無機蒸着層とガスバリア性被膜層の2層の厚さを意識的に不均一にすることにより、さまざまな波長の干渉色が発現し、虹彩色を生じる。このため、この包装材を用いた包装袋などに高い意匠性を付与することが可能となった。
以下図面を参照しながら、本発明に係る包装材について詳細に説明する。図1〜4は、いずれも本発明に係る包装材(2)の層構成の例を示した断面説明図である。
本発明に係る包装材(2)は、高分子樹脂組成物からなる基材(3)上に、無機化合物からなる蒸着層(4)を第1層とし、水溶性高分子と、(a)1種以上のアルコキシドまたは/およびその加水分解物または(b)塩化錫の少なくともいずれか1つを含む水溶液、或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を塗布し、加熱乾燥してなるガスバリア性被膜層(5)を第2層として積層し、さらに前記ガスバリア性被膜面側にヒートシール可能な熱可塑性樹脂層(6)を積層したガスバリア性包装材であって、第1層の厚さと第2層の厚さが不均一であることを特徴とする包装材である。
本発明に係る包装材(2)は、高分子樹脂組成物からなる基材(3)上に、無機化合物からなる蒸着層(4)を第1層とし、水溶性高分子と、(a)1種以上のアルコキシドまたは/およびその加水分解物または(b)塩化錫の少なくともいずれか1つを含む水溶液、或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を塗布し、加熱乾燥してなるガスバリア性被膜層(5)を第2層として積層し、さらに前記ガスバリア性被膜面側にヒートシール可能な熱可塑性樹脂層(6)を積層したガスバリア性包装材であって、第1層の厚さと第2層の厚さが不均一であることを特徴とする包装材である。
蒸着層(4)とガスバリア性被膜層(5)との厚さの関係は、図1に示したように、蒸着層(4)の厚さが不均一で、ガスバリア性被膜層(5)の厚さは均一であっても良いし、図2に示したように、蒸着層(4)の厚さは均一で、ガスバリア性被膜層(5)の厚さが不均一であっても良い。また、図3に示したように、蒸着層(4)の厚さが不均一で、ガスバリア性被膜層(5)が、蒸着層(4)の厚さムラを埋めるような関係であっても良い。また特に図示しないが、2層がそれぞれランダムに不均一であっても良い。
なお、図1〜4は、いずれも本発明に係る包装材の層構成を模式的に示した断面説明図であり、実際の層の厚さの関係を正確に示している訳ではない。蒸着層(4)、ガスバリア性被膜層(5)とも、極く薄い層であるので、図1、図2で、熱可塑性樹脂層(6)の表面に凹凸があるように描かれているが、実際上は、平坦である。
蒸着層(4)とガスバリア性被膜層(5)は、いずれも極く薄い膜であるので、基材(3)側から入射した光は、これらの層間で反射して干渉し、干渉色を生じる。この時、生じる干渉色は、2層の厚さが一定であれば、一定となる。この時、いずれかの薄膜の膜厚に不均一があると、発生する干渉色がさまざまに変化し、彩虹色を生じるのである。
図4に示した実施例では、ガスバリア性被膜層(5)面に墨べた層(7)が部分的に設けられており、墨べた層(7)が抜けている部分から絵柄層(8)が見えるようになっている。絵柄層(8)の下には、白ベタ層(9)が設けられ、さらに熱可塑性樹脂層(6)が積層されている。基材(3)の表面には、墨べた層(7)や絵柄層(8)と同調してマットニス層(10)が形成されている。
図4に示した実施例では、墨べた層とマットニス層が存在するために彩虹色がより一層
強調されて見えるようになる。特にマット表面に例えば水滴が付着すると、水滴が凸レンズの働きをするため、彩虹色はさらに強調されて、非常に高い意匠性を発揮する。
強調されて見えるようになる。特にマット表面に例えば水滴が付着すると、水滴が凸レンズの働きをするため、彩虹色はさらに強調されて、非常に高い意匠性を発揮する。
以下、本発明に係る包装材に用いる材料について説明する。基材(3)は、シート状またはフィルム状のものであって、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ネイロン−6、ナイロン−66等)、ポリ塩化ビニル、ポリイミドなど、或いはこれら高分子の共重合体など通常包装材料として用いられるものが使用できる。基材は用途に応じて上記材料から適宜選択される。
この基材(3)に用いられる高分子樹脂材料には、例えば帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤など公知の添加剤を加えることができ、必要に応じて適宜添加される。
さらに基材(3)の表面をコロナ処理、アンカーコート処理等の表面改質を行い、被膜の密着性を向上させることも可能である。
第1層である無機蒸着層(4)は、珪素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、錫、マグネシウムなどの酸化物、窒化物、弗化物の単体、或いはそれらの複合物からなり、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ気相成長法(CVD法)などの真空プロセスにより形成される。特に酸化アルミニウムは、無色透明であり、ボイル・レトルト耐性等の特性にも優れており、広範囲の用途に用いることができる。
無機蒸着層(4)の膜厚は、用途や第2層の膜厚によって異なるが、数十Åから5000Åの範囲が望ましいが、50Å以下では薄膜の連続性に問題があり、また3000Åを越えるとクラックが発生しやすく、可撓性が低下するため、好ましくは50〜3000Åである。無機蒸着層(4)の膜厚を変動させる場合には、この範囲で変動させることが好ましい。
第2層であるガスバリア性被膜層(5)は、水溶性高分子と、(a)1種以上の金属等のアルコキシドまたは/及びその加水分解物又は(b)塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液、或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤からなる。水溶性高分子と塩化錫を水系(水或いは水/アルコール混合)溶媒で溶解させた溶液、或いはこれに金属等のアルコキシドを直接、或いは予め加水分解させるなど処理を行ったものを混合した溶液を基材(3)上の無機薄膜層(4)にコーティング、加熱乾燥し、形成したものである。コーティング剤に含まれる各成分について以下に詳述する。
本発明でコーティング剤に用いられる水溶性高分子はポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる、とくにポリビニルアルコール(以下、PVAとする)を本発明のガスバリア性積層体のコーティング剤に用いた場合にガスバリア性が最も優れる。ここでいうPVAは、一般にポリ酢酸ビニルをけん化して得られるもので、酢酸基が数十%残存している、いわゆる部分けん化PVAから酢酸基が数%しか残存していない完全けん化PVAまでを含み、とくに限定されるものではない。
また塩化錫は塩化第一錫(SnCl2)、塩化第二錫(SnCl4)、或いはそれらの混合物であってもよく、無水物でも水和物でも用いることができる。
さらにアルコキシドは金属等のアルコキシドである、テトラエトキシシラン〔Si(OC2H5)4〕、トリイソプロポキシアルミニウム〔Al(O−2’−C3H7)3〕な
どの一般式、M(OR)n(M:Si Ti Al Zr等の金属等、R:CH3、C2H5等のアルキル基)で表せるものである。なかでもテトラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニウムが加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であるので好ましい。
どの一般式、M(OR)n(M:Si Ti Al Zr等の金属等、R:CH3、C2H5等のアルキル基)で表せるものである。なかでもテトラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニウムが加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であるので好ましい。
上述した各成分を単独またはいくつかを組み合わせてコーティング剤に加えることができ、さらにコーティング剤のバリア性を損なわない範囲で、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、或いは分散剤、安定化剤、粘度調整剤、着色剤など公知の添加剤を加えることができる。
例えばコーティング剤に加えられるイソシアネート化合物は、その分子中に2個以上のイソシアネート基(NCO基)を有するものであり、例えばトリレンジイソシアネート(以下、TDIとする)、トリフェニルメタントリイソシアネート(以下、TTIとする)、テトラメチルキシレンジイソシアネート(以下、TMXDIとする)などのモノマー類と、これらの重合体、誘導体などがある。
コーティング剤の塗布方法には、通常用いられる、ディッピング法、ロールコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法など従来公知の手段が用いられる。被膜の厚さはコーティング剤の種類によって異なるが、乾燥後の厚さが約0.01〜100μmの範囲であればよい。50μm以上では、膜にクラックが生じやすくなる場合があるため、0.01〜50μmとすることがより望ましい。ガスバリア性被膜層(5)の膜厚を変動させる場合には、この範囲で変動させることが好ましい。
なお、詳細は不明なところが多いが、この第1層としての無機蒸着層(4)と第2層としての上記コーティング剤からなる被膜(5)との間に、何らかの反応層が形成されるか、或いは第2層が第1層に生じるピンホール、クラック、粒界などの欠陥或いは微細孔を充填、補強することで、緻密構造が形成され、これがガスバリア性の向上と第1層である蒸着薄膜層の保護層としての役割を果たす。
またコーティング剤の組成が、金属等のアルコキシド或いは塩化錫からなる無機成分とPVA等の水溶性高分子を主剤とするものであることから、ガスバリア性の向上が図れるものである。すなわち金属等のアルコキシド或いは塩化錫からなる無機成分は溶液中で加水分解、重縮合反応して鎖状或いは三次元樹枝状のポリマーを形成し、乾燥加熱にともなう溶媒の蒸発によってさらに重合が進行する、反応性に富む無機成分であり、水溶性高分子とは分子レベルの複合体を形成していると考えられる。したがって、特定の粒子径からなるシリカ(SiO2)などの微粒子や珪酸ソーダ(水ガラス)から得られるシリカゾル(コロイダルシリカ)など単に微粒子を分散したものとは異なるものである。
ガスバリア性被膜層(5)の上には、ヒートシール可能な熱可塑性樹脂層(6)を設ける。ヒートシール可能な熱可塑性樹脂層(6)としては、ポリオレフィン系樹脂が一般的に使用され、具体的には、低密度ポリエチレン樹脂 、中密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−メタアクリル酸樹脂共重合体などのエチレン系樹脂や、ポリエチレンとポリブテンのブレンド樹脂や、ホモポリプロピレン樹脂、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂等が使用される。
ガスバリア性積層フィルム(2)には、さらにガスバリア性被膜層(5)上または基材(3)上に印刷層を形成することができる。またさらに複数の樹脂層を接着層を介して積層して、より強靱な包装材料とするすることも可能である。
2・・・包装材
3・・・基材
4・・・無機蒸着層
5・・・ガスバリア性被膜層
6・・・熱可塑性樹脂層
7・・・墨ベタ層
8・・・絵柄層
9・・・白ベタ層
10・・・マットニス層
3・・・基材
4・・・無機蒸着層
5・・・ガスバリア性被膜層
6・・・熱可塑性樹脂層
7・・・墨ベタ層
8・・・絵柄層
9・・・白ベタ層
10・・・マットニス層
Claims (1)
- 高分子樹脂組成物からなる基材上に、無機化合物からなる蒸着層を第1層とし、水溶性高分子と、(a)1種以上のアルコキシドまたは/およびその加水分解物または(b)塩化錫の少なくともいずれか1つを含む水溶液、或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を塗布し、加熱乾燥してなるガスバリア性被膜層を第2層として積層し、さらに前記ガスバリア性被膜面側にヒートシール可能な熱可塑性樹脂層を積層したガスバリア性包装材において、前記第1層の厚さと第2層の厚さのいずれか一方または両方が不均一であることを特徴とする包装材。
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Publications (1)
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Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
US10450119B2 (en) * | 2017-06-22 | 2019-10-22 | The Procter & Gamble Company | Films including a water-soluble layer and a vapor-deposited inorganic coating |
US11192139B2 (en) | 2017-06-22 | 2021-12-07 | The Procter & Gamble Company | Films including a water-soluble layer and a vapor-deposited organic coating |
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2013
- 2013-12-05 JP JP2013251861A patent/JP2014051328A/ja active Pending
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US11473190B2 (en) | 2017-06-22 | 2022-10-18 | The Procter & Gamble Company | Films including a water-soluble layer and a vapor-deposited inorganic coating |
US11738367B2 (en) | 2017-06-22 | 2023-08-29 | The Procter & Gamble Company | Films including a water-soluble layer and a vapor-deposited organic coating |
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