JP2014040069A - 押出セメント板の製造方法 - Google Patents

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雅弘 樫田
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Abstract

【課題】押出セメント板の製造工程において切りくず片や不良押出セメント板が発生したとしても、これらを廃棄する必要がなく、製造効率の低下を引き起こしにくい押出セメント板の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の押出セメント板の製造方法は、水硬性成形材料2を押出成形することによって中空孔3を有する成形体4を形成する工程と、中空孔3に気泡含有セメント5を供給する工程とを含む製造工程からなる。前記製造工程はさらに、前記製造工程で発生する未硬化の不良押出セメント板45を再利用して前記水硬性成形材料2と混合させる工程を有してなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、建築材料等に使用できる押出セメント板の製造方法に関する。
従来、セメントや石膏等を押出成形して形成される押出セメント板は、建築物の外壁や間仕切壁等、種々の建材用途として利用されている。また、押出セメント板の強度、耐火性、断熱性等の性能を向上させることを目的として、補強材を有する種々の押出セメント板やその製造方法が提案されている。例えば、中空孔を有する成形体を押出成形すると共に、この中空孔に発泡セメントを供給することで中空孔に発泡セメントが充填された成形体を形成させ、これを養生硬化して押出セメント板を得る方法が提案されている(例えば、特許文献1等を参照)。この方法で得られる押出セメント板は、図4(a)に示すように、中空孔3内に、発泡セメントが硬化してなる発泡コンクリート(気泡含有コンクリート)が形成されており、この発泡コンクリートを芯材6とする複層無機質板50(押出セメント板)として形成される。複層無機質板50における芯材6は、補強材としての役割を果たし得る。
特開昭61−92808号公報
しかし、上記のような押出セメント板を押出成形法により製造する場合、例えば、外観が損傷しているなどによって、未硬化の押出セメント板が成形不良品として発生してしまう場合がある。あるいは、押出成形で得た成形体を切断したときに、この切断による未硬化の切りくず片が多量に発生してしまうこともある。このような未硬化の不良押出セメント板や切りくず片などの不良品40は、図4(b)に示すように、複層無機質板50を形成する未硬化材料(芯材6以外の部分)と、芯材6を形成する未硬化材料とが混在したものとなっている。そして、このような不良品40を、元の原料に再分離させることは難しく、そのため、押出成形時に発生する未硬化の不良品40は通常は廃棄処分となり、これが原因で製造効率の低下を引き起こす原因となっていた。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、押出セメント板の製造工程において切りくず片や不良押出セメント板が発生したとしても、これらを廃棄する必要がなく、製造効率の低下を引き起こしにくい押出セメント板の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明の押出セメント板の製造方法は、水硬性成形材料を押出成形することによって中空孔を有する成形体を形成する工程と、前記中空孔に気泡含有セメントを供給する工程とを含む製造工程からなる押出セメント板の製造方法であって、前記製造工程はさらに、前記製造工程で発生する未硬化の不良押出セメント板を再利用して前記水硬性成形材料と混合させる工程を有してなることを特徴とするものである。
また、上記の押出セメント板の製造方法において、前記気泡含有セメントは、押出成形機の口金部内に設けた中子型から前記中空孔に供給させることで、前記成形体を押出成形しつつ、前記中空孔に前記気泡含有セメントを供給させることが好ましい。
本発明の押出セメント板の製造方法によれば、押出セメント板の製造工程で発生する未硬化の不良押出セメント板を再利用して、原料である水硬性成形材料と混合させる工程を有するものである。そのため、押出セメント板の製造工程で未硬化の切りくず片や不良押出セメント板が発生したとしても、これらを再利用して押出成形するものであるので、廃棄する必要がない。その結果、上記押出セメント板の製造方法では、押出セメント板の製造効率の低下を引き起こしにくいものである。
本発明の押出セメント板の製造方法の実施の形態の一例を示し、押出セメント板の製造フローを説明する概略図である。 同上の押出セメント板の製造方法の工程の一部を示し、成形体が押出機の口金部から押出成形されるときの様子を示す断面図である。 同上の押出セメント板の製造方法によって製造される押出セメント板の一例を示す断面図であり、(a)は押出方向に沿って切断したときの切断面、(b)は押出方向と直交する方向で切断したときの切断面を示す。 従来例を示し、(a)は芯材を有する押出セメント板の一部を示す斜視図、(b)は(a)の押出セメント板を製造した際に発生する不良品の断面を模式的に示した概略図である。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
図1は、押出セメント板の製造方法の一例を示すものであって、押出セメント板1を製造するための製造フローを説明する概略図である。この実施形態による製造方法では、水硬性成形材料2が押出成形させることによって、中空孔3を有する成形体4が形成される。さらに、中空孔3には、気泡含有セメント5が供給され、この気泡含有セメント5が硬化することで芯材6が形成され、後述する図3に示すように、中空孔3に芯材6が形成された押出セメント板1が製造される。
まず、本実施形態による製造方法で使用する水硬性成形材料2及び気泡含有セメント5について詳述する。
水硬性成形材料2としては、適宜のセメント系成形材料が使用され得る。例えば、水硬性成形材料2は、セメントと、シリカと、補強繊維と、必要に応じて使用される添加材と、水とを含有するものである。
セメントとしては、ポルトランドセメント、高炉セメント、アルミナセメントなど公知のセメントが使用できる。
シリカとしては、比表面積の大きい粉末シリカが用いられることが好ましい。この場合、押出セメント板1の靱性が向上する。特に、シリカの比表面積が4000cm/g以上であることが好ましい。水硬性成形材料2中のシリカの割合は、セメント100質量部に対して20質量部以上120質量部以下の範囲であることが好ましい。この割合が20質量部以上であると、押出セメント板1の強度が向上する。また、この割合が120質量部以下であると、水硬性成形材料2の押出成形性が良好となる。
補強繊維としては、例えばパルプ繊維等の天然繊維、ビニロン、ポリプロピレン等の合成繊維が挙げられる。これらの材料のうち一種のみが用いられても二種以上が併用されてもよい。パルプ繊維が用いられる場合、L材パルプ、N材パルプ、ラミーパルプ、リンターパルプなどの適宜のパルプの繊維が用いられ得る。水硬性成形材料2中の補強繊維の割合は、セメント100質量部に対して5質量部以上25質量部以下の範囲であることが好ましい。この割合が5質量部以上であると、押出セメント板1の強度が向上する。また、この割合が25質量部以下であると、水硬性成形材料2の押出成形性が良好となる。
水硬性成形材料2は、上記以外の添加材を含有してもよい。このような添加材の例としては、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の増粘剤;樹脂系の中空体、シラスバルーン、パーライト等の軽量化材;フライアッシュ等の粉体等が挙げられる。
水硬性成形材料2は、例えば、上記の各種材料が乾式混合され、更に水が加えられて混練機で混練されることで調製することができる。水硬性成形材料2中の水の割合は、セメント100質量部に対して100〜150質量部の範囲であることが好ましい。例えば、セメント100質量部、シリカ100質量部、補強繊維(広葉樹の未晒クラフトパルプ、LUKP)5質量部、増粘剤2質量部、及び軽量化材1質量部を乾式混合し、さらに、水を150質量部加えて混合することで、水硬性成形材料2を得ることができる。
一方、気泡含有セメント5とは、セメント等を主成分とするスラリー中に微小な気泡(空気)を含んでなるものであり、従来から知られている公知のものを使用することができる。気泡含有セメント5を構成する材料としては、例えば、セメントと、シリカと、その他必要に応じて使用される添加材と、水とを含有する。尚、気泡含有セメント5は、一般的には発泡セメント、あるいは発泡モルタルと称される場合もある。
気泡含有セメント5に使用できるセメント、シリカ、添加材の種類や配合割合はそれぞれ、上記の水硬性成形材料2で説明したものと同じようにすることができる。また、気泡含有セメント5は、成形体4の中空孔3に供給させるものであることを考慮すると、その供給が容易に行える程度に流動性を有していることが好ましく、例えば、水硬性成形材料2よりも流動性が高いことが好ましい。このような流動性を調節するには、例えば、水の配合量、増粘剤の配合量や気泡量などを変更すればよい。
気泡含有セメント5において、上記気泡をスラリー中に形成させる方法としては、例えば、セメントスラリーに起泡剤を添加させる方法が挙げられる。このような起泡剤としては、Mg、Ca、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Ga、Sn、Si、フェロシリコン等の金属系粉末、過酸化水素水、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過硼酸ナトリウム等の過酸化物系粉末、界面活性剤、あるいはタンパク質等の両親媒性化合物等が挙げられる。また、必要に応じて起泡助剤を併用してもよく、このような起泡助剤としては、シリカゲル、ゼオライト、活性炭、アルミナゲル等の多孔質粉体やステアリン酸金属塩、パルミチン酸金属塩などの金属石鹸などが使用できる。起泡剤や起泡助剤の添加量は、スラリーの種類や粘度、あるいは目的とする気泡のサイズに応じて適宜設定するようにすればよい。セメントスラリーに上記のような起泡剤や起泡助剤を添加してセメントスラリーの攪拌処理を行えば、セメントスラリーに気泡を形成させることができる。また、起泡剤が界面活性剤の場合においては、予め気泡を形成した後に、これをセメントスラリーと混合することでセメントスラリーに気泡を含有させることができる。また、市販のホモジナイザー、混合ミル、超音波照射装置などを用いて気泡を形成させるようにすることも可能であり、この場合、気泡含有セメント5の気泡がより微小に形成されやすくなる。
図1に示す製造フローによって、押出セメント板1を製造する方法を以下に詳述する。
水硬性成形材料2は、押出成形機21の一端側に備えてあるホッパー等の原料投入口23から押出成形機21内へ供給させ、押出成形機21内に設けてあるスクリュー22により混練される。スクリュー22の回転速度等は、材料の種類等に応じて適宜設定すればよい。水硬性成形材料2は、混練されつつ、押出成形機21の他端側の口金部30に到達した後、この口金部30から吐出して押出成形機21の外部へ押し出されて、成形体4として形成される。尚、押出成形機21は、公知のものが使用され得る。
図2には、押出セメント板1の製造で使用することができる口金部30の断面を示している。この口金部30は、筒状、例えば、円筒状に形成され、さらに、口金部30の内部には中子型9が備えられている。また、口金部30の一端には、水硬性成形材料2の出口となる開口10が形成されている。中子型9が口金部30の内部に備えられていることにより、水硬性成形材料2が押し出されて成形体4が形成されると、成形体4に中空孔3が形成されることになる。
中子型9は、口金部30内に固定される基部11と、この基部11から突出する突出部12とを備える。突出部12は、基部11から開口10へ向けて突出する。突出部12の数は、一つであっても複数であってもよい。突出部12の数は、成形体4に形成される中空孔3の数に一致する。
また、中子型9内には、押出成形機21の外部と連通する空間13が形成されており、さらに、突出部12の先端には、空間13に連通する吐出口14が形成されている。このような構成によって、後述するように、押出成形機21の外部から空間13へ気泡含有セメント5を供給することが可能となり、また、空間13に供給された気泡含有セメント5が吐出口14から吐出可能となる。
押出成形機21が上記のような口金部30を備えていることで、水硬性成形材料2が押出成形されると、水硬性成形材料2は口金部30内から開口10を経て押出成形機21の外部へ押し出され、開口10の形状と合致する断面形状を有した成形体4が得られる。さらに、水硬性成形材料2が口金部30内を移動する際に、水硬性成形材料2が口金部30内で突出部12を通過することで、成形体4に、突出部12に対応する中空孔3が形成されることになる。
尚、本発明で使用される口金部30は、上記の構成のものに限定されるものではなく、成形体4に中空孔3を形成できるものであれば特に制限はない。
気泡含有セメント5は、例えば、押出成形機21の外部から、上記の中子型9内の空間13に供給させれば、成形体4の中空孔3に供給することができる。具体的には、図1に示すように、まず気泡含有セメント5を、押出成形機21の外部に設けた攪拌層24内に攪拌機25で攪拌させつつ収容しておき、攪拌層24から中子型9の空間13に気泡含有セメント5を供給させる。気泡含有セメント5の供給にあたっては、図1では省略してあるが、定量ポンプなどの供給手段により、一定の供給量にて供給することができる。攪拌層24と空間13とは、パイプ等の供給管26によって連結されており、この供給管26を通じて気泡含有セメント5を直接、攪拌層24から空間13へ供給できるようになっている。空間13へ供給された気泡含有セメント5は、突出部12の吐出口14から吐出されて、中空孔3内に気泡含有セメント5が供給されることになる。従って、空間13に気泡含有セメント5を供給するようにした場合は、水硬性成形材料2を押出成形して成形体4を形成させるのと並行して、成形体4の中空孔3内に気泡含有セメント5を供給することができるようになる。そのため、口金部30から吐出される成形体4は、図2に示すように、中空孔3に気泡含有セメント5が注入された状態となって押し出されることになる。中空孔3に供給された気泡含有セメント5は、硬化すると芯材6として形成されるが、押し出された直後は未硬化の状態である。
図1に示すように、口金部30から吐出された成形体4は、押出成形機21の吐出側に並設されている搬送コンベア等の搬送手段27によって搬送される。搬送後、成形体4は、搬送手段27によって搬送されて、積載台28に積載される。積載させる前、あるいは積載させた後において、成形体4を所定の箇所で切断することで、所望の寸法にすることができる。
ところで、気泡含有セメント5は、上記のように中子型9の空間13に供給せずに、成形体4を一定の大きさに形成させた後に、中空孔3に直接供給させること、いわゆる後注入することも可能である。すなわち、気泡含有セメント5を中子型9の空間13に供給せずに押出成形した場合、中空孔3に気泡含有セメント5を有さない成形体4が形成されるので、この成形体4の中空孔3に直接、気泡含有セメント5を供給させることもできる。この場合は、例えば、図1において破線矢印で示しているように、攪拌層24から積載台28に積載した成形体4の中空孔3へ直接、気泡含有セメント5を供給させることができる。この供給にあっても、上記同様、定量ポンプなどを使用できる。
ここで、上記のように成形体4を押出成形させた場合、必ずしも良品の成形体4、すなわち目的とする品質の成形体4が得られるわけではなく、押出不良となった成形体4が形成されてしまうこともある。例えば、変形した状態で成形体4が押出成形されてしまったり、成形体4の外観に欠けや凹み等の損傷がある状態で形成されたり、あるいは、気泡含有セメント5の供給状態に異常な過不足が発生したりすることもある。また、上記のように成形体4を切断した際に、切りくず片等が多量に発生してしまうこともある。上記のような押出不良の成形体4や切断による切りくず片など(以下、「不良押出セメント板45」という)は、後述の養生硬化させる前の段階であるため、未硬化の状態である。尚、不良押出セメント板45は、図1に示す製造ラインの下側に模式的に示している。また、上述したように、気泡含有セメント5を口金部30に供給させつつ押出成形した場合や、押出時の不具合などに気づかずに成形体4に前記後注入によって気泡含有セメント5を供給した場合は、不良押出セメント板45は、未硬化の気泡含有セメント5を含んでいる。
そこで本発明では、上記のような押出成形後に発生する不良押出セメント板45を再利用するようにしている。具体的には、押出成形後に発生する不良押出セメント板45を回収して、成形体4を形成するための原料である水硬性成形材料2と混合させ、この混合させた未硬化の材料(水硬性成形材料2と不良押出セメント板45との混合原料)を、上記同様に押出成形させる。このような混合原料を用いて押出成形した場合でも、もちろん、中空孔3に気泡含有セメント5が含まれた成形体4は得られる。水硬性成形材料2と不良押出セメント板45との混合割合は特に制限されるものではないが、例えば、不良押出セメント板45の割合が水硬性成形材料2の1割以下の質量割合であれば、押出不良や品質の低下が起こりにくい。
不良押出セメント板45を再利用すると、出発原料である水硬性成形材料2には、気泡含有セメント5が含有されるものとなってしまうが、水硬性成形材料2と、気泡含有セメント5とは、補強繊維の有無で相違するだけであって、基本的な材料構成は類似する。そのため、水硬性成形材料2と不良押出セメント板45との混合原料を押出成形して成形体4を形成させても、最終的に得られる押出セメント板1の品質(例えば、外観や強度等の物性)が損なわれるおそれは小さい。特に、水硬性成形材料2及び気泡含有セメント5に使用するセメント成分やシリカ成分が同一の材料である場合は、品質はほとんど変化し得ないものとなる。
また、不良押出セメント板45を再利用すると、不良押出セメント板45に含まれる気泡含有セメント5に由来する気泡が、水硬性成形材料2に混入することになる。しかし、押出成形機21で水硬性成形材料2を押出成形させるにあたっては、通常は、真空工程があるため、この工程による真空圧で脱気されることで、水硬性成形材料2中の気泡は消失される。仮に、すべての気泡が消失しないとしても、その量はわずかであると考えられるので、品質に与える影響は小さい。また、押出成形において、水硬性成形材料2を吐出させる圧力(吐出圧)を高くすれば、この吐出圧によっても気泡が崩壊するので、気泡をより確実に消失させることができる。従って、不良押出セメント板45を再利用することによる品質の低下は起こり難いものである。上記吐出圧は0.1〜2.0MPaが好ましく、また、上記真空圧は−0.060〜−0.099MPaが好ましい。ここで、上記の吐出圧や真空圧の設定によっては、圧力変化による水硬性成形材料2の材料分離(相分離)が起こることがあり得るが、この場合、水硬性成形材料2に増粘剤を添加しておけば、そのような材料分離を抑制でき、所望の品質を確保できるようになる。
不良押出セメント板45を再利用して成形体4を形成させた場合でも、上述と同様に不良押出セメント板45が発生することがあるが、もちろん、ここで発生した不良押出セメント板45も再利用することはできる。
以上のように、不良押出セメント板45を再利用して、中空孔3に気泡含有セメント5が含まれる成形体4が形成された後、これを養生硬化することで、押出セメント板1が製造される。押出セメント板1は、必要に応じてプレス成形されていてもよい。成形体4を養生硬化する方法としては、蒸気養生等の公知の方法を採用でき、また、養生硬化の条件は適宜設定される。プレス成形の方法も特に制限されるものではなく、成形方法や成形条件は適宜設定される。
図3には、上記実施形態で製造された押出セメント板1の断面の一部を示している。押出セメント板1は、例えば、平面視略矩形状で平板状に形成される。押出セメント板1は、複数の中空孔3が成形体4の押出方向略全長にわたって形成されてなる。そして、各々の中空孔3内には、気泡含有セメント5が硬化してなる芯材6が配置されてなる。芯材6には気泡含有セメント5に由来する多数の気泡が形成されているため、いわゆる発泡コンクリートとして形成されている。押出セメント板1が上記のように構成されていることで、押出セメント板1は全体として軽量化されたものであり、しかも、芯材6が気泡を有していることで、耐火性にも優れる。従って、このような押出セメント板1は、住宅用建材の用途のみならず、住宅以外の建材用途、例えば店舗やビル等の建築物に対しても好適に使用される。
押出セメント板1の製造工程では、水硬性成形材料2を押出成形して中空孔3を有する成形体4を形成する工程と、中空孔3に気泡含有セメント5を供給する工程と、中空孔3に供給された気泡含有セメント5を硬化させて芯材6を形成させる工程とを含む。さらに、これらの工程に加えて、未硬化の不良押出セメント板45を再利用して水硬性成形材料2と混合させる工程も含むものである。すなわち、上記製造工程で発生する不良押出セメント板45を再利用し、これを成形体4の原料である水硬性成形材料2に混合させ、この混合材料を押出成形させる工程を有する。この工程によって、押出成形において切りくず片や不良押出セメント板が発生したとしても、これらを廃棄する必要がなくなる。そのため、上記の押出セメント板1の製造工程では、押出セメント板1の製造効率の低下を引き起こしにくいものである。しかも、未硬化の不良押出セメント板45を再利用しても、押出セメント板1の品質が変動しにくいものであるので、不良押出セメント板45を再利用せずに製造した押出セメント板1と同様に各種用途に使用することができる。
1 押出セメント板
2 水硬性成形材料
3 中空孔
4 成形体
5 気泡含有セメント
6 芯材
9 中子型
21 押出成形機
30 口金部
45 不良押出セメント板

Claims (2)

  1. 水硬性成形材料を押出成形することによって中空孔を有する成形体を形成する工程と、前記中空孔に気泡含有セメントを供給する工程とを含む製造工程からなる押出セメント板の製造方法であって、
    前記製造工程はさらに、前記製造工程で発生する未硬化の不良押出セメント板を再利用して前記水硬性成形材料と混合させる工程を有してなることを特徴とする押出セメント板の製造方法。
  2. 前記気泡含有セメントは、押出成形機の口金部内に設けた中子型から前記中空孔に供給させることで、前記成形体を押出成形しつつ、前記中空孔に前記気泡含有セメントを供給させることを特徴とする請求項1に記載の押出セメント板の製造方法。
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