JP2014043256A - 包装用容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】胴部が紙又は合成樹脂を複数積層してなる素材からなって、胴部の全体又は主要部を引き裂く引裂線を形成したカップ状の包装用容器において、
引裂線が、胴部の外面側と内面側にそれぞれ引裂可能な間隔を隔てて形成された一対のハーフカットからなっており、胴部の下部で容器底面の糸底部に沿って糸底部の全周又は全周から胴部の貼合せ部分を除いた部分に形成された一対の横引裂線と胴部の上端と前記横引裂線との間に掛け渡されると共に下端で同一面側の横引裂線とつながる一対の縦引裂線とを有してなることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
包装用容器の胴部を開封する構造としては、例えば実公昭60−20575号公報の半切線付きカップでは、 紙カップの胴貼部の外側の側辺の上端近傍を横外方に若干突出させて摘持片を形成し、該摘持片の下端から斜め下方に螺旋状に進行し最後に胴下方部を略水平に一周する紙層に達する深さの半切線を胴部ブランクの表面側より穿設すると共に前記半切線と略平行に進み、且つ摘持片の下端及び前記側辺上の点において前記半切線と合している紙層に達する深さの半切線を胴部ブランクの内面側より穿設した構造が開示されている。
上記構成では、半切線を設けたところ以外の場所は合成樹脂層により破れ難く、表面と裏面とで半切線をずらしているので内容物が滲み出てくることを防止することができるが、摘持片を形成する必要があり、また半切線は胴部の貼合部を複数回横断させる必要があり、途中で千切れることなく半切線に沿って底部まで一連に切り裂かないと収納物を糸底部からきれいに取り出すことができない。
また、展開線としてミシン目を用いた場合には、包装用容器の素材が紙や合成紙と合成樹脂の積層、または異なる合成樹脂などの複数の積層構造からなる場合には、引裂抵抗が大きくて綺麗に引き裂けない場合がある。
例えば、紙にPETフィルムを被覆した場合には、PETフィルム側の引裂抵抗が強いので、単なるミシン目や一面だけのハーフカットだけでは引き裂いて胴部を開封することが困難となる。
また、ミシン目のピッチを短くしたり、切込みを深くすると、折れ曲がりやすくなり、容器の保形性を維持することができないという不具合があった。
胴部が紙又は合成樹脂を複数積層してなる素材からなって、胴部の全体又は主要部を引き裂く引裂線を形成したカップ状の包装用容器において、
引裂線が、胴部の下部で容器底面の糸底部に沿って糸底部の全周又は全周から胴部の貼合せ部分を除いた部分に形成された横引裂線と、胴部の上端と前記横引裂線との間に掛け渡されると共に下端で同一面側の横引裂線とつながる縦引裂線とからなり、
前記引裂線は、胴部の外面側と内面側にそれぞれ引裂可能な間隔を隔てて形成された一対のハーフカットからなることを特徴とする。
請求項2の発明では、
縦引裂線の上端が、胴部の上部に形成されて凹状の切欠部の縁部に形成されていることを特徴とする。
請求項3の発明では、
縦引裂線が、上端から中途位置まで横引裂線の引裂方向と反対方向に傾斜し、中途位置で湾曲して横引裂線の引裂方向に傾斜して横引裂線と連なることを特徴とする。
請求項4の発明では、
縦引裂線が、胴部の貼合部の近傍に配置されてなることを特徴とする。
請求項5の発明では、
横引裂線の内面側のハーフカットが糸底部の上端の近傍に配置されており、外面側のハーフカットが糸底部の高さの範囲内に配置されていることを特徴とする。
請求項6の発明では、
縦引裂線が、胴部の貼合部を挟んで左右一対に設けられており、該一対の縦引裂線の間に、胴部の上端と前記横引裂線との間に掛け渡されると共に下端で同一面側の横引裂線とつながる縦引裂中継線を1又は複数設けてなり、該縦引裂中継線は、胴部の外面側と内面側にそれぞれ引裂可能な間隔を隔てて形成された一対のハーフカットからなることを特徴とする。
請求項7の発明では、
縦引裂中継線が、横引裂線と連なる下端から引裂方向に向かって湾曲しながら胴部上端にいたる曲線からなっていることを特徴とする。
請求項8の発明では、
縦引裂中継線の上端が、胴部の上部に形成されて凹状の切欠部の縁部に形成されていることを特徴とする。
請求項9の発明では、
胴部の上端に形成される凹状の切欠部が胴部の貼合部を除いて形成されており、上記切欠部を除く胴部の上端の全部又は一部に蓋部を係止しうる鍔部が形成されていることを特徴とする。
請求項10の発明では、
切欠部が凹部からなっており、胴部の上端に等間隔に複数形成されていることを特徴とする。
(1)引裂線が胴部の外面側と内面側にそれぞれ引裂可能な間隔を隔てて形成された一対のハーフカットからなっているので、胴部の内表面側又は外表面側に引裂抵抗の高い樹脂フィルムが使用されている場合でミシン目や1本のハーフカットだけでは引き裂くことができない素材であっても、それぞれがハーフカットされているので胴部の全部又は主要部を容器底部の糸底部から分離して容器内の収納物を損なわずに取り出すことができる。
(2)縦引裂線は、上端から中途位置まで横引裂線の引裂方向と反対方向に傾斜し、中途位置で湾曲して横引裂線の引裂方向に傾斜して横引裂線と連なることで、カール成形時に上からかかる圧力に耐え座屈しにくくなり、また引裂時に途中で途切れることなく横引裂線につなげることができる。
(3)前記縦引裂線の上端を、胴部の上部に形成された凹状の切欠部の縁部の中途位置に形成することで、きっかけ片を形成せずに引裂をはじめることができる。
(4)縦引裂線は、胴部の貼合部の近傍に配置することで、貼合部の強度により容器の保形性を維持しながら、引裂を容易におこなうことができる。
(5)横引裂線は、内面側のハーフカットを糸底部の上端より僅かに上方位置に配置し、外面側のハーフカットを糸底部の上端より下方位置に配置することで、胴部を引き裂いて収納物を取出す際に切り裂いた残りの部分が邪魔にならない。
(6)縦引裂線を、胴部の貼合部を挟んで左右一対に設け、その縦引裂線の間に胴部の上端と横引裂線とにつながる縦引裂中継線を1又は複数設けることで、胴部を複数回に分けて確実に引裂くことができる。
(7)縦引裂中継線を、下端から引裂方向に向かって湾曲しながら胴部上端にいたる曲線に形成することで、胴部を中途位置できれいに引き裂くことができる、
(8)縦引裂中継線の上端も、胴部の上部に形成された凹状の切欠部の縁部の中途位置に形成することで、確実に引き裂くことができる。
(9)切欠部を除く胴部の上端に鍔部を形成することで、容器の上部開口を覆う蓋部を掛止めることができ、鍔部にハーフカットを形成することがないので、鍔部にひび割れなどが生じることもない。
(10)切欠部を凹部とし、等間隔に複数形成することで、外観上の美感だけでなく保形性を向上させることができる。
上記胴部2の素材の一例としては、紙の厚みが0.20〜0.50mm、PETフィルムの厚みが15〜60μmからなっており、紙は単層抄きより多層抄きが好ましいが、この発明では特に限定されない。
本実施例で、上記引裂線は、胴部2の下部で胴部2の内壁面に接着される容器底面の糸底部3の外周面に沿ってその全周に形成された横引裂線4、5と、胴部2の上端と前記横引裂線4,5との間に掛け渡されると共に下端で同一面側の横引裂線4、5と一連につながる縦引裂線6、7とを有している。
上記引裂線は、図1の胴部2のブランクに示すように、実線が胴部の外面側に形成されるハーフカット、点線が胴部の内面側に形成されるハーフカットである。
縦引裂線6、7は、胴部2の外面側に形成されるハーフカット6が引裂方向の基端側となり、前記横引裂線の外面側のハーフカット5と連接され、内面側に形成されるハーフカット7が引裂方向の先端側となり前記横引裂線の内面側のハーフカット4と連接されている。
また、ハーフカットは図5に例示するように、内面側が引裂抵抗の高いPETフィルム側を含めて紙の一部まで含めてカットされた例を図示したが、引裂抵抗が低い樹脂フィルムの場合は、その一部がカットされるものでもよく、カットの深さは素材に応じて引裂できるように適宜設計することができる。
この発明では、各引裂線の内面側のハーフカットと外面側のハーフカットの配置は、胴部2の素材に応じて配置でき、図示例では内面側の引裂抵抗が高い場合であるが、外面側の引裂抵抗が高い場合には逆に配置(図1の実線が内面側、点線が外面側)に形成してもよい。
これにより縦引裂線6,7から引き裂かれた略半分の胴片部を引裂方向に沿ってスムーズに切り離すことができる。
ここで、例えば、外面側に形成されるハーフカット8の上端は、胴部の上端、図示例では後述の切欠部11の縁部と接することなく、僅かに、例えば2mm程度離しておくことで、内面側のハーフカット9が切欠部の縁部に接していても、容器の上端形状の保形性を維持することができる。
鍔部10は容器1に蓋部を掛止めるために形成されるが、鍔部10にハーフカットを形成すると鍔部10が割れて保形性が維持できない虞れがあるため、本実施例では胴部2の上端に切欠部11を形成している。
ここで鍔部10は、円形状にカールされたものでも、円弧状にカールされたものでも、外方へ突出するフランジ片であってもよく、要するに蓋部に掛止可能な構造であればよい。
図1に示すように、縦引裂線6、7の上端は前記切欠部11の中央から引裂方向側にずれた位置に設定することが引裂しやすく好適である。
これにより、成形時に切欠部11に負荷がかかっても前記縦引裂中継線8,9によって切欠部11が破損したり変形したりすることがなく、容器の保形性を維持することができる。
これにより、横引裂線4、5に沿って引き裂かれた残りの部分は、糸底部3の底面より僅かに突出する程度であれば、収納物を糸底部3から取り出す際の障害にならない。
図6は、胴部2に形成される横引裂線4、5と糸底部3との位置関係を模式的に示している。
即ち、図6(a)は、糸底部3の上端から中途位置までを胴部2と糸底部3との無接着部31とし、無接着部31を除く下部を接着部32としている。
そして、前記無接着部31の領域4x中の任意の位置を横引裂線の内面側のハーフカット4の配置可能範囲とし、外面側のハーフカット5は、前記内面側のハーフカット4より引裂可能な間隔に離間した位置で、前記接着部32を含めた領域5xを限度として配置することができる。
また、胴部2の下端の折返し部分と糸底部3の内面とだけを接着面33とすれば、横引裂線4、5は、糸底下端までの領域xの任意の位置に配置することができる(図6(b)参照)。
次いで、他方の縦引裂線6’、7’に沿って残りの胴部2を縦に開き、連接される横引裂線4、5に沿って逆方向(図3の時計方向)に切り離す(図4参照)。
本実施例では、残った貼合部21近傍を、横引裂4、5に沿って糸底部3から完全に切り離してもよいが、そのまま残しておいて、把手として利用してもよい。
この横引裂線4、5は前記実施例のように胴部の全長に亘って形成されるものではなく、縦引裂線6、7、6’、7’と接続される個所に亘って延びており、胴部2の貼合部21を横断していない。
その他の構造は前記実施例と同様であるので、その説明を省略する。
この実施例でも、図2の状態の容器1の胴部2を、図3の状態に切り離すことができる。
その他の構造は前記実施例と同様である。
この場合、それぞれの縦引裂線から胴部2を切り裂いて、中央側まで切り離す方法、あるいは一方の縦引裂線6,7から他方の縦引裂線6’,7まで一連に切り裂く方法などにより、胴部を切り離すことができる。
また、この実施例では、縦引裂線6、7と6’、7’を用いたが、一方を縦引裂中継線8,9としてもよい。
上記構成の場合には、縦引裂線6、7と横引裂線4、5とで胴部2を少なくとも縦引裂線6、7から貼合部21の近傍まで切り開くことができるので、糸底部3から収納物を取り出すことができる。
横引裂線4、5は、少なくとも縦引裂線6、7の下端の連接位置から貼合部21近傍まで延びていればよいが、無端となるように環状に形成しておけば残った貼合部21と共に胴部2を切り離すこともできる(図示せず)。
積層構造は2層に限らず、3層以上の複数層であってもよい。
また、カップ状の包装容器の形状として、截頭円錐形状を例示したが、筒形状であれば、断面が、円形、楕円形、多角形など任意の筒形状のカップに適用することができる。
その他、要するにこの発明の要旨を変更しない範囲で種々設計変更しうること勿論である。
2 胴部
3 糸底部
4、5 横引裂線(4は内面側、5は外面側のハーフカット)
6、7 縦引裂線(6は外面側、7は内面側のハーフカット)
8,9 縦引裂中継線(8は外面側、9は内面側のハーフカット)
10 鍔部
11 切欠部
21 貼合部
Claims (10)
- 胴部が紙又は合成樹脂を複数積層してなる素材からなって、胴部の全体又は主要部を引き裂く引裂線を形成したカップ状の包装用容器において、
引裂線が、胴部の下部で容器底面の糸底部に沿って糸底部の全周又は全周から胴部の貼合せ部分を除いた部分に形成された横引裂線と、胴部の上端と前記横引裂線との間に掛け渡されると共に下端で同一面側の横引裂線とつながる縦引裂線とからなり、
前記引裂線は、胴部の外面側と内面側にそれぞれ引裂可能な間隔を隔てて形成された一対のハーフカットからなることを特徴とする包装用容器。 - 縦引裂線の上端が、胴部の上部に形成されて凹状の切欠部の縁部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の包装用容器。
- 縦引裂線が、上端から中途位置まで横引裂線の引裂方向と反対方向に傾斜し、中途位置で湾曲して横引裂線の引裂方向に傾斜してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の包装用容器。
- 縦引裂線が、胴部の貼合部の近傍に配置されてなることを特徴とする請求項1から3のいずれに記載の包装用容器。
- 横引裂線の内面側のハーフカットが糸底部の上端の近傍に配置されており、外面側のハーフカットが糸底部の高さの範囲内に配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれに記載の包装用容器。
- 縦引裂線が、胴部の貼合部を挟んで左右一対に設けられており、該一対の縦引裂線の間に、胴部の上端と前記横引裂線との間に掛け渡されると共に下端で同一面側の横引裂線とつながる縦引裂中継線を1又は複数設けてなり、該縦引裂中継線は、胴部の外面側と内面側にそれぞれ引裂可能な間隔を隔てて形成された一対のハーフカットからなることを特徴とする請求項1から5のいずれに記載の包装用容器。
- 縦引裂中継線が、横引裂線と連なる下端から引裂方向に向かって湾曲しながら胴部上端にいたる曲線からなっていることを特徴とする請求項1から6のいずれに記載の包装用容器。
- 縦引裂中継線の上端が、胴部の上部に形成されて凹状の切欠部の縁部に形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれに記載の包装用容器。
- 胴部の上端に形成される凹状の切欠部が胴部の貼合部を除いて形成されており、上記切欠部を除く胴部の上端の全部又は一部に蓋部を係止しうる鍔部が形成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれに記載の包装用容器。
- 切欠部が凹部からなっており、胴部の上端に等間隔に複数形成されていることを特徴とする請求項1から9のいずれに記載の包装用容器。
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JP7387192B2 (ja) | 2018-08-01 | 2023-11-28 | イナスター ホールディングス,リミティド ライアビリティ カンパニー | 剥ぎ取り式焼成容器 |
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