JP2014050371A - シート状製品の防腐力評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
より適切かつ簡便な、シート状製品の防腐力評価方法を提供すること。
【解決手段】
含浸液を含ませた不織布の1〜3枚に、微生物を接種する工程、微生物が接種された不織布を容器内で保存する工程、及び保存された不織布の微生物数を測定する工程、を含む、不織布に含浸液を含ませたシート状製品の防腐力評価方法。
【選択図】なし

Description

本発明はシート状製品の防腐力評価方法に関する。
化粧品等は、開封前のみならず、開封後も使用期間中に問題のない防腐性を必要とする。そのため、一般的な防腐力の判定方法として、試験微生物を製品に接種して、その微生物が死滅するか否かを確認する方法(チャレンジテスト)、すなわち、特定の試験微生物を、生理食塩水や緩衝液等に分散させて、その分散液を製品に接種後、経日での微生物数の変化を観察する方法が採られている(非特許文献1)。
これらの試験微生物は、製剤の製造、使用又は保存中に人や環境から混入するおそれのある微生物や、日和見感染病原体などが用いられる。さらに、これらの微生物に加えて、製剤の性質により混入して繁殖するおそれのある微生物を試験微生物として加えて行われることが多い。
ローションやクリームなどの製剤では、中味組成物を使用しての上記チャレンジテストによる防腐力判定試験が有効である。しかし、不織布に含浸液を含ませたクレンジングシート、フェイスマスク等のシート状製品では、通常の化粧品等が内容物と容器から構成されるのに対し、シート状製品ではこれらの構成体に加えてシートという第三の構成体が存在する。このため、防腐成分のシートへの吸着やシートからの微生物の混入の可能性など、防腐設計を行ううえで考慮しなければならない因子が増加する。このような状況から、シート状製品では、含浸液、シートに含浸させた後にシートから絞って再度回収した含浸液、及びシート状製品そのものの形態間で、防腐力が異なることが見られるという問題があった。
第二に、シート状製品では、乾燥不織布等のシートに含浸液を充填するという工程を取るため、バッチ式製造に比べると比較的オープンな環境中で製造せざるを得ない状況になりがちであるため、製造環境や設備の衛生的管理手法も重要性が増してくる。
また、第三に、シート状化粧料は、アルミパウチ等に含浸液を含ませたシートを充填し、パウチ開口部を開閉して使用するタイプのものが多く、使用方法によっては製品の開封後は通常の液状化粧品に比べて外部環境の影響を受けやすくなる場合が有り、二次汚染を防ぐための十分な検討が必要になる(非特許文献2)。
さらに、シート状製品の含浸液の組成も顧客のニーズに応じて多様化している。例えば、従来から使用されてきた防腐成分の量を減らしたり、防腐効果が穏やかな成分に変更する必要性が生じている。シート状製品の防腐力を維持する観点からはより厳しい条件であっても、適切かつ簡便にシート状製品の防腐力を評価する方法が求められている。
そのため、最終製品形態に近いシート状製品形態(完成品)に、培養した種々の微生物を強制的に注射器を用いて均一に接種してチャレンジンテストを行うという方法(以下、積層形態による防腐力評価法、とする)がとられ提案されている。この方法の欠点は、最終製品(完成品)の積層形態と包装容器を用いるため、試料の積層枚数が多い、試料の作成に手間と時間がかかる等、多大な労力を要することが挙げられる。
さらに、最終製品(完成品)でのチャレンジテストと、製品を一定期間実際に使用した後に微生物検査を行う実使用試験との相関を見たところ、最終製品でのチャレンジテストで微生物の減少率が高かったにもかかわらず、使用試験後のサンプルで微生物が大量に検出されたり、必ずしも相関しないという問題が生じていた。
「第十六改正日本薬局方」p.2044〜2046 「化粧品・外用剤における微生物汚染防止と防腐設計技術」p.244〜251、技術情報協会著
従って本発明の課題は、従来の評価方法と対比して、製品を一定期間実際に使用した後に微生物検査を行う実使用試験との相関が高く、より適切かつ簡便な、シート状製品の防腐力評価方法を提供することである。
即ち、本発明の要旨は、
不織布に含浸液を含ませたシート状製品の防腐力評価方法であって、
含浸液を含ませた不織布の1〜3枚に、微生物を接種する工程、
微生物が接種された不織布を容器内で保存する工程、及び
保存された不織布の微生物数を測定する工程、
を含む、シート状製品の防腐力評価方法;に関する。
本発明のシート状製品の防腐力評価方法により、従来より簡便な方法で、しかもより実使用試験と相関が高くシート状製品中の微生物を測定することができるという効果が奏される。
まず、本発明におけるシート状製品について説明する。
シート状製品を構成する不織布としては、従来のシート状化粧料に適用されている不織布や清浄綿等が挙げられる。不織布を構成する素材としては、例えば、コットン、絹、ウール、麻、レーヨン、ポリノジック、キュプラ、アセテート、プロミックス、ナイロン、アラミド、ビニロン、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリ乳酸、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、パルプ、リヨセル等の素材が挙げられる。不織布は、一種類の素材からなるものでもよく、複数の素材からなるものでもよい。
不織布の製造方法は、通常の公知の製造方法であれば特に限定されないが、例えば、原料となる各繊維を配合し、ウォータージェット装置を用いて水流により交絡させる方法等が挙げられる。
本発明に用いられる不織布の構造は、積層構造を有するものであっても、積層構造を有さないものであっても、シート状製品として使用できる構造である限り、特に限定されない。
不織布の目付としては特に限定されないが、好ましくは5〜300g/m2のものが、より好ましくは10〜200g/m2のものが挙げられる。
使用される不織布は、二つ折り、四つ折り等、使用される形態に合わせて折りたたまれていてもよいし、ロール状に巻かれていても、折りたたまず1枚ずつ保管されていてもよい。試験に供する時には、保管された不織布を1〜3枚取り出して使用する。
シート状製品を構成する含浸液としては、従来のシート状化粧料に適用されている含浸液等が挙げられる。含浸液を構成する成分としては、例えば、水、界面活性剤、油性成分、多価アルコール、高分子化合物、油脂、ロウ類、高級脂肪酸、低級アルコール、高級アルコール、ステロール類、脂肪酸エステル、保湿剤、無機顔料、色素、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ビタミン類、収斂剤、美白剤、動植物抽出物、金属イオン封鎖剤等が挙げられるが、上記した成分の他、化粧料又は医薬品に通常用いられる成分を適宜任意に配合することができる。このような成分を単独で、又は複数の種類の成分を混合して含浸液を調製する。
含浸液には防腐・殺菌成分が含まれていてもよい。防腐・殺菌成分としては、例えば、安息香酸、安息香酸塩、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、感光素、クロルクレゾール、クロロブタノール、サリチル酸、サリチル酸塩、ソルビン酸及びその塩類、デヒドロ酢酸及びその塩類、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル、パラオキシ安息香酸エステル及びそのナトリウム塩、フェノキシエタノール、フェノール、ラウリルジアミノエチルグリシン、レゾルシン、亜鉛・アンモニア・銀複合置換型ゼオライト、安息香酸パントテニルエチル、イソプロピルメチルフェノール、塩化セチルピリジウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルヘキシジン、オルトフェニルフェノール、オルトフェニルフェノールナトリウム、銀−銅ゼオライト、グルコン酸クロルヘキシジン、クレゾール、クロラミンT、クロルキシレノール、クロルフェネシン、クロルヘキシジン、1,3−ジメチルロール−5,5−ジメチルヒダントイン、臭化アルキルイソキノリニウム、チアントール、チモール、トリクロロカルバニド、パラクロルフェノール、ハロカルバン、ヒノキチオール、ピロクトンオラミン、ピリチオン亜鉛、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル、ポリアミノプロピルビグアナイド、メチルイソチアゾリノン、メチルクロロイソチアゾリノン・メチルイソチアゾリオン液、N,N−メチレンビス[N’−(3−ヒドロキシメチル−2,5−ジオキソ−4−イミダゾリジニル)ウレア]、ヨウ化パラジメチルアミノスチリルヘプチルメチルチアゾリウム、ベンジルアルコール、アルコール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。防腐・殺菌成分としては、一種類を単独で用いてもよく、複数の種類を併用してもよい。
含浸液の25℃におけるpHは、特に限定されないが、人体への影響の観点から、3.0〜11.0の範囲が好ましく、4.0〜10.0の範囲がより好ましい。
不織布に含ませる含浸液の量としては、特に限定されないが、好適な使用感を得る観点から、不織布1gあたり1.0〜10.0gの範囲が好ましく、2.0〜6.0gの範囲がより好ましい。
シート状製品とは、清浄綿や不織布に含浸液を含ませたシート状の製品であり、例えば、シート状化粧料が挙げられる。シート状化粧料の具体例としては、クレンジングシート、フェイスマスク、洗顔ペーパー、ローションシート、ウェットティッシュ及び身体用拭き取りシート等である。その他シート状製品としては、手指消毒洗浄綿、使い捨ておしぼり、冷却シート及びお尻拭きシート等が挙げられる。本発明の評価方法は、このようなシート状製品のいずれにも適用することができる。
次に評価方法について説明する。
本発明のシート状製品の防腐力評価方法は、
不織布に含浸液を含ませたシート状製品の防腐力評価方法であって、
含浸液を含ませた不織布の1〜3枚に、微生物を接種する工程、
微生物が接種された不織布を容器内で保存する工程、及び
保存された不織布の微生物数を測定する工程、
を含む。
このような本発明の評価方法は、不織布1〜3枚だけを取り出して、微生物を接種して行うチャレンジテストを行ったところ、試料作製の手間が大幅に低減しただけでなく、意外にも実使用試験との高い相関性が見られた、という新たな知見に基づいて完成されたものである。
(1)微生物を接種する工程
接種する微生物としては、製造中、使用中又は保存中に人や環境から混入するおそれのある微生物や、日和見感染病原体など種々挙げられるが、例えば、「第十六改正日本薬局方」p.2044の「保存効力試験法」に記載された微生物が挙げられる。具体的には、Escherichia coli、Staphylococcus aureus、Bacillus subtilis、Pseudomonas aeruginosa、Candida albicans、Aspergillus brasiliensis等が挙げられる。接種する微生物は、一種類でもよく、複数の微生物を混合して接種してもよい。
微生物の接種量としては、特に限定されない。例えば、1mL当たり1×103〜1×1010CFU、より好ましくは1×105〜1×108CFUの生菌数になるように調製された接種用菌液を、含浸液1mLあたり0.01〜0.1mL接種することが好ましい。
不織布の枚数は1〜3枚であり、作業の簡便性及びより精度の高い結果を得る観点から、1枚であることが好ましい。尚、本発明においては、不織布1枚だけを取り出して微生物を接種して行うチャレンジテストを行う評価方法のことを、1枚接種法とする。
(2)不織布を保存する工程
本工程では、微生物が接種された不織布1〜3枚を、容器内で保存する。ここで、使用する容器は特に限定されないが、滅菌処理又は密閉が可能なバイアル瓶などを好適に用いることが出来る。不織布が2又は3枚の場合、互いに離れた状態で容器内に保存することが好ましい。
含浸液を構成する成分の揮散を防止する観点から、微生物が接種された不織布を容器内に入れて密閉することが好ましい。次いで、該容器を紫外線等の影響を排除する観点から、例えば恒温槽内に保存する。
保存時の温度範囲としては、接種した菌に最適な条件であれば特に限定されないが、例えば、細菌を接種した試料は25〜35℃、真菌を接種した試料は20〜30℃に保管する。
容器の保存期間としては、接種した微生物の種類や含浸液の組成等に左右されるために一概には言えないが、例えば、細菌及び酵母を接種した場合には、1〜14日間、カビを接種した場合には、7〜28日間が一般的である。なお、本発明の保存期間は、前記期間に限定されるものではない。
(3)微生物数を測定する工程
保存期間中の不織布中の微生物数を経時的に測定する。測定を行う間隔は、接種した微生物の種類や含浸液の組成等に左右されるため、特に限定されないが、例えば、毎日、1日おき、2日おき、1週間おき等のいずれの間隔であってもよい。上記間隔に従って、例えば1〜7回不織布中の微生物数を測定すればよい。
不織布中の微生物数の測定方法は、不織布から微生物を抽出した後に微生物数を測定する方法が挙げられる。具体的には、不織布に生理食塩水、緩衝液、又は防腐剤不活化剤添加溶液等の適切な溶媒を十分量加えて浸漬、撹拌することにより微生物を抽出した後、混釈法、塗抹法、メンブランフィルター法等の一般的な検出法の中から最適な方法を用いて生菌数を測定する方法を例示することができる。
以下に、本発明を実施例等に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
1.サンプルの作製
(含浸液)
表1に記載の組成の含浸液を常法に従って調製した。表中の組成の数値は質量%を意味する。なお、原液の試験では、調製した含浸液をそのまま用いて試験に供した。
Figure 2014050371
(不織布)
パルプが50%、レーヨンが50%の清潔な不織布(目付は40g/m2)を150mm×200mmに裁断した後四つ折りにしたものを用いた。
(シート状化粧料)
上記の不織布1枚あたり4.0mLの含浸液を含ませて、シート状化粧料を作製した。
2.各種サンプルの防腐力評価
(試料の調製)
容積が100mLの滅菌処理を行ったバイアルに、シート状化粧料を1枚投入し、密閉した。これを1組とし、試験菌毎に接種後の生菌数測定の回数分ずつ用意した。積層形態による試験用には、シート状化粧料を10枚積層してアルミピロー袋内に入れて密閉した。これを1組とし、試験菌毎に接種後の生菌数測定の回数分ずつ用意した。1枚接種法による試験には、アルミピロー袋に密封したシート状化粧料から、各供与菌毎に含浸液を含ませた不織布を1枚ずつ取り出して用いた。原液用の試験は、調製した含浸液を不織布に含ませずにそのまま用いた。
(供試菌)
供試菌として、Escherichia coli NBRC 3972(大腸菌)、Staphylococcus aureus NBRC 13276(黄色ブドウ状球菌)、Bacillus subtilis NBRC 12210(枯草菌)、Pseudomonas aeruginosa NBRC 13275(緑膿菌)、Candida albicans NBRC 1594(カンジダ菌)及びAspergillus brasiliensis NBRC 9455(クロカビ)を用いた。
(接種用菌液の調製)
大腸菌、黄色ブドウ球菌、枯草菌については、寒天培地で35℃で培養後、更にブイヨン培地に移植して35℃で培養したものを等量ずつ混合し、細菌混合液としたものを接種用菌液とした。緑膿菌については、寒天培地で35℃で培養後、更にブイヨン培地に移植して35℃で培養したものを接種用菌液とした。
カンジダ菌については、寒天培地で25℃で培養後、更にブイヨン培地に移植して30℃で培養したものを接種用菌液とした。クロカビについては、25℃で培養後に2%Tween80(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート)添加の生理食塩水に胞子を懸濁させたものを接種用菌液とした。
(1枚接種法における評価方法)
サンプルのシート状化粧料1枚を、容積が100mLの滅菌処理を行ったバイアルに投入した。細菌は107CFU/mL、酵母は106CFU/mL、カビは105CFU/mLになるように調製した接種用菌液を、このシート状化粧料1枚に0.4mL均一に接種して密閉し、試験試料とした。細菌を接種した試料については35℃の、あるいは真菌を接種した試料については25℃の恒温槽内に該バイアルを保存した。接種した微生物の種類及び接種直後の試料1mLの生菌数(CFU)は、表2に記載の通りである。
防腐力の評価回数(測定回数)は、細菌混合液、緑膿菌及びカンジダ菌については、1日経過時、7日経過時及び14日経過時の3回であり、クロカビについては、7日経過時、14日経過時及び21日経過時の3回であった。即ち、1種類の接種菌種に対して評価を3回行い、かつ接種菌種は4種類であることから、一種類のシート状化粧料あたり12枚の不織布を準備して評価を行った。
表2に記載の経過日数の時点で、該バイアル内のシート状化粧料を取り出した。2%Tween80添加の生理食塩水10mLを該シート状化粧料に添加して十分に撹拌した後、懸濁液を回収して該懸濁液中の生菌数(CFU/mL)を常法により求めた。細菌については35℃、真菌については25℃で培養を行い、3日後の菌数を測定した。結果を表2に示す。
(積層形態における評価方法)
サンプルのシート状化粧料を10枚重ね、アルミピロー袋内に入れた。次いで、細菌は107CFU/mL、酵母は106CFU/mL、カビは105CFU/mLになるように調製した接種用菌液を、最上段のシート状化粧料に0.4mL接種し、密閉した。細菌を接種した該アルミピロー袋については35℃の、あるいは真菌を接種した該アルミピロー袋については25℃の恒温槽内に該アルミピロー袋を保存した。接種した微生物の種類及び接種直後の試料1mLの生菌数(CFU)は、表2に記載の通りである。
防腐力の評価回数(測定回数)は、上記の1枚接種法における評価方法と同じ時点、同じ回数とした。即ち、1種類の接種菌種に対して評価を3回行い、かつ接種菌種は4種類であることから、一種類のシート状化粧料あたり、該アルミピロー袋を12セット、即ち120枚の不織布を準備して評価を行った。
表2に記載の経過日数の時点で、該アルミピロー袋内の最上段のシート状化粧料を取り出した。2%Tween80添加の生理食塩水10mLを該シート状化粧料に添加して十分に撹拌した後、懸濁液を回収して該懸濁液中の生菌数(CFU/mL)を常法により求めた。細菌については35℃、真菌については25℃で培養を行い、3日後の菌数を測定した。結果を表2に示す。
(原液における評価方法)
容積が100mLの滅菌処理を行ったバイアルに、試験菌毎に含浸液20mLを注入して試験試料とした。細菌は108CFU/mL、酵母は107CFU/mL、カビは106CFU/mLになるように調製した接種用菌液を、試験試料に0.2mL接種して密閉し、よく混合した。細菌を接種した試料については35℃の、あるいは真菌を接種した試料については25℃の恒温槽内に該バイアルを保存した。接種した微生物の種類及び接種直後の試料1mLの生菌数(CFU)は、表2に記載の通りである。
防腐力の評価回数(測定回数)は、上記の1枚接種法における評価方法と同じ時点、同じ回数とした。
表2に記載の経過日数の時点で、該バイアルを取り出し、試料中の生菌数(CFU/mL)を常法により求めた。細菌については35℃、酵母及び真菌については25℃で培養を行い、3日後の菌数を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2014050371
(実使用試験方法)
サンプルのシート状化粧料に、含浸液B、C、D、E又はFのいずれかを、シート1枚あたり4.0mL塗布した。これを20枚重ねてアルミピロー袋に密閉し、試験試料とした。
健常人女性30名に対し、1日あたり1枚のシート状化粧料を取り出して使用するように指示した。2週間試験試料を使用させた後、アルミピロー袋を回収した。回収したアルミピロー袋内に残っている最上段のシート状化粧料を取り出した。2%Tween80添加の生理食塩水10mLを該シート状化粧料に添加して十分に撹拌した後、懸濁液を回収して該懸濁液中の生菌数(CFU/mL)を常法により求めた。結果を表3に示す。
Figure 2014050371
表2より、本発明の1枚接種法は、原液による評価方法及び積層形態における評価方法と比較し、検出される生菌数値が高く、防腐力の異なるサンプルの差を容易に検出することができた。また、1枚接種法で生菌数値が高かったサンプルは、表3より、実使用試験方法においても、より多くの微生物が検出されている傾向にあった。さらに、1枚接種法は、試験に必要な不織布の枚数や含浸液の量が少なく、サンプル作業量が大幅に低減された。これより、本発明の方法は、実使用試験との相関が高く、より簡便かつ鋭敏に、シート状製品の防腐力を評価できる方法であることが分かった。
本発明のシート状製品の防腐力評価方法は、クレンジングシート、フェイスマスク、洗顔ペーパー、ウェットティッシュ及び身体用拭き取りシート等のシート状製品の防腐力を評価する方法に好ましく用いることができる。

Claims (4)

  1. 不織布に含浸液を含ませたシート状製品の防腐力評価方法であって、
    含浸液を含ませた不織布の1〜3枚に、微生物を接種する工程、
    微生物が接種された不織布を容器内で保存する工程、及び
    保存された不織布の微生物数を測定する工程、
    を含む、シート状製品の防腐力評価方法。
  2. 不織布の枚数が1枚である、請求項1記載の評価方法。
  3. シート状製品がシート状化粧料である、請求項1又は2に記載の評価方法。
  4. シート状化粧料が、クレンジングシート、フェイスマスク、洗顔ペーパー、ローションシート、ウェットティッシュ又は身体用拭き取りシートである、請求項3に記載の評価方法。
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