JP2014045557A - 電動負荷の駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電動負荷の作動が急激に制限されたり、昇圧器に流す電流を過剰に制限することを抑制しつつ、該昇圧器が過剰に高温になるのを適切に防止する。
【解決手段】昇圧器12の温度を上限温度以下の温度に抑制するための昇圧器電流上限値を、昇圧器12を冷却する冷媒の温度の検出値と昇圧器12の出力電圧の目標値とに応じて決定する昇圧器電流上限値決定手段41を備える。昇圧器電流上限値は、冷媒の温度が高いほど、また、昇圧器の出力電圧が高いほど、小さくなるように決定される。昇圧器12の実際の通電電流が昇圧器電流上限値以下になるように制御される。
【選択図】図1

Description

本発明は、電動機等の電動負荷の駆動装置に関する。
蓄電装置から出力される直流電力を、適宜、昇圧器(DC−DCコンバータ)により昇圧し、該昇圧器の出力電力を、電動機等の電動負荷に供給することで、該電動負荷を駆動するシステムが従来より知られている。
この種のシステムでは、昇圧器が過剰に高温になって、該昇圧器の構成素子(スイッチング素子等)の損傷が発生するのを防止するために、昇圧器の温度の検出値が所定の上限温度を超えると、昇圧器から電動負荷に供給する電力を強制的に制限することで、昇圧器に流す電流を制限するようにしたものが従来より一般に知られている。
また、例えば特許文献1には、昇圧器を冷却水等の冷媒により冷却すると共に、昇圧器に流す電流の検出値が、冷媒の温度に応じて設定した閾値と、蓄電装置の保護用の閾値とのうちの小さい方の閾値を超えた場合に、昇圧器に流す電流を制限する技術が記載されている。
特開2011−250511号公報
ところで、昇圧器の温度は、該昇圧器の通電電流が比較的大きい場合に、発熱により急速に上昇しやすい。このため、昇圧器の温度の検出値が所定の上限温度を超えたときに、昇圧器の通電電流を制限する技術では、該通電電流を速やかに大きく制限せざるを得ない。このため、電動負荷の作動が急激に変化しやすいという不都合がある。また、昇圧器の温度が十分に低下するまでに、ある程度時間がかかるため、電動負荷の作動が過剰に制限されてしまいやすいという不都合がある。
また、本願発明者の種々様々の実験、検討によれば、昇圧器の温度は、該昇圧器の出力電圧に対する依存性を有し、該昇圧器を冷却する冷媒の温度が一定であっても、昇圧器の出力電圧が大きいほど、昇圧器の温度が高くなる傾向がある。
しかるに、特許文献1に見られる従来の技術では、昇圧器の温度に対する昇圧器の出力電圧の影響が考慮されていない。
このため、特許文献1に見られる従来の技術では、昇圧器の出力電圧が比較的大きい場合に、昇圧器の温度が過剰に高温になったり、あるいは、昇圧器の出力電圧が比較的小さい場合に、昇圧器に流す電流、ひいては、電動負荷に供給し得る電力が必要以上に制限されてしまうという不都合を生じる恐れがあった。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、電動負荷の作動が急激に制限されたり、昇圧器に流す電流を過剰に制限することを抑制しつつ、該昇圧器が過剰に高温になるのを適切に防止することができる電動負荷の駆動装置を提供することを目的とする。
本発明の電動負荷の駆動装置は、上記の目的を達成するために、入力される直流電力を昇圧して出力可能な昇圧器を備え、該昇圧器の出力電力を電動負荷に供給することにより該電動負荷を駆動する駆動装置であって、
前記昇圧器を冷媒により冷却する冷却装置と、
前記昇圧器の温度を所定の上限温度以下の温度に抑制するための該昇圧器の通電電流の許容上限値である昇圧器電流上限値を、前記冷媒の温度の検出値と前記昇圧器の作動を制御するために用いる該昇圧器の出力電圧の目標値とに応じて決定するように構成された昇圧器電流上限値決定手段と、
前記昇圧器の実際の通電電流が前記決定された昇圧器電流上限値以下になるように、該昇圧器の出力電力を制御するように構成された昇圧器出力制御手段とを備え、
前記昇圧器電流上限値決定手段は、前記冷媒の温度が高いほど、前記昇圧器電流上限値を小さくし、且つ、前記昇圧器の出力電圧が高いほど、前記昇圧器電流上限値を小さくするように該昇圧器電流上限値を決定するように構成されていることを特徴とする(第1発明)。
かかる第1発明によれば、前記昇圧器電流上限値決定手段によって、前記冷媒の温度の検出値と前記昇圧器の出力電圧の目標値とに応じて昇圧器電流上限値が決定される。
このとき、前記冷媒の温度が高いほど、前記昇圧器電流上限値を小さくし、且つ、前記昇圧器の出力電圧が高いほど、前記昇圧器電流上限値を小さくするように該昇圧器電流上限値が決定される。
ここで、前記冷媒の温度、昇圧器の出力電圧、及び昇圧器の通電電流は、昇圧器の温度と高い相関性を有し、昇圧器の温度は、冷媒の温度、昇圧器の出力電圧、及び昇圧器の通電電流に依存した温度に収束する傾向がある。この場合、昇圧器の温度の収束値は、冷媒の温度が高いほど、また、昇圧器の出力電圧が高いほど、また、昇圧器の通電電流が大きいほど、高くなる傾向がある。
このため、上記のように昇圧器電流上限値を決定することで、昇圧器の将来の温度が前記上限温度を超えないようにすることを可能とする昇圧器電流上限値を事前に決定できることとなる。
そして、前記昇圧器出力制御手段は、前記昇圧器の実際の通電電流が上記昇圧器電流上限値以下になるように、該昇圧器の出力電力を制御する。昇圧器の実際の温度が上限温度を超える前の段階で、昇圧器電流上限値に応じて昇圧器の出力電力を滑らかに制限するようにすることができる。また、この場合、昇圧器の実際の温度が上限温度を超える前の状況であるので、昇圧器の出力電力の制限、ひいては、昇圧器の通電電流の制限を極力少なくすることができる。
よって、第1発明によれば、電動負荷の作動が急激に制限されたり、昇圧器に流す電流を過剰に制限することを抑制しつつ、該昇圧器が過剰に高温になるのを適切に防止することができる。
なお、前記第1発明では、前記昇圧器の出力電圧の目標値は、任意に設定されたものでよい。例えば前記電動負荷の作動状態に応じて、該目標値が設定される。
上記第1発明では、前記昇圧器電流上限値決定手段は、前記冷媒の温度の検出値と前記昇圧器の出力電圧の目標値とから前記昇圧器電流上限値を決定するためのあらかじめ作成されたマップを有しており、該マップは、前記冷媒の温度の値及び前記昇圧器の出力電圧の値から該マップにより求められる昇圧器電流上限値に前記昇圧器の通電電流が一致すると仮定して、該昇圧器電流上限値と、該冷媒の温度の値及び前記昇圧器の出力電圧の値とに応じて推定される前記昇圧器の温度の収束値が、前記所定の上限温度以下になるように設定されていることが好ましい(第2発明)。
この第2発明によれば、前記マップが、上記の如く設定されているので、昇圧器の将来の温度たる前記収束値が前記上限温度を超えないようにする昇圧器電流上限値を、該マップを用いて高い信頼性で決定できる。
また、該マップにおける昇圧器電流上限値が、推定される前記昇圧器の温度の収束値に応じて設定されるので、昇圧器の温度の収束値の推定値が前記所定の上限温度に一致するか、又はそれに極力近い値となるように昇圧器電流上限値を決定できる。このため、昇圧器の通電電流の制限を必要最低限に留めることができる。
また、前記第1発明又は第2発明では、前記昇圧器電流上限値決定手段は、前記昇圧器の温度の検出値が前記所定の上限温度以下である場合に、前記昇圧器電流上限値を、前記冷媒の温度の検出値と前記昇圧器の出力電圧の目標値とに応じて決定し、前記昇圧器の温度の検出値が前記所定の上限温度を超えた場合には、前記昇圧器電流上限値を、前記昇圧器の実際の温度が前記所定の上限温度以下の温度に低下するようにあらかじめ定められた所定値以下の値に決定するように構成されていることが好ましい(第3発明)。
これによれば、なんらかの原因で、前記昇圧器の温度の検出値が前記所定の上限温度を超えた場合には、前記昇圧器電流上限値を、前記所定値以下の値に決定するので、前記昇圧器の実際の温度を、前記所定の上限温度以下の温度に低下させることができる。
本発明の一実施形態の駆動装置を備えるシステムの構成を示す図。 図1に示すインバータ回路の回路構成を示す図。 図1に示す昇圧器電流上限値決定部の処理を示すフローチャート。 図3のフローチャートのSTEP1で用いるマップを示すグラフ。 図3のフローチャートのSTEP2で用いるマップを示すグラフ。 実施形態の駆動装置の作動の例を示すタイミングチャート。 比較例における駆動装置の作動の例を示すタイミングチャート。
本発明の一実施形態を図1〜図7を参照して以下に説明する。
図1を参照して、本実施形態の電動負荷の駆動装置1は、電動負荷の一例としての電動機2を駆動する装置であり、車両Aに搭載されている。
車両Aは、例えば電動車両又はハイブリッド車両である。車両Aには、駆動装置1及び電動機2の他、発電機3と、該発電機3を駆動するエンジン4とが搭載されている。
電動機2は、車両Aの走行用の動力源であり、例えば三相のDCブラシレスモータ(同期機)により構成されている。そして、電動機2は、変速機等により構成される動力伝達機構5を介して車両Aの駆動輪6を回転駆動する。
発電機3は、エンジン4により駆動されることで、電動機2を駆動する電力又は後述する蓄電器11を充電する電力を発電するものであり、電動機2と同様に、例えば三相のDCブラシレスモータ(同期機)により構成されている。
エンジン4は、内燃機関により構成され、発電機3のロータ(図示しない)を回転駆動することで、該発電機3の発電を行なわせる。なお、エンジン4から発電機3への動力伝達は、減速機等の動力伝達機構を介して行うようにしてもよい。また、例えばエンジン4をクラッチを介して駆動輪6に接続することで、必要に応じて適宜、エンジン4を走行用の動力源として使用するようにしてもよい。
駆動装置1は、リチウムイオン電池等の二次電池により構成される蓄電器11と、蓄電器11から直流電力が入力され、その入力された直流電力を昇圧して出力可能な昇圧器12と、昇圧器12の入力側(一次側)の正極12a及び負極12b間に接続された平滑用コンデンサ13と、昇圧器12の出力側(二次側)の正極12c及び負極12d間に接続された平滑用コンデンサ14と、昇圧器12の出力側から電動機2への電力供給を行なうインバータ回路15と、発電機3から昇圧器12の出力側への電力供給を行なうインバータ回路16と、昇圧器12及びインバータ回路15,16を冷却する冷却装置17とを備える。
昇圧器12は、リアクトル(コイル)21と、2つのスイッチング素子22,23と、2つのダイオード24,25とを備え、スイッチング素子22,23に各々、ダイオード24,25が並列に接続されている。そして、スイッチング素子22及びダイオード24の並列回路と、スイッチング素子23及びダイオード25の並列回路とが、昇圧器12の出力側の正極12cと負極12dとの間に直列に接続されている。
スイッチング素子22,23は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の半導体素子により構成されている。そして、スイッチング素子22,23及びダイオード24,25は、それらを一体化したチップ12e(以降、昇圧チップ12eという)として構成されている。
リアクトル21は、その一端が、スイッチング素子22及びダイオード24の並列回路と、スイッチング素子23及びダイオード25の並列回路との間の箇所に接続され、他端が、昇圧器12の入力側の正極12aに導通されている。そして、昇圧器12の入力側の負極12bは、昇圧器12の出力側の負極12dに導通されている。
上記のように構成された昇圧器12は、スイッチング素子22,23が交互にON状態になる(換言すれば、交互にOFF状態になる)ように、スイッチング素子22,23のそれぞれのON及びOFFを一定周期で行なせることで、蓄電器11から入力される直流電力を昇圧して出力する。
この場合、スイッチング素子22,23のON、OFFの1周期におけるON時間のデューティ(ON状態となる時間の、1周期の時間に対する割合)を変化させることで、昇圧率(昇圧器12の入力側の電圧に対する出力側の電圧の比率)が変化する。
より詳しくは、昇圧器12の昇圧率は、スイッチング素子22のON時間のデューティの逆数値、又はスイッチング素子23のON時間のデューティに比例するように変化する。
従って、スイッチング素子22のON時間のデューティを小さくすると共にスイッチング素子23のON時間のデューティを大きくすることで、昇圧器12の昇圧率が増加する。また、スイッチング素子22のON時間のデューティを大きくすると共にスイッチング素子23のON時間のデューティを小さくすることで、昇圧器12の昇圧率が減少する。
なお、スイッチング素子22,23をそれぞれON状態、OFF状態に維持した場合(スイッチング素子22,23のそれぞれのON時間のデューティを100%、0%にし場合)には、上記昇圧率は“1”となる。この場合には、昇圧器12の入力側の電圧と出力側の電圧とが同じになる。
また、昇圧器12は、その入力側と出力側との間で双方向に直流電力の伝達が可能である。昇圧器12の出力側から入力側への直流電力の伝達が行われるときには、出力側に付与される直流電力が上記昇圧率の逆数の比率で降圧されて入力側に伝達される。これにより、昇圧器12の出力側から昇圧器12を介して蓄電器11の充電を行なうことも可能となっている。
インバータ回路15,16は、いずれも同じ構成の公知の電力変換回路である。具体的には、図2に示すように、インバータ回路15,16は、それぞれ、前記昇圧器12のリアクトル21を除いた回路部分(スイッチング素子22,23及びダイオード24,25からなる回路)と同様の構成の回路(アーム)26を3相分、備えており、これらの3相分の回路26,26,26を並列に接続して構成されている。
この場合、インバータ回路15は、その各スイッチング素子のON、OFFをPWM方式等により制御することで、昇圧器12から出力される直流電力又はインバータ回路16から出力される直流電力を交流電力に変換して電動機2の電機子巻線(図示省略)に供給する。
また、インバータ回路16は、その各スイッチング素子のON、OFFをPWM方式等により制御することで、発電機3から出力される交流の発電電力を直流電力に変換して、昇圧器12の出力側とインバータ回路15とに供給する。
冷却装置17は、その内部に冷媒(例えば冷却水)を流通させるように構成されている。そして、昇圧器12及びインバータ回路15,16は、それぞれの発生熱を冷却装置17に伝熱するように、該冷却装置17に装着されている。なお、冷媒としては、冷却水以外に例えば不凍液等を使用してもよい。
駆動装置1は、以上説明した構成の他、昇圧器12、電動機2及び発電機3等の動作制御を行なう制御装置31と、複数のセンサとを備えている。
本実施形態では、駆動装置1は、主なセンサとして、昇圧器12の入力側の電圧V1(以降、一次電圧V1という)を検出する電圧センサ32と、昇圧器12の主要な発熱部分としてのスイッチング素子22,23の配置部分の温度Tc(以降、昇圧器温度Tcという)を検出する温度センサ33と、冷却装置17で流通する冷媒の温度Tw(以降、冷媒温度Twという)を検出する温度センサ34とを含む。
電圧センサ32は、昇圧器12の入力側の正極12a及び負極12bの間に接続されている。また、温度センサ33は、昇圧器12の昇圧チップ12eに装着され、あるいは、該昇圧チップ12eに一体に組み込まれている。また、温度センサ34は、冷却装置17に装着されている。
制御装置31は、CPU、RAM、ROM、インターフェース回路等を含む電子回路ユニットにより構成されている。この制御装置31には、上記の各センサ32,33,34の検出信号が入力される。そして、制御装置31は、入力される検出信号等を用いて、プログラム処理を実行することで、昇圧器12の作動(スイッチング素子22,23のON、OFF)を制御する機能と、電動機2の作動をインバータ回路15を介して制御する機能と、発電機3の作動をインバータ回路16を介して制御する機能とを有する。
この場合、制御装置31は、昇圧器12の作動制御に関する機能として、昇圧器12の通電電流の許容上限値である昇圧器電流上限値を逐次決定する昇圧器電流上限値決定部41と、昇圧器12の実際の通電電流が昇圧器電流上限値以下になるように昇圧器12の出力電力(ひいては、昇圧器12からインバータ回路15を介して電動機2に供給される電力)を適宜制限しつつ、該昇圧器12の出力電力を制御する昇圧器出力制御部42とを備える。
昇圧器12の上記通電電流は、より詳しくは、昇圧器12のリアクトル21に流れる電流を平均化した電流(スイッチング素子22,23のON、OFFに起因するリップル成分(交流成分)を含む高周波側の電流成分を除いた直流電流成分)を意味する。以降、この通電電流を昇圧器12の一次電流I1という。
なお、上記昇圧器電流上限値決定部41は、本発明における昇圧器電流上限値決定手段に相当し、昇圧器出力制御部42は、本発明における昇圧器出力制御手段に相当する。
補足すると、制御装置31は、相互に通信可能な複数の電子回路ユニットにより構成されていてもよい。例えば、昇圧器12の作動を制御するための電子回路ユニットと、電動機2の作動をインバータ回路15を介して制御するための電子回路ユニットと、発電機3の作動をインバータ回路16を介して制御するための電子回路ユニットとを各別に備え、それらの電子回路ユニットにより制御装置31の全体を構成するようにしてもよい。
次に、実施形態の駆動装置1の作動を説明する。制御装置31は、電動機2の運転時(電動機2により駆動輪6を回転駆動して車両Aの走行を行なっている状態)において、昇圧器電流上限値決定部41により、図3のフローチャートに示す処理を所定の制御処理周期で実行する。
この処理では、昇圧器電流上限値決定部41は、STEP1において、昇圧器電流上限値I1_limの第1候補値I1_lim1を決定する。この第1候補値I1_lim1は、温度センサ34による冷却装置17の冷媒温度Twの現在の検出値と、昇圧器12の出力側の電圧V2(以降、二次電圧V2という)の目標値である二次電圧指令値V2_cmdの現在値とから、あらかじめ作成されたマップ(以降、第1マップという)によって決定される。
上記二次電圧指令値V2_cmdは、昇圧器12の作動の制御(昇圧率の制御)のために、制御装置31が逐次決定する指令値であり、インバータ回路15の入力電圧の目標値及びインバータ回路16の出力電圧の目標値としての意味を併せもつ。
この二次電圧指令値V2_cmdは、例えば、電動機2の目標トルク(出力トルクの目標値)と該電動機2のロータの回転速度の検出値とから、あらかじめ設定されたマップ等により決定される。この場合、電動機2の電機子巻線に発生する誘起電圧に抗して、目標トルクに対応する電流をインバータ回路15から該電機子巻線に通電させるために、二次電圧指令値V2_cmdは、基本的には、電動機2のロータの回転速度が大きいほど、また、目標トルクが大きいほど、大きな値の指令値になるように決定される。
なお、電動機2の運転と併せて発電機3の運転を行って、昇圧器12の出力電力と共に、発電機3の発電電力(発電機3の発電運転時にインバータ回路16から出力される直流電力)をインバータ回路15を介して電動機2に供給するような場合には、発電機3の運転をできるだけ効率よく行うことができるように、二次電圧指令値V2_cmdを決定してもよい。
STEP1の処理で用いる第1マップは、例えば図4のグラフで例示する如く設定されている。この第1マップは、冷媒温度Tw及び昇圧器12の二次電圧V2の任意の値と、これらのTw,V2の値から第1マップにより決定される第1候補値I1_lim1の値とから推定される昇圧器温度Tcの収束値Tcj(昇圧器12の昇圧率等が一定に維持される定常状態での昇圧器温度Tc)が、昇圧器12が過熱状態となるのを防止するためにあらかじめ定めた所定の上限温度Tc_lim以下となるようにあらかじめ作成されている。該上限温度Tc_limは、昇圧器12の昇圧チップ12eの耐熱温度の定格値よりも若干、低い温度である。
ここで、昇圧器温度Tcの収束値Tcjと、冷媒温度Tw、昇圧器12の二次電圧V2、及び昇圧器12の一次電流I1との間の関係に関して、一般に、次式(1)〜(5)が成立する。

Tcj=Tw+P_Loss×Rth ……(1)
ただし、
P_Loss=(I1×Vcesat×Duty)+((Eon+Eoff)×Fsw×(V2/700))
……(2)
I_L_bottom=I1−Duty×(V1/(2×Fsw×L)) ……(3)
I_L_peak=I1+Duty×(V1/(2×Fsw×L)) ……(4)
Duty=(V2−V1)/V2 ……(5)

式(1)におけるP_Loss(単位は[W])は、式(2)により定義される如く、ON状態のスイッチング素子22又は23に電流が流れたときに発生するエネルギー損失としての導通損失(式(2)の右辺第1項)と、昇圧器12のスイッチング素子22,23のON、OFFの切換時に発生するエネルギー損失としてのスイッチング損失(式(2)の右辺第2項)との総和のエネルギー損失(昇圧器12の昇圧チップ12eのトータルのエネルギー損失)、Rth(単位は[°C/W])は、昇圧器12の昇圧チップ12eと冷却装置17の冷媒との間の定常熱抵抗である。
また、式(2)のVcesat(単位は[V])は、ON状態のスイッチング素子22又は23に電流が流れたときに該スイッチング素子22又は23で発生する電圧降下、Dutyは、式(5)により定義される導通率(スイッチング素子23のON時間のデューティ)である。
なお、V1、V2(単位は[V])は、それぞれ、前記した通り、昇圧器12の一次電圧、二次電圧である。
また、式(2)のEon(単位は[J])は、スイッチング素子22又は23が、OFFからONに切換わるときのエネルギー損失、Eoff(単位は[J])は、スイッチング素子22又は23が、ONからOFFに切換わるときのエネルギー損失、Fswは昇圧器12のキャリア周波数(=スイッチング素子22,23のON、OFFの周期の逆数値の周波数)である。
上記Eonは、リアクトル21に流れる電流が前記式(3)により定義される電流値I_L_bottom(単位は[A])であると仮定して算出されるエネルギー損失、Eoffはリアクトル21に流れる電流が前記式(4)により定義される電流値I_L_peak(単位は[A])であると仮定して算出されるエネルギー損失である。
上記I_L_bottom、I_L_peakは、それぞれ、リアクトル21に流れる電流(一次電流I1にリップル成分を重畳した電流)の極小値、極大値を意味し、I_L_bottomとI_L_peakとの平均値(=(I_L_bottom+I_L_peak)/2)が一次電流I1となる。
なお、式(3),(4)におけるLは、リアクトル21のインダクタンスである。
本実施形態では、図4のグラフで示す第1マップは、上記式(1)〜(5)に基づいて作成されている。すなわち、前記式(1)の右辺により算出される昇圧器温度Tcの収束値Tcjが前記所定の上限温度Tc_lim以下となるように、Tw,V2の値の任意の組に対応する第1候補値I1_lim1が決定されている。
その決定の仕方の例を以下に説明する。Tw,V2の値の任意の組に対応する第1候補値I1_lim1を決定するとき、本実施形態では、例えば、前記(1)の右辺により算出されるTcj値が、前記所定の上限温度Tc_limに一致するという条件を満たすようなI1の値が、第1候補値I1_lim1として決定される。
ここで、I1のある値が、上記の条件を満たすということは、そのI1の値を用いて前記式(3)、(4)によりそれぞれI_L_bottom、I_L_peakを算出することと、このI_L_bottom、I_L_peakの算出値に応じてそれぞれEon、Eoffを算出することと、V2の値を用いて前記式(5)によりDutyを算出することと、これらのEon、Eoff、Dutyの算出値とV2の値とI1の値とを用いて前記式(2)によりP_Lossを算出することと、このP_Lossの算出値とTwの値とを用いて前記式(1)によりTcjの値を算出することとを実行した場合に、Tcjの算出値が上限温度Tc_limに一致するということを意味する。
この場合、式(1)のRthの値、式(2)のVcesatの値、式(2),(3),(4)のFswの値、式(3),(4)のLの値は、あらかじ設定した固定値とされる。また、式(5)のV1の値は、蓄電器11の標準的な出力電圧の値(固定値)とされる。
上記のようにI1_lim1の値(Tw、V2の値の各組に対応するI1_lim1の値)を決定する処理は、解析的な演算処理又は探索的な演算処理により行なうことができる。
以上のようにしてTw、V2の値の任意の組に対応する第1候補値I1_lim1を決定することで、図4のグラフで示す第1マップが作成される。
なお、本実施形態では、第1マップにおけるTw、V2の値と、これに対応する第1候補値I1_lim1(I1の値)とに応じて前記(1)の右辺により算出されるTcjの値が、前記所定の上限温度Tc_limに一致するように、第1マップの第1候補値I1_lim1を設定したが、前記(1)の右辺により算出されるTcjの値が、前記所定の上限温度Tc_limよりも若干低い温度になるように、第1マップの第1候補値I1_lim1を設定してもよい。
図3のSTEP1では、上記のように作成された第1マップに基づいて、冷媒温度Twの現在の検出値と、昇圧器12の二次電圧指令値V2_cmdの現在値とから、昇圧器電流上限値I1_limの第1候補値I1_lim1が決定される。この場合、第1候補値I1_lim1は、I1_max以下の範囲内で、冷媒温度Twの検出値が高いほど、また、二次電圧指令値V2_cmdが高いほど、小さくなるように決定される。
次に、昇圧器電流上限値決定部41は、STEP2において、昇圧器電流上限値I1_limの第2候補値I1_lim2を決定する。この第2候補値I1_lim2は、温度センサ33による昇圧器温度Tcの現在の検出値から、あらかじめ作成されたマップ(以降、第2マップという)によって決定される。
この第2マップは、例えば図5に示す如く設定されている。この場合、第2マップは、昇圧器温度Tcの値が前記上限温度Tc_lim以下である場合には、第2候補値I1_lim2があらかじめ定められた大所定値I1_lim2_Hとなり、昇圧器温度Tcの値が上限温度Tc_limよりも高くなると、第2候補値I1_lim2がI1_lim2_Hよりも小さい値であらかじめ定められた小所定値I1_lim2_Lとなるように設定されている。
この場合、上記大所定値I1_lim2_Hは、図4の第1マップにより決定される第1候補値I1_lim1以上の値(例えば最大値I1_max)に設定されている。また、小所定値I1_lim2_Lは、昇圧器温度Tcの実際の値が上限温度Tc_limを超えた状態で、I1_lim2_Lと同じ値の一次電流I1を昇圧器12に通電した場合に、昇圧器温度TcがTc_lim以下の温度まで低下するように、大所定値I1_lim2_hよりも十分に小さい値に設定されている。このような小所定値I1_lim2_Lは、例えば実験もしくはシミュレーションに基づいて設定されている。
STEP2では、上記の如く作成されている第2マップにより第2候補値I1_lim2が決定される。これにより、昇圧器温度Tcの現在の検出値≦Tc_limである場合には、第2候補値I1_lim2として、大所定値I1_lim2_Hが決定される。また、昇圧器温度Tcの現在の検出値>Tc_limである場合には、第2候補値I1_lim2として、小所定値I1_lim2_Lが決定される。
なお、STEP2では、第2候補値I1_lim2をマップを用いずに決定するようにしてもよい。
次に、昇圧器電流上限値決定部41は、STEP3において、昇圧器電流上限値I1_limを決定する。この場合、STEP1で決定した第1候補値I1_lim1とSTEP2で決定した第2候補値I1_lim2とのうちの小さい方の値が、昇圧器電流上限値I1_limとして決定される。
第2候補値I1_lim2が前記した如く決定されるので、昇圧器温度Tcの現在の検出値≦Tc_limである場合には、第1候補値I1_lim1が昇圧器電流上限値I1_limとして決定される。また、昇圧器温度Tcの現在の検出値>Tc_limである場合には、第2候補値I1_lim2又はそれよりも小さい値の第1候補値I1_lim1が昇圧器電流上限値I1_limとして決定される。
次に、昇圧器電流上限値決定部41は、STEP4において、昇圧器12の出力電力の許容上限値である昇圧器出力電力上限値P_limを決定する。この場合、昇圧器出力電力上限値P_limは、前記電圧センサ32による昇圧器12の一次電圧V1の現在の検出値と、STEP3で決定された昇圧器電流上限値I1_limとを乗算することによって、算出される。
以上が、昇圧器電流上限値決定部41の処理である。
次に、昇圧器出力制御部42の処理が実行される。昇圧器出力制御部42は、前記電圧センサ32による昇圧器12の一次電圧V1の現在の検出値と、現在の二次電圧指令値V2_cmdとから規定される昇圧率(=V2_cmd/V1)に応じてスイッチング素子22,23のON、OFFのデューティを決定し、その決定したデューティに従ってスイッチング素子22,23のON、OFFを制御する。
また、昇圧器出力制御部42は、電動機2の出力を昇圧器出力電力上限値P_limにより適宜制限しつつ、電動機2の出力トルクを制御する。
具体的には、例えば車両Aの図示しないアクセルペダルの操作量(踏み込み量)に応じて電動機2の出力トルクの要求値が設定される。さらに、電動機2の出力トルクの要求値と、電動機2のロータの回転速度の検出値とから、電動機2の出力トルクの要求値を実現するために必要な電力である電力要求値が所定の演算式又はマップにより決定される。
この電力要求値が昇圧器出力電力上限値P_lim以下である場合には、出力トルクの要求値がそのまま電動機2の目標トルクとして決定され、該目標トルクに応じて電動機2の電機子巻線への通電がインバータ回路15を介して行なわれる。
また、電動機2の電力要求値が昇圧器出力電力上限値P_limよりも大きい場合には、昇圧器12の出力電力がP_lim(もしくはそれよりも若干小さい値)になるように、電動機2の目標トルクが要求値よりも小さい値に制限される。そして、その目標トルクに応じて電動機2の電機子巻線への通電がインバータ回路15を介して行なわれる。
これにより、昇圧器12の実際の出力電力が、昇圧器出力電力上限値P_lim以下に保たれるように、ひいては、昇圧器12の実際の通電電流(一次電流I1)が昇圧器電流上限値I1_lim以下に保たれるように、電動機2の出力トルクが制御される。
なお、電動機2の運転と併せて発電機3の運転を行う場合には、インバータ回路16から出力される発電機3の発電電力を、電動機2の電力要求値から差し引いた値が、昇圧器出力電力上限値P_limを超えた場合に、電動機2の目標トルクを要求値よりも小さい値に制限するようにしてもよい。
昇圧器出力制御部42の処理は、以上の如く行なわれる。
以上説明した本実施形態によれば、基本的には、前記昇圧器電流上限値I1_limによって、昇圧器温度Tcが上限温度Tc_limを超えることがないように昇圧器12の出力電力、ひいては、昇圧器12の通電電流(一次電流I1)が適宜制限されつつ、昇圧器12の出力電力が制御される。
この場合、実際の昇圧器温度Tcが上限温度Tc_limを超えていない状態(Tcの現在の検出値≦Tc_limである状態)では、前記第1マップにより決定された第1候補値I1_lim1が、昇圧器電流上限値I1_limとして決定される。
そして、電動機2の電力要求値が増加して、該電力要求値が昇圧器電流上限値I1_limに応じて決定される昇圧器出力電力上限値P_limを超えると、昇圧器12の出力電力がP_lim(もしくはそれよりも若干小さい値)になるように、電動機2の目標トルクが要求値よりも小さい値に制限される。
これにより、昇圧器12の実際の通電電流(一次電流I1)が昇圧器電流上限値I1_limにほぼ一致する電流(もしくはそれよりも若干小さい電流)に保たれるようになる。
このため、実際の昇圧器温度Tcが上限温度Tc_limを超えていない状態で、昇圧器12の出力電力を強制的に急激に減少させるような制限処理を行なうことなく、実際の昇圧器温度Tcが上限温度Tc_lim以下に収まる状態を保つようにすることができる。
これにより、昇圧器12が過剰に高温になるのを防止することができる。また、実際の昇圧器温度Tcが上限温度Tc_limを超えていない状態では、昇圧器12の出力電力を強制的に急激に減少させるような制限処理を行なうことがないので、電動機2の出力トルクの急激な変動が生じないようにすることができる。
また、なんらかの原因によって、昇圧器温度Tcの検出値が上限温度Tc_limを超えてしまった場合には、昇圧器電流上限値I1_limは、前記第2マップにより決定される第2候補値I1_lim2(=I1_lim2_L)以下の値に決定される。
そして、昇圧器12の実際の通電電流(一次電流I1)がこの昇圧器電流上限値I1_limにほぼ一致する電流(もしくはそれよりも若干小さい電流)に保たれるように電動機2の電力要求値(ひいては、昇圧器12の出力電力)が制限される。
これにより、昇圧器温度Tcを、上限温度Tc_lim以下の温度に復帰させることができる。
この場合、昇圧器12の出力電力は、比較的急激に減少するように制限される場合があるものの、本実施形態では、実際の昇圧器温度Tcが上限温度Tc_limを超えていない状態での前記の制御処理によって、実際の昇圧器温度Tcは、基本的には、上限温度Tc_lim以下の温度に保たれる。このため、実際の昇圧器温度Tcが上限温度Tc_limを超えてしまうような状況は、極めて発生頻度の少ない状況である。
従って、本実施形態によれば、ほとんどの状況で、電動機2の出力トルクの急激な変動を生じないようにしつつ、昇圧器温度Tcが過剰に高温になるのを防止できる。
次に、本実施形態の駆動装置1の作動に関して、図6及び図7を参照してさらに説明する。
図6は、本実施形態の駆動装置1の作動を例示するタイミングチャートである。詳しくは、図6(a)〜(f)は、それぞれ昇圧器温度Tcの時間的変化、昇圧器12の一次電流I1(通電電流)の時間的変化、昇圧器12の二次電圧V2の時間的変化、冷媒温度Twの時間的変化、車両Aの加速度(進行方向の加速度)の時間的変化、車両Aの速度(車速)の時間的変化を例示している。
また、図7は比較例のタイミングチャートである。この比較例は、前記実施形態と同様のシステム構成において、昇圧器電流上限値I1_limを用いずに、昇圧器温度Tcの検出値が、上限温度Tc_limを超えた場合に、昇圧器12の一次電流I1を強制的に所定値(例えば前記小所定値I1_lim_L)に制限するようにしたものである。
そして、図7(a)〜(f)は、それぞれ昇圧器温度Tcの時間的変化、昇圧器12の一次電流I1(通電電流)の時間的変化、昇圧器12の二次電圧V2の時間的変化、冷媒温度Twの時間的変化、車両Aの加速度(進行方向の加速度)の時間的変化、車両Aの速度(車速)の時間的変化を例示している。
図6(a),(b)に見られるように、実施形態では、昇圧器温度Tcが上限温度Tc_limに近づくと、昇圧器12の一次電流I1(通電電流)が、前記第1マップに基づき決定される昇圧器電流上限値I1_limにほぼ一致する電流に保たれるように制限される。ひいては、昇圧器温度Tcが上限温度Tc_lim以下に保たれることとなる。
また、昇圧器12の一次電流I1が上記の如く制限されることで、電動機2の出力トルクも制限されることとなるものの、該出力トルクが急激に減少してしまうような制限が行なわれることはない。このため、図6(e)の破線部C1に示すように、車両Aの加速度の変動が抑制される。このため、車両Aの運転者に違和感を及ぼすのが防止される。
一方、比較例にあっては、図7(a),(b)に見られるように、昇圧器温度Tcが上限温度Tc_limを超えるまでは、昇圧器12の一次電流I1が制限されることはないものの、昇圧器温度Tcが上限温度Tc_limを超えると、昇圧器12の一次電流I1が、減少するように制限される。
この場合、昇圧器温度Tcを速やかに上限温度Tc_lim以下の温度に低下させる必要があることから、昇圧器12の一次電流I1を、速やかに減少させるように制限せざるを得ない。
このため、電動機2の出力トルクも、比較的急激に減少するように制限されることとなり、ひいては、図7(e)の破線部C2で示すように、車両Aの加速度が比較的急激に減少することとなる。このため、唐突に車両Aの加速度が減少することとなり、車両Aの運転者が違和感を感じることとなる。
以上のように本実施形態によれば、昇圧器12の通電電流(一次電流I1)を急激に減少させたりすることなく、昇圧器温度Tcが上限温度Tc_limを超えるような過剰に高い温度になるのを防止できる。
なお、前記実施形態では、発電機3を有する車両Aについて説明したが、車両Aは、発電機3を備えないものであってもよい。また、前記実施形態では、電動機2を電動負荷とする駆動装置1について説明したが、本発明における電動負荷は、電動機2以外の電動アクチュエータ等であってもよい。
また、前記実施形態では、昇圧器電流上限値決定部41にて昇圧器出力電力上限値P_limを決定するようにしたが、昇圧器出力電力上限値P_limを、昇圧器出力制御部42で決定するようにしてもよい。
1…駆動装置、2…電動機(電動負荷)、12…昇圧器、17…冷却装置、41…昇圧器電流上限値決定部(昇圧器電流上限値決定手段)、42…昇圧器出力制御部(昇圧器出力制御手段)。

Claims (3)

  1. 入力される直流電力を昇圧して出力可能な昇圧器を備え、該昇圧器の出力電力を電動負荷に供給することにより該電動負荷を駆動する駆動装置であって、
    前記昇圧器を冷媒により冷却する冷却装置と、
    前記昇圧器の温度を所定の上限温度以下の温度に抑制するための該昇圧器の通電電流の許容上限値である昇圧器電流上限値を、前記冷媒の温度の検出値と前記昇圧器の作動を制御するために用いる該昇圧器の出力電圧の目標値とに応じて決定するように構成された昇圧器電流上限値決定手段と、
    前記昇圧器の実際の通電電流が前記決定された昇圧器電流上限値以下になるように、該昇圧器の出力電力を制御するように構成された昇圧器出力制御手段とを備え、
    前記昇圧器電流上限値決定手段は、前記冷媒の温度が高いほど、前記昇圧器電流上限値を小さくし、且つ、前記昇圧器の出力電圧が高いほど、前記昇圧器電流上限値を小さくするように該昇圧器電流上限値を決定するように構成されていることを特徴とする電動負荷の駆動装置。
  2. 請求項1記載の電動負荷の駆動装置において、
    前記昇圧器電流上限値決定手段は、前記冷媒の温度の検出値と前記昇圧器の出力電圧の目標値とから前記昇圧器電流上限値を決定するためのあらかじめ作成されたマップを有しており、該マップは、前記冷媒の温度の値及び前記昇圧器の出力電圧の値から該マップにより求められる昇圧器電流上限値に前記昇圧器の通電電流が一致すると仮定して、該昇圧器電流上限値と、該冷媒の温度の値及び前記昇圧器の出力電圧の値とに応じて推定される前記昇圧器の温度の収束値が、前記所定の上限温度以下になるように設定されていることを特徴とする電動負荷の駆動装置。
  3. 請求項1又は2記載の電動負荷の駆動装置において、
    前記昇圧器電流上限値決定手段は、前記昇圧器の温度の検出値が前記所定の上限温度以下である場合に、前記昇圧器電流上限値を、前記冷媒の温度の検出値と前記昇圧器の出力電圧の目標値とに応じて決定し、前記昇圧器の温度の検出値が前記所定の上限温度を超えた場合には、前記昇圧器電流上限値を、前記昇圧器の実際の温度が前記所定の上限温度以下の温度に低下するようにあらかじめ定められた所定値以下の値に決定するように構成されていることを特徴とする電動負荷の駆動装置。
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