JP2014048257A - 布片検査方法および布片検査装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】布片Cを撮影した布片画像DとテンプレートデータTとを、色相角θを指標として比較し、布片画像中の柄部分を抽出する布片検査方法である。柄の色褪せの影響を受けることなく布片画像中の柄部分を抽出することができる。生地部分を除去できるため、生地の劣化による白色度の低下の影響も除去できる。そのため、柄部分の抽出精度が高くなり、生地の劣化や柄の色褪せが生じても、精度よく布片を検査できる。
【選択図】図1
Description
しかし、上記従来方法でロゴや模様などの色付きの柄を有する布片を検査すると柄部分を欠陥と判断してしまい正しく欠陥を見つけることができないため、従来は柄を有する布片の検査は行われておらず、無地の布片の検査しか行われていなかった。そのため、柄を有する布片を検査できる布片検査装置が望まれていた。
(1)生地の劣化
布片を何度も使用し、洗濯・乾燥を繰り返すと、生地が劣化し、生地の白色度が低下するため、生地と柄との明度差が小さくなる。
(2)柄の色褪せ
布片を何度も使用し、洗濯・乾燥を繰り返すと、柄が色褪せし、白っぽくなる。
(3)生地の伸び縮み
布片は柔軟性を有するため、生地が容易に伸び縮みする。生地の素材によっては縦方向に伸び易く、横方向に縮み難いといった性質があり、部分的に伸び縮みしたり、部分的に浮かび上がったりする場合もある。このように生地が伸び縮みすることにより、柄が変形する。
上記小ウィンドウマッチング法を、柄を有する布片の検査に適用する場合、部分的に伸び縮みする可能性のある柄の変形に対応するためには多数の小ウィンドウにおいて移動量を求める必要がある。ところが、一般に柄、特にロゴはアルファベットやシンボルなどのシンプルな形が多いため、位置を特定できる小ウィンドウが少なく、多数の点における移動量を求めることができない。そのため、柄の変形に対応させてテンプレート画像を十分に変形できず、欠陥の検出精度が低くなるという問題がある。
第2発明の布片検査方法は、第1発明において、前記テンプレートデータは、欠陥が無い前記布片の柄の色を表す基準色であり、前記布片画像において、前記基準色との色相の乖離の程度が小さい部分を柄部分と判断することを特徴とする。
第3発明の布片検査方法は、第2発明において、前記布片画像をYxy表色系に変換し、変換後の布片画像において、Yxy色空間における前記基準色との色相角が閾値以下の部分を柄部分と判断することを特徴とする。
第4発明の布片検査方法は、第1発明において、前記テンプレートデータは、欠陥が無い前記布片を撮影したテンプレート画像であり、前記布片画像は、検査対象の前記布片を撮影した対象画像であり、前記対象画像において、前記テンプレート画像中の対応する部分の色との色相の乖離の程度が小さい部分を欠陥が無い柄部分と判断することを特徴とする。
第5発明の布片検査方法は、第4発明において、前記対象画像をYxy表色系に変換し、変換後の対象画像において、Yxy色空間における前記テンプレート画像中の対応する部分の色との色相角が閾値以下の部分を欠陥が無い柄部分と判断することを特徴とする。
第6発明の布片検査装置は、色付きの柄を有する布片の欠陥の有無を検査する装置であって、前記布片を撮影するカメラと、該カメラで撮影した画像を画像処理する画像処理手段と、該画像処理手段がアクセス可能な記憶手段と、を備え、前記記憶手段には、テンプレートデータが記憶されており、前記カメラは、前記布片を撮影して布片画像とし、前記画像処理手段は、前記布片画像と前記テンプレートデータとを、色相の乖離の程度を指標として比較し、該布片画像中の柄部分を抽出することを特徴とする。
第7発明の布片検査装置は、第6発明において、前記テンプレートデータは、欠陥が無い前記布片の柄の色を表す基準色であり、前記画像処理手段は、前記布片画像において、前記基準色との色相の乖離の程度が小さい部分を柄部分と判断することを特徴とする。
第8発明の布片検査装置は、第7発明において、前記画像処理手段は、前記布片画像をYxy表色系に変換し、変換後の布片画像において、Yxy色空間における前記基準色との色相角が閾値以下の部分を柄部分と判断することを特徴とする。
第9発明の布片検査装置は、第6発明において、前記テンプレートデータは、欠陥が無い前記布片を撮影したテンプレート画像であり、前記布片画像は、検査対象の前記布片を撮影した対象画像であり、前記画像処理手段は、前記対象画像において、前記テンプレート画像中の対応する部分の色との色相の乖離の程度が小さい部分を欠陥が無い柄部分と判断することを特徴とする。
第10発明の布片検査装置は、第9発明において、前記画像処理手段は、前記対象画像をYxy表色系に変換し、変換後の対象画像において、Yxy色空間における前記テンプレート画像中の対応する部分の色との色相角が閾値以下の部分を欠陥が無い柄部分と判断することを特徴とする。
第2発明によれば、基準色との色相の乖離の程度が小さい部分を柄部分と判断することで、柄部分とそれ以外の部分とを明確に区別することができる。
第3発明によれば、Yxy色空間における色相角を指標とすることで、色相の乖離の程度を求めることが容易となる。
第4発明によれば、テンプレート画像中の対応する部分の色との色相の乖離の程度が小さい部分を欠陥が無い柄部分と判断することで、柄部分においても欠陥を検出できる。
第5発明によれば、Yxy色空間における色相角を指標とすることで、色相の乖離の程度を求めることが容易となる。
第6発明によれば、色相の乖離の程度を指標とすることで、柄の色褪せの影響を受けることなく布片画像中の柄部分を抽出することができる。また、生地部分を除去できるため、生地の劣化による白色度の低下の影響も除去できる。そのため、柄部分の抽出精度が高くなり、生地の劣化や柄の色褪せが生じても、精度よく布片を検査できる。
第7発明によれば、基準色との色相の乖離の程度が小さい部分を柄部分と判断することで、柄部分とそれ以外の部分とを明確に区別することができる。
第8発明によれば、Yxy色空間における色相角を指標とすることで、色相の乖離の程度を求めることが容易となる。
第9発明によれば、テンプレート画像中の対応する部分の色との色相の乖離の程度が小さい部分を欠陥が無い柄部分と判断することで、柄部分においても欠陥を検出できる。
第10発明によれば、Yxy色空間における色相角を指標とすることで、色相の乖離の程度を求めることが容易となる。
まず、本発明の原理について説明する。
一般に、カメラで撮影された画像はRGB表色系で表現されている。RGB表色系は、赤色、緑色、青色成分の組み合わせで色を表現する。表色系はRGB表色系以外にも存在する。XYZ表色系は、人間の網膜の3刺激値を表すとされ、明度、色相、彩度で色を表現する。明度とは色の明るさ、色相とは赤や青といった色合い、彩度とは色の鮮やかさを示す。XYZ表色系を2次元に変換したYxy表色系のxy色度図を図1に示す(図1はグレースケールで表現されているが、本来のxy色度図は多数の色で表現される。)。xy色度図では白色点Wを中心に色合いが環状に広がり、白色点Wから遠ざかるほど色が鮮やかになり、白色点Wに近づくほど色がくすむ。すなわち、xy色度図において色相は白色点Wに対する方向、彩度は白色点Wとの距離で表される。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図2に示すように、本発明の一実施形態に係る布片検査装置Aは、シーツや包布、ピロケース、浴衣、タオル等の布片Cを搬送するコンベア1と、搬送される布片Cを撮影するカメラ2と、カメラ2で撮影した画像を画像処理する画像処理手段3と、画像処理手段3がアクセス可能な記憶手段4とを備える。画像処理手段3はCPUなどで構成され、記憶手段4はメモリなどで構成される。布片検査装置Aは、ロゴや模様などの色付きの柄を有する布片Cについて、汚れや破れ等の欠陥の有無を検査できるところに特徴を有する。
まず、図3に基づきテンプレートデータ作成について説明する。
テンプレートデータ作成は、まず、カメラ2で欠陥が無い布片Cを撮影してテンプレート画像を取得する(ステップS1.1)。つぎに、テンプレート画像から柄部分を抽出し、テンプレート画像を柄部分とそれ以外の部分とで2値化する(ステップS1.2)。つぎに、2値化されたテンプレート画像を用いて布片検査処理における小ウィンドウマッチングに用いられる小ウィンドウおよび位置関係パラメータを作成する(ステップS1.3)。最後に、作成されたテンプレートデータをファイル出力し記憶手段4に記憶させる(ステップS1.4)。
以下、各ステップについて詳説する。
まず、カメラ2で欠陥が無い布片Cを撮影する。画像処理手段3はその画像をテンプレート画像として取得する(ステップS1.1)。
なお、テンプレートデータ作成処理においては、上記テンプレート画像が特許請求の範囲に記載の布片画像に相当する。
つぎに、画像処理手段3は、テンプレート画像から柄部分を抽出する(ステップS1.2)。図4に柄部分抽出のフローチャートを示す。
ただし、本実施形態のようにYxy色空間における色相角θを指標とすれば、色相の乖離の程度を求めることが容易となるので好ましい。
つぎに、画像処理手段3は、小ウィンドウおよび位置関係パラメータ作成を行う(ステップS1.3)。図5に小ウィンドウおよび位置関係パラメータ作成のフローチャートを示す。
なお、柄の境界以外に位置する画素の特徴量は、いずれも0とする。
このようにして求めた特徴量Sの分布の一例を図7に示す。柄の境界が直線の部分では特徴量が小さく、角の部分では特徴量が大きいことが分かる。
つぎに、画像処理手段3は、各小ウィンドウごとに評価値を演算する(ステップS1.3.3)。ここで、評価値は、小ウィンドウの領域内の柄の境界の曲がりの程度(角部分の角度や曲線の曲率)を表す指標である。評価値は、例えば、各小ウィンドウに含まれる画素のうち、特徴量が高い順に上位10点の画素を選び出し、それらの画素の特徴量を合計した値と定められる。評価値によって各小ウィンドウに濃淡を付した画像が図8である。柄の境界に角を含む小ウィンドウの評価値は高く、直線部分しか含まない小ウィンドウは評価値が低いことが分かる。
なお、本明細書において「重ね合せた画像間の類似度」とは、公知のパターンマッチング法においても用いられる指標であり、小ウィンドウと対象画像とを重ね合わせた場合における両画像間の類似の程度を示す指標である。例えば、後述の数8に示す類似度m(j)がこれに相当する。また、「重ね合せた画像間の相違度」とは、小ウィンドウと対象画像とを重ね合わせた場合における両画像間の相違の程度を示す指標である。
具体的には、まず、図9に示すように、演算対象の低評価小ウィンドウFについて、近傍3点の高評価小ウィンドウHW1、HW2、HW3を探索する。そして、数5により、これら3点の高評価小ウィンドウの重心座標G(Gx,Gy)を求める。
以上のように、後述の布片検査において基準となる高評価小ウィンドウ、低評価小ウィンドウ、位置関係パラメータを求めることができる。画像処理手段3は、これらをテンプレートデータとしてファイル出力し、記憶手段4に記憶させる(ステップS1.4)。
ここで、テンプレートデータは、布片検査において検査の基準となるデータであり、具体的には、Yxy表色系へ変換後のテンプレート画像、基準色、2値化された後のテンプレート画像の一部である高評価小ウィンドウおよび低評価小ウィンドウ、高評価小ウィンドウおよび低評価小ウィンドウのテンプレート画像上の位置、各低評価小ウィンドウとその近傍3点の高評価小ウィンドウとの対応関係および位置関係パラメータである。
つぎに、図10に基づき布片検査について説明する。
布片検査は、まず、前記テンプレートデータをファイル入力し(ステップS2.1)、検査対象の布片Cをカメラで撮影して対象画像を取得する(ステップS2.2)。つぎに、対象画像から柄部分を抽出し、対象画像と柄部分とそれ以外の部分とで2値化する(ステップS2.3)。つぎに、2値化された対象画像を用いて小ウィンドウマッチングを行い移動量を演算する(ステップS2.4)。つぎに、移動量分布を作成し(ステップS2.5)、作成した移動量分布を元にテンプレート画像を変形させる(ステップS2.6)。最後に、変形後のテンプレート画像と対象画像とを比較して欠陥を抽出する(ステップS2.7)。
以下、各ステップについて詳説する。
前述のテンプレートデータ作成処理により、記憶手段4にはテンプレートデータが記憶されている。画像処理手段3は、作業員の指示により記憶手段4からテンプレートデータを読み込む(ステップS2.1)。
つぎに、作業員が布片検査装置Aに検査対象の布片Cを投入する。そうすると、カメラ2は、検査対象の布片Cを撮影する。画像処理手段3はその画像を対象画像として取得する(ステップS2.2)。
なお、布片検査処理においては、上記対象画像が特許請求の範囲に記載の布片画像に相当する。
つぎに、画像処理手段3は、対象画像から柄部分を抽出する(ステップS2.3)。図11に柄部分抽出のフローチャートを示す。
つぎに、画像処理手段3は、Yxy表色系に変換後の対象画像の各画素について、その画素の色と基準色とのYxy色空間における色相角θを求める(ステップS2.3.2)。本実施形態では、数3により、色相角θの余弦の値を求める。
ただし、本実施形態のようにYxy色空間における色相角θを指標とすれば、色相の乖離の程度を求めることが容易となるので好ましい。
つぎに、画像処理手段3は、小ウィンドウマッチングを行う(ステップS2.4)。図12に小ウィンドウマッチングのフローチャートを示す。
位置関係パラメータq(j)が、テンプレートデータとして記憶されている位置関係パラメータpに近いほど、テンプレート画像における低評価小ウィンドウの位置と、対象画像上における低評価小ウィンドウの位置が類似しているといえる。
なお、位置評価値s(j)の類似度m(j)の項を相違度に代えてもよい。
つぎに、画像処理手段3は、各小ウィンドウの移動量を補間してテンプレート画像の全領域における移動量を求め、移動量分布を作成する(ステップS2.5)。移動量の補間にはスプライン補間など公知の方法を採用することができる。
つぎに、画像処理手段3は、移動分布に基づいてテンプレート画像を変形させる(ステップS2.6)。移動量分布に基づいてテンプレート画像を変形させることで、生地の伸び縮みによる柄の変形の影響を除去できる。
最後に、画像処理手段3は、変形後のテンプレート画像と対象画像とを比較して、その差分から布片Cの欠陥を検出する(ステップS2.7)。具体的には、生地部分については、対象画像において、テンプレート画像中の対応する画素の画素値を比較し、その差が大きい箇所を欠陥として検出する。一方、柄部分については、対象画像において、テンプレート画像の対応する画素の色との色相角を求め、色相角が閾値以下の部分を欠陥が無い柄部分と判断し、色相角が閾値を超えた部分を柄部分における欠陥と判断する。
また、布片Cの生地の伸び縮みが生じて柄が変形していたとしても、その変形と同様にテンプレート画像が変形させられており、柄の変形を十分に補正できるので、精度よく布片を検査できる。
ただし、本実施形態のようにYxy色空間における色相角を指標とすれば、色相の乖離の程度を求めることが容易となるので好ましい。
C 布片
1 コンベア
2 カメラ
3 画像処理手段
4 記憶手段
Claims (10)
- 色付きの柄を有する布片の欠陥の有無を検査する方法であって、
前記布片を撮影した布片画像とテンプレートデータとを、色相の乖離の程度を指標として比較し、該布片画像中の柄部分を抽出する
ことを特徴とする布片検査方法。 - 前記テンプレートデータは、欠陥が無い前記布片の柄の色を表す基準色であり、
前記布片画像において、前記基準色との色相の乖離の程度が小さい部分を柄部分と判断する
ことを特徴とする請求項1記載の布片検査方法。 - 前記布片画像をYxy表色系に変換し、
変換後の布片画像において、Yxy色空間における前記基準色との色相角が閾値以下の部分を柄部分と判断する
ことを特徴とする請求項2記載の布片検査方法。 - 前記テンプレートデータは、欠陥が無い前記布片を撮影したテンプレート画像であり、
前記布片画像は、検査対象の前記布片を撮影した対象画像であり、
前記対象画像において、前記テンプレート画像中の対応する部分の色との色相の乖離の程度が小さい部分を欠陥が無い柄部分と判断する
ことを特徴とする請求項1記載の布片検査方法。 - 前記対象画像をYxy表色系に変換し、
変換後の対象画像において、Yxy色空間における前記テンプレート画像中の対応する部分の色との色相角が閾値以下の部分を欠陥が無い柄部分と判断する
ことを特徴とする請求項4記載の布片検査方法。 - 色付きの柄を有する布片の欠陥の有無を検査する装置であって、
前記布片を撮影するカメラと、
該カメラで撮影した画像を画像処理する画像処理手段と、
該画像処理手段がアクセス可能な記憶手段と、を備え、
前記記憶手段には、テンプレートデータが記憶されており、
前記カメラは、前記布片を撮影して布片画像とし、
前記画像処理手段は、前記布片画像と前記テンプレートデータとを、色相の乖離の程度を指標として比較し、該布片画像中の柄部分を抽出する
ことを特徴とする布片検査装置。 - 前記テンプレートデータは、欠陥が無い前記布片の柄の色を表す基準色であり、
前記画像処理手段は、前記布片画像において、前記基準色との色相の乖離の程度が小さい部分を柄部分と判断する
ことを特徴とする請求項6記載の布片検査装置。 - 前記画像処理手段は、
前記布片画像をYxy表色系に変換し、
変換後の布片画像において、Yxy色空間における前記基準色との色相角が閾値以下の部分を柄部分と判断する
ことを特徴とする請求項7記載の布片検査装置。 - 前記テンプレートデータは、欠陥が無い前記布片を撮影したテンプレート画像であり、
前記布片画像は、検査対象の前記布片を撮影した対象画像であり、
前記画像処理手段は、前記対象画像において、前記テンプレート画像中の対応する部分の色との色相の乖離の程度が小さい部分を欠陥が無い柄部分と判断する
ことを特徴とする請求項6記載の布片検査装置。 - 前記画像処理手段は、
前記対象画像をYxy表色系に変換し、
変換後の対象画像において、Yxy色空間における前記テンプレート画像中の対応する部分の色との色相角が閾値以下の部分を欠陥が無い柄部分と判断する
ことを特徴とする請求項9記載の布片検査装置。
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