JP2014047282A - 筆記具用水性インキ組成物及びそれを内蔵した筆記具 - Google Patents

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Abstract

【課題】添加剤としての安全性が高く、長期経時後も十分な効果を発現することができる防腐剤を用いることで、長期間安定した筆跡形成が可能な、より実用性の高い筆記具用水性インキ組成物とそれを内蔵した筆記具を提供する。
【解決手段】着色剤と、水と、1,4−ビス(3,3′−(1−デシルピリジニウム)メチルオキシ)ブタンジブロマイドを含んでなる筆記具用水性インキ組成物。前記筆記具用水性インキ組成物を内蔵してなる筆記具。
【選択図】なし

Description

本発明は筆記具用水性インキ組成物に関する。更には、長期経時後も安定した筆跡を形成できる筆記具用水性インキ組成物とそれを内蔵した筆記具に関する。
従来、水性インキ組成物においては、高温多湿状態等、保管状態によってインキやペン先等にカビが発生して筆記不良を生じることがあるため、インキ中に防腐剤が添加されている(例えば、特許文献1参照)。特に、マーキングペン等の児童が使用しやすい筆記具に適用する場合には、より安全性の高い防腐剤が求められるため、デヒドロ酢酸ナトリウムやソルビン酸カリウム等が適用されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2007−177084号公報 特開平6−322309号公報
前記デヒドロ酢酸ナトリウムやソルビン酸カリウムは食品添加物の保存料として規定されているため、防腐剤としての安全性は高いものであるが、筆記具インキ用添加剤としては効果が十分に得られるものではないため、特に筆記具形態での長期経時によっては筆記不良を生じることがある。
本発明は、安全性が高く、長期経時後も十分な効果を発現することができる防腐剤を用いることで、長期間安定した筆跡形成が可能な、より実用性の高い筆記具用水性インキ組成物とそれを内蔵した筆記具を提供するものである。
本発明の筆記具用水性インキ組成物は、着色剤と、水と、1,4−ビス(3,3′−(1−デシルピリジニウム)メチルオキシ)ブタンジブロマイドを含んでなることを要件とする。
更に、前記着色剤が平均粒子径0.1〜5μmの範囲にある顔料を含んでなることを要件とする。
更には、前記筆記具用水性インキ組成物を内蔵してなる筆記具を要件とし、前記筆記具がマーキングペン形態であることを要件とする。
本発明の筆記具用水性インキ組成物は、安全性が高い前記化合物を配合することにより、経時によるカビの発生を抑制できるため、筆記具形態での長期経時後も筆記不良を生じることなく良好な筆跡を継続して形成できる、より実用性の高い筆記具用水性インキ組成物とそれを内蔵した筆記具となる。
前記1,4−ビス(3,3′−(1−デシルピリジニウム)メチルオキシ)ブタンジブロマイドは、除菌剤として使用可能なジェミニ型ピリジニウムカチオンであり、水性インキ媒体中でカビの発生を効果的に抑制することができる化合物である。
また、顔料成分等、比較的大きな着色剤を用いた場合には、分散状態で保持する能力を発現するため、振動や長期経時による顔料凝集を抑制できるものである。
前記1,4−ビス(3,3′−(1−デシルピリジニウム)メチルオキシ)ブタンジブロマイドは、インキ組成物全量中0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜2重量%の範囲で添加することができる。
0.05重量%未満では防腐剤としての効果を得ることは困難であり、また、5重量%を越えて配合しても更なる効果は得られないので、これ以上の添加を要しない。
前記着色剤としては、水性系媒体に溶解もしくは分散可能な染料及び顔料がすべて使用可能であり、その具体例を以下に例示する。
前記染料としては、酸性染料、塩基性染料、直接染料等を使用することができる。
酸性染料としては、ニューコクシン(C.I.16255)、タートラジン(C.I.19140)、アシッドブルーブラック10B(C.I.20470)、ギニアグリーン(C.I.42085)、ブリリアントブルーFCF(C.I.42090)、アシッドバイオレット6B(C.I.42640)、ソルブルブルー(C.I.42755)、ナフタレングリーン(C.I.44025)、エオシン(C.I.45380)、フロキシン(C.I.45410)、エリスロシン(C.I.45430)、ニグロシン(C.I.50420)、アシッドフラビン(C.I.56205)等が用いられる。
塩基性染料としては、クリソイジン(C.I.11270)、メチルバイオレットFN(C.I.42535)、クリスタルバイオレット(C.I.42555)、マラカイトグリーン(C.I.42000)、ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、ローダミンB(C.I.45170)、アクリジンオレンジNS(C.I.46005)、メチレンブルーB(C.I.52015)等が用いられる。
直接染料としては、コンゴーレッド(C.I.22120)、ダイレクトスカイブルー5B(C.I.24400)、バイオレットBB(C.I.27905)、ダイレクトディープブラックEX(C.I.30235)、カヤラスブラックGコンク(C.I.35225)、ダイレクトファストブラックG(C.I.35255)、フタロシアニンブルー(C.I.74180)等が用いられる。
前記顔料としては、カーボンブラック、群青などの無機顔料や銅フタロシアニンブルー、ベンジジンイエロー等の有機顔料の他、予め界面活性剤や樹脂を用いて微細に安定的に水媒体中に分散された水分散顔料製品等が用いられ、例えば、C.I.Pigment Blue 15:3B〔品名:Sandye Super Blue GLL、顔料分24%、山陽色素株式会社製〕、C.I. Pigment Red 146〔品名:Sandye Super Pink FBL、顔料分21.5%、山陽色素株式会社製〕、C.I.Pigment Yellow 81〔品名:TC Yellow FG、顔料分約30%、大日精化工業株式会社製〕、C.I.Pigment Red 220/166〔品名:TC Red FG、顔料分約35%、大日精化工業株式会社製〕等を挙げることができる。
尚、前記顔料を分散する樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、アクリル酸樹脂、マレイン酸樹脂、アラビアゴム、セルロース、デキストラン、カゼイン等、およびそれらの誘導体、前記した樹脂の共重合体等が挙げられる。
蛍光顔料としては、各種蛍光性染料を樹脂マトリックス中に固溶体化した合成樹脂微細粒子状の蛍光顔料が使用できる。
また、酸化チタン等の白色顔料、アルミニウム等の金属粉、天然雲母、合成雲母、アルミナ、ガラス片から選ばれる芯物質の表面を二酸化チタン等の金属酸化物で被覆したパール顔料、コレステリック液晶型光輝性顔料等を使用することもできる。
更に、熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(加熱消色型顔料)や、熱変色性組成物と共に、染料や顔料を内包したマイクロカプセル顔料等の熱変色性顔料を使用することもできる。
前記熱変色性組成物としては、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体からなる可逆熱変色性組成物が好適であり、マイクロカプセルに内包させて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料として適用される。
前記可逆熱変色性組成物としては、特公昭51−44706号公報、特公昭51−44707号公報、特公平1−29398号公報等に記載された、所定の温度(変色点)を境としてその前後で変色し、高温側変色点以上の温度域で消色状態、低温側変色点以下の温度域で発色状態を呈し、前記両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在せず、もう一方の状態は、その状態が発現するのに要した熱又は冷熱が適用されている間は維持されるが、前記熱又は冷熱の適用がなくなれば常温域で呈する状態に戻る、ヒステリシス幅が比較的小さい特性(ΔH=1〜7℃)を有する可逆熱変色性組成物をマイクロカプセル中に内包させた加熱消色型のマイクロカプセル顔料が適用できる。
更に、特公平4−17154号公報、特開平7−179777号公報、特開平7−33997号公報、特開平8−39936号公報等に記載されている大きなヒステリシス特性(ΔH=8〜50℃)を示す、即ち、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から上昇させていく場合と逆に変色温度域より高温側から下降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色し、完全発色温度以下の低温域での発色状態、又は完全消色温度以上の高温域での消色状態が、特定温度域で色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物をマイクロカプセル中に内包させた加熱消色型のマイクロカプセル顔料も適用できる。
尚、前記色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物として具体的には、完全発色温度を冷凍室、寒冷地等でしか得られない温度、即ち−50〜0℃、好ましくは−40〜−5℃、より好ましくは−30〜−10℃、且つ、完全消色温度を摩擦体による摩擦熱、ヘアドライヤー等身近な加熱体から得られる温度、即ち50〜95℃、好ましくは50〜90℃、より好ましくは60〜80℃の範囲に特定し、ΔH値を40〜100℃に特定することにより、常態(日常の生活温度域)で呈する色彩の保持に有効に機能させることができる。
特に、前記顔料として、平均粒子径が0.1μm以上のもの(レーザー回析法、体積基準による)を用いた場合、顔料粒径が大きいために水性インキ中で凝集を生じ易いものであり、特に従来の安全性が高い防腐剤を用いた場合には凝集を促進することがあった。これに対して1,4−ビス(3,3′−(1−デシルピリジニウム)メチルオキシ)ブタンジブロマイドは、水性インキ中で顔料分散効果を発現するため、着色剤として前記顔料を用いた際の使用がより有用なものとなる。
尚、前記顔料の平均粒子径の上限としては、5μm以下、好ましくは4μm以下とすることが筆記具形態でのインキ吐出性の面から有効である。
前記着色剤は一種又は二種以上を適宜混合して使用することができ、インキ組成物中1〜30重量%、好ましくは2〜25重量%の範囲で用いられる。
前述の比較的大きな顔料を用いる場合等、必要に応じて水性インキ中には水溶性の高分子凝集剤を添加することができる。
前記高分子凝集剤は、顔料粒子間のゆるい橋かけ作用を生じさせ、ゆるい凝集状態となる。このようなゆるい凝集状態となることで、インキ中における顔料の分離を効果的に抑制できる。特に、本発明で用いられる1,4−ビス(3,3′−(1−デシルピリジニウム)メチルオキシ)ブタンジブロマイドと併用することで、前記凝集状態を長期に亘って効果的に発現することができる。
前記高分子凝集剤としては水溶性高分子が用いられ、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、水溶性多糖類等が挙げられる。
前記水溶性多糖類としてはトラガントガム、グアーガム、プルラン、サイクロデキストリン、水溶性セルロース誘導体等が挙げられ、水溶性セルロース誘導体の具体例としてはメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。
尚、前記高分子凝集剤は二種以上を併用することもできる。
更に、前記高分子凝集剤とともに、側鎖にカルボキシル基を有する櫛型高分子分散剤や有機窒素硫黄化合物を併用することにより、前記高分子凝集剤による前述のゆるい凝集体(顔料)の分散性を更に向上させることができる。特に、櫛型高分子分散剤と有機窒素硫黄化合物の両方を添加することで、激しい振動等によっても顔料の沈降を生じることなく安定なインキ状態を維持できる。
前記側鎖にカルボキシル基を有する櫛型高分子分散剤としては、側鎖に複数のカルボキシル基を有する櫛型高分子化合物であれば特に限定されるものではないが、側鎖に複数のカルボキシル基を有するアクリル高分子化合物が好適であり、前記化合物として日本ルーブリゾール社製の商品名:ソルスパース43000を例示できる。
前記有機窒素硫黄化合物としては、チアゾール系化合物、イソチアゾール系化合物、ベンゾチアゾール系化合物、ベンゾイソチアゾール系化合物から選ばれる化合物が用いられる。前記化合物として具体的には、2−(4−チアゾイル)−ベンズイミダゾール(TBZ)、2−(チオシアネートメチルチオ)−1,3−ベンゾチアゾール(TCMTB)、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンから選ばれる一種又は二種以上の化合物が用いられ、好ましくは2−(4−チアゾイル)−ベンズイミダゾール(TBZ)、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンから選ばれる一種又は二種以上の化合物が用いられる。
尚、前記側鎖にカルボキシル基を有する櫛型高分子分散剤と、有機窒素硫黄化合物を併用する際の質量比率は、1:1〜1:10、好ましくは1:1〜1:5であり、前記範囲を満たすことにより、比較的大粒径の顔料のゆるい凝集体の分散性、及び、振動による顔料の沈降抑制を十分に発現させることができる。
更に、水溶性樹脂を添加することができる。
前記水溶性樹脂は、紙面への固着性や粘性を付与するために添加するものであるが、前述の櫛型高分子分散剤や有機窒素硫黄化合物のインキ中での安定性を高める機能も有している。
前記水溶性樹脂としては、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキストリン等が挙げられ、好ましくはポリビニルアルコールが用いられる。
更に、前記ポリビニルアルコールは、けん化度が70〜89モル%の部分けん化度型ポリビニルアルコールがインキが酸性域でも可溶性に富むため、より好適に用いられる。
前記水溶性樹脂の添加量としては、インキ中に0.3〜3.0質量%、好ましくは0.5〜1.5質量%の範囲で添加される。
更には、水に相溶性のある従来汎用の水溶性有機溶剤を用いることができる。具体的には、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、スルフォラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
尚、前記水溶性有機溶剤は一種又は二種以上を併用して用いることができ、2〜60重量%、好ましくは5〜35重量%の範囲で用いられる。
その他、必要に応じて、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類、水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化合物等のpH調整剤、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、サポニン等の防錆剤、石炭酸、1、2−ベンズチアゾリン3−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等の汎用の防腐剤或いは防黴剤、尿素、ソルビット、マンニット、ショ糖、ぶどう糖、還元デンプン加水分解物、ピロリン酸ナトリウム等の湿潤剤、消泡剤、インキの浸透性を向上させるフッ素系界面活性剤やノニオン系界面活性剤を使用してもよい。
更に、潤滑剤を添加することができ、金属石鹸、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイド付加型カチオン活性剤、リン酸エステル系活性剤、N−アシルアミノ酸系界面活性剤、ジカルボン酸型界面活性剤、β−アラニン型界面活性剤、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールやその塩やオリゴマー、3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、チオカルバミン酸塩、ジメチルジチオカルバミン酸塩、α−リポ酸、N−アシル−L−グルタミン酸とL−リジンとの縮合物やその塩等が用いられる。
また、N−ビニル−2−ピロリドンのオリゴマー、N−ビニル−2−ピペリドンのオリゴマー、N−ビニル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、ε−カプロラクタム、N−ビニル−ε−カプロラクタムのオリゴマー等の増粘抑制剤を添加することで、出没式形態での機能を高めることもできる。
また、前記水性インキ組成物には、剪断減粘性付与剤を添加することもできる。
前記剪断減粘性付与剤としては、水に可溶乃至分散性の物質が効果的であり、キサンタンガム、ウェランガム、ゼータシーガム、ダイユータンガム、マクロホモプシスガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100乃至800万)、グアーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステルを主成分とする分子量10万〜15万の重合体、グルコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻より抽出されるゲル化能を有する炭水化物、ポリN−ビニル−カルボン酸アミド架橋物、ベンジリデンソルビトール及びベンジリデンキシリトール又はこれらの誘導体、架橋性アクリル酸重合体、無機質微粒子、HLB値が8〜12のノニオン系界面活性剤、ジアルキルスルホコハク酸の金属塩やアミン塩等を例示できる。更には、インキ組成物中にN−アルキル−2−ピロリドンとアニオン系界面活性剤を併用して添加してもよい。
前記剪断減粘性付与剤は、インキ組成物中0.1〜20重量%の範囲で用いることができる。
本発明の筆記具用水性インキ組成物は、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップ、ボールペンチップを筆記先端部に装着したマーキングペンやボールペンに充填される。尚、前記マーキングペンやボールペンは、ペン先を覆うキャップを備えたキャップ式の他、ノック式、回転式、スライド式等の出没機構を有し、軸筒内にペン先を収容可能な出没式であってもよい。
マーキングペンに充填する場合、マーキングペン自体の構造、形状は特に限定されるものではなく、例えば、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップ等のマーキングペン用ペン先(砲弾型、チゼル型、筆ペン型等)を筆記先端部に装着し、軸筒内部に収容した繊維束からなるインキ吸蔵体にインキを含浸させ、筆記先端部にインキを供給する構造、軸筒内部に直接インキを収容し、櫛溝状のインキ流量調節部材や繊維束からなるインキ流量調節部材を介在させて筆記先端部に所定量のインキを供給する構造、軸筒内部に直接インキを収容して、弁機構により筆記先端部に所定量のインキを供給する構造のマーキングペンが挙げられる。
また、ペン先を1本備えるものの他、太さや形状の異なるペン先を軸筒の両端に備えた両頭式形態であってもよい。尚、前記両頭式形態においては、一端をボールペンとしたものであってもよい。
ボールペンに充填する場合、ボールペン自体の構造、形状は特に限定されるものではなく、例えば、軸筒内部に収容した繊維束からなるインキ吸蔵体にインキを含浸させ、筆記先端部にインキを供給する構造、軸筒内部に直接インキを収容し、櫛溝状のインキ流量調節部材や繊維束からなるインキ流量調節部材を介在させる構造、軸筒内にインキ組成物を充填したインキ収容管を有し、該インキ収容管はボールを先端部に装着したチップに連通しており、さらにインキの端面には逆流防止用の液栓が密接している構造のボールペンが挙げられる。
実施例及び比較例のインキ組成を以下の表に示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、表中の組成の数値は重量部を示す。また、各平均粒子径は堀場製作所製レーザー式粒度分布測定機LA−300を使用し、そのメジアン径を平均粒子径とした。
Figure 2014047282
Figure 2014047282
表中の原料の内容について注番号に沿って説明する。
(1)シンロイヒ(株)製、商品名:SW−17ピンク(有効成分42%、平均粒子径0.5μm)
(2)(イ)成分として4−[2,6−ビス(2−エトキシフェニル)−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミン、(ロ)成分として、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン、(ハ)成分としてカプリン酸4−ベンジルオキシフェニルエチルからなる色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(予め−20℃以下に冷却してマイクロカプセル顔料を黄色に発色させたもの)。平均粒子径:2.5μm、完全消色温度:61℃、完全発色温度:−20℃、温度変化により黄色から無色に変色する。
(3)(イ)成分として1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン、(ロ)成分として4,4′−(2−エチルヘキサン−1、1−ジイル)ジフェノール、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン、(ハ)成分としてカプリン酸4−ベンジルオキシフェニルエチルからなる色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料(予め−20℃以下に冷却してマイクロカプセル顔料を黄色に発色させたもの)。平均粒子径:2.3μm、完全消色温度:60℃、完全発色温度:−20℃、温度変化により橙色から無色に変色する。
(4)冨士色素(株)製、商品名:フジSPブルー6455(固形分:27.5%、平均粒子径0.5μm)
(5)オリエント化学工業(株)製、商品名:ウォーターブラック100L(20%水溶液)
(6)日本ルーブリゾール(株)製、商品名:ソルスパース43000
(7)2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンの混合物、北興化学工業(株)製、商品名:ホクサイドR−150
(8)東レダウコーニング(株)製、商品名:FSアンチフォーム013A
(9)リン酸エステル系界面活性剤、第一工業製薬(株)製、商品名:プライサーフAL
(10)三晶(株)製、商品名:レオザン
マーキングペンインキの調製
前記実施例1乃至5及び比較例1乃至5の配合量で各原料を混合し、20℃で3時間撹拌溶解した後、濾過することによりマーキングペンインキ組成物を得た。
マーキングペンの作製
ポリエステルスライバーを合成樹脂フィルムで被覆したインキ吸蔵体内に前記マーキングペンインキ組成物を含浸させ、ポリプロピレン樹脂からなる軸筒内に収容し、ホルダーを介して軸筒先端部にポリエステル繊維の樹脂加工チップ(砲弾型)を接続状態に組み立て、キャップを装着することでマーキングペンを得た。
ボールペンインキの調製
前記実施例6乃至8及び比較例6乃至8の配合量で増粘剤を除く各原料を混合し、20℃でディスパーにて400rpm、1時間攪拌した後、増粘剤を加えて更に1時間攪拌することでボールペンインキ組成物を得た。
得られた各インキ組成物とマーキングペンを用いて以下の試験を行った。
腐食試験
調製した各インキ5gをサンプル瓶に移し取り蓋をした後、50℃,湿度60%の環境下に60日間放置した。その後、インキの状態(カビ発生の有無)を目視により確認した。
筆記試験
前記マーキングペンをキャップ上向きで50℃,湿度60%の環境下に60日間放置した後、旧JIS P3201筆記用紙Aに手書きで螺旋状の丸を連続筆記した際の筆跡の状態を目視により確認した。
インキ安定性試験
実施例1乃至4及び比較例1乃至4のインキ組成物を収容したマーキングペンをチップ下向き状態で静置し、50℃,湿度60%の環境下に60日間放置した。その後、室温にて内部のインキの状態を目視により確認した。
各試験の結果を以下に示す。
Figure 2014047282
尚、前記表中の記号に関する評価は以下の通りである。
腐食試験
○:変化なし。
×:カビの発生が見られる。
筆記試験
○:良好な筆跡が得られる。
×:筆跡にカスレが見られる、または筆記不能であった。
インキ安定性試験
○:異常なし。
×:顔料の凝集や沈降が見られる。

Claims (4)

  1. 着色剤と、水と、1,4−ビス(3,3′−(1−デシルピリジニウム)メチルオキシ)ブタンジブロマイドを含んでなる筆記具用水性インキ組成物。
  2. 前記着色剤が平均粒子径0.1〜5μmの範囲にある顔料を含んでなる請求項1記載の筆記具用水性インキ組成物。
  3. 前記請求項1又は2に記載の筆記具用水性インキ組成物を内蔵してなる筆記具。
  4. マーキングペン形態である請求項3記載の筆記具。
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