JP2014046871A - ドア構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドアの開閉時などにおけるドアガラスの揺動を抑え、さらに異なる車種間で部品の共通化を図ることが可能なドア構造を提供する。
【解決手段】ドア構造100は、ドアサッシュ108とドアガラス104とを含む。ドア構造100は、ドアアウタパネル106およびドアインナパネル102、ドアインナパネル102に上下方向に伸びるよう取り付けられるガイドレール124を有するウィンドレギュレータ120、ドアガラス104の下部に取り付けられてガイドレール124上をスライド可能なキャリアプレート126、ドアサッシュ108および収納空間E1内にてドアガラス104の縁に沿って設置されるガラスラン110、を備える。ガイドレール124は、その下端124aが、ドアサッシュ108に沿って昇降した場合のドアガラス104の仮想軌跡L1と比べて、ドアインナパネル102側に片寄るよう形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、ドアサッシュと、このドアサッシュに沿って昇降するドアガラスとを含んだ車両のドア構造に関するものである。
一般的な車両のドア構造は、例えば特許文献1にあるように、ドアガラスがドアサッシュに沿って昇降する構成となっている。このドアガラスの昇降機構として、レール式のウィンドレギュレータが広く普及している。一般的なレール式のウィンドレギュレータは、モータユニットとガイドレールとを有している。このガイドレールにはドアガラスの下部のキャリアプレートがかみ合っていて、モータユニットの動力でケーブルを介してキャリアプレートを昇降させる構造となっている。特許文献1においても、ドアアウタパネルとドアインナパネルとで構成された空間内に、ドアガラスの昇降方向、すなわち上下方向へ伸びるようガイドレールが設置され、これにキャリアプレートがかみ合っている。
特許第2988098号公報
ドアガラスは、ドアの開閉時などに、いわゆる「バタつき」と呼ばれる揺動および異音を生じさせることがある。このバタつきは、ドアガラスを中程度に下降させた状態など、ガラスラン等によるドアガラスの支持力が下がっている場合に起こりやすい。特に、レール式のウィンドレギュレータでは、特許文献1にも記載されているとおり、ドアガラスの下部のキャリアプレートとそれを支えるガイドレールとの間に、抵抗を減らすための若干の隙間が確保されているため、バタつきを防ぎきることは難しい。
また、現在では多くの異なるタイプの車種が開発され、さらに同一車種においてもモデルチェンジが大小さまざまな規模で常に行われている。その際、コスト削減の観点から、各車種同士および各モデル同士でできるだけ部品の共通化を図りたいという要望がある。
本発明は、このような課題に鑑み、ドアの開閉時などにおけるドアガラスの揺動を抑え、さらに異なる車種間で部品の共通化を図ることが可能なドア構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明にかかるドア構造の代表的な構成は、ドアサッシュと、ドアサッシュに沿って昇降可能なドアガラスとを含んだ車両のドア構造であって、ドアの外装となるドアアウタパネルと、ドアアウタパネルの車内側に連結し、ドアアウタパネルとの間にドアガラスの収納空間を形成するドアインナパネルと、収納空間内にて上下方向へ伸びるようドアインナパネルに取り付けられるガイドレールを有し、ガイドレールに沿ってドアガラスを昇降させるウィンドレギュレータと、ドアガラスの下部に取り付けられ、ガイドレール上をスライド可能なキャリアプレートと、ドアサッシュおよび収納空間内にてドアガラスの縁に沿って設置されてドアガラスとドアサッシュとの隙間をふさぐガラスランと、を備え、ガイドレールは、その下端が、ドアサッシュに沿って昇降した場合のドアガラスの仮想軌跡と比べて、ドアアウタパネル側またはドアインナパネル側のいずれか一方に片寄るよう形成されていることを特徴とする。
上記のガイドレールは下端がドアアウタパネル側またはドアインナパネル側に片寄っているため、これに沿って下降したドアガラスもドアアウタパネル側またはドアインナパネル側にその位置が片寄る。すると、ドアガラスは、ガラスランの車外側または車内側により強く押しつけられることになる。これによって、ドアガラスはガラスランから通常よりも大きな反力を受けることができるため、その揺動が抑えられる。
上記のガイドレールはさらに、その上端が、仮想軌跡と比べて、ドアアウタパネル側に片寄るよう形成されていてもよい。このガイドレールに沿って上昇したドアガイドレールは、ドアアウタパネル側へその位置が片寄ることになる。ここで、従来のドアガラスでは、閉じきった時に、ウィンドレギュレータのモータのトルクによってドアガラスにさらに車外側へと押し出すような力が加わることがあった。このような力が加わると、キャリアプレートを介して、ガイドレールを設置しているドアインナパネルも車外側へと引っ張られて変形するおそれがある。そこで、上記構成では、ドアガラスを閉じた際にドアガラスがそれ以上車外側へ移動できないよう、ガイドレールの上端をあえて車外側すなわちドアアウタパネル側へと片寄らせていて、これによってドアガラスをガラスランの車外側に押しつけてその移動を防いでいる。したがって、ドアインナパネルの変形の発生も防止できる。
上記課題を解決するために、本発明にかかるドア構造の他の代表的な構成は、ドアサッシュと、ドアサッシュに沿って昇降可能なドアガラスとを含んだ車両のドア構造であって、ドアの外装となるドアアウタパネルと、ドアアウタパネルの車内側に連結し、ドアアウタパネルとの間にドアガラスの収納空間を形成するドアインナパネルと、収納空間内にて上下方向へ伸びるようドアインナパネルに取り付けられるガイドレールを有し、ガイドレールに沿ってドアガラスを昇降させるウィンドレギュレータと、ドアガラスの下部に取り付けられ、ガイドレール上をスライド可能なキャリアプレートと、を備え、ガイドレールは、その上端が、ドアサッシュに沿って昇降した場合のドアガラスの仮想軌跡と比べて、ドアアウタパネル側に片寄るよう形成されていることを特徴とする。
上記構成においても、ガイドレールの上端をあえてドアアウタパネル側へと片寄らせていて、これによってドアガラスを閉じた際にドアガラスがそれ以上車外側へ移動できないようにし、これによってドアインナパネルの変形の発生を防いでいる。
上記のガイドレールおよび仮想軌跡は、車幅方向の縦断面において、車内側に中心を有する円弧をそれぞれ描いていて、ガイドレールおよび仮想軌跡は、円弧の曲率が互いに異なっているとよい。このように、ガイドレールおよびドアガラスとその軌跡を円弧状に設定したうえでも、前述したようにガイドレールをその下端や上端が車幅方向のどちらかに片寄るよう配置することは可能である。そして、ガイドレールおよび仮想軌跡の曲率をあえて互いに異なるものに設定することで、従来はそれらを車種ごとに同一の曲率で製造していたところ、例えばガイドレールを異なる車種間で流用するなどの部材の共通化が図りやすくなる。したがって、コストダウンも図ることが可能になる。
上記課題を解決するために、本発明にかかるドア構造の他の代表的な構成は、ドアサッシュと、ドアサッシュに沿って昇降可能なドアガラスとを含んだ車両のドア構造であって、ドアの外装となるドアアウタパネルと、ドアアウタパネルの車内側に連結し、ドアアウタパネルとの間にドアガラスの収納空間を形成するドアインナパネルと、収納空間内にて上下方向へ伸びるようドアインナパネルに取り付けられるガイドレールを有し、ガイドレールに沿ってドアガラスを昇降させるウィンドレギュレータと、ドアガラスの下部に取り付けられ、ガイドレール上をスライド可能なキャリアプレートと、ドアサッシュおよび収納空間内にてドアガラスの縁に沿って設置されてドアガラスとドアサッシュとの隙間をふさぐガラスランと、を備え、車幅方向の縦断面におけるガイドレールおよびドアサッシュに沿って昇降した場合のドアガラスの仮想軌跡は、車内側に中心を有する円弧をそれぞれ描き、円弧の曲率が互いに異なっていて、ガイドレールは、車幅方向の縦断面において、その上端および下端に比べて中央が仮想軌跡側へ片寄った形状、またはその上端および下端に比べて中央が仮想軌跡から離間した形状を有していることを特徴とする。
上記構成では、ガイドレールの中央が仮想軌跡側へ片寄った形状の場合、またはガイドレールの中央が仮想軌跡から離間した形状の場合のいずれにおいても、ドアガラスは、昇降方向の中央部分に位置するとき、ガラスランにより強く押しつけられて大きな反力を受ける。したがって、その状態においてドアの開閉を行ったとしても、ドアガラスの揺動は抑えられる。また、ガイドレールおよび仮想軌跡の曲率をあえて互いに異なるものに設定することで、それらを同一の曲率で車種ごとに製造する場合よりも、部材の共通化が図りやすくなる。したがって、コストダウンを図ることも可能になる。
本発明によれば、ドアの開閉時などにおけるドアガラスの揺動を抑え、さらに異なる車種間で部品の共通化を図ることが可能なドア構造を提供することが可能となる。
本発明の第1実施形態にかかるドア構造を示す図である。 図1のA―A断面図である。 図1のB−B断面図である。 図1のガラスランの各断面図である。 図2のウェザストリップの拡大図である。 第2実施形態にかかるドア構造を示した図である。 第3実施形態にかかるドア構造を示した図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態にかかるドア構造100を示す図である。図1に示すドア構造100は、車両の右側のフロントドアを想定したものであって、車内側から見てドアインナパネル102を透過して図示を行っている。当該ドア構造100のドアガラス104は、電動で昇降するいわゆるパワーウィンドウであって、その昇降機構としてレール式のウィンドレギュレータ120を備えている。
図2を参照して、ドア構造100の基本構成から説明する。図2は、図1のA―A断面図である。このA−A断面は、ドア構造100の車幅方向の縦断面である。図2に示すように、当該ドア構造100には、外装となるドアアウタパネル106と、このドアアウタパネル106に車内側から連結しているドアインナパネル102が含まれている。そして、これらパネル部材の間にドアガラス104の収納空間E1が形成されている。
図1に示すように、ドアガラス104は、窓枠であるドアサッシュ108に囲われていて、このドアサッシュ108に沿って昇降する。ドアサッシュ108には、ドアガラス104の縁に沿ってガラスラン110が設けられている。ガラスラン110は、ドアサッシュ108とドアガラス104との間の隙間を封じる、樹脂またはゴム製で弾性を有するシール部材である。図2に示すように、ガラスラン110は溝状になっていて、車外側のリップ部110a、および車内側のリップ部110bによってドアガラス104を挟むように支えている。図1に示すように、ガラスラン110の端部112a・112bはドアサッシュ108よりも下方の収納空間E1内にまで延びていて、ドアガラス104を降下させた状態においてもその縁を挟んでいて、その昇降を案内する。
また、ドアインナパネル102およびドアアウタパネル106(図2参照)の上縁には、ウェザストリップ114a・114bが備えられている。ウェザストリップ114a・114bもまた、ガラスラン110と同じく、樹脂製のシール部材である。図2に示すように、ドアアウタパネル106の上縁にはウェザストリップ114aが備えられ、ドアインナパネル102の上縁にはウェザストリップ114bが備えられ、これらによってドアガラス104と各パネルとの隙間が封じられている。
図1を参照して、ドアガラス104の昇降機構について説明する。ウィンドレギュレータ120は、モータユニット122、およびガイドレール124を備えている。モータユニット122は、モータの回転力を動力源として、ケーブル(図示省略)を介してガイドレール124上のキャリアプレート126を昇降させる。ガイドレール124は、上下のブラケット128a・128bによって、上下方向へ伸びるようにドアインナパネル102に設置されている。ガイドレール124にかみ合っているキャリアプレート126は、ドアガラス104の下部に取り付けられた部材であって、上述したようにケーブルに引っ張られることでガイドレール124上をスライドする。
図3は、図1のB−B断面図である。図3に例示するように、キャリアプレート126にはガイドレール124にかみ合うための溝部130が形成されている。この溝部130の縁の所定箇所には、ガイドレール124の背面側にまわり込むようバネ形状部131が設けられている。バネ形状部131は樹脂で形成されていて、弾性を有し、ガイドレール124を溝部130の内側に押しつけている。このバネ形状部131を有することで、キャリアプレート126はガイドレール124に沿ってスライドすることが可能になっている。
当該ドア構造100では、ウィンドレギュレータ120の構成を工夫することで、ドアガラス104のいわゆるバタつきと呼ばれる揺動および異音を抑えることが可能になっている。例えば図2に示したように、本実施形態では、ガイドレール124の下端124aが、ドアインナパネル102側に片寄るように形成されている。
通常であれば、ドアガラス104は、ドアサッシュ108およびガラスラン110に沿って昇降した場合の仮想軌跡L1に沿って昇降する。これに対して、本実施形態のガイドレール124は、その下端124aを、仮想軌跡L1と比べて、ドアインナパネル102側に片寄らせている。すると、下降したドアガラス104は、その位置が仮想軌跡上よりも車内側の位置になる。
図4は、図1のガラスラン110の各断面図である。図4(a)は図1のドアガラス104を下降させた場合におけるC−C断面図であって、図4(c)はその比較例であるドア構造10を例示した図である。本実施形態のドア構造100では、上述した図2のガイドレール124の構造によって、下降したドアガラス104が通常よりも車内側に位置する。すると、図4(c)のドア構造10のドアガラス20がガラスラン110の中央に位置しているのに対し、図4(a)の当該ドア構造100のドアガラス104はガラスラン110のうちの特に車内側のリップ部110bにより強く押しつけられる。
このように、当該ドア構造100では、ドアガラス104が、ガラスラン110の車内側のリップ部110bから通常よりも大きな反力を受ける。このリップ部110bによってドアガラス104は支えられ、ドアを開閉した場合などにおいても揺動することがなく、それに伴う異音の発生も抑えられる。通常、下降したドアガラス104は、その上辺がガラスラン110に支えられていないために、揺動がより起こりやすくなっている。その点において、本実施形態の構成は、非常に有効である。
また、本実施形態では、揺動の防止以外にも、ドアガラスを閉じきった時にドアインナパネル102に変形が起こらないよう配慮して、ガイドレール124の形状を設定している。具体的には、図2に示すように、ガイドレール124は、その上端124bが、仮想軌跡L1と比べて、ドアアウタパネル106側に片寄るよう形成されている。
このガイドレール124に沿って上昇したドアガラス104は、ドアアウタパネル106側へその位置が片寄ることになる。ここで、従来のドアガラスでは、閉じきった時に、ウィンドレギュレータ120のモータのトルクによってドアガラスがさらに上昇を続けようとし、結果としてウィンドレギュレータ120のケーブル(図示省略)を通じてドアガラスに車外側へと押し出すような力が加わることがあった。このような力が加わると、キャリアプレート126を介して、ガイドレール124を設置しているドアインナパネル102も車外側へと引っ張られ、変形が生じるおそれがある。
そこで、本実施形態では、ドアガラス104を閉じた際にドアガラス104がそれ以上車外側へ移動できないよう、ガイドレール124の上端124bをあえて車外側すなわちドアアウタパネル106側へと片寄らせている。
図4(b)は図1のD−D断面図である。上述した図2のガイドレール124の上端124bが車外側へ片寄っていることで、上昇したドアガラス104も、特にその下部において、通常の状態(図4(c)参照)よりも車外側に位置する。これにより、ドアガラス104はガラスラン110のうちの特に車外側のリップ部110aにより強く押しつけられている。
図5は、図2のウェザストリップ114a・114bの拡大図である。図5(a)は本実施形態のドア構造100に含まれるウェザストリップ114a・114bを示していて、図5(b)は比較例であるドア構造10を例示した図である。図5(b)のドア構造10におけるドアガラス20は、ウェザストリップ114a・114bの中間に位置しているのに対し、図5(a)の本実施形態のドア構造100のドアガラス104は、図2で示したガイドレール124の構造によって車外側に位置し、ウェザストリップ114aに強く押しつけられている。
以上のように、当該ドア構造100のドアガラス104は、閉じた際に、図4(b)のガラスラン110の車外側のリップ部110a、および図5(a)の車外側のウェザストリップ114aに押しつけられ、それ以上の車外側への移動が防がれている。したがって、ドアガラス104の車外側への移動に伴うドアインナパネル102の変形も防がれている。この構成であれば、補強部材等を追加することなく、ドアインナパネル102の変形が防げるため、コストの増加を招くことがなく、好適である。
(第2実施形態)
図6は、第2実施形態にかかるドア構造200を示した図である。図6に示すドア構造200は、ウィンドレギュレータ201のガイドレール202の形状の点において、図2のドア構造100と異なっている。ガイドレール202は、下端202aが、仮想軌跡L1に比べて、ドアアウタパネル106側に片寄っている。この構成によると、下降したドアガラス104は、その位置が、仮想軌跡L1上よりも車外側に位置する。この構成によっても、図4(b)を参照して説明したように、ガラスラン110の車外側のリップ部110aにより強く押しつけられ、より大きな反力を受ける。したがって、ドア構造200においても、ドアを開閉した際などにおけるドアガラス104の揺動を抑えることが可能になる。
(第3実施形態)
図7は、第3実施形態にかかるドア構造300を示した図である。このドア構造300もまた、ウィンドレギュレータ302のガイドレール304の形状の点において、各実施形態のドア構造と構成が異なっている。本実施形態のガイドレール304および仮想軌跡L1は、図中に示す車幅方向の縦断面において、車内側に中心を有するようにして円弧をそれぞれ描いている。これらガイドレール304および仮想軌跡L1の円弧は曲率が互いに異なり、ガイドレール304の曲率(Rr)が仮想軌跡L1の曲率(Rg)よりも小さくなっている(Rr<Rg)。
このように、ガイドレール304およびドアガラス104とその仮想軌跡L1を円弧状に設定しても、ガイドレール304をその下端304aおよび上端304bが車幅方向のどちらかに片寄るよう配置することは可能である。例えば、ガイドレール304は、下端304aおよび上端304bが、仮想軌跡L1から離れるようにして、ドアインナパネル102側へ片寄っている。言い換えると、ガイドレール304は、中央部304cが、下端304aおよび上端304bに比べて仮想軌跡L1側へ片寄った形状をしている。
本実施形態によれば、ドアガラス104は、昇降方向の中間部分に位置するとき、仮想軌跡L1上よりも車外側に片寄ることになる。その際、ドアガラス104は、ガラスラン110の車外側のリップ部110a(図4(b)参照)により強く押しつけられ、大きな反力を受ける。これによって、ドアガラス104は揺動を抑えることが可能になる。なお、図中に示す構成とは反対に、ガイドレール304を、その中央が下端および上端に比べて仮想軌跡L1から車内側へ離間した形状(例えば、ガイドレールを曲率Rgよりも大きな曲率に設定する)としても、ドアガラス104がガラスラン110の車内側のリップ部110b(図4(a)参照)に強く押しつけられるため、同様の効果を得ることが可能である。
また、ガイドレール304およびドアガラス104とその軌跡をあえて互いに異なる曲率の円弧状に設定している。これにより、従来はそれらを同一の曲率で車種ごとに製造していたところ、例えばガイドレールは異なる車種間で流用するなどの部材の共通化によるコストダウンを図ることが可能になる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、ドアサッシュと、このドアサッシュに沿って昇降するドアガラスとを含んだ車両のドア構造として利用することができる。
E1 …収納空間、L1 …仮想軌跡、10 …比較例のドア構造、20 …比較例のドアガラス、100 …ドア構造、102 …ドアインナパネル、104 …ドアガラス、106 …ドアアウタパネル、108 …ドアサッシュ、110 …ガラスラン、110a …車外側のリップ部、110b …車内側のリップ部、112a・112b …ガラスランの端部、114a …車外側のウェザストリップ、114b …車内側のウェザストリップ、120 …ウィンドレギュレータ、122 …モータユニット、124 …ガイドレール、124a …ガイドレールの下端、124b …ガイドレールの上端、126 …キャリアプレート、128a・128b …ブラケット、130 …溝部、131 …バネ形状部、200 …第2実施形態のドア構造、201 …ウィンドレギュレータ、202 …ガイドレール、202a …ガイドレールの下端、300 …第3実施形態のドア構造、302 …ウィンドレギュレータ、304 …ガイドレール、304a …ガイドレールの下端、304b …ガイドレールの上端、304c …ガイドレールの中央部、

Claims (5)

  1. ドアサッシュと、該ドアサッシュに沿って昇降可能なドアガラスとを含んだ車両のドア構造であって、
    ドアの外装となるドアアウタパネルと、
    前記ドアアウタパネルの車内側に連結し、該ドアアウタパネルとの間に前記ドアガラスの収納空間を形成するドアインナパネルと、
    前記収納空間内にて上下方向へ伸びるよう前記ドアインナパネルに取り付けられるガイドレールを有し、該ガイドレールに沿って前記ドアガラスを昇降させるウィンドレギュレータと、
    前記ドアガラスの下部に取り付けられ、前記ガイドレール上をスライド可能なキャリアプレートと、
    前記ドアサッシュおよび前記収納空間内にて前記ドアガラスの縁に沿って設置されて該ドアガラスとドアサッシュとの隙間をふさぐガラスランと、を備え、
    前記ガイドレールは、その下端が、前記ドアサッシュに沿って昇降した場合の前記ドアガラスの仮想軌跡と比べて、前記ドアアウタパネル側または前記ドアインナパネル側のいずれか一方に片寄るよう形成されていることを特徴とするドア構造。
  2. 前記ガイドレールはさらに、その上端が、前記仮想軌跡と比べて、前記ドアアウタパネル側に片寄るよう形成されていることを特徴とする請求項1に記載のドア構造。
  3. ドアサッシュと、該ドアサッシュに沿って昇降可能なドアガラスとを含んだ車両のドア構造であって、
    ドアの外装となるドアアウタパネルと、
    前記ドアアウタパネルの車内側に連結し、該ドアアウタパネルとの間に前記ドアガラスの収納空間を形成するドアインナパネルと、
    前記収納空間内にて上下方向へ伸びるよう前記ドアインナパネルに取り付けられるガイドレールを有し、該ガイドレールに沿って前記ドアガラスを昇降させるウィンドレギュレータと、
    前記ドアガラスの下部に取り付けられ、前記ガイドレール上をスライド可能なキャリアプレートと、を備え、
    前記ガイドレールは、その上端が、前記ドアサッシュに沿って昇降した場合の前記ドアガラスの仮想軌跡と比べて、前記ドアアウタパネル側に片寄るよう形成されていることを特徴とするドア構造。
  4. 前記ガイドレールおよび前記仮想軌跡は、車幅方向の縦断面において、車内側に中心を有する円弧をそれぞれ描いていて、
    前記ガイドレールおよび前記仮想軌跡は、前記円弧の曲率が互いに異なっていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のドア構造。
  5. ドアサッシュと、該ドアサッシュに沿って昇降可能なドアガラスとを含んだ車両のドア構造であって、
    ドアの外装となるドアアウタパネルと、
    前記ドアアウタパネルの車内側に連結し、該ドアアウタパネルとの間に前記ドアガラスの収納空間を形成するドアインナパネルと、
    前記収納空間内にて上下方向へ伸びるよう前記ドアインナパネルに取り付けられるガイドレールを有し、該ガイドレールに沿って前記ドアガラスを昇降させるウィンドレギュレータと、
    前記ドアガラスの下部に取り付けられ、前記ガイドレール上をスライド可能なキャリアプレートと、
    前記ドアサッシュおよび前記収納空間内にて前記ドアガラスの縁に沿って設置されて該ドアガラスとドアサッシュとの隙間をふさぐガラスランと、を備え、
    車幅方向の縦断面における前記ガイドレールおよび前記ドアサッシュに沿って昇降した場合の前記ドアガラスの仮想軌跡は、車内側に中心を有する円弧をそれぞれ描き、該円弧の曲率が互いに異なっていて、
    前記ガイドレールは、車幅方向の縦断面において、その上端および下端に比べて中央が前記仮想軌跡側へ片寄った形状、またはその上端および下端に比べて中央が該仮想軌跡から離間した形状を有していることを特徴とするドア構造。
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