JPH0940516A - 抗菌性を有する濡れティッシュ - Google Patents

抗菌性を有する濡れティッシュ

Info

Publication number
JPH0940516A
JPH0940516A JP7197437A JP19743795A JPH0940516A JP H0940516 A JPH0940516 A JP H0940516A JP 7197437 A JP7197437 A JP 7197437A JP 19743795 A JP19743795 A JP 19743795A JP H0940516 A JPH0940516 A JP H0940516A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wet tissue
antibacterial
aqueous solution
cloth
fruit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP7197437A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazufumi Kato
一史 加藤
Keiko Honda
恵子 本多
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
CALFA CHEM KK
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
CALFA CHEM KK
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by CALFA CHEM KK, Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical CALFA CHEM KK
Priority to JP7197437A priority Critical patent/JPH0940516A/ja
Publication of JPH0940516A publication Critical patent/JPH0940516A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 人体や皮膚に対しても安全性が高く、手やお
しり等の肌を拭く用として、食器類やキッチンやトイレ
まわりの清浄用など様々な用途に利用可能である抗菌性
・抗かび性を有する濡れティッシュの提供。 【解決手段】 柑橘系植物の果実の種子から抽出された
天然成分を含有する水溶液を含浸した濡れティッシュ、
特にグレープフルーツの果実から抽出された天然成分を
含有する水溶液を含浸した濡れティッシュ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は優れた抗菌性・抗
かび性を有し、人体に対して無害で肌に優しい皮膚清浄
用の濡れティッシュに関し、または台所や冷蔵庫等の生
活空間の清浄用、食品や食品用の容器を清浄用の濡れテ
ィッシュ関し、さらには食品を直接包む濡れティッシュ
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、生活様式の多様化から快適・衛生
思考の気運が高まり、特に人体や生活関連商品の抗菌
性、消臭性の要求が強い。特に従空間の快適性・密閉性
が増した現代では冬でも適度な温度・湿度が保たれるよ
うになって色々な細菌類やかび類が繁殖し易く、その害
も多発してきている。また近年増加してきた皮膚疾患の
一部は、こうして異常に繁殖した細菌が引き起こすと考
えられている。同様の目的で、医療機関やそれに準ずる
機関で使用される商品、いわゆるメディカル関連商品に
も抗菌、消臭の要求が強い。例えば、医療機関では近年
大きな問題となっているのが抗生物質に対して耐性を持
つような細菌の出現である。これらは抵抗力が低下して
いる人体に対して敗血症や真菌症などを引き起こし最悪
の場合には死に至らしめるまでになっている。また、今
後老人問題は社会問題として大きくクローズアップされ
ていくと考えられているが、例えば、在宅の寝たきり老
人などは、床ずれや感染症などによる異臭の発生によっ
て悩まされており、これらも異常に発生した細菌類によ
るとされている。従って、微生物の繁殖を抑え、衛生的
・快適な製品が切望されており、従来より抗菌性を目的
として様々な手段が用いられてきた。
【0003】一方、人体や生活用品の清浄の目的のため
に様々な方法が取られ、濡れティッシュはその内の代表
的な製品である。一般に濡れティッシュは水を中心とし
た水溶液が不織布などの布帛に含浸された状態で使用さ
れるが、こうした濡れティッシュを使用し人体や日曜雑
貨類を拭き取ることによって、それらの表面のゴミや汚
れをより効率的に除くことができ、衛生・快適性を上げ
る商品として有効利用されてきた。これらに濡れティッ
シュでは、従来はこの水溶液の中には保水性を保つ化合
物や乾燥性・腐敗性を防ぐ目的の化合物、香料などが添
加され使用されている。
【0004】しかしながら一般の濡れティッシュには、
汚れや埃を落とす清浄効果はあっても、これを用いて人
体や物を拭いた場合その表面に付いた細菌等を殺菌や抑
制する効果は殆どなかった。このため抗菌性を付与する
ためいろいろな方法が取られている。例えば、エタノー
ルやイソプロパノール等のアルコール類を使用してこれ
らの製剤や水との混合物を含浸用液体とした濡れティッ
シュが考案・製品化されている(特開平3ー16542
号公報、特開平4ー183472号公報、特開平4ー1
83472号公報)。しかしながら、これらの濡れティ
ッシュでは、以下に述べる様々な弊害もでている。即
ち、アルコール類を用いた濡れティッシュでは、アルコ
ールの揮発性が高いため使用時に刺激臭がしたり、人体
に使用する時には不快な冷感を与えたり、皮膚の油脂成
分までふきとることによる肌荒れを起こすことがある。
また、拭いたときには抗菌効果があるものの、気散して
しまえばその抗菌性はなくなってしまい、持続性に問題
があった。即ち皮膚や物を拭いた場合にはその時点では
抗菌効果はあるものの、しばらくするとまた細菌等に汚
染されることになっていた。
【0005】これらを改良するために一般の抗菌剤、例
えば塩化ベンザルコニウム等の第4級アンモニウム塩、
グルコン酸クロルヘキシル、パラオキシ安息香酸等の抗
菌性のある化合物の水溶液を含浸させた濡れティッシュ
が考案・製品化されている(特開平3ー16542号公
報、特開平6ー46968号公報、特開平5ー1546
8号公報、実開昭60ー163914号公報、特開平1
ー88888号公報、特開平7ー2615号公報)。
【0006】しかしこれらの抗菌剤等の化合物を用いた
場合は、アルコール類を使用した濡れティッシュと比べ
ると抗菌性が弱すぎるために、細菌類を低減・殺菌する
までには至らなかった。また、アルコール類と効果を同
じ程度にするために、抗菌性能の高い材料を使用したり
添加量を増したりした場合には、アルコール類以上に皮
膚に対する刺激性が強くかゆみやかぶれの原因になって
いた。また、濡れティッシュの使用を考えた場合、口の
周りを拭いたり、りんごやなしなどの果物、屋外で使用
する場合にスプーンや食器等、直接口にする物を清浄す
る事が多い。この場合、上記の化合物は人体に対し安全
レベルの添加量に限られているものの、その経口毒性等
の点で衛生・安全上好ましいものではなかった。
【0007】また、アルコール成分を低減するために上
記の化合物などとアルコール類の混合された液体を含浸
させた濡れティッシュが考案・製品化されている(特開
平5ー15468号公報、特開平7ー2615号公
報)。しかし、これらも全く上記と同様に、アルコール
類や抗菌剤使用での弊害は人体に大して好ましいもので
はなかった。また、抗菌性の持続性の点に於いても、特
開平7ー2615号公報に開示してある抗菌性の化合物
リモネンとアルコール類を使用した場合でも、もともと
リモネン自身の抗菌性が低いために、抗菌性の濡れティ
ッシュとして使用するには効果が不十分であった。更
に、特に人体に対して安全性を考慮した濡れティッシュ
も考案されてはいるが(特開昭64ー25821号公
報;キトサン塩添加、特開平3ー29623号公報;お
茶抽出物添加で消臭目的)、その抗菌効果は弱いもので
あったり、濡れティッシュとしての特性が悪く、実際抗
菌性の濡れティッシュとは言い難かった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記した事情を鑑み、
本発明では、エタノール等のアルコール類を使用せず抗
菌効果が高く、更にその抗菌効果が長持ちし、長期に使
用しても皮膚等の肌あれを起こすことがなく、また経口
しても問題がないという安全性の高い濡れティッシュ
を、さらには消臭能を同時に付与できる濡れティッシュ
を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで本発明では、この
点に関して鋭意検討した結果、上記の課題を達成するこ
とを見いだしたものである。すなわち、本発明は、含水
性の布帛に柑橘系植物の果実の種子から抽出された天然
成分を含有する水溶液を含浸した抗菌性を有する濡れテ
ィッシュであり、または柑橘系植物の果実の種子と皮か
ら抽出された天然成分を含有する水溶液を含浸した抗菌
性を有する濡れティッシュであり、特にはグレープルフ
ルーツの果実から抽出された天然成分を含有する水溶液
を含浸した抗菌性を有する濡れティッシュである。
【0010】以下に本発明を詳細に説明する。本発明で
使用する含水性の布帛は、使用時に、水で濡れた状態で
使用されるティッシュペーパー、おしぼり、お手拭き、
布巾、ワイパー等に用いられる所定の強度を持った布帛
ならいずれの物でもよい。具体的には、紙、不織布、織
物、編物、合成紙、スポンジ類等、またはこれらを組み
合わせた物が用いられるが、濡れティッシュの使用状況
やコストを考えるならば、不織布や紙がより望ましい。
【0011】本発明で使用する含水性の布帛を構成する
素材は、一般に布帛を構成できるものならば特に限らな
いが、例えば、樹木や草木から取れる天然の繊維、例え
ば綿が、または天然の素材を化学的に溶解・再生した再
生繊維、例えばキュプラ繊維やレーヨン繊維等のセルロ
ース系繊維,アセテート繊維等が、さらには化学的に合
成され紡糸された合成繊維、例えばアクリル繊維、ポリ
パラフェニレン繊維、ビニロン繊維、ポリウレタン繊
維、ポリ塩化ビニル繊維、ナイロン6、ナイロン66、
ナイロン610等のポリアミド繊維、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエ
ステル繊維、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリ
オレフィン繊維等が、使用できる。しかしながら、濡れ
ティッシュは一般的にディスポーザブルな商品が多いこ
とやゴミ廃棄の問題を考えるならば、天然繊維や再生繊
維または、近年利用が進んでいる化学合成の生分解性繊
維等から作られるのが好ましい。
【0012】本発明の濡れティッシュでは、抗菌性・抗
かび性を付与するために上記含水性の布帛に柑橘系の果
実の種子から抽出された天然成分を含有する水溶液を含
浸することが肝要である。柑橘系の果実の種子から抽出
された天然成分を含有させることにより、濡れティッシ
ュのワイパ−機能を低下させることなく(或いはワイパ
−機能を向上させつつ)、抗菌性・抗かび性を付与する
ことができる。
【0013】また、本発明においては、消臭性を付与す
るために、柑橘系の果実の種子から抽出された天然成分
に加え、柑橘系の果実の表皮から抽出された天然成分も
併用することが好ましい態様である。本発明で使用する
柑橘系植物の果実とは、例えばグレープフルーツ、夏蜜
柑、レモン、カボス、スダチ、蜜柑、イヨカン、オレン
ジ、マンダリン、ハッサク、ネーブル、ポンカン等の果
実を対象とするが、抗菌性能を考えた場合はグレープフ
ルーツが好ましい。但し、抗菌活性を有する柑橘系果実
であれば、商品に必要とされる抗菌性能を有していれ
ば、特にこれに限らない。
【0014】本発明で使用する天然成分は、上記に示し
た柑橘系植物の果実の種子及び、または皮から抽出した
成分をいうが、これらを抽出する方法は従来の方法でよ
い。例えば、抽出する方法は圧搾や溶媒抽出等によって
本発明で使用する天然成分を取り出すことができる。例
えば圧搾での方法は、一般の圧搾機を用いて柑橘系植物
の果実からエキスを絞り出し、市販のデカンター等で分
離製造し成分を取り出すことができる。また溶媒抽出エ
キスは、柑橘系植物の果実をボールミルやホモジナイザ
ー等の粉砕機によって粉砕した後、水やエタノールなど
人体に対して安全な溶剤を用いてソックスレー抽出や濾
別などの方法によって分離製造することができる。又こ
の後添加した水分やアルコール分を蒸発などによって取
り除き、天然成分を取り出す際に使用した溶剤を95%
以上(望ましくは99%以上)除去した濃縮エキスとす
ることはより好ましい態様である。
【0015】上記した方法等で得られた柑橘系植物の果
実の種子や皮から抽出した成分の本発明中での使用目的
は、抗菌性及び消臭性の効果を濡れティッシュに付与す
ることにある。これらを考えた場合、皮から抽出した成
分の抗菌性より果実の種子から得られた成分の抗菌性の
方が高く、抗菌性の効果を考えた場合には、果実の種子
からの抽出物を主剤として濡れティッシュに添加する方
がより好ましい態様である。一方、その他の効果として
柑橘系の果実からの抽出物は、いわゆる柑橘系の香りが
する事によって、マスキング作用での消臭効果を発揮す
る。濡れティッシュの場合、手の洗浄や異臭を発する物
の洗浄に用いられることが多いことを考えると、この消
臭効果は濡れティッシュに於いては、かなり有用な効果
であるといえる。例えば、釣りやキャンプ等の異臭の発
生する屋外でのスポーツでは、この濡れティッシュで洗
浄することにより、細菌等の発生を防げると同時に、柑
橘系の香りがすることでいやな臭いを防ぐ効果が高い。
そこで、柑橘系の果実からの抽出物をみると、種子から
の抽出物は、抗菌性の効果は高いものの、柑橘系の香り
は少ない。一方、皮からの抽出物は抗菌効果はさほど高
くないものの、柑橘臭は高い。よって、本発明では、濡
れティッシュに抗菌性を付与する場合、香りは付いてい
ない方が良く抗菌性のみを発揮させたい場合は柑橘系種
子からの抽出物を用いるのが好ましく、一方柑橘臭によ
るマスキングの消臭効果を抗菌効果と併せて発揮させた
い場合は、果実の種子と表皮からの抽出物を合わせて用
いるほうがより効果的である。いずれにせよ、これらの
組合せは濡れティッシュを使用する状況に合わせて選ば
れるべきである。
【0016】本発明中で柑橘系植物の果実の種子及び、
または皮から抽出された天然成分を含有させた水溶液の
成分含有濃度は、所望の抗菌性が得られるならば特に規
定はないが、好ましくは水溶液に対して0.01重量%
〜10重量%がよい。また、前記した果実の抗菌効果
は、種と表皮の部分では異なることから、それぞれその
添加量の最適範囲は変化させて使用することが好まし
い。即ち、柑橘系の果実の種子からの抽出物の最適添加
量は、水溶液に対して0.01重量%〜5重量%がよ
く、一方柑橘系の果実の表皮からの抽出物の最適添加量
は、水溶液に対して0.5重量%〜10重量%がより好
ましい。
【0017】本発明中で柑橘系植物の果実の種子や皮か
ら抽出された天然成分を含有させた水溶液をティッシュ
用布帛に添加する割合は、一般の抗菌効果のない濡れテ
ィッシュと同程度の添加割合でよい。例えば添加割合
は、ティッシュ用布帛100重量部に対して、天然成分
を含有した水溶液は50から500重量部程度で使用さ
れる。しかしながら、この割合は、使用状況や布帛の種
類によって決められるべきものである。本発明で、濡れ
ティッシュとして使用される一般の添加剤、例えば保湿
剤、増粘剤、色素、酸化防止剤、界面活性剤等を、所望
に応じ配合してもよい。しかしながら本発明では、安全
性の高い天然剤を用いて抗菌性を付与することに一番の
目的があるので、人体に対して安全性・衛生上好ましく
ない成分は使用しない方が望ましい。
【0018】本発明で使用される濡れティッシュを収め
る容器は、一般の濡れティッシュと同程度の容器でよ
い。アルコール等を使用する抗菌性の濡れティッシュで
はアルコールの気散性を抑えるために機密性の高い容器
を使用しなければならないが、特に本発明の濡れティッ
シュではその点を注意せず使用可能である。本発明の柑
橘系植物の果実の種子や皮から抽出された天然成分を含
有する水溶液を含浸した濡れティッシュは、人体や皮膚
に対して安全性が高い。即ち、柑橘系植物の果実から抽
出された天然成分は、天然系の食品添加剤として知ら
れ、多くの食品に使用されているばかりか、皮膚に対し
ての安全性も確認されている。このため、このように得
られた濡れティッシュは、抗菌・防臭性が優れ、安全性
も高いため、手やおしり等の肌を拭く市販の濡れティッ
シュとして、キッチンやトイレまわりの清浄用の濡れテ
ィッシュとして、食品容器や箸、スプーン等を清浄する
屋外や屋内で使用する濡れティッシュとして、果物や野
菜などを包む鮮度保持シートとしての濡れティッシュ、
また、メディカル用途としての医療機関や在宅看護等に
使用される人体清浄用や雑品等の清浄用など様々な用途
の濡れティッシュとして利用可能である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下本発明を実施例により更に詳
細に説明する。これらの実施例は本発明を説明するもの
であって、決して限定するものではない。尚、実施例中
に、特に限って規定しない場合は重量%を示す。以下に
本発明中での評価方法等を説明する。 <菌の減菌率の測定>繊維製品衛生加工協議会が示した
菌数測定法にて測定した。この測定方法はAATCC1
00ー1982の変法である。すなわち、栄養培地で希
釈した試験菌を試料に接触させ、菌数の増減を調べる方
法である。試料の布状物0.2gを約30ml容のネジ
蓋付き瓶にいれて、湿熱滅菌し、これに緩衝液を含む肉
汁培地で106個/mlに希釈した菌液0.2mlを均
一に接種し、35〜37℃に18時間置いた後、20m
lの減菌緩衝生理食塩水を加えてよく振り、寒天希釈法
により菌の増減値を求める。この方法では以下に示す数
式1によって菌の増減値差を求めてその効果を判定す
る。対象とした細菌はグラム陽性菌として黄色ブドウ球
菌(IFO12732)、グラム陰性菌として肺炎かん
菌(ATCC4352)とした。 数式1:増減値差=log(B/A)−log(C/
A)=log(B/C) A:無加工試料に接種直後の平均菌数 B:無加工試料で18時間培養後の平均菌数 C:加工試料で18時間培養後の平均菌数 測定方法上で、log(B/A)>2であるならば測定
に有効性が認められ、log(B/A)≦2ならば、再
試験が必要とされる。さらに、抗菌性の効果はlog
(B/C)の大小で表され、この値が大きい方が抗菌性
は高い。また、log(B/C)>1.6のとき、抗菌
性ありの基準として認識されており、特に繊維製品衛生
加工協議会では抗菌防臭加工製品として認定される。
【0020】<抗菌・抗かび性に対する測定>布状物の
抗かび性の試験はハロー法(JIS L1902−19
90)に準拠した。即ち黒かびの保存用のサブロー寒天
培地(10ml)に2週間生育した黒かび(IFOー4
414)の試験管1本分の分生子を菌糸と共に胞子分散
剤(0.005%ジオクチルスルホコハク酸)10ml
に分散させ、滅菌脱脂綿で濾過して、溶解して45℃に
保った100mlのサブロー寒天培地に加え、ペトリ皿
1枚当り10ml分注して平板とした物を作成した。得
られた濡れティッシュを2cmx2cmの大きさに切
り、作成した培地の上におき、37℃で48時間の培養
を行った。評価としては、試料の布の周辺で菌の生育が
認められかったものを(−)、生育の認められた物を
(+)とした。また同様に抗菌性の試験をハロー法にて
評価した。用いた菌は、緑膿菌(IFO−3080)、
大腸菌(IFOー3301)とし、約106個/mlに
希釈した菌液0.2mlを均一に接種し、普通寒天培地
を用い評価した。更に、真菌としてカンジタ菌(Can
dida albicans;ATCC14053)を
約106個/mlに希釈した菌液0.2mlを均一に接
種し、サブロー寒天培地を用い評価した。他の方法は上
記と同様にし、上記と同様の評価を行なった。
【0021】<拭き取り性試験>得られた濡れティッシ
ュを用い、各試料となる濡れティッシュでパネラー各人
にそれぞれ両手を1分間拭き取ってもらった。濡れティ
ッシュにて洗浄した前後に、普通寒天培地に指を押しつ
け、それぞれの培地を37℃で24時間の培養を行っ
た。ここでは、以下の観点で抗菌性を評価した。即ち、
濡れティッシュで拭く前と変化がないと判断された場合
を(−)、拭く前と比べて寒天培地上の菌が減少してい
ると判断される場合を(+)、拭く前と比べて寒天培地
上の菌がかなり減少していると判断される場合を(+
+)、拭いた後に寒天培地上の菌が全く検出されない場
合を(+++)として評価した。パネラーの数は20名
とし、この結果は、表2にまとめた。 <肌あれ性試験>得られた濡れティッシュを用い、各試
料となる濡れティッシュでパネラー各人にそれぞれ両手
を5分間接触させた後、風乾した。この操作を1日あた
り2回の割合で1カ月間繰り返した。その後肌の状態を
表2に示した各状態として自己申告させた。パネラーの
数は20名とした。
【0022】
【実施例1】乾燥したグレープフルーツの種子1Kgを
ボールミルで粉砕し、エタノール500mlを添加し、
これをソックスレー抽出器に仕込んだ後20時間加熱還
流した。得られたエキスを減圧濃縮することによって、
約35gのグレープフルーツの種子の濃縮エキスを得、
本発明に使用した。得られたグレープフルーツの種子の
濃縮エキス0.5重量%、グリセリン0.5重量%と精
製水99重量%とを混合し、濡れティッシュ用の含浸液
250gを作成した。一方、特公昭52ー6381号公
報に記載された再生セルロース不織布製造法に従って、
銅アンモニアセルロース繊維連続フィラメントの不織布
を作成した。得られた不織布は、単糸径1.5dよりな
り、目付けが20g/m2であった。
【0023】上記で得られた含浸液250gを不織布1
00gに含浸させ実施例1の濡れティッシュとした。そ
の試料を用いて上記に示した評価を行なった。即ち、菌
の減菌率の測定、抗菌・抗かび性に対する測定、拭き取
り性試験、肌あれ性試験を各々の方法で評価した。評価
結果は、表1、表2にまとめたが、抗菌性も良好で、肌
あれ等の不具合も少なかった。
【0024】
【実施例2】グレープフルーツの表皮1Kgをボールミ
ルで粉砕し、エタノール500mlを添加し、これをソ
ックスレー抽出器に仕込んだ後20時間加熱還流した。
得られたエキスを減圧濃縮することによって、約80g
のグレープフルーツの表皮の濃縮エキスを得、本発明に
使用した。濡れティッシュ用の含浸液は以下の割合で調
整した。本実施例で得られたグレープフルーツの表皮の
濃縮エキスを2重量%、実施例1で得られたグレープフ
ルーツの種子の濃縮エキスを0.3重量%、乳化剤とし
てポリオキシエチレンラウリルサルフェートNaを1.
0重量%とポリオキシエチレン硬化ヒマシ油エーテル
0.5重量%を精製水96.2重量%とを混合し、濡れ
ティッシュ用の含浸液250gを作成した。得られた含
浸液250gを不織布100gに含浸させ実施例2の濡
れティッシュとし、この試料を用いて実施例1と同様の
評価を行なった。評価結果は、表1、表2にまとめた
が、抗菌性も良好で、肌あれ等の不具合も少なかった。
また、この濡れティッシュで拭いた後の手からは柑橘系
のほのかな香りが生じ、いやな臭いが消えパネラーに好
評であった。
【0025】
【実施例3】実施例1で得たグレープフルーツの種子の
濃縮エキスの代わりに、市販の商品:グレープフルーツ
種子エキス(Chemie Brasileira社
製、サンパウロ、ブラジル)を用い、そのほかは実施例
1と同様に濡れティッシュをえて、評価を行なった。評
価結果は、表1、表2にまとめたが、抗菌性も良好で、
肌あれ等の不具合も少なかった。
【0026】
【実施例4】実施例2で得たグレープフルーツの表皮の
濃縮エキスの代わりに、市販の商品:グレープフルーツ
オイル(高砂香料社製)を用い、また実施例1で得たグ
レープフルーツの種子の濃縮エキスの代わりに、市販の
商品:グレープフルーツ種子エキス(Chemie B
rasileira社製、サンパウロ、ブラジル)を用
い、そのほかは実施例2と同様に濡れティッシュをえ
て、評価を行なった。評価結果は、表1、表2にまとめ
たが、抗菌性も良好で、肌あれ等の不具合も少なかっ
た。また、この濡れティッシュで拭いた後の手からは柑
橘系のほのかな香りが生じ、いやな臭いが消えパネラー
に好評であった。
【0027】
【実施例5】乾燥した夏蜜柑の種子1Kgをボールミル
で粉砕し、エタノール500mlを添加し、これをソッ
クスレー抽出器に仕込んだ後20時間加熱還流した。得
られたエキスを減圧濃縮することによって、約30gの
夏蜜柑の種子の濃縮エキスを得、本発明に使用した。得
られた夏蜜柑の種子の濃縮エキス0.5重量%、グリセ
リン0.5重量%と精製水99重量%とを混合し、濡れ
ティッシュ用の含浸液250gを作成した。実施例1と
同様の方法で濡れティッシュを作成し、評価をした。評
価結果は、表1、表2にまとめたが、抗菌性も良好で、
肌あれ等の不具合も少なかった。
【0028】
【実施例6】実施例2で使用した濡れティッシュ用布帛
の代わりに、市販の商品;サーマルボンド不織布(ポリ
オレフィンとレーヨン混綿サーマルボンド、丸三産業株
式会社製)を用い、そのほかは実施例2と同様に濡れテ
ィッシュを得て、評価を行なった。評価結果は、表1、
表2にまとめたが、抗菌性も良好で、肌あれ等の不具合
も少なかった。
【0029】
【比較例1】以下の割合で濡れティッシュ用含浸液を調
整した。即ち、グリセリンを1.0重量%、精製水を9
9重量%含有した濡れティッシュ用含浸液を250g作
成した。この調整液を用いて他の条件は実施例1と同じ
条件で濡れティッシュを作成し評価した。評価結果は、
表1、表2にまとめたが、布帛の抗菌性は認められず、
拭き取り性試験後でも菌の繁殖は拭き取り前後で変化な
かった。
【0030】
【比較例2】以下の割合で濡れティッシュ用含浸液を調
整した。即ち、エタノールを70重量%、エチルパラベ
ンを0.30重量%、グリセリンを1.0重量%、精製
水を28.7重量%含有した濡れティッシュ用含浸液を
250g作成した。この調整液を用いて他の条件は実施
例1と同じ条件で濡れティッシュを作成し評価した。評
価結果は、表1、表2にまとめたが、布帛の抗菌性は認
められたものの、肌荒れ試験ではパネラーに肌荒れが生
じた。また、使用時に、アルコール臭がすると同時に、
拭いた時点で特有の冷感があった。
【0031】
【比較例3】以下の割合で濡れティッシュ用含浸液を調
整した。即ち、エタノールを20重量%、塩化ベンザル
コニウムを0.50重量%、エチルパラベンを0.30
重量%、グリセリンを1.0重量%、精製水を78.2
重量%含有した濡れティッシュ用含浸液を250g作成
した。この調整液を用いて他の条件は実施例1と同じ条
件で濡れティッシュを作成し評価した。評価結果は、表
1、表2にまとめたが、布帛の抗菌性は認められたもの
の、肌荒れ試験ではパネラーに肌荒れが生じた。また、
使用時に、アルコール臭がすると同時に、拭いた時点で
特有の冷感があった。
【0032】
【比較例4】実施例4で使用した市販のグレープフルー
ツの表皮の濃縮エキス:グレープフルーツオイル(高砂
香料社製)を3重量%用い、そのほかは実施例1と同様
に濡れティッシュをえて、評価を行なった。評価結果
は、表1、表2にまとめた。ほのかな香りがあり消臭効
果は有したが、抗菌性は悪かった。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】本発明に使用した柑橘系植物の果実の種
子や皮から抽出された天然成分を使用した濡れティッシ
ュは、優れた抗菌性・抗かび性を有し、さらには消臭性
を併せて有するとともに、人体に対して無害で肌に優し
い皮膚清浄用の濡れティッシュを得られる。このため、
人体に対する皮膚清浄用、または台所や冷蔵庫等の生活
空間の清浄用、メディカル用の皮膚清浄用及び雑品洗浄
用、食品や食品用の容器の清浄用の濡れティッシュ、さ
らには食品を直接包む濡れティッシュ等に、衛生・安全
上の面で好まく使用できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含水性の布帛に、柑橘系植物の果実の種
    子から抽出された天然成分を含有する水溶液を含浸した
    抗菌性を有する濡れティッシュ。
  2. 【請求項2】 含水性の布帛に、柑橘系植物の果実の種
    子と表皮から抽出された天然成分を含有する水溶液を含
    浸した抗菌性を有する濡れティッシュ。
  3. 【請求項3】 柑橘系植物の果実がグレープルフルーツ
    である請求項1記載の抗菌性を有する濡れティッシュ。
JP7197437A 1995-08-02 1995-08-02 抗菌性を有する濡れティッシュ Withdrawn JPH0940516A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7197437A JPH0940516A (ja) 1995-08-02 1995-08-02 抗菌性を有する濡れティッシュ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7197437A JPH0940516A (ja) 1995-08-02 1995-08-02 抗菌性を有する濡れティッシュ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0940516A true JPH0940516A (ja) 1997-02-10

Family

ID=16374502

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7197437A Withdrawn JPH0940516A (ja) 1995-08-02 1995-08-02 抗菌性を有する濡れティッシュ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0940516A (ja)

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000011956A1 (fr) * 1998-08-27 2000-03-09 Bio Venture Bank Co., Ltd. Compositions bacteriostatiques et bactericides et leurs procedes d'utilisation
WO2001099376A2 (de) 2001-06-01 2001-12-27 Henkel Kommanditgesellschaft Auf Aktien Arylsulfatase-inhibitoren in deodorantien und antitranspirantien
JP2002528566A (ja) * 1998-10-26 2002-09-03 フイルメニツヒ ソシエテ アノニム 抗菌性香料組成物
WO2002085109A3 (en) * 2001-04-17 2003-12-31 Kao Corp Bactericidal composition comprising polylysin and plant natural oils
WO2005092279A1 (de) 2004-03-18 2005-10-06 Henkel Kommanditgesellschaft Auf Aktien Präbiotisch wirksame substanzen für deodorantien
JP2008137919A (ja) * 2006-11-30 2008-06-19 Daio Paper Corp ウェットティシュー用薬液
JP2008214206A (ja) * 2007-02-28 2008-09-18 Nof Corp 皮膚化粧料
JP2008295772A (ja) * 2007-05-31 2008-12-11 Meiko Shoji Kk 清拭シート
JP2009011702A (ja) * 2007-07-09 2009-01-22 Meiko Shoji Kk 包装型身体清拭タオル及びその製造方法
US20100065235A1 (en) * 2008-09-16 2010-03-18 Dixie Consumer Products Llc Food wrap base sheet with regenerated cellulose microfiber
JP2011069039A (ja) * 2009-08-31 2011-04-07 Lion Corp ノンエタノール湿潤シート
JP2014050371A (ja) * 2012-09-10 2014-03-20 Mandom Corp シート状製品の防腐力評価方法
CN108904380A (zh) * 2018-08-08 2018-11-30 东莞市白天鹅纸业有限公司 一种具有抑菌功能的湿纸巾及其制造方法
JP2019085337A (ja) * 2017-11-01 2019-06-06 レック株式会社 ウェットシート

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000011956A1 (fr) * 1998-08-27 2000-03-09 Bio Venture Bank Co., Ltd. Compositions bacteriostatiques et bactericides et leurs procedes d'utilisation
JP2002528566A (ja) * 1998-10-26 2002-09-03 フイルメニツヒ ソシエテ アノニム 抗菌性香料組成物
WO2002085109A3 (en) * 2001-04-17 2003-12-31 Kao Corp Bactericidal composition comprising polylysin and plant natural oils
US6921745B2 (en) 2001-04-17 2005-07-26 Kao Corporation Bactericidal composition comprising polylysine and a plant essential oil
WO2001099376A2 (de) 2001-06-01 2001-12-27 Henkel Kommanditgesellschaft Auf Aktien Arylsulfatase-inhibitoren in deodorantien und antitranspirantien
WO2005092279A1 (de) 2004-03-18 2005-10-06 Henkel Kommanditgesellschaft Auf Aktien Präbiotisch wirksame substanzen für deodorantien
JP2008137919A (ja) * 2006-11-30 2008-06-19 Daio Paper Corp ウェットティシュー用薬液
JP2008214206A (ja) * 2007-02-28 2008-09-18 Nof Corp 皮膚化粧料
JP2008295772A (ja) * 2007-05-31 2008-12-11 Meiko Shoji Kk 清拭シート
JP2009011702A (ja) * 2007-07-09 2009-01-22 Meiko Shoji Kk 包装型身体清拭タオル及びその製造方法
US20100065235A1 (en) * 2008-09-16 2010-03-18 Dixie Consumer Products Llc Food wrap base sheet with regenerated cellulose microfiber
US8361278B2 (en) * 2008-09-16 2013-01-29 Dixie Consumer Products Llc Food wrap base sheet with regenerated cellulose microfiber
JP2011069039A (ja) * 2009-08-31 2011-04-07 Lion Corp ノンエタノール湿潤シート
JP2014050371A (ja) * 2012-09-10 2014-03-20 Mandom Corp シート状製品の防腐力評価方法
JP2019085337A (ja) * 2017-11-01 2019-06-06 レック株式会社 ウェットシート
CN108904380A (zh) * 2018-08-08 2018-11-30 东莞市白天鹅纸业有限公司 一种具有抑菌功能的湿纸巾及其制造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH11113780A (ja) 除菌ウェットティッシュ
CN101669518B (zh) 含二氧化氯的杀菌、抗病毒组合物
KR101632091B1 (ko) 항미생물 조성물
US6262038B1 (en) Germicidal composition
JPH0940516A (ja) 抗菌性を有する濡れティッシュ
US8741271B2 (en) Antimicrobial compositions containing essential oils
CN101658397A (zh) 含二氧化氯的功能性湿巾及其应用
US4261849A (en) Anti-microbial, deodorizing, cleaning compositions
US20140030203A1 (en) Antimicrobial compositions containing essential oils
CH676668A5 (ja)
CN110974717B (zh) 一种可去污的滋润婴儿湿纸巾及其制备方法
KR101998148B1 (ko) 배와 유산균발효액을 이용한 핸드워시 조성물
JPH11113779A (ja) 除菌ウェットティッシュ
CN108498343B (zh) 一种去油污湿巾及其制备方法
JP2002233471A (ja) ウェットティッシュ
JP2003073694A (ja) ウェットワイプス用薬液およびそれを用いたウェットワイプス
JP7270368B2 (ja) ウエットシート
JP2008137919A (ja) ウェットティシュー用薬液
JP7421902B2 (ja) ウイルス不活性化剤組成物
JP3187459B2 (ja) 抗菌性に優れたウエットワイパー類、清浄綿、おてふき布タオル
JPH11302121A (ja) 緑茶カテキンを用いた抗菌剤
JP4575638B2 (ja) ウエットティッシュ
CN101810872B (zh) 一种杀菌去油厨房多用布
JP3187458B2 (ja) 抗菌性に優れたウエットワイパー類、清浄綿、おてふき布タオル
KR20070071337A (ko) 살균력이 우수한 물 티슈 제품

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041214

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20050131