JP2014038434A - 情報処理装置、プログラム及び記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】ユーザが利用可能な機能を制限する場合において、容易に、ユーザの範囲を限定してその制限を解除できるようにする。
【解決手段】まずUI部111により利用可能な機能の制限された設定受付を行い(S103)、その受け付けた設定に従った処理の実行指示に応じて、所定の権限情報の設定状態に従い、上記利用可能な機能の制限の少なくとも一部を解除した設定受付及び上記利用可能な機能の制限された設定受付のいずれかを、UI部131が行い(S113,S114)、その受け付けた設定に従った処理の要求を行うようにした(S119)。
【選択図】 図8

Description

この発明は、設定の受付を行う情報処理装置、コンピュータをこのような情報処理装置として機能させるためのプログラム及びこのようなプログラムを記録した記録媒体に関する。
従来から、情報処理装置において、ユーザから各種の設定を受け付けることが広く行われている。
これに関連して、たとえばPC(パーソナルコンピュータ)にプリンタドライバプログラム(以下単に「プリンタドライバ」という)を実行させることにより、画像形成装置であるプリンタに関する設定を受け付けることが知られている。
図17に、プリンタドライバによる設定受付のためのドライバ画面の例を示す。
図17に示すドライバ画面500は、印刷に関する設定を受け付けるための画面である。この画面においては、ユーザは、印刷部数、用紙サイズなど種々の設定項目について設定を行うことができる。
また、プリンタドライバにおいて、これらの設定項目の全部又は一部について、ユーザが設定可能な値を制限する機能を設けることも知られている。これは、利用可能な機能を制限する機能と捉えることもできる。図17に示す例は、符号501で示すボタンにおける集約の設定を、「2ページを1ページに集約(2in1)」に制限している例である。これに伴い、プリンタドライバは、ボタン501の操作があると、ポップアップ502により、他の選択肢が選択できない旨のメッセージをディスプレイに表示させる。
このような機能は、例えば経費圧縮や紙資源の節約のために2in1印刷を使わせて用紙枚数を削減したい場合に利用することが考えられる。同様な観点から、印刷面数を両面に限定することも考えられる。
このような機能の制限に関する技術としては、例えば特許文献1に記載のものが知られている。
特許文献1には、一部の印刷条件の選択肢をGUI(グラフィカルユーザインタフェース)に表示させない制限設定を行うことが記載されている。また、パッチプログラムにより制限解除フラグをレジストリに設定することにより、一定期間だけその制限設定を解除できるようにすることが記載されている。
ところで、上述した機能制限について従来知られている手法は、機能の制限を設定したプリンタドライバをPC毎にインストールすることによって行うものである。
従って、これを解除するためには、機能の制限が解除された設定のプリンタドライバを管理者から配布してもらい、そのプリンタドライバをインストールして実行する必要があるなど、大変な手間がかかっていた。また、一旦インストールしてしまえば、誰でも機能の制限が解除された状態で印刷可能となってしまうという問題もあった。
これに対し、特許文献1に記載の技術を用いれば、パッチプログラムを実行することにより機能の制限を解除できるため、新たなプリンタドライバのインストールまでは不要であり、手間は多少軽減することができる。しかしながら、この場合でも、誰でも機能の制限が解除された状態で印刷可能となってしまうという問題は残る。
このような問題は、印刷に関する設定を受け付ける場合だけでなく、任意の機能に関する設定の受付について発生するものである。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、ユーザが利用可能な機能を制限する場合において、容易に、ユーザの範囲を限定してその制限を解除できるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明の情報処理装置は、利用可能な機能の制限された設定受付を行う第1の受付手段と、上記第1の受付手段が受け付けた設定に従った処理の実行指示に応じて、所定の権限情報の設定状態に従い、上記利用可能な機能の制限の少なくとも一部を解除した設定受付及び上記利用可能な機能の制限された設定受付のいずれかを行う第2の受付手段と、上記第2の受付手段が受け付けた設定に従った処理の要求を行う要求手段とを設けたものである。
以上のような構成によれば、ユーザが利用可能な機能を制限する場合において、容易に、ユーザの範囲を限定してその制限を解除できるようにすることができる。
この発明の情報処理装置の実施形態を含むシステムの一例の構成を示す図である。 図1に示したPCのハードウェア構成を示す図である。 図1に示したPCの機能構成を示す図である。 機能を制限しないプレビュー画面の例を示す図である。 機能を制限したプレビュー画面の例を示す図である。 権限設定画面の例を示す図である。 図3を用いて説明した手順に従った印刷の際にユーザが行う操作の手順を示す図である。 図3を用いて説明した手順に従った印刷を行い、その際機能の制限を解除したプレビュー画面を表示する場合の各部の動作を示すシーケンス図である。 Getjob関数の構成を示す図である。 Setjob関数の構成を示す図である。 JOB_INFO_2構造体の構成を示す図である。 機能の制限を解除しないプレビュー画面を表示する場合の動作を示す、図8と対応するシーケンス図である。 プレビューモジュールのUI部による処理のフローチャートである。 機能を制限しないプレビュー画面の別の例を示す図である。 機能を制限したプレビュー画面の別の例を示す図である。 機能の制限を一部解除したプレビュー画面の例を示す図である。 ドライバ画面の例を示す図である。
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1は、この発明の情報処理装置の実施形態を含むシステムの一例の構成を示す図である。
図1に示すシステムは、この発明の情報処理装置の実施形態であるPC10と、画像処理装置20とをネットワーク30を介して接続したものである。
PC10には画像処理装置20を制御するためのデバイスドライバとしてプリンタドライバがインストールされている。そして、プリンタドライバを実行することにより、ユーザから画像処理装置20に実行させる処理に関する設定を受け付け、またその設定に従った処理の実行指示を受け付けることができる。そして、この実行指示に応じて、画像処理装置20に対して、受け付けた設定に従った処理の実行を指示する。
画像処理装置20は、原稿の画像読み取り(スキャン)、紙等のシート材への画像形成(プリント)、ファクシミリ通信やネットワーク通信による画情報等のデータの送受信、データの蓄積等の機能を備えた装置である。PC10からの指示に従い、これらの機能に係る処理を実行することができる。ユーザが画像処理装置20を直接操作することもできる。
ネットワーク30としては、有線、無線を問わず、任意の通信プロトコルを用いたものを採用可能である。
次に、図2にPC10のハードウェア構成を示す。
PC10は、ハードウェアとしては公知のコンピュータでよい。
ここでは、図2に示す通り、PC10は、CPU11、ROM12、RAM13、通信I/F(インタフェース)14、HDD(ハードディスクドライブ)15、UI(ユーザインタフェース)部16を、システムバス17により接続した構成としている。
そして、CPU11がRAM13をワークエリアとしてROM12あるいはHDD15に記憶されたプログラムを実行することにより、後述する種々の機能を実現することができる。
通信I/F14は、ネットワーク30を介して通信するためのインタフェースである。
UI部16は、ユーザの操作を受け付けるための操作部や、ユーザに情報を提示するための表示部である。外付けの操作部や表示部を用いてもよいことはもちろんである。
なお、ユーザの操作は、外部装置から操作内容を示すデータを受信することにより受け付けてもよい。また、ユーザへの情報の提示は、画面の表示内容を示すデータや画面に表示させるべきデータを外部装置へ送信することによって行ってもよい。
画像処理装置20は、PC10の場合と同趣旨の機能を備えるCPU、ROM、RAM、通信I/F、HDD、UI部に加え、原稿の画像読み取り、用紙への画像形成、ファクシミリ通信等を行うためのエンジン部を必要に応じて備える。しかし、画像処理装置20もハードウェアとしては公知のものでよいので、詳細な説明は省略する。
次に、図3に、PC10の機能構成を示す。なお、図3には、この実施形態の特徴に関連する機能のみを示した。
図3に示すように、PC10は、アプリケーション101、GDI(Graphics Device Interface)102、スプーラ103、プリンタドライバ110、プレビューモジュール130の機能を備える。
これらのうちアプリケーション101は、文書作成、表計算、データベース管理、画像編集等の種々の用途に合わせて提供され、任意にインストールして実行可能なアプリケーションソフトウェアにより実現される機能である。
GDI102は、ディスプレイやプリンタに対する出力処理を行うモジュールである。アプリケーション101は、例えばプリンタに印刷を行わせたい場合、その出力内容をGDI102が理解できるGDIコールとしてGDI102に渡す。すると、GDI102が、これを印刷に用いるプリンタドライバ110が理解できるDDI(device driver interface)コールに変換してプリンタドライバ110に渡す。
スプーラ103は、プリンタドライバ110から渡されるデータを、送信先として指定された画像処理装置20へ送信する機能を有する。
プリンタドライバ110は、UI(ユーザインタフェース)部111、連携部112、描画部120を備える。
これらのうちUI部111は、画像処理装置20に実行させる印刷等の処理に関する設定操作を受け付ける機能を備える。より具体的には、PC10のディスプレイにGUI(グラフィカルユーザインタフェース)としてドライバ画面を表示させ、そのドライバ画面により設定操作を受け付ける。
ここで用いるドライバ画面は、背景技術の項で図17を用いて説明したものと同様なものでよい。設定可能な値の制限についても同様である。このUI部111が第1の受付手段に該当する。
連携部112は、プリンタドライバ110とプレビューモジュール130との間のインタフェースの機能を持つ。より具体的には、プレビューモジュール130からの要求に応じて、プレビューモジュール130が生成するプレビュー画面に表示するための印刷結果のプレビュー画像を作成してプレビューモジュール130に渡す。また、プレビュー画面を表示させるための印刷設定の情報をプレビューモジュール130に渡したり、プレビュー画面においてなされた設定変更をUI部111に渡して、UI部111における印刷設定に反映させたりする。
描画部120は、描画部121と印刷確認部122を備える。
これらのうち描画部121は、GDI102から渡されるDDIコールに基づき、画像処理装置20に印刷させるべき画像を描画し、その描画結果を画像処理装置20が解釈可能な印刷データに変換してスプーラ103に渡し、画像処理装置20へ送信させる機能を備える。
印刷確認部122は、所定の情報を参照して、現在印刷を実行すべき状態であるか否かを確認する機能を備える。
また、プレビューモジュール130は、UI部131と権限判断部132を備える。
UI部131は、UI部111が提供するドライバ画面で設定を行った後、その設定に従った印刷実行が指示された場合に、その実行前に実行結果を提示してユーザに設定の適否を確認させるプレビュー画面を用いて、設定の変更及び確認の操作を受け付ける機能を備える。より具体的には、PC10のディスプレイにプレビュー画面を表示して、その画面による設定操作を受け付ける。
図4に、そのプレビュー画面の例を示す。
このプレビュー画面300においては、表示エリア301に、現在なされている設定に従った印刷結果がどのようなものになるかを示すプレビュー画像302を表示させる。このプレビュー画像302は、連携部112が生成してUI部131に渡すものである。
また、いくつかの設定項目については、プレビュー画像302を見て設定を変更できるよう、設定ボタン303〜307を設けている。ここでは、原稿サイズ、用紙種類、集約、両面、ソートについての設定ボタンを設けている。
OKボタン308は、印刷実行指示を受け付けるためのボタン、キャンセルボタン309は印刷中止指示を受け付けるためのボタンである。
この画面は、印刷実行前にユーザが自分の行った設定の適否を確認するために用いることができる。例えば、細かい文字の書かれた文書を印刷しようとする場合に、集約に4in1の設定がなされていることを確認せずにそのまま使用してしまうと、読めない印刷結果となってしまい、時間と用紙の無駄となる。そこで、プレビュー画面で印刷結果を事前に確認できるようにすれば、実際に印刷を行う前に設定を確認し、意図しない出力をしてしまうことを防止できる。
図3の説明に戻ると、権限判断部132は、プレビュー画面300にプレビュー画像を表示させる場合に、画像処理装置20に印刷を実行させようとしている(その印刷を指示した)ユーザの権限情報を参照し、機能の制限を解除したプレビュー画面300を表示させてよいか否か判断する機能を有する。その権限の設定法等については後述する。
以上のPC10は、ユーザがアプリケーション101に対して行う印刷指示に応じて画像処理装置20に印刷を実行させる場合、概略として、図3に(1)〜(15)で示す手順により画像処理装置20への印刷指示を行う。次に、この手順について説明する。
この場合、ユーザはまずアプリケーション101に対して、印刷条件の設定を指示する。これに応じてアプリケーション101は、プリンタドライバ110のUI部111に対し、この設定操作を受け付けるためのドライバ画面の表示を指示する。UI部111に機能の利用制限が設定されていれば、このドライバ画面は、その利用制限が反映されたものとなる。
そして、そのドライバ画面において入力され、確定された設定内容を、UI部111がアプリケーション101に渡し、アプリケーション101はその設定内容を保持する(1)。なお、アプリケーション101は、この印刷条件の設定指示がない場合でも、デフォルトの設定内容を保持している。
次に、ユーザはアプリケーション101に対して印刷実行を指示する。アプリケーション101はこの指示に応じて、印刷すべき文書を、その時点で保持している設定内容に従って画像処理装置20に印刷させるべく、その文書の内容及び設定内容に従った印刷内容を示すGDIコールを生成してGDI102に渡す(2)。
GDI102は、ここで受け取ったGDIコールを、プリンタドライバ110が取り扱い可能なDDIコールに変換して、描画部121に渡す(3)。
描画部121は、DDIコールを受け取ると、印刷確認部122に対し、現在が印刷を実行すべきタイミングであるか否かを問い合わせる。印刷確認部122は、この問い合わせを受けると、現在が印刷を実行すべきタイミングであるか否か判断する。この判断は、実行すべきジョブに関する情報を格納したJOB_INFO_2構造体のメンバ変数pParametersを参照し、その値に基づいて行うことができる。その判断結果を描画部121に返す(4)。
なお、この時点ではpParametersには印刷を実行すべきタイミングでない情報が格納されるようにする。そこで、印刷確認部122から印刷を実行すべきタイミングでない旨の判断結果を返された描画部121は、その結果に従い、印刷データの生成及び送信は行わずに、受信したDDIコールに係る処理を終了する。ただし、受け取ったDDIコールは、後で印刷を実行するために保持しておく。
また、GDI102は、DDIコールを全て描画部121に渡した後、その旨を示す終了通知をUI部111に渡す(5)。UI部111は、これをトリガに、プレビューモジュール130のUI部131に、プレビュー画面300の立ち上げを指示する(6)。
これを受けたUI部131は、権限判断部132に対し、現在ジョブを実行しようとしているユーザが、利用可能な機能の制限を解除した設定を行う権限を持っているか否かを問い合わせる。権限判断部132は、所定の権限情報に基づきこの点を判断し、その判断結果をUI部131に返す(7)。
判断に用いる権限情報は、ここでは、ユーザ毎かつ画像処理装置毎に設定する権限としてWindows(登録商標)においてサポートされている、「このプリンタの管理」の権限有無の情報としている。この権限がある場合、機能の制限解除可、権限がない場合、機能の制限解除不可である。
図6に、「このプリンタの管理」の権限を設定するための画面の例を示す。
ここでは、プリンタドライバ110が提供する、セキュリティに関する設定のためのプロパティ画面の一種として、図6に示す権限設定画面200を用意している。この画面においては、PC10のユーザ毎に、画像処理装置20の利用に関する権限の許可及び拒否を設定することができる。
「印刷」は、画像処理装置20に印刷を実行させる権限、「このプリンタの管理」は、「印刷」に加えて画像処理装置20に対する管理タスクを実行する権限を示す。管理タスクには、印刷の一時停止と再開、スプーラの設定の変更、画像処理装置20の共有、画像処理装置20のアクセス許可の設定、および画像処理装置20のプロパティの変更などが挙げられる。
「ドキュメントの管理」及び「特殊なアクセス許可」については、ここでは用いないので説明を省略する。
なお、図6ではユーザ毎に権限を設定する例を示しているが、全ユーザ、あるいはユーザのグループについて権限を設定できるようにすることも考えられる。
図3の説明に戻ると、UI部131は、権限のあるなしに関わらず、まずプレビュー画面300に表示させるプレビュー画像302の生成を、連携部112に要求する(8)。連携部112は、この要求に応じて現在の設定内容をUI部111に問い合わせ(9)、その設定内容に従ったプレビュー画像302を生成してUI部131に渡す(10)。
このプレビュー画像は、図4に示すように単に設定内容に従ったページ配置を模式的に示すものでもよいし、描画部121から直近に受け取ったDDIコールに基づく描画結果の情報を取得し、実際に印刷しようとする文書の内容を反映させたものとしてもよい。また、連携部112は、UI部131に対し、プレビュー画面300における初期値とさせるため、UI部111から取得した現在の設定内容自体も、UI部131に渡す。
UI部131は、連携部112から渡されたプレビュー画像及び設定内容に従い、プレビュー画面を表示させる。このとき、権限判断部132から取得した判断結果に従い、機能の制限を解除した画面を表示させるか、機能を制限した画面を表示させるか決定する。機能を制限する場合、どの機能を制限すべきかの情報を、現在の設定内容の情報と共に、連携部112を介してUI部111から取得する。
図4に示した例は、機能の制限を解除して(機能を制限しないで)設定を受け付けるための画面である。機能を制限する場合、例えば図5に符号310で示すように、制限する設定項目について、その旨がユーザにわかるような表示を行えばよい。図5の例では、集約の項目の設定を2in1のみに制限している。
いずれにせよ、プレビュー画面においては、UI部111が提供するドライバ画面で行った設定の全部又は一部を変更することができる。ユーザは、プレビュー画像302を参照し、自分の希望と違った設定がなされていると思った場合には、ここで設定を変更すればよい。その変更がなされ、OKボタン308により印刷開始の指示がなされた場合、UI部131は、変更内容の情報を連携部112を介してUI部111に渡し、現在の設定内容に反映させる(11,12)。
また、UI部131は、印刷実行を指示するGDIコールをGDI102に渡し(13)、GDI102はこれをプリンタドライバ110が取り扱い可能なDDIコールに変換して、描画部121に渡す(14)。
描画部121は、ここでDDIコールを受け取ると、印刷確認部122に対し、再度現在が印刷を実行すべきタイミングであるか否かを問い合わせる。印刷確認部122は、この問い合わせを受けると、現在が印刷を実行すべきタイミングであるか否か判断する。この判断は、(4)の場合と同様に行うが、2回目の確認の際には、pParametersの値によらず、印刷を実行すべきと判断する。
そこで、印刷確認部122から印刷を実行すべきタイミングである旨の判断結果を返された描画部121は、先に保持しておいたDDIコールと、この時点での現在の設定内容((11)で通知された変更が反映されたもの)とに基づき、画像処理装置20に印刷させるべき画像を示す印刷データを生成し、スプーラ103に渡す(15)。
スプーラ103は、描画部121から渡された印刷データを画像処理装置20に送信するとともに、印刷指示を行う(16)。
図7に、以上の手順に従った印刷の際にユーザが行う操作の手順を示す。
図7に示すように、ユーザはまずアプリケーション101で印刷する文書を開き(S11)、プリンタドライバ110のUI部111が提供するドライバ画面で印刷設定を行う(S12)と共に、印刷を指示する(S13)。その後、プレビューモジュール130のUI部131が提供するプレビュー画面300で必要に応じて印刷設定を行う(S14)と共に、印刷を指示する(S15)。ユーザが以上の操作をすると、ステップS15の印刷指示に応じて、PC10は画像処理装置20へ印刷データを送信し、印刷指示を行う。
これらのように、図3に示した手順により、PC10は、ユーザがアプリケーション101に対して行う印刷指示に応じて画像処理装置20に印刷を実行させると共に、その実行前にプレビュー画面300においてユーザに設定内容を確認させ、必要に応じて修正させることができる。
以下、この手順における各部の動作及びその際に用いるデータについて、より詳細に説明する。
まず図8に、機能の制限を解除したプレビュー画面を表示する場合の動作を示す。なお、後に述べる機能の制限を解除しないプレビュー画面を表示する場合の動作も、多くは図8の動作と共通である。
図8の場合、アプリケーション101は、ユーザから印刷設定画面の表示指示を受け付けると(S101)、プリンタドライバ110のUI部111に対し、印刷設定要求を行う(S102)。これを受けたUI部111は、機能制限ありのドライバ画面をディスプレイに表示させ、印刷設定の操作を受け付ける(S103)。そして、ユーザが設定内容を確定させると、その設定結果をアプリケーション101に応答し(S104)、アプリケーション101はその設定結果を保持する。
次に、アプリケーション101がユーザから印刷実行指示を受け付けると(S105)、アプリケーション101は、プリンタドライバ110の描画部120に対し、図8には示していないGDI102を介して、印刷要求を行うと共に印刷内容のデータを渡す(S106)。
描画部120は、これに応じてJOB_INFO_2構造体に含まれるpParametersの値を確認するが、この時点では、印刷を実行すべきタイミングでないことを示す、値無しの状態となっている(S107)。そこで、描画部120は印刷を実行しない旨をアプリケーション101へ応答する(S108)。なおこのとき、描画部120は、pParametersの値の確認を1回行った旨の情報を保持しておく。また、ステップS106で渡された印刷内容のデータも保持しておく。
また、ステップS107におけるpParametersの値の確認は、Windows(登録商標)のAPIで提供される、図9に示すGetjob関数を利用して行うことができる。ここでは、第4引数pJobに、JOB_INFO_2構造体のポインタを入れて、JOB_INFO_2構造体中のpParametersに対して値の書き込みを行う。
また、アプリケーション101は、印刷内容のデータの送信を完了すると、図6には示していないGDI102を介して、プリンタドライバのUI部111に、印刷終了通知を渡す(S109)。UI部111は、これを受けると、プレビューモジュール130のUI部131に対し、プレビュー画面の立ち上げを要求する(S110)。
これを受けたUI部131は、要求に対する応答を返しつつ(S111)、ステップS113以下の、プレビュー画面の立ち上げに関する動作を行う。また、プリンタドライバ110のUI部111は、ステップS111での応答に応じて、印刷終了通知に対する応答をアプリケーション101へ返す(S112)。
一方、UI部131は、Setjob関数を用いて、JOB_INFO_2構造体に含まれるパラメータpParametersに、印刷を実行すべきタイミングであること示す情報の設定を試みる(S113)。
Setjob関数は、Windows(登録商標)のAPIで用意された関数であり、図10に示す構造を持つ。そして、書き込みたいパラメータに対するポインタを第4引数pJobに入れることで、所望のパラメータに所望の値を書き込むことができる。ここでは、第4引数pJobに、JOB_INFO_2構造体のポインタを入れて、JOB_INFO_2構造体中のpParametersに対して値の書き込みを行う。
なお、JOB_INFO_2構造体は、図11に示すデータ構造を持つ。
ここで、Setjob関数は、画像処理装置20に印刷(ジョブ)を実行させようとしているユーザが、その画像処理装置20について「このプリンタの管理」の権限を持っている場合にのみ実行可能である。従って、ステップS113におけるSetjob関数の実行可否により、「このプリンタの管理」の権限有無を判断することができる。
この例では、ステップS113の設定が成功したとする(S114)。すると、UI部131は、この判断に応じ、機能の利用の制限を解除した図4に示したようなプレビュー画面300をディスプレイに表示させ、印刷設定の変更を受け付ける(S115)。プレビュー画面300の表示に必要なプレビュー画像302及び現在の設定内容は、ここでは図示を省略したが、プリンタドライバ110のUI部111又は連携部112から取得する。
また、UI部131は、プレビュー画面300にて印刷設定が確定されると、その内容をプリンタドライバ110のUI部111に渡して、現在の設定内容として登録させる(S116)。その後、プリンタドライバ110の描画部120に対し、図8には示していないGDI102を介して印刷要求を行う(S117)。
描画部120は、これに応じてJOB_INFO_2構造体に含まれるpParametersの値を確認するが、この時点では、ステップS113により印刷を実行すべきタイミングであることを示す情報が書き込まれている(S118)。そこで、描画部120は、印刷を実行すべきタイミングであると判断し、ステップS106で渡され、保持しておいた印刷内容のデータと、UI部111がステップS116で登録した現在の設定内容とに基づき、印刷すべき画像を描画して、その内容を示す印刷データを生成し、スプーラ103に供給する(S119)。そして、スプーラ103がその印刷データを画像処理装置20に送信して印刷を実行させる。
次に図12に、機能の制限を解除しないプレビュー画面を表示する場合の動作を示す。
この動作において、ステップS131乃至S143は、図8のステップS101乃至S113と共通である。
ただし、機能の制限を解除しないプレビュー画面を表示するのは、画像処理装置20に印刷を実行させるようとしているユーザが、その画像処理装置20について「このプリンタの管理」の権限を持っていない場合である。そして、このような場合には、ステップS143におけるSetjob関数の実行は適切な権限がないため失敗する(S144)。
すると、UI部131は、この判断に応じ、機能の利用の制限を解除しない制限ありの図5に示したようなプレビュー画面300をディスプレイに表示させ、印刷設定の変更を受け付ける(S145)。プレビュー画面300の表示に必要なプレビュー画像302及び現在の設定内容は、図8の場合と同様、プリンタドライバ110のUI部111又は連携部112から取得する。
また、UI部131は、プレビュー画面300にて印刷設定が確定されると、その内容をプリンタドライバ110のUI部111に渡して、現在の設定内容として登録させる(S146)。その後、プリンタドライバ110の描画部120に対し、図8のステップS117と同様に印刷要求を行う(S147)。
描画部120は、これに応じてJOB_INFO_2構造体に含まれるpParametersの値を確認するが、ステップS143での書き込みが失敗しているため、pParametersにはこの時点でも印刷を実行すべきタイミングでないことを示す情報が設定されている(S148)。しかし、今回はpParametersの値の確認が2回目であるので、このことをもって、印刷を実行すべきタイミングであると判断する。なお、この判断の後、pParametersの値の確認回数をリセットする。
そして、図8のステップS119の場合と同様に、印刷すべき画像を描画して、その内容を示す印刷データを生成し、スプーラ103に供給する(S149)。そして、スプーラ103がその印刷データを画像処理装置20に送信して印刷を実行させる。
次に、図13に、図8及び図11に示した動作を実現するための、プレビューモジュール130のUI部131による処理のフローチャートを示す。この処理は、CPU11がUI部131の機能を実現するためのプログラムを実行することにより行うものである。
CPU11は、UI部131がプレビュー画面立ち上げ指示を受け取ったことを検出すると、図13のフローチャートに示す処理を開始する。
この処理において、CPU11はまず、Setjob()関数を用いてJOB_INFO_2構造体のpParameterに印刷を実行すべきタイミングであることを示す値を設定する(S21)。
そして、これが成功した場合(S22のYES)、印刷を実行しようとしているユーザは機能の利用の制限を解除する権限を有していると判断し、制限を解除したプレビュー画面を立ち上げる(S23)。逆に失敗した場合(S22のNO)、印刷を実行しようとしているユーザは機能の利用の制限を解除する権限を有していないと判断し、機能が制限されたプレビュー画面を立ち上げる(S24)。ここでは、権限情報自体は参照していないが、Setjob()関数の実行結果から、権限情報の内容を把握できる。
そして、いずれの場合も、立ち上げたプレビュー画面で設定操作を受け付ける(S25)。
PC10においては、以上の処理を行うことにより、プリンタドライバ110が受け付けた設定内容に従って印刷を実行しようとする場合に、実行を指示したユーザの権限に従い、機能の利用の制限がされた状態又は制限が解除された状態のいずれかで、設定内容の変更を受け付け、その変更後の設定内容に従った印刷を行うことができる。
従って、当初プリンタドライバ110が設定内容を受け付ける場合に一律で機能の利用を制限しておいても、所定の権限を有するユーザは、容易にその制限に縛られない印刷を行うことができる。
また、この権限情報の設定状態を、所定のデータの書き込み動作の成否に基づき判断するようにすれば、権限情報の参照に係る処理を省略でき、ソフトウェアの容量低減や、開発負荷の低減につながる。特に、印刷の実行許可を示す情報の書き込み成否に基づき判断するようにすれば、この観点で高い効果を得ることができる。
また、権限情報として、ユーザ毎や印刷を実行させる装置毎に設定できる権限情報を用いれば、機能の利用の制限解除を、容易かつ柔軟に設定することができる。このとき、「このプリンタの管理」のようにOS(オペレーティングシステム)で設定機能が提供される権限を利用すれば、権限の設定機能を独自に構築する必要がなく、ソフトウェアの容量低減や、開発負荷の低減につながる。
また、プレビュー画面300のように、一旦受け付けた設定に従った処理結果がどのようになるかを実行前に予め確認することは、誤った処理の実行を防止するために、そのこと自体で有用である。また、このときに一旦行った設定を変更できるようにすることも、同様に有用である。従って、制限が解除された状態の設定受付を、プリンタドライバ110による当初の設定受付の際に行うのが難しい場合、プレビュー画面300における設定内容の変更受付時に行うようにすれば、ユーザに、さほどの操作負荷を感じさせることなく、権限に応じた機能の利用制限解除が可能であると考えられる。
以上で実施形態の説明を終了するが、この発明において、各装置やソフトウェアの具体的な構成、処理の内容、操作の手順、データの種類や形式、コマンド、画面の表示内容等は、実施形態で説明したものに限るものではない。
例えば、図13のステップS23で制限を解除したプレビュー画面を表示する場合に、図14に示すように、制限が解除された旨のメッセージをダイアログ311により表示して、ユーザにその旨を通知するようにしてもよい。このようにすれば、ユーザは、プレビュー画面において選択可能な選択肢がドライバ画面と異なる場合でも、不審に思うことなく設定操作を行うことができる。
また、図13のステップS24で機能が制限されたプレビュー画面を表示する場合に、図15に示すように、機能が制限されている旨のメッセージをダイアログ312により表示して、ユーザにその旨を通知するようにしてもよい。このようにすれば、ドライバ画面では設定可能な項目が多くて一見して機能が制限されているか否かわかりづらい場合でも、プレビュー画面では機能が制限されていることが一見して把握できる。
また、機能の制限を解除する場合も、全ての機能について解除することは必須ではなく、一部の機能について解除するようにしてもよい。また、権限に応じて複数段階の解除を可能としてもよい。
このような場合、プレビュー画面300において、図16に示すように、機能が制限されている項目(設定ボタン310)だけでなく、制限が解除された項目(設定ボタン313)についても、ボタンの表示態様を変える等してユーザに通知するとよい。表示態様としては、色、模様、明度、透過率、サイズ等が考えられる。
なお、権限情報の設定状態に従った、機能の利用制限のある又はない設定の受付を行う際に、それと同時に実行結果のプレビューを行うことも必須ではない。設定のみを受け付けるようにしてもよい。
また、上述した実施形態において、権限情報の確認に、Setjob関数を用いる例を説明したが、これに限られないことはもちろんである。権限情報を直接参照することも妨げられない。Setjob関数により書き込むパラメータがpParametersでなくてよいことももちろんである。
また、この発明を、Windows(登録商標)以外のOSを用いる情報処理装置にも適用可能であることはもちろんである。
また、この発明を、印刷以外の処理についての設定受付を行う場合に適用してもよいことはもちろんである。その受付に従って処理を行う装置が画像処理装置でなくてよいことももちろんである。例えば、ネットワーク家電、自動販売機、医療機器、電源装置、空調システム、ガス・水道・電気等の計量システム、自動車、航空機等の装置が行う処理について適用することが考えられる。また、設定の受付も、汎用のPCではなく、これらの装置自身が情報処理装置として機能して行うようにしてもよい。
また、上述した実施形態におけるPC10の機能を、複数の装置に分散して設けてもよい。権限情報をはじめとする、必要な情報を、PC10の外部にある記憶手段に記憶させてもよい。
また、受け付けた設定内容に従って処理を要求する対象も、設定を受け付けた装置から見て外部の装置である必要はなく、内部のプロセス等であってもよい。
また、この発明によるプログラムの実施形態は、上述したプリンタドライバ110及び/又はプレビューモジュール130の機能を実現させるためのプログラムである。
このようなプログラムは、はじめからコンピュータに備えるROM等の記憶手段に格納しておいてもよいが、記録媒体であるCD−ROMあるいはフレキシブルディスク,SRAM,EEPROM,メモリカード等の不揮発性記録媒体(メモリ)に記録して提供することもできる。
さらに、ネットワークに接続され、プログラムを記録した記録媒体を備える外部機器あるいはプログラムを記憶手段に記憶した外部機器からダウンロードして実行させることも可能である。
また、以上説明してきた各実施形態及び変形例の構成は、相互に矛盾しない限り任意に組み合わせて実施可能であることは勿論である。
10:PC、11:CPU、12:ROM、13:RAM、14:通信I/F、15:HDD、16:UI部、17:システムバス、20:画像処理装置、30:ネットワーク、100:OS、101:アプリケーション、102:GDI、103:スプーラ、110:プリンタドライバ、111:UI部、112:連携部、120:描画部、121:描画部、122:印刷確認部、130:プレビューモジュール、131:UI部、132:権限判断部、200:権限設定画面、300:プレビュー画面、301:表示エリア、302:プレビュー画像、303〜307,310,313:設定ボタン、308:OKボタン、309:キャンセルボタン、311,312:ダイアログ、500:ドライバ画面、501:ボタン、502:ポップアップ
特開2010−198206号公報

Claims (9)

  1. (届出書請求項4が発明の本質と思われましたので、ここを基準に文言を上位化しました)
    利用可能な機能の制限された設定受付を行う第1の受付手段と、
    前記第1の受付手段が受け付けた設定に従った処理の実行指示に応じて、所定の権限情報の設定状態に従い、前記利用可能な機能の制限の少なくとも一部を解除した設定受付及び前記利用可能な機能の制限された設定受付のいずれかを行う第2の受付手段と、
    前記第2の受付手段が受け付けた設定に従った処理の要求を行う要求手段とを備えた情報処理装置。
  2. (届出書請求項6を上位化)
    請求項1に記載の情報処理装置であって、
    前記権限情報の設定状態を、所定のデータの書き込み動作の成否に基づき判断することを特徴とする情報処理装置。
  3. (届出書請求項7を上位化)
    請求項2に記載の情報処理装置であって、
    前記所定のデータは、前記第1の受付手段及び前記第2の受付手段が受け付けた設定に従った処理の実行許可を示すデータであることを特徴とする情報処理装置。
  4. (届出書請求項5を上位化)
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
    前記権限情報は、前記第1の受付手段及び前記第2の受付手段が受け付けた設定に従った処理を実行させる装置について、装置毎に定められた権限情報であることを特徴とする情報処理装置。
  5. (届出書の課題の記載に対応)
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
    前記権限情報は、ユーザ毎に定められた権限情報であることを特徴とする情報処理装置。
  6. (プレビューを限定)
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
    前記第2の受付手段は、前記第1の受付手段が受け付けた設定に従った処理の実行結果のプレビューを表示しつつ、前記第1の受付手段が受け付けた設定の変更を受け付ける手段であることを特徴とする情報処理装置。
  7. (届出書請求項8)
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
    前記第2の受付手段は、前記利用可能な機能の制限の少なくとも一部を解除した設定受付を行う場合に、制限が解除された旨をユーザに通知する通知手段を備えることを特徴とする情報処理装置。
  8. コンピュータを請求項1乃至7のいずれか一項に記載の情報処理装置として機能させるためのプログラム。
  9. 請求項8に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9176691B2 (en) 2013-06-04 2015-11-03 Ricoh Company, Ltd. Output control device and output control method

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