JP2014040987A - ロータリーキルンのシール構造およびロータリーキルン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ロータリーキルン1のシール構造4は、回転筒部2の外周面から径方向外側に突出する回転側径方向延在部400と、回転側径方向延在部400から軸方向に延在する環状の回転側軸方向延在部401と、を有する回転フランジ部40と、回転側軸方向延在部401の径方向外側に回転筒部2から独立して配置され、回転側軸方向延在部401との間に環状のシール界面SAを形成する環状の固定側軸方向延在部411を有する固定フランジ部41と、シール界面SAを、回転側軸方向延在部401の径方向内側から全周的に冷却する冷却部45と、冷却部45に供給する冷媒Lの、温度および流量のうち少なくとも一方を、調整する冷媒調整部46と、を備える。
【選択図】図4
Description
[ロータリーキルンの構成]
まず、本実施形態のロータリーキルンの構成について説明する。図1に、本実施形態のロータリーキルンの軸方向断面図を示す。図1に示すように、本実施形態のロータリーキルン1は、回転筒部2と、供給装置3と、前後一対のシール構造4と、加熱装置5と、前後一対のタイヤ受け装置60と、前後一対の筒間シール部材61と、を備えている。
回転筒部2は、外筒20と、内筒21と、を備えている。回転筒部2は、前後方向(軸方向)に延在している。回転筒部2は、略水平に配置されている。詳しくは、回転筒部2は、前側(上流側)から後側(下流側)に向かって、若干下側に傾斜している。
前後一対のタイヤ受け装置60は、架台(図略)に固定されている。前後一対のタイヤ受け装置60は、各々、左右一対の受けころ600を備えている。前側のタイヤ受け装置60には、回転筒部2の前側のタイヤ200が載置されている。後側のタイヤ受け装置60には、回転筒部2の後側のタイヤ200が載置されている。このため、回転筒部2は、前後一対のタイヤ受け装置60上を、自身の中心軸A周りに回転可能である。
加熱装置5は、外壁50と、断熱壁51と、多数のヒータ52と、を備えている。外壁50は、ステンレス鋼製であって、直方体箱状を呈している。断熱壁51は、多数の耐火煉瓦が組み合わされて形成されている。断熱壁51は、外壁50の内面に固定されている。断熱壁51の内部には、多数のヒータ52が挿入されている。多数のヒータ52は、回転筒部2の熱処理室210を、外側から加熱している。
供給装置3は、供給ホッパー30と、スクリューフィーダー31と、を備えている。供給装置3は、架台に固定されている。供給装置3は、回転筒部2の前側に配置されている。スクリューフィーダー31は、回転筒部2の前側の開口部2fに、挿入されている。供給ホッパー30は、スクリューフィーダー31の上側に配置されている。被処理物Wは、スクリューフィーダー31を介して、供給ホッパー30から回転筒部2に供給される。
前後一対のシール構造4は、回転筒部2の前後両側の開口部2f、2rを封止している。前後一対のシール構造4の構成は略同じである。すなわち、両者の相違点は、後述するように、前側のシール構造4がカバー部材43を備えているのに対して、後側のシール構造4が排出筒44を備えている点である。また、前後一対のシール構造4の配置は前後対称である。ここでは、前後一対のシール構造4を代表して、後側のシール構造4について説明する。
前述したように、前後一対のシール構造4の相違点は、前側のシール構造4がカバー部材43を備えているのに対して、後側のシール構造4が排出筒44を備えている点である。すなわち、図1に示すように、前側のシール構造4は、カバー部材43を備えている。カバー部材43は、ステンレス鋼製であって、後側に開口する有底円筒状(カップ状)を呈している。カバー部材43の前底壁の中央には、スクリューフィーダー31が挿通されている。
図1に示すように、前後一対の筒間シール部材61は、回転筒部2の前後両端に配置されている。筒間シール部材61は、グランドパッキン製であって環状のシール材(図略)を備えている。筒間シール部材61は、内筒21の外周面と、外筒20(前筒部20a、後筒部20c)の内周面と、の間の隙間を封止している。すなわち、筒間シール部材61は、雰囲気ガスG4が、当該隙間に流入するのを抑制している。
次に、本実施形態のロータリーキルンの熱処理時の動きについて簡単に説明する。図1に示すように、被処理物Wは、供給ホッパー30から回転筒部2の内部に、スクリューフィーダー31を介して、供給される。図2に示すように、回転筒部2の内部には、所定の雰囲気ガスG4が供給されている。回転筒部2は、前後一対のタイヤ受け装置60により支持された状態で、自身の中心軸A周りに回転している。被処理物Wは、回転筒部2の回転により揺動しながら、回転筒部2の内部つまり熱処理室210を、前側から後側に向かって、流動する。流動する際、加熱装置5からの熱により、被処理物Wに熱処理が施される。熱処理後の被処理物Wは、排出筒44の下端の開口部から、ロータリーバルブ96を介して、排出される。
次に、本実施形態のロータリーキルンのシール構造の動きについて説明する。ロータリーキルン1には、回転筒部2の内部に雰囲気ガスG4を供給する供給管(図略)と、回転筒部2の内部から雰囲気ガスG4を排出する排出管(図略)と、が接続されている。しかしながら、回転筒部2の内部の雰囲気ガスG4は、回転側部材(例えば、回転筒部2、回転フランジ部40)と、固定側部材(例えば、固定フランジ部41、フレキシブルチューブ42、カバー部材43、排出筒44)と、の間から漏出しようとする。具体的には、図4に示すように、回転フランジ部40と、固定フランジ部41と、の間から漏出しようとする。そこで、回転フランジ部40と固定フランジ部41との間には、径方向に延在する径方向シール界面SBと、軸方向に延在する二つの軸方向シール界面SAと、が設定されている。径方向シール界面SBは、固定側径方向延在部410の前面と、径方向シール材400bの後面と、の間に形成されている。二つの軸方向シール界面SAは、各々、軸方向シール材411bの内周面と、回転側軸方向延在部401の外周面と、の間に形成されている。このように、シール構造4には、合計三つのシール界面(径方向シール界面SB、二つの軸方向シール界面SA)が配置されている。このため、回転筒部2の内部の雰囲気ガスG4が、ロータリーキルン1の外部に漏出するのを、抑制することができる。
次に、本実施形態のロータリーキルンの作用効果について説明する。図2に示すように、本実施形態のロータリーキルン1のシール構造4は、回転フランジ部40を備えている。回転フランジ部40は、回転筒部2と共に回転する。一方、固定フランジ部41は、回転筒部2から独立している。このため、回転フランジ部40と、固定フランジ部41と、の間には、相対的な位置ずれが発生しやすい。したがって、二つの軸方向シール界面SA、径方向シール界面SBのシール性が低下しやすい。
本実施形態のロータリーキルンと第一実施形態のロータリーキルンとの相違点は、冷却部が、水冷式ではなく空冷式である点である。ここでは、相違点についてのみ説明する。図5に、本実施形態のロータリーキルンの後側のシール構造付近の軸方向断面図を示す。なお、図2と対応する部材については、同じ符号で示す。図6に、図5のVI−VI方向断面図を示す。なお、図3と対応する部材については、同じ符号で示す。図7に、図5の枠VII内の拡大図を示す。なお、図4と対応する部材については、同じ符号で示す。
以上、本発明のシール構造およびロータリーキルンの実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
2:回転筒部、2f:開口部、2r:開口部、20:外筒、20a:前筒部、20b:中間筒部、20c:後筒部、200:タイヤ、21:内筒、210:熱処理室。
3:供給装置、30:供給ホッパー、31:スクリューフィーダー。
4:シール構造、40:回転フランジ部、400:回転側径方向延在部、400a:延在部本体、400b:径方向シール材、401:回転側軸方向延在部、41:固定フランジ部、410:固定側径方向延在部、411:固定側軸方向延在部、411a:延在部本体、411b:軸方向シール材、42:フレキシブルチューブ、43:カバー部材、44:排出筒、45:冷却部、450:冷媒供給部、451:仕切壁、452:冷却槽、453:吸水材(液体吸収部)、454:分割壁、455:冷媒排出部、455:分割壁、46:冷媒調整部、460:クーリングタワー(熱交換器)、461:流量計、462:熱電対(温度計)、463:ポンプ、464:制御部、465:レベル計、47:冷却部、470:冷却部本体、471:冷媒供給部、48:冷媒調整部、480:コンプレッサー、481:ボルテックスチューブ。
5:加熱装置、50:外壁、51:断熱壁、52:ヒータ。
60:タイヤ受け装置、600:受けころ、61:筒間シール部材。
95:バルブ、96:ロータリーバルブ。
A:中心軸、C1:循環経路、C2:流路、G1:空気、G2:空気(気体)、G3:空気、G4:雰囲気ガス、H1:伝熱経路、H2:伝熱経路、L:冷却水(液体)、SA:軸方向シール界面(シール界面)、SB:径方向シール界面、W:被処理物。
Claims (7)
- 略水平に配置され、自身の軸周りに回転可能であって、軸方向に流動する被処理物に対して熱処理を施す熱処理室を内部に有する回転筒部を備えるロータリーキルンのシール構造であって、
前記回転筒部の外周面から径方向外側に突出する回転側径方向延在部と、該回転側径方向延在部から軸方向に延在する環状の回転側軸方向延在部と、を有する回転フランジ部と、
該回転側軸方向延在部の径方向外側に該回転筒部から独立して配置され、該回転側軸方向延在部との間に環状のシール界面を形成する環状の固定側軸方向延在部を有する固定フランジ部と、
該シール界面を、該回転側軸方向延在部の径方向内側から全周的に冷却する冷却部と、
該冷却部に供給する冷媒の、温度および流量のうち少なくとも一方を、調整する冷媒調整部と、
を備えることを特徴とするロータリーキルンのシール構造。 - 前記冷却部は、前記回転筒部と前記回転側径方向延在部と前記回転側軸方向延在部との間に挿入され、前記回転側軸方向延在部に向かって、前記冷媒を供給する冷媒供給部を有する請求項1に記載のロータリーキルンのシール構造。
- 前記冷媒は、液体であり、
前記冷却部は、前記回転側軸方向延在部の内周面から径方向内側に突出する環状の仕切壁と、該仕切壁と該回転側軸方向延在部と前記回転側径方向延在部との間に区画され、最下部付近に該液体が溜まる環状の冷却槽と、該冷却槽の底面に敷設され該液体を吸収する環状の液体吸収部と、を有し、
前記冷媒調整部は、該冷却槽との間に該液体の循環経路を形成する熱交換器と、該循環経路における該液体の流量を測定する流量計と、該循環経路における該液体の温度を測定する温度計と、該循環経路における該液体の流量を調整するポンプと、該流量計および該温度計から伝送される検出信号を基に、該ポンプおよび該熱交換器のうち少なくとも一方を制御する制御部と、を有する請求項2に記載のロータリーキルンのシール構造。 - 前記冷却部は、前記仕切壁と前記回転側径方向延在部との間に介装され前記冷却槽を複数に分割する分割壁と、前記冷媒を排出する冷媒排出部と、を有し、
複数の該冷却槽のうち、一つは、前記冷媒調整部から、前記冷媒供給部を介して、前記液体が供給される冷却槽であり、
複数の該冷却槽のうち、別の一つは、該冷媒調整部に、該冷媒排出部を介して、該液体を排出する冷却槽であり、
該液体は、複数の該冷却槽の間を、供給側から排出側に向かって、順番に流動する請求項3に記載のロータリーキルンのシール構造。 - 前記冷媒は、気体であり、
前記冷却部は、前記回転筒部と前記回転側径方向延在部と前記回転側軸方向延在部との間に環状に配置される冷却部本体を有し、
前記冷媒供給部は、該冷却部本体に、周方向に所定間隔ずつ離間して、複数配置され、
前記冷媒調整部は、コンプレッサーと、該コンプレッサーと該冷却部本体との間に介装され、該コンプレッサーから圧送される気体を、低温の気体と高温の気体とに分離し、低温の該気体を該冷却部本体に供給するボルテックスチューブと、を有する請求項2に記載のロータリーキルンのシール構造。 - 前記気体は、前記冷媒供給部から、前記回転側軸方向延在部の内周面付近、前記回転側径方向延在部の軸方向一面付近、前記回転筒部の外周面付近を経由して、該回転筒部と該回転側径方向延在部と該回転側軸方向延在部との間から、流出する請求項5に記載のロータリーキルンのシール構造。
- 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のロータリーキルンのシール構造を備えるロータリーキルン。
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