JP2014047216A - 新規ポリオキサゾリドン樹脂及びその製造法 - Google Patents

新規ポリオキサゾリドン樹脂及びその製造法 Download PDF

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【課題】耐熱性が向上した新たなポリオキサゾリドン樹脂を提供する。
【解決手段】下記式(1−1)又は(1−2)で表される構造単位を有するポリオキサゾリドン樹脂。
Figure 2014047216

(式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭化水素基、又は炭化水素基の炭素−炭素結合間に、−O−、−COO−及び−OCO−から選ばれる少なくとも1種を有する1価の基を示し、m及びnは、それぞれ独立して0〜4の整数を示し、R3は、2価若しくは3価の炭化水素基、炭化水素基の炭素−炭素結合間に、−O−、−COO−及び−OCO−から選ばれる少なくとも1種を有する2価若しくは3価の基、又はトリアジン骨格を有する2価若しくは3価の基を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱性に優れ、電気・電子材料として用いられる新規ポリオキサゾリドン樹脂及びその製造法に関する。
ポリイソシアナートとポリエポキシ化合物との反応によって得られるポリオキサゾリドン樹脂は、優れた熱特性を有することから、電気・電子材料等の新規素材として期待されている。そして、当該ポリオキサゾリドン樹脂は、接着性や可撓性を付与すべく、アルキルカーバメート基を導入する試みがなされている(特許文献1、2)。
特開2005−54027号公報 特開2006−213793号公報
しかしながら、従来のポリオキサゾリドン樹脂は、新たな官能基であるアルキルカーバメート基を導入することにより接着性や可撓性を付与しようとするものであり、ポリオキサゾリドン樹脂が本来有する耐熱性を向上させるものではなかった。
従って、本発明の課題は、更に耐熱性が向上した新たなポリオキサゾリドン樹脂を提供することにある。
そこで本発明者は、ポリオキサゾリドン樹脂の耐熱性の向上を目指して検討してきたところ、フルオレン構造を有するジグリシジル化合物とイソシアナート化合物とを反応させることにより、耐熱性に優れた新規なポリオキサゾリドン樹脂が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記式(1−1)又は(1−2)で表される構造単位を有するポリオキサゾリドン樹脂を提供するものである。
Figure 2014047216
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭化水素基、又は炭化水素基の炭素−炭素結合間に、−O−、−COO−及び−OCO−から選ばれる少なくとも1種を有する1価の基を示し、m及びnは、それぞれ独立して0〜4の整数を示し、R3は、2価若しくは3価の炭化水素基、炭化水素基の炭素−炭素結合間に、−O−、−COO−及び−OCO−から選ばれる少なくとも1種を有する2価若しくは3価の基、又はトリアジン骨格を有する2価若しくは3価の基を示す。)
また、本発明は、下記式(2)
Figure 2014047216
(式中、R1及びR2は、前記と同じ。)
で表される化合物と下記式(3)
Figure 2014047216
(式中、pは2又は3の数を示し、R3は前記と同じ。)
で表される化合物とを反応させることを特徴とする、下記式(1−1)又は式(1−2)
Figure 2014047216
(式中、R1、R2、R3、m及びnは前記と同じ。)
で表される構造単位を有するポリオキサゾリドン樹脂の製造法を提供するものである。
本発明のポリオキサゾリドン樹脂は、従来のポリオキサゾリドン樹脂に比べて更に優れた耐熱性を有し、広い分野の電気・電子材料として有用である。
ポリオキサゾリドン樹脂(P1)のTGA曲線の測定結果を示す図である。 ポリオキサゾリドン樹脂(P1)のUV−visの測定結果を示す図である。 ポリオキサゾリドン樹脂(P2)のTGA曲線の測定結果を示す図である。 ポリオキサゾリドン樹脂(P2)のUV−visの測定結果を示す図である。 ポリオキサゾリドン樹脂(P3)のTGA曲線の測定結果を示す図である。 ポリオキサゾリドン樹脂(P3)のUV−visの曲線の測定結果を示す図である。
本発明のポリオキサゾリドン樹脂は、下記式(1−1)又は式(1−2)で表される構造単位を有する。
Figure 2014047216
(式(1−1)及び(1−2)中、R1及びR2は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭化水素基、又は炭化水素基の炭素−炭素結合間に、−O−、−COO−及び−OCO−から選ばれる少なくとも1種を有する1価の基を示し、m及びnは、それぞれ独立して0〜4の整数を示し、R3は、2価若しくは3価の炭化水素基、炭化水素基の炭素−炭素結合間に、−O−、−COO−及び−OCO−から選ばれる少なくとも1種を有する2価若しくは3価の基、又はトリアジン骨格を有する2価若しくは3価の基を示す。)
1及びR2で示される炭化水素基としては、炭素数1〜20の1価の炭化水素基が挙げられ、その例としては炭素数1〜20の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基が挙げられる。なお、直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基及び脂環式炭化水素基は、不飽和結合を有していてもよい。
上記直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基の炭素数は、好ましくは1〜16であり、より好ましくは1〜12であり、更に好ましくは1〜8であり、更に好ましくは1〜6である。
また、該直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基としては、アルキル基が好ましい。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基が更に好ましい。
上記脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは3〜12であり、より好ましくは3〜7である。
また、該脂環式炭化水素基としては、シクロアルキル基が好ましい。シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基等の炭素数3〜6のシクロアルキル基が好ましい。
なお、脂環式炭化水素基の結合部位は、脂環上のいずれの炭素上でもよい。
上記芳香族炭化水素基の炭素数は、好ましくは6〜18であり、より好ましくは6〜12であり、更に好ましくは6〜10である。
また、該芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ビフェニル基、トリル基、ナフチル基等が挙げられる。
なお、上記芳香族炭化水素基の結合部位は、芳香環上のいずれの炭素上でもよい。
1及びR2で示される、炭化水素基の炭素−炭素結合間に、−O−、−COO−及び−OCO−から選ばれる少なくとも1種を有する1価の基における炭化水素基としては、前記のR1及びR2で示される炭化水素基と同様のものが挙げられる。
1及びR2で示されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が挙げられる。
m及びnは、0〜4の整数を示すが、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
式(1−1)及び式(1−2)中、R3は、2価若しくは3価の炭化水素基、炭化水素基の炭素−炭素結合間に、−N−、−O−、−COO−及び−OCO−から選ばれる少なくとも1種を有する2価若しくは3価の基、又はトリアジン骨格を有する2価若しくは3価の基を示す。ここで、式(1−1)の場合、R3は2価の基を示し、式(1−2)の場合、R3は3価の基を示す。このうち、2価若しくは3価の炭化水素基がより好ましい。
上記R3で示される炭素数1〜20の2価若しくは3価の炭化水素基としては、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐鎖状の2価若しくは3価の炭化水素基、炭素数3〜20の2価若しくは3価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の2価若しくは3価の芳香族炭化水素基が挙げられる。なお、直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基及び脂環式炭化水素基は、不飽和結合を有していてもよい。
上記直鎖状又は分岐鎖状の2価若しくは3価の炭化水素基の炭素数は、好ましくは1〜16であり、より好ましくは1〜12であり、更に好ましくは1〜8であり、更に好ましくは1〜6である。
また、該直鎖状又は分岐鎖状の2価の炭化水素基としては、メチレン基、直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基が好ましい。直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基としては、例えば、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、ブチレン基、テトラメチレン基、ペンチレン基、ヘプチレン基等の炭素数2〜8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基が挙げられる。
上記2価若しくは3価の脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは3〜12である。
また、該2価若しくは3価の脂環式炭化水素基としては、炭素数3〜12のシクロアルキレン基が好ましい。シクロアルキレン基としては、例えば、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基、アダマンチレン基等が挙げられる。
なお、2価若しくは3価の脂環式炭化水素基の結合部位は、脂環上のいずれの炭素上でもよい。
上記2価若しくは3価の芳香族炭化水素基の炭素数は、好ましくは6〜18であり、より好ましくは6〜12である。
また、該2価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニレン基、ビフェニレン基、トリレン基、キシリレン基、ナフチレン基等の炭素数6〜12のアリーレン基が挙げられる。
なお、上記2価若しくは3価の芳香族炭化水素基の結合部位は、芳香環上のいずれの炭素上でもよい。
また、R3で示される炭素数1〜20の2価若しくは3価の炭化水素基としては、上記の他に、上記直鎖状又は分岐鎖状の2価若しくは3価の炭化水素基と上記2価若しくは3価の芳香族炭化水素基が連結した2価若しくは3価の基が挙げられる。斯様な2価の基としては、フェニレンメチレン基(−C64−CH2−)、フェニレンエチレン基(−C64−CH2−CH2−)等のフェニレンアルキレン基;フェニレンジメチレン基(−CH2−C64−CH2−)、フェニレンジエチレン基(−CH2−CH2−C64−CH2−CH2−)等のフェニレンジアルキレン基;メチレンジフェニレン(−C64−CH2−C64−)等のアルキレンジフェニレン基等が挙げられる。
3としては、炭素数1〜20の2価若しくは3価の炭化水素基が好ましく、炭素数2〜20の2価若しくは3価の炭化水素基がより好ましく、炭素数2〜18の2価若しくは3価の炭化水素基が更に好ましく、炭素数2〜12の2価若しくは3価の炭化水素基が更に好ましい。また、R3としては、炭素数2〜12の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、炭素数3〜12のシクロアルキレン基、炭素数6〜12のアリーレン基、又は炭素数2〜12の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基と炭素数6〜12のアリーレン基が連結した2価の基が好ましい。
3で示される、炭化水素基の炭素−炭素結合間に、−O−、−COO−及び−OCO−から選ばれる少なくとも1種を有する2価若しくは3価の基における炭化水素基としては、前記のR3で示される2価若しくは3価の炭化水素基と同様のものが挙げられる。この基の例としてはジフェニルエーテル−4,4’−ジイル基が挙げられる。また、R3で示されるトリアジン骨格を有する2価若しくは3価の基としては、2,4,6−トリオキソヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン−1,3,5−トリイル基等が挙げられる。
また、式(1)の構造単位を有するポリオキサゾリドン樹脂の数平均分子量(Mn)としては、1,000〜100,000が好ましく、1,000〜50,000がより好ましい。また、分子量分布(Mw/Mn)としては、1〜15が好ましい。
なお、上記数平均分子量及び分子量分布は、後述する実施例に記載の方法に従い測定すればよい。
また、式(1−1)又は(1−2)の構造単位を有するポリオキサゾリドン樹脂の末端基はエポキシ基又は−R3NHCOOCH3が好ましい。
本発明のポリオキサゾリドン樹脂は、次の反応式で示すように、下記式(2)で表される化合物と下記式(3)で表される化合物とを反応させることにより製造できる。
Figure 2014047216
(式中、R1、R2、R3、m、n及びpは前記と同じ。)
本反応で用いる式(2)の化合物(化合物(2)ともいう)としては、9,9−ジグリシジルフルオレン、9,9−ビス[4−(グリシジルオキシ)フェニル]−9H−フルオレン、9,9−ビス[4−[2−(グリシジルオキシ)エトキシ]フェニル]−9H−フルオレン等が挙げられる。これらの化合物(2)は例えば特開2004−182783号公報に記載の方法によって製造できる。
本反応で用いる式(3)の化合物(化合物(3)ともいう)としては、2官能又は3官能のイソシアナート化合物であればよく、メチレンジイソシアナート、エチレンジイソシアナート、トリメチレンジイソシアナート、テトラメチレンジイソシアナート、1,5−ジイソシアナトペンタン、ヘキサメチレンジイソシアナート、1,7−ヘプタンジイルジイソシアナート、ノナメチレンジイソシアナート等の脂肪族イソシアナート化合物;シクロヘキサン−1,3−ジイソシアナート、1,4−シクロヘキサンジイルジイソシアナート、4,4’−メチレンビスシクロヘキシルジイソシアナート、4,4’−イソプロピリデンビス(イソシアナトシクロヘキサン)等の脂環式イソシアナート化合物;1,3−フェニレンジイソシアナート、1,4−フェニレンジイソシアナート、m−キシリレンジイソシアナート、トリレンジイソシアナート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、ジフェニルエーテル−4,4’−ジイソシアナート、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、1,3,5−ベンゼントリイルトリイソシアナート、1,3,5−トリメチルベンゼン−2,4,6−トリイルトリイソシアナート、1,3,5−トリイソシアナト−2−メチルベンゼン、4,4’,4”−メチリジントリス(イソシアナトベンゼン)等の芳香族イソシアナート化合物;2,4,6−トリオキソヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン−1,3,5−トリイルトリイソシアナート等のトリアジンイソシアナート化合物等が挙げられる。
化合物(3)の使用量は、化合物(2)1モルに対し、通常0.1〜5モル当量である。
本反応は、溶媒中で行うのが好ましい。溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;テトラメチル尿素等のウレア類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル等のエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類;C13の低級アルコール類が挙げられ、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
溶媒の使用量は、化合物(2)1モルに対し、通常0.01〜10Lである。
本反応における化合物(2)と化合物(3)の反応モル比は、1:20〜20:1が好ましく、更に1:10〜10:1がより好ましい。
本反応は、触媒存在下で行うのが好ましい。触媒としては、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のハロゲン化物であればよく、更にカルシウム、リチウム及びマグネシウムからなる少なくとも一種の金属の塩化物又は臭化物が好ましく、具体的には塩化カルシウム、塩化リチウム、塩化マグネシウム、臭化カルシウム、臭化リチウム、臭化マグネシウムが挙げられる。
触媒の使用量は、化合物(2)に対し、通常0.01〜30モル当量である。
本反応の反応時間は、通常、1〜96時間であり、好ましくは1〜72時間である。また、反応温度は特に限定されないが、好ましくは−20〜200℃であり、より好ましくは0〜180℃である。
反応生成物の単離は、必要に応じて、ろ過、洗浄、乾燥、再結晶、再沈殿、透析、遠心分離、各種溶媒による抽出、中和、クロマトグラフィー等の通常の手段を適宜組み合わせて行えばよい。
得られるポリオキサゾリドン樹脂(1−1)又は(1−2)は、耐熱性に優れており、電気・電子材料として有用であり、特に、光学レンズ、光学フィルム、光ファイバー、高強度材料電子部品用途分野において、耐熱性、低吸湿性、耐薬品性、光学特性等に優れた材料として多岐にわたる分野で利用可能である。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
〔分析条件〕
実施例における各分析条件は以下に示すとおりである。
<分子量測定>
重合体の分子量は、東ソー株式会社製HLC−8220 SEC SYSTEMを用いて、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を溶離液としてGPC測定を行いポリスチレン換算で求めた。
<NMRスペクトル>
1H−NMRスペクトル及び13C−NMRスペクトルは、テトラメチルシラン(TMS)を内部標準物質として用いて、日本電子株式会社製JNM−AL300及び日本電子株式会社製JNM−ECS400により測定した。
<IRスペクトル>
IRスペクトルは、Thermo Scientific社製のSMARTiTRサンプリングユニット付NICOLET iS10を用いてATR法により測定した。
<熱重量分析(TGA)>
セイコーインスツルメント社製TG−DTA6200により、アルミパンを用いて、50mL/minの窒素気流中10℃/minで上昇させて測定した。
<示差走査熱量測定(DSC)>
セイコーインスツルメント社製DSC−6200により、アルミパンを用いて、10mL/minの窒素気流中−100℃〜200℃までの温度範囲を10℃/minで昇温させて測定した。
<紫外可視吸収スペクトル測定(UV−vis)>
ポリマー溶液の測定条件
溶媒:N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)
濃度:1mM
測定装置: JASCO V570 spectrometer
ポリマー膜の測定条件
溶媒:N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)
濃度:3wt%
製膜方法:ポリマー溶液をガラス基板上に滴下し、100℃で12時間加熱後、更に減圧下100℃で12時間乾燥させた。
測定装置:JASCO V570 spectrometer
合成例1 9,9−ジアリルフルオレンの合成
フルオレン(20.0g,0.12mol)とナトリウムメトキシド(19.5g,0.36mol)を300mLナスフラスコに加え、窒素置換した。これにジメチルスルホキシド(213mL)を加えて室温で撹拌した。1時間経過後、塩化アリル(29.4mL,0.36mmol)を滴下し、滴下終了後から室温で3時間撹拌した。その後、蒸留水(250mL)を反応溶液に加え、反応を停止させた。この水溶液をn−ヘキサンで抽出した後に、有機層を蒸留水で洗浄した。エバポレーターでヘキサンを除去し、オレンジ色の液体として粗9,9−ジアリルフルオレンが得られた(NMR収率=96%)。
合成例2 9,9−ジグリシジルフルオレンの合成
合成例1で合成した9,9−ジアリルフルオレン(10.0g,0.04mol)にジクロロメタン(180mL)を加え、更にm−クロロ過安息香酸(22.0g,0.09mol)を加えて室温で24時間撹拌した。反応終了後、飽和亜硫酸ナトリウム水溶液(100mL)を加えてクエンチした後、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、蒸留水で洗浄し、ジクロロメタンを減圧蒸留により除去した。得られた粗9,9−ジグリシジルフルオレンをカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン)による精製後、n−ヘキサンで再結晶を行うことで白色結晶として9,9−ジグリシジルフルオレンを収率67%で得た。
実施例1 ポリオキサゾリドン樹脂(P1)の合成
9,9−ジグリシジルフルオレン(GDF)(0.56g,2mmol)とジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアナート(MDI)(0.50g,2mmol)を反応容器に入れ、窒素置換を行った。N−メチル−2−ピロリドン(NMP)(2mL)を加え、160℃に加熱し、0.5Mの臭化リチウム(LiBr)のNMP溶液(0.8mL)を加えて反応を開始させた。2時間後、重合溶液にNMP(6mL)を加えて、メタノールへ注ぎ、ポリマーを析出させた。得られた固体を再度NMP(8mL)に溶解させ、メタノールで再沈殿を行って精製した。再沈殿後、80℃で12時間減圧乾燥させ収率82%でポリオキサゾリドン樹脂(P1)を得た。得られた樹脂のTGA曲線を図1に、UV−visを図2に示す。
n=2600、Mw/Mn=2.02
1H NMR(DMSO−d6,400MHz):δ=7.82−7.93,7.64−7.78,7.21−7.48(fluorene),7.03−7.19(phenyl group),3.68−3.93(−C−and−Ph−C 2 −Ph−),3.10−3.32(−CH2−CH−C 2 −N−),2.53−2.88(−C 2 −CH−CH2−N−)、
FT−IR(KBr):740cm-1,1141cm-1,1219cm-1,1406cm-1,1542cm-1,1753cm-1)。
熱物性:Td5=332.7℃、Td10=360.0℃,Tg=197.9℃
UV−visスペクトル:338−800nmで95%以上、380−800nmで98%以上の透過率。
Figure 2014047216
実施例2〜21
実施例1の合成方法と同じ方法で、溶媒の量、反応時間、触媒量、温度、化合物(2)(DGF)と化合物(3)(MDI)の比率の5つの要素の値を代えて合成検討を行なった。その結果を表1〜5に示す。
Figure 2014047216
Figure 2014047216
Figure 2014047216
Figure 2014047216
Figure 2014047216
実施例22 ポリオキサゾリドン樹脂(P2)の合成
DGF(0.56g,2mmol)とヘキサメチレンジイソシアナート(HMDI)(0.34g,2mmol)を反応容器に入れ、窒素置換を行った。NMP(2mL)を加え、200℃に加熱し、0.5Mの臭化リチウムのNMP溶液(0.4mL)を加えて反応を開始させた。2時間後、重合溶液を蒸留水へ注ぎ、ポリマーを析出させた。得られた固体を再度NMP(2mL)に溶解させ、ジエチルエーテルで再沈殿を行なって精製した。再沈殿後、80℃で12時間減圧乾燥させ収率61%でポリオキサゾリドン樹脂(P2)を得た。得られた樹脂のTGA曲線を図3に、UV−Visを図4に示す。
n=2400、Mw/Mn=4.26、
1H NMR(DMSO−d6,400MHz):δ=7.78−7.91,7.60−7.70,7.26−7.44(fluorene),3.52−3.66(−CH−),2.78−2.99(−CH2−CH−C 2 −N−),2.57−2.74(−CH2−CH2−CH2−C 2 −CH2−CH2−),2.31−2.55(−C 2 −CH−CH2−N−),0.94−1.39(−CH2−C 2 −CH2−CH2−C 2 −CH2−)、
IR(KBr):740cm-1,1259cm-1,1448cm-1,1563cm-1,1664cm-1,1752cm-1,2855cm-1,2932cm-1)。
熱物性:Td5=298.2℃、Td10=322.0℃
UV−visスペクトル:380−800nmで97%以上の透過率。
Figure 2014047216
実施例22の合成方法と同じ方法で、温度を変えて合成を行なった。その結果を表6に示す。
Figure 2014047216
実施例25 ポリオキサゾリドン樹脂(P3)の合成
DGF(0.56g,2mmol)と1,4−フェニレンジイソシアナート(PDI)(0.32g,2mmol)を反応容器に入れ、窒素置換を行った。NMP(2mL)を加え、160℃に加熱し、0.5Mの臭化リチウムのNMP溶液(0.4mL)を加えて反応を開始させた。2時間後、重合溶液にNMP(1mL)を加えて、メタノールへ注ぎ、ポリマーを析出させた。得られた固体を再度NMP(2mL)に溶解させ、メタノールで再沈殿を行なって精製した。再沈殿後、80℃で12時間減圧乾燥させ収率58%でポリオキサゾリドン樹脂(P3)を得た。得られた樹脂のTGA曲線を図5に、UV−Visを図6に示す。
n=1700、Mw/Mn=1.91、
1H NMR(DMSO−d6,400MHz):δ=7.78−7.91,7.60−7.70,7.26−7.44(fluorene),3.52−3.66(−C−),3.10−3.32(−CH2−CH−C 2 −N−),2.53−2.88(−C 2 −CH−CH2−N−)、
IR(KBr):740cm-1,1142cm-1,1220cm-1,1312cm-1,1405cm-1,1509cm-1,1704cm-1,1751cm-1)。
熱物性:Td5=294.9℃、Td10=331.1℃
UV−visスペクトル:380−800nmで88%以上の透過率。
Figure 2014047216
実施例25の合成方法と同じ方法で、温度を変えて合成を行なった。その結果を表7に示す。
Figure 2014047216

Claims (5)

  1. 下記式(1−1)又は(1−2)で表される構造単位を有するポリオキサゾリドン樹脂。
    Figure 2014047216
    (式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭化水素基、又は炭化水素基の炭素−炭素結合間に、−O−、−COO−及び−OCO−から選ばれる少なくとも1種を有する1価の基を示し、m及びnは、それぞれ独立して0〜4の整数を示し、R3は、2価若しくは3価の炭化水素基、炭化水素基の炭素−炭素結合間に、−O−、−COO−及び−OCO−から選ばれる少なくとも1種を有する2価若しくは3価の基、又はトリアジン骨格を有する2価若しくは3価の基を示す。)
  2. 数平均分子量(Mn)が1,000〜100,000である請求項1記載のポリオキサゾリドン樹脂。
  3. 下記式(2)
    Figure 2014047216
    (式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭化水素基、又は炭化水素基の炭素−炭素結合間に、−O−、−COO−及び−OCO−から選ばれる少なくとも1種を有する1価の基を示し、m及びnは、それぞれ独立して0〜4の整数を示す。)
    で表される化合物と下記式(3)
    Figure 2014047216
    (式中、R3は、2価若しくは3価の炭化水素基、炭化水素基の炭素−炭素結合間に、−O−、−COO−及び−OCO−から選ばれる少なくとも1種を有する2価若しくは3価の基、又はトリアジン骨格を有する2価若しくは3価の基を示し、pは2又は3の数を示す。)
    で表される化合物とを反応させることを特徴とする、下記式(1−1)又は(1−2)
    Figure 2014047216
    (式中、R1、R2、R3、m及びnは前記と同じ。)
    で表される構造単位を有するポリオキサゾリドン樹脂の製造法。
  4. 式(2)で表される化合物と式(3)で表される化合物の反応モル比が1:20〜20:1である請求項3記載の製造法。
  5. 得られるポリオキサゾリドン樹脂の数平均分子量が1,000〜100,000である請求項3又は4記載の製造法。
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KR102510064B1 (ko) 2021-06-03 2023-03-14 한국화학연구원 지속 가능한 자원과 이산화탄소를 이용한 폴리옥사졸리돈의 제조방법, 이를 이용하여 제조된 폴리옥사졸리돈 및 이를 포함하는 성형체

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