JP2014049142A - 光ピックアップおよび光ディスク装置 - Google Patents

光ピックアップおよび光ディスク装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2014049142A
JP2014049142A JP2012188348A JP2012188348A JP2014049142A JP 2014049142 A JP2014049142 A JP 2014049142A JP 2012188348 A JP2012188348 A JP 2012188348A JP 2012188348 A JP2012188348 A JP 2012188348A JP 2014049142 A JP2014049142 A JP 2014049142A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
signal
layer
optical disc
photodetector
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012188348A
Other languages
English (en)
Inventor
Kimihiro Saito
公博 齊藤
Takashi Nakao
敬 中尾
Yutaka Amataku
豊 天宅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2012188348A priority Critical patent/JP2014049142A/ja
Priority to US13/966,503 priority patent/US8826309B2/en
Priority to CN201310367346.0A priority patent/CN103680532A/zh
Publication of JP2014049142A publication Critical patent/JP2014049142A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/12Heads, e.g. forming of the optical beam spot or modulation of the optical beam
    • G11B7/135Means for guiding the beam from the source to the record carrier or from the record carrier to the detector
    • G11B7/1381Non-lens elements for altering the properties of the beam, e.g. knife edges, slits, filters or stops
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B2007/0003Recording, reproducing or erasing systems characterised by the structure or type of the carrier
    • G11B2007/0009Recording, reproducing or erasing systems characterised by the structure or type of the carrier for carriers having data stored in three dimensions, e.g. volume storage
    • G11B2007/0013Recording, reproducing or erasing systems characterised by the structure or type of the carrier for carriers having data stored in three dimensions, e.g. volume storage for carriers having multiple discrete layers
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/08Disposition or mounting of heads or light sources relatively to record carriers
    • G11B7/09Disposition or mounting of heads or light sources relatively to record carriers with provision for moving the light beam or focus plane for the purpose of maintaining alignment of the light beam relative to the record carrier during transducing operation, e.g. to compensate for surface irregularities of the latter or for track following
    • G11B7/0901Disposition or mounting of heads or light sources relatively to record carriers with provision for moving the light beam or focus plane for the purpose of maintaining alignment of the light beam relative to the record carrier during transducing operation, e.g. to compensate for surface irregularities of the latter or for track following for track following only

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)
  • Optical Head (AREA)

Abstract

【課題】他層のグルーブによって回折された迷光が光検出器に入ってトラッキングエラー検出が良好になされない問題を解決する。
【解決手段】光源と、グルーブが形成された2以上の信号面を有する光ディスクの一つの信号面に向けて光源からの光を集光する対物レンズと、光ディスクのトラック方向に略平行な分割線と、トラック方向に略垂直な分割線とによって4個の受光領域に分割され、光ディスクからの戻り光を受光する光検出器と、光検出器の入射側に配置され、光ディスクの一つの信号面以外の信号面からの戻り光の内で、少なくともグルーブにより回折された回折光を遮光する遮光部とを有する。
【選択図】図3

Description

本開示は、多層光ディスクの記録/再生に適用される光ピックアップおよび光ディスク装置に関する。
BD(Blue-ray Disk:ブルーレイディスク)(商標)などの、螺旋状のトラックを有
する各種の光ディスクに対して、データの記録や再生を行う光ディスク装置が知られている。光ディスク装置は、データの記録時や再生時に光ビームを光ディスクのトラックに照射する。その際に、光ディスク装置は、光ディスクからの反射光に基づいて、光ビームを照射するトラックの中心からのずれ量を表すトラッキングエラー信号を生成する。そして、光ディスク装置は、このトラッキングエラー信号に基づいて、光ビームが常にトラック上に位置するように制御するトラッキング制御を行っている。
トラッキング制御方法としては、DPP(DIfferential Push-Pull)法が知られている。DPP法は、レーザ光源からのレーザ光をグレーティングを使用してメインビームと二つのサブビームに分岐し、サブビームのプッシュプル信号(SPP)からトラッキングエラーを検出すると共に、メインビームのプッシュプル信号(MPP)に生じるDCオフセットをキャンセルするものである。
ところで、光ディスクには、さらなる大容量化が求められている。光ディスクの大容量化の一つの手法として複数の信号面を積層させる多層化がある。このような多層光ディスクに対する記録/再生を行う場合、光ビームを所望の信号面にフォーカスさせるようになされる。
ところが、多層光ディスクでは、光ビームの入射面から最も離れた信号面以外は、光を透過させるために、記録や再生が行われている所望の層(以下、記録再生層と称する)とは異なる他の層(以下、他層と称する)の信号面で光の反射が生じる。他層の信号面からの反射光(他層迷光と称する)がクロストーク光として光検出器に入射する。記録再生層の信号面からの反射光(以下、信号光と称する)と他層迷光とが重なることで、ノイズが発生する。
他層迷光の影響は、BDの場合、多層DVD(Digital Versatile Disc)と比較して大きいものとなる。その理由は、対物レンズの開口数(NA(Numerical Aperture ))が
大きいために、クロストーク光のスポットサイズが大きいからである。DPP法の場合には、パワーの弱いSPPがクロストーク光の影響を大きく受ける。このため、1ビーム方式のプッシュプル法が使用される。プッシュプル法では、トラック方向(接線方向)に沿って2分割された光検出器によって受光信号を検出し、各領域の受光信号の差分からトラッキングエラーを検出するものである。
プッシュプル法では、グルーブの深さの差による回折光を基づいてプッシュプル信号を形成している。グルーブの深さがλ/12のように浅くなると、演算により得られるトラッキングエラー信号が小振幅となり、記録済領域と未記録領域との境界等でトラッキングエラー信号にオフセットが発生する問題があった。この問題を解決するために、APP(Advanced Push Pull)と呼ばれるトラッキングエラー信号の検出方法が提案されている。さらに、2層ディスクに対して適用できる改良されたAPP法が提案されている(非特許文献1参照)。
佐野晃正、外3名、「2層Blu-rayディスクに適した1ビームトラッキング方式の開発」、電子情報通信学会技術研究報告、一般社団法人 電子情報通信学会、2005年10月、第105巻、第360号、CPM2005-149、p. 31―34
ところで、追記型および書き換え型では、情報の記録のために、予め光ディスクの位置を示すアドレス情報が記録されている必要がある。アドレス情報を記録する方法して、渦巻き状の溝を形成する信号をアドレス情報によって変調する方式が知られている。なお、溝のことをグルーブと称し、グルーブにより形成されるトラックをグルーブトラックと称する。グルーブは、光ディスクを製造する時に、レーザ光によって照射される部分と定義される。
このように、グルーブを有する光ディスクの場合、光ディスクが反射型回折格子として作用し、信号面に集光された光が信号面上で回折され、トラック方向を横断する方向(トラック方向と略垂直な方向)に0次光(反射光)および±1次光(回折光)が発生し、対物レンズには、0次光および±1次光が戻る。非特許文献1のような先に提案されているトラッキングエラー信号形成方法では、グルーブによる回折については、考慮されていなかったため、他層のグルーブにより偽のトラッキングエラー信号が出てしまう問題があった。
したがって、本開示の目的は、グルーブが形成されている多層光ディスクにおけるトラッキングの安定性を向上することができる光ピックアップおよび光ディスク装置を提供することにある。
上述の課題を解決するために、本開示は、
光源と、
グルーブが形成された2以上の信号面を有する光ディスクの一つの信号面に向けて光源からの光を集光する対物レンズと、
光ディスクのトラック方向に略平行な分割線と、トラック方向に略垂直な分割線とによって4個の受光領域に分割され、光ディスクからの戻り光を受光する光検出器と、
光検出器の入射側に配置され、光ディスクの一つの信号面以外の信号面からの戻り光の内で、少なくともグルーブにより回折された回折光を遮光する遮光部と
を有する光ピックアップである。
本開示は、
光ディスクを回転駆動する回転駆動部と、
光源と、
光源からの光をグルーブが形成された2以上の信号面を有する多層の光ディスクに向けて集光する対物レンズと、
対物レンズを光ディスクのトラック方向に略垂直に変位させるアクチュエータと、
光ディスクのトラック方向に略平行な分割線と、トラック方向に略垂直な分割線とによって4個の受光領域に分割され、光ディスクからの戻り光を受光する光検出器と、
光検出器の入射側に配置され、光ディスクの一つの信号面以外の信号面からの戻り光の内で、少なくともグルーブにより回折された回折光を遮光する遮光部と、
光検出器の検出信号を演算することによって、トラッキングエラー信号を生成する演算部とを備え、
トラッキングエラー信号によって、アクチュエータを駆動する光ディスク装置である。
本開示によれば、多層光ディスクにおけるトラッキング安定性が向上した光ピックアップおよび光ディスク装置を提供することができる。
本開示の第1の実施の形態による光ディスク装置の構成を示すブロック図である。 本開示を適用できる光ディスクの一例を示す略線図である。 本開示の第1の実施の形態における光ピックアップの構成を示す略線図である。 トラッキングエラー信号の生成のための構成を示すブロック図である。 トラッキングエラー補正のための駆動部の構成の一例を示すブロック図である。 遮光部を設けない光ピックアップを示す略線図である。 光ディスクの記録層と隣接層との位置関係を説明するための略線図である。 トラッキングエラー信号および偽トラッキングエラー信号を説明するための略線図である。 記録再生層および他層からの反射光および回折光を説明するための略線図である。 他層における回折により生じる迷光のスポット位置を説明するための略線図である。 迷光のスポット位置の計算結果を示すグラフである。 本開示の第1の実施の形態におけるマスクの一例および他の例を示す略線図である。 光検出器の受光面上における信号光の分布の計算結果を示す略線図である。 光検出器の受光面上における他層迷光の分布の計算結果を示す略線図である。 光検出器の受光面上における他層迷光の±1次光の分布の計算結果を示す略線図である。 光検出器の受光面上における他層迷光の0次光の分布の計算結果を示す略線図である。 光検出器の受光面上における信号光および他層迷光の分布の計算結果を示す略線図である。 光検出器の受光面上における信号光および他層迷光±1次光の分布の計算結果を示す略線図である。 本開示の第1の実施の形態の効果を説明するためのグラフである。 本開示の第2の実施の形態におけるトラッキングエラー検出を説明するための略線図である。 トラッキングエラー検出に使用するHOEのパターンを示す略線図である。 光検出器と他層迷光の位置関係を示す略線図である。 本開示の第2の実施の形態における遮光部を示す略線図である。
以下に説明する実施の形態は、本開示の好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定が付されている。しかしながら、本開示の範囲は、以下の説明において、特に本開示を限定する旨の記載がない限り、これらの実施の形態に限定されないものとする。
なお、本開示の説明は、下記の順序にしたがってなされる。
<1.本開示の第1の実施の形態>
<2.本開示の第2の実施の形態>
<3.変形例>
<1.本開示の第1の実施の形態>
「光ディスク装置の構成および光ディスク」
本開示を適用した光ディスク装置101は、図1に示すように、光記録媒体としての光ディスク100に対して情報の記録再生を行う光ピックアップ103と、光ディスク100を回転させるスピンドルモータ104とを備える。光ピックアップ103を光ディスク100の径方向に移動させるために、送りモータ105が設けられている。
図2を参照して、光ディスク100の一例について説明する。光ディスク100は、中心部にセンターホール(図示せず)が開口された略円盤形状とされる。光ディスク100は、例えば、ディスク径120mm,センターホール径15mm,ディスク厚み1.2mmとされる。光ディスク100は、基板121上に、L0層、中間層122、L1層、カバー層123が順次積層された構成を有する。基板121は、例えばポリカーボネート(PC)やシクロオレフィンポリマーなどの低吸収性の樹脂から構成される。
情報記録層(信号面)であるL0層およびL1層は、基板121の凹凸上に成膜された反射膜、記録膜等である。L0層およびL1層は、光ディスクが再生専用型である場合には、例えば、金(Au)、銀(Ag)、銀合金、アルミニウム(Al)またはアルミニウム合金等からなる反射膜である。光ディスクが追記型である場合には、L0層およびL1層は、例えば、反射膜、有機色素材料からなる記録層を順次積層して構成される。光ディスクが書き換え可能型である場合には、L0層およびL1層は、例えば、反射膜、下層誘電体層、相変化記録層、上層誘電体層を順次積層して構成される。なお、本開示の第1の実施の形態では、L0層およびL1層の何れにも渦巻き状のグルーブが形成されている。例えばグルーブがウォブルされて光ディスク100上の位置を示すアドレスが予め記録されている。
基板121に形成されたL0層上には、中間層122が形成される。中間層122上には、L1層が形成される。中間層122に形成されたL1層上には、カバー層123が形成される。カバー層123は、光ディスクの保護を目的として、形成される。情報信号の記録および再生は、例えば、対物レンズ6によりレーザ光がカバー層123を通じて情報記録層に集光されることによって行われる。
中間層122およびカバー層123として、UVレジンを用いることができる。必要に応じてカバー層123の表面に例えばハードコート等の潤滑材層(図示せず)を形成してもよい。潤滑材層は、カバー層123の表面の保護および表面を滑らかにするためのものである。中間層122の厚さは、例えば25μm、カバー層123の厚さは、例えば75μmであり、均一な厚みの層を形成することが求められる。
光ディスク100のカバー層123側から情報記録層(L0層またはL1層)にレーザ光を照射することによって、情報信号の記録および再生が行われる。例えば、400nm〜410nmの波長を有するレーザ光が0.84〜0.86の開口数を有する対物レンズ6により集光されカバー層123側からL0層またはL1層に照射されることで、情報信号の記録および再生が行われる。なお、光ディスク100としては、他の多層光ディスク例えば発光波長を655nm程度の半導体レーザを用いた多層DVD等に対しても適用できる。
図1に戻ると、光ディスク装置101において、スピンドルモータ104および送りモータ105は、システムコントローラ106からの指令に基づいて制御されるサーボ制御部107により駆動制御される。
光ピックアップ103は、光ディスク100の記録面に対して光ビームを照射し、この光ビームの記録面による反射光ビームを検出する。光ピックアップ103は、光ディスク100の記録面からの反射光ビームに基づいて、各光ビームに対応する信号をプリアンプ108に供給する。
プリアンプ108は、光検出器からの出力に基づいて、非点収差法等によってフォーカスエラー信号を生成し、また、後述するように、トラッキングエラー信号を生成する。さらに、プリアンプ108は、RF信号を生成し、RF信号を、信号変復調&ECCブロック15に出力する。プリアンプ108は、フォーカスエラー信号とトラッキングエラー信号とをサーボ制御部107に出力する。
信号変復調&ECCブロック109は、光ディスク100に対して、データの記録を行うとき、インターフェース110またはD/A,A/D変換器111から入力されたディジタル信号に対して、記録処理を施す。例えば、信号変復調&ECCブロック109は、エラー訂正符号化を行い、1−7PP方式等の変調処理を行う。
なお、データ圧縮してデータ記録するときには、圧縮伸長部を信号変復調&ECCブロック109とインターフェース110またはD/A,A/D変換器111との間に設けても良い。この場合、データは、MPEG2MPEG2(Moving Picture Experts Group Phase 2)やMPEG4といった方式でデータが圧縮される。
サーボ制御部107は、プリアンプ108からフォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号が入力される。サーボ制御部107は、フォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号が0となるようなフォーカスサーボ信号やトラッキングサーボ信号を生成し、これらのサーボ信号に基づいて、対物レンズを駆動する2軸アクチュエータ等の対物レンズ駆動部を駆動制御する。さらに、プリアンプ108からの出力より、同期信号等を検出して、CLV(Constant Linear Velocity)方式等で、スピンドルモータ104を制御する。レーザ制御部112は、光ピックアップ103のレーザ光源を制御する。レーザ制御部112は、記録モード時と再生モード時とでレーザ光源の出力パワーを異ならせる制御を行っている。
システムコントローラ106は、装置全体を制御する。システムコントローラ106は、ユーザからの操作入力に応じて、光ディスク最内周にあるプリマスタードピットやグルーブ等に記録されたアドレス情報やTOC(Table Of Contents)に基づいて光ディスク
装置101を制御する。ここで、システムコントローラ106は、記録再生を行う光ディスクの記録位置や再生位置を特定し、特定した位置に基づいて、各部を制御する。
以上のように構成された光ディスク装置101は、スピンドルモータ104によって、光ディスク100を回転操作し、サーボ制御部107からの制御信号に応じて送りモータ105を駆動制御する。光ディスク装置101は、光ピックアップ103を光ディスク100の所望の記録トラックに対応する位置に移動することで、光ディスク100に対して情報の記録再生を行う。
具体的には、光ディスク装置101により記録再生するときには、サーボ制御部107は、光ディスク100を回転させ、光ピックアップ103が光源から光ビームを照射して光検出器により光ディスク100からの戻りの光ビームを検出し、フォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号を生成する。光ピックアップ103は、これらフォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号に基づいて対物レンズ駆動機構により対物レンズを駆動してフォーカスサーボおよびトラッキングサーボを行う。
また、光ディスク装置101により記録する際には、外部コンピュータ113からの信号がインターフェース110を介して信号変復調器&ECCブロック109に入力される。信号変復調器&ECCブロック109は、インターフェース110またはD/A,A/D変換器111から入力されたディジタルデータに対してエラー訂正符号化を行い、さらに変調処理を行った後に記録信号を生成する。レーザ制御部112は、信号変復調器&ECCブロック109で生成された記録信号に基づいて、光ピックアップ103のレーザ光源を制御して、光ディスク100に記録する。
光ディスク100に記録された情報を光ディスク装置101により再生する際には、光検出器で検出された信号に対して、信号変復調器&ECCブロック109が復調処理を行う。信号変復調器&ECCブロック109により復調された記録信号がコンピュータのデータストレージ用であれば、インターフェース110を介して外部コンピュータ113に出力される。これにより、外部コンピュータ113は、光ディスク100に記録された信号に基づいて動作することができる。
信号変復調器&ECCブロック109により復調された記録信号がオーディオ・ビジュアル用であれば、D/A,A/D変換器111でデジタルアナログ変換され、オーディオ・ビジュアル処理部114に供給される。そしてオーディオ・ビジュアル処理部114でオーディオ・ビジュアル処理が行われ、オーディオ・ビジュアル信号入出力部115を介して、図示しない外部のスピーカやモニタに出力される。
「光ピックアップ」
次に、上述した光ディスク装置に用いられる光ピックアップ103について、図3を用いて詳細に説明する。光ピックアップ103は、例えば波長λが405nmのレーザ光(ビーム)LSを用いて、光ディスク100に情報を記録し、光ディスク100から情報を再生する。光ディスク100には、レーザ光LSの入射方向からみて奥側に記録層L0、手前側に記録層L1が形成されている。レーザ光LSは、半導体レーザ(LD:Laser Diode)2から出射される。
レーザ光LSが偏光ビームスプリッタ(PBS:Polarizing Beam Splitter)3と、コリメータレンズ4と、偏光素子の一例である1/4波長板(QWP:Quarter Wave Plate)5を通過して対物レンズ6によって集束され、光ディスク100上に照射される。例え
ばL0層上に集束される。偏光ビームスプリッタ3は、例えばP偏光を略々100%透過させ、S偏光を略々100%反射する分離面を有する。
したがって、半導体レーザ2から出射されたレーザ光LSは、P偏光として、偏光ビームスプリッタ3を略100%透過する。偏光ビームスプリッタ3を透過したレーザ光LSはコリメータレンズ4で平行光とされる。コリメータレンズ4から出射された平行光は1/4波長板5で、直線偏光から円偏光へと変換される。1/4波長板5で変換された円偏光は、対物レンズ6によって、光ディスク100の記録層L0上または記録層L1上に集光される。レーザ光LSが照射されたL0層またはL1層からは反射光が生じる。
光ディスク100のL0層またはL1層からの反射光は同じ光路を戻り、対物レンズ6で平行光とされる。対物レンズ6から出射された平行光は、1/4波長板5で、円偏光から直線偏光(S偏光)へと変換される。S偏光へと変換されたレーザ光は、再び、コリメータレンズ4を透過して偏光ビームスプリッタ3へと入射する。S偏光として入射したレーザ光は偏光ビームスプリッタ3で略100%反射される。
偏光ビームスプリッタ3で反射されたレーザ光の一部は、遮光部としてのマスク7で遮光される。なお、マスク7の詳細については後述する。マスク7を透過したレーザ光は、シリンドリカルレンズ8によって所定の非点収差が与えられる。非点収差が与えられたレーザ光は、光検出器9の受光面に集光される。光検出器9は、受光面上に、入射した光を光電変換する受光セルを有する。受光セルは、光ディスク100の接線方向(トラック方向)に対応する分割線および半径方向に対応する分割線によって4つの領域A〜Dに分割されている。光検出器9は、受光セルのそれぞれの領域A〜Dへの受光量に応じた電気信号を出力する。
光検出器9の各領域の出力信号が図4に示すトラッキングエラー検出回路10の一例が示される。出力された各電気信号を演算することで、メインデータ信号、トラッキングエラー信号およびフォーカスエラー信号が算出される。
トラッキングエラー信号の算出方法を説明する。受光セルの領域Aで出力される電気信号をA1とする。同様に、受光セルの領域Bで出力される電気信号をB1、受光セルの領域Cで出力される電気信号をC1、受光セルの領域Dで出力される電気信号をD1とする。トラッキングエラー検出回路10は、加算器11および加算器12、並びに減算器13を有する。Push Pull法によるトラッキングエラー信号PP1(メインプッシュプル信号
)は以下の(1)式から算出される。なお、メイン信号は、全領域の信号を加算して得られる。
PP1=(A1+B1)−(C1+D1)・・・(1)
図5は、トラッキングエラー補正回路の一例を示す。トラッキングエラー検出回路10からトラッキングエラー信号PP1が位相補償回路14に供給される。位相補償回路14の出力信号が電圧帰還形の駆動回路15に入力される。駆動回路15は、対物レンズ駆動アクチュエータに対する駆動信号Kを出力する。駆動信号Kは、光ピックアップ103に搭載された対物レンズ駆動アクチュエータとしてのトラッキングコイル16に入力される。駆動信号Kが入力されたトラッキングコイル16は光ディスク100の半径方向の駆動力を発生させる。このようにして、トラッキングエラー信号PP1に基づいて、トラッキング制御が行われる。なお、トラッキングサーボの構成は、図5に示す構成以外のものを使用するようにしても良い。
「マスクの効果」
次に、本開示の第1の実施の形態による光ピックアップ103には、マスク7が設けられている。マスク7は、記録再生層とは異なる他層の信号面からの反射光(他層迷光)がクロストーク光として光検出器9に入射することを抑えるものである。マスク7は、他層のグルーブにおいて発生した回折光による影響を防止するものである。マスク7の具体的構成は、例えば透明板に帯状の遮光材料を被着したものである。他の構成例は、光ピックアップ103の光学部品の一部の部品に対して、遮光機能を持たせたものである。さらに、帯状の遮光部をフレームに取り付けた構成も可能である。さらに、マスクの形状は、矩形帯状の必要はなく、他層迷光の1次光のほぼ集中する位置を取り囲むような円、楕円等の形状でも良い。
本開示の第1の実施の形態におけるマスク7について説明する。理解の容易のために、マスク7を有しない光ピックアップにおいて生じる偽トラッキングエラー信号について説明する。図6は、本開示の第1の実施の形態による光ピックアップ103の光学系からマスク7が取り除かれた構成を示す。すなわち、偽トラッキングエラー信号の発生対策がなされていない光ピックアップ21が示される。なお、図6に示された光ピックアップ21は、マスク7を有していないこと以外は、図3に示された光ピックアップ103と同一の構成である。
図7Aおよび図7Bは、光ディスク100の記録再生層と他層との位置関係を示す。図7Aに示すように、L0層が記録再生層の場合、対物レンズ6によって集光されたレーザ光LSがL0層に焦点を結ぶようになされる。したがって、レーザ光LSの入射方向からみて、手前側のL1層が他層となり、L1層で反射されたレーザ光が他層迷光となる。
L0層が記録再生層の場合、L0層に渦巻状に設けられたグルーブにレーザ光LSが集光され、光ビームのスポットが矢印23で示すように、光ディスク100の半径方向(グルーブを横断する方向)に移動させる。その際に、他層のL1層に対しても光ビームのスポットが矢印24の方向に移動する。
一方、図7Bに示すように、L1層が記録再生層の場合、L1層に渦巻状に設けられたグルーブにレーザ光LSが集光され、光ビームのスポットが矢印27で示すように、光ディスク100の半径方向(グルーブを横断する方向)に移動させる。その際に、他層のL0層に対しても光ビームのスポットが矢印26の方向に移動する。
図8は、上述したように、光ディスク100の半径方向に光ビームのスポットを動かした場合に発生するトラッキングエラー信号28および偽トラッキングエラー信号29の一例を示す。トラッキングエラーに対応してトラッキングエラー信号28が得られるとともに、他層のトラックのずれによって偽トラッキングエラー信号29が発生する。
より具体的には、上述したL0層の記録再生時(図7A)には、L0層からはトラッキングエラー信号28が得られるとともに、他層のL1層からは偽トラッキングエラー信号29が発生する。L1層の記録再生時(図7B)には、L1層からはトラッキングエラー信号28が得られるとともに、他層のL0層からは偽トラッキングエラー信号29が発生する。トラッキングエラー信号28のピークツウピーク値をDaと表す。偽トラッキングエラー信号29のピークツウピーク値をDbと表す。通常、他層迷光は、信号光に比して強度が低いので、得られる偽トラッキングエラー信号の振幅もトラッキングエラー信号に比して小さいものとなる。
さらに、図9Aおよび図9Bを参照して、他層からの反射および回折光について説明する。図9Aは、記録再生層がL0層の場合を示す。図9Aに示すように、レーザ光LSが対物レンズ6を通ってL0層へ集光される。他層であるL1層が反射型回折格子として作用し、グルーブにおける回折によって戻り光がグルーブを横断する方向に0次光、±1次光に分かれる。0次光が点31付近に集中し、+1次光が点30付近に集中し、−1次光が点32付近に集中する。その結果、L0層からの信号光とL1層からの±1次光との干渉光は矢印33および矢印34の方向に進む。
L1層からの戻り光を正面から見た戻り光分布も示されている。この分布において、信号光の0次光35が円形の広がりを有し、0次光35と重なって+1次光36aおよび−1次光36bが分布する。上述した仮想的な位置では、戻り光が点30、点31および点32で示すように集中する。
図9Bは、記録再生層がL1層の場合を示す。図9Bに示すように、レーザ光LSが対物レンズ6を通ってL1層へ集光される。他層であるL0層が反射型回折格子として作用し、グルーブにおける回折によって戻り光がグルーブを横断する方向に0次光、±1次光に分かれる。0次光が点41付近に集中し、+1次光が点40付近に集中し、−1次光が点42付近に集中する。その結果、L0層からの信号光とL1層からの±1次光との干渉光は矢印43および矢印44の方向に進む。
L1層からの戻り光を正面から見た戻り光分布も示されている。この分布において、信号光の0次光45が円形の広がりを有し、0次光45と重なって+1次光46aおよび−1次光46bが分布する。上述した仮想的な位置では、戻り光が点40、点41および点42で示すように集中する。
図10を参照して迷光スポットの位置の計算方法の一例について説明する。例えばL0層が記録再生層の場合について説明する。レーザ光LSの入射側で、光ディスクと所定の距離の位置51における迷光スポットの位置を計算するものとする。他層(L1層)に入射したレーザ光の反射光(点線で示す0次光)が反射角θで反射して位置51における点52に入射する。点52は、L0層で反射した0次光のスポットの中心位置である。
L1層のグルーブの回折によって発生する回折光の中の1次光(例えば−1次光)は、角度φで反射し、位置51における点53となる。
L0層とL1層との間隔をdとすると、L1層による反射光の0次光の焦点は位置51の面になり、L1層からの距離はdとなる。ディスクに入射する任意の光線が位置51を横切る点の光軸からの距離をaとし、L1層による1次回折光(反射)として位置51に戻ってくる点の光軸からの距離をbとする。また、最大角度の入射光線における位置51での光軸からの距離をamaxとする。さらに、比率KK=(b/amax )とする。この場
合、比率KKは、下記の式1によって求めることができる。(Nは屈折率)である。
トラックピッチPが0.32μmの場合のKKの値のシミュレーション結果を図11に示す。検出される他層迷光(Nsinθ<1)は、図11の点線の範囲56の部分に焦点を
結ぶ。範囲56では、KKの値がほぼ一定であり、したがって、他層迷光(−1次光)が点53に集中することになる。好ましくは、マスク7が他層迷光が集中する位置(上述したように、比率KKの値がほぼ一定の位置)に配置され、他層迷光の影響を少なくするようになされる。なお、図10における点52および53は、図9Aにおける点31および32とそれぞれ対応するものである。
さらに、本開示の第1の実施の形態による光ピックアップ103のマスク7の機能について説明する。図12Aおよび図12Bは、戻り光分布と、マスク7との位置関係を示している。マスク7は、トラックを横断する方向に延びる帯状の遮光部から構成されている。図12Aに示すマスク7は、分割された遮光部61aおよび61bを有する。図12Bに示すマスク7は、連続した帯状の遮光部61を有する。
図12Aに示すマスク7の遮光部61aは、他層迷光の+1次光が集中する点を覆うように設けられている。L0層が記録再生層の場合には、点30を遮光部61aが覆い、L1層が記録再生層の場合には、点45を遮光部61aが覆う位置関係にマスク7が配置されている。マスク7の遮光部61bは、他層迷光の−1次光が集中する点を覆うように設けられている。L0層が記録再生層の場合には、点32を遮光部61bが覆い、L1層が記録再生層の場合には、点42を遮光部61bが覆う位置関係にマスク7が配置されている。
0次光(信号光および他層迷光)が集中する点31(L0層が記録再生層の場合)または点41(L1層が記録再生層の場合)は、マスク7による遮光がなされない。信号光の0次光および他層迷光の0次光の成分が遮光されない。通常、信号光の強度が他層迷光の強度に比して大きいので、受光信号のS/Nを良好とできる。
図12Bに示すマスク7は、上述した全ての点30(40)、31(41)および32(42)を含む帯状の領域を遮光する遮光部61を有する。信号光の0次光も遮光されるが、他層迷光の0次光も遮光される。
「偽トラッキングエラーの除去」
図12Aに示すマスク7を使用した場合に、光検出器9の受光面における信号光および他層迷光の分布をシミュレーションによれ求めた結果について図13〜図18を参照して説明する。上述したように、光検出器9の受光面は、光ディスク100の接線方向(トラック方向)に対応する分割線および半径方向に対応する分割線によって4つの領域A〜Dに分割されている。光検出器9は、受光セルのそれぞれの領域A〜Dへの受光量に応じた電気信号を出力し、出力された各電気信号を演算することで、メインデータ信号、トラッキングエラー信号およびフォーカスエラー信号が算出される。
図13は、光検出器9の受光面上の信号光の分布のみを示す。受光面の領域A〜Dのそれぞれに対して信号光の0次光および±1次光が照射されている。
図14は、光検出器9の受光面上の他層迷光の分布のみを示す。受光面の領域A〜Dのそれぞれに対して他層迷光の0次光および±1次光が照射されている。
図15は、光検出器9の受光面上の他層迷光の±1次光の分布のみを示す。受光面の領域A〜Dのそれぞれに対して他層迷光の±1次光が照射されている。
図16は、光検出器9の受光面上の他層迷光の0次光の分布のみを示す。受光面の領域A〜Dのそれぞれに対して他層迷光の0次光が照射されている。図14は、図15および図16の分布を合成したものである。
図17は、光検出器9の受光面上の信号光の分布および他層迷光の分布を示す。受光面の領域A〜Dのそれぞれに対して信号光の0次光および±1次光が照射されると共に、他層迷光の0次光および±1次光が照射される。
図18は、光検出器9の受光面上の信号光の分布および他層迷光の±1次光の分布を示す。受光面の領域A〜Dのそれぞれに対して信号光の0次光および±1次光が照射されると共に、他層迷光の0次光および±1次光が照射される。図18は、図13と図1て5とを合成したものである。
本開示の第1の実施の形態におけるマスク7の偽トラッキングエラーの除去の計算結果を図19に示す。一例としてL0層を記録再生層としている。図9は、プッシュプル信号の振幅とRatioを示している。Ratioは、(Db/Da)である。Daは、図8を参照して説明したように、トラッキングエラー信号28のピークツウピーク値であり、Dbは偽トラッキングエラー信号29のピークツウピーク値である。したがって、Ratioが小さいほど、他層迷光による偽トラッキングエラー信号の相対的振幅が小さいことを意味する。図19に示すように、マスク7を設けることによって、層間の厚みの値にかかわらず、Ratioをマスクを設けない場合に比して下げることができる。
計算条件は、下記の通りである。
λ(レーザ光の波長)=405nm
NA(Numerical Aperture 対物レンズの開口数)=0.85
Tp(トラックピッチ)=0.32μm
グルーブデューティ=33%
グルーブの深さ=λ/12
L0:R=3%
L1:R=3% T=100%
マスク幅=開口直径の14%
検出系:Main−PP、As:W22=1.6λ
なお、かかるトラッキングエラーの除去効果は、遮光部が分割されたマスク7(図12A)および遮光部が連続するマスク7(図12B)の何れにおいても同様に得られる。さらに、L1層を記録再生層とする場合も同様に、トラッキングエラーを除去することができる。
さらに、2層以外の多層光ディスクに対しても本開示を適用できる。本開示において、他層迷光は、他層上のグルーブのピッチによって±1次光の角度が決定され、且つ光軸を通ってトラックに垂直な方向に決まって出てくるものである。したがって、光検出器上での迷光の中心位置は、層の間隔に依存しないものとなる。したがって、3層以上の多層光ディスクの場合でも、帯状に遮光することによって、迷光を除去することができる。
本開示によれば、多層光ディスクにおけるトラッキング安定性が向上した光ピックアップおよび光ディスク装置を提供することができる。本開示の第1の実施の形態による光ピックアップおよび光ディスク装置は、多層光ディスクの記録再生時におけるトラッキング安定性を改善できるため、光ディスクの高密度化が可能となる効果を有する。さらに、偽トラッキングエラー信号は、他層の反射率が大きい場合に増大する。しかしながら、本開示の第1の実施の形態による光ピックアップおよび光ディスク装置では、偽トラッキングエラー信号を除去できるため、多層光ディスクの反射率の設定範囲が広がり、低コストの光ディスクを実現できる。
<2.本開示の第2の実施の形態>
第2の実施の形態は、本開示を改良されたAPP(Advanced Push Pull)法に対して適用したものである。最初に、図20、図21および図22を参照して、改良されたAPP法について説明する。図20は、光ピックアップの光学的構成を示し、図21が光ピックアップの検出系に用いるホログラム光学系のパターンを示し、図22が光ピックアップの他層迷光の一例を示す。光ディスクの信号面からの反射光がホログラフィック光学素子(以下、HOE(Holographic Optical Element)と称する)201によって回折作用を受けずに透過し、レンズ202によって収束光とされ、シリンドリカルレンズ203を介してフォーカス用の光検出器(PD(Photo Detector))204に入射される。
トラッキング用の光検出器205が設けられている。光ディスクの信号面からの反射光がHOE201によって回折され、レンズ202およびシリンドリカルレンズ203を介してトラッキング用光検出器205に対して入射される。
フォーカス用光検出器204は、4分割された構成を有し、スポット206を受光する。トラッキング用光検出器205は、4分割された領域205A〜205Dを有する。これらの領域205A〜205DのそれぞれにHOE201によって回折されたスポットA1、B1、C1、D1が受光される。
HOE201は、図21に示すようなパターンを有している。HOE201は、5個の領域201A〜201Dに分割されている。領域201Aおよび201Bがサブ領域、領域201Cおよび201Dがメイン領域、領域201Eが中央領域である。破線で示す円は、光ディスクからの反射光ビームの外周を示している。
トラッキングエラー信号が(c−d)−k(a−b)の演算で生成される。a〜dは、それぞれHOE201の各領域201A〜201Dで回折された情報光をトラッキング用PD205で受光することにより得られる信号を表している。kは、定数である。
図22は、光検出器204および光検出器205と光ディスクからの反射光との位置関係を示す。光ディスクは、例えば2層BDである。例えば2層BDの奥側の信号面(L0層)を再生する際の手前の半透過層(L1層)で反射した迷光が発生する。光ディスクの信号面で反射した光ビームは、図22に示すHOE201に入射して、光量の一部が回折される。
図22において、A1〜E1は、それぞれ領域201A〜201Eに情報光(例えばL0層の反射光)が入射することによって生成された回折光を表し、As1〜Es1は、それぞれ領域201A〜201Eに他層迷光(L1層の反射光)が入射することによって生成された回折光を表す。回折光E1およびEs1が二つあるのは、1次回折光とその共役光である。
HOE201を透過した光ビームがシリンドリカルレンズ203によって非点収差が与えられた後にフォーカス用光検出器204によって受光される。フォーカス用光ビームの他層迷光208は、フォーカス用光検出器204の周りに広がる。トラッキング用光検出器205は、0次光の他層迷光208(図22参照)がトラッキング用光検出器205の受光面に入らないように、フォーカス用光検出器204から離れた位置に設けられている。
さらに、HOE201の領域201Eで生成される情報光の回折光E1をトラッキング用光検出器205から大きく離れた位置に回折することによって、領域201Eで生成される他層迷光の回折光Es1も離れた位置に回折される。すなわち、他層迷光の回折光Es1がトラッキング用光検出器205に入射しないようになされる。
このように、領域201EをHOE201の中心に設け、入射する光ビームの中心をHOE201の中心と一致させることによって、情報光の回折光E1と他層迷光の回折光Es1が同軸上に位置する。ここで、情報光と他層迷光とは、焦点位置が相違するので、トラッキング用光検出器205をHOE201の中心でない位置に設けることによって、領域201A〜201Dで生成される情報光の回折光A1〜D1と他層迷光の回折光As1〜Ds1が光検出器205上で異なる場所に位置する。
したがって、所望の情報記録層に情報を記録/再生する場合、領域201A〜201Dで生成される情報光の回折光A1〜D1が光検出器205上で焦点を結ぶようにすることによって、情報光の回折光A1〜D1と他層迷光の回折光As1〜Ds1とを分離することができる。この関係を利用して、回折光As1〜Ds1を全く受光せずに、回折光A1〜D1のみを受光する位置にトラッキング用光検出器205を設けることによって、他層迷光が入射することを回避している。
この発明の第2の実施の形態では、図23に示すように、HOE201の中心位置を通ってトラック方向を横断する方向(ラジアル方向)に延長する帯状のマスク207を設ける。HOE201上にマスク207を形成するのに限らず、別個の光学部品としてマスク207を設けても良い。
マスク207によって、他層のグルーブによって回折された戻り光を遮ることができ、他層迷光がトラッキング用光検出器205に入射することを防止することができる。したがって、本開示の第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、多層光ディスクにおけるトラッキング安定性が向上した光ピックアップおよび光ディスク装置を提供することができる。さらに、第2の実施の形態では、改良されたAPP法と組合せるので、トラッキング制御をより安定なものとできる利点がある。
なお、本開示は、以下のような構成も取ることができる。
(1)
光源と、
グルーブが形成された2以上の信号面を有する光ディスクの一つの信号面に向けて前記光源からの光を集光する対物レンズと、
前記光ディスクのトラック方向に略平行な分割線と、前記トラック方向に略垂直な分割線とによって4個の受光領域に分割され、前記光ディスクからの戻り光を受光する光検出器と、
前記光検出器の入射側に配置され、前記光ディスクの前記一つの信号面以外の信号面からの戻り光の内で、少なくとも前記グルーブにより回折された回折光を遮光する遮光部と
を有する光ピックアップ。
(2)
前記遮光部は、前記回折光がほぼ集中する位置に配置される(1)に記載の光ピックアップ。
(3)
前記一つの信号面以外の面からの0次反射光が集光する面において、前記一つの信号面からの戻り光の0次光の半径の最大値amax と、前記0次光の中心および前記一つの信号面以外の信号面からの戻り光の1次光のスポットの位置の間の距離bとの比率KK(b/amax )が前記0次光の半径に対してほぼ一定となる位置に、前記遮光部が配置される(2)に記載の光ピックアップ。
(4)
前記遮光部は、前記回折光と前記一つの信号面以外の信号面からの反射光とを遮光する(1)(2)の何れかに記載の光ピックアップ。
(5)
前記遮光部は、前記トラック方向に略垂直な方向に延長する帯状の遮光体からなる(1)(2)(4)の何れかに記載の光ピックアップ。
(6)
前記光ディスクからの戻り光がホログラフィック光学素子および前記遮光部を介して前記光検出器によって受光される(1)(2)(4)(5)の何れかに記載の光ピックアップ。
(7)
前記ホログラフィック光学素子によって、前記一つの信号面以外の信号面からの戻り光を前記光検出器に照射されないようにする(6)に記載の光ピックアップ。
(8)
光ディスクを回転駆動する回転駆動部と、
光源と、
前記光源からの光をグルーブが形成された2以上の信号面を有する多層の光ディスクに向けて集光する対物レンズと、
前記対物レンズを前記光ディスクのトラック方向に略垂直に変位させるアクチュエータと、
前記光ディスクのトラック方向に略平行な分割線と、前記トラック方向に略垂直な分割線とによって4個の受光領域に分割され、前記光ディスクからの戻り光を受光する光検出器と、
前記光検出器の入射側に配置され、前記光ディスクの前記一つの信号面以外の信号面からの戻り光の内で、少なくとも前記グルーブにより回折された回折光を遮光する遮光部と、
前記光検出器の検出信号を演算することによって、トラッキングエラー信号を生成する演算部とを備え、
前記トラッキングエラー信号によって、前記アクチュエータを駆動する光ディスク装置。
<3.変形例>
以上、本開示の実施の形態について具体的に説明したが、上述の各実施の形態に限定されるものではなく、本開示の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、レーザ光源の波長は、405nm以外のものでも良い。さらに、光ディスクに対して記録および再生の一方のみを行う光ディスク装置に対しても本開示を適用できる。
また、上述の実施の形態の構成、方法、工程、形状、材料および数値などは、本開示の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
2・・・半導体レーザ
3・・・偏光ビームスプリッタ
6・・・対物レンズ
7・・・マスク
9・・・光検出器
10・・・トラッキングエラー検出回路
16・・・トラッキングコイル
28・・・トラッキングエラー信号
29・・・偽トラッキングエラー信号
100・・・光ディスク
101・・・光ディスク装置
103・・・光ピックアップ
123・・・カバー層
A ・・・領域
B ・・・領域
C ・・・領域
D ・・・領域
LS・・・レーザ光

Claims (8)

  1. 光源と、
    グルーブが形成された2以上の信号面を有する光ディスクの一つの信号面に向けて前記光源からの光を集光する対物レンズと、
    前記光ディスクのトラック方向に略平行な分割線と、前記トラック方向に略垂直な分割線とによって4個の受光領域に分割され、前記光ディスクからの戻り光を受光する光検出器と、
    前記光検出器の入射側に配置され、前記光ディスクの前記一つの信号面以外の信号面からの戻り光の内で、少なくとも前記グルーブにより回折された回折光を遮光する遮光部と
    を有する光ピックアップ。
  2. 前記遮光部は、前記回折光がほぼ集中する位置に配置される請求項1に記載の光ピックアップ。
  3. 前記一つの信号面以外の面からの0次反射光が集光する面において、前記一つの信号面からの戻り光の0次光の半径の最大値amax と、前記0次光の中心および前記一つの信号面以外の信号面からの戻り光の1次光のスポットの位置の間の距離bとの比率KK(b/amax )が前記0次光の半径に対してほぼ一定となる位置に、前記遮光部が配置される請求項2に記載の光ピックアップ。
  4. 前記遮光部は、前記回折光と前記一つの信号面以外の信号面からの反射光とを遮光する請求項1に記載の光ピックアップ。
  5. 前記遮光部は、前記トラック方向に略垂直な方向に延長する帯状の遮光体からなる請求項1に記載の光ピックアップ。
  6. 前記光ディスクからの戻り光がホログラフィック光学素子および前記遮光部を介して前記光検出器によって受光される請求項1に記載の光ピックアップ。
  7. 前記ホログラフィック光学素子によって、前記一つの信号面以外の信号面からの戻り光を前記光検出器に照射されないようにする請求項6に記載の光ピックアップ。
  8. 光ディスクを回転駆動する回転駆動部と、
    光源と、
    前記光源からの光をグルーブが形成された2以上の信号面を有する多層の光ディスクに向けて集光する対物レンズと、
    前記対物レンズを前記光ディスクのトラック方向に略垂直に変位させるアクチュエータと、
    前記光ディスクのトラック方向に略平行な分割線と、前記トラック方向に略垂直な分割線とによって4個の受光領域に分割され、前記光ディスクからの戻り光を受光する光検出器と、
    前記光検出器の入射側に配置され、前記光ディスクの前記一つの信号面以外の信号面からの戻り光の内で、少なくとも前記グルーブにより回折された回折光を遮光する遮光部と、
    前記光検出器の検出信号を演算することによって、トラッキングエラー信号を生成する演算部とを備え、
    前記トラッキングエラー信号によって、前記アクチュエータを駆動する光ディスク装置。
JP2012188348A 2012-08-29 2012-08-29 光ピックアップおよび光ディスク装置 Pending JP2014049142A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012188348A JP2014049142A (ja) 2012-08-29 2012-08-29 光ピックアップおよび光ディスク装置
US13/966,503 US8826309B2 (en) 2012-08-29 2013-08-14 Optical pickup and optical disc device
CN201310367346.0A CN103680532A (zh) 2012-08-29 2013-08-21 光学拾波器与光盘装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012188348A JP2014049142A (ja) 2012-08-29 2012-08-29 光ピックアップおよび光ディスク装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014049142A true JP2014049142A (ja) 2014-03-17

Family

ID=50189375

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012188348A Pending JP2014049142A (ja) 2012-08-29 2012-08-29 光ピックアップおよび光ディスク装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US8826309B2 (ja)
JP (1) JP2014049142A (ja)
CN (1) CN103680532A (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
USD817353S1 (en) * 2014-03-07 2018-05-08 Sony Corporation Display panel or screen with an icon

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001110059A (ja) * 1999-10-05 2001-04-20 Yamaha Corp 光ディスク再生方法および光ディスク再生装置
KR20050006887A (ko) * 2003-07-10 2005-01-17 삼성전자주식회사 포커스 오프셋을 저감할 수 있는 광픽업 및 이를 채용한광 기록 및/또는 재생기기
CN102483936B (zh) * 2009-10-21 2014-08-13 松下电器产业株式会社 光学头装置、光信息装置以及信息处理装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN103680532A (zh) 2014-03-26
US20140068642A1 (en) 2014-03-06
US8826309B2 (en) 2014-09-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7463561B2 (en) Optical pick-up head, optical information apparatus, and optical information reproducing method
JP4686391B2 (ja) 光情報記録媒体、光情報記録装置および光情報記録方法
JP4893314B2 (ja) 光ピックアップ装置
US7852735B2 (en) Optical pickup device
US20080165655A1 (en) Optical pickup device
JP5417269B2 (ja) 光情報再生装置
US8107347B2 (en) Optical disk apparatus, optical pickup, preformatted signal generation method and program
JP2006244535A (ja) 光ヘッド装置および光ディスク装置
US20060002276A1 (en) Optical disc apparatus
JP2006059433A (ja) 多層光情報記録媒体
JP2014049142A (ja) 光ピックアップおよび光ディスク装置
JP2012226809A (ja) 光記録媒体及び駆動装置
JP4170264B2 (ja) 光ピックアップ装置及び光情報記録再生装置
JP4754577B2 (ja) 多層記録担体のためのマルチスポット検出装置
KR20080000030A (ko) 광 픽업
KR20040085033A (ko) 광 픽업장치 및 광 디스크장치
JP2011187116A (ja) 光ピックアップ装置および光ディスク装置
KR20090043883A (ko) 광픽업 및 이를 채용한 광정보저장매체 시스템
KR20080017690A (ko) 광 픽업
JP2008041230A (ja) 情報記録媒体、情報記録装置および情報再生装置
JP2007200477A (ja) 光ヘッド
KR20080028550A (ko) 광 픽업
JP2008004149A (ja) 光ピックアップ装置
JP2008135123A (ja) 光ピックアップ装置
JP2012133850A (ja) 光ピックアップ