JP2010247465A - 筆記具 - Google Patents

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邦行 千賀
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Abstract

【課題】 汎用の筆記具構造を用いて視覚的効果の高い筆跡を長期的に形成できる、興趣に富んだ筆記具を提供する。
【解決手段】 軸筒4内に収容されるインキ吸蔵体2の一端又は両端に繊維チップ3、フェルトチップ、プラスチックチップのいずれかを接続した筆記具1であって、前記インキ吸蔵体2の一端から他端に向かって順に色調の異なる二種以上のインキ21、22を接触状態に充填してなり、前記インキが着色剤として平均粒子径0.5〜4.0μmの顔料を含むと共に、20℃における粘度が7.0〜30.0mPa・sの範囲にある。
【選択図】 図1

Description

本発明は筆記具に関する。詳細には、筆記距離によって階調的に筆跡の色調が変化する筆記具に関する。
従来、意外性があり視覚的効果の高い筆跡を形成することが可能な筆記具としては、筆記時に得られる筆跡の色調を多色化したものが開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
登録実用新案第3064273号公報 特開2000−43469号公報
前記筆記具は、一本のペン先(筆記先端部)によって複数色の筆跡が形成できるように、分割された二以上のインキ収容部から色調の異なるインキを前記ペン先に供給する構造を有しており、前記筆記具による筆跡は、各インキ収容部に内蔵するインキ色の筆跡と、各色調が重なる部分でグラデーション効果を発現する特殊な色調の筆跡が形成できるものである。
前記筆記具は、長期保管によって収容する各インキが混合しないようにするために、二以上のインキ収容部を完全に分割した構造がとられている。そのため、筆記具全体の構造が複雑なものとなり、部材成形や組立等の製造コストが高くなってしまうものであった。
本発明は、汎用の筆記具構造を用いることができ、前記筆記具とは異なる形態の視覚的効果の高い筆跡を長期的に形成できる、興趣に富んだ筆記具を提供するものである。
尚、本発明において、「前」とはペン先側を指し、「後」とは軸筒側を指す。
本発明は、軸筒内に収容されるインキ吸蔵体の一端又は両端に繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップのいずれかを接続した筆記具であって、前記インキ吸蔵体の一端から他端に向かって順に色調の異なる二種以上のインキを接触状態に充填してなり、前記インキが着色剤として平均粒子径0.5〜4.0μmの顔料を含むと共に、20℃における粘度が7.0〜30.0mPa・sの範囲にあることを要件とする。
更に、前記各インキが水溶性高分子凝集剤により顔料を緩やかな凝集状態に懸濁させた顔料系凝集性インキであること、前記高分子凝集剤が水溶性セルロース誘導体であること、前記顔料が熱変色性マイクロカプセル顔料であることを要件とする。
本発明により、筆記距離に応じて単色とグラデーション効果の高い色調の筆跡が順に形成可能である、意外性と高い視覚的効果を備えた筆跡が得られる筆記具となる。
また、汎用のマーキングペン構造を適用しても、保管時にペン先やインキ吸蔵体中で各インキが混色されることなく、前記筆跡を長期間に亘って安定して形成することが可能となるため、製造性、利便性の高いものとなる。
本発明の筆記具の一例を示す縦断面説明図である。 本発明の筆記具の別の一例を示す縦断面説明図である。
本発明の筆記具は、複数色の顔料系インキが端部から順に(即ち、積層状に視覚されるように)充填されるインキ吸蔵体を軸筒(樹脂成形物や金属加工体からなる外装部材)内に収容し、該インキ吸蔵体の端部にペン先が接続される汎用構造のマーキングペンであって、平均粒子径0.5〜4.0μmの顔料を用いると共に、20℃におけるインキ粘度を7.0〜30.0mPa・sの範囲とすることで、前述の視覚的効果の高い筆跡を長期的に形成できるものである。
前記ペン先は、繊維の樹脂加工体、熱溶融性繊維の融着加工体である繊維チップ、フェルト体からなるフェルトチップ、複数の糸状樹脂(合成樹脂の押出成形から形成されるモノフィラメント)を融着させて内部に軸方向のインキ流通路を形成したプラスチックチップ、合成樹脂の連続気泡体(ポーラスチップ)等、毛管力を利用したものが適用され、一端を砲弾形状、長方形状、チゼル形状等の目的に応じた形状に加工して実用に供される。
尚、前記ペン先はインキ吸蔵体の一端に接続されるのみでなく、両端に適用して両頭式筆記具の形態で用いることもできる。
前記ペン先の後端が接続されるインキ吸蔵体は、捲縮状繊維を縦方向(長手方向)に集束させた汎用のものであり、プラスチック筒体やフィルム等の被覆体に内在させて、気孔率が概ね40〜90%の範囲に調整して構成される。そのため、前記条件を満たさないインキを複数色充填した場合、各インキが経時的に混色してしまうものである。
尚、前記インキ吸蔵体は、複数個を軸筒内に端面接触状態で収容することもできる。
前記インキ吸蔵体を収容する軸筒としては、アルミ缶等の金属加工体やガラス瓶の他、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ABS等の熱可塑性樹脂からなる成形体が用いられる。尚、熱変色性インキを内蔵する場合、前記軸筒やキャップ等の外装部材にシリコン等のエラストマーからなる擦過部材を設けることもできる。
尚、前記マーキングペン形態の筆記具は、ペン先を覆うキャップを備えたキャップ式筆記具の他、ノック式、回転式、スライド式等の出没機構を有し、軸筒内にペン先を収容可能な出没式筆記具であってもよい。
前記形態の筆記具(インキ吸蔵体)に、前後方向の積層状態で視認されるように充填されるインキとしては、色調の異なる複数色の顔料系インキが適用される。
前記インキ中に添加される顔料としては、平均粒子径が0.5〜4.0μmの範囲にあれば水性系媒体に分散可能な汎用のものがすべて使用可能であり、カーボンブラック、群青などの無機顔料や銅フタロシアニンブルー、ベンジジンイエロー等の有機顔料、予め界面活性剤や樹脂を用いて微細に安定的に水媒体中に分散された水分散顔料製品等が用いられる。更に、各種蛍光性染料を樹脂マトリックス中に固溶体化した合成樹脂微細粒子状の蛍光顔料、二酸化チタン等の白色顔料、アルミニウム等の金属粉、天然雲母、合成雲母、アルミナ、ガラス片から選ばれる芯物質の表面を二酸化チタン等の金属酸化物で被覆したパール顔料、コレステリック液晶型光輝性顔料、熱変色性組成物や光変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料等を使用することもできる。
特に、前記顔料として熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料を用いた場合、筆跡への加熱によって該筆跡を消色や変色させることができるため、より意外性と装飾性の高いものとなる。
前記熱変色性マイクロカプセル顔料は、単独又は前述の一般顔料との併用でインキ中に配合することができ、加熱消色特性を示すものであれば従来公知の組成をいずれも用いることができるが、特に、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体からなる可逆熱変色性組成物を内包させた可逆熱変色性マイクロカプセル顔料が好適に用いられる。
前記可逆熱変色性組成物としては、特公昭51−44706号公報、特公昭51−44707号公報、特公平1−29398号公報等に記載された、所定の温度(変色点)を境としてその前後で変色し、高温側変色点以上の温度域で消色状態、低温側変色点以下の温度域で発色状態を呈し、前記両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在せず、もう一方の状態は、その状態が発現するのに要した熱又は冷熱が適用されている間は維持されるが、前記熱又は冷熱の適用がなくなれば常温域で呈する状態に戻る、ヒステリシス幅が比較的小さい特性(ΔH=1〜7℃)を有する可逆熱変色性組成物をマイクロカプセル中に内包させた加熱消色型のマイクロカプセル顔料が適用できる。
更に、特公平4−17154号公報、特開平7−179777号公報、特開平7−33997号公報、特開平8−39936号公報等に記載されている大きなヒステリシス特性(ΔH=8〜50℃)を示す、即ち、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から上昇させていく場合と逆に変色温度域より高温側から下降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色し、完全発色温度以下の低温域での発色状態、又は完全消色温度以上の高温域での消色状態が、特定温度域で色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物をマイクロカプセル中に内包させた加熱消色型のマイクロカプセル顔料も適用できる。
尚、前記色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物として具体的には、完全発色温度を冷凍室、寒冷地等でしか得られない温度、即ち−50〜0℃、好ましくは−40〜−5℃、より好ましくは−30〜−10℃、且つ、完全消色温度を摩擦体による摩擦熱、ヘアドライヤー等身近な加熱体から得られる温度、即ち50〜95℃、好ましくは50〜90℃、より好ましくは60〜80℃の範囲に特定し、ΔH値を40〜100℃に特定することにより、常態(日常の生活温度域)で呈する色彩の保持に有効に機能させることができる。
前記マイクロカプセル顔料を含む各顔料は平均粒子径が0.5〜4.0μmの範囲で使用されるものであるが、平均粒子径が0.5μmより小さい場合、インキ吸蔵体に順に充填される各インキが経時によってインキ吸蔵体内で混ざり合ってしまい、また、4.0μmより大きい場合、インキ吸蔵体内での顔料誘導性が低下して所望の色調の筆跡が得られ難くなる。
また、前記顔料は、インキ組成物全量に対し、1〜30重量%、好ましくは2〜20重量%配合することができる。
前記インキに用いられる媒体としては、水と必要により水溶性有機溶剤が用いられる。
前記水溶性有機溶剤としては、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、スルフォラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が用いられる。
また、各色調のインキ中には、水溶性高分子凝集剤を添加することが好ましい。前記水溶性高分子凝集剤は、インキ中の顔料粒子間にゆるい橋かけ作用を生じさせ、ゆるい凝集状態を示す。このようなゆるい凝集状態を示すインキは各顔料の分離を抑制できるため、ペン先やインキ吸蔵体内でのインキの混合(混色)をより長期的に抑制することが可能となる。
前記水溶性高分子凝集剤としては、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、水溶性多糖類等が挙げられる。
前記水溶性多糖類としてはトラガントガム、グアーガム、プルラン、サイクロデキストリン、水溶性セルロース誘導体等が挙げられ、水溶性セルロース誘導体の具体例としてはメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられ、なかでも水溶性セルロース誘導体がより有効に機能する。
尚、前記高分子凝集剤は二種以上を併用することもでき、インキ組成物全量に対し、0.05〜20重量%配合することができる。
また、前記高分子凝集剤と共に、側鎖にカルボキシル基を有する櫛型高分子分散剤及び有機窒素硫黄化合物を併用することにより、前記高分子凝集剤による各顔料のゆるい凝集体の分散性を向上させることができる。
前記側鎖にカルボキシル基を有する櫛型高分子分散剤としては、側鎖に複数のカルボキシル基を有する櫛型高分子化合物であれば特に限定されるものではないが、側鎖に複数のカルボキシル基を有するアクリル高分子化合物が好適であり、前記化合物として日本ルーブリゾール社製の商品名:ソルスパース43000を例示できる。
前記有機窒素硫黄化合物は、インキ組成物を筆記具に充填して実用に供する際、振動による顔料の沈降をいっそう抑制する。これは、顔料のゆるい凝集体を側鎖にカルボキシル基を有する櫛型高分子分散剤によって分散させる分散性をより向上させるものである。
前記有機窒素硫黄化合物としては、チアゾール系化合物、イソチアゾール系化合物、ベンゾチアゾール系化合物、ベンゾイソチアゾール系化合物から選ばれる化合物が用いられる。
前記有機窒素硫黄化合物として具体的には、2−(4−チアゾイル)−ベンズイミダゾール(TBZ)、2−(チオシアネートメチルチオ)−1,3−ベンゾチアゾール(TCMTB)、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンから選ばれる一種又は二種以上の化合物が用いられ、好ましくは2−(4−チアゾイル)−ベンズイミダゾール(TBZ)、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンから選ばれる一種又は二種以上の化合物が用いられる。
前記有機窒素硫黄化合物としては、(株)パーマケム・アジア製、商品名:トップサイド88、同133、同170、同220、同288、同300、同400、同500、同600、同700Z、同800、同950、北興産業(株)製、商品名:ホクスターHP、同E50A、ホクサイドP200、同6500、同7400、同MC、同369、同R−150を例示できる。
尚、前記側鎖にカルボキシル基を有する櫛型高分子分散剤と、有機窒素硫黄化合物の質量比率は1:1〜1:10、好ましくは1:1〜1:5であり、前記範囲を満たすことにより、顔料のゆるい凝集体の分散性、及び、振動による顔料の沈降抑制を十分に発現させることができる。
その他、必要に応じてアルキッド樹脂、アクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキストリン等の樹脂を添加して紙面への固着性や粘性を付与することもできる。尚、前記ポリビニルアルコールは、けん化度が70〜89モル%の部分けん化度型ポリビニルアルコールが酸性域のインキであっても可溶性に富むため、より好適に用いられる。
前記水溶性樹脂の添加量としては、インキ中に0.3〜3.0質量%、好ましくは0.5〜1.5質量%の範囲で添加される。
更に、炭酸ナトリウム、燐酸ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類、水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化合物等のpH調整剤、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、サポニン等の防錆剤、石炭酸、1、2−ベンズチアゾリン3−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等の防腐剤或いは防黴剤、尿素、ノニオン系界面活性剤、還元又は非還元デンプン加水分解物、トレハロース等のオリゴ糖類、ショ糖、サイクロデキストリン、ぶどう糖、デキストリン、ソルビット、マンニット、ピロリン酸ナトリム等の湿潤剤、消泡剤、分散剤、インキの浸透性を向上させるフッ素系界面活性剤やノニオン系の界面活性剤を添加してもよい。
前記顔料系インキは、20℃でのインキ粘度が7.0〜30.0mPa・sの範囲(BL型粘度計6rpmにおける測定値)、好ましくは10.0〜25.0mPa・s、より好ましくは13.0〜24.0mPa・sの範囲に調整して用いられる。
7.0mPa・sより低い場合、インキ吸蔵体内で顔料とビヒクル成分が分離してしまい筆記不能となったり、複数色のインキ同士が混合してしまう。また、30.0mPa・sを超えると、インキ誘導性が低下して筆跡にカスレを生じ易くなるため、前記範囲で適用される。
従って、前記インキ粘度と前述の平均粒径顔料を組み合わせることで、インキ吸蔵体の前端から後端に向かって積層状態に視覚されるように、複数色の顔料系インキを順次充填した形態の筆記具であっても、保管時にペン先やインキ吸蔵体内で各インキが混色されることなく長期間存在し、追従不良を生じることなく筆記距離に応じて単色とグラデーション効果の高い色調の筆跡を順に形成できるものとなる。
以下に実施例を示すが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、実施例中の部は重量部である。
また、各インキの粘度は20℃でBL型回転粘度計〔東京計器(株)製〕を用いて6rpmで測定した。
1.インキの調製
下記表の各実施例、比較例に記載された原料を混合して室温でディスパーにて攪拌した後、濾過することによりインキを作製した。
Figure 2010247465
表中の原料の内容について注番号に沿って説明する。
(1)シンロイヒ(株)製、商品名:SX−147バイオレット(平均粒径3.0μm)
(2)シンロイヒ(株)製、商品名:SX−117ピンク(平均粒径3.0μm)
(3)シンロイヒ(株)製、商品名:SX−105レモンイエロー(平均粒径3.0μm)
(4)シンロイヒ(株)製、商品名:SF−5018ブルー(固形分30%、平均粒径0.15μm)
(5)日本ルーブリゾール(株)製、商品名:ソルスパース43000
(6)2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンの混合物、北興化学工業(株)製、商品名:ホクサイドR−150
(7)東レダウコーニング(株)製、商品名:FSアンチフォーム013A
実施例1
筆記具の作製(図1参照)
ポリエステルスライバーを合成樹脂フィルムで被覆した円筒状インキ吸蔵体2内に、先に調製したインキA(21)、B(22)、C(23)を、針注入によって吸蔵体後方からAからCの順に積層状態となるように含浸させた。更に、前記インキ吸蔵体2を透明なポリプロピレン樹脂からなる軸筒4内に収容し、軸筒先端部に装着させたポリエステル繊維の樹脂加工ペン先3(チゼル型)と接続状態(ペン先後端をインキ吸蔵体前端に挿入した状態)に組み立てた後、キャップ5を装着することで筆記具1(マーキングペン)を得た。該筆記具1は汎用の構造であるにも関わらず、インキ吸蔵体2に三色のインキが視認される装飾性に富んだものであった。
前記マーキングペンを用いて紙面に筆記したところ、得られる筆跡の色調が筆記距離に応じて黄色、オレンジ色、ピンク色、パープル色、青紫色へと変化していった。また、前記各色調へ移る際には、前後の色調間でグラデーションを生じた筆跡が得られるものであった。
また、前記筆記具1を50℃で30日間放置した後、外観(インキ吸蔵体2のインキの混色発生)及び筆跡を確認したところ、混色を生じることなく初期と同様の状態を維持していた。
比較例1
筆記具の作製(図1参照)
実施例1と同様の構成からなる筆記具本体1を用いて、インキ吸蔵体2内に、先に調製したインキE(21)、F(22)、C(23)各0.5gを、針注入によって吸蔵体後方からEからCの順に積層状態となるように含浸させることで筆記具1(マーキングペン)を得た。
前記マーキングペンを用いて紙面に筆記したところ、初期では黄色の筆跡が得られるものの、ピンク色インキの粘度が低いためにインキ吸蔵体内で顔料とビヒクル成分が分離傾向となりピンク顔料の吐出性が十分でなかった。更に筆記すると最後部の青色インキが混入した青緑色から茶色の筆跡が得られるものとなった。
更に、前記筆記具1を50℃で30日間放置した後、外観(インキ吸蔵体2のインキの混色発生)及び筆跡を確認したところ、青色インキに用いられる顔料の粒径が小さいため、該青色顔料がインキ吸蔵体全体に行き渡り、所望の色調(色分布)を維持できなかった。そのため、得られる筆跡も混合色のみとなった。
2.熱変色性インキの調製
青色可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の調製
(イ)成分として4,5,6,7−テトラクロロ−3−[4−(ジメチルアミノ)−2−メチルフェニル]−3−(1−エチル−2−メチル−1H−インドール−3−イル)−1(3H)−イソベンゾフラノン2.0部、(ロ)成分として1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン3.0部、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン5.0部、(ハ)成分としてカプリン酸4−ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料懸濁液を得た。
前記懸濁液を遠心分離して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を単離した。
前記マイクロカプセル顔料の平均粒子径は2.5μm、完全消色温度は62℃であり、完全発色温度は−20℃であり、温度変化により青色から無色に変色する。
可逆熱変色性水性インキaの調製
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(予め−20℃以下に冷却して青色に発色させたもの)20.0部、ヒドロキシエチルセルロース0.5部、櫛型高分子分散剤〔日本ルーブリゾール(株)製、商品名:ソルスパース43000〕0.2部、有機窒素硫黄化合物〔北興化学工業(株)製、商品名:ホクサイドR−150、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンの混合物〕1.0部、ポリビニルアルコール0.5部、グリセリン25.0部、消泡剤0.02部、水52.78部を混合して可逆熱変色性水性インキ組成物aを得た。
尚、前記インキ組成物aの粘度は18.2mPa・sであった。
ピンク色可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の調製
(イ)成分として2−(ジブチルアミノ)−8−(ジペンチルアミノ)−4−メチル−スピロ[5H−[1]ベンゾピラノ[2,3−g]ピリミジン−5,1′(3′H)−イソベンゾフラン]−3−オン1.0部、(ロ)成分として1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−デカン3.0部、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン5.0部、(ハ)成分としてカプリン酸4−ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料懸濁液を得た。
前記懸濁液を遠心分離して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を単離した。
前記マイクロカプセル顔料の平均粒子径は2.3μm、完全消色温度は60℃であり、完全発色温度は−20℃であり、温度変化によりピンク色から無色に変色する。
可逆熱変色性水性インキbの調製
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(予め−20℃以下に冷却してピンク色に発色させたもの)20.0部、ヒドロキシエチルセルロース0.5部、櫛型高分子分散剤〔日本ルーブリゾール(株)製、商品名:ソルスパース43000〕0.2部、有機窒素硫黄化合物〔北興化学工業(株)製、商品名:ホクサイド369〕1.0部、ポリビニルアルコール0.5部、グリセリン25.0部、消泡剤0.02部、水52.78部を混合して可逆熱変色性水性インキbを得た。
尚、前記インキ組成物bの粘度は20.3mPa・sであった。
黄色可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の調製
(イ)成分として4−[2,6−ビス(2−エトキシフェニル)−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミン3.0部、(ロ)成分として、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン10.0部、(ハ)成分としてカプリン酸4−ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料懸濁液を得た。
前記懸濁液を遠心分離して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を単離した。
前記マイクロカプセル顔料の平均粒子径は2.5μm、完全消色温度は59℃、完全発色温度は−20℃であり、温度変化により黄色から無色に変色する。
可逆熱変色性水性インキcの調製
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料 (予め−20℃以下に冷却して黄色に発色させたもの)25.0部、ヒドロキシエチルセルロース0.5部、櫛型高分子分散剤〔日本ルーブリゾール(株)製、商品名:ソルスパース43000〕0.2部、有機窒素硫黄化合物〔北興化学工業(株)製、商品名:ホクサイドR−150、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンの混合物〕1.0部、ポリビニルアルコール0.5部、グリセリン25.0部、消泡剤0.02部、水47.78部を混合して可逆熱変色性水性インキcを得た。
尚、前記インキ組成物cの粘度は16.5mPa・sであった。
実施例2
筆記具の作製(図2参照)
ポリエステルスライバーを合成樹脂フィルムで被覆した円筒状インキ吸蔵体2内に、先に調製したインキa(21)、b(22)、c(23)各0.5gを、針注入によって吸蔵体後方からaからcの順に積層状態となるように含浸させた。更に、前記インキ吸蔵体2を透明なポリプロピレン樹脂からなる軸筒4内に収容し、軸筒先端部に装着させたポリエステル繊維の樹脂加工ペン先3(砲弾型)と接続状態(ペン先後端をインキ吸蔵体前端に挿入した状態)に組み立てた後、キャップ5を装着することで筆記具1(マーキングペン)を得た。尚、前記軸筒4の後端部には、SEBS製の擦過部材6が取り付けられている。
前記筆記具1は汎用の構造であるにも関わらず、インキ吸蔵体2に三色のインキが視認される装飾性に富んだものであった。
前記マーキングペンを用いて紙面に筆記したところ、得られる筆跡の色調が筆記距離に応じて黄色、オレンジ色、朱色、ピンク色、紫色、青色へと変化していった。また、前記各色調へ移る際には、前後の色調間でグラデーションを生じた筆跡が得られるものであった。更に、前記筆跡を擦過部材6で擦ると、摩擦熱によって消色することができ、より意外性の高い筆跡を形成できた。
また、前記筆記具1を50℃で30日間放置した後、外観(インキ吸蔵体2のインキの混色発生)及び筆跡を確認したところ、混色を生じることなく初期と同様の状態を維持していた。
比較例2
可逆熱変色性水性インキa′の調製
前記可逆熱変色性水性インキaにグリセリン5.0gを加え(同量の水を減らす)、インキ粘度を33.8mPa・sとすることで可逆熱変色性水性インキa′とした。
可逆熱変色性水性インキc′の調製
前記可逆熱変色性水性インキcに用いた黄色可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の粒子径を5.0μmに調製した以外は同様にして可逆熱変色性水性インキc′を得た。
筆記具の作製(図2参照)
前記実施例2と同様の構成からなる筆記具本体1を用いて、インキ吸蔵体2内に、先に調製したインキa′(21)、b(22)、c′(23)を、針注入によって吸蔵体後方からa′からc′の順に積層状態となるように含浸させることで筆記具1(マーキングペン)を得た。
前記マーキングペンを用いて紙面に筆記したところ、得られる黄色の筆跡は、粒子径が大きすぎるためにカスレを生じてしまった。更に筆記距離を伸ばすと、徐々にオレンジ色のグラデーションからピンク色の筆跡が得られるが、青色インキの粘度が高すぎるために、混色部(紫色)の筆跡にカスレを生じてしまった。
また、前記筆記具1を50℃で30日間放置した後も筆跡カスレを生じるものであった。
1 筆記具(マーキングペン)
2 インキ吸蔵体
21 インキA,a
22 インキB,b
23 インキC,c
3 ペン先
4 軸筒
5 キャップ
6 擦過部材

Claims (4)

  1. 軸筒内に収容されるインキ吸蔵体の一端又は両端に繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップのいずれかを接続した筆記具であって、前記インキ吸蔵体の一端から他端に向かって順に色調の異なる二種以上のインキを接触状態に充填してなり、前記インキが着色剤として平均粒子径0.5〜4.0μmの顔料を含むと共に、20℃における粘度が7.0〜30.0mPa・sの範囲にあることを特徴とする筆記具。
  2. 前記各インキが水溶性高分子凝集剤により顔料を緩やかな凝集状態に懸濁させた顔料系凝集性インキであることを特徴とする請求項1記載の筆記具。
  3. 前記高分子凝集剤が水溶性セルロース誘導体であることを特徴とする請求項2記載の筆記具。
  4. 前記顔料が熱変色性マイクロカプセル顔料であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の筆記具。
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JP2018053182A (ja) * 2016-09-30 2018-04-05 株式会社パイロットコーポレーション 筆記具用水性インキ組成物及びそれを用いた筆記具

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