JP2014038773A - スパークプラグ - Google Patents

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Keita Nakagawa
敬太 中川
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Abstract

【課題】中心電極の熱引き効率を向上できる技術を提供することを目的とする。
【解決手段】スパークプラグは、中心電極と、中心電極を保持する絶縁体と、軸孔内に設けられ、中心電極と絶縁体とに接するシール材と、を備える。中心電極は、径方向外側に突出し少なくとも一部が軸孔を形成する内面と当接する鍔部を有する電極母材と、電極母材よりも熱伝導率の大きい芯材と、を有する。芯材は、鍔部の外径が最大となる最大外径部よりも先端側の部分は電極母材の内部に配置されている。最大外径部よりも後端側の部分は電極母材から露出しており、芯材のうち電極母材から露出した部分の側面のうち少なくとも一部とシール材とが接触している。
【選択図】図2

Description

本発明は、スパークプラグの技術に関する。
従来、ガソリンエンジンなどの内燃機関の点火にはスパークプラグが用いられている。スパークプラグは、内燃機関の点火の為に中心電極と接地電極との間で火花を発生させる(例えば、特許文献1)。
特開2006−156110号公報 特開平5−101869号公報 特開平6−283251号公報
ここで、スパークプラグは、絶縁碍子の先端部近傍の過熱を防いでプレイグニッションを防止する必要がある。このため、絶縁碍子の先端部から中心電極や主体金具への熱の伝導(いわゆる熱引き)を効率良く行なう必要がある。
特に、近年、エンジンの高出力化や燃費向上を図るためにインテークマニホールドやエキゾーストマニホールドのバルブ径を拡大したり、エンジンの冷却効率向上のためにウォータージャケットを拡大したりする等の新たなエンジン構成が提案されている。これに伴い、スパークプラグの細径化(小型化)が求められる。一方で、スパークプラグの細径化によって、中心電極の熱伝導性が低下し熱引き効率が低下する虞がある。
中心電極の熱引き効率を向上させるために、例えば、特許文献1の技術では、中心電極のうち、少なくとも絶縁碍子によって係止される部分である中軸鍔部を含む後端側において、中心電極の外周面に良熱伝導金属部が露出している(特許文献1の図1)。しかし、良熱伝導金属部は銅等によって形成されており、剛性が小さく、また融点も低い。よって、燃焼ガスの熱によって良熱伝導金属部が溶出したり、剛性不足によって良熱伝導金属部の係止段部がガラスシール封着時等に変形したりする可能性がある。
また、特許文献1の技術では、中軸鍔部はNi等で形成された耐酸化合金部であり、中軸鍔部よりも後端側において、中心電極の外周面に良熱伝導金属部が露出している(特許文献1の図4)。しかし、特許文献1の技術では、良熱伝導金属部が直接に絶縁碍子と接触しているため、絶縁碍子の内部のシール性が低下する虞がある。また、良熱伝導金属部と絶縁碍子との熱膨張差によって絶縁碍子が破損する虞がある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、軸線方向に延びる軸孔を有し、先端側において前記中心電極を保持する絶縁体と、前記軸孔内に設けられ、前記中心電極と前記絶縁体とに接するシール材と、を備えるスパークプラグが提供される。このスパークプラグにおける前記中心電極は径方向外側に突出し少なくとも一部が前記軸孔を形成する内面と当接する鍔部を有する電極母材と、前記電極母材よりも熱伝導率の大きい芯材と、を有する。また、前記芯材のうち、前記鍔部の外径が最大となる最大外径部よりも先端側の部分は前記電極母材の内部に配置され、前記最大外径部よりも後端側の部分は前記電極母材から露出している。また、前記スパークプラグは、前記芯材のうち前記電極母材から露出した部分の側面のうち少なくとも一部と前記シール材とが接触している。この形態のスパークプラグによれば、露出した部分の側面の少なくとも一部とシール材とが接触していることから、軸孔内のシール性を確保しつつ絶縁体の先端部の熱が中心電極を介して効果的に伝導される。すなわち、軸孔内のシール性を確保しつつ、熱引き効率を向上できる。
(2)上記形態のスパークプラグにおいて、前記芯材のうち前記電極母材から露出した部分の外表面の表面積をW(mm2)とし、前記中心電極のうち前記鍔部よりも先端側の前記軸線方向に沿った長さをL(mm)としたときに、前記中心電極のうち前記鍔部よりも先端側にL/2の距離に位置する部分の前記軸線方向と直交する断面積をV(mm2)とした場合に、W≧4×Vの関係を満たしても良い。この形態のスパークプラグによれば、露出した部分の表面積を大きくすることで、熱引き効率をさらに向上できる。
(3)上記形態のスパークプラグにおいて、W≧5×Vの関係を満たしても良い。この形態のスパークプラグによれば、露出した部分の表面積をさらに大きくすることで、熱引き効率をさらに向上できる。
(4)上記形態のスパークプラグにおいて、W≧6×Vの関係を満たしても良い。この形態のスパークプラグによれば、露出した部分の表面積をより一層大きくすることで、熱引き効率をより一層向上できる。
(5)上記形態のスパークプラグにおいて、前記芯材を構成する材料と前記シール材を構成する材料との300℃における線膨張係数の差が1×10-6(1/℃)以下であっても良い。この形態のスパークプラグによれば、熱膨張や熱収縮によって露出した部分とシール材との接触の程度が低下することを防止できることから、露出した部分から中心電極の熱がシール材を介して絶縁体へと確実に伝導する。すなわち、この形態のスパークプラグによれば、熱引き効率の低下を抑制できる。
(6)上記形態のスパークプラグにおいて、前記芯材のうち前記電極母材から露出した部分の外表面全体と前記シール材とが接触しても良い。この形態のスパークプラグによれば、露出した部分の外表面全体を介してシール材から絶縁体に中心電極の熱を伝導させることができる。これにより、熱引き効率をさらに向上できる。また、露出した部分と絶縁体の間にはシール材が位置することから、軸孔内のシール性をさらに向上できる。
(7)上記形態のスパークプラグにおいて、前記芯材のうち前記電極母材から露出した部分の一部が前記軸孔を形成する内面と当接しても良い。この形態のスパークプラグによれば、中心電極の熱を直接に絶縁体に伝導させて、絶縁体に伝導した熱がさらに外周に位置する主体金具へと効率良く伝導する。よって、熱引き性能をさらに向上できる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、スパークプラグの検査方法、スパークプラグ、スパークプラグを搭載した車両等の内燃機関等の態様で実現することができる。
本発明の第1実施形態としてのスパークプラグの部分断面図である。 スパークプラグの先端側の拡大断面図である。 中心電極を模式的に示した図である。 様々な中心電極を説明するための図である。 サンプルNo.2の中心電極の断面図である。 寸法の代表例である。 プレイグニッション試験の結果及びサンプルを説明するための図である。 第2の評価試験としてのプレイグニッション試験の結果及びサンプルを説明するための図である。 線膨張係数の差と耐熱性低下値との関係を示す図である。 第1変形例のスパークプラグを説明するための図である。
次に、本発明の実施の形態を以下の順序で説明する。
A.第1実施形態:
B.変形例:
A.第1実施形態:
A−1:スパークプラグの構成:
図1は、本発明の第1実施形態としてのスパークプラグ100の部分断面図である。ここで、説明の便宜上、スパークプラグ100のうち図中上側を後端側BWD、図中下側を先端側FWDともいう。スパークプラグ100は、軸線CL方向に延びる棒状の中心電極20と、軸線CL方向に延びる軸孔12を有し、自身の先端側において中心電極20を保持する絶縁体としての絶縁碍子10と、軸孔12内に設けられて中心電極20と絶縁碍子10とに接する第1のシール材4と、を備える。また、スパークプラグ100は、さらに、絶縁碍子10の外周に設けられた主体金具50と、後端側に位置する一端部が主体金具50に取り付けられた接地電極30と、を備える。
中心電極20は、絶縁碍子10の内部を通じて、絶縁碍子10の後端に設けられた端子金具40に電気的に接続されている。中心電極20は、絶縁碍子10によって保持されている。絶縁碍子10は、主体金具50によって保持されている。接地電極30は、他端部が中心電極20の下側の位置で中心電極20と対向するように屈曲している。接地電極30は屈曲することで中心電極20の先端部21との間で、火花を発生させる隙間である火花ギャップを形成する。スパークプラグ100は、内燃機関のエンジンヘッド600に設けられた取付ネジ孔601に主体金具50を介して取り付けられる。例えば、端子金具40に2万〜3万ボルトの高電圧が印加されると、中心電極20と接地電極30との間に形成された火花ギャップGに火花が発生する。
絶縁碍子10は、アルミナを始めとするセラミックス材料を焼成して形成された絶縁体である。絶縁碍子10のうち、スパークプラグ100の軸線CL方向中央には他の部分よりも外径を大きくした中央胴部19が形成されている。中央胴部19よりも端子金具40側には、端子金具40と主体金具50との間を絶縁する後端側胴部18が形成されている。中央胴部19よりも中心電極20側には、後端側胴部18よりも外径が小さい先端側胴部17が形成され、先端側胴部17の更に先には、先端側胴部17よりも小さい外径であって中心電極20側へ向かうほど外径が小さくなる先端部13が形成されている。
主体金具50は、絶縁碍子10の後端側胴部18の一部から先端部13に亘る部位を包囲して保持する円筒状の金具である。主体金具50は、例えば金属により形成でき、本実施形態では低炭素鋼等を用いている。主体金具50は、工具係合部51と、取付ネジ部52と、シール部54とを備える。主体金具50の工具係合部51には、スパークプラグ100をエンジンヘッド600に取り付ける工具(図示しない)が嵌合する。主体金具50の取付ネジ部52は、エンジンヘッド600の取付ネジ孔601に螺合するネジ山を有する。主体金具50のシール部54は、取付ネジ部52の根元に鍔状に形成され、シール部54とエンジンヘッド600との間には、板体を折り曲げて形成した環状のガスケット6が嵌挿される。
中心電極20の先端部21は、絶縁碍子10の軸孔12から先端側FWDに突出して配置されている。すなわち、中心電極20は、先端部21が軸孔12から突出するように絶縁碍子10の軸孔12に挿入されて、第1のシール材4、セラミック抵抗3、第2のシール材5を介して端子金具40に電気的に接続されている。
図2は、スパークプラグ100の先端側の拡大断面図である。なお、図2では、理解の容易の為に、模式的に図示している。図2に示すように、中心電極20は、電極母材25と、芯材24とを有する。電極母材25は、中心電極20のうち先端側の外表面を形成する。また、電極母材25は、径方向外側に突出し、少なくとも一部が軸孔を形成する内面と当接する鍔部28を備える。鍔部28は絶縁碍子10の内面に形成された段差部15に当接して係止される。
芯材24は、中心電極20のうち後端側BWDの外表面を形成する。芯材24は、先端側FWDが電極母材25の内部に配置され、後端側BWDが電極母材25から露出している。詳細には、芯材24は、鍔部28の外径が最大となる最大外径部28aよりも先端側FWDに位置する芯材先端部27と、最大外径部28aよりも後端側BWDに位置し電極母材25から露出する芯材露出部29とを備える。ここで、芯材24は電極母材25よりも熱伝導率が大きい。
第1のシール材4は、芯材24と軸孔12を形成する内面との隙間を埋めるように、軸孔12内に充填されている。詳細には、第1のシール材4は、芯材露出部29の外表面全体(側面29tと後端面29s)と接触している。こうすることで、芯材露出部29の外表面全体を介して中心電極20から第1のシール材4に絶縁碍子10の熱を伝導させることができる。これにより、熱引き効率を向上できる。また、芯材露出部29と絶縁碍子10の間には第1のシール材4が位置することから、軸孔12内のシール性を向上できる。
芯材24は、例えば、銅、銅を主成分とする合金、銀などで形成されている。電極母材25は、芯材24よりも融点の高い金属や合金で形成されている。例えば、電極母材25は、ニッケルやニッケルを主成分とする合金などで形成されている。第1のシール材4及び第2のシール材5(図1)は、例えば、銀、銅、銅を主成分とする合金等の金属と、ガラスの混合材によって形成されている。セラミック抵抗3は、例えば、炭素とセラミックとガラスの混合材によって形成されている。ここで、芯材24を構成する材料と第1のシール材4を構成する材料との300℃における線膨張係数の差が1×10-6(1/℃)以下であることが好ましい。こうすることで、熱膨張や熱収縮によって芯材露出部29と第1のシール材4との接触の程度が低下することを防止できる。よって、中心電極20から絶縁碍子10の熱が芯材露出部29を介して第1のシール材4へと確実に伝導できる。すなわち、熱引き効率の低下を抑制できる。
なお、軸孔12のうち芯材露出部29が位置する部分の内径をJとし、軸孔12のうち電極母材25が内部に配置された部分の内径をKとする。また、段差部15の水平面(軸線CL方向と直交する面)に対する傾斜角をLaとする。
図3は、中心電極20を模式的に示した図である。本実施形態では、芯材露出部29の外表面の表面積をW(mm2)とする。また、中心電極20のうち鍔部28よりも先端側FWDの軸線CL方向に沿った長さをL(mm)としたときに、中心電極20のうち鍔部28よりも先端側FWDにL/2の距離に位置する部分の軸線CL方向と直交する断面積をV(mm2)とする。このとき、スパークプラグ100は、W≧4×Vの関係を満たすことが好ましく、W≧5×Vを満たすことがより好ましく、W≧6×Vを満たすことがより一層好ましい。こうすることで、芯材露出部29の表面積が大きくなり、熱引き効率を向上できる。
A−2.第1実施形態の中心電極の例:
図4は、様々な中心電極を説明するための図である。サンプルNo.1は、本実施形態には含まれない従来例であり、サンプルNo.2〜No.5は、本実施形態に含まれるサンプル例である。なお、サンプルNo.1〜No.5のいずれの中心電極20,20a〜20c,20pも図1に示した軸孔12内に配置される。
サンプルNo.1の中心電極20pは、芯材24pの後端面を除く外表面全体が電極母材25pの内側に配置されている。すなわち、鍔部28pよりも先端側部分、鍔部28pよりも後端側部分共に、電極母材25pの内側に配置されている。
サンプルNo.2は、断面図に示すように、最大外径部28aよりも後端側BWDに位置する芯材露出部29aは、最大外径部28aの径よりも小さい部分を有する。このような、サンプルNo.2としては、例えば外観図の(2−1)〜(2−3)に示すような中心電極20a,20a1,20a2が考えられる。いずれの中心電極20a,20a1,20a2も芯材露出部29a,20a1,20a2の少なくとも一部が鍔部28の径(最大径)よりも小さい。
サンプルNo.3の中心電極20は、断面図に示すように第1実施形態に説明した中心電極20と同一の形状である。すなわち、サンプルNo.3は、芯材露出部29の径と、鍔部28の径(最大径)とが同一のサンプルである。このようなサンプルNo.3としては、例えば外観図の(3−1)、(3−2)に示すような中心電極20v1,20v2が考えられる。中心電極20v1と中心電極20v2とでは、鍔部28の厚み(軸線CL方向の長さ)が異なる。
サンプルNo.4の中心電極20bは、断面図に示すように芯材露出部29bの径が鍔部28の径(最大径)よりも大きい。
サンプルNo.5の中心電極20cは、断面図に示すように芯材露出部29cの外周面に表面積を大きくするために凹凸が形成されている。このようなサンプルNo.5としては、例えば外観図の(5−1),(5−2)に示すような中心電極20c,20c1が考えられる。中心電極20cは、芯材露出部29cの外周面に凹凸が形成されたネジ状である。また、中心電極20c1は、芯材露出部29cの外周面に凹凸が形成されたローレット状である。
A−3.本実施形態のスパークプラグの具体的寸法:
図5は、サンプルNo.2の中心電極20aの断面図である。図5は、理解の容易のために模式的に示している。図5に示す「A」〜「L」の内容は以下の通りである。
・「A」・・・電極母材25の外径
・「C」・・・最大外径部28aの外径
・「D」・・・芯材露出部29aの径(最小径)
・「E」・・・最大外径部28aの内径
・「F」・・・芯材先端部27の径(最大径)
・「G」・・・芯材露出部29aのうち径が一定の円柱部分の軸線CL方向に沿った長さ
・「H」・・・鍔部28及び芯材露出部29aのうち径が大きい芯材鍔部29atの軸線CL方向に沿った長さ
・「L」・・・中心電極20aのうち鍔部28よりも先端側の軸線CL方向に沿った長さ
図6は、寸法の代表例である。詳細には、図2及び図5に示す寸法の例を代表例α〜γとして3通り示した。なお、図6は、中心電極20aについての寸法例であるが、他の中心電極20,20b,20c(図4)にも適用できる。
A−4.第1の評価試験及び評価結果:
図7は、プレイグニッション試験の結果及びサンプルを説明するための図である。図7(A)は、プレイグニッション試験の結果を示す図であり、図7(B)は、上記のプレイグニッション試験に用いたサンプルの中心電極を示した図である。
比較例であるサンプルNo.1の中心電極20pを備えるスパークプラグと、本実施形態の中心電極20a(図4)を備えるスパークプラグに対し、第1の評価試験としてのJIS D1606に基づくプレイグニッション試験を行うことで、耐熱性(熱引き効率)の評価を行った。プレイグニッション試験の概要は次の通りである。すなわち、試験対象であるスパークプラグを1.6L、4気筒のエンジンに取り付ける。そして、点火時期を正規の点火時期から1クランクアングル(°CA)ずつ進角させた状態で、点火時期ごとに2分間運転を継続させた。そして、2分間にプレイグニッションが4回発生した点火時期を測定することで耐熱性を判定した。ここで、エンジンの回転数は5500rpm、スロットルは全開である。なお、上記のプレイグニッション試験では、プレイグニッションが発生する点火時期が進んでいる程、耐熱性に優れたスパークプラグであるといえる。
サンプルNo.1a,No.1b,No.1cのスパークプラグは、比較例として説明した中心電極20pを備える。また、サンプルNo.2a,No.2b,No.2cのスパークプラグは、本実施形態において説明した中心電極20a1(図4)を備える。なお、サンプルNo.1aとサンプルNo.2a、サンプルNo.1bとサンプルNo.2b、サンプルNo.1cとサンプルNo.2cは、それぞれ外形形状が同じサンプルである。外形形状が同じサンプルを図7(B)の左から順に、パターン1、パターン2、パターン3とも呼ぶ。鍔部28,28pよりも後端側に位置する部分の径Daはパターン1〜3の順に小さい。また、電極母材25、25pの径Aはパターン1〜3の順に小さい。
図7(A)に示すように、各パターンにおいて、本実施形態の中心電極20a1を備えたサンプルは、従来例の中心電極20pを備えたサンプルに比べ、点火時期がそれぞれ2°CAずつ進んでいる。すなわち、芯材露出部29aを備えたサンプルNo.2a,No.2b,No.2cは、中心電極20〜20cの熱引き効率が従来例よりも向上し、スパークプラグ100の耐熱性が向上した。
A−5.第2の評価試験及び評価結果:
図8は、第2の評価試験としてのプレイグニッション試験の結果及びサンプルを説明するための図である。図8(A)は、プレイグニッション試験の結果を示す図であり、図8(B)は、プレイグニッション試験に用いたサンプルの中心電極を示した図である。ここで、第2の評価試験としてのプレイグニッション試験は、第1の評価試験と同条件で行なった。
第2の評価試験に用いたサンプルNo.2A〜No.2Fのスパークプラグは、中心電極20a1(図4)を備えている。また、図8(B)に示すように、サンプルNo.2A〜No.2Fの順に、芯材露出部29aの径を大きくすることで、外表面の表面積W(mm2)が大きくなっている。各サンプルの表面積Wと断面積Vとの関係は図8(A)に示す通りである。各サンプルNo.2A〜No.2Fを5本ずつ作製し、それぞれに対し第2の評価試験を行った。
図8(A)に示すように、W≧4×Vの関係を満たすサンプルNo.2D〜No.2Fは、基準となるサンプルNo.2Aに比べ点火時期が1°CA以上進み、耐熱性が向上した。また、W≧5×Vの関係を満たすサンプルNo.2E,No.2Fは、サンプルNo.2Aに比べ点火時期が2°CA以上進み、耐熱性がより向上した。特に、W≧6×Vの関係を満たすサンプルNo.2Fは、サンプルNo.2Aに比べ点火時期が4°CA進み、耐熱性が最も良好な結果を示した。
A−6.第3の評価試験:
図9は、線膨張係数の差と耐熱性低下値との関係を示す図である。図9は以下のようにして作成した。すなわち、第3の評価試験として、上記で述べた同様の方法でプレイグニッション試験を各サンプルに対して行なって点火時期を測定した。サンプルは、中心電極20a1(図4)を備えるスパークプラグを用いて行なった。また、サンプル毎に、芯材24と第1のシール材4との300℃における線膨張係数の差を変化させた。図9に示すように、線膨張係数の差が1×10-6(1/℃)以下のサンプルは、点火時期が他のサンプルよりも進んでおり、耐熱性の低下が抑制できた。なお、金属とガラスの混合材である第1のシール材4の線膨張係数の測定方法は、以下の装置を用いて測定した。
[測定装置]
装置名:熱膨張計(示差膨張方式)
型式 :TD5010SA
会社名:Bruker ASX
B.変形例:
なお、上記実施形態における構成要素の中の、特許請求の範囲の独立項に記載した要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。また、本発明の上記実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
B−1.第1変形例:
上記実施形態では、芯材24のうち芯材露出部29の外表面全体が第1のシール材4に接していたが、これに限定されるものではない。図10は、第1変形例のスパークプラグ100eを説明するための図であり、図2に相当する図である。図10に示すように、芯材露出部29eの一部が軸孔12を形成する内面に当接していても良い。こうすることで、絶縁碍子10の熱を直接に中心電極20eに伝導させて、絶縁碍子10の先端部13の熱が効率良く伝導する。よって、熱引き性能をさらに向上できる。
3…セラミック抵抗
4…第1のシール材
5…第2のシール材
6…ガスケット
10…絶縁碍子
12…軸孔
13…先端部
15…段差部
17…先端側胴部
18…後端側胴部
19…中央胴部
20〜20p…中心電極
20a1,20c1,20v1,20v2…中心電極
21…先端部
24,24p…芯材
25,25p…電極母材
27…芯材先端部
28,28p…鍔部
28a…最大外径部
29…芯材露出部
29a〜29e…芯材露出部
29s…後端面
29t…側面
29at…芯材鍔部
30…接地電極
40…端子金具
50…主体金具
51…工具係合部
52…取付ネジ部
54…シール部
100,100e…スパークプラグ
600…エンジンヘッド
601…取付ネジ孔
CL…軸線
G…火花ギャップ

Claims (7)

  1. 軸線方向に延びる棒状の中心電極と、
    前記軸線方向に延びる軸孔を有し、先端側において前記中心電極を保持する絶縁体と、
    前記軸孔内に設けられ、前記中心電極と前記絶縁体とに接するシール材と、を備えるスパークプラグにおいて、
    前記中心電極は、
    径方向外側に突出し少なくとも一部が前記軸孔を形成する内面と当接する鍔部を有する電極母材と、
    前記電極母材よりも熱伝導率の大きい芯材と、を有し、
    前記芯材のうち、前記鍔部の外径が最大となる最大外径部よりも先端側の部分は前記電極母材の内部に配置され、
    前記最大外径部よりも後端側の部分は前記電極母材から露出しており、
    前記芯材のうち前記電極母材から露出した部分の側面のうち少なくとも一部と前記シール材とが接触している、ことを特徴とするスパークプラグ。
  2. 請求項1に記載のスパークプラグにおいて、
    前記芯材のうち前記電極母材から露出した部分の外表面の表面積をW(mm2)とし、前記中心電極のうち前記鍔部よりも先端側の前記軸線方向に沿った長さをL(mm)としたときに、前記中心電極のうち前記鍔部よりも先端側にL/2の距離に位置する部分の前記軸線方向と直交する断面積をV(mm2)とした場合に、
    W≧4×Vの関係を満たす、ことを特徴とするスパークプラグ。
  3. 請求項2に記載のスパークプラグにおいて、
    W≧5×Vの関係を満たす、ことを特徴とするスパークプラグ。
  4. 請求項3に記載のスパークプラグにおいて、
    W≧6×Vの関係を満たす、ことを特徴とするスパークプラグ。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のスパークプラグにおいて、
    前記芯材を構成する材料と前記シール材を構成する材料との300℃における線膨張係数の差が1×10-6(1/℃)以下である、ことを特徴とするスパークプラグ。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のスパークプラグにおいて、
    前記芯材のうち前記電極母材から露出した部分の外表面全体と前記シール材とが接触している、ことを特徴とするスパークプラグ。
  7. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のスパークプラグにおいて、
    前記芯材のうち前記電極母材から露出した部分の一部が前記軸孔を形成する内面と当接する、ことを特徴とするスパークプラグ。
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