JP2014048210A - ガスクロマトグラフ用データ処理装置、データ処理プログラム、データ処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】任意の温度におけるアルカンの調整保持時間を精度よく算出することができるようにして、ひいては既知のリテンションインデックスに基づいて算出される任意の温度におけるリテンションインデックスの算出精度をより向上させることができるガスクロマトグラフ用データ処理装置、データ処理プログラム、データ処理方法を提供する。
【解決手段】少なくとも第2サンプル温度を受け付けて、第2サンプル温度におけるカラムに保持されない物質である非保持物質の保持時間であるボイドタイムが、第1サンプル温度におけるボイドタイムと略等しくなる第2カラム入口圧力を出力するカラム入口圧力設定部23を備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガスクロマトグラフ分析により実測された値を変換し、それらの値を比較等に適したものにするためのガスクロマトグラフ用データ処理装置、データ処理プログラム、データ処理方法に関するものである。
ガスクロマトグラフ分析において定性したい試料について測定される値として、例えば調整保持時間が挙げられる。この調整保持時間はカラムに定性したい試料が打ち込まれてから検出器で検出されるまでの時間である保持時間から、カラムに保持されない成分が検出器において検出されるまでの値であるボイドタイムを引いた値である。
この調整保持時間は、カラムの長さ等、キャリアガスの線速度の制御精度といったガスクロマトグラフの機差や、カラムオーブンの温度やカラム入口圧力等の実験パラメータの影響を受けるため、同じ物質についての測定値であっても異なるガスクロマトグラフや異なる実験条件で測定した場合には同じ値になるとは限らない。
そこで、上述したようなパラメータや、ガスクロマトグラフの種類や実験条件の影響を受けにくく、比較しやすいリテンションインデックスが調整保持時間の代わりに用いられることがある。
より具体的にはリテンションインデックスは、式1に示すような対象物質の調整保持時間と2つのアルカンの調整保持時間に基づいて算出される値である。
ここで、I:リテンションインデックス、t’(X):対象物質の調整保持時間、t’(P):炭素数Zのアルカンの調整保持時間、t’(PZ+1):炭素数Z+1のアルカンの調整保持時間、Z:アルカンの炭素数である。
ところで、このリテンションインデックスはカラム長さやキャリアガスの線速度等といったガスクロマトグラフの機差に関する影響を受けないもののガスクロマトグラフ分析が行われる際のカラムオーブン温度などの温度条件が異なるとその値が異なってしまう。つまり、調整保持時間に比べて比較しやすいパラメータであると言っても測定温度だけは揃える必要があるという問題点がある。
このような問題に対して本出願人は、2つの異なる温度で測定された既知のリテンションインデックスから任意の温度におけるリテンションインデックスを算出することにより、未知試料について任意の温度で測定されたリテンションインデックスと比較可能とする手法を考案し、特許文献1において出願している。
特許文献1における2つの異なる温度で測定された既知のリテンションインデックスからの任意の温度におけるリテンションインデックスを算出する方法について簡単に説明する。
まず、既知の登録物質について第1温度で測定されたリテンションインデックスと、第2温度で測定されたリテンションインデックスと、それぞれの温度における炭素数Z、Z+1のアルカンの調整保持時間とから、登録物質の第1温度における調整保持時間と第2温度における調整保持時間をそれぞれ式1に基づいて算出する。
次に、調整保持時間の対数と、調整保持時間が測定された温度の逆数との間には式2で示すような一次式の関係があるので、登録物質のリテンションインデックスから求められた2組の温度と調整保持時間に基づいて傾きと切片を同定する。
ここで、t’:調整保持時間、T:調整保持時間が測定された時の温度、a:傾き、b:切片である。また、以降式2についてはRT算出関数とも呼ぶ。
すなわち、式2のRT算出関数においてa、bが同定されれば、登録物質について任意の温度における調整保持時間を算出できる。
また、標準物質であるアルカンについても式2における調整保持時間と温度との関係は成り立つので、2つの異なる温度で測定されたアルカンの調整保持時間に基づいて、各アルカンについて式2のRT算出関数の傾きと切片を同定しておけば、任意の温度における各アルカンの調整保持時間を算出することができる。
つまり、式2に基づいて任意の温度における登録物質と標準物質であるアルカンの調整保持時間を算出できるので、それらの算出された調整保持時間を式1に代入することで、任意の温度における対象物質のリテンションインデックスを算出することができる。
しかしながら、上述した方法により登録物質について算出された所望の温度におけるリテンションインデックスと、同じ温度で実測されたリテンションインデックスとの間には誤差が存在することがある。
この原因について本願発明者が鋭意検討を行ったところ、リテンションインデックスの変換の際に用いられる、任意の温度におけるアルカンの調整保持時間を算出するための関係式であるRT算出関数の同定精度に問題があることを見出した。
より具体的な説明のために、第1サンプル温度Tにおいて測定された調整保持時間t’aと、第2サンプル温度Tにおいて測定された調整保持時間t’bを用いて式2に示したアルカンのRT算出関数の傾きaと切片bを同定する場合について考える。
式2に各サンプル温度及び調整保持時間の値を代入すると式3、式4のようになる。
そして、従来の手法では式3と式4の連立方程式を解くことにより、傾きaと切片bを同定している。言い換えると、図9に示すように(1/T,logt’)と(1/T,logt’)の2点を通る直線を決めていることになる。
ところで、式2における切片bは厳密には式6に示すように理論的に表すことができる。
ここで、C:物質ごとに決まる定数、β:相比、t:カラムに保持されない物質の保持時間であるボイドタイムである。より具体的には、ボイドタイムとはメタンや希ガス等のカラムに保持されない物質が、カラムに打ち込まれてから検出器において検出されるまでにかかる時間のことを言う。なお、ボイドタイムは、温度によって変化する値であるので、各サンプル温度T、Tにおいて調整保持時間が測定された時に一致している値とは限らない。そこで、第1サンプル温度Tにおいて調整保持時間を測定したときの条件におけるボイドタイムをt0a、第2サンプル温度Tにおけるボイドタイムをt0bとすると、各測定条件におけるRT算出関数は、式5から式6及び式7のように記述できる。
つまり、式6、式7から分かるようにサンプル温度Tで調整保持時間t’を測定した条件におけるRT算出関数を示す直線L1と、サンプル温度Tで調整保持時間t’を測定した条件におけるRT算出関数を示す直線L2は図9に示されるようにそれぞれ別々のものとなる。
従って、従来の方法でRT算出関数を同定した場合、直線L1上にある(1/T,logt’)と直線L2上にある(1/T,logt’)の2点を通る直線L3を同定していることになり、実際のRT算出関数の直線L1、L2のいずれも同定できていないことになる。すなわち、従来の手法で同定されたRT算出関数からは直線L3上に乗る温度と調整保持時間の組み合わせしか算出されないため、実際の調整保持時間に対して誤差を有したものとなっている。
国際出願番号JP2012/055475
本発明は上述したような問題を鑑みてなされたものであり、任意の温度における対象物質の調整保持時間を精度よく算出することができるようにして、ひいては既知のリテンションインデックスに基づいて算出される任意の温度におけるリテンションインデックスの算出精度をより向上させることができるガスクロマトグラフ用データ処理装置、データ処理プログラム、データ処理方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明のガスクロマトグラフ用データ処理装置は、対象物質について第1サンプル温度で測定された第1調整保持時間と、第2サンプル温度で測定された測定された第2調整保持時間とを少なくとも記憶するサンプルRT記憶部と、前記サンプルRT記憶部に記憶されている第1サンプル温度、第1調整保持時間、第2サンプル温度、第2調整保持時間に基づいて対象物質の調整保持時間と温度との間の関係式であるRT算出関数を同定するRT算出関数同定部と、RT算出関数同定部において同定されたRT算出関数及び受け付けられた任意の入力温度に基づいて、任意の入力温度における対象物質の調整保持時間を算出する対象物質調整RT算出部と、少なくとも第2サンプル温度を受け付けて、第2サンプル温度におけるカラムに保持されない物質の保持時間であるボイドタイムが、第1サンプル温度におけるボイドタイムと略等しくなる第2カラム入口圧力を出力するカラム入口圧力設定部とを備え、前記サンプルRT記憶部において記憶されている第2調整保持時間が前記カラム入口圧力設定部から出力された第2カラム入口圧力において測定されたものであることを特徴とする。
ここで、対象物質とはガスクロマトグラフ分析において基準となるアルカン等の標準物質や、ライブラリに予め登録されている登録物質、又は、その組成等について分かっていない未知試料のことを指す。また、前記標準物質としては基準となるものであればアルカン以外の物質であっても構わない。
このようなものであれば、前記カラム入口圧力設定部により出力される第2カラム入口圧力を用いて第2サンプル温度での調整保持時間は測定されているので、第1サンプル温度におけるボイドタイムと、第2サンプル温度におけるボイドタイムを略等しくすることができる。
このため、前記RT算出関数同定部において第1サンプル温度、第1調整保持時間、第2サンプル温度、第2調整保持時間に基づいて対象物質のRT算出関数の同定を行う際に第1サンプル温度及び第2サンプル温度におけるカラムに保持されない物質のボイドタイムの変化による影響を無くすことができるので、対象物質のRT算出関数を精度よく同定できる。より具体的には、図9のグラフにおいては第1サンプル温度、第1調整保持時間の点を通るRT算出関数の直線L1と、第2サンプル温度、第2調整保持時間の点を通るRT算出関数の直線L2とはそれぞれ別々の直線であったところが、各調整保持時間の測定においてボイドタイムが略等しくなっているので、直線L1と直線L2は略一致することになる。従って、第1サンプル温度、第1調整保持時間、第2サンプル温度、第2調整保持時間だけでRT算出関数の傾き及び切片を同定した場合にも、各点は同定したいRT算出関数の1つの直線上に乗ることになるので、RT算出関数の傾き及び切片を高精度に同定することができる。
従って、高精度に同定されたRT算出関数を用いて任意の温度における対象物質の調整保持時間を算出できるので、同じ温度条件で実測される調整保持時間との誤差を非常に小さくすることができる。ひいては、既知のリテンションインデックスから任意の温度におけるリテンションインデックスを算出する際にこの対象物質のRT算出関数を用いることにより、算出されるリテンションインデックスの精度も向上させることができる。
ガスクロマトグラフ分析における各物質の分離精度を適切なものにできるように第1サンプル温度及び第2サンプル温度を自由に選択でき、第1サンプル温度及び第2サンプル温度におけるボイドタイムを所定値で一致させることができるようにするには、前記カラム入口圧力設定部が、第1サンプル温度をさらに受け付けるとともに、ボイドタイムが所定値となるカラムオーブン温度及びカラム入口圧力の組み合わせを示す関係式である温度−圧力特性式に基づいて、第1サンプル温度及び第2サンプル温度のそれぞれに対応する第1カラム入口圧力及び第2カラム入口圧力を出力するように構成されており、前記サンプルRT記憶部において記憶されている第1調整保持時間が前記カラム入口圧力設定部から出力された第1カラム入口圧力において測定されたものであればよい。また、このようなものであれば予め標準物質のRT算出関数を同定しておき、以降の測定に同定されたRT算出関数を使い続ける場合に特に適した態様となる。
ボイドタイムが所定値となるカラムオーブン温度とカラム入口圧力の組み合わせを少なくとも2組見つけることにより、前記温度−圧力特性式を高精度に同定することができ、任意のサンプル温度に適したカラム入口圧力を設定できるようにするには、前記温度−圧力特性式が、カラムオーブン温度とカラム入口圧力の一次式であればよい。
例えばリテンションインデックスを測定するために未知試料とともに基準となる標準物質をカラム内に打ち込み、その時に測定された調整保持時間に基づいて標準物質のRT算出関数を同定するのに適した形態としては、前記カラム入口圧力設定部が、第1サンプル温度において測定されたボイドタイムである設定ボイドタイムをさらに受け付けるとともに、第2サンプル温度におけるカラム入口圧力とボイドタイムの関係式である圧力−ボイドタイム特性式に基づいて、設定ボイドタイムに対応する第2カラム入口圧力を出力するように構成されているものが挙げられる。このようなものであれば、第2サンプル温度における圧力とボイドタイムとの関係を同定すればよく、簡便な方法とすることができる。
第1サンプル温度と第2サンプル温度におけるボイドタイムを一致させることによって対象物質のRT算出関数の同定精度を高められるようにするための具体的構成例としては、RT算出関数同定部が、調整保持時間の対数が温度の逆数の一次式として記述される前記RT算出関数の傾きと切片を第1サンプル温度、第1調整保持時間、第2サンプル温度、第2調整保持時間に基づいて同定するように構成されているものが挙げられる。
登録物質について既知のリテンションインデックスから、異なる温度条件における未知のリテンションインデックスを高精度に算出するには、前記RT算出関数同定部において同定されたRT算出関数及び受け付けられた任意の入力温度に基づいて、任意の入力温度における対象物質である標準物質の調整保持時間を算出する調整RT算出部と、登録物質について複数の互いの異なる温度において測定された複数のリテンションインデックスと、標準物質の前記RT算出関数とに基づいて、登録物質の所定温度条件におけるリテンションインデックスを算出するように構成された既知RIデータ変換部をさらに備えたものであればよい。
既知のリテンションインデックスから所定温度条件のリテンションインデックスに変換したデータベースを作成し、同じ所定温度条件で測定された未知試料のリテンションインデックスと比較できるようにし、ガスクロマトグラフ分析のみで未知試料を定性できるようにするには、前記既知RI変換部が、前記対象物質として予め登録されている登録物質の既知のリテンションインデックスと、標準物質の前記RT算出関数とに基づいて前記所定温度条件における登録物質のリテンションインデックスを算出するように構成されており、複数の登録物質ごとにその登録物質に固有の識別子が関連づけられた、複数の互いに異なる温度ごとのリテンションインデックスを示す既知RIデータを記憶する既知RIデータ記憶部と、前記既知RIデータ変換部によって変換された少なくとも一部の登録物質のリテンションインデックスを、対応する固有の識別子を関連付けた変換後RIデータを記憶する変換後RIデータ記憶部と、前記所定温度条件と、未知試料について前記所定温度条件を用いたガスクロマトグラフ分析により実測されたリテンションインデックスに関連する値を受け付ける受付部と、前記変換後RIデータ記憶部に記憶されている前記変換後RIデータの中から、前記受付部で受け付けた前記所定温度条件における前記未知試料のリテンションインデックスの値と一致又は略等しいリテンションインデックスを含むものを抽出し、抽出されたリテンションインデックスに対応する識別子を出力する検索部と、を更に備えたものであればよい。
リテンションインデックスが測定される際の所定温度条件の具体例としては、前記所定温度条件が、ガスクロマトグラフ分析が恒温分析で行われる際に適宜設定される恒温分析温度を含むものであり、前記既知RIデータ変換部が、2つの異なる温度である第1温度と第2温度における前記登録物質のリテンションインデックスと、前記RT算出関数に基づいて算出される前記第1温度と第2温度と恒温分析温度における標準物質の調整保持時間とに基づいて、前記恒温分析温度における前記登録物質のリテンションインデックスへと変換するよう構成されたものが挙げられる。
既存のガスクロマトグラフ用データ処理装置における標準物質のRT算出関数の同定精度を向上させて、ひいてはリテンションインデックスの算出精度を高めるには、対象物質について第1サンプル温度で測定された第1調整保持時間と、第2サンプル温度で測定された測定された第2調整保持時間とを少なくとも記憶するサンプルRT記憶部と、前記サンプルRT記憶部に記憶されている第1サンプル温度、第1調整保持時間、第2サンプル温度、第2調整保持時間に基づいて対象物質の調整保持時間と温度との間の関係式であるRT算出関数を同定するRT算出関数同定部と、少なくとも第2サンプル温度を受け付けて、第2サンプル温度におけるカラムに保持されない物質の保持時間であるボイドタイムが、第1サンプル温度におけるボイドタイムと略等しくなる第2カラム入口圧力を出力するカラム入口圧力設定部とを備え、前記サンプルRT記憶部において記憶されている第2調整保持時間が前記カラム入口圧力設定部から出力された第2カラム入口圧力において測定されたものであることを特徴とするガスクロマトグラフ用データ処理装置プログラムをインストールすればよい。
また、本発明の効果を得ることができるデータ処理方法としては、対象物質について第1サンプル温度で測定された第1調整保持時間と、第2サンプル温度で測定された測定された第2調整保持時間とを少なくとも記憶するサンプルRT記憶ステップと、前記サンプルRT記憶部に記憶されている第1サンプル温度、第1調整保持時間、第2サンプル温度、第2調整保持時間に基づいて対象物質の調整保持時間と温度との間の関係式であるRT算出関数を同定するRT算出関数同定ステップと、少なくとも第2サンプル温度を受け付けて、第2サンプル温度におけるカラムに保持されない物質である非保持物質の保持時間であるボイドタイムが、第1サンプル温度におけるボイドタイムと略等しくなる第2カラム入口圧力を出力するカラム入口圧力設定ステップとを備え、前記サンプルRT記憶ステップにおいて記憶されている第2調整保持時間が前記カラム入口圧力設定部から出力された第2カラム入口圧力において測定されたものであることを特徴とするガスクロマトグラフ用データ処理方法を用いればよい。
任意の物質について互いに異なる温度で測定された少なくとも2つの調整保持時間から別の温度や測定条件における調整保持時間を精度よく算出できるようにするには、対象物質について第1サンプル温度で測定された第1調整保持時間と、第2サンプル温度で測定された第2調整保持時間とを少なくとも記憶するサンプルRT記憶部と、前記サンプルRT記憶部に記憶されている第1サンプル温度、第1調整保持時間、第2サンプル温度、第2調整保持時間に基づいて対象物質の調整保持時間と温度との関係式であるRT算出関数を同定するRT算出関数同定部とを備え、カラムに保持されない物質の保持時間であるボイドタイムが前記第1サンプル温度及び第2サンプル温度においてそれぞれ略等しくなるようにして、前記第1調整保持時間及び第2調整保持時間が測定されことを特徴とするガスクロマトグラフ用データ処理装置であればよい。
このように本発明のガスクロマトグラフ用データ処理装置、データ処理プログラム、データ処理方法によれば、対象物質のRT算出関数を同定する際に用いられる各サンプル温度でのボイドタイムを略一致させているので、従来よりもRT算出関数の同定精度を高めることができる。
本発明の第1実施形態に係る分析システムの全体を示す模式図。 第1実施形態のガスクロマトグラフ用データ処理装置を示す機能ブロック図。 保持時間、調整保持時間の概念を示す模式的グラフ。 圧力−温度特性式の概略について示す模式的グラフ。 圧力−ボイドタイム特性式から圧力−温度特性式を同定する事を示す模式的グラフ。 既知RIデータ記憶部に記憶されているデータの概要を示す模式図。 変換後RIデータ記憶部に記憶されているデータの概要を示す模式図。 第1実施形態のガスクロマトグラフ用データ処理装置の動作を示すフローチャート。 従来のRI算出関数の同定における問題点について説明する模式的グラフ。
本発明の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。
第1実施形態のガスクロマトグラフ用データ処理装置100は、ガスクロマトグラフ分析により得られた未知試料Xのリテンションインデックスのみから、この未知試料Xが何の登録物質Gであるかを同定するために用いられるものである。すなわち、図1に示すように、このガスクロマトグラフ用データ処理装置100は、ガスクロマトグラフ101と組み合わせて分析システム200を構成してある。
前記ガスクロマトグラフ101は、固定相が内部に塗布された管であるカラム13と、移動相として用いられるキャリアガスをカラム13内に導入するためのキャリアガス導入部11と、前記カラム13内に未知試料X等の定性したい試料を導入するための試料導入部12と、前記カラム13の温度を一定に保つ、又は一定の速度で昇温させるためのカラムオーブン14と、前記カラム13の出口側において通過する物質を検知して電気信号を出力する検知部15と、前記検知部15から出力された電気信号に基づいて、各試料が導入されてからのカラム13の出口に到達するまでの時間である保持時間を測定する保持時間測定部16と、を備えたものである。
前記ガスクロマトグラフ用データ処理装置100は、本実施形態においては、前記保持時間測定部16から出力される未知試料Xの保持時間又は調整保持時間に基づいて、この未知試料Xがライブラリに既に登録されている登録物質Gのうちどれに該当するかについて同定し、出力するようにしてある。
前記ガスクロマトグラフ用データ処理装置100は、メモリ、CPU、A/Dコンバータ、入出力インターフェイス、モニタ等を備えたいわゆるコンピュータであり、前記メモリに格納されたガスクロマトグラフ分析用データ処理プログラムを前記CPUが実行することによって、各種機能を発揮して、入力された未知試料Xのリテンションインデックスから、未知試料Xが登録物質Gのうちどれに該当するかを出力するように構成してある。すなわち、このガスクロマトグラフ用データ処理装置100は、図2に示すように少なくとも、カラム入口圧力設定部23、RTサンプル部24、サンプルRT記憶部25、RT算出関数同定部26、標準物質RTデータ記憶部21、標準物質RT算出部22、未知試料RI算出部3、受付部4、既知RIデータ記憶部6、既知RIデータ変換部7、変換後RIデータ記憶部8、検索部9としての機能を発揮するように構成してある。
各部について順に説明する。なお、以下の説明では第1実施形態におけるガスクロマトグラフ分析は恒温分析により行われており、未知試料Xの調整保持時間が測定された際の温度である恒温分析温度Tを用いて説明を行うこととする。
なお、調整保持時間とは、図3に示すようにガスクロマトグラフ101により測定される保持時間から、前記カラム13に保持されないCH等の非保持物質の保持時間であるボイドタイムを引いた値である。
まず、未知試料のリテンションインデックスを測定する場合や、登録物質Gの既知のリテンションインデックスから恒温分析温度Tにおけるリテンションインデックスを算出する場合に用いられる標準物質Pの任意の温度における調整保持時間を算出するためのRT算出関数の同定について説明する。この標準物質のRT算出関数の同定は、ガスクロマトグラフ101の機差等に応じたものとなるように、初めてリテンションインデックスを測定する場合や、カラム13が交換された場合等に適宜行われる。この標準物質PのRT算出関数の同定に関連する部位は、カラム入口圧力設定部23、RTサンプル部24、サンプルRT記憶部25、RT算出関数同定部26である。
前記カラム入口圧力設定部23は、標準物質PのRT算出関数を同定するために必要な各サンプル温度における調整保持時間を測定する際に、どのようなカラム入口圧力を設定するべきかを決定するものである。より具体的には、前記カラム入口圧力設定部23は、ユーザが標準物質Pの調整保持時間を測定したい温度として第1サンプル温度Tと第2サンプル温度Tと、カラム13に保持されないメタンなどの保持時間であるボイドタイムとして設定したい値である設定ボイドタイムtr0とを受け付ける。そして、このカラム入口圧力設定部23は、受け付けられた設定ボイドタイムtr0となるような、第1サンプル温度Tに対応する第1カラム入口圧力P、第2サンプル温度Tに対応する第2カラム入口圧力Pを出力するように構成してある。
各カラム入口圧力P、Pは図4に示すような予め実験により作成されたボイドタイムが所定値となるカラムオーブン温度及びカラム入口圧力の組み合わせを示す関係式である温度−圧力特性式を前記カラム入口圧力設定部23が参照することで出力される。この温度−圧量特性式は、図4に示すようにボイドタイムが所定値で一定となる組み合わせをグラフ上にプロットした場合、カラムオーブン温度とカラム入口圧力の一次式として表現される。
この温度−圧力特性式の作成方法について詳述する。まず図5における左の2つのグラフに示すように、カラムオーブン温度を固定して、カラム入口圧力を変化させていったときのボイドタイムを複数点において測定する。そして、各点の値に基づいて最小二乗法等によりカラム入口圧力とボイドタイムとの関係式を同定し、圧力−ボイドタイム特性式とする。そして、例えばカラムオーブン温度をTとしたときの圧力−ボイドタイム特性式と、カラムオーブン温度をTとしたときの圧力−ボイドタイム特性式をそれぞれ作成するとともに、各カラムオーブン温度T、Tにおいて所望の設定ボイドタイムtr0となるカラム入口圧力P、Pを各圧力ボイドタイム特性式から得る。その後、図5における右側のグラフに示すように各カラムオーブン温度T、Tと対応する各カラム入口圧力P、Pの二点を通る一次式を同定し、前記温度−圧力特性式をボイドタイムごとに作成することができる。
前記RTサンプル部24は、前記カラム入口圧力設定部から各サンプル温度T、Tにおいてボイドタイムが設定ボイドタイムtr0となる各カラム入口圧力P、Pを受け付けて、それらの条件において標準物質Pの調整保持時間を測定する。そして、RTサンプル部24は、第1サンプル温度T、第1カラム入口圧力Pにおいて測定された第1調整保持時間と、第2サンプル温度T、第2カラム入口圧力Pにおいて測定された第2調整保持時間をそれぞれ対にしてサンプルRT記憶部25に記憶させる。
前記RT算出関数同定部26は、前記サンプルRT記憶部25に記憶されている第1サンプル温度T、第1調整保持時間t’TA(P)、第2サンプル温度T、第2調整保持時間t’TB(P)に基づいて標準物質Pの調整保持時間と温度との間の関係式であるRT算出関数を同定するように構成してある。ここでRT算出関数は、式8に示すように、調整保持時間の対数と、温度の逆数の一次関数として表されるものである。
ここで、t’(P):炭素数Zのアルカンの温度Tにおける調整保持時間、T:絶対温度、a(P)、b(P):アルカンの炭素数ごとに固有の定数である。
また、式8における傾きと切片を同定する際に用いられる第1調整保持時間t’TA(P)を測定した際の第1サンプル温度T及び第1カラム入口圧力Pと、第2調整保持時間t’TB(P)を測定した際の第2サンプル温度T及び第2カラム入口圧力Pは、ボイドタイムが等しくなるように設定されているので、傾きを同定する時にボイドタイムの影響を無くすことができる。すなわち、図9における各点を通る直線L1、L2を一致させた状態となるので、RT算出関数の直線上に2点が乗ることになる。従って、図9における直線L3はRT算出関数の直線と一致することになるので、RT算出関数の傾き及び切片の同定精度を高めることができる。
このRT算出関数同定部26は、必要な炭素数ZのアルカンについてそれぞれRT算出関数の同定を行い、各々のRT算出関数について前記標準物質RTデータ記憶部21に記憶させる。すなわち、本実施形態については使用する全てのアルカンについて予め各定数を実験的に求めてある。あるアルカンについて定数が分からない場合には、炭素数の異なるアルカンから各定数を算出することもできる。
前記標準物質RT算出部22は、同定されたRT算出関数に基づいて必要な温度での標準物質Pの調整保持時間を算出するものである。本実施形態では、後述する登録物質Gについてリテンションインデックスが実測された際の温度又は未知試料Xのリテンションインデックスが測定された際の温度が入力され、各部の演算に必要な値を出力するように構成してある。ここで、前記RT算出関数26において、標準物質のRT算出関数を同定する際に用いられている各調整保持時間は、ボイドタイムが等しくなるように設定された状態で測定された値であるので、同定されたRT算出関数に温度を代入して算出される標準物質Pの調整保持時間も同じボイドタイムが反映されることになる。言い換えると、RT算出関数に温度を代入して算出される調整保持時間は、RT算出関数の同定に用いられた測定条件がそのまま反映された値となる。
前記未知試料RI算出部3は、前記ガスクロマトグラフ101により測定された未知試料Xの調整保持時間と、未知試料Xの調整保持時間が測定された温度が標準物質のRT算出関数に代入されることにより算出される前記標準物質Pの調整保持時間とに基づいて、実測された未知試料Xのリテンションインデックス(Retention Index)を算出するものである。より具体的には、前記未知試料RI算出部3は、前記未知試料Xの調整保持時間が測定された恒温分析温度Tを前記標準物質RT算出部22へと入力し、その温度での標準物質Pの調整保持時間を取得するようにしてある。そして、式9のリテンションインデックスの定義に基づいて、実測された未知試料Xのリテンションインデックスを算出するものであり、その値を前記受付部4と入力するようにしてある。
ここで、ITX(X):未知試料Xの恒温分析温度Tにおけるリテンションインデックス、t’TX(X):未知試料Xの恒温分析温度Tにおける調整保持時間、t’T(P):炭素数Zのアルカンの恒温分析温度Tにおける調整保持時間、t’TX(PZ+1):炭素数Z+1のアルカンの恒温分析温度Tにおける調整保持時間、Z:アルカンの炭素数である。
前記受付部4は、前記未知試料Xについてリテンションインデックスが実測された際の所定温度条件と、未知試料Xについて前記所定温度条件を用いたガスクロマトグラフ分析により実測されたリテンションインデックスに関連する値を受け付けるものである。本実施形態では、所定温度条件とはガスクロマトグラフ101で未知試料Xを恒温分析した際の恒温分析温度Tであり、未知試料Xのリテンションインデックスについては前記未知試料RI算出部3で算出された値を受け付けるようにしてある。前記リテンションインデックスについては、例えば関連する値である調整保持時間等を受けつけるようにしても構わない。また、図2では明示していないが、未知試料Xがガスクロマトグラフ分析された際に使用された固定相の種類についても前記受付部4は受け付けており、後述する検索部9は同じ固定相を用いて測定された登録物質Gのデータを用いて未知試料Xの定性を行うようにしてある。
前記既知RIデータ記憶部6は、例えばNIST等で収集された化学物質ごとのリテンションインデックスを多数収録したライブラリであって、登録物質Gごとに固有の識別子と、前記識別子の示す登録物質Gについて複数の異なる温度においてガスクロマトグラフ分析により実測されたリテンションインデックスと、が対になった既知RIデータを複数記憶するものである。言い換えると、前記既知RIデータ記憶部6は、図6に示すような前記識別子として登録物質Gの化学式や名称とともに、測定された温度とともにリテンションインデックスを1組にして記憶している。なお、この既知RIデータ記憶部6に1つの登録物質Gに対して、1つの測定温度でのリテンションインデックスしか記憶されていない場合もあるが、そのような登録物質Gについては、リテンションインデックスの変換には用いられない。
前記既知RIデータ変換部7は、前記既知RIデータ記憶部6に記憶されている既知RIデータのうちリテンションインデックスを前記受付部4が受け付けた恒温分析温度Tでのリテンションインデックスへと変換するように構成してある。より詳細には、前記既知RIデータ変換部7は、前記既知RIデータ記憶部6に記憶されている登録物質Gのリテンションインデックスからその測定された既知温度での調整保持時間を算出する既知温度RT変換部71と、前記既知温度RT変換部71で算出された既知温度での調整保持時間から恒温分析時の調整保持時間を算出する恒温分析温度RT算出部72と、前記恒温分析時の調整保持時間から、恒温分析温度Tでのリテンションインデックスを算出するRI算出部73とから構成してある。
前記既知温度RT変換部71は、前記既知RIデータ記憶部6から、1つの識別子の示す登録物質Gに対して、2つの異なる温度である第1温度Tと第2温度T2でのリテンションインデックスを取得するとともに、前記標準物質RT算出部22から、2つの標準物質Pの前記第1温度Tでの調整保持時間と、2つの標準物質Pの前記第2温度T2での調整保持時間を取得するように構成してある。ここで、これらの標準物質Pの第1温度T、第2温度Tにおける調整保持時間は、前記RT算出関数同定部26において各炭素数Zのアルカンについて同定されたRT算出関数に第1温度T、第2温度Tを代入することで、前記標準物質RT算出部22が算出するように構成してある。そして、前記既知温度RT変換部71は、取得した値に基づいて式10、式11により、前記登録物質Gの恒温分析温度Tにおける調整保持時間を算出するように構成してある。なお、前記第1温度T、第2温度Tは、登録物質Gごとに異なる値であってもよい。
ここで、IT1(G)、IT2(G):登録物質Gの既知温度T、Tにおけるリテンションインデックス、t’T1(G)、t’T2(G):登録物質Gの既知温度T1、T2における調整保持時間、t’T1(P)、t’T2(P):炭素数Zのアルカンの既知温度T、Tにおける調整保持時間、t’T1(PZ+1)、t’T2(PZ+1):炭素数Z+1のアルカンの既知温度T1、T2における調整保持時間、Z:炭素数である。なお、炭素数Zはガウス記号[ ]を用いて表すと、式10、11の上式ではZ=[IT1(G)]、下式ではZ=[IT2(G)]で選択される整数。
この式10、式11から、登録物質Gの既知温度での調整保持時間が算出されることになる。ここで、登録物質Gの既知温度T1、T2における調整保持時間、t’T1(G)、t’T2(G)については、温度以外のカラム入口圧力(線速度)等の実験条件は、アルカンの既知温度T、Tにおける調整保持時間を測定したときの線速度で測定した値に対応するものとなっている。
前記恒温分析温度RT算出部72は、前記第1温度Tと前記第2温度Tの逆数と、これらに対応する前記登録物質Gの調整保持時間の対数との間の線形関係に基づいて、前記恒温分析温度Tにおける前記登録物質Gの調整保持時間を算出するように構成してある。すなわち、前記恒温分析温度RT算出部72は、式12により登録物質Gの恒温分析温度Tにおける調整保持時間を算出するものである。
ここで、TX:恒温分析温度、t’TX(G):登録物質Gの恒温分析温度Tにおける調整保持時間である。前述したようにt’T1(G)、t’T2(G)のカラム入口圧力(線速度)等の実験条件は、アルカンの調整保持時間を測定したときのものに対応しており、このt’TX(G)も同様にアルカンの調整保持時間を測定したときのものに変換されていることになる。より厳密には、初期設定において測定したアルカンの調整保持時間を測定したときのボイドタイムがそのまま反映されている。従って、未知試料Xについて測定された調整保持時間とは、カラム入口圧力(線速度)等の実験条件が異なっている可能性があるため、この値をそのまま比較に使うことはできない。
前記RI算出部73は、前記恒温分析温度RT算出部72で算出される登録物質Gの恒温分析温度Tにおける調整保持時間と、前記標準物質RT算出部22で算出される標準物質Pの恒温分析温度Tにおける調整保持時間と、に基づいて登録物質Gの恒温分析温度Tにおけるリテンションインデックスを式13により算出し、その値と前記識別子を対にして前記変換後RIデータ記憶部8に出力するものである。
ここで、IT(G):登録物質Gの恒温分析温度Tにおけるリテンションインデックス、Z:炭素数は、t’T(P)<t’T(G)<t’T(PZ+1)の関係を満たす炭素数が選択される。
前記変換後RIデータ記憶部8は、図7に示すように前記既知RIデータ変換部7により変換された所定温度条件における前記登録物質Gのリテンションインデックスと、対応する前記識別子とが対になった変換後RIデータを記憶する。この変換後RIデータ記憶部8は、前記既知RIデータ記憶部6とは異なり、1つの登録物質Gに対して恒温分析温度Tにおけるリテンションインデックスを1つだけ記憶していることになる。
前記検索部9は、前記変換後RIデータ記憶部8に記憶されている前記変換後RIデータの中から、前記受付部4で受け付けた前記所定温度条件における前記未知試料Xのリテンションインデックスの値と一致又は略等しいリテンションインデックスを含むものを抽出し、抽出されたリテンションインデックスに対応する識別子を出力するものである。
このように構成されたガスクロマトグラフ用データ処理装置100の初期設定以外の動作について図8のフローチャートに基づいて説明する。
まずガスクロマトグラフ101により測定された恒温分析温度Tで未知試料Xの調整保持時間の測定を行う(ステップS1)。前記未知試料RI算出部3が、測定された未知試料Xの調整保持時間と、前記標準物質RT算出部22において初期設定により同定されたRT算出関数に恒温分析温度Tを代入することで算出された標準物質Pの調整保持時間とから未知試料Xのリテンションインデックスを算出する(ステップS2)。
その後、前記受付部4において、測定に用いられた恒温分析温度Tと、算出された未知試料Xのリテンションインデックスが受け付けられ(ステップS3)、このことにより前記既知RIデータ変換部7が登録物質Gの既知のリテンションインデックスから恒温分析温度Tでのリテンションインデックスへと変換を開始する(ステップS4)。
まず、前記既知RIデータ記憶部6に記憶されている識別子がG1の登録物質Gについて、前記既知温度RT変換部71により、標準物質Pの調整保持時間と第1温度Tと第2温度Tで過去に測定されたリテンションインデックスから、登録物質Gの第1温度T、第2温度Tでの調整保持時間へと変換される(ステップS5)。
次に、前記恒温分析温度RT算出部72において、登録物質Gの第1温度T、第2温度Tでの調整保持時間について、線形性を利用した演算により登録物質Gの恒温分析温度Tにおける調整保持時間が算出される(ステップS6)。
最後に、前記RI算出部73において、恒温分析温度Tにおける登録物質Gの調整保持時間と、標準物質Pの調整保持時間とから、恒温分析温度Tにおける登録物質Gのリテンションインデックスを算出し(ステップS7)、変換されたリテンションインデックスを前記識別子Gとともに、前記変換後RIデータ記憶部8に記憶させる(ステップS8)。このリテンションインデックスの変換動作ステップS5〜S8をnが最大値になるまで行い、前記既知RIデータ記憶部6に記憶されている全ての登録物質について恒温分析温度Tでのリテンションインデックスへと変換し、新たな検索集合が作成される(ステップS9)。
その後、前記検索部9により前記変換後RIデータ記憶部8内を未知試料Xのリテンションインデックスで検索を行い(ステップS10)、変換後のリテンションインデックスで近い値又は一致する値とともに記憶されていた識別子Gを出力する(ステップS11)。
このようにして、ガスクロマトグラフ101だけで、未知試料Xが何であるかを同定することかができる。つまり、本実施形態は、本願発明者が見出した複数の異なる温度におけるリテンションインデックスがあれば、それらのリテンションインデックスが実測された温度条件以外の条件である所定温度条件でのリテンションインデックスへと変換できることを利用してガスクロマトグラフ分析のみで未知試料Xの同定を可能としている。
さらに、本実施形態ではリテンションインデックスの変換のために各温度におけるアルカンの調整保持時間を算出する際に用いられるRT算出関数を同定する際に、サンプル温度が異なっていてもボイドタイムは一致するようにカラム入口圧力を設定してあるので、RT算出関数の同定を高精度に行うことができる。
従って、高精度のRT算出関数から算出されるアルカンの調整保持時間を用いて既知のリテンションインデックスから所望のリテンションインデックスへと変換するので、算出されたリテンションインデックスについても同じ条件で実測されるリテンションインデックスに対する誤差を小さくすることができる。このことから、未知試料Xを好適に定性することが可能となる。
第2実施形態について説明する。
第1実施形態では、カラム入口圧力設定部23は図4に示すようなボイドタイムが一定値になる温度と圧力の組み合わせを示す温度−圧力特性式を予め実験により作成しておくことにより、各サンプル温度T、Tに対応するカラム入口圧力P、Pを出力できるように構成していたが、第2実施形態では、図5における左側のグラフに示されるような圧力−ボイドタイム特性式のみを作成している。
すなわち、第2実施形態では、第2サンプル温度Tについては予め固定された温度となっており、各カラム入口圧力におけるボイドタイムを測定して第2サンプル温度Tにおける圧力−ボイドタイム特性式を作成してある。そして、カラム入口圧力設定部23は、第1サンプル温度T及び任意のカラム入口圧力で測定されたボイドタイムを受け付けて、第2サンプル温度Tの圧力−ボイドタイム特性式においてそのボイドタイムを満たすカラム入口圧力Pを探し、出力するようにしてある。
このようなものであっても、各サンプル温度T、Tにおけるボイドタイムを一致させることができるので、第1実施形態と同様に標準物質PのRT算出関数を高精度に同定する事が可能である。
その他の実施形態について説明する。
前記実施形態では、対象物質として登録物質のリテンションインデックスを変換することを行っていたが、対象物質を未知試料としてリテンションインデックスを変換しても構わない。例えば、未知試料についてそれぞれ温度の異なるリテンションインデックスを測定し、データベースで最も登録数の多い温度のリテンションインデックスに変換する等しても構わない。
前記所定温度条件は恒温分析温度だけに限られず、例えば、昇温分析条件における初期温度や昇温速度であっても構わない。すなわち、2つの異なる恒温分析温度で測定された2つのリテンションインデックスから所定の昇温分析条件におけるリテンションインデックスへと変換する事も可能である。
例えばRI変換部が、昇温分析条件におけるアルカンの調整保持時間と、昇温分析条件における登録物質の調整保持時間を既知の値から算出することで、昇温分析条件における登録物質のリテンションインデックスを算出するものであればよい。
より具体的な昇温分析条件におけるアルカンの保持時間を算出方法について説明する。ある温度におけるアルカンの保持時間をt(P)、カラム長さをLとするとL/t(P)はある温度におけるアルカンがカラム内を進む速さとなる。昇温条件Tにおけるガスクロマトグラフにおける溶出開始からカラム出口に到達するまでにかかる時間である保持時間tTU(P)で、L/t(P)を積分するとカラム13長さLと等しくなることから以下の式14が成り立つ。
ここで、式14は例えば、積分区間の上限を変化させていき、左辺と右辺が略等しくなる保持時間tTU(P)を探すような数値計算を行うことで算出できる。ここで、被積分関数のa(P)、b(P)は、炭素数Zのアルカンの第1実施形態における式8のRT算出関数の傾きa、切片bである。従って、この定数の同定について第1実施形態と同様にボイドタイムを揃えた条件でサンプルされた保持時間に基づいて同定しておくことにより、被積分関数を実際の関数と略同じものとすることができる。そして、昇温分析条件におけるアルカンの変換後の保持時間についても同様に精度を高めることができる。
また、同様の手法により登録物質の昇温分析条件における保持時間は式15により算出される。
ここで、tTU(G)は昇温条件Tにおけるガスクロマトグラフにおける溶出開始からカラム出口に到達するまでにかかる時間である保持時間である。また、a(G)、b(G)は、登録物質GのRT算出関数の傾きa、切片bである。
さらに、これらの算出された昇温分析条件における登録物質と標準物質の保持時間から式16により昇温分析条件におけるリテンションインデックスを算出することができる。
このように、昇温分析条件における保持時間を算出する場合、上述したような積分演算中において温度変化時の全ての温度における標準物質又は登録物質の調整保持時間が必要となる。より具体的には、式14、式15について数値計算により昇温分析条件Tでの保持時間を算出する場合、0からtTUまでの積分区間を微小単位時間により多数の区間に分割して、それぞれの区間ごとの値を算出することになる。つまり、各区間に対応する温度での標準物質又は登録物質の調整保持時間に微小単位時間を乗じることで数値積分を行うので、各区間における調整保持時間を算出するためのRT算出関数が必要となる。従って、本発明の手法により同定されたRT算出関数を用いることよって、各区間における演算の精度を高めることができ、より高精度に昇温分析時のリテンションインデックスへと変換することができるようになる。
加えて、昇温分析条件における調整保持時間を高精度に実測する場合、温度変化が生じたとしても常に線速度やボイドタイムを変化させないようにして測定を行う必要がある。このような時間経過とともにカラムオーブン温度を上昇させていく昇温分析条件における実測時には、第1実施形態や図4に示した温度−圧力特性式を参照して、各時刻におけるカラムオーブン温度に対応するカラム入口圧力に変化させていけばよい。すなわち、図4に示されるような温度−圧力特性式の直線上をカラムオーブン温度とカラム入口温度を変化させていけば、常に線速度やボイドタイムを一定に保つことができ、精度よく調整保持時間を測定できる。
さらに、前記各実施形態においては既知のリテンションインデックスから未知のリテンションインデックスを算出するための過程において用いられる調整保持時間の算出のために本発明を適用していたが、調整保持時間と温度との関係を示すRT算出関数を同定するためだけに本発明を適用しても構わない。
すなわち、サンプルRT記憶部とRT算出関数同定部とからのみ構成されており、異なる温度で測定された少なくとも2つの調整保持時間においてボイドタイムが同じになるように条件が設定されて測定されたものであり、それらの調整保持時間を使ってRT算出関数同定部がRT算出関数を同定するものであってもよい。また、各測定条件においてボイドタイムが同じ値となるように温度及び圧力が設定されているならば、3組以上の温度と調整保持時間のデータによりRT算出関数を同定しても構わない。この場合、サンプリング点数が多くなるほど、調整保持時間の測定誤差等の影響を減らすことができ、より高精度な同定が可能となる。
また、前記各実施形態においては、カラムオーブン温度の変化に対して、ボイドタイムを一定に保つのに必要なカラム入口圧力を算出し、その圧力へと変化させるように構成していたが、ボイドタイムを一定に保つことができるのであれば、温度変化に応じて変化させるパラメータは圧力以外のパラメータであっても構わない。なお、前記実施形態ではガスクロマトグラフ用データ処理装置として本発明を適用していたが、液クロマトグラフ用データ処理装置に本発明を適用しても構わない。
その他、本発明の趣旨に反しない限りにおいて様々な変形や実施形態の組み合わせを行っても構わない。
100・・・ガスクロマトグラフ用データ処理装置
22 ・・・標準物質RT算出部
23 ・・・カラム入口圧力設定部
24 ・・・RTサンプル部
25 ・・・サンプルRT記憶部
26 ・・・RT算出関数同定部
4 ・・・受付部
6 ・・・既知RIデータ記憶部
7 ・・・既知RIデータ変換部
71 ・・・既知温度RT変換部
72 ・・・恒温分析温度RT算出部
73 ・・・RI算出部
8 ・・・変換後RIデータ記憶部
9 ・・・検索部

Claims (11)

  1. 対象物質について第1サンプル温度で測定された第1調整保持時間と、第2サンプル温度で測定された測定された第2調整保持時間とを少なくとも記憶するサンプルRT記憶部と、
    前記サンプルRT記憶部に記憶されている第1サンプル温度、第1調整保持時間、第2サンプル温度、第2調整保持時間に基づいて対象物質の調整保持時間と温度との間の関係式であるRT算出関数を同定するRT算出関数同定部と、
    少なくとも第2サンプル温度を受け付けて、第2サンプル温度におけるカラムに保持されない物質の保持時間であるボイドタイムが、第1サンプル温度におけるボイドタイムと略等しくなる第2カラム入口圧力を出力するカラム入口圧力設定部とを備え、
    前記サンプルRT記憶部において記憶されている第2調整保持時間が前記カラム入口圧力設定部から出力された第2カラム入口圧力において測定されたものであることを特徴とするガスクロマトグラフ用データ処理装置。
  2. 前記カラム入口圧力設定部が、第1サンプル温度をさらに受け付けるとともに、ボイドタイムが所定値となるカラムオーブン温度及びカラム入口圧力の組み合わせを示す関係式である温度−圧力特性式に基づいて、第1サンプル温度及び第2サンプル温度のそれぞれに対応する第1カラム入口圧力及び第2カラム入口圧力を出力するように構成されており、
    前記サンプルRT記憶部において記憶されている第1調整保持時間が前記カラム入口圧力設定部から出力された第1カラム入口圧力において測定されたものである請求項1記載のガスクロマトグラフ用データ処理装置。
  3. 前記温度−圧力特性式が、カラムオーブン温度とカラム入口圧力の一次式である請求項2記載のガスクロマトグラフ用データ処理装置。
  4. 前記カラム入口圧力設定部が、第1サンプル温度において測定されたボイドタイムである設定ボイドタイムをさらに受け付けるとともに、第2サンプル温度におけるカラム入口圧力とボイドタイムの関係式である圧力−ボイドタイム特性式に基づいて、設定ボイドタイムに対応する第2カラム入口圧力を出力するように構成されている請求項1記載のガスクロマトグラフ用データ処理装置。
  5. RT算出関数同定部が、調整保持時間の対数が温度の逆数の一次式として記述される前記RT算出関数の傾きと切片を第1サンプル温度、第1調整保持時間、第2サンプル温度、第2調整保持時間に基づいて同定するように構成されている請求項1乃至4いずれかに記載のガスクロマトグラフ用データ処理装置。
  6. 前記RT算出関数同定部において同定されたRT算出関数及び受け付けられた任意の入力温度に基づいて、任意の入力温度における対象物質である標準物質の調整保持時間を算出する調整RT算出部と、
    登録物質について複数の互いの異なる温度において測定された複数のリテンションインデックスと、標準物質の前記RT算出関数とに基づいて、登録物質の所定温度条件におけるリテンションインデックスを算出するように構成された既知RIデータ変換部をさらに備えた請求項1乃至5いずれかに記載のガスクロマトグラフ用データ処理装置。
  7. 前記既知RI変換部が、前記対象物質として予め登録されている登録物質の既知のリテンションインデックスと、標準物質の前記RT算出関数とに基づいて前記所定温度条件における登録物質のリテンションインデックスを算出するように構成されており、
    複数の登録物質ごとにその登録物質に固有の識別子が関連づけられた、複数の互いに異なる温度ごとのリテンションインデックスを示す既知RIデータを記憶する既知RIデータ記憶部と、
    前記既知RIデータ変換部によって変換された少なくとも一部の登録物質のリテンションインデックスを、対応する固有の識別子を関連付けた変換後RIデータを記憶する変換後RIデータ記憶部と、
    前記所定温度条件と、未知試料について前記所定温度条件を用いたガスクロマトグラフ分析により実測されたリテンションインデックスに関連する値を受け付ける受付部と、
    前記変換後RIデータ記憶部に記憶されている前記変換後RIデータの中から、前記受付部で受け付けた前記所定温度条件における前記未知試料のリテンションインデックスの値と一致又は略等しいリテンションインデックスを含むものを抽出し、抽出されたリテンションインデックスに対応する識別子を出力する検索部と、を更に備えた請求項6に記載のガスクロマトグラフ用データ処理装置。
  8. 前記所定温度条件が、ガスクロマトグラフ分析が恒温分析で行われる際に適宜設定される恒温分析温度を含むものであり、
    前記既知RIデータ変換部が、2つの異なる温度である第1温度と第2温度における前記登録物質のリテンションインデックスと、前記RT算出関数に基づいて算出される前記第1温度と第2温度と恒温分析温度における標準物質の調整保持時間とに基づいて、前記恒温分析温度における前記登録物質のリテンションインデックスへと変換するよう構成された請求項7記載のガスクロマトグラフ用データ処理装置。
  9. 対象物質について第1サンプル温度で測定された第1調整保持時間と、第2サンプル温度で測定された測定された第2調整保持時間とを少なくとも記憶するサンプルRT記憶部と、
    前記サンプルRT記憶部に記憶されている第1サンプル温度、第1調整保持時間、第2サンプル温度、第2調整保持時間に基づいて対象物質の調整保持時間と温度との間の関係式であるRT算出関数を同定するRT算出関数同定部と、
    少なくとも第2サンプル温度を受け付けて、第2サンプル温度におけるカラムに保持されない物質である非保持物質の保持時間であるボイドタイムが、第1サンプル温度におけるボイドタイムと略等しくなる第2カラム入口圧力を出力するカラム入口圧力設定部とを備え、
    前記サンプルRT記憶部において記憶されている第2調整保持時間が前記カラム入口圧力設定部から出力された第2カラム入口圧力において測定されたものであることを特徴とするガスクロマトグラフ用データ処理装置プログラム。
  10. 対象物質について第1サンプル温度で測定された第1調整保持時間と、第2サンプル温度で測定された測定された第2調整保持時間とを少なくとも記憶するサンプルRT記憶ステップと、
    前記サンプルRT記憶部に記憶されている第1サンプル温度、第1調整保持時間、第2サンプル温度、第2調整保持時間に基づいて対象物質の調整保持時間と温度との間の関係式であるRT算出関数を同定するRT算出関数同定ステップと、
    少なくとも第2サンプル温度を受け付けて、第2サンプル温度におけるカラムに保持されない物質である非保持物質の保持時間であるボイドタイムが、第1サンプル温度におけるボイドタイムと略等しくなる第2カラム入口圧力を出力するカラム入口圧力設定ステップとを備え、
    前記サンプルRT記憶ステップにおいて記憶されている第2調整保持時間が前記カラム入口圧力設定部から出力された第2カラム入口圧力において測定されたものであることを特徴とするガスクロマトグラフ用データ処理方法。
  11. 対象物質について第1サンプル温度で測定された第1調整保持時間と、第2サンプル温度で測定された第2調整保持時間とを少なくとも記憶するサンプルRT記憶部と、
    前記サンプルRT記憶部に記憶されている第1サンプル温度、第1調整保持時間、第2サンプル温度、第2調整保持時間に基づいて対象物質の調整保持時間と温度との関係式であるRT算出関数を同定するRT算出関数同定部とを備え、
    カラムに保持されない物質の保持時間であるボイドタイムが前記第1サンプル温度及び第2サンプル温度においてそれぞれ略等しくなるようにして、前記第1調整保持時間及び第2調整保持時間が測定されことを特徴とするガスクロマトグラフ用データ処理装置。
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