JP2014041273A - 自己参照干渉装置および方法 - Google Patents

自己参照干渉装置および方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014041273A
JP2014041273A JP2012183852A JP2012183852A JP2014041273A JP 2014041273 A JP2014041273 A JP 2014041273A JP 2012183852 A JP2012183852 A JP 2012183852A JP 2012183852 A JP2012183852 A JP 2012183852A JP 2014041273 A JP2014041273 A JP 2014041273A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
harmonic
wavelength component
frequency
generated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012183852A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5848211B2 (ja
Inventor
Kenichi Hidachi
研一 日達
Atsushi Ishizawa
淳 石澤
Tadashi Nishikawa
正 西川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2012183852A priority Critical patent/JP5848211B2/ja
Publication of JP2014041273A publication Critical patent/JP2014041273A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5848211B2 publication Critical patent/JP5848211B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

【課題】光周波数コムのスペクトル帯域を余り拡大することなく、高い精度でオフセット周波数が検出できるようにする。
【解決手段】光学結晶105は、長波長成分の中の第2の基本光より生成した第2高調波と、長波長成分より得られる第2の基本光とは各々波長が異なるn−1個の第2の群高調波生成用光との和周波を生成することで第2の変換光を生成する。例えば、nが3の場合、ある波長の光(λ1)の第2高調波(λ1/2)と、この第2高調波を発生するのに用いた波長λ1の光とは異なる波長λ2の光と和周波を取って第3高調波(λ3)を発生させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光の周波数を測定するためなどに用いる光周波数コムのキャリアエンベロープオフセット周波数を検出する自己参照干渉装置および方法に関するものである。
近年、電気的方法で測定可能なマイクロ波以下のマイクロ波基準周波数を元に、光の周波数を直接測定する新しい技術が開発されている(非特許文献1〜7参照)。これらの技術で用いられているレーザ光源としては、長さLの共振器装置を備えた受動モード同期レーザがある。このレーザ光源は、繰り返し周波数frep[=c/(2L)](cは光速)のパルスレーザ光を生成する(非特許文献1〜3,5〜7参照)。
また、光源として連続(CW)光を発生するCW光源を用い、CW光源の位相を変調することによって、繰り返し周波数(frep)が一定の光パルス列に変換する位相変調方式によるパルスレーザ光源も用いられている(非特許文献8参照)。これらのレーザにより発振されるパルスレーザ光は、図5の「光搬送波包絡線」に示すようなパルスが、時間軸上に等しい時間間隔T(=1/frep)で並ぶ。図5では、「光搬送波電界」が変化することによるパルスを、光搬送波電界の包絡線として示し、また、1つのパルスを示している。
一方、周波数軸上では、図6に示すように、等しい周波数間隔frepで櫛状に並ぶ多数のモード(線スペクトル)の集合体となる。このように周波数軸上に櫛状に並ぶレーザ光(線スペクトル)の集合体が「光周波数コム」である。
パルスレーザ光の1パルスに注目すると、図5に示すように、光搬送波包絡線のピークと光搬送波電界のピークとは、光の群速度と位相速度の差によりずれが生じる。この、光搬送波包絡線のピークと光搬送波電界位相のピークとの差は、キャリアエンベロープ位相と呼ばれる。また、繰り返されるパルス間のキャリアエンベロープ位相のずれに対応し、図6に示すように、光周波数コムもオフセット光周波数f0だけオフセットされている。
ところで、上述したオフセット周波数f0は、光搬送波包絡線のピークから計った光搬送波電界の位相(キャリアエンベロープ位相)の隣り合うパルス(包絡線)の間のずれをΔφとすると、「f0=(Δφ/2π)×frep」で与えられる。光周波数コムの周波数軸上の間隔がfrepで与えられるため、各モードのスペクトル周波数はfn=n×frep+f0(但し、nは整数)と表すことができる。
このレーザ繰り返し周波数(frep)とキャリアエンベロープ位相差を固定することができれば、光周波数コムの各モードの周波数を安定化することができ、マイクロ波周波数を光の周波数領域にまでつなぐ周波数基準となる。各モードの周波数が正確に定まった光周波数コムは、高精度な周波数標準および関連する基礎物理だけでなく、通信、精密計測、量子情報通信などの分野へ応用されていくと考えられる。
上述したオフセット周波数(f0)を検出する従来の方法として、f1−2f2自己参照干渉法がある。この方法は、図7に示す装置を用いる。この装置は、周波数コム発生部701より得られる繰り返し周波数frepの光パルス列からなる光周波数コムのスペクトル帯域を、1オクターブ以上拡大したスーパーコンティニューム(SC)光とする非線形光学媒質702と、非線形光学媒質702を通過した光周波数コムを長波長成分と短波長成分とに分離するダイクロイックミラー703を備える。
SC光は、広帯域なレーザパルス光であり、一般には、超短パルス光を非線形光学材料に入射した際、自己位相変調,相互位相変調,四光波混合,ラマン散乱などの非線形光学効果によって生成される。現在は、非線形材料である高非線形ファイバを用いることで、1オクターブ以上の広帯域性を有するSC光の生成が可能になっている。
また、この装置は、分離された長波長成分の第2高調波(2次高調波)を発生させる非線形光学結晶704と、ダイクロイックミラー703で分離された短波長成分と非線形光学結晶704で発生した長波長成分の第2高調波とを干渉させる偏光ビームスプリッタ705と、偏光ビームスプリッタ705より生成される光のうなり信号(光ビート)を検出する検出器706と、検出器706で検出されたうなり信号より、周波数コム発生部701を制御する帰還制御部707とを備える。
上述した装置を用い、まず、周波数コム発生部701で生成した繰り返し周波数frepの光周波数コムのスペクトル帯域を、非線形光学媒質702により拡大してSC光とする。次に、ダイクロイックミラー703により、得られたSC光を、短波長成分(f1=m×frep+f0)と長波長成分(f2=n×frep+f0)とに空間的に分離する。次に、ダイクロイックミラー703により分離した長波長成分(f2=n×frep+f0)より、非線形光学結晶704で第2高調波[2f2=2×(n×frep+f0)]を発生させる。
次に、上述したことに得られた長波長成分の第2高調波(2f2)と短波長成分(f1)とを、偏光ビームスプリッタ705により干渉させ、この干渉により発生するうなり信号を検出部706で検出する。これらのことにより、周波数の最も小さい項としてm=2nを満たしたときに現れるf1とf2の周波数差f0(=f1−f2)のキャリアエンベロープオフセット周波数を測定することができる。
この測定により得られたキャリアエンベロープオフセット周波数と、外部から得られるマイクロ波参照周波数とを比較参照する。この比較の結果が一定となるように、周波数コム発生部701における共振器内の非線形分散の大きさにフィードバック制御をかけることで、周波数コム発生部701より生成する光周波数コムのオフセット周波数(f0)を安定化することができるようになる。また、光周波数コムの繰り返し周波数(frep)は、検出部706で検出される繰り返し周波数信号を元に、周波数コム発生部701におけるレーザの共振器長などにフィードバックすることにより固定することが可能である。
上述したf1−2f2自己参照干渉法を用い、キャリアエンベロープオフセット周波数(f0)とモード周波数間隔(frep)を検出し、一定にした光周波数コム安定化光源が、共振器装置を備えたモード同期レーザをベースに開発されてきた(非特許文献1〜6参照)。
しかしながら、f1−2f2自己参照干渉法では、光周波数コムを帯域1オクターブ以上のSC光にする必要があるが、このためには、高強度の超短パルスレーザ光源と非線形定数の大きいフォトニック結晶ファイバなどが必要となる。このようなf1−2f2自己参照計の代わりに、2f1−3f2自己参照干渉計を用いる方法がある(非特許文献10,11参照)。
この方法は、図8に示す装置を用いる。この装置は、周波数コム発生部801より発生する繰り返し周波数frepの光パルス列からなる光周波数コムのスペクトル帯域をSC光とする非線形光学媒質802と、非線形光学媒質802を通過した光周波数コムを長波長成分と短波長成分とに分離するダイクロイックミラー803を備える。この装置では、非線形光学媒質802が、自己位相変調効果により、長波長成分と短波長成分との周波数帯域の比が2:3以上のSC光を生成すればよい。
また、この装置は、分離された短波長成分の第2高調波を発生させる非線形光学結晶804と、分離された長波長成分の第3高調波を発生させる非線形光学結晶814と、非線形光学結晶814で発生した長波長成分の第3高調波とを干渉させる偏光ビームスプリッタ805と、偏光ビームスプリッタ805より生成される光のうなり信号(光ビート)を検出する検出器806と、検出器806で検出されたうなり信号より、周波数コム発生部801を制御する帰還制御部807とを備える。
上述した装置を用い、まず、周波数コム発生部801で生成した繰り返し周波数frepの光周波数コムのスペクトル帯域を、非線形光学媒質802により長波長成分と短波長成分との比が2:3の状態で拡大してSC光とする。次に、ダイクロイックミラー803により、得られたSC光を、短波長成分(f1=m×frep+f0)と長波長成分(f2=n×frep+f0)とに空間的に分離する。
次に、ダイクロイックミラー803により分離した長波長成分(f2=n×frep+f0)より、非線形光学結晶814で第3高調波[3f2=3×(n×frep+f0)]を発生させる。また、ダイクロイックミラー803により分離した短波長成分(f1=m×frep+f0)より、非線形光学結晶804で第2高調波[2f1=2×(m×frep+f0)]を発生させる。
次に、上述したことにより得られた長波長成分の第3高調波(3f2)と短波長成分の第2高調波(2f1)とを、偏光ビームスプリッタ805により干渉させ、この干渉により発生するうなり信号を検出部806で検出する。3n=2mを満たすように、言いかえれば、発生した第2高調波および第3高調波の波長をほぼ等しくなるように波長変換を行い2f1と3f2を干渉させると、キャリアエンベロープオフセット周波数(f0)を検出することが可能である。
例えば、周波数コム発生部801より生成される中心周波数f=193.1THz(λ=1552nm)の通信波長帯の中心周波数から、フォトニック結晶ファイバなどによる非線形光学媒質802で周波数帯域が2:3以上の広帯域SC光(1200〜1800nm)を発生する。次いで、カットオフ周波数が1500nmのダイクロイックミラー803でSC光を短波長成分(1200〜1500nm)と長波長成分(1500〜1800nm)に分離する。
次に、非線形光学結晶814でSC光の長波長成分の中の例えばλL=1800nmの光(f2)の3倍波(λL/3=600nm)を生成し、非線形光学結晶804でSC光の短波長成分の中の例えばλH=1200nmの光(f1)の2倍波(λH/2=600nm)を生成する。この後、これらを干渉させると、キャリアエンベロープオフセット周波数(f0)が検出される。
この、2f1−3f2自己参照干渉法を用いる方法の最大の利点は、光の周波数帯域を2:3以上に広げればよいため、低パルスエネルギーのパルスレーザ光源でもキャリアエンベロープオフセット周波数を検出することが可能となる点である。
特表2002−539627号公報 特開2006−209067号公報
D. J. Jones et al. , "Carrier-Envelope Phase Control of Femtosecond Mode-Locked Lasers and Direct Optical Frequency Synthesis", SCIENCE, vol.288 ,pp.635-639, 2000. R. Holzwarth et al. , "Optical Frequency Synthesizer for Precision Spectroscopy", PHYSICAL REVIEW LETTERS, vol.85, no.11, pp.2264-2267, 2000. K. Sugiyama et al. , "Frequency Control of a Chirped-Mirror-Dispersion-Controlled Mode-Locked Ti:Al203 Laser for Comparison between Microwave and Optical Frequencies", Proceedings of SPIE, vol.4269, pp.95-104. 2001. T. R. Schibli et al. , "Frequency metrology with a turnkey all-fiber system", OPTICS LETTERS, vol.29, no. 21, pp.2467-2469, 2004. T. M. Fortier et al. , "Octave-spanning Ti:sapphire laser with a repetition rate 1 GHz for optical frequency measurements and comparisons", OPTICS LETTERS, vol.31, no.7, pp.1011-1013, 2006. I. Hartl et al. , "Integrated self-referenced frequency-comb laser based on a combination of fiber and waveguide technology", OPTICS EXPRESS, vol.13, no.17, pp.6490-6496, 2005. M. Kourogi et al. , "Limit of Optical-Frequency Comb Generation Due to Material Dispersion", IEEE JOURNAL OF QUANTUM ELECTRONICS, vol.31. no.12, pp.2120-2126, 1995. T. Kobayashi et al. , "Optical Pulse Compression Using High-Frequency Electrooptic Phase Modulation", IEEE JOURNAL OF QUANTUM ELECTRONICS, vol.24. no.2, pp.382-387, 1988. http://optipedia.info/laser/ultrashort-pulse/supercontinuum/sc-light/ U. Morgner et al. , "Nonlinear Optics with Phase-Controlled Pulses in the Sub-Two-Cycle Regime",PHYSICAL REVIEW LETTERS, vol.86, no.24 ,pp.5462-5465, 2001. T. M. Ramond et al. , "Phase-coherent link from optical to microwave frequencies by means of the broadband continuum from a 1-GHz Ti:sapphire femtosecond oscillator", OPTICS LETTERS, vol.27, no.20,pp.1842-1844, 2002.
しかしながら、2f1−3f2干渉法で用いられる第2高調波発生では、図9に示すように、ある波長の光(λL)の第2高調波(λL/2)と、この第2高調波を発生するのに用いた波長λLの光との和周波を取って第3高調波(λL/3)を発生させている。ここで、1/(λL/3)=1/λL+1/(λL/2)である。このため、変換効率が落ちるという問題がある。
波長変換の例としては、SC光の長波長成分(λL=1800nm)の3倍波(λL/3=600nm)を取るために、ある波長の光(λL=1800nm)の第2高調波(λL/2=900nm)と、第2高調波を発生するのに用いられた(λL=1800nm)との和周波を取って第3高調波(600nm)を発生する。
例えば、λLから第2高調波λL/2への波長変換効率をη(0<η<1)とする。また、第3高調波を生成するためにλL/2とλLの和周波への変換効率をη’(0<η’<1)とする。ここで、λL/2を生成するためのλLの光、および第3高調波を生成するためのλLの光は、同じSC光から得るため、λL/2を生成するためのλLの光を用いたことによる残りのλLの光強度は(1−η)であるので、第3高調波までの変換効率は、η(1−η)η’となる。η(1−η)は、η=0.5のとき最大値0.25となる。従って、たとえ理想的な素子として第2高調波をη=0.5の割合で生成(変換)し、第3高調波を100%の割合で生成(変換)する素子が存在したとしても、得られる第3高調波の変換効率は、25%を超えることは原理的に不可能である。このように変換効率が低い状態では、干渉によるうなり信号の強度が得られず、高い精度でオフセット周波数が検出できない。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、光周波数コムのスペクトル帯域を余り拡大することなく、高い精度でオフセット周波数が検出できるようにすることを目的とする。
本発明に係る自己参照干渉装置は、周波数帯域の比がn:(n+1)となる長波長成分および短波長成分の光が得られる範囲に(nは2以上の整数)、入力された光周波数コムの光スペクトル帯域を拡大させて帯域拡大光パルスを生成する帯域拡大手段と、帯域拡大光パルスより長波長成分および短波長成分を分離する分離手段と、短波長成分より第n高調波の第1の変換光を生成する第1の高調波生成手段と、長波長成分より第n+1高調波の第2の変換光を生成する第2の高調波生成手段と、第1の変換光と第2の変換光とを干渉させる干渉手段と、第1の変換光と第2の変換光との干渉により発生する第1の変換光と第2の変換光の周波数差の光信号を検出する検出手段とを少なくとも備え、第1の高調波生成手段は、nが2の場合は、短波長成分のなかの第1の基本光より第2高調波となる第1の変換光を生成し、nが3以上の場合は、第1の基本光より生成した第2高調波と、短波長成分より得られる第1の基本光とは各々波長が異なるn−2個の第1の群高調波生成用光との和周波を生成することで第1の変換光を生成し、第2の高調波生成手段は、長波長成分の中の第2の基本光より生成した第2高調波と、長波長成分より得られる第2の基本光とは各々波長が異なるn−1個の第2の群高調波生成用光との和周波を生成することで第2の変換光を生成する。
上記自己参照干渉装置において、第1の高調波生成手段は、nが2の場合は、隣り合う領域で結晶の分極が反転している複数の領域が直列に接続して配列して各々の領域の配列方向の長さが第1の基本光の波長に対応した1群からなる第1の分極反転配列結晶部から構成され、nが3以上の場合は、第1の分極反転配列結晶部に加え、隣り合う領域で結晶の分極が反転している複数の領域が直列に接続して配列した複数の群から構成されて各々の群の各領域の配列方向の長さが第1の群高調波生成用光の各々の波長に各々対応した第1の群分極反転配列結晶部を備え、第2の高調波生成手段は、隣り合う領域で結晶の分極が反転している複数の領域が直列に接続して配列して各々の領域の配列方向の長さが第2の基本光の波長に対応した1群からなる第2の分極反転配列結晶部と、隣り合う領域で結晶の分極が反転している複数の領域が直列に接続して配列した複数の群から構成されて各々の群の各領域の配列方向の長さが第2の群高調波生成用光の各々の波長に各々対応した第2の群分極反転配列結晶部とから構成されている。
また、本発明に係る自己参照干渉方法は、周波数帯域の比がn:(n+1)となる長波長成分および短波長成分の光が得られる範囲に(nは2以上の整数)入力された光周波数コムの光スペクトル帯域を拡大させて帯域拡大光パルスを生成する第1ステップ、帯域拡大光パルスより長波長成分および短波長成分を分離する第2ステップと、短波長成分より第n高調波の第1の変換光を生成する第3ステップと、長波長成分より第n+1高調波の第2の変換光を生成する第4ステップと、第1の変換光と第2の変換光とを干渉させる第5ステップと、第1の変換光と第2の変換光との干渉により発生する第1の変換光と第2の変換光の周波数差の光信号を検出する第6ステップとを少なくとも備え、第3ステップは、nが2の場合は、短波長成分の中の第1の基本光より第2高調波となる第1の変換光を生成し、nが3以上の場合は、第1の基本光より生成した第2高調波と、短波長成分より得られる第1の基本光とは各々波長が異なるn−2個の第1の群高調波生成用光との和周波を生成することで第1の変換光を生成し、第4ステップは、長波長成分の中の第2の基本光より生成した第2高調波と、長波長成分より得られる第2の基本光とは各々波長が異なるn−1個の第2の群高調波生成用光との和周波を生成することで第2の変換光を生成する。
以上説明したことにより、本発明によれば、光周波数コムのスペクトル帯域を余り拡大することなく、高い精度でオフセット周波数が検出できるようになるという優れた効果が得られる。
図1は、本発明の実施の形態における自己参照干渉装置の構成を示す構成図である。 図2は、本発明の実施の形態における第3高調波の生成について説明する説明図である。 図3は、擬似位相整合型の波長変換素子の構成例を示す構成図である。 図4は、本発明の実施の形態における自己参照干渉方法を説明するためのフローチャートである。 図5は、光パルスにおける光搬送波の位相について説明する説明図である。 図6は、光パルスの周波数軸上における線スペクトルの状態を示す説明図である。 図7は、自己参照干渉装置の構成を示す構成図である。 図8は、自己参照干渉装置の構成を示す構成図である。 図9は、第3高調波の生成について説明する説明図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態における自己参照干渉装置の構成を示す構成図である。この自己参照干渉装置は、周波数コム発生部101,非線形光学媒質(帯域拡大手段)102,ダイクロイックミラー(分離手段)103,光学結晶(第1の高調波生成手段)104,光学結晶(第2の高調波生成手段)105,ビームスプリッタ(干渉手段)106,検出部107,および帰還制御部108を備える。
周波数コム発生部101は、繰り返し周波数frepの周波数コムを出力する。周波数コム発生部101は、例えば、共振器長Lによって繰り返し周波数frepが決まる受動モード同期レーザであればよい。また、周波数コム発生部101は、連続(CW)光を発生するCW光源に対して外部から繰り返し周波数frepのマイクロ波を位相変調器などにより印加することで、CW光源の位相を変調して繰り返し周波数(frep)が一定の光パルス列に変換して出力する位相変調方式によるパルスレーザ光源でもよい。
非線形光学媒質102は、周波数コム発生部101より発生する光周波数コムを入力し、この光周波数コムの光スペクトル帯域を、周波数帯域の比がn:(n+1)となる長波長成分および短波長成分の光が得られる範囲に(nは2以上の整数)拡大させて帯域拡大光パルス(SC光)を生成する。非線形光学媒質102は、例えば、フォトニック結晶ファイバから構成すればよい。フォトニック結晶ファイバなどで生じる自己位相変調効果により、周波数帯域の比が長波長成分:短波長成分=n:(n+1)以上となる各成分が得られる範囲の周波数帯域のSC光を発生させる。また、ダイクロイックミラー103は、所望とするカットオフ周波数を備え、非線形光学媒質102より得られたSC光より長波長成分および短波長成分を空間的に分離する。
光学結晶104は、ダイクロイックミラー103で分離した短波長成分より第n高調波の第1の変換光を生成し、光学結晶105は、ダイクロイックミラー103で分離した長波長成分より第n+1高調波の第2の変換光を生成する。まず、光学結晶104は、nが2の場合は、短波長成分の中の第1の基本光より第2高調波となる第1の変換光を生成する。また、光学結晶104は、nが3以上の場合は、第1の基本光より生成した第2高調波と、短波長成分より得られる第1の基本光とは各々波長が異なるn−2個の第1の群高調波生成用光との和周波を生成することで第1の変換光を生成する。
一方、光学結晶105は、長波長成分の中の第2の基本光より生成した第2高調波と、長波長成分より得られる第2の基本光とは各々波長が異なるn−1個の第2の群高調波生成用光との和周波を生成することで第2の変換光を生成する。本実施の形態では、図2に例示するように、ある波長の光(λL)の第2高調波(λL/2)と、この第2高調波を発生するのに用いた波長λLの光とは異なる波長λL’の光と和周波を取って第3高調波(λ/3)を発生させるようにしたところに特徴がある。
このようにして得られた第1の変換光と第2の変換光とを、ビームスプリッタ106で干渉させ、第1の変換光と第2の変換光との干渉により発生する第1の変換光と第2の変換光の周波数差の光信号(うなり信号)を検出部107で検出する。また、帰還制御部108が、検出器107で検出されたうなり信号より、周波数コム発生部101における光周波数コムの出力を制御する。
光学結晶104では、(オフセット周波数f0)×n+(繰り返し周波数frepの整数倍)の周波数の第n高調波が発生することになる。一方、光学結晶105では、(オフセット周波数f0)×(n+1)+(繰り返し周波数frepの整数倍)の周波数の第n+1高調波が発生することになる。この第n高調波と第n+1高調波との整数部分が等しくなるように発生した第1の変換光および第2の変換光を干渉させると、得られるうなり信号(光ビート)を測定することでキャリアエンベロープオフセット周波数(f0)を検出することができる。
また、このような検出部107による測定値を外部からのマイクロ波基準周波数と比較し、マイクロ波基準周波数からのずれの大きさを元に、帰還制御部108で周波数コム発生部101にフィードバック制御を行うことで、出力される光周波数コムのオフセット周波数(f0)を安定化することができるようになる。
例えば、上記マイクロ波基準周波数からのずれの大きさを元に、周波数コム発生部101を構成している共振器内の非線形分散の大きさにフィードバックを行えばよい。また、レーザの繰り返し周波数(frep)は、検出部107からの繰り返し周波数信号を元に、周波数コム発生部101を構成しているレーザの共振器長などにフィードバックすることにより固定することが可能である。
このように、上述した実施の形態によれば、まず、必要とするSC光は、周波数帯域の比が長波長成分:短波長成分=n:(n+1)以上となる各成分が得られる範囲の周波数帯域であればよく、1オクターブ以上拡大する必要がなく、より低パルスエネルギーでよい。また、nが3以上の第n高調波を、短波長成分の中の基本光より生成した第2高調波と、短波長成分より得られる基本光とは各々波長が異なるn−1個の第1の群高調波生成用光との和周波を生成することで発生するようにしているので、高い変換効率が得られるようになり、干渉によるうなり信号の強度をより高くすることが可能となり、高い精度でオフセット周波数が検出できるようになる。
以下、上述した光学結晶(第1の高調波生成手段)104,光学結晶(第2の高調波生成手段)105について、より詳細に説明する。これらは、周期的なピッチ長で分極反転構造を有する擬似位相整合型の波長変換素子から構成すればよい。この擬似位相整合型の波長変換素子301は、図3の(a)に示すように、非線形光学特性を持った結晶から構成されて直列に接続した複数の領域302から構成され、隣り合う領域302で結晶の分極が反転している。この配列の方向に光が入射されて透過する。
一般的に、基本光と非線形光学特性を持った結晶で発生する波長変換光との間では、屈折率が異なるため位相速度に差がある。このため、基本光が、結晶内を伝播するにつれて次々と発生する波長変換光は、少しずつ位相がずれていく。この中で、ある距離Λ離れた2点で発生した波長変換光の位相差がπになると、互いに打ち消し合うようになり逆に強度が減衰していく。この状態を抑制して安定して強度を増大させる方法として、擬似位相整合型の波長変換素子がある。
擬似位相整合型の波長変換素子では、基本光と波長変換光との位相差がπとなるところ(距離Λ)で、結晶の分極(分極の方向)を反転させてここで発生する波長変換光の位相を反転させる。この構造によると、分極を反転していない状態であれば打ち消し合う状態が、逆に強め合う状態となり、結晶内を伝播するにつれて次々と発生する波長変換光の強度を常に増加させることができる。このように、擬似位相整合法では、基本光の波長λに対応した距離Λで結晶の分極を反転させている周期分極反転により、擬似的に位相整合させて波長を変換している。
擬似位相整合型の波長変換素子301の大きな特徴の1つとして、分極反転周期を調整することで、対応波長や変換方法(高調波発生、光パラメトリック発振など)を適宜に設定することができる。例えば、第2高調波発生用の波長変換素子301では、分極反転周期となる各々の領域302の配列方向の長さΛは、「Λ=m×λ/{2×(n−nω)}・・(1)」と表すことができる。ここで、λは基本光の波長、nωは、領域302における基本光の波長の屈折率、nは、領域302における第2高調波波長の屈折率、mは定数であり、通常1である。式(1)に示すように、分極反転周期Λは、入射する基本光の波長λによって決まるため、周期Λを適宜に設計することで様々な波長λに対応した波長変換素子301を作製することができる。
上述した擬似位相整合型の波長変換素子は、第2高調波だけではなく、和周波発生(Sum Frequency Generation:SFG)、差周波発生(Difference Frequency Generation:DFG)、光パラメトリック発振(Optical Parametric Oscillation:OPO)といった2次の非線形性を利用した様々な波長変換にも幅広く利用されている。また、擬似位相整合型の波長変換素子は、上述した特徴的な周期分極反転構造(Periodically Poled structure)を有することから、PP−XXとも呼ばれており(XXは材料名がはいる)、PPLN、PPMgLN、PPMgSLTのように表現される。
上述した擬似位相整合型の波長変換素子により、光学結晶104,光学結晶105が構成できる。例えば、光学結晶105は、n種類のΛの分極反転構造を有する擬似位相整合型の波長変換素子から構成することができる。この場合、光学結晶105は、まず、隣り合う領域で結晶の分極が反転している複数の領域が直列に接続して配列して各々の領域の配列方向の長さが第2の基本光の波長に対応した部分(第2の分極反転配列結晶部)を備える。加えて、光学結晶105は、隣り合う領域で結晶の分極が反転している複数の領域が直列に接続して配列した複数の群から構成され、各々の群の各領域の配列方向の長さが第2の基本光とは各々波長が異なるn個の第2の群高調波生成用光の各々の波長に各々対応する部分(第2の群分極反転配列結晶部)を備える。
光学結晶105には、長波長成分の第2の基本光が入射光となる。この中のn個の波長(λ1,λ2,…,λn)を用いることで、第n+1高調波の第2の変換光を発生させることができる。このためには、波長λ1に対応した複数の長さΛ1の領域からなる第1部分(第2の分極反転配列結晶部),波長λ2に対応した複数の長さΛ2の領域からなる第2部分,波長λ3に対応した複数の長さΛ3の領域からなる第3部分,・・・波長λnに対応した複数の長さΛnの領域からなる第n部分から光学結晶105を構成すればよい。
第1部分では、波長λ1の光の第2高調波(λ1’=λ1/2)を発生させる。このときのピッチ長Λ1は、前述した式(1)より「Λ1=λ1/[2×{n(λ1’)−n(λ1)}]・・(2)」で与えればよい。ここでn(λ)は、波長λに対する非線形光学特性を持った結晶の屈折率を表す。このとき、波長λ2,λ3,…,λnの光は、対応するピッチ長がΛ1ではないため、第1部分では波長変換されずに透過される。
第2部分では、λ1とは異なる波長であるλ2と、第1部分で生成された第2高調波(λ1’)との和周波が取られて波長λ2’の波長変換光が生成される。このときのピッチ長Λ2は、「1/Λ2=n(λ2’)/λ2’−n(λ1’)/(λ1’)−n(λ2)/λ2・・・(3)」で与えられる。この式(3)により求められるピッチ長Λ2を変化させることにより、SC光のどの波長の光λ2’を用いるかを選択することができる。
以下、第k(2≦k≦n)部分では、λk-1’とλkとの和周波を取って、波長λk’の波長変換光を得る。このためには、第k部分における各領域のピッチ長Λkを「1/Λk=n(λk’)/λk’−n(λk-1’)/(λk-1’)−n(λk)/λk・・・(3)」により与えればよい。
上述した構成とした光学結晶105の最大の特徴は、第n+1高調波の生成を、波長λ1のみから生成するのではなく、波長(λ1,λ2,…,λn)の光を用いているため、高効率な高調波が生成できる点である。
例えば、簡単のためにn=2の場合を考えると、この場合は、図3の(b)に示すように、擬似位相整合型の波長変換素子311とすればよい。波長変換素子311は、非線形光学特性を持った結晶から構成されて直列に接続した複数の領域312と、非線形光学特性を持った結晶から構成されて直列に接続した複数の領域313とから構成されている。各領域312は、配列方向の長さΛ1が基本光の波長λ1に対応し、各領域313は、配列方向の長さΛ2が基本光とは波長が異なる波長λ2に対応している、領域312からなる第1部分により波長λ1の基本光の第2高調波が発生する。
領域312からなる第1部分により第2高調波が発生する変換効率をη(0<η<1)とし、領域313からなる第2部分において、波長λ2の光と第2高調波の光との和周波を発生させる変換効率をη’とすれば、第3高調波が得られる変換効率はη×η’で与えられる。ここには、「1−η」のような最大値を制限する項がないため、変換効率が25%を超えることも原理的に可能である。
また、上述した構成の擬似位相整合型の波長変換素子では、1つの素子で第n+1高調波を発生させることができる。n個の擬似位相整合素子を直列に並べた光学系と比べると、光学部品の節約ができるため、光学部品と擬似位相整合素子端面からのフレネル反射損失がなくなる。また、レーザ光と擬似位相整合素子との光結合損失が、少ない状態が得られる点も、上記素子の特徴となる。
以上のことは、第n高調波の発生を行う光学結晶104についても同様である。光学結晶104は、nが2の場合は、隣り合う領域で結晶の分極が反転している複数の領域が直列に接続して配列して各々の領域の配列方向の長さが第1の基本光の波長に対応した1群からなる第1の分極反転配列結晶部から構成されていればよい。第1の基本光は、短波長成分より得られる。また、nが3以上の場合、光学結晶104は、上述した第1の分極反転配列結晶部に加え、隣り合う領域で結晶の分極が反転している複数の領域が直列に接続して配列したn−1個の群から構成されて各々の群の各領域の配列方向の長さが第1の群高調波生成用光の各々の波長に各々対応した第1の群分極反転配列結晶部を備えていればよい。第1の群高調波生成用光は、短波長成分より得られる基本光とは各々波長が異なるn−1個の光である。
次に、本発明の実施の形態における自己参照干渉方法について、n=2の場合を例にして図4のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS401で、例えば、フォトニック結晶ファイバなどの非線形光学媒質により、周波数帯域の比が2:3となる長波長成分および短波長成分の光が得られる範囲に、入力された光周波数コムの光スペクトル帯域を拡大させて帯域拡大光パルス(SC光)を生成する(第1ステップ)。次に、ステップS402で、例えば、所望とするカットオフ周波数のダイクロイックミラーを用い、SC光より長波長成分および短波長成分を分離する(第2ステップ)。
次に、ステップS403で、短波長成分の中の第1の基本光より第2高調波の第1の変換光を生成する(第3ステップ)。例えば、前述した波長変換素子301に、周波数f1の第1の基本光を含むSC光の短波長成分を入射させる。波長変換に使われる入射光の周波数f1を「f1=m×frep+f0」とすれば、第2高調波である第1の変換光の周波数は、2f1=2×(m×frep+f0)で与えられる。なお、nが3以上の場合(第3高調波以上の高調波生成)は、短波長成分の中の第1の基本光より生成した第2高調波と、短波長成分より得られる第1の基本光とは各々波長が異なるn−1個の第1の群高調波生成用光との和周波を生成することで第1の変換光を生成する。
次に、ステップS404で、長波長成分より第3高調波の第2の変換光を生成する。このとき、長波長成分の中の第2の基本光より生成した第2高調波と、長波長成分より得られる第2の基本光とは波長が異なる他の光(第2の群高調波生成用光)との和周波を生成することで第3高調波を生成する。
例えば、波長変換素子311に、周波数f2の第2の基本光とこれとは周波数が異なる周波数f2’の光を含むSC光の長波長成分を入射させる。波長変換に使われる2つの光の周波数をf2(=n×frep+f0)、f2’(=n’×frep+f0)とすれば(ここでf2〜f2’)、波長変換素子311の、複数の領域312からなる群で生成される第2高調波の周波数は、2f2=2(n×frep+f0)となる。また、複数の領域313からなる群で生成される第3高調波の周波数は、2f2+f2’=(2n+n’)×frep+3f0である。従って、発生する第3高調波(第2の変換光)は(オフセット周波数f0)×3+(繰り返し周波数frepの整数倍)になる。
次に、ステップS405で、第1の変換光と第2の変換光とを干渉させ(第5ステップ)、ステップS406で、第1の変換光と第2の変換光との干渉により発生する第1の変換光と第2の変換光の周波数差の光信号(光ビート)を検出する(第6ステップ)。
2n+n’=2mを満たすように、言いかえれば、発生した第2高調波および第3高調波の波長をほぼ等しくなるように波長変換を行い、第2高調波と第3高調波の光を干渉させると、キャリアエンベロープオフセット周波数(f0)を検出することが可能である。
例えば、中心周波数f=193.1THz(λ=1552nm)の通信波長帯の中心周波数から、まず、フォトニック結晶ファイバなどで周波数帯域が、長波長成分:短波長成分=2:3以上のSC光(1200〜1810nm)を発生させる。次いで、カットオフ周波数が1500nmのダイクロイックミラーで、上記SC光を短波長成分(1200〜1500nm)と長波長成分(1500〜1810nm)とに分離する。
SC光の長波長成分(λ2=1800nm、λ2’=1810nmを含む)を入射光としたときの、光学結晶105における波長変換光(第2の変換光)の波長λ3は、1/λ3=1/(λ2/2)+1/λ2’よりλ3=601.1nmである。また、SC光の短波長成分(λ1=1202.2nmを含む)を入射光としたときの、光学結晶104より得られるλ1=1202.2nmの2倍波(第1の変換光)の波長λ1/2は、601.1nmである。これらを干渉させると、ビート信号(f0)が検出される。
この測定値を、外部からのマイクロ波基準周波数と比較し、マイクロ波基準周波数からのずれの大きさを元に帰還制御部108で、周波数コム発生部101を構成している共振器内の非線形分散の大きさにフィードバック制御を行う。この制御により、周波数コム発生部101より得られる光周波数コムのオフセット周波数(f0)を安定化することができるようになる。また、周波数コム発生部101が出力する周波数コムの繰り返し周波数(frep)は、検出部107で検出される繰り返し周波数信号を元に、周波数コム発生部101を構成しているレーザの共振器長などにフィードバックすることにより固定することが可能である。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。
101…周波数コム発生部、102…非線形光学媒質(帯域拡大手段)、103…ダイクロイックミラー(分離手段)、104…光学結晶(第1の高調波生成手段)、105…光学結晶(第2の高調波生成手段)、106…ビームスプリッタ(干渉手段)、107…検出部、108…帰還制御部。

Claims (3)

  1. 周波数帯域の比がn:(n+1)となる長波長成分および短波長成分の光が得られる範囲に(nは2以上の整数)、入力された光周波数コムの光スペクトル帯域を拡大させて帯域拡大光パルスを生成する帯域拡大手段と、
    前記帯域拡大光パルスより長波長成分および短波長成分を分離する分離手段と、
    前記短波長成分より第n高調波の第1の変換光を生成する第1の高調波生成手段と、
    前記長波長成分より第n+1高調波の第2の変換光を生成する第2の高調波生成手段と、
    前記第1の変換光と第2の変換光とを干渉させる干渉手段と、
    前記第1の変換光と第2の変換光との干渉により発生する前記第1の変換光と前記第2の変換光の周波数差の光信号を検出する検出手段と
    を少なくとも備え、
    前記第1の高調波生成手段は、nが2の場合は、前記短波長成分のなかの第1の基本光より第2高調波となる前記第1の変換光を生成し、nが3以上の場合は、前記第1の基本光より生成した第2高調波と、前記短波長成分より得られる前記第1の基本光とは各々波長が異なるn−2個の第1の群高調波生成用光との和周波を生成することで前記第1の変換光を生成し、
    前記第2の高調波生成手段は、前記長波長成分の中の第2の基本光より生成した第2高調波と、前記長波長成分より得られる前記第2の基本光とは各々波長が異なるn−1個の第2の群高調波生成用光との和周波を生成することで前記第2の変換光を生成する
    ことを特徴とする自己参照干渉装置。
  2. 請求項1記載の自己参照干渉装置において、
    前記第1の高調波生成手段は、
    nが2の場合は、隣り合う領域で結晶の分極が反転している複数の領域が直列に接続して配列して各々の領域の配列方向の長さが前記第1の基本光の波長に対応した1群からなる第1の分極反転配列結晶部から構成され、
    nが3以上の場合は、前記第1の分極反転配列結晶部に加え、隣り合う領域で結晶の分極が反転している複数の領域が直列に接続して配列したn−1個の群から構成されて各々の群の各領域の配列方向の長さが前記第1の群高調波生成用光の各々の波長に各々対応した第1の群分極反転配列結晶部を備え、
    前記第2の高調波生成手段は、
    隣り合う領域で結晶の分極が反転している複数の領域が直列に接続して配列して各々の領域の配列方向の長さが前記第2の基本光の波長に対応した1群からなる第2の分極反転配列結晶部と、
    隣り合う領域で結晶の分極が反転している複数の領域が直列に接続して配列したn個の群から構成されて各々の群の各領域の配列方向の長さが前記第2の群高調波生成用光の各々の波長に各々対応した第2の群分極反転配列結晶部と
    から構成されていることを特徴とする自己参照干渉装置。
  3. 周波数帯域の比がn:(n+1)となる長波長成分および短波長成分の光が得られる範囲に(nは2以上の整数)入力された光周波数コムの光スペクトル帯域を拡大させて帯域拡大光パルスを生成する第1ステップ、
    前記帯域拡大光パルスより長波長成分および短波長成分を分離する第2ステップと、
    前記短波長成分より第n高調波の第1の変換光を生成する第3ステップと、
    前記長波長成分より第n+1高調波の第2の変換光を生成する第4ステップと、
    前記第1の変換光と第2の変換光とを干渉させる第5ステップと、
    前記第1の変換光と第2の変換光との干渉により発生する前記第1の変換光と前記第2の変換光の周波数差の光信号を検出する第6ステップと
    を少なくとも備え、
    前記第3ステップは、nが2の場合は、前記短波長成分の中の第1の基本光より第2高調波となる前記第1の変換光を生成し、nが3以上の場合は、前記第1の基本光より生成した第2高調波と、前記短波長成分より得られる前記第1の基本光とは各々波長が異なるn−2個の第1の群高調波生成用光との和周波を生成することで前記第1の変換光を生成し、
    前記第4ステップは、前記長波長成分の中の第2の基本光より生成した第2高調波と、前記長波長成分より得られる前記第2の基本光とは各々波長が異なるn−1個の第2の群高調波生成用光との和周波を生成することで前記第2の変換光を生成する
    ことを特徴とする自己参照干渉方法。
JP2012183852A 2012-08-23 2012-08-23 自己参照干渉装置および方法 Active JP5848211B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012183852A JP5848211B2 (ja) 2012-08-23 2012-08-23 自己参照干渉装置および方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012183852A JP5848211B2 (ja) 2012-08-23 2012-08-23 自己参照干渉装置および方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014041273A true JP2014041273A (ja) 2014-03-06
JP5848211B2 JP5848211B2 (ja) 2016-01-27

Family

ID=50393563

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012183852A Active JP5848211B2 (ja) 2012-08-23 2012-08-23 自己参照干渉装置および方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5848211B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015200800A (ja) * 2014-04-08 2015-11-12 日本電信電話株式会社 波長変換素子および光周波数コム発生装置
JP2016119476A (ja) * 2014-12-23 2016-06-30 メンロ システムズ ゲーエムベーハー 光共振装置及び共振器において一周時間を調節する方法
JP2017508301A (ja) * 2014-03-17 2017-03-23 メンロ システムズ ゲーエムベーハー レーザー装置を操作する方法、共振装置及び移相器の使用
JP2020514796A (ja) * 2017-01-05 2020-05-21 アイピージー フォトニクス コーポレーション キャリアエンベロープオフセット周波数検出を有する光周波数コム発生器

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000223408A (ja) * 1999-02-03 2000-08-11 Hitachi Ltd 半導体製造装置および半導体装置の製造方法
US20090135859A1 (en) * 2007-11-23 2009-05-28 Gwangju Institute Of Science And Technology Apparatuses and methods for stabilizing carrier-envelope phase of laser pulse by using direct locking method
JP2009116242A (ja) * 2007-11-09 2009-05-28 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光周波数コム安定化光源
JP2011002580A (ja) * 2009-06-17 2011-01-06 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光周波数コム安定化光源および光周波数コム安定化方法
JP2011257559A (ja) * 2010-06-08 2011-12-22 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 波長変換素子

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000223408A (ja) * 1999-02-03 2000-08-11 Hitachi Ltd 半導体製造装置および半導体装置の製造方法
JP2009116242A (ja) * 2007-11-09 2009-05-28 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光周波数コム安定化光源
US20090135859A1 (en) * 2007-11-23 2009-05-28 Gwangju Institute Of Science And Technology Apparatuses and methods for stabilizing carrier-envelope phase of laser pulse by using direct locking method
JP2009130347A (ja) * 2007-11-23 2009-06-11 Kwangju Inst Of Science & Technol 直接ロック方法を適用したレーザーパルスの絶対位相安定化装置及び方法
JP2011002580A (ja) * 2009-06-17 2011-01-06 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光周波数コム安定化光源および光周波数コム安定化方法
JP2011257559A (ja) * 2010-06-08 2011-12-22 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 波長変換素子

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017508301A (ja) * 2014-03-17 2017-03-23 メンロ システムズ ゲーエムベーハー レーザー装置を操作する方法、共振装置及び移相器の使用
US10720750B2 (en) 2014-03-17 2020-07-21 Menlo Systems Gmbh Method for operating a laser device, resonator arrangement and use of a phase shifter
JP2015200800A (ja) * 2014-04-08 2015-11-12 日本電信電話株式会社 波長変換素子および光周波数コム発生装置
JP2016119476A (ja) * 2014-12-23 2016-06-30 メンロ システムズ ゲーエムベーハー 光共振装置及び共振器において一周時間を調節する方法
JP2020514796A (ja) * 2017-01-05 2020-05-21 アイピージー フォトニクス コーポレーション キャリアエンベロープオフセット周波数検出を有する光周波数コム発生器
JP7116067B2 (ja) 2017-01-05 2022-08-09 アイピージー フォトニクス コーポレーション キャリアエンベロープオフセット周波数検出を有する光周波数コム発生器

Also Published As

Publication number Publication date
JP5848211B2 (ja) 2016-01-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7982944B2 (en) Method and apparatus for optical frequency comb generation using a monolithic micro-resonator
JP5619344B2 (ja) モノリシックマイクロ共振器を使用した光周波数コム発生のための装置と方法
US7339718B1 (en) Generation of terahertz radiation in orientation-patterned semiconductors
US10886690B2 (en) Optical frequency comb generator with carrier envelope offset frequency detection
EP1988425B1 (en) Method and apparatus for optical frequency comb generation using a monolithic microresonator
US20180252985A1 (en) Method and apparatus for frequency comb generation using an optical manipulator
JP5848211B2 (ja) 自己参照干渉装置および方法
US20200142277A1 (en) Optical parametric oscillator for generating an optical frequency comb
Philippe et al. Frequency tripled 1.5 µm telecom laser diode stabilized to iodine hyperfine line in the 10− 15 range
Yu et al. Femtosecond pulse generation via an integrated electro-optic time lens
JP6204255B2 (ja) 波長変換素子および光周波数コム発生装置
JP5324332B2 (ja) 光周波数コム安定化光源
JP6016132B2 (ja) 自己参照干渉装置
Niu et al. Multi-color laser generation in periodically poled KTP crystal with single period
Jiang et al. High repetition-rate femtosecond optical parametric oscillator based on LiB3O5
Jiang et al. Synchronously pumped femtosecond optical parametric oscillator based on an improved pumping concept
JP2017146217A (ja) 光周波数コム測定装置
Di et al. Widely Tunable OPO Spanning From the Violet to Mid-Infrared Based on Aperiodic QPM Crystal
Liu et al. AlN nonlinear optics and integrated photonics
Ulvila New method to generate mid-infrared optical frequency combs for molecular spectroscopy
Lv et al. Generation of optical frequency comb in a chi-2 sheet micro optical parametric oscillator via cavity phase matching
Black et al. Broadband Nonlinear Wavelength Conversion with Integrated Microresonators
Jia et al. Mid-infrared optical frequency comb generation from a chi-2 optical superlattice box resonator
Lončar et al. Femtosecond Pulse Generation via an Integrated Electro-Optic Time Lens
Sekine et al. Multi-Octave Frequency Comb from a Nanophotonic Parametric Oscillator

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140711

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150325

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150407

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150603

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151124

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151126

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5848211

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150