JP2014040342A - SiC単結晶の製造方法 - Google Patents

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Kazuto Kamei
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一彦 楠
Koji Moriguchi
晃治 森口
Nobuhiro Okada
信宏 岡田
Hironori Oguro
寛典 大黒
Hidemitsu Sakamoto
秀光 坂元
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Abstract

【課題】種結晶の結晶成長面が(0001)である場合に、4H−SiC単結晶の成長率を向上させることができる、溶液成長法によるSiC単結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の実施の形態にかかるSiC単結晶の製造方法は、準備工程と、生成工程と、成長工程とを備える。準備工程では、溶液成長法に用いられる製造装置と、4H−SiC単結晶からなり、結晶成長面が(0001)面であるSiC種結晶(36)とを準備する。生成工程では、Siと、Cと、Tiとを含有し、残部は不純物からなるSi−C溶液を生成する。成長工程では、Tiを含有し、2000℃以上に加熱されたSi−C溶液(16)に、SiC種結晶(36)を接触させ、SiC単結晶を成長させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、SiC単結晶の製造方法に関し、詳しくは、溶液成長法によるSiC単結晶の製造方法に関する。
SiCは、熱的及び化学的に安定な化合物半導体である。SiCは、Siと比較して、優れたバンドギャップ、絶縁破壊電圧、電子飽和速度及び熱伝導率を有する。そのため、SiCは、次世代のパワーデバイス材料として注目されている。
SiCは結晶多形を示す材料として知られている。SiCの代表的な結晶構造は、六方晶系の6H,4H及び立方晶系の3Cである。
これらのうち、結晶構造が4HのSiC単結晶(以下、4H−SiC単結晶と称する)は、バンドギャップが大きい。そのため、4H−SiC単結晶は、パワーデバイス材料として注目されている。
SiC単結晶の製造方法として最も利用されているのは、昇華法である。しかしながら、昇華法により製造されたSiC単結晶には、マイクロパイプ等の欠陥が発生しやすい。
SiC単結晶の他の製造方法として、溶液成長法がある。溶液成長法では、Si−C溶液中にSiC単結晶からなる種結晶を浸漬する。ここで、Si−C溶液とは、SiまたはSi合金の融液にカーボン(C)が溶解した溶液のことをいう。そして、Si−C溶液のうち、種結晶近傍部分を過冷却状態にして、種結晶の表面にSiC単結晶を育成する。
溶液成長法により得られたSiC単結晶には、マイクロパイプ等の欠陥が少ない。しかしながら、溶液成長法では、種結晶上に生成されたSiCに種結晶と異なる結晶構造が含まれる場合がある。特に、4H−SiC単結晶を種結晶に用いる場合には、種結晶と異なる結晶構造(3Cや6H)が生成されやすい。
また、4H−SiC単結晶からなる種結晶を用いる場合、結晶成長面としては、(0001)面と、(0001)面から所定角度傾斜した面とがある。結晶成長面が(0001)面である場合、結晶成長面が(0001)面から所定角度傾斜した面である場合よりも、生成されるSiC単結晶は、種結晶が有する欠陥を引き継ぎにくい。そのため、生成されるSiC単結晶の質が向上する。したがって、結晶成長面は(0001)面であることが望ましい。
しかしながら、(0001)面は、(0001)面から所定角度傾斜した面と比較して、4H以外の結晶構造(6Hや3C)を有するSiCが生成しやすい。
結晶成長面が(0001)面である場合に、4H−SiC単結晶の成長率を高める技術が、特開2009−249192号公報(特許文献1)及び特開2009−280436号公報(特許文献2)に開示されている。これらの文献は、Si−C溶液の組成を調整することにより、4H−SiC単結晶の成長率向上を試みる。特許文献1では、Siと、Cと、Tiと、Al,Sn,Geのうちの何れか1種とからなるSi−C溶液を用いる。特許文献2では、Si、C、Ti及びAlからなるSi−C溶液を用いる。
特開2009−249192号公報 特開2009−280436号公報
特許文献1,2に開示された製造方法でも、4H−SiC単結晶を製造することはできる。しかしながら、Si−C溶液の組成を変えるだけでは、4H−SiC単結晶の成長率を向上させることは難しい。
本発明の目的は、種結晶の結晶成長面が(0001)である場合に、4H−SiC単結晶の成長率を向上させることができる、溶液成長法によるSiC単結晶の製造方法を提供することである。
本発明の実施の形態にかかるSiC単結晶の製造方法は、準備工程と、生成工程と、成長工程とを備える。準備工程では、溶液成長法に用いられる製造装置と、4H−SiC単結晶からなり、結晶成長面が(0001)面であるSiC種結晶とを準備する。生成工程では、Siと、Cと、Tiとを含有し、残部は不純物からなるSi−C溶液を生成する。成長工程では、Tiを含有し、2000℃以上に加熱されたSi−C溶液に、SiC種結晶を接触させ、SiC単結晶を成長させる。
本発明の実施の形態にかかるSiC単結晶の製造方法は、種結晶の結晶成長面が(0001)である場合に、4H−SiC単結晶の成長率を向上させることができる。
図1は、本発明の実施形態によるSiC単結晶の製造方法に用いられる製造装置の模式図である。 図2は、種結晶の結晶成長面が(0001)である場合において、4H−SiC単結晶を製造するときの成長温度と、4H−SiC単結晶の成長率との関係を示すグラフである。 図3は、種結晶の結晶成長面が(0001)である場合において、4H−SiC単結晶を製造するときの成長温度と、製造された4H−SiC単結晶の比抵抗との関係を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。図中同一又は相当部分には、同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
本発明の実施の形態によるSiC単結晶の製造方法は、溶液成長法による。本製造方法は、準備工程と、生成工程と、成長工程とを備える。準備工程では、製造装置と、4H−SiC単結晶からなり、結晶成長面が(0001)面であるSiC種結晶とを準備する。生成工程では、Siと、Cと、Tiとを含有し、残部は不純物からなるSi−C溶液を生成する。成長工程では、Tiを含有し、2000℃以上に加熱されたSi−C溶液に、SiC種結晶を接触させ、SiC単結晶を成長させる。以下、各工程の詳細を説明する。
[準備工程]
準備工程では、溶液成長法に用いられる製造装置を準備する。図1は、本発明の実施形態によるSiC単結晶の製造方法に用いられる製造装置10の模式図である。なお、図1に示す製造装置10は、溶液成長法に用いられる製造装置の一例である。したがって、溶液成長法に用いられる製造装置は、図1に示す製造装置10に限定されない。
製造装置10は、チャンバ12と、坩堝14と、断熱部材16と、加熱装置18と、回転装置20と、昇降装置22とを備える。
チャンバ12は、坩堝14を収容する。SiC単結晶を製造するとき、チャンバ12は冷却される。
坩堝14は、Si−C溶液15の原料を収容する。好ましくは、坩堝14は、炭素を含有する。この場合、坩堝14は、Si−C溶液15への炭素供給源になる。
断熱部材16は、断熱材からなり、坩堝14を取り囲む。
加熱装置18は、例えば高周波コイルであり、断熱部材16の側壁を取り囲む。加熱装置18は、坩堝14を誘導加熱し、Si−C溶液15を生成する。加熱装置18は、さらに、Si−C溶液15を成長温度に維持する。
回転装置20は、回転軸24と、駆動源26とを備える。
回転軸24は、チャンバ12の高さ方向(図1の上下方向)に延びる。回転軸24の上端は、断熱部材16内に位置する。回転軸24の上端には、坩堝14が配置される。回転軸24の下端は、チャンバ12の外側に位置する。
駆動源26は、チャンバ12の下方に配置される。駆動源26は、回転軸24に連結される。駆動源26は、回転軸24を、その中心軸線周りに回転させる。
昇降装置22は、シードシャフト28と、駆動源30とを備える。
シードシャフト28は、チャンバ12の高さ方向に延びる。シードシャフト28の上端は、チャンバ12の外側に位置する。シードシャフト28の下端面には、SiC種結晶32が取り付けられる。
駆動源30は、チャンバ12の上方に配置される。駆動源30は、シードシャフト28に連結される。駆動源30は、シードシャフト28を昇降する。駆動源30は、シードシャフト28を、その中心軸線周りに回転させる。
準備工程では、さらに、SiC種結晶32を準備する。SiC種結晶32は、板状である。SiC種結晶32は、4H−SiC単結晶からなる。SiC種結晶32の結晶成長面34は、(0001)面である。結晶成長面34は、C面であってもよいし、Si面であってもよい。
製造装置10と、SiC種結晶32とを準備したら、SiC種結晶32をシードシャフト28の下端面に取り付ける。
次に、チャンバ12内の回転軸24上に、坩堝14を配置する。このとき、坩堝14は、Si−C溶液15の原料を収容している。
[生成工程]
次に、Siと、Cと、Tiとを含有し、残部は不純物からなるSi−C溶液15を生成する。
先ず、チャンバ12内に不活性ガスを充填する。そして、加熱装置18により、坩堝14内のSi−C溶液15の原料を融点以上に加熱する。原料は、例えば、シリコンのチップと、スポンジチタンのチップである。原料の組成は、例えば、Siが75−85at%であり、Tiが25−15at%である。
坩堝14が黒鉛からなる場合、坩堝14を加熱すると、坩堝14から炭素が融液に溶け込み、Tiを含有するSi−C溶液15が生成される。坩堝14の炭素がSi−C溶液15に溶け込むと、Si−C溶液15内の炭素濃度は飽和濃度に近づく。
[成長工程]
次に、SiC種結晶32の結晶成長面34をSi−C溶液15に接触させる。具体的には、駆動源30により、シードシャフト28を降下し、SiC種結晶32の結晶成長面34をSi−C溶液15に接触させる。結晶成長面34をSi−C溶液15に接触させるとき、SiC種結晶32をSi−C溶液15に浸漬してもよい。
SiC種結晶32の結晶成長面34をSi−C溶液15に接触させた後、加熱装置18により、Si−C溶液15を後述の成長温度に保持する。さらに、Si−C溶液15におけるSiC種結晶32の近傍を過冷却して、SiCを過飽和状態にする。
Si−C溶液15におけるSiC種結晶32の近傍を過冷却する方法は特に限定されない。例えば、加熱装置18を制御して、Si−C溶液15におけるSiC種結晶32の近傍領域の温度を他の領域の温度よりも低くする。また、Si−C溶液15におけるSiC種結晶32の近傍を冷媒により冷却してもよい。具体的には、シードシャフト28の内部に冷媒を循環させる。冷媒は例えば、ヘリウム(He)やアルゴン(Ar)等の不活性ガスである。シードシャフト28内に冷媒を循環させれば、SiC種結晶32が冷却される。SiC種結晶32が冷えれば、Si−C溶液15におけるSiC種結晶32の近傍も冷える。
Si−C溶液15におけるSiC種結晶32の近傍領域のSiCを過飽和状態にしたまま、SiC種結晶32とSi−C溶液15(坩堝14)とを回転する。シードシャフト28を回転することにより、SiC種結晶32が回転する。回転軸24を回転することにより、坩堝14が回転する。SiC種結晶32の回転方向は、坩堝14の回転方向と逆方向でも良いし、同じ方向でも良い。また、回転速度は一定であっても良いし、変動しても良い。シードシャフト28は、回転しながら、徐々に上昇する。このとき、Si−C溶液15に浸漬されたSiC種結晶32の結晶成長面34にSiC単結晶が生成し、成長する。なお、シードシャフト28は、上昇せずに回転しても良い。さらに、シードシャフト28は、上昇も回転もしなくても良い。
なお、本実施形態では、上述のように、Si−C溶液15がAlを含まない。そのため、生成されるSiC単結晶の導電型は、n型になる。
また、本実施形態では、Si−C溶液15がAlを含まない。そのため、坩堝14が黒鉛からなる場合に、Alが坩堝14と反応して、アルミニウムカーバイド(AlC)が生成されることにより、坩堝14が膨張するのを回避できる。
本実施の形態によるSiC単結晶の製造方法では、成長工程において、上記組成のSi−C溶液を2000℃以上に加熱して保持することで、(0001)面での4H−SiC単結晶の成長率を顕著に向上させることができる。以下、その点について、説明する。
図2は、SiC種結晶の結晶成長面が(0001)である場合において、4H−SiC単結晶を製造するときの成長温度と、4H−SiC単結晶の成長率との関係を示すグラフである。図2に示すグラフは、以下の実験により得られた。
複数のSiC種結晶を準備した。各SiC種結晶は、4H−SiC単結晶からなり、その結晶成長面は(0001)面であった。複数のSiC種結晶は、結晶成長面がC面であるものと、結晶成長面がSi面であるものとを用意した。各SiC種結晶は、一辺が15〜20mmの正方形板状、または、直径が2インチの円板状であった。
Si−C溶液の原料の組成は、Siが77at%であり、Tiが23at%であった。結晶成長面がC面であるSiC種結晶と、結晶成長面がSi面であるSiC種結晶とのそれぞれについて、種々の成長温度で、SiC単結晶を成長させた。何れのSiC単結晶においても、成長厚みは400〜500μmであった。
製造されたSiC単結晶のそれぞれについて、4H−SiC単結晶の成長率を測定した。4H−SiC単結晶の成長率は、製造されたSiC単結晶の表面積に対して、4H−SiC単結晶が占める割合とした。4H−SiC単結晶が成長しているか否かは、ラマン分光法で得られた結果から判断した。測定された各成長温度での成長率に基づいて、図2を得た。
図2に示すように、成長温度が1800℃より低ければ、4H−SiC単結晶は成長し難い。ところが、成長温度が1800℃を超えると、4H−SiC単結晶の成長率が著しく上昇する。そして、成長温度が2000℃以上になると、4H−SiC単結晶の成長率が100%又はそれに近い値になる。つまり、成長温度が2000℃以上であれば、結晶成長面が(0001)面であっても、4H−SiC単結晶の成長率が顕著に向上する。
特に、成長温度が2060℃以上であれば、結晶成長面がSi面及びC面の何れであっても、4H−SiC単結晶の成長率が100%になる。つまり、成長温度が2060℃以上であれば、4H−SiC単結晶をさらに安定して生成することができる。
成長温度が2100℃よりも高ければ、結晶成長面がSi面及びC面の何れであっても、4H−SiC単結晶の成長率が100%になり、4H−SiC単結晶をさらに安定して生成することができる。例えば、成長温度が2150℃以上であれば、結晶成長面がSi面及びC面の何れであっても、4H−SiC単結晶の成長率が100%になる。
また、図2に示すように、結晶成長面がSi面であるほうが、結晶成長面がC面である場合よりも、4H−SiC単結晶の成長率が急激に上昇する。
なお、成長温度の上限は、4H−SiC単結晶の成長が阻害されないのであれば、特に限定はされない。4H−SiC単結晶の成長が阻害される要因としては、例えば、坩堝の破損やSi−C溶液の激しい蒸発等がある。Si−C溶液の蒸発によって成長が阻害される温度は、例えば、2300℃以上である。つまり、結晶成長温度は、好ましくは、2300℃未満である。
また、本実施形態の製造方法によれば、n型SiC単結晶のドーパントになる窒素がSiC単結晶内に入り難くなる。その理由について、以下に説明する。
図3は、SiC種結晶の結晶成長面が(0001)である場合において、4H−SiC単結晶を製造するときの成長温度と、製造された4H−SiC単結晶の比抵抗との関係を示すグラフである。比抵抗は、SiC単結晶がSiC種結晶上に形成された状態で測定した。図3に示すグラフは、以下の実験により得られた。
複数のSiC種結晶を準備した。各SiC種結晶は、4H−SiC単結晶からなり、その結晶成長面は(0001)面であった。複数のSiC種結晶は、結晶成長面がSi面であるものを用意した。各SiC種結晶は、一辺が15〜20mmの正方形板状、または、直径が2インチの円板状であった。
チャンバ内に充填される不活性ガスは、ヘリウムやアルゴン等の希ガスであった。つまり、不活性ガスには、窒素が含まれていなかった。
Si−C溶液の原料の組成は、Siが77at%であり、Tiが23at%であった。種々の成長温度で、SiC単結晶を成長させた。なお、比較のために、Si−C溶液の原料がSiだけである場合についても、同様の実験を行った。
製造されたSiC単結晶のそれぞれについて、比抵抗を測定した。比抵抗の測定は、例えば、四探針法や四端子法で測定した。測定された比抵抗に基づいて、図3を得た。
図3に示すように、TiがSi−C溶液の原料に含まれる場合には、TiがSi−C溶液の原料に含まれない場合よりも、高抵抗になる。つまり、TiがSi−C溶液の原料に含まれる場合には、TiがSi−C溶液の原料に含まれない場合よりも、ドーパント量が少なくなる。その理由について、以下に説明する。
チャンバ内の各部材には、窒素が予め吸着している。そのため、チャンバ内の各部材は、窒素源として機能する。加熱によりチャンバ内の窒素源から離脱した窒素の量は、無視できないほどに多い。そのため、窒素源から離脱した窒素が、SiC単結晶のドーパントになる。ドーパント量が増えるほど、SiC単結晶は低抵抗になる。
図3に示すグラフでは、TiがSi−C溶液の原料に含まれる場合、TiがSi−C溶液の原料に含まれない場合よりも、SiC単結晶の比抵抗が大きくなっている。つまり、TiがSi−C溶液の原料に含まれる場合には、TiがSi−C溶液の原料に含まれない場合よりも、加熱によりチャンバ内の窒素源から離脱した窒素がSiC単結晶内に入り難くなっている。この傾向は、特に結晶成長温度が2000℃以上になると顕著に表れる。
したがって、本実施形態の製造方法によれば、n型SiC単結晶のドーパントになる窒素がSiC単結晶内に入り難くなる。
これを別の観点から捉えると、本実施形態の製造方法によれば、窒素のドーピング量が調整し易いということになる。その理由について、以下に説明する。
TiがSi−C溶液の原料に含まれない場合、TiがSi−C溶液の原料に含まれる場合よりも、加熱によりチャンバ内の窒素源から離脱した窒素がSiC単結晶内に入り易い。ここで、加熱によりチャンバ内の窒素源から離脱する窒素の量は、定量し難い。そのため、チャンバ内に充填する不活性ガスに窒素を含ませ、この窒素をドーパントに用いる場合には、不活性ガスにおける窒素の濃度(つまり、チャンバ内に導入される窒素の量)を厳密に調整しても、窒素のドーピング量が目的とするドーピング量からずれてしまうおそれがある。また、仮に、加熱によりチャンバ内の窒素源から離脱する窒素の量を定量できたとしても、チャンバ内に充填される不活性ガスにおける窒素の濃度を厳密に設定する必要がある。
一方、本実施形態の製造方法によれば、元々窒素がSiC単結晶内に入り難くなっている。そのため、チャンバ内に導入される窒素の量がばらついても、TiがSi−C溶液の原料に含まれない場合よりは、窒素のドーピング量が目的とするドーピング量からずれにくくなる。
したがって、本実施形態の製造方法によれば、窒素のドーピング量が調整し易くなる。
以上、本発明の実施形態について、詳述してきたが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、上述の実施形態によって、何等、限定されない。
15:Si−C溶液,32:SiC種結晶,34:結晶成長面

Claims (6)

  1. 溶液成長法に用いられる製造装置と、4H−SiC単結晶からなり、結晶成長面が(0001)面であるSiC種結晶とを準備する準備工程と、
    Siと、Cと、Tiとを含有し、残部は不純物からなるSi−C溶液を生成する生成工程と、
    2000℃以上に加熱された前記Si−C溶液に、前記SiC種結晶の前記結晶成長面を接触させ、SiC単結晶を成長させる成長工程とを備える、SiC単結晶の製造方法。
  2. 請求項1に記載のSiC単結晶の製造方法であって、
    前記成長工程では、前記Si−C溶液を2060℃以上に加熱する、SiC単結晶の製造方法。
  3. 請求項2に記載のSiC単結晶の製造方法であって、
    前記成長工程では、前記Si−C溶液を2100℃よりも高い温度に加熱する、SiC単結晶の製造方法。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載のSiC単結晶の製造方法であって、
    前記結晶成長面が、C面である、SiC単結晶の製造方法。
  5. 請求項1〜3の何れか1項に記載のSiC単結晶の製造方法であって、
    前記結晶成長面が、Si面である、SiC単結晶の製造方法。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載のSiC単結晶の製造方法であって、
    前記成長工程では、不活性ガスの雰囲気下でSiC単結晶を成長させ、
    前記不活性ガスが、窒素を含有する、SiC単結晶の製造方法。
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