JP2014047159A - 1,1’,2,2’−4置換エタン誘導体の製造方法 - Google Patents

1,1’,2,2’−4置換エタン誘導体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】マグネシウムに結合する炭素原子が脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基を構成する第2級炭素原子である脂肪族又は脂環式グリニヤ化合物を安価な触媒の存在下でカップリングして、対応する1,1’,2,2’−4置換エタン誘導体を効率よく製造する方法を提供する。
【解決手段】鉄触媒と再酸化剤の存在下、R12CHMgXで表されるグリニヤ化合物と、R34CHMgXで表されるグリニヤ化合物をカップリングする下式(3)で示される1,1’,2,2’−4置換エタン誘導体の製造方法。
Figure 2014047159

[式中、R1、R2、R3、R4は脂肪族炭化水素基を表し、R1、R2及び、R3、R4は互いに結合して第2級炭素原子と共に脂環式炭化水素基を形成していてもよく、X、X’はハロゲン原子を表す。]
【選択図】なし

Description

本発明は、マグネシウムに結合する炭素原子が脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基を構成する第2級炭素原子である脂肪族又は脂環式グリニヤ化合物をカップリングすることにより、1,1’,2,2’−4置換エタン誘導体を製造する方法に関する。
1,1’,2,2’−4置換エタン誘導体は、コーティング剤、インク、接着剤、シーラント剤、封止剤、レジスト、複合材料、透明基材、透明フィルム又はシート、光学材料(例えば、光学レンズ等)、絶縁材料、光造形材料、電子材料(例えば、電子ペーパー、タッチパネル、太陽電池基板、光導波路、導光板、ホログラフィックメモリ等)など様々な用途で使用される硬化性化合物(例えば、3,3’,4,4’−ジエポキシビシクロへキシル等)の原料として有用である。
従来、1,1’,2,2’−4置換エタン誘導体として例えば3,3’−ビシクロヘキセンは、4,4’−ジヒドロキシビシクロヘキシルを脱水触媒の存在下、高温高圧下で分子内脱水を行うことにより製造する方法が知られていた(特許文献1)。しかし、前記方法では原理的に異性化が避けられず、異性体の比率が大きくなりすぎる点が問題であった。
一方、グリニヤ化合物のカップリング反応としては、マグネシウムに結合する炭素原子が芳香環を構成する炭素原子である芳香族グリニヤ化合物のカップリング方法(非特許文献1、2)が知られている。また、マグネシウムに結合する炭素原子が脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基を構成する第2級炭素原子である脂肪族又は脂環式グリニヤ化合物のカップリングについては、シクロヘキシルマグネシウムブロマイドを銀触媒の存在下でホモカップリングする方法が知られている(非特許文献3)。しかし、銀触媒は高価であるためコストが嵩むことが問題であった。また、収率の点でも不十分であった。
国際公開第2007/119743号
ORGANIC LETTERS., 2005, 7.10, 1943-1946 ORGANIC LETTERS., 2005, 7.3, 491-493 Chemistry Letters Vol. 34, No.8 (2005)
従って、本発明の目的は、マグネシウムに結合する炭素原子が脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基を構成する第2級炭素原子である脂肪族又は脂環式グリニヤ化合物を、安価な触媒の存在下でカップリングして、対応する1,1’,2,2’−4置換エタン誘導体を効率よく製造する方法を提供することにある。
本発明者等は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、安価な鉄触媒と再酸化剤を組み合わせて使用すると、高価な銀触媒を使用しなくても、マグネシウムに結合する炭素原子が脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基を構成する第2級炭素原子であるグリニヤ化合物をカップリングして、対応する1,1’,2,2’−4置換エタン誘導体を効率よく製造することができることを見いだした。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
すなわち、本発明は、鉄触媒と再酸化剤の存在下、下記式(1)
Figure 2014047159
(式中、R1、R2は同一又は異なって脂肪族炭化水素基を示す。R1、R2は互いに結合して第2級炭素原子と共に脂環式炭化水素基を形成していてもよい。Xはハロゲン原子を示す)
で表されるグリニヤ化合物と、下記式(2)
Figure 2014047159
(式中、R3、R4は同一又は異なって脂肪族炭化水素基を示す。R3、R4は互いに結合して第2級炭素原子と共に脂環式炭化水素基を形成していてもよい。X’はハロゲン原子を示す)
で表されるグリニヤ化合物をカップリングすることにより、下記式(3)
Figure 2014047159
(式中、R1、R2、R3、R4は上記に同じ)
で表される1,1’,2,2’−4置換エタン誘導体を製造する1,1’,2,2’−4置換エタン誘導体の製造方法を提供する。
前記鉄触媒としては鉄錯体が好ましい。
前記再酸化剤としてはアルキレンジハライドが好ましい。
本発明の1,1’,2,2’−4置換エタン誘導体の製造方法によれば、例えば、コーティング剤、インク、接着剤、シーラント剤、封止剤、レジスト、複合材料、透明基材、透明フィルム又はシート、光学材料(例えば、光学レンズ等)、絶縁材料、光造形材料、電子材料(例えば、電子ペーパー、タッチパネル、太陽電池基板、光導波路、導光板、ホログラフィックメモリ等)などの様々な用途で使用される硬化性化合物(例えば、3,3’,4,4’−ジエポキシビシクロへキシル等)の原料として有用な1,1’,2,2’−4置換エタン誘導体を、効率よく且つ安価に製造することができる。
本発明の1,1’,2,2’−4置換エタン誘導体の製造方法は、鉄触媒と再酸化剤の存在下、下記式(1)
Figure 2014047159
(式中、R1、R2は同一又は異なって脂肪族炭化水素基を示す。R1、R2は互いに結合して第2級炭素原子と共に脂環式炭化水素基を形成していてもよい。Xはハロゲン原子を示す)
で表されるグリニヤ化合物と、下記式(2)
Figure 2014047159
(式中、R3、R4は同一又は異なって脂肪族炭化水素基を示す。R3、R4は互いに結合して第2級炭素原子と共に脂環式炭化水素基を形成していてもよい。X’はハロゲン原子を示す)
で表されるグリニヤ化合物をカップリングすることにより、下記式(3)
Figure 2014047159
(式中、R1、R2、R3、R4は上記に同じ)
で表される1,1’,2,2’−4置換エタン誘導体を製造することを特徴とする。
上記式中、R1、R2、R3、R4は同一又は異なって脂肪族炭化水素基を示す。前記脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、デシル、ドデシル基などの炭素数1〜20程度(好ましくは1〜10、特に好ましくは1〜5)のアルキル基;ビニル、アリル、1−ブテニル基などの炭素数2〜20程度(好ましくは2〜10、特に好ましくは2〜3)のアルケニル基;エチニル、プロピニル基などの炭素数2〜20程度(好ましくは2〜10、特に好ましくは2〜3)のアルキニル基等を挙げることができる。
前記R1、R2、及びR3、R4は互いに結合して第2級炭素原子と共に脂環式炭化水素基を形成していてもよい。前記脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル基などの3〜20員程度(好ましくは3〜15員、特に好ましくは5〜8員)のシクロアルキル基;シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロへキセニル、シクロオクテニル基などの3〜20員程度(好ましくは3〜15員、特に好ましくは5〜8員)のシクロアルケニル基等を挙げることができる。
上記式中、X、X’は、同一又は異なって、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子から選択されるハロゲン原子を示す。
本発明において式(1)で表されるグリニヤ化合物と式(2)で表されるグリニヤ化合物は同一であってもよく、異なっていてもよい。式(1)で表されるグリニヤ化合物と式(2)で表されるグリニヤ化合物が同一である場合はホモカップリング反応、式(1)で表されるグリニヤ化合物と式(2)で表されるグリニヤ化合物が異なる場合はクロスカップリング反応により対応する1,1’,2,2’−4置換エタン誘導体が得られる。
上記式(1)で表されるグリニヤ化合物は、例えば、ヨウ素(I2)の存在下で下記式(4)で表される化合物にマグネシウムを反応させることにより製造することができる。式(4)中のR1、R2、Xは式(1)中のR1、R2、Xに対応する。また、上記式(2)で表されるグリニヤ化合物も同様の方法で製造することができる。
Figure 2014047159
マグネシウムの使用量としては、式(4)で表される化合物に対して、例えば0.1〜5.0モル当量程度、好ましくは0.2〜2.0モル当量である。また、ヨウ素(I2)の使用量としては、式(4)で表される化合物に対して、例えば1モル当量以下程度(例えば、0.001〜1モル当量)、好ましくは0.1モル当量以下である。
上記式(4)で表される化合物とマグネシウムの反応は溶媒の存在下で行うことが好ましい。溶媒としては反応の進行を阻害しないものであれば特に制限されることがなく、例えば、炭化水素類(例えば、ヘキサン、ヘプタン、トルエンなど)、エーテル類(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)など)等から選択される溶媒を使用することができる。溶媒の使用量としては、式(4)で表される化合物の、例えば0.5〜100重量倍程度である。
前記鉄触媒としては、鉄元素単体、無機鉄化合物[例えば、水酸化物、酸化物(複合酸化物を含む)、ハロゲン化物(フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物)、オキソ酸塩(硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、炭酸塩など)、オキソ酸、イソポリ酸、ヘテロポリ酸など]、有機鉄化合物[例えば、有機酸塩(酢酸塩、プロピオン酸塩、青酸塩、ナフテン酸塩、ステアリン酸塩など)、錯体など]を挙げることができる。
前記錯体を構成する配位子としては、OH(ヒドロキソ)、アルコキシ(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなどの炭素数1〜10のアルコキシ)、アシル(アセチル、プロピオニルなどの炭素数2〜20のアシル)、アルコキシカルボニル(メトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどの炭素数2〜20のアルコキシカルボニル)、アセチルアセトナト、シクロペンタジエニル基、ハロゲン原子(塩素、臭素など)、CO、CN、酸素原子、H2O(アコ)、リン化合物(トリフェニルホスフィンなどのトリC6-20アリールホスフィンなど)、NH3(アンミン)、NO、NO2(ニトロ)、NO3(ニトラト)、アミン(エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ピリジン、フェナントロリンなど)等を挙げることができる。
鉄触媒の具体例としては、水酸化鉄、酸化鉄、塩化鉄、臭化鉄、硝酸鉄、硫酸鉄、リン酸鉄などの無機化合物;酢酸鉄、ナフテン酸鉄、ステアリン酸鉄などの有機酸塩;鉄アセチルアセトナト(=Fe(C5823、Fe(acac)3)などの錯体等の2価又は3価の鉄化合物を挙げることができる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
前記鉄触媒の使用量としては、例えば、前記式(1)及び式(2)で表されるグリニヤ化合物の総量に対して、0.01〜100モル%程度、好ましくは0.1〜50モル%、特に好ましくは0.1〜10モル%、最も好ましくは0.1〜5モル%である。鉄触媒の使用量が上記範囲を上回ると、触媒のコストが嵩み、不経済となる傾向がある。一方、鉄触媒の使用量が上記範囲を下回ると、1,1’,2,2’−4置換エタン誘導体の収率が低下する傾向がある。
前記再酸化剤としては、例えば、アルキレンジハライド;2,2,6,6-tetramethylpiperidineN-oxyl(TEMPO)、N-methylmorpholineN-oxide(NMO)、ピリジンN−オキシドなどのアミンオキシド類;過ヨウ素酸ナトリウム、tert−ブチルヒドロペルオキシド等を挙げることができる。本発明においては、なかでも優れた収率で1,1’,2,2’−4置換エタン誘導体を製造することができる点で、アルキレンジハライドを使用することが好ましい。
前記アルキレンジハライドは下記式(5)で表される。
1−A−X2 (5)
(式中、Aはアルキレン基又はシクロアルキレン基を示し、X1、X2は同一又は異なって、ハロゲン原子を示す)
前記式中、Aにおけるアルキレン基としては、例えば、メチレン、メチルメチレン、1,1−ジメチルメチレン、エチレン、メチルエチレン、1,1−ジメチルエチレン、トリメチレン、1−メチルトリメチレン、2−メチルトリメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、ノナメチレン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレン、デカメチレン、ドデカメチレン基等の直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜15(好ましくは炭素数2〜8、特に好ましくは炭素数2〜6)アルキレン基を挙げることができる。
前記式中、Aにおけるシクロアルキレン基としては、例えば、1,2−シクロペンチレン、1,3−シクロペンチレン、1,2−シクロへキシレン、1,3−シクロへキシレン、1,4−シクロへキシレン基等の炭素数3〜15(好ましくは炭素数3〜6)のシクロアルキレン基を挙げることができる。
1、X2は同一又は異なって、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子から選択されるハロゲン原子を示す。本発明においては、なかでも優れた収率で1,1’,2,2’−4置換エタン誘導体を製造することができる点で臭素原子が好ましい。
アルキレンジハライドの具体例としては、エチレンジブロマイド、1,2−ジブロモエタン、1.2−ジブロモイソブタン、1,2−ジブロモヘキサン、1,2−ジブロモヘプタン、1,2−ジブロモシクロヘキサン等を挙げることができる。
前記再酸化剤の使用量としては、例えば、前記式(1)及び式(2)で表されるグリニヤ化合物の総量に対して、0.1〜5.0モル当量程度、好ましくは0.3〜1.0モル当量、特に好ましくは0.5〜1.0モル当量である。再酸化剤の使用量が上記範囲を上回ると、生産性が悪く、非効率なプロセスとなる傾向がある。一方、再酸化剤の使用量が上記範囲を下回ると、1,1’,2,2’−4置換エタン誘導体の収率が低下する傾向がある。
カップリング反応は、溶媒の存在下又は非存在下で行うことができる。前記溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、石油エーテル等の飽和又は不飽和炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;スルホラン等のスルホラン系溶媒;ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒;シリコーンオイル等の高沸点溶媒等を挙げることができる。これらは単独で又は2種以上を混合して使用することができる。本発明においては、なかでも、エーテル系溶媒を使用することが好ましく、特に乾燥テトラヒドロフラン等の乾燥エーテル系溶媒を使用することが、優れた成績でカップリングを行うことができる点で好ましい。
カップリング反応は常圧下で行ってもよく、減圧下又は加圧下で行ってもよい。また、上記反応の反応雰囲気としては反応を阻害しない限り特に限定されず、例えば、空気雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気などの何れであってもよい。反応温度は、例えば−20〜20℃未満程度、好ましくは0〜20℃、特に好ましくは0〜10℃、最も好ましくは0〜5℃である。反応時間は、例えば0.1〜24時間程度、好ましくは0.1〜12時間である。また、反応はバッチ式、セミバッチ式、連続式などの何れの方法でも行うことができる。
反応終了後、得られた反応生成物は、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、吸着、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により分離精製できる。
本発明の1,1’,2,2’−4置換エタン誘導体の製造方法は上記構成を有するため、安価な鉄触媒を使用することにより、優れた収率で効率よく目的とする1,1’,2,2’−4置換エタン誘導体を得ることができる。本発明では銀等の高価な金属元素を含む触媒を使用する必要はなく、鉄触媒以外の触媒(特に、銀等の高価な金属元素を含む触媒)の使用量は、前記式(1)及び式(2)で表されるグリニヤ化合物の総量に対して、例えば0.1モル%以下、好ましくは0.05モル%以下であり、実質的に使用しないことが特に好ましい。
本発明の1,1’,2,2’−4置換エタン誘導体の製造方法で得られる1,1’,2,2’−4置換エタン誘導体は熱特性に優れる硬化物を形成することができるジエポキシ化合物の原料として特に有用である。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
窒素雰囲気下で、反応用試験管に乾燥THF5mLとFe(acac)336mg(グリニヤ化合物に対して4mol%)、エチレンジブロマイド327mg(1.7mmol、グリニヤ化合物に対して0.7モル当量)を仕込み、室温で撹拌、溶解させた。内温が3℃になるまで冷却し、5℃以下を保つように制御しながら、グリニヤ化合物として0.45mol/Lシクロヘキシルマグネシウムブロマイド5.5mL(2.49mmol)を20分で滴下し、そのまま20分間撹拌を続けた。反応系内に1NのH2SO4を6mL滴下し、メチルターシャリーブチルエーテル10mLで希釈し、有機層を分液して、5%NaHCO3及び水でそれぞれ洗浄した。有機層にはビシクロヘキシルが176mg含まれていた(1.0mmol、収率85%)。
Figure 2014047159
実施例2
窒素雰囲気下で、反応用試験管に乾燥THF5mLとFe(acac)336mg(グリニヤ化合物に対して5mol%)、1,2−ジブロモヘキサン497mg(2.0mmol、グリニヤ化合物に対して1.0モル当量)を仕込み、室温で撹拌、溶解させた。内温が3℃になるまで冷却し、5℃以下を保つように制御しながら、グリニヤ化合物として0.68mol/Lシクロヘキシルマグネシウムブロマイド3.0mL(2.0mmol)を20分で滴下し、そのまま20分間撹拌を続けた。反応系内に1NのH2SO4を6mL滴下し、メチルターシャリーブチルエーテル10mLで希釈して有機層を分液して、5%NaHCO3及び水でそれぞれ洗浄した。有機層にはビシクロヘキシルが144mg含まれていた(0.87mmol、収率85%)。
実施例3
1,2−ジブロモヘキサンに代えて1,2−ジブロモイソブタンを440mg(2.0mmol、グリニヤ化合物に対して1.0モル当量)使用した以外は実施例2と同様に反応を行ったところ、水洗後の有機層にはビシクロヘキシルが129mg含まれていた(0.78mmol、収率76%)。
実施例4
(シクロヘキセニルマグネシウムブロマイドの調製)
窒素雰囲気下、反応用フラスコにMg140mg(5.5mmol、4−ブロモシクロヘキセンに対して1.1モル当量)、乾燥THF5mL、ヨウ素(I2)10mg(4−ブロモシクロヘキセンに対して0.008モル当量)を仕込み、氷冷下、撹拌しながら4−ブロモシクロヘキセン805mg(5mmol)のTHF5mL溶液をゆっくりと滴下した。30分間撹拌を続けた後、内温を65℃まで加熱して30分間撹拌して、シクロヘキセニルマグネシウムブロマイドを得た。
(ビシクロヘキセンの製造)
窒素雰囲気下で、反応用試験管に乾燥THF10mLとFe(acac)397.1mg(グリニヤ化合物に対して5.5mol%)、エチレンジブロマイド890mg(5mmol、グリニヤ化合物に対して1.0モル当量)を仕込み、室温で撹拌、溶解させた。内温が3℃になるまで冷却し、5℃以下を保つように制御しながら、グリニヤ化合物として、得られたシクロヘキセニルマグネシウムブロマイド(5mmol)を20分で滴下し、そのまま20分間撹拌を続けた。反応系内に1NのH2SO4を12mL滴下し、メチルターシャリーブチルエーテル20mLで希釈し、有機層を分液して、5%NaHCO3及び水でそれぞれ洗浄した。有機層を減圧下で脱低沸処理を行い、3,3’−ビシクロヘキセン220mgを得た(1.36mmol、収率55%)。
Figure 2014047159

Claims (3)

  1. 鉄触媒と再酸化剤の存在下、下記式(1)
    Figure 2014047159
    (式中、R1、R2は同一又は異なって脂肪族炭化水素基を示す。R1、R2は互いに結合して第2級炭素原子と共に脂環式炭化水素基を形成していてもよい。Xはハロゲン原子を示す)
    で表されるグリニヤ化合物と、下記式(2)
    Figure 2014047159
    (式中、R3、R4は同一又は異なって脂肪族炭化水素基を示す。R3、R4は互いに結合して第2級炭素原子と共に脂環式炭化水素基を形成していてもよい。X’はハロゲン原子を示す)
    で表されるグリニヤ化合物をカップリングすることにより、下記式(3)
    Figure 2014047159
    (式中、R1、R2、R3、R4は上記に同じ)
    で表される1,1’,2,2’−4置換エタン誘導体を製造する1,1’,2,2’−4置換エタン誘導体の製造方法。
  2. 鉄触媒が鉄錯体である請求項1に記載の1,1’,2,2’−4置換エタン誘導体の製造方法。
  3. 再酸化剤がアルキレンジハライドである請求項1又は2に記載の1,1’,2,2’−4置換エタン誘導体の製造方法。
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