JP2014038361A - 光ファイバ融着接続機 - Google Patents

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Abstract

【課題】光ファイバの融着接続の作業性向上を実現できる融着接続機の提供。
【解決手段】光ファイバ9同士を融着接続する加熱融着部24Aの左右両側に、光ファイバ9の被覆部を把持固定する被覆クランプ50と、被覆クランプ50のクランプ上部材52がクランプ下部材51に対して閉じられたことを検知するファイバ装着作業検知器31とを備え、開閉可能であり閉じたときに加熱融着部24Aを覆う風防カバーが開いている状態において、ファイバ装着作業検知器31からの検知信号に基づいて風防カバーを動力源で駆動して閉じる動作を行う光ファイバ融着接続機10Aを提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ファイバ融着接続機に関し、特に、光ファイバ同士を加熱して融着接続する加熱融着部を覆う開閉自在の風防カバーを有する光ファイバ融着接続機に関する。
光ファイバ融着接続機としては、左右各1本の光ファイバを一対の電極棒間の放電加熱によって融着接続する装置(単心機)、あるいは複数本の光ファイバ(テープファイバ)を一対の電極棒間の放電加熱によって一括融着接続する装置(多心機)が提供されている。
また、従来の光ファイバ融着接続機(以下、単に融着接続機とも言う)としては、以下のような機能、構成を有するものが広く提供されている(特許文献1)。
(1)光ファイバを2つの照明光源で2方向から照らし、2つのレンズと2つのカメラで、それぞれの方向から光ファイバを2軸で撮像(2軸観察)する(例えば特許文献1)。
(2)一対の電極棒の間にある加熱融着部の両側に、融着接続する光ファイバの先端を一対の電極棒間に位置決め配置するためのV溝を有する。このV溝は、加熱融着部を介して、一対の電極棒が配置されている装置本体上面に沿い、かつ一対の電極棒の間隔方向である前後方向に垂直の左右方向両側に設けられている。
光ファイバとしては、光ファイバ心線、光ファイバ素線等の被覆光ファイバを用いることが多い。光ファイバ(被覆光ファイバ)先端の被覆除去された光ファイバガラス部はV溝上に配置され、上方から光ファイバガラス部をV溝に押し付けるためのファイバクランプ部材によってV溝との間に把持される。左右2本の光ファイバに対応して、V溝とファイバクランプ部材との組は2組設けられる(例えば特許文献1)。
(3)左右の光ファイバの被覆部分を把持するために、装置本体左右方向に可動の被覆クランプを設けるか、またはファイバホルダを左右に1つずつ装置本体左右方向に可動に配置する(例えば特許文献2、3)。
(4)電極棒間に発生する放電は風に対して敏感であり、わずかな風によっても放電の揺らぎが発生する。そこで融着接続機としては、電極棒、V溝、ファイバクランプ部材又は被覆クランプを覆う、開閉可能な風防カバーを設けた構成が提供されている(例えば特許文献1〜3)。風防カバーは、電極棒等を覆うことで、風が一対の電極棒の間の放電部に到達しない密閉構造となっている。
従来の一般的な融着接続機において光ファイバを装着する操作は下記の通りである。
(a)被覆クランプ方式:蓋を閉めて単心光ファイバを挟んで把持する。大型の被覆クランプは様々な被覆径の単心光ファイバを把持することが可能である。
また、被覆クランプは、装置(融着接続機)に取り付けられているため、紛失の恐れがない。
(b)ファイバホルダ方式:融着接続機とは別体のファイバホルダを融着接続機の上に載せる。ファイバホルダは、ベース板と、該ベース板に枢着して開閉可能に設けられた蓋板との間に光ファイバを挟み込んで把持する構成であり、光ファイバを把持した状態で融着接続機に載置される。
ファイバホルダは、被覆除去、切断、融着の各工程で光ファイバの装着が容易である。
しかし、被覆径や心線数に応じて様々な種類のファイバホルダを準備する必要がある。
特許第4382694号公報 特許第3761192号公報 特開2003−167151号公報
従来の融着接続機の風防カバーは、手動で開閉操作可能な1又は複数のカバー部材によって構成されていることが一般的である。融着接続機を用いて光ファイバの融着接続作業を行なうには、風防カバーを手動で開け閉めする。
すなわち、従来の融着接続機を用いた光ファイバの融着接続作業は、まず、風防カバーを開いた状態として、融着接続機に光ファイバを装着する。被覆クランプ方式の融着接続機の場合は、被覆クランプに光ファイバを挟み込む。ファイバホルダ方式の融着接続機の場合は、光ファイバを挟み込んだファイバホルダを融着接続機に載せる。融着接続機への光ファイバの装着が完了したら風防カバーを閉じ、次いで、融着接続機の接続開始スイッチをオン操作する。これにより、光ファイバを所定の位置に前進させ、電極棒間の放電によって、左右の光ファイバを放電しながら接合し、融着接続される。電極棒間の放電は所定時間行なわれた後、自動で停止し、接続部の検査を行う。融着接続の完了後、風防カバーを開いて光ファイバを取り出す。
上述した従来の融着接続機は、融着接続を行なう光ファイバを装着した後、風防カバーを手動で確実に閉じる必要がある。また、従来の融着接続機は、風防カバーが開放された状態において、融着接続する光ファイバの装着時や、融着接続を完了した光ファイバの取り出し時に、風防カバーに光ファイバを引っ掛けて断線させるリスクが高まるため、光ファイバの取り扱いに注意する必要があった。
光ファイバの融着接続作業は、1日に数百本行なうこともある。このため、融着接続機にあっては、光ファイバの融着接続の作業時間の短縮、作業性向上が求められていた。
本発明は、前記課題に鑑みて、光ファイバの融着接続の作業時間の短縮、作業性向上を実現できる融着接続機の提供を目的としている。
上記課題を解決するために、本発明では以下の構成を提供する。
第1の発明は、光ファイバ同士を融着接続する加熱融着部を備えた装置本体と、1又は複数のカバー部材によって前記装置本体に対して開閉自在に構成され、閉じた状態において前記加熱融着部を覆う風防カバーと、前記装置本体の前記加熱融着部を介して左右両側に設けられたファイバ装着部と、左右両側の前記ファイバ装着部にそれぞれ設けられたファイバ装着検知器と、風防カバーを開閉動するための風防開閉動力源とを有し、前記ファイバ装着部は、前記装置本体に設けられて、クランプ下部材と該クランプ下部材に開閉可能に枢着されたクランプ上部材との間に光ファイバの被覆部を把持する被覆クランプであるか、あるいは前記装置本体に設けられて、ベース板と該ベース板に開閉可能に枢着された蓋部材との間に光ファイバの被覆部を把持するファイバホルダが脱着可能に載置されるホルダ載置部であり、前記ファイバ装着検知器は、被覆クランプのクランプ上部材がクランプ下部材に対して閉じられたこと、前記ホルダ載置部にファイバホルダが載置されたこと、被覆クランプのクランプ下部材上に光ファイバが載置されたこと、ファイバホルダに把持固定された光ファイバがホルダ載置部上の所定位置に配置されたこと、のいずれかを検知可能であり、風防カバーが開いている状態において、左右両側のファイバ装着検知器からの検知信号に基づいて風防カバーを前記風防開閉動力源で駆動して閉じる動作を行い、かつ、融着接続を行った後に、前記風防開閉動力源で駆動して風防カバーを開く動作を行うことを特徴とする光ファイバ融着接続機を提供する。
第2の発明は、第1の発明の光ファイバ融着接続機において、前記クランプ下部材は、前記装置本体に設けられたクランプ取り付け台に固定されており、前記ホルダ載置部を兼ねる前記クランプ取り付け台を有し、このクランプ取り付け台に対してファイバホルダと被覆クランプとを選択的に装着可能であり、しかもファイバ装着検知器は、前記被覆クランプのクランプ上部材が前記クランプ取り付け台に固定されたクランプ下部材に対して閉じられたこと、及び前記クランプ取り付け台にファイバホルダが載置されたことを検知可能であることを特徴とする光ファイバ融着接続機を提供する。
第3の発明は、第1又は2の発明の光ファイバ融着接続機において、前記加熱融着部の左右両側に、装置本体に対して左右方向に可動に設けられた可動ステージを、その上に前記被覆クランプが取り付けられる前記クランプ取り付け台、あるいは前記ホルダ載置部として有し、前記可動ステージに前記ファイバ装着検知器が組み付けられていることを特徴とする光ファイバ融着接続機を提供する。
第4の発明は、第1の発明の光ファイバ融着接続機において、左右両側のファイバ装着部と前記加熱融着部との間に配置されて前記加熱融着部の左右両側に設けられた位置決め溝と、前記カバー部材に連結され、前記風防カバーを閉じたときに前記光ファイバを前記位置決め溝に押さえ込むファイバクランプ部材とをさらに備え、風防カバーは動力源によって可動する2つ以上のカバー部材から構成され、閉じた状態において、前記加熱融着部と、左右両側の位置決め溝及びファイバクランプ部材と、左右両側のホルダ載置部に載置されたファイバホルダあるいは被覆クランプとを覆い、1以上のカバー部材が、装置本体上面に沿って配置された回転軸を中心に回転開閉する回転カバー部材であり、該回転カバー部材は90度を超える回転動作範囲が確保され、前記ファイバクランプ部材は、前記回転カバー部材の内側に設けられ且つ前記回転カバー部材に対して切り離し可能に連結されたクランプアームと連結され、前記回転カバー部材の開閉に連動して位置決め溝に対して開閉することを特徴とする光ファイバ融着接続機を提供する。
第5の発明は、第1、3、4のいずれか1つの発明の光ファイバ融着接続機において、前記風防カバーの開閉動作用の動力源が、電磁力によって動力を発生するものであり、電動モータ、電磁石、ソレノイドから選択される1又は複数であることを特徴とする光ファイバ融着接続機を提供する。
第6の発明は、第5の発明の光ファイバ融着接続機において、ファイバクランプ部材が連結されたカバー部材の開閉動作は、閉じる場合は閉じ始めを速い速度で、閉じ終わりを閉じ始めに比べてゆっくりとした速度で駆動することを特徴とする光ファイバ融着接続機を提供する。
第7の発明は、第4の発明の光ファイバ融着接続機において、風防カバーが前後2つの回転カバー部材に分割されていることを特徴とする光ファイバ融着接続機を提供する。
第8の発明は、第7の発明の光ファイバ融着接続機において、分割された2つの回転カバー部材のそれぞれの内側に、光ファイバをカメラで撮像する際の光照射用の撮像用光源が配置されていることを特徴とする光ファイバ融着接続機を提供する。
第9の発明は、第4、7、8のいずれか1つの発明の光ファイバ融着接続機において、前記装置本体上に、前記位置決め溝が上面に形成された溝形成基板を有し、前記回転カバー部材の回転軸の軸線が、前記溝形成基板の上面と概ね同一平面上に配置されていることを特徴とする光ファイバ融着接続機を提供する。
第10の発明は、第1〜9のいずれか1つの発明の光ファイバ融着接続機において、風防カバーが開いている状態において、ファイバ装着検知器からの検知信号が左右両側とも無検知から左右両側とも検知に遷移していった場合に、風防カバーの前記閉動作および前記開動作を行うことを特徴とする光ファイバ融着接続機を提供する。
第11の発明は、光ファイバ同士を融着接続する加熱融着部を備えた装置本体と、1又は複数のカバー部材によって前記装置本体に対して開閉自在に構成され、閉じた状態において前記加熱融着部を覆う風防カバーと、前記装置本体の前記加熱融着部を介して左右両側に設けられたファイバ装着部と、左右両側の前記ファイバ装着部の加熱融着部とは反対の側にそれぞれ設けられて手指を検知する指検知器と、風防カバーを開閉動するための風防開閉動力源と、指検知器からの検知信号に基づいて風防開閉動力源の駆動を制御する駆動制御装置とを有し、前記ファイバ装着部は、前記装置本体に設けられて、クランプ下部材と該クランプ下部材に開閉可能に枢着されたクランプ上部材との間に光ファイバの被覆部を把持する被覆クランプであるか、あるいは前記装置本体に設けられて、ベース板と該ベース板に開閉可能に枢着された蓋部材との間に光ファイバの被覆部を把持するファイバホルダが脱着可能に載置されるホルダ載置部であり、風防カバーが開いている状態において、左右両側の指検知器からの検知信号に基づいて風防カバーを前記風防開閉動力源で駆動して閉じる動作を行い、かつ、融着接続を行った後に、前記風防開閉動力源で駆動して風防カバーを開く動作を行うことを特徴とする光ファイバ融着接続機を提供する。
第12の発明は、光ファイバ同士を融着接続する加熱融着部を備えた装置本体と、1又は複数のカバー部材によって前記装置本体に対して開閉自在に構成され、閉じた状態において前記加熱融着部を覆う風防カバーと、前記装置本体の前記加熱融着部を介して左右両側に設けられたファイバ装着部と、左右両側の前記ファイバ装着部にそれぞれ設けられたファイバ装着検知器と、風防カバーを開閉動するための風防開閉動力源と、手動操作によって動作開始指令を入力するための動作指令入力操作部とを有し、前記ファイバ装着部は、前記装置本体に設けられて、クランプ下部材と該クランプ下部材に開閉可能に枢着されたクランプ上部材との間に光ファイバの被覆部を把持する被覆クランプであるか、あるいは前記装置本体に設けられて、ベース板と該ベース板に開閉可能に枢着された蓋部材との間に光ファイバの被覆部を把持するファイバホルダが脱着可能に載置されるホルダ載置部であり、前記ファイバ装着検知器は、被覆クランプのクランプ上部材がクランプ下部材に対して閉じられたこと、前記ホルダ載置部にファイバホルダが載置されたこと、被覆クランプのクランプ下部材上に光ファイバが載置されたこと、ファイバホルダに把持固定された光ファイバがホルダ載置部上の所定位置に配置されたこと、のいずれかを検知可能であり、風防カバーが開いている状態において、左右両側のファイバ装着検知器からの検知信号と前記動作指令入力操作部からの動作開始指令の入力とに基づいて風防カバーを前記風防開閉動力源で駆動して閉じる動作を行い、かつ、融着接続を行った後に、前記風防開閉動力源で駆動して風防カバーを開く動作を行うことを特徴とする光ファイバ融着接続機を提供する。
第13の発明は、光ファイバ同士を融着接続する加熱融着部を備えた装置本体と、1又は複数のカバー部材によって前記装置本体に対して開閉自在に構成され、閉じた状態において前記加熱融着部を覆う風防カバーと、前記装置本体の前記加熱融着部を介して左右両側に設けられたファイバ装着部と、左右両側の前記ファイバ装着部の加熱融着部とは反対の側にそれぞれ設けられて手指を検知する指検知器と、風防カバーを開閉動するための風防開閉動力源とを有し、前記ファイバ装着部は、前記装置本体に設けられて、クランプ下部材と該クランプ下部材に開閉可能に枢着されたクランプ上部材との間に光ファイバの被覆部を把持する被覆クランプであるか、あるいは前記装置本体に設けられて、ベース板と該ベース板に開閉可能に枢着された蓋部材との間に光ファイバの被覆部を把持するファイバホルダが脱着可能に載置されるホルダ載置部であり、風防カバーが開いている状態において、左右両側の指検知器からの検知信号と動作指令入力操作部からの動作開始指令の入力とに基づいて風防カバーを前記風防開閉動力源で駆動して閉じる動作を行い、かつ、融着接続を行った後に、前記風防開閉動力源で駆動して風防カバーを開く動作を行うことを特徴とする光ファイバ融着接続機を提供する。
第14の発明は、第11の発明の光ファイバ融着接続機において、風防カバーが開いている状態において、指検知器からの検知信号が左右両側とも無検知から左右両側とも検知に遷移し、その後に左右両側とも無検知に遷移していった場合に、風防カバーの前記閉動作および前記開動作を行うことを特徴とする光ファイバ融着接続機を提供する。
第15の発明は、第12の発明の光ファイバ融着接続機において、風防カバーが開いている状態において、ファイバ装着検知器からの検知信号が左右両側とも無検知から左右両側とも検知に遷移し、さらに動作指令入力操作部から動作開始指令が入力された場合に、風防カバーの前記閉動作および前記開動作を行うことを特徴とする光ファイバ融着接続機を提供する。
第16の発明は、第13の発明の光ファイバ融着接続機において、風防カバーが開いている状態において、指検知器からの検知信号が左右両側とも無検知から左右両側とも検知に遷移し、その後に左右両側とも無検知に遷移し、さらに動作指令入力操作部から動作開始指令が入力された場合に、風防カバーの前記閉動作および前記開動作を行うことを特徴とする光ファイバ融着接続機を提供する。
第17の発明は、第1〜16のいずれか1つの発明の光ファイバ融着接続機において、風防カバーの開閉状態を検知する風防カバー検知器をさらに備えることを特徴とする光ファイバ融着接続機を提供する。
第18の発明は、第1〜17のいずれか1つの発明の光ファイバ融着接続機において、前記風防カバーは2つ以上のカバー部材によって構成され、1以上のカバー部材が、装置本体上面に沿って配置された回転軸を中心に回転開閉する回転カバー部材であり、前記装置本体上端部に、開いた状態の回転カバー部材を収容するカバー部材収容溝が前記装置本体上面から窪んで形成されていることを特徴とする光ファイバ融着接続機を提供する。
第19の発明は、第4、7、8、9、18のいずれか1つの発明の光ファイバ融着接続機において、開いた状態のカバー部材が前記装置本体の平面視外側に突出しないことを特徴とする光ファイバ融着接続機を提供する。
本発明によれば、風防カバーを構成するカバー部材の開閉操作を自動で確実に行えるため、光ファイバの融着接続の作業時間の短縮、作業性向上を実現できる。
本発明の1実施形態の光ファイバ融着接続機の構成を略解的に示す正面図であり、加熱融着部の左右両側に被覆クランプを配置した構成の融着接続機を示す図である。 本発明の1実施形態の光ファイバ融着接続機の構成を略解的に示す正面図であり、加熱融着部の左右両側の可動ステージ上にファイバホルダが脱着可能に配置される構成の融着接続機を示す図である。 図1の光ファイバ融着接続機を示す全体側面図(右側面図)であり、風防カバーを閉じた状態を示す図である。 図1の光ファイバ融着接続機を示す全体側面図(右側面図)であり、風防カバーを開いた状態を示す図である。 図1の光ファイバ融着接続機の風防カバー付近の構造を略解的に示す側断面図(右側断面図)であり、風防カバーを閉じた状態を示す図である。 図1の光ファイバ融着接続機の風防カバー付近の構造を略解的に示す側断面図(右側断面図)であり、風防カバーを開いた状態を示す図である。 図2の光ファイバ融着接続機を略解的に示す平面図であり、風防カバーを閉じた状態を示す図である。 図2の光ファイバ融着接続機を略解的に示す平面図であり、風防カバーを開いた状態を示す図である。 図2の光ファイバ融着接続機の可動ステージにファイバ装着検知器、位置決めピンを取り付けた可動ユニットの具体例を略解的に示す斜視図である。 図2の光ファイバ融着接続機の両側の可動ステージ上に、延長レバーが突設されたクランプ上部材を有する被覆クランプを取り付けて、クランプ付き可動ステージを組み立てた構成の光ファイバ融着接続機の1例を略解的に示す正面図である。 図10の光ファイバ融着接続機のクランプ付き可動ステージを説明する側面図(右側面図)である。 図11のクランプ付き可動ステージを説明する図であって、(a)はクランプ上部材の延長レバー付近を示す平面図、(b)はクランプ下部材の切り欠き部付近を示す平面図である。 図1の光ファイバ融着接続機の風防カバーを示す図であって、一対のカバー部材の片方のみを手動で開いた状態を示す右側面図である。 固定カバー部材を設けた風防カバーの一例を略解的に説明する側断面図(右側断面図)であり、風防カバーを閉じた状態を示す図である。 固定カバー部材を設けた風防カバーの一例を略解的に説明する側断面図(右側断面図)であり、風防カバーを開いた状態を示す図である。 図14の風防カバーを略解的に示す平面図である。 図15の風防カバーを略解的に示す平面図である。 図14、図15の風防カバーの固定カバー部材を示す図であり、(a)は固定カバー本体側から見た斜視図、(b)は内側カバー部側から見た斜視図である。 回転カバー部材とスライドカバー部材とで構成された風防カバーを有する融着接続機の一例を示す側断面図(右側断面図)であり、回転カバー部材とスライドカバー部材とを互いに閉じ合わせた状態を示す。 回転カバー部材とスライドカバー部材とで構成された風防カバーを有する融着接続機の一例を示す側断面図(右側断面図)であり、回転カバー部材に対してスライドカバー部材を開いた状態を示す。 3つのカバー部材に3分割した構成の風防カバーを有する融着接続機の一例を略解的に示す平面図である。 風防カバーの閉じ操作による光ファイバの損傷を示すグラフである。 図1の光ファイバ融着接続機の別態様であり、ファイバ装着検知器の検知器本体を可動ステージ内に組み込んだ態様を略解的に説明する正面図である。 図2の光ファイバ融着接続機の別態様であり、ファイバ装着検知器の検知器本体を可動ステージ内に組み込んだ態様を略解的に説明する正面図である。 ステージ押圧押圧部材と可動ステージとの関係を説明する図であって、(a)は左右両側の被覆クランプでの光ファイバの把持固定を完了した状態、(b)は融着接続動作を完了した状態、(c)は接続部引張検査を説明する図である。 本発明に係る実施形態の融着接続機の1例を示す図であり、左右両側の可動ステージに、該被覆クランプのクランプ下部材上に載置した光ファイバを検知するクランプ用ファイバ検知器を設けた構成の融着接続機を略解的に示す正面図である。 本発明に係る実施形態の融着接続機の1例を示す図であり、左右両側の可動ステージに、ファイバホルダに把持固定された光ファイバを検知するホルダ用ファイバ検知器を設けた構成の融着接続機を略解的に示す正面図である。 本発明に係る実施形態の融着接続機の1例を示す図であり、左右両側に、被覆クランプと、指検知器とを設けた構成の融着接続機を略解的に示す正面図である。 本発明に係る実施形態の融着接続機の1例を示す図であり、左右両側に、ファイバホルダを載置するホルダ載置台として機能する可動ステージと、指検知器とを設けた構成の融着接続機を略解的に示す正面図である。 動作指令入力操作部を設けた構成の融着接続機の例を示す側面図であり、風防カバーを閉じた状態を示す図である。 動作指令入力操作部を設けた構成の融着接続機の例を示す側面図であり、風防カバーを開いた状態を示す図である。
以下、本発明の1実施形態の光ファイバ融着接続機(以下、単に融着接続機とも言う)について、図面を参照して説明する。
図1はこの融着接続機10の一例を示す。
図1に示す融着接続機10(図中符号10Aを付記する)は、光ファイバ9同士を融着接続する装置である。図1において、この融着接続機10Aによって融着接続する一対の光ファイバ9の一方に符号91、他方に符号92を付記する。
ここで例示する光ファイバ9としては、光ファイバ心線、光ファイバ素線等の、光ファイバガラス部9a(裸光ファイバ)の外周に合成樹脂製の被覆材9c(コーティング被覆)が被着、一体化された構成の被覆光ファイバを用いる。
図1、図3〜図6に示すように、この融着接続機10Aは、外観箱形の装置本体20上に、光ファイバ91、92の先端同士を加熱融着するための一対の電極棒24と、一対の電極棒24の互いに対向する先端間の領域(空間)である放電部24aの両側に設けられた一対の可動ステージ22と、各可動ステージ22上にひとつずつ取り付けられた被覆クランプ50と、光ファイバ91、92の位置決め用の位置決め溝23aが形成された一対の溝形成基板23と、風防カバー60とを有する。
可動ステージ22は、被覆クランプ50(具体的には後述のクランプ下部材51)を取り付けるためのクランプ取り付け台として機能する。
図3〜図6に示すように、一対の電極棒24は互いに離隔させて設けられている。
放電部24aは、放電部24aを介して対向する一対の電極棒24の先細りの先端間の放電によって、光ファイバ91、92の先端同士を加熱、融着する加熱融着部24Aを構成する。
一対の可動ステージ22の間隔方向は、一対の電極棒24の間隔方向に直交している。
本明細書においては、融着接続機10Aについて、一対の可動ステージ22の間隔方向(図1、図2の左右方向、図3〜図6の紙面奥行き方向、図7、図8の上下方向)を左右方向、一対の電極棒24の間隔方向(図1、図2の紙面奥行き方向、図3〜図8の左右方向)を前後方向として説明する。
また、融着接続機10の前後は、図3、図4に示すように装置本体20上に前後方向に互いに離隔して設けられたスイッチ台11及び補強スリーブ加熱器12のうち、スイッチ台11側(図3、図4において左側)を前、補強スリーブ加熱器12側(図3、図4において右側)を後として説明する。図5〜図8においては、左側が前、右側が後である。
また、図1〜図6、図9〜図11については上側を上、下側を下、図7、図8、図12(a)、(b)については紙面手前側を上、紙面奥側を下として説明する。
可動ステージ22は、装置本体20に組み込まれた図示略の動力源(ステージ用動力源)の駆動力によって、装置本体20に対して左右方向に移動可能となっている。
なお、ステージ用動力源としては、電磁力によって駆動して動力を発生するものが好ましく、例えば電動モータ、電磁石、ソレノイド等を好適に採用できる。
被覆クランプ50は、可動ステージ22上に固定されたクランプ下部材51と、このクランプ下部材51の上面51aに対して開閉自在に設けられ、クランプ下部材51との間に光ファイバ9を把持固定するクランプ上部材52とを有する。この被覆クランプ50の具体的態様としては、例えば、可動ステージ22上に固定された板状のクランプ下部材51と、このクランプ下部材51に枢着されてクランプ下部材上面51aに対して開閉自在に設けられた板状のクランプ上部材52との間に光ファイバ9を把持固定する構成のものを挙げることができる。
被覆クランプ50としては、クランプ上部材52がクランプ下部材上面51aに対する昇降方向の移動によってクランプ下部材51に対して開閉して、クランプ下部材51との間での光ファイバ9の把持と、把持解除とを切り替え可能な構成のものを採用できる。
被覆クランプ50は、クランプ下部材51とクランプ上部材52との間に、光ファイバ9における光ファイバガラス部9a外周が被覆材9cによって覆われた部分である被覆部9dを把持固定する。
光ファイバ9は被覆クランプ50に把持固定されることで、融着接続機10Aに装着されることとなる。被覆クランプ50は、融着接続機10Aに光ファイバ9を装着するためのファイバ装着部として機能する。
この実施形態の融着接続機10Aの被覆クランプ50は、クランプ上部材52のクランプ下部材51に対する開閉を、作業者が直接手指でクランプ上部材52を操作して手動で行える構成のものである。
また、被覆クランプ50は、クランプ下部材51との間に光ファイバ9を把持したクランプ上部材52を保持して光ファイバ9の把持固定状態を維持するための上部材保持手段(図示略)を有する。この上部材保持手段としては、例えば、クランプ下部材51に組み込んだ永久磁石によってクランプ上部材52の金属部を磁気吸着する構成や、手動で係合解除操作可能な係合爪を利用したものなど、手動でクランプ上部材52をクランプ下部材51に閉じるだけでクランプ上部材52の保持状態を実現でき、かつ手動で保持を解除できる構成のものを好適に採用できる。この上部材保持手段としては、融着接続機の被覆クランプについて従来周知のものを採用できる。
融着接続機10Aを用いて光ファイバ91、92同士を融着接続する作業では、図4、図6に示すように風防カバ−60を開いた状態で、被覆クランプ50のクランプ上部材52を手動で開閉操作して、クランプ下部材51とクランプ上部材52との間に光ファイバ9(被覆部9d)を挟み込む。ここで、被覆クランプ50に把持固定する光ファイバ9としては、予めその先端部の被覆材9cを除去して光ファイバガラス部9aを露出させたものを用いる。また、光ファイバ9は、被覆クランプ50から放電部24a側に突出する突出部9bを確保して被覆クランプ50に把持固定する。
図1に示すように、融着接続機10Aの溝形成基板23は、放電部24aとその左右両側の可動ステージ22との間にひとつずつ設けられている。
光ファイバ9は、被覆クランプ50に把持固定する際に、被覆クランプからの突出部9bにおいて被覆が除去された光ファイバガラス部9aを溝形成基板23上の位置決め溝23aに載置する。また、光ファイバ9は、左右両側の被覆クランプ50にそれぞれ光ファイバ9を把持固定したときに各光ファイバ9の光ファイバガラス部9a先端が若干のクリアランスを介して対向配置されるように、被覆クランプからの突出部9bの長さを調整しながら光ファイバ9を被覆クランプへ配置して把持固定する。
また、光ファイバガラス部9aの被覆除去長は、可動ステージ22を待機位置から前進させて前進限界位置(後述)に到達するまでの間に、その先端同士を互いに融着接続可能な位置に配置可能な範囲に事前に長さが調整されている。
左右両側の溝形成基板23は、被覆クランプ50に把持固定して融着接続機10Aに装着した一対の光ファイバ91、92先端(具体的には光ファイバガラス部9a先端)を、位置決め溝23aによって、接続機左右方向の同一直線(仮想直線)に高精度に位置合わせする機能を果たす。
溝形成基板23の位置決め溝23aは、装置本体20上に固定して設けられた溝形成基板23に、その上面23b(基板上面)から窪んで形成された溝である。位置決め溝23aは、接続機左右方向に沿って延在形成されている。
図5、図6に示すように、図示例の融着接続機10Aの溝形成基板23の位置決め溝23aはV溝である。但し、位置決め溝23aとしては、光ファイバ9先端部に露出させた光ファイバガラス部9aを高精度に位置決め可能なものであれば良く、V溝に限定されない。位置決め溝23aとしては、例えば丸溝(断面半円状の溝)、U溝、台形溝等も採用可能である。
なお、融着接続機10Aの溝形成基板23は、放電加熱の熱に耐えるために通常はセラミック製である。光ファイバの軸調心機構を持つ装置においては、左右各々の溝形成基板23を左右の光ファイバ軸調心機構の上にそれぞれ固定する。一方、光ファイバの軸調心機構を持たない融着接続機の場合、溝形成基板23を装置本体20の上面21に直接固定しても良い。
図3〜図6に示すように、風防カバー60は、装置本体20の上面21に沿って設けられた回転軸61a、62aを介して装置本体20に回転可能に枢着された一対のカバー部材61、62によって構成されている。この風防カバー60は、一対のカバー部材61、62の装置本体20に対する回転によって開閉される。一方のカバー部材61は装置本体に組み込まれた動力源63aの駆動力によって装置本体20に対して回転される。他方のカバー部材62は、別の動力源63bの駆動力によって、一方のカバー部材61に対して独立して回転を行う。
図示例の動力源63a、63bは、具体的には電動モータである。
但し、カバー部材61、62を装置本体20に対して回転駆動するための動力源63a、63bとしては、電動モータに限定されない。この動力源63a、63bとしては、電磁力によって駆動して動力を発生するものが好ましく、既述の電動モータの他、例えば電磁石、ソレノイド等も採用可能である。
この融着接続機10Aにおいて可動ステージ22は、接続機左右方向に移動することで、待機位置(後退限界位置)と、可動ステージ22が溝形成基板23とファイバクランプ部材25に接触する手前の前進限界位置までの範囲を、移動することが可能である。
可動ステージ22を移動したとき、可動ステージ22にクランプ下部材51を固定して取り付けた被覆クランプ50も可動ステージ22とともに移動する。被覆クランプ50は、可動ステージ22の移動によって、待機位置(後退限界位置)と、可動ステージ22が溝形成基板23とファイバクランプ部材25に接触する手前の前進限界位置までの範囲を、移動することが可能である。
被覆クランプ50に光ファイバ9を把持固定する作業は、可動ステージ22が待機位置(図1に示す可動ステージ22の位置)に配置された状態にて行なう。
この融着接続機10Aは、左右両側の被覆クランプ50に光ファイバ9を把持固定した後、一対の可動ステージ22を待機位置から前進限界位置に移動させることで、光ファイバ91、92の光ファイバガラス部9a先端同士を互いに突き合わせることができる。
なお、融着接続機10Aは、例えば、風防カバー60の開閉駆動用の動力源63a、63b(風防開閉用動力源)と、該動力源63a、63bとは別のステージ用動力源とを装置本体20に設けた構成を採用できるが、これに限定されない。
融着接続機10Aとしては、例えば、装置本体20に設けた風防開閉用動力源63a、63bが左右それぞれのステージ用動力源を兼ねる構成も採用可能である。
図1に示すように、被覆クランプ50のクランプ下部材51は、可動ステージ22の上面22aに当接させ該上面22aに沿わせて可動ステージ22に取り付けられている。
図示例の可動ステージ22の上面22aは、接続機左右方向において、放電部24aとは反対の側から放電部24aに向かって斜め下方へ傾斜して形成されている。被覆クランプ50のそれぞれ板状のクランプ下部材51及びクランプ上部材52は、可動ステージ上面22aに沿って、放電部24aに接近するにしたがって下方に位置するように傾斜して配置されている。
この融着接続機10Aは、光ファイバ9を被覆クランプ50に把持固定することで、光ファイバ9の被覆クランプ50からの突出部9b先端の光ファイバガラス部9aを、溝形成基板23上の位置決め溝23aに押し付けるようにして載置できる。
図1に示すように、融着接続機10Aは、被覆クランプ50のクランプ下部材51に対して開いた状態のクランプ上部材52がクランプ下部材51に閉じられたことを検知する検知器31(以下、クランプ閉じ検知器とも言う)を有する。
このクランプ閉じ検知器31(ファイバ装着検知器)は、可動ステージ22下側に固定された検知器本体31aと、この検知器本体31aから上方に突出されたセンサピン31bとを有する。センサピン31bは、その先端部(上端部)をクランプ下部材51の上面51aよりも上側に突出させて設けられている。
このクランプ閉じ検知器31の検知器本体31aは、可動部への配線を避けるため、左右両側の可動ステージ22の下部に配置されている。
先端部がクランプ下部材上面51aよりも上側に突出する初期位置にあるセンサピン31bは、検知器本体31aに押し込み操作可能である。
検知器本体31aに押し込み操作されたセンサピン31bは、検知器本体31aへの押し込み力が除かれることで、検知器本体31aに設けられた図示略のスプリングによって初期位置に復帰する。
センサピン31b(初期位置のセンサピン)の先端部は、クランプ下部材51に対して開閉するクランプ上部材52の移動範囲に位置する。
被覆クランプ50のクランプ上部材52は、センサピン31b先端部に接触しないところまで、クランプ下部材51に対して開くことができる。クランプ上部材52は、クランプ下部材51の上面51a上に光ファイバ9を配置するときに、クランプ下部材51に対して開いて、センサピン31b先端部から離隔してセンサピン31b先端部に接触しない位置に配置する。
本明細書においては、クランプ上部材52を、90度以上の開き角で開いた状態を、クランプ上部材52をクランプ下部材51に対して開いた、ものとして説明する。クランプ下部材51に枢着されたクランプ上部材52の場合は、クランプ上部材52がその自重で開いている状態を維持するため、例えば、クランプ下部材上面51aに対して90度以上の角度で開くことができる構成を好適に採用できる。
センサピン31bは、その先端(上端)が、クランプ下部材51に対して開いた状態のクランプ上部材52に接触せずクランプ上部材52から離隔した位置に配置されるように、先端部のクランプ下部材上面51aから上方への突出寸法を設定する。
センサピン31b先端部は、クランプ下部材51に対して開いた状態から閉じる方向に移動したクランプ上部材52が上方から当接可能な位置に配置されている。クランプ上部材52は、クランプ下部材51に対して開いた状態から閉じる過程において、センサピン31bを押圧して検知器本体31aに押し込む。
検知器本体31aは、センサピン31bが初期位置にあるとき、センサピン31bの押し込みを検知していない無検知の状態となっている。クランプ閉じ検知器31は、検知器本体31aがセンサピン31bの押し込みによって無検知状態から検知状態に切り替わったときに、検知器本体31aから取得できる検知信号が無検知から検知に遷移する。融着接続機10Aは、風防開閉用動力源63a、63b及びステージ用動力源を含む、該融着接続機に設けられている全ての動力源の駆動を制御する駆動制御装置を具備し、検知器本体31aから取得される検知信号は駆動制御装置に入力される。
この融着接続機10Aにあっては、クランプ下部材51に対して開いた状態のクランプ上部材52をクランプ下部材51に閉じたときに、クランプ閉じ検知器31の検知器本体31aがセンサピン31bの押し込みによって無検知状態から検知状態に切り替わるようになっている。したがって、この融着接続機10Aは、クランプ閉じ検知器31の検知器本体31aから取得される検知信号が無検知から検知に遷移することで、クランプ下部材51に対して開いた状態のクランプ上部材52がクランプ下部材51に閉じられたことを検知(具体的には駆動制御装置が検知)できる。このため、この融着接続機10Aは、例えば、クランプ下部材51に対して開いた状態のクランプ上部材52をクランプ下部材51に閉じて被覆クランプ50に光ファイバ9を把持固定(融着接続機に光ファイバを装着)するとき、クランプ閉じ検知器31の検知器本体31aから取得される検知信号が無検知から検知に遷移することで、被覆クランプ50による光ファイバ9の把持固定が完了したことを検知できる。
一方、この融着接続機10Aは、クランプ閉じ検知器31の検知器本体31aから取得される検知信号が検知から無検知に遷移することで、クランプ下部材51に対して閉じた状態のクランプ上部材52がクランプ下部材51に対して開かれたことを検知(具体的には駆動制御装置が検知)できる。
クランプ閉じ検知器31としては、検知器本体31aから取得される検知信号の種類、あるいは検知器本体31aからの検知信号の取得状態が検知状態と無検知状態とで互いに異なっている構成であれば良く、その具体的構成には特には限定は無い。クランプ閉じ検知器31の検知器本体31aとしては、例えば、無検知状態にあるときに無検知時出力信号を出力し、検知状態にあるときに無検知時出力信号とは異なる信号(検知時出力信号)を出力するもの(検知状態と無検知状態とで互いに異なる検知信号の取得が可能なもの)を挙げることができる。
また、検知器本体31aとしては、この他、例えば、検知状態にあるときのみ信号(検知時出力信号)を出力(信号の出力が無い状態が「検知信号が無検知」に相当する)するもの、無検知状態にあるときのみ信号(無検知時出力信号)を出力(信号の出力が無い状態が「検知信号が無検知」に相当する)するもの、等も採用可能である。検知状態と無検知状態とで信号の出力の有無が切り替わる構成は、検知器本体31aからの検知信号の取得状態が検知状態と無検知状態とで互いに異なっている構成の1例である。この構成の場合、融着接続機の駆動制御装置は、信号の出力が無い状態を、検知信号が無検知の状態、無検知を示す検知信号を取得したものとして扱う。
検知器本体31aとしては、より具体的には、例えば、検知状態と無検知状態とで電気抵抗あるいは出力電流値が切り替わるもの、検知状態及び無検知状態の一方で電気回路を開き他方で電気回路を閉じるもの(スイッチ)、検知状態と無検知状態とで互いに周波数が異なる電波信号あるいは互いに波長が異なる光信号を出力するもの、等を採用できる。
図1の融着接続機10Aは、左右両側の被覆クランプ50に光ファイバ9を把持固定するとき(風防カバー60は開放されている)、左右両側のクランプ閉じ検知器31(具体的には検知器本体31a)から取得される検知信号が両方とも無検知から検知に遷移していった場合に、風防開閉用動力源63a、63bを駆動して風防カバー60を閉じる動作(風防カバー閉じ動作)を自動で行う。
図5に示すように、一対のカバー部材61,62が閉じ合わされると、溝形成基板23の位置決め溝23a上に載置されている光ファイバ9(光ファイバガラス部9a)が、一対のカバー部材61,62の片方(図示例では符号62の第2カバー部材)の内側に取り付けられているファイバクランプ部材25先端の押圧片25aによって位置決め溝23aの溝底に向かって押さえ込まれる。これにより、光ファイバ9の光ファイバガラス部9aが位置決め溝23aによって高精度に位置決めされる。
なお、ファイバクランプ部材25は、一対のカバー部材61,62の片方(図示例では、第2カバー部材62)のみに設けられており、符号61の第1カバー部材には設けられていない。
この融着接続機は、装置本体20上に風防カバー60の開閉状態を検知するための風防カバー検知器33を有する。
図5、図6に示すように、風防カバー検知器33は、風防カバー60の一対のカバー部材61、62の開閉状態をそれぞれ検知するべく、一対のカバー部材61、62のそれぞれの回転軸61a、62a近傍にひとつずつ配置して、計2つ設けられている。
風防カバー閉じ動作は、一対のカバー部材61、62がそれぞれ、互いに閉じ合わされる閉じ位置に配置されたことを、2つの風防カバー検知器33が検知することで完了する。
風防カバー検知器33は、装置本体20上部に固定された検知器本体33aと、この検知器本体33aからその上方に突出されたセンサピン33bとを有する。センサピン33bは、検知器本体33aに押し込み可能である。
2つの風防カバー検知器33の検知器本体33aは、カバー部材61、62の回転軸61a、62a付近にて装置本体20上部に固定して設けられている。各風防カバー検知器33の検知器本体33aは、装置本体20上部の、一対のカバー部材61、62の回転軸61a、62aの間に位置する領域に固定されている。各風防カバー検知器33のセンサピン33bは、回転軸61a、62a付近に上下方向に延在配置して、両側の回転軸61a、62aの間に設けられている。各風防カバー検知器33のセンサピン33bの先端(上端)は、回転軸61a、62aよりも上側に配置されている。
各風防カバー検知器33は、風防カバー60を閉じたとき、カバー部材61,62の断面アーチ状の主壁部61b、62b(後述)の回転軸61a、62a近傍内面から突出された当接突片60aによって下方へ押圧されたセンサピン33bの検知器本体33aへの押し込みよって、各カバー部材61,62が閉じ位置に配置されたこと検知する。各風防カバー検知器33は、開放状態の風防カバー60を閉じるとき、センサピン33b上端にその上方から、カバー部材61,62の当接突片60aが当接し、この当接突片60aによって下方へ押圧されたセンサピン33bが検知器本体33aに押し込まれる。
また、この融着接続機は、閉じ位置に配置されたカバー部材61,62をそれぞれ回転によって開いたとき、カバー部材61,62の当接突片60aがセンサピン33b上端から離れ、これにより、風防カバー検知器33が無検知の状態となることで、カバー部材61,62が閉じ位置から開方向へ移動(図示例の場合は回転)されたことを把握できる。
風防カバー検知器33のセンサピン33bは、カバー部材が閉じ位置から開かれたときには、検知器本体33aに設けられたスプリングによって検知器本体33aに対して、カバー部材が閉じ位置に配置されていたときに比べて上方へ移動して、検知器本体33aから上方への突出寸法が、閉じ位置に配置されたカバー部材の当接突片60aによる検知器本体33aへの押し込み前に戻る。
2つの風防カバー検知器33は、風防カバー60の一対のカバー部材61,62について、個々に、その開閉を検知できる。
なお、風防カバー検知器33は、図5、図6のみに図示し、他の図面においては図示を省略している。
また、風防カバー検知器としては、風防カバー60の開閉状態を検知可能なものであれば良く、融着接続機の風防カバーの開閉状態の検知に使用されている周知のものを適宜採用できる。
この風防カバー検知器としては、例えば、風防カバーが閉じたことを非接触で検知し(検知状態となる)、風防カバーを構成するカバー部材の1以上が閉じ位置から開方向へ変位していて風防カバーが閉じた状態になっていないときに無検知状態となる磁気センサー等も採用可能である。この磁気センサーの場合は、例えば、風防カバーの全てのカバー部材に磁石あるいは磁性体を設けておき、風防カバーが閉じたときの風防カバーが閉じていないときに対する磁界変化を磁気センサーによって検知する。
風防カバー検知器としては、各カバー部材に通電回路を設け、各カバー部材の通電回路のそれぞれに設けた接触端子部同士の接離に伴う通電回路間の電流変化によって、カバー部材間の開閉を検知する通電センサ等も採用可能である。
また、風防カバー検知器としては、カバー部材のその回転軸の延長上あるいはその周囲に形成された部分(検知用回転部)の回転角度を計測するエンコーダあるいは角度センサ等も採用可能である。エンコーダ、角度センサといった回転角度計測センサの場合は、カバー部材が閉じ位置に配置されたことの検知の他、カバー部材が所定の開放位置に配置されたことの検知が可能であり、さらにカバー部材が前記開放位置と閉じ位置の間にあることの検知も可能である。
また、風防カバー検知器は、カバー部材が閉じ位置に配置されたことの検知に加えて、カバー部材が所定の開放位置に配置されたことを検知するべく、開放位置にも設置しても良い。
風防カバー閉じ動作は、風防カバーが開いている状態において、すなわち風防カバー検知器33が、風防カバーが開いていることを検知している状態で、左右両側のクランプ閉じ検知器31の検知器本体31aが両方とも無検知から検知に切り替わり、駆動制御装置にて両方の検知器本体31aから取得される検知信号が両方とも検知となったとき、あるいは両方の検知器本体31aからの検知信号が両方とも検知となったときから予め設定しておいた待ち時間(例えば数秒間)が経過したときに自動で開始する。この融着接続機10Aは、駆動制御装置にて左右両側のクランプ閉じ検知器31の検知器本体31aから取得される検知信号が両方とも無検知の状態から両方とも検知の状態に遷移した場合に、これがトリガー信号となってファイバ融着・検査動作(後述)を開始する。
上述の待ち時間を経てから風防カバー閉じ動作を行なう構成は、左右両側の検知器31からの検知信号が両方とも検知となった瞬間に風防カバー60を閉める場合に比べて、風防カバーに手を挟んでしまう可能性を低減させることができる。この待ち時間はソフトウェアでユーザが変更可能である。また、待ち時間の間は、例えば警告メッセージをモニタ装置に表示する、LED等のランプ点滅、アラーム音の出力等によって、風防カバーが閉まることへの注意喚起なども行うことができる。
また、融着接続機10Aは、風防カバー閉じ動作の完了後に、光ファイバ接続前検査動作を自動で行ない、次いで、光ファイバ91、92同士(具体的にはその先端に露出させた光ファイバガラス部9a同士)を融着接続する融着接続動作を自動で行なう。
また、融着接続機10Aは、融着接続動作の完了後に接続部検査動作を自動で実行する。
光ファイバ接続前検査動作は、まず、左右両側の可動ステージ22を待機位置から放電部24aに向かって前進させて、待機位置と前進限界位置との間の所定位置(接続前検査位置)に配置する。そして、装置本体20に組み込まれたカメラ71(図5参照)によって光ファイバ91、92の先端部を撮像し、撮像画像を画像処理装置で解析し、光ファイバ91、92の光ファイバガラス部9a先端の端面角度や端面状態を自動計測する。可動V溝を持たない融着接続機の場合は左右光ファイバの軸ずれ量も計測する。計測結果に異常があれば融着接続機はアラームを作業者へ発するが、正常な場合はアラームも無く、作業者が検査完了の操作を行うこともなく次の融着接続動作へ自動で移行する。しかし作業者が目視による端面状態の検査を行う場合は、その撮像した画像をモニタ装置14(図3参照)に表示し、モニタ装置14に表示された撮像画像から、光ファイバ91、92の光ファイバガラス部9a先端の端面状態の良し悪しを作業者が判断する。
この作業者の目視による光ファイバ接続前検査を追加で行う場合は、作業者による、融着接続機(例えばスイッチ台11)に設けられた接続前検査終了ボタン(図示略)の押し込み操作によって終了する。但し、作業者が操作して光ファイバ接続前検査動作を終了させるために融着接続機に設けられる接続前検査終了指令入力部としては、作業者の手指等によって押し込み操作される接続前検査終了ボタンに限定されない。接続前検査終了指令入力部としては、例えば手動で回転操作可能なダイヤル形スイッチや、モニタ装置14に表示した検査終了ボタン等であっても良い。
融着接続機10Aは、光ファイバ接続前検査動作の終了後、融着接続動作へ移行する。
融着接続動作は、一対の電極棒24間に電圧を印加して放電を開始するとともに、左右両側の可動ステージ22を接続前検査位置から前進限界位置に向かって前進させて、左右の被覆クランプ50に把持固定された光ファイバ91、92の先端(具体的にはその先端に露出させた光ファイバガラス部9aの先端)同士を互いに接近させつつ融着接続する。
接続部検査動作では、図5に示すように装置本体20に組み込まれたカメラ71によって融着接続部を撮像し、撮像画像を画像処理装置で解析し、接続された光ファイバ91、92の接続損失を自動計測し、接続状態の異常を自動判定する。計測結果に異常があれば融着接続機はアラームを作業者へ発するが、正常な場合はアラームも無く、作業者が検査完了の操作を行うこともなく次の工程へ自動移行する。しかし作業者が目視による接続部の検査を行う場合は、その撮像した画像をモニタ装置14(図3参照)に表示する。そして、作業者が、モニタ装置14に表示された撮像画像から、光ファイバ91、92同士の融着接続部の状態を観察する。接続部検査動作では、カメラ71が撮像した画像をモニタ装置14に以降の操作(接続部引張検査または光ファイバの融着接続機からの取り出し)が行われるまで表示を継続する。
融着接続機10Aは、接続部検査が完了したら、例えばアラーム音、ランプの点灯、モニタ装置への表示等によって、作業者へ接続部検査の完了を報知する接続部検査完了報知動作を行ってもよい。しかし作業者が目視による接続部の検査を行わない場合は、融着接続機10Aは、接続部検査動作の完了後、風防開閉用動力源63a、63bを駆動して風防カバー60を開く風防カバー開放動作と、接続部引張検査とを自動で行なう。
図25(a)〜(c)に示すように、融着接続機10Aは、ステージ用動力源(図示略)の動力によって放電部24aに向かって進退動されるステージ押圧部材81を左右両側に有している。各ステージ押圧部材81は、融着接続機10Aの左右両側に設けられた押圧部材移動機構82がステージ用動力源の動力によって駆動されることで、押圧部材移動機構82によって放電部24aに向かって進退動される。
そして、融着接続機10Aは、放電部24aに向かって前進させたステージ押圧部材81によって可動ステージ22を前進限界位置とは反対の側から押圧して、可動ステージ22を前進限界位置に向かって前進させる構造となっている。
また、融着接続機10Aは、左右両側の可動ステージ22の間に、両側の可動ステージ22を互いに離隔する方向に弾性付勢するスプリング83(以下、ステージ付勢スプリングとも言う。図示例は圧縮コイルスプリング。)を有している。
図25(a)は、左右両側の被覆クランプ50での光ファイバ9の把持固定を完了したときの状態を示す。このとき、左右両側の可動ステージ22は、ステージ付勢スプリング83の弾性付勢力によって、ステージ押圧部材81に押圧されてそれぞれ待機位置に配置されている。このときのステージ押圧部材81の位置を、以下、押圧部材待機位置とも言う。
左右両側の可動ステージ22は、押圧部材待機位置から前進させたステージ押圧部材81によって押圧することで、待機位置から、ステージ付勢スプリング83を押し縮めながら前進限界位置に向かって前進される。そして、左右両側の可動ステージ22は、光ファイバ接続前検査動作及び融着接続動作を経て、図25(b)の状態に至る。
図25(b)は、融着接続動作を完了した状態を示す。図25(b)において、左右の光ファイバ91、92は、融着接続部9fにて光ファイバガラス部9a同士が融着接続されている。融着接続動作の後の接続部検査動作は、左右のステージ押圧部材81が融着接続動作の完了時の位置を保ったままであり、左右の可動ステージ22も融着接続動作の完了時の位置を保ったままで実行される。
接続部引張検査は、接続部検査動作の完了後、図25(c)に示すように、押圧部材移動機構82の駆動によってステージ押圧部材81を押圧部材待機位置に向かって移動(後退)させることで、ステージ付勢スプリング83の弾性付勢力によって、融着接続部9fに引張荷重を作用させる。図25(c)では、ステージ押圧部材81を押圧部材待機位置に配置する。この接続部引張検査では、ステージ押圧部材が後退して可動ステージ22から引き離され、融着接続部9fにステージ付勢スプリングの弾性付勢力のみを融着接続部9fに引張荷重として作用させる。
接続部引張検査の開始タイミングは、風防カバー開放動作の開始と無関係に設定できる。また、接続部引張検査の完了タイミングは、風防カバー開放動作の完了と無関係に設定できる。接続部引張検査は、風防カバー開放動作の開始前に完了しても良いし、開放動作の完了後に完了しても良い。
融着接続機10Aは、接続部引張検査が完了したら、例えばアラーム音、ランプの点灯、モニタ装置への表示等によって、作業者へ接続部引張検査の完了を報知する検査完了報知動作を行なってもよい。
作業者は、風防カバー開放動作が完了した状態で検査完了報知が行われたなら、あるいは検査完了報知が行われた後に風防カバー開放動作が完了したならば、左右両側の被覆クランプ50のクランプ上部材52をそれぞれクランプ下部材51に対して開き、被覆クランプ50に把持固定されていた光ファイバ91、92を融着接続部9fとともに取り出す(ファイバ取り出し作業)。
なお、風防カバー開放動作は、例えばアラーム音、ランプの点灯、モニタ装置への警告メッセージの表示等によって、風防カバー開放動作の実行を予告報知した後、予め設定しておいた所定待ち時間が経過したときに、実行することが好ましい。
これにより、例えば風防カバー60を構成するカバー部材と装置本体20との間に手指を挟むことなどを回避できる。
融着接続機10Aの左右両側の可動ステージ22は、作業者によるファイバ取り出し作業の完了後に、ステージ付勢スプリング83の弾性付勢力によって最終的に待機位置に配置される。このとき、可動ステージ22は、ステージ付勢スプリング83の弾性付勢力によってステージ押圧部材81に放電部24a側から当接して押し付けられて待機位置に配置される。このときの融着接続機10Aの状態を、ファイバセット待機状態とも言う。
融着接続機10Aは、図示略の電源スイッチをオン状態からオフにしたときに、可動ステージ22が待機位置に配置され、かつ、風防カバー60が閉じられた状態(以下、動作待機初期状態とも言う)となる。動作待機初期状態の融着接続機10Aは、オフ状態になっていた電源スイッチをオンにすることで、風防カバー60が開放されて、ファイバセット待機状態となる。ファイバセット待機状態の融着接続機10Aは、被覆クランプ50に光ファイバ9を把持固定するべく、左右両側の被覆クランプ50のクランプ上部材52をクランプ下部材51に対して開かれた状態からクランプ下部材51に対して閉じられると、既述のように、左右両側のクランプ閉じ検知器31の検知器本体31aから取得される検知信号が左右両側とも無検知から左右両側とも検知に遷移することで、風防カバー閉じ動作を行なう。
風防カバー閉じ動作及びその後の風防カバー開放動作及び接続部引張検査の完了の後、ファイバセット待機状態になるまでの融着接続機10Aの動作を、以下、ファイバ融着・検査動作とも言う。この融着接続機10Aは、光ファイバ9同士の融着接続を行なう場合、ファイバセット待機状態にて、左右両側の被覆クランプ50のクランプ上部材52をクランプ下部材51に対して開いた状態からクランプ下部材51に対して閉じて光ファイバ9を把持固定することで、ファイバ融着・検査動作を自動で実行する。
動作待機初期状態の融着接続機10Aは、電源スイッチを操作してオン状態からオフに切り換えることで、動作待機初期状態のまま電源がオフとなる。
なお、融着接続機10Aは、検査完了報知動作を行なわない構成も採用可能である。
融着接続機10Aは、例えば、風防カバー開放動作の完了と同時、あるいはそれ以前に、接続部引張検査が完了する場合に、検査完了報知動作を行なわず、風防カバー開放動作の完了後に、作業者がファイバ取り出し作業を行なうようにしても良い。
また、融着接続機10Aは、例えば、風防カバー開放動作の完了後の所定時間だけ経過ときに接続部引張検査が完了する場合に、検査完了報知動作を行なわず、風防カバー開放動作の完了から接続部引張検査も完了する時間経過後に、作業者がファイバ取り出し作業を行なうようにしても良い。
融着接続機10Aは、作業者によるファイバ取り出し作業の完了後に、ステージ押圧部材81の駆動(移動)あるいはステージ付勢スプリング83の弾性付勢力によって、左右両側の可動ステージ22を最終的に待機位置に配置し、この可動ステージ22の押圧部材当接部をステージ付勢スプリング83の弾性付勢力によってステージ押圧部材81に当接させた状態とする。このときの融着接続機10Aの状態を、ファイバセット待機状態とも言う。
融着接続機10Aは、図示略の電源スイッチをオン状態からオフにしたときに、可動ステージ22が待機位置に配置され、かつ、風防カバー60が閉じられた状態(以下、動作待機初期状態とも言う)となる。動作待機初期状態の融着接続機10Aは、オフ状態になっていた電源スイッチをオンにすることで、風防カバー60が開放されて、ファイバセット待機状態となる。ファイバセット待機状態の融着接続機10Aは、被覆クランプ50に光ファイバ9を把持固定するべく、左右両側の被覆クランプ50のクランプ上部材52をクランプ下部材51に対して開かれた状態からクランプ下部材51に対して閉じられると、既述のように、左右両側のクランプ閉じ検知器31の検知器本体31aから取得される検知信号が左右両側とも無検知から左右両側とも検知に遷移することで、風防カバー閉じ動作を行なう。
風防カバー閉じ動作及びその後の風防カバー開放動作及び接続部引張検査の完了の後、ファイバセット待機状態になるまでの融着接続機10Aの動作を、以下、ファイバ融着・検査動作とも言う。この融着接続機10Aは、光ファイバ9同士の融着接続を行なう場合、ファイバセット待機状態にて、左右両側の被覆クランプ50のクランプ上部材52をクランプ下部材51に対して開いた状態からクランプ下部材51に対して閉じて光ファイバ9を把持固定することで、ファイバ融着・検査動作を自動で実行する。
ファイバセット待機状態の融着接続機10Aは、オン状態になっていた電源スイッチを操作してオフにすることで、動作待機初期状態となる。
この融着接続機10Aの被覆クランプ50は、可動ステージ22に対して脱着可能となっている。この融着接続機10の可動ステージ22は、被覆クランプ50を取り外した状態で、光ファイバ9を把持固定したファイバホルダ40を載置するためのホルダ載置部として用いることができる。可動ステージ22は、その上部をホルダ載置部として用いることができる。
なお、本発明に係る実施形態の融着接続機としては、可動ステージ22が、被覆クランプ50の取り付けに専用で、ファイバホルダ40を載置するためのホルダ載置部として用いることがない構成も採用である。
図2は、本発明に係る実施形態の融着接続機10の別態様であり、図1に例示した融着接続機10Aの可動ステージ22上の被覆クランプ50を省略し、可動ステージ22を、光ファイバ9を把持固定したファイバホルダ40を載置するためのホルダ載置部として用いる構成としたものである。図2の融着接続機10に図中符号10Bを付記する。
ファイバホルダ40は、可動ステージ22上に載置して、可動ステージ22から取り外し可能に設けられる。
図2、図9に示すように、ファイバホルダ40は、ベース板41と、該ベース板41に枢着して開閉可能に設けられた蓋板42との間に光ファイバ9を挟み込んで把持固定する構成であり、光ファイバ9を把持した状態で融着接続機10Bの可動ステージ22に載置される。
図2、図9に例示したファイバホルダ40は、長方形板状のベース板41の長手方向片側の端部に蓋板42を枢着した構成になっている。蓋板42は、ベース板41のその厚み方向片側の面であるベース板上面41aに対して開閉可能である。図8、図9に示すように、蓋板42は、長方形板状のベース板41の幅方向(図8左右方向)片端に、ベース板41長手方向に沿って設けられた回転軸43を介してベース板41に枢着されている。
図2に示すように、光ファイバ9は、その先端側をファイバホルダ40から突出させた突出部9eを確保してファイバホルダ40に固定する。また、ファイバホルダ40に把持固定した光ファイバ9は、その突出部9eの先端部の被覆を除去して光ファイバガラス部9a(裸光ファイバ)を露出させておく。
ファイバホルダ40は、光ファイバ9の被覆部9dをベース板41と蓋板42との間に挟み込んで把持固定する。
ファイバホルダ40に把持固定された光ファイバ91、92同士を融着接続機10Bを用いて融着接続する場合は、風防カバ−60を開いた状態(例えば図4等参照)で、光ファイバ9を把持固定したファイバホルダ40を可動ステージ22に載置する。つまり、融着接続機10Bの一対の可動ステージ22に、それぞれ、光ファイバ9を把持固定したファイバホルダ40を載置する。光ファイバ9は、該光ファイバ9を把持固定したファイバホルダ40を可動ステージ22に載置することで融着接続機10Bに装着される。可動ステージ22は、融着接続機10Bに光ファイバ9を装着するためのファイバ装着部として機能する。
図2に示すように、この融着接続機10Bでは、光ファイバ9を把持固定したファイバホルダ40を左右両側の可動ステージ22にそれぞれ載置したときに、ファイバホルダ40からの突出部9eにおいて予め被覆が除去された光ファイバガラス部9aが溝形成基板23上の位置決め溝23aに載置され、かつ左右両側のファイバホルダ40に把持されている光ファイバ9の光ファイバガラス部9a先端が若干のクリアランスを介して対向配置されるように、ファイバホルダ40からの突出部9eの長さ及びその先端の光ファイバガラス部9aの被覆除去長はファイバホルダ専用被覆除去工具やファイバホルダ専用切断機を用いることで調整不要である。
また、光ファイバガラス部9aの被覆除去長は、可動ステージ22を待機位置から前進させて前進限界位置に到達するまでの間にその先端同士を互いに融着接続可能な位置に配置可能なように事前に調整されている。
光ファイバ9を把持固定したファイバホルダ40の可動ステージ22への載置は、可動ステージ22が待機位置(図1、図2に示す可動ステージ22の位置)に配置された状態にて行なう。光ファイバ9を把持固定したファイバホルダ40は、接続機左右方向に長手方向を揃えたベース板41上に蓋板42が位置する向きで、ベース板41を可動ステージ22の上面22a上に載せて、可動ステージ22上に載置される。可動ステージ22は、その上面22aを、ファイバホルダ40(具体的にはベース板41)を載置するためのホルダ載置面として用いることができる。
図9は、可動ステージ22の具体例を示す。
図9に示すように可動ステージ22はプレート状に形成されている。
また、図9は、可動ステージ22に、その可動ステージ上面22a上に突出する2本の位置決めピン22bと、可動ステージ上面22a上にファイバホルダ40が載置されたことを検知する検知器32(ホルダ載置検知器)とが取り付けられた構成の可動ユニット22Aを示す。
可動ユニット22Aの位置決めピン22bは、図9、図11のみに図示し、図9、図11以外の図面では図示を省略している。
図9に示すように、2本の位置決めピン22bは、ファイバホルダ40を可動ステージ22上に載置するとき、ファイバホルダ40のベース板41の2箇所に形成されたピン嵌合穴41bに挿入、嵌合されることで、ファイバホルダ40が可動ステージ22上の所定位置に所定の向きで載置された状態を安定維持する機能を果たす。
この可動ステージ22上に載置するファイバホルダ40としては、ベース板41の2箇所にピン嵌合穴41bが形成されているものを用いる。図9に例示したファイバホルダ40は、ピン嵌合穴41bがベース板41をその厚み方向に貫通する貫通穴である構成を例示している。但し、ピン嵌合穴41bとしては、ベース板41のベース板上面41aとは反対の下面に開口し、可動ステージ22上に突出している位置決めピン22bを収容して、ファイバホルダ40のベース板41を可動ステージ22の上面22aに当接、載置可能とする構成であれば良く、この点、ベース板上面41aに開口しない非貫通穴であっても良い。
なお、可動ユニット22Aの2本の位置決めピン22bは、ベース板41の2箇のピン嵌合穴41bに対して挿脱可能である。したがって、ベース板41の2箇のピン嵌合穴41bに、可動ユニット22Aの2本の位置決めピン22bを挿入、嵌合させて可動ステージ22上に載置したファイバホルダ40は、可動ユニット22Aの2本の位置決めピン22bに沿って可動ステージ22に対して上方へ移動させることで、可動ステージ22から取り外すことができる。
次にホルダ載置検知器32について説明する。
図2に示すように、この検知器32は、図1に例示した融着接続機10Aのクランプ閉じ検知器31のセンサピン31bの先端部を可動ステージ上面22a上に若干突出させて配置したものであり、センサピン31b先端部の位置以外は既述のクランプ閉じ検知器31と同様である。このホルダ載置検知器32(ファイバ装着検知器)についても、クランプ閉じ検知器31と同様に、検知器本体に図中符号31a,センサピンに図中符号31bを付記して説明する。
なお、この融着接続機10Bは、可動ステージ22をホルダ載置部として使用する点、及びクランプ閉じ検知器31にかえてホルダ載置検知器32を使用する点のみが、図1の融着接続機10Aと異なるものであり、これら相違点以外の、例えば検知器32と駆動制御装置との関係等は図1の融着接続機10Aと同様になっている。
図2に示すように、この検知器32は、可動ステージ22下側に固定された検知器本体31aと、この検知器本体31aから上方に突出されたセンサピン31bとを有する。図2、図9に示すように、センサピン31bは、可動ステージ22を上下に貫通する上下貫通孔22cに挿通して、その先端部(上端部)を、可動ステージ上面22a上に突出させている。検知器32のセンサピン31bは、このときの位置が初期位置である。
図9、図12(b)に示すように、上下貫通孔22cの上端は、可動ステージ上面22aに開口している。
図2に示すように、ホルダ載置検知器32は、センサピン31b先端部が可動ステージ上面22a上に若干突出する初期位置にあるとき、検知器本体31aが無検知の状態となっている。ホルダ載置検知器32は、ファイバホルダ40を可動ステージ22に載置するとき、可動ステージ22上方から下降されたファイバホルダ40のベース板41に押圧されたセンサピン31bが検知器本体31aに押し込まれる。そして、ホルダ載置検知器32は、ファイバホルダ40のベース板41が可動ステージ22上に当接して、載置されたとき、検知器本体31aが無検知状態から検知状態に切り替わり、検知器本体31aから取得される検知信号が無検知から検知に遷移する。この融着接続機10Bは、左右両側のホルダ載置検知器32の検知器本体31aから取得される検知信号が両方とも無検知から検知に遷移し、両方とも検知となることで、可動ステージ22上へのファイバホルダ40の載置を検知できる。
また、この融着接続機10Bは、可動ステージ22上に載置されていたファイバホルダ40を可動ステージ22上から撤去したとき、検知器本体31aに押し込み状態にあったセンサピン31bが初期位置に復帰し、検知器本体31aが検知状態から無検知状態に切り替わる。これにより、ホルダ載置検知器32は、検知器本体31aから取得される検知信号が検知から無検知に遷移する。融着接続機10Bは、左右両側のホルダ載置検知器32の検知器本体31aから取得される検知信号が両方とも検知から無検知に遷移し、両方とも無検知となることで、可動ステージ22上に載置されていたファイバホルダ40の撤去を検知できる。
この融着接続機10Bは、既述の融着接続機10Aと同様のファイバセット待機状態にて、左右両側の可動ステージ22上に光ファイバ9を把持固定したファイバホルダ40をそれぞれ載置すると、風防カバー閉じ動作を自動で実行する。そして、融着接続機10Bは、風防カバー閉じ動作以降、既述の融着接続機10Aと同様にファイバ融着・検査動作を自動で実行する。
この融着接続機10Bの風防カバー閉じ動作は、左右両側のホルダ載置検知器32の検知器本体31aが両方とも無検知から検知に切り替わり、駆動制御装置にて両方の検知器本体31aから取得される検知信号が両方とも検知となった場合に、その時点、あるいはその時点から予め設定しておいた待ち時間(例えば数秒間)が経過したときに自動で開始する。この融着接続機10Bは、駆動制御装置にて左右両側のホルダ載置検知器32の検知器本体31aから取得される検知信号が両方とも無検知の状態から両方とも検知の状態に遷移した場合に、これがトリガー信号となってファイバ融着・検査動作を自動で開始する。
また、融着接続機10Bの場合は、風防カバー開放動作の後、被覆クランプ50の代わりにファイバホルダ40の蓋板42を開いてファイバ取り出し作業を行なう。光ファイバ9を次工程に搬送した後、ファイバホルダ40をそれぞれ可動ステージ22から撤去するホルダ撤去作業を作業者が行なう。
この融着接続機10Bは、ファイバ融着・検査動作を実行することで、最終的に、風防カバー60及び左右両側の可動ステージ22が融着接続機10Aと同様のファイバセット待機状態、すなわち、風防カバー60が開放され、かつ左右両側の可動ステージ22が待機位置に配置された状態となる。
この融着接続機10Bは、図1等を参照して説明した融着接続機10Aとの対比で、可動ステージ22上の被覆クランプ50を省略して可動ステージ22をホルダ載置部とした点、及びクランプ閉じ検知器31にかえてホルダ載置検知器32を用いる点のみが融着接続機10Aと異なり、他の構成は既述の融着接続機10Aと同様である。
この融着接続機10Bは、図示略の電源スイッチをオフ状態からオンにしたときに、融着接続機10Aと同様のファイバセット待機状態となる。ファイバセット待機状態の融着接続機10Bは、電源スイッチを操作してオン状態からオフに切り換えることで、動作待機初期状態となり、電源がオフとなる。
なお、融着接続機10(融着接続10A、10Bに共通)の風防カバー閉じ動作においては、例えば一対のカバー部材61、62は独立に回転駆動されるが、速度は同じ一定速度で回転駆動する。但し、融着接続機10としてはこれに限定されず、風防カバー閉じ動作において、例えば、ファイバクランプ部材25が連結された第2カバー部材62のみ閉じ始めを速い速度で、閉じ終わりを閉じ始めに比べてゆっくりとした速度で駆動することも可能である。風防カバー閉じ動作の一例としては、第2カバー部材62の回転に伴うファイバクランプ部材25移動速度(押圧片25a先端部の移動速度)を、第2カバー部材62の閉じ始めにおいておよそ50cm/sとし、かつ、およそ1cm/sの速度で移動する閉じ終わり区間を確保することが挙げられる。風防カバー閉じ動作におけるファイバクランプ部材25の移動経路に、ファイバクランプ部材25が閉じ始めに比べてゆっくりとした速度(例えばおよそ1cm/s)で駆動する閉じ終わり区間を確保することは、カバー部材同士の閉じ合わせ時の振動発生抑制(あるいは解消)に有効に寄与する。
第2カバー部材62の閉じ始めを速い速度で、閉じ終わりを閉じ始めに比べてゆっくりとした速度で駆動することは、光ファイバガラス部9aの損傷防止、融着接続部の強度確保に有効である。
既述の特許文献2記載の融着接続機のように、従来構成の融着接続機にあっては、風防カバーとクランプアームは通常連動しているが、風防カバーを速く閉めた際にファイバクランプ部材が高速で光ファイバに衝突するようになる。図22のグラフは、特許文献2に相当する光ファイバ融着接続機にV溝上に1本の光ファイバを載せ、風防カバーを高速で閉めた場合と、風防カバーをゆっくり閉めた場合の光ファイバの引っ張り破断強度を比較したものである。光ファイバのガラス部がファイバクランプ部材によって損傷を受けるため、光ファイバの強度は当初の約7GN/m から低下しているが、風防カバーを速く閉めた場合の方が光ファイバの損傷が大きい。なお本実験は、ファイバクランプ部材が光ファイバに与える損傷のみを示したデータであり、実際には被覆除去時、切断時、融着接続時の損傷が加わり、融着接続後の強度はさらに低下する。
これに対して、上述のように、風防カバー閉じ動作において、例えば、ファイバクランプ部材25が連結された第2カバー部材62の閉じ始めを速い速度で、閉じ終わりを閉じ始めに比べてゆっくりとした速度で駆動する構成は、ファイバクランプ部材25の下降速度を和らげ、光ファイバの損傷を特別な機構無しに軽減することが可能となる。
図9に例示した可動ユニット22Aは、可動ステージ22上に被覆クランプ50を脱着可能に取り付けることが可能である。
図11〜図12(a)、(b)は、可動ユニット22Aの可動ステージ22上に被覆クランプ50を取り付けて構成したクランプ付き可動ステージ22Bの一例を示す。また、図10は、図2の融着接続機10Bの左右両側の可動ユニット22Aの可動ステージ22上にそれぞれ被覆クランプ50を取り付けてクランプ付き可動ステージ22Bを組み立てた融着接続機10Bの一例を示す。
この場合、被覆クランプ50としては、クランプ下部材51の2箇所に、該クランプ下部材51の下側から、可動ユニット22Aの位置決めピン22bを内挿嵌合可能なピン嵌合穴56が形成された構成のものを用いる。
被覆クランプ50は、クランプ下部材51の2箇所のピン嵌合穴56に可動ユニット22Aの位置決めピン22bを内挿嵌合して可動ステージ22上に取り付けることができる。被覆クランプ50は、クランプ下部材51を、その2箇所のピン嵌合穴56に内挿嵌合された位置決めピン22bに沿ってスライド移動させることで、可動ステージ22に対して脱着できる。
図示例の被覆クランプ50のクランプ下部材51のピン嵌合穴56は、板状のクランプ下部材51の厚みを貫通する貫通穴となっている。但し、ピン嵌合穴56としては、クランプ下部材51の上面51aとは反対の下面に開口する開口部から、可動ステージ22上に突出している位置決めピン22bを挿脱可能に収容することで、クランプ下部材51を可動ステージ22の上面22aに当接、載置可能とする構成であれば良い。この点、ピン嵌合穴56としては、クランプ下部材上面51aに開口しない非貫通穴であっても良い。
図10〜図12(a)、(b)に例示したクランプ付き可動ステージ22Bは、被覆クランプ50のクランプ上部材52に、該クランプ上部材52からクランプ下部材51に閉じ合わされる合わせ面側に突出する延長レバー53を取り付けたものである。延長レバー53は、被覆クランプ50のクランプ下部材51に対して開いた状態のクランプ上部材52をクランプ下部材51に対して閉じるときに、その突端によって検知器32のセンサピン31bを検知器本体31aに向かって押圧する。クランプ付き可動ステージ22Bは、被覆クランプ50のクランプ上部材52をクランプ下部材51に閉じたときに、検知器32の検知器本体31aが、延長レバー53の突端に押圧されたセンサピン31bの検知器本体31aへの押し込みによって、無検知状態から検知状態に切り替わる。また、クランプ上部材52は、クランプ下部材51に対して開くことで、初期位置のセンサピン31bの先端部に接触せず、センサピン31b先端部から離隔した位置に配置できる。
図11、図12(a)、(b)に示すように、クランプ付き可動ステージ22Bの被覆クランプ50のクランプ下部材51には、可動ステージ22上に突出するセンサピン31b先端部(上端部)を露呈させる切り欠き部54が形成されている。この切り欠き部54は、クランプ下部材51の、該クランプ下部材51にクランプ上部材52を枢着している回転軸55に臨む端面51b(軸側端面)から窪む凹部状に形成されている。
一方、延長レバー53は、クランプ上部材52をクランプ下部材51に閉じたときに、クランプ下部材51の切り欠き部54に挿入されて、センサピン31b先端部を下方へ押圧できるように、クランプ上部材52の回転軸55側に突設されている。
この構成は、クランプ上部材52から突出する延長レバー53が、クランプ下部材51と該クランプ下部材51に対して開いた状態のクランプ上部材52との間に光ファイバ9を挿入する作業の障害になりにくい、といった利点がある。
可動ユニット22Aは、可動ステージ22上に被覆クランプ50を取り付ける場合でも、可動ステージ22をホルダ載置部として使用する場合でも、検知器32の設計及び可動ステージ22に対する設置位置を変更することなく、そのまま使用できる。
可動ユニット22Aの検知器32は、クランプ付き可動ステージ22Bにあってはクランプ閉じ検知器として使用でき、可動ステージ22を被覆クランプ50を取り付けずにホルダ載置部として使用する場合にあってはホルダ載置検知器として使用できる。
図5、図6に示すように、風防カバー60を構成する一対のカバー部材61、62の一方(図示例では符号62のカバー部材)の内側には、溝形成基板23上の位置決め溝23aに載置された光ファイバ9先端部の光ファイバガラス部9aをその上方から位置決め溝23aの溝底に向かって押圧するファイバクランプ部材25が取り付けられている。このファイバクランプ部材25は、一対のカバー部材61、62を閉じ合わせたときに、位置決め溝23aに載置された光ファイバ9先端部の光ファイバガラス部9aをその上方から位置決め溝23aの溝底に向かって押圧して溝形成基板23に押さえ込む。
なお、一対のカバー部材61、62のうち、ファイバクランプ部材25が設けられていないカバー部材61を、以下、第1カバー部材、ファイバクランプ部材25が設けられているカバー部材62を、以下、第2カバー部材とも言う。
図5、図7に示すように、風防カバー60は、一対のカバー部材61、62を閉じ合わせることで、一対の電極棒24と、放電部24aと、左右両側の溝形成基板23及びファイバクランプ部材25と、左右両側の可動ステージ22に載置されたファイバホルダ40とを収容して覆う容器状に構成される。図5、図7に示すように閉じた状態の風防カバー60は、その外側の風が該風防カバー60内側に入り込むことを防ぎ、放電部24aでの光ファイバ9同士の融着接続に風が影響を与えることを防止する。
一対のカバー部材61、62は、接続機左右方向に沿って延在する細長形状に形成されている。一対のカバー部材61、62は、装置本体20の前後方向2箇所に設けられている。風防カバー60は、前後一対のカバー部材61、62によって半割り構造に構成されている。
図5、図7に示すように閉じた状態の風防カバー60は、その前後方向(図5、図7左右方向)中央部から前後の2部材、すなわち前後方向中央部から前側の第1カバー部材61と、その後側の第2カバー部材62とに分割された構成となっている。閉じた状態の風防カバー60の前後方向中央部には、互いに閉じ合わせた一対のカバー部材61、62の境界面67が存在する。図示例の風防カバー60において、前記境界面67は、前後方向に垂直の仮想垂直面に沿って延在している。
前記風防カバー60は、図5、図7に示すように閉じた状態において、断面アーチ状で接続機左右方向に延在するカバー主壁部64と、このカバー主壁部64の延在方向両端からその内面側に、カバー主壁部64延在方向に垂直に張り出されたカバー端壁部65を有する構成となっている。カバー主壁部64の延在方向両端のカバー端壁部65は、断面アーチ状のカバー主壁部64内周側のカバー主壁部64に沿う溝状の領域である凹溝部66の延在方向両端を塞いでいる。
第1カバー部材61は、断面アーチ状で延在する主壁部61bと、この主壁部61bの延在方向両端からその内面側に、該主壁部61bの延在方向に垂直に張り出された端壁部61cとを有する構成となっている。
第2カバー部材62は、断面アーチ状で延在する主壁部62bと、この主壁部62bの延在方向両端からその内面側に、該主壁部62bの延在方向に垂直に張り出された端壁部62cとを有する構成となっている。
図5、図7に示すように閉じた状態の風防カバー60において、一対のカバー部材61、62は、断面アーチ状の主壁部61b、62bの断面中央部を介して片方の端面同士と、端壁部61c、62cの端面同士とが閉じ合わされる。各カバー部材61、62は、風防カバー60が閉じた状態において互いに閉じ合わされて境界面67を形成する閉じ合わせ端面61d、62dを有する。
また、風防カバー60は、カバー部材61、62同士が閉じ合わることで、カバー部材61、62の主壁部61b、62bによってカバー主壁部64が構成され、カバー部材61、62の端壁部61c、62cによってカバー端壁部65が構成される。
また、図5に示すように、各カバー部材61、62は、風防カバー60が閉じた状態において装置本体上面21に接合される本体接合面61e、62eを有する。各カバー部材61、62は、本体接合面61e、62eの閉じ合わせ端面61d、62dとは反対の側が、それぞれ回転軸61a、62aを介して装置本体20に枢着されている。各カバー部材61、62は、回転軸61a、62aを介して装置本体20に回転可能に取り付けられた回転カバー部材である。
図5〜図8に示すように各カバー部材61、62の回転軸61a、62aは、放電部24aから接続機前後方向にずれた位置に設けられている。各カバー部材61、62は、回転軸61a、62aによって、装置本体20に対して接続機左右方向の回転軸線を以て回転可能に枢着されている。また、各回転軸61a、62aは装置本体20にその上面21に沿って取り付けられている。装置本体20に対するカバー部材61、62の回転軸線は、接続機上下方向(図5上下方向)において、装置本体上面21と一致あるいは装置本体上面21に対して僅かにずれた所に位置する。
図5、図7に示すように、各カバー部材61、62は、風防カバー60が閉じた状態において、本体接合面61e、62eが、境界面67と回転軸61a、62aとの間にて、装置本体上面21に接合する。風防カバー60が閉じた状態にあるとき、各カバー部材61、62は、接続機前後方向において、それぞれの回転軸61a、62aと境界面67との間に位置する。
図7、図8に示すように、風防カバー60の一対のカバー部材61、62は、接続機左右方向に沿って延在する細長形状に形成されている。図8に示すように、ファイバクランプ部材25は、第2カバー部材62の長手方向の2箇所に設けられている。
第2カバー部材62の長手方向2箇所のファイバクランプ部材25は、一対のカバー部材61、62を閉じ合わせたときに、放電部24aを介して左右両側の溝形成基板23に対応する位置に設けられている。すなわち、一対のカバー部材61、62を閉じ合わせたときには、第2カバー部材62の2箇所のファイバクランプ部材25によって、放電部24aを介して左右両側の溝形成基板23のそれぞれの位置決め溝23aに載置されている光ファイバ9の光ファイバガラス部9aを位置決め溝23aの溝底に向かって押さえ込むことができる。
図5、図6に示すように、図示例の風防カバー60の一対のカバー部材61、62は互いに同じサイズではなく、互いに異なっている。図5に示すように、閉じた状態の風防カバー60の境界面67は、接続機前後方向において、一対のカバー部材61、62の回転軸61a、62a間の中央位置から、第1カバー部材61の回転軸61a側にずれた位置にある。第1カバー部材61は、風防カバー60を閉じた状態における前後方向寸法が第2カバー部材62に比べて小さく形成されている。
風防カバー60は、一対のカバー部材61、62を互いに閉じ合わせたときに、第2カバー部材62の主壁部62bの閉じ合わせ端面62d側の端部(以下、閉じ合わせ側端部62f)が、放電部24a、左右両側の溝形成基板23、及び左右両側のファイバホルダ40の上方に配置される。第2カバー部材62の長手方向2箇所のファイバクランプ部材25は、第2カバー部材62の主壁部62bの閉じ合わせ側端部62fの内面側に設けられている。したがって、この融着接続機10は、風防カバー60を閉じた状態としたときに、左右両側の溝形成基板23の位置決め溝23aにそれぞれ載置されている光ファイバ9の光ファイバガラス部9aを、第2カバー部材62の長手方向2箇所のファイバクランプ部材25によって、位置決め溝23aの溝底に向かって押さえ込むことができる。
なお、一対のカバー部材61、62の閉じ合わせ端面61d、62dの寸法は互いに同じであり、風防カバー60を閉じたとき一対のカバー部材61、62は互いに隙間無く閉じ合わされる。
第2カバー部材62は、風防カバー60を閉じた状態としたときに、主壁部62bの閉じ合わせ側端部62fが、放電部24a、左右両側の溝形成基板23、左右両側のファイバホルダ40のうち、少なくとも左右両側の溝形成基板23の上方に配置される構成であれば良い。このため、一対のカバー部材61、62としては、例えば、風防カバー60を閉じた状態としたときに、第2カバー部材62の主壁部62bの閉じ合わせ側端部62fが左右両側の溝形成基板23の上方のみに配置され、放電部24a及び左右両側のファイバホルダ40の上方には、第1カバー部材61の主壁部61bの閉じ合わせ端面61d側の端部が配置される構成も採用可能である。
図5、図6に示すように、図示例のファイバクランプ部材25は、位置決め溝23aに載置された光ファイバ9の光ファイバガラス部9aに当接される押圧片25aと、この押圧片25aの光ファイバガラス部9aに当接される先端のファイバ押圧面25bとは反対の側から延出するシャフト部25cとを有する。このファイバクランプ部材25は、シャフト部25cの押圧片25aと一体化されている先端とは反対の後端部を、第2カバー部材62の主壁部62bの閉じ合わせ側端部62f内面に固定されたクランプ支持部材26aに取り付けて第2カバー部材62内面側に設けられている。
ファイバクランプ部材25のシャフト部25cの後端部は、クランプ支持部材26aに、該クランプ支持部材26aの回転軸62a(第2カバー部材回転軸)を中心とする回転軌跡の接線方向に移動可能に支持されている。但し、シャフト部25cは、クランプ支持部材26aから抜け出さないように、クランプ支持部材26aに抜け止めされている。また、ファイバクランプ部材25は、押圧片25aとクランプ支持部材26aとの間に介装されたスプリング26bによって、第2カバー部材62に対してその主壁部62bの閉じ合わせ側端部62f内面から離隔する方向に弾性付勢されている。
なお、図示例のスプリング26bは具体的にはコイルスプリングであり、ファイバクランプ部材25のシャフト部25cに外挿されている。
この融着接続機10は、風防カバー60を閉じた状態としたときに、左右両側の溝形成基板23の位置決め溝23aにそれぞれ載置されている光ファイバ9の光ファイバガラス部9aを、第2カバー部材62の長手方向2箇所のファイバクランプ部材25によって、適切な押圧力を以て位置決め溝23aの溝底に向かって押さえ込むことができる。
図5、図6に示すように、この融着接続機10の装置本体20には、放電部24a(あるいはその近傍も含む)に配置された光ファイバを撮像するためのカメラ71が組み込まれている。また、一対のカバー部材61、62のそれぞれの内側には、放電部24a(あるいはその近傍も含む)にカメラ71で撮像する際に光を照射するための撮像用光源72a、72bが配置されている。
カメラ71は、装置本体20の、前後方向に互いに位置をずらした2箇所に組み込まれている。2箇所のカメラ71のうち、前側に位置する第1カメラに図中符号71a、後側に位置する第2カメラに図中符号71bを付記する。
また、装置本体20には、各カメラ71a、71bの放電部24a側に配置されたレンズ73a、73bも組み込まれている。各カメラ71a、71bは、放電部24a(あるいはその近傍も含む)に配置された光ファイバ9を、装置本体20に設けられた透光部とレンズ73a、73bとを介して撮像する。
この融着接続機10は、光ファイバ9を2つの撮像用光源72a、72bで2方向から照らし、2つのレンズ73a、73bと2つのカメラ71a、71bとで、それぞれの方向から光ファイバ9を2軸で撮像する2軸観察を実現している。
図5に示すように、この融着接続機10は、風防カバー60を閉じたときに、第1カバー部材61内側の撮像用光源72aと第2カメラ71bとが放電部24aを介して対向配置され、第2カバー部材62内側の撮像用光源72bと第1カメラ71aとが放電部24aを介して対向配置される。
撮像用光源72a、72bとしては、例えば発光ダイオード等を好適に用いることができる。
なお、撮像用光源72a、72bは、少なくとも、カメラ71で光ファイバを撮像する際に点灯すれば良い。このため、撮像用光源72a、72bは、例えば、カメラ71による光ファイバの撮像時のみ点灯し、それ以外は消灯しておくことも可能である。
図3、図4に示すように、この融着接続機10は、装置本体20上に設けられたスイッチ台11と、補強スリーブ加熱器12とを含む。
スイッチ台11は、装置本体20の上面21前端部上に、接続機左右方向(図3、図4紙面奥行き方向)に沿って延在配置されている。このスイッチ台11には図示略の操作スイッチが取り付けられている。
補強スリーブ加熱器12は、装置本体20の上面21後端部上に、接続機左右方向に沿って延在配置されている。この補強スリーブ加熱器12は、光ファイバ91、92同士を融着接続した融着接続部に外挿した熱収縮性の補強スリーブを加熱して収縮させ、融着接続部に一体化させる装置である。装置本体20上に補強スリーブ加熱器12を有する構成は、光ファイバ91、92同士の融着接続部を一対の電極棒24間の放電部24aから取り出して、補強スリーブ加熱器12へ移設する作業を円滑に効率良く行なえる。
また、図3、図4に示すように、この融着接続機10は、カメラ71が撮像した画像を表示するモニタ装置14を有する。
このモニタ装置14はパネル状に形成されている。モニタ装置14としては、例えば液晶表示装置を好適に用いることができる。
このモニタ装置14は、その両側から突出する取り付けアーム14aを、装置本体20上のスイッチ台11の左右(図3、図4)両側に、ヒンジピン14bを介して接続機左右方向の回転軸線を以て回転自在に取り付けられている。
モニタ装置14は、ヒンジピン14bを中心とする回転によって、装置本体20に対する向きを変更可能であるが、融着接続機10の操作性等に鑑みて、基本的に、装置本体20の前面20aに沿う向き(図3、図4中実線)として使用する。このときのモニタ装置14の向きを使用時向きとも言う。また、モニタ装置14は、図3、図4に示す使用時向きにあるときの装置本体20側とは反対の側に表示面14cを有する。
この融着接続機10は、作業者が持ち運び可能な可搬性を有し、例えば通信ケーブル(光ファイバケーブル)の接続工事等に好適に使用できる。但し、本発明に係る実施形態の融着接続機10は、光ファイバ同士の融着接続に使用される融着接続機として幅広く適用可能であり、可搬性を有するもの、通信ケーブル(光ファイバケーブル)の接続工事に使用されるものに限定されない。
なお、モニタ装置14の装置本体20に対する角度調整範囲は適宜設定可能であり、例えば、上述の使用時向きから、装置本体上面21上に配置して表示面14cが装置本体上面21に対面する向きまで角度調整可能としても良い。
図3、図4に示すように、装置本体20の上端部には、装置本体上面21の前後方向中央部を介してその前後両側に、装置本体上面21から窪むカバー部材収容溝27a、27bが接続機左右方向に延在形成されている。
融着接続機10の一対の電極棒24、放電部24a、左右両側の溝形成基板23、左右両側の可動ステージ22、風防カバー60の一対のカバー部材61、62の回転軸61a、62aは、装置本体20上端部のカバー部材収容溝27a、27b間の中央台部28に設けられている。
カバー部材61、62の回転軸61a、62aは、中央台部28の上面28a(装置本体上面21の一部)とカバー部材収容溝27a、27bとの境界部(境界位置、あるいはその近傍)に配置されている。この構成は、カバー部材61、62の回転軸線が、中央台部上面28aとカバー部材収容溝27a、27bとの境界部から大きく離隔した位置にある場合に比べて、カバー部材61、62の回転半径(回転軸線からの距離が最大の部位の回転半径)を小さく抑えることができる。この構成は、カバー部材61、62の小型化、回転半径の縮小に有効に寄与する。
また、この融着接続機10の溝形成基板23の上面23bは、中央台部上面28aの延長上に概ね一致している。一対のカバー部材61、62の回転軸61a、62aは、溝形成基板上面23bと概ね一致する同一平面上に配置されている。そして、カバー部材61、62の回転軸61a、62aは、溝形成基板23の位置決め溝23aに配置される光ファイバ9(具体的には光ファイバガラス部9a)と、実質的に同一の平面上に位置するように配置されている。
この構成は、開放状態の風防カバー60を閉じるときに、溝形成基板23の位置決め溝23a上の光ファイバ9を押圧するファイバクランプ部材25が光ファイバ9に捻れ応力を与えることの防止あるいは抑制に有効に寄与する。
ファイバクランプ部材25の回転軸線(第2カバー部材62の回転軸線)と溝形成基板23の位置決め溝23a上の光ファイバ9とが接続機上下方向に垂直の同一平面にあると、ファイバクランプ部材25は光ファイバ9に対して垂直に降りるため、光ファイバ9に対する捻じれ応力の発生を抑制できる。
なお、ファイバクランプ部材25の回転軸線と溝形成基板上面23bとは厳密に一致している必要はない。ファイバクランプ部材25の回転軸線と溝形成基板上面23bとは、ある程度一致していれば、光ファイバ9に対する捻じれ応力を防止できる。
第1カバー部材61が収容されるカバー部材収容溝27a(第1カバー部材収容溝)は、スイッチ台11と中央台部28との間に形成されている。第2カバー部材62が収容されるカバー部材収容溝27b(第2カバー部材収容溝)は、補強スリーブ加熱器12と中央台部28との間に形成されている。
この融着接続機10は、図3に示す閉じ合わせ状態から動力源63a、63bの駆動力によって互いに離隔する方向に回転させたカバー部材61、62を、装置本体20のカバー部材収容溝27a、27bに入り込ませることができる(図4参照)。この融着接続機10は、カバー部材収容溝27a、27bにカバー部材61、62を入り込ませる構成により、カバー部材61、62を90度を超える角度範囲(閉じ位置から90度を超える角度範囲)で回転開閉動作させることが可能となっている。
なお、カバー部材収容溝27a、27bは、装置本体20の天板部29a(図3〜図6参照)に形成されている。カバー部材61、62が前記天板部29aを含む装置本体20の筐体29(図3、図4参照)内部に入り込むことは無い。
図5、図6は、装置本体20上端部にカバー部材収容溝27a、27bを形成した融着接続機の具体例を説明する図である。
図5、図6において、第1カバー部材収容溝27aは、スイッチ台11と中央台部28との間にてスイッチ台11から後側にずれた位置に形成されている。また、第2カバー部材収容溝27bは、補強スリーブ加熱器12と中央台部28との間にて補強スリーブ加熱器12から前側にずれた位置に形成されている。このため、第1カバー部材収容溝27aとスイッチ台11との間、及び第2カバー部材収容溝27bと補強スリーブ加熱器12との間には、装置本体上面21の一部が存在する。
図5、図6は、図5に示す閉じ合わせ時の位置(閉じ位置。図5に示す位置)から開方向に回転させたカバー部材61、62をカバー部材収容溝27a、27bに収容可能とすることで、カバー部材61、62を閉じ位置から135度程度回転できるようにした構成を例示している。
図3、図4も、カバー部材61、62を閉じ位置から135度程度回転できるようにした構成を例示している。
カバー部材61、62を閉じ位置から90度を超える角度範囲で回転できるようにした構成は、風防カバー60の開放時の開口面積を広げ、可動ステージ22に対するファイバホルダの脱着、被覆クランプの開閉などを容易にする利点がある。
カバー部材61、62を閉じ位置から90度を超える角度範囲で回転開閉動作できるようにした構成は、例えば、図8に示すように、可動ステージ22上に載置されたファイバホルダ40(光ファイバ9を把持固定したファイバホルダ40)とその両側の開放状態のカバー部材61、62との間に手の指を入れることが可能なスペースS(以下、指スペースとも言う)を容易に確保できる。そして、この構成は、ファイバホルダ40の両側の指スペースSに差し入れた手指によってファイバホルダ40を両側から把持して、可動ステージ22に対するファイバホルダ40の脱着操作(具体的には可動ステージ22に対する昇降操作)を楽に行える。
また、可動ステージ22上に被覆クランプ50が設けられている構成の場合は、被覆クランプ50とその両側の開放状態のカバー部材61、62との間に確保された指スペースSに差し入れた手指によって、クランプ上部材52のクランプ下部材51に対する開閉操作を楽に行える。
また、図3〜図6において、第1カバー部材61は、その回転半径(回転軸線からの距離が最大の部位の回転半径)が第1カバー部材回転軸61aとスイッチ台11との間の距離よりも小さく形成されている。第2カバー部材62は、その回転半径(回転軸線からの距離が最大の部位の回転半径)が第2カバー部材回転軸62aと補強スリーブ加熱器12との間の距離よりも小さく形成されている。このため、カバー部材61、62は、閉じ位置から開方向の限界位置まで回転させる途中、及び開方向の限界位置に到達したときのいずれも、融着接続機10の平面視において装置本体20から外側にはみ出すことが無い。
ところで、既述の特許文献1記載の融着接続機の風防カバーは装置外側(例として手前)に突出して開くようになっている。光ファイバ融着接続作業は配線作業を伴うため、風防カバーが開いた状態では風防カバーの装置外側に突出した部分に光ファイバを引っ掛けて断線させる危険がある。
これに対して、特開平11−90625号公報には、風防カバーを装置外側に突出させない目的で提案された発明が開示されている。特開平11−90625号公報には、風防カバーを2つに分割し、個々の風防カバーをそれぞれスライド退避する、あるいは装置内部の回転軸(51)を中心に風防カバー回転退避させることで、風防カバーの外側への突出を防止する機構が開示されている。
しかし、この機構には下記の問題がある。
(1) 風防カバーを前後にスライドして退避させる構造の場合、融着接続機の上面で退避場所が必要になる。通信ケーブルの接続に使用される工事用途の融着接続機は小型に設計されているため、退避場所を確保するのが難しい。スライド量が少ないと、風防カバーが開いた状態での開口面積が狭くなり、被覆クランプレバーを指で開閉する、あるいはファイバホルダを指で持って装着する動作の障害となる。
(2) 風防カバーを回転させて退避させる構造の場合、回転軸(51)を装置内部に設けることで風防カバーを装置内部へ収納する。しかし通信ケーブルの接続に使用される工事用途の融着接続機は、小型に設計され内部の構造物が詰まっているため、回転角度を大きくすることは容易ではなく、閉じ合わせ時の位置から90度を超える角度で開くことは困難である。このため、風防カバーが開いた状態においても開口面積が狭くなり、被被覆クランプレバーを指で開閉する、あるいはファイバホルダを指で持って装着する動作の障害となる。
(3) 特開平11−90625号公報図2の構造ではファイバホルダ設置台(39)を風防カバーの中に収納していない。これは45度程度しか開かない風防カバーがファイバホルダ装着に支障が出ないように対策した結果であるが、風防カバーの密閉性を保つことが困難になり風に対する耐性を低下させている。さらに風防カバーが装置内部に収納される構造であるため、装置の密閉性が低くなり、やはり風に対する耐性を低下させてしまう。
一方、風防カバーを分割しないままで小型化を目指した提案も存在する。
既述の特許文献3(特開2003−167151号公報)には、風防カバー内側にファイバクランプ部材を配置することで風防カバーの小型化を実現した発明が開示されている。但し、この特許文献3は、クランプアームを省略した構成を開示したものである。
また、既述の特許文献1(特許4382694号公報)では、風防カバー内側の照明光反射ミラーの代わりに照明用光源を配置し、電極棒外側の照明用光源2個を無くして風防カバーを小型化した技術が開示されている。
上記の2つのケースにおいては、装置外側への突出容積が減っただけであり、根本的に突出が無くなったわけではない。
上述のように、風防カバーの閉じた状態における密閉性を充分に確保でき、しかも開放時の開口面積の確保が容易で、装置外側への突出を解消できる好適な技術は従来存在しない。
これに対して、本発明に係る実施形態の融着接続機10は、開放動作させたカバー部材61、62を、装置本体上面21に形成したカバー部材収容溝27a、27bに収容できる構成により、装置外側への突出を防止するべくカバー部材61、62を小型化しても、風防カバーの開放時の開口面積を充分に確保できる。また、本発明に係る実施形態の融着接続機は、ファイバクランプ部材25、撮像用光源72a、72b、ファイバホルダ40、被覆クランプ50を収容可能な範囲でカバー部材61、62を小型化して、装置外側への突出を容易に防止できる。また、閉じ合わせ時に、一対の電極棒24と、放電部24aと、左右両側の溝形成基板23及びファイバクランプ部材25と、左右の可動ステージ22上にそれぞれ配置されたファイバホルダ40あるいは被覆クランプ50を収容(図示例では撮像用光源72a、72bも収容している)する風防カバー60は、ファイバホルダあるいは被覆クランプを収容しない構成の風防カバーに比べて、風防カバー外側から内側への風の侵入防止に有利であり、風が、放電部24aでの光ファイバ91、92同士の融着接続に影響を与えることを確実に防ぐことができる。
また、従来市場に供給されている融着接続機は、風防カバーを開いた状態では液晶モニタが見えなくなる設計の光ファイバ融着接続機が多い。特許文献1記載の融着接続機は、液晶モニタは見やすい位置に回転して設定されているが、風防カバーを開くと液晶モニタを操作者から見ることができない。
これに対して、本発明に係る実施形態の融着接続機10の風防カバー60のカバー部材61、62は、風防カバー60の開放時に装置本体20から外側に突出しない大きさに小型化されている。このため、風防カバー60のカバー部材61、62は、風防カバー60の開閉状態によらず、装置本体20から外側のモニタ装置14を遮る位置に配置されることは無く、モニタ装置14の視認性に影響を与えることがない。
また、図3、図4に示すように、風防カバー60は、スイッチ台11と補強スリーブ加熱器12との間のくぼみ部分13に配置されていてくぼみ部分13からの突出が無い。このため、この融着接続機10は、逆さに落下した際に、強度の弱い風防カバー60が破損する確率を低減させることができる。
図13は、風防カバー60の一対のカバー部材61、62を互いに閉じ合わせた状態から、ファイバクランプ部材25が取り付けられていない第1カバー部材61のみを手動で開いた状態を示す。
互いに閉じ合わせたカバー部材61、62の一方を手動で開く操作は、例えば、風防カバー閉じ動作の後、光ファイバ接続前検査動作の完了前に装置本体20に設けられている図示略の一時停止ボタンの押し込み操作によって、融着接続機の全ての動力源を停止した状態で行なう。
なお、この融着接続機10は、一時停止ボタンの押し込み操作によって、融着接続機の全ての動力源を停止した状態にした後、動作再開ボタン(図示略)を押し込み操作することで、光ファイバ接続前検査動作及びその後の動作を実行する。但し、動作再開ボタンの押し込み操作による光ファイバ接続前検査動作の実行は、一対のカバー部材61、62がそれぞれ閉じ位置に配置されたことを、2つの風防カバー検知器33(図5参照)が両方とも検知している状態で実現される。一対のカバー部材61、62がそれぞれ閉じ位置に配置されたことを、2つの風防カバー検知器33の一方又は両方が検知していないときには、動作再開ボタンを押し込み操作しても光ファイバ接続前検査動作は実行されない。
この融着接続機10の風防カバー60の一対のカバー部材61、62は、風防開閉用動力源63a、63b(図3、図4参照)が発生した動力によって同期して回転開閉駆動可能となっている。この融着接続機10は、各カバー部材61、62毎に、風防開閉用動力源63a、63bから回転、開閉のための動力を伝達する動力伝達系を有している。但し、カバー部材61、62毎の2つの動力伝達系は互いに独立しており、風防開閉用の2つの動力源63a、63bも互いに独立しており、カバー部材61、62の回転駆動が停止している状態において第1カバー部材61を手動で回転操作したときに、第2カバー部材62が第1カバー部材61の回転操作に連動せず、停止状態を保つようになっている。
図13に示すように、この融着接続機10は、風防カバー60の一対のカバー部材61、62を互いに閉じ合わせた状態から、ファイバクランプ部材25が取り付けられていない第1カバー部材61のみを手動で開くことで、ファイバクランプ部材25による光ファイバ把持状態の目視確認が矢印Xの方向から可能になる。また、この融着接続機10は、風防カバー60の一対のカバー部材61、62を互いに閉じ合わせた状態から第1カバー部材61のみを手動で開くことで、一対のカバー部材61、62間に作業者が手指を挿入して、ファイバクランプ部材25や光ファイバ9先端部を手動で位置調整するためのスペース(開口部)を確保できる。これにより、融着接続機10は、ファイバクランプ部材25や光ファイバ9先端部の手動での位置調整を楽に行なうことができる。
ところで、閉じたときに、一対の電極棒と、左右両側の位置決め溝及びファイバクランプ部材と、左右両側のホルダ載置部に載置されたファイバホルダあるいは被覆クランプとを覆う開閉可能な風防カバーを有する融着接続機を用いて、光ファイバ同士を融着接続する接続作業においては、風防カバーを閉めた状態において、光ファイバが位置決め溝とファイバクランプ部材で正確に把持されているか目視確認する必要がある。特に光ファイバの被覆に強い曲がり(反り)がある場合は光ファイバが位置決め溝から飛び出し、ファイバクランプ部材で光ファイバを正しく把持できていないことがある。光ファイバを指で位置決め溝に押さえ付けた状態でファイバクランプ部材を手動で降ろす必要がある。しかし、例えば、特許文献1〜3に記載の融着接続機のように、風防カバーの開閉に該風防カバーに取り付けられたファイバクランプ部材が連動している場合はこの作業が実施できない。
例えば、特許文献2では、その図1〜図4を参照して判るように、風防カバーとクランプアームとが機械的に連結されて連動する構成が開示されている。この特許文献2記載の技術において、風防カバー外側からクランプアームの連結を切り離す機構を追加し、連結を切ってから風防カバーを開けばファイバクランプ部材による光ファイバの把持状態が確認できる。また、把持状態に問題がある場合、ファイバクランプ部材を手動で操作し光ファイバの把持状態を修正し、風防カバー閉めた後にクランプアームを再度連動すれば元の状態に戻る。
ただし、下記の問題もある。
・風防カバーとクランプアームの連結や切り離しを風防カバーの外から行える機構が必要。
・クランプアームが切り離された状態でクランプアームを閉じて把持状態を修正し、後から風防カバーを閉じて再連結する際に、再連結の振動でファイバクランプ部材による光ファイバの把持状態が再び悪化することがある。
これに対して、本発明に係る実施形態の融着接続機10は、既述のように、カバー部材の駆動停止時にファイバクランプ部材25が取り付けられているカバー部材を回転させることなく、他のカバー部材の手動開閉を可能である。この融着接続機は、風防カバーとクランプアームの連結や切り離しを風防カバーの外から行える機構といった特別な機構を風防カバーに設ける(風防カバーに複数の部品を必要としたり、風防カバーの小型化の障害になる)ことなく、動力伝達系の構成のみによって、ファイバクランプ部材が取り付けられているカバー部材を回転させることなく、他のカバー部材の手動開閉を可能とすることを実現できる。また、この融着接続機10は、風防カバーに対するクランプアームの連結、切り離しが不要であるので、光ファイバの把持状態を修正した後も光ファイバの把持状態を保つことができる。
なお、本発明に係る実施形態の融着接続機としては、ファイバクランプ部材が回転カバー部材の内側に直接連結された構成(例えば図5、図6等)の他、ファイバクランプ部材がその内側に設けられ且つ前記回転カバー部材に対して切り離し可能に連結されたクランプアームと連結され、前記回転カバー部材の開閉に連動して位置決め溝に対して開閉する構成も採用可能である。
図14〜図18(a)、(b)は、別態様の風防カバー60Aを説明する図である。
なお、図14〜図18(a)、(b)においては左側を前、右側を後、上側を上、下側を下として説明する。
図14〜図17に示すように、この風防カバー60Aは、一対のカバー部材61、62(回転カバー部材)に加えて、装置本体20に固定して一対の電極棒24の後端部をそれぞれ収容する2つのカバー部材68(以下、固定カバー部材とも言う)を有し、計4つのカバー部材で構成されている。一対の固定カバー部材68は、放電部24aを介してその前後両側に設けられている。図14〜図17において、放電部24aの前側(図14〜図17において左側)の固定カバー部材68を、以下、第1固定カバー部材681、放電部24aの後側(図14〜図17において右側)の固定カバー部材68を、以下、第2固定カバー部材682とも言う。
図14〜図18(a)、(b)に示すように、固定カバー部材681、682は、装置本体上面21上に配置された内側カバー部68aと、この内側カバー部68aの放電部24aとは反対の側に突設された固定カバー本体68bとを有する。カバー部材61、62の主壁部61b、62bの長手方向中央部には、本体接合面62e側から窪む凹所状に形成された固定カバー用切り欠き部61g、62gが形成されている。このカバー部材61、62に図中符号61A、62Aを付記する。
図14、図15に示すように、固定カバー部材681、682は、装置本体20上端部の中央台部上面28aとその前後両側のカバー部材収容溝27a、27b内面との境界部に固定して設けられている。
図14、図16に示すように、内側カバー部68aは、風防カバー60Aのカバー部材61A、62Aを互いに閉じ合わせた状態において、風防カバー60Aの内側に位置する。図18(a)、(b)に示すように、この内側カバー部68aは、天板部68cの両側からその片面側に一対の脚部68dが張り出された概ね断面U字形に形成されている。そして、この内側カバー部68aは、両側の脚部68dの天板部68cとは反対の突端を装置本体20の中央台部28の上面28aに当接させて装置本体20上に設けられている。
固定カバー部材68は、内側カバー部68aと中央台部上面28aとによって取り囲まれた内側孔の軸線方向を接続機前後方向に一致させて、中央台部28に固定されている。
第1固定カバー部材681の固定カバー本体68bは、第1カバー部材61の固定カバー用切り欠き部61g内周面に沿う概略アーチ形(円弧状の他、U形、V形等を含む)の断面形状で、カバー部材61Aの回転軸61aを中心とする回転に伴う固定カバー用切り欠き部61g内周面の移動(回転)軌跡に沿って延在形成されている。
第2固定カバー部材682の固定カバー本体68bは、第2カバー部材62の固定カバー用切り欠き部62g内周面に沿う概略アーチ形(円弧状の他、U形、V形等を含む)の断面形状で、カバー部材62Aの回転軸62aを中心とする回転に伴う固定カバー用切り欠き部62g内周面の移動(回転)軌跡に沿って延在形成されている。
各固定カバー部材68の固定カバー本体68bは、内側カバー部68aの放電部24aとは反対側の端部の内周に沿って突設された内周リブ部68eの内周から延出されている。また、各固定カバー部材68の固定カバー本体68bの内側カバー部68aとは反対側の端面は、カバー部材収容溝27a、27b内面上端部に当接されている。
カバー部材61A、62Aは、回転駆動によって開閉しても、常時、固定カバー用切り欠き部61g、62g内周面が固定カバー部材681、682の固定カバー本体68b外側面に接近配置、あるいは摺動可能に当接されている。このため、閉じた状態の風防カバー60外側から内側への風や埃等の侵入を効率良く抑えることができる。
さらに、この風防カバー60Aは、閉じた状態において、各カバー部材61A、62Aの主壁部61b、62bの固定カバー用切り欠き部61g、62gの周囲に位置する部分が、内側カバー部68aの内周リブ部68eに接近配置あるいは面接触するため、風防カバー60外側から内側への風や埃等の侵入を一層効率良く抑えることができる。
本発明に係る融着接続機10は、風防カバー60を構成するカバー部材61、62の開閉操作を自動で行うことにより、カバー部材61、62同士を迅速かつ適度な力で確実に開閉できる。その結果、光ファイバの融着接続の作業時間の短縮、作業性向上を実現できる。
また、この融着接続機10は、カバー部材61、62の小型化により、装置本体20から外側(平面視において外側)へのカバー部材61、62の突出を解消していることで、自動化しても、光ファイバをカバー部材に引っ掛けて損傷してしまうといった問題が無く、カバー部材61、62同士を迅速かつ確実に開閉できる。
また、この融着接続機10は、例えば、風防カバーを開閉ボタンで駆動する構成に比べて、作業時間の短縮、作業性向上が可能である。
以上、本発明を最良の形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述の最良の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
風防カバーとしては、一対のカバー部材の両方が装置本体上端部に対して回転軸を介して枢着された回転カバー部材である構成に限定されない。融着接続機としては、例えば、図19、図20に示すように、上述の実施形態の融着接続機10について、一対のカバー部材61、62(回転カバー部材)のうち、ファイバクランプ部材25が設けられていない第1カバー部材61を、装置本体20上に設けられたスライド移動機構69によって装置本体20に対して接続機前後方向にスライド移動して開閉させる構成に変更したものである。第2カバー部材62については、上述の実施形態の融着接続機10から変更無い。
スライド移動機構69によって装置本体20上面に沿ってスライド移動されるカバー部材を、以下、スライドカバー部材とも言う。
図19、図20の構成の場合、風防カバー60Bを構成する第1カバー部材61を移動して開閉する機構(スライド移動機構69)と、第2カバー部材62を開閉させる機構とが、互いに独立の機構となっている。このため、図19、図20の構成にあっては、第2カバー部材62を閉じ位置(図19、図20の第2カバー部材62の位置)に配置したまま、第1カバー部材61の開閉操作を行える。
また、風防カバーとしては、図21に示すように3分割した構成も採用可能である。
図21に例示した風防カバー60Cは、図1〜13の融着接続機10の風防カバー60の第1カバー部材61をその長手方向に2分割した2つの分割カバー部材611、612と、第2カバー部材62(回転カバー部材)とで構成されている。2つの分割カバー部材611、612は、図1〜13の融着接続機10の風防カバー60の第1カバー部材61と同じ回転軸線を以て装置本体20に枢着された回転カバー部材である。また、2つの分割カバー部材611、612は、分割カバー部材611、612の個々に対応して設けられた動力伝達系によって回転開閉される。
2つの分割カバー部材611、612のうち、符号611の分割カバー部材は、閉じ位置に配置されたときに、第2カバー部材62に設けられている一対のファイバクランプ部材25、及び左右両側の可動ステージ22にそれぞれ配置されているファイバホルダ40(あるいは被覆クランプが設けられている場合は被覆クランプ)の一方を覆うことができる。この分割カバー部材611を、以下、分割カバー主部材とも言う。
図21に例示した融着接続機10Cは、風防カバー60Cを閉じた状態において、分割カバー主部材611のみを手指で開くことで、左右両側の位置決め溝23a及び第2カバー部材62内側の左右一対のファイバクランプ部材25を露出させ、また、分割カバー主部材611と第2カバー部材62との間への手指の挿入が可能となる。
また、この融着接続機10Cは、2つの分割カバー部材611、612のうち、分割カバー主部材611を第2カバー部材62に対して開いたときに、残る分割カバー部材612を開く必要が無い。このため、風防カバー内側への塵埃の侵入リスクを少なく抑えることができる。
また、本発明に係る融着接続機としては、図21に例示した風防カバー60Cの2つの分割カバー部材611、612の一方又は両方を、閉じ位置から接続機前側(図21左側)へ延在する可動範囲を以て、装置本体上面21に対して前後方向へのスライド移動によって開閉するスライドカバー部材とした構成も採用可能である。この場合、スライドカバー部材は、装置本体20上に設けたスライド移動機構69によって装置本体20に対して前後方向にスライド移動させる。
風防カバーとしては、それぞれ動力源によって開閉される複数のカバー部材(可動カバー部材)からなる構成を採用でき、また、複数のカバー部材は、その大きさ及び/又は形状が互いに同じでも異なっていても良い。風防カバーは、4以上のカバー部材に分割されていても良い。
但し、風防カバーは、該風防カバーを構成する複数のカバー部材のうち、1以上のカバー部材が、装置本体上面に沿って配置された回転軸を中心に回転開閉する回転カバー部材であり、この回転カバー部材に、融着接続機の位置決め溝に対応してファイバクランプ部材25が設けられた構成を採用する。ファイバクランプ部材付きの回転カバー部材は、例えば、融着接続機の左右の位置決め溝に対応して一対のファイバクランプ部材25が取り付け(機械的に連結)された構成であるが、この他、2つの回転カバー部材に、左右の位置決め溝の片方のみに対応(光ファイバを押さえ込む)する2つのファイバクランプ部材の片方ずつが設けられた構成も採用可能である。
ファイバクランプ部材付きの回転カバー部材以外のカバー部材は必ずしも回転カバー部材である必要は無いため、例えば装置本体上に設けたスライド移動機構によってスライド移動されるスライドカバー部材であっても良い。
また、複数の可動カバー部材を有する風防カバーは、1以上の固定カバー部材を含んでいても良い。この場合、風防カバーとしては、例えば、回転カバー部材、スライドカバー部材といった可動カバー部材が固定カバー部材表面をスライド移動して開閉する構成が採用される。
複数のカバー部材に分割された風防カバーは、1以上の回転カバー部材を含む構成を採用でき、さらに1以上の固定カバー部材を含む構成も採用できる。
図23、図24に示すように、可動ステージ22に取り付けられる検知器31、32は、その検知器本体31aを可動ステージ22内に組み込んでも良い。この場合は、検知器本体31aを、可動ステージ22によって、可動ステージ22の移動に伴う可動ステージ22周囲の部材との当接から保護できるため、検知精度の安定維持、長寿命化を図ることができる。
ファイバ装着検知器(ファイバ装着作業検知器)の検知器本体31aを可動ステージ22内に組み込んだ構成は、本発明に係る実施形態の融着接続機に広く適用可能であり、例えば、図10に例示した融着接続機についても適用可能である。
本発明に係る実施形態の融着接続機のファイバ装着検知器は、クランプ閉じ検知器、ホルダ載置検知器に限定されない。ファイバ装着検知器としては、例えば図26に示すように、被覆クランプ50のクランプ下部材51上に光ファイバ9が載置されたことを検知するクランプ用ファイバ検知器34も採用可能である。また、ファイバ装着検知器としては、例えば図27に示すように、ファイバホルダ40に把持固定された光ファイバ9が可動ステージ22(ホルダ載置部)上の所定位置に配置されたことを検知する検知器(以下、ホルダ用ファイバ検知器35とも言う)も採用可能である。
図26のクランプ用ファイバ検知器34は、図23における検知器31のセンサピン31bを、被覆クランプ50の板状のクランプ下部材51をその厚み方向に貫通するセンサピン孔51cに通して、クランプ下部材51の上面51a上に突出させたものである。図26は、図1の融着接続機10Aのクランプ閉じ検知器31にかえてクランプ用ファイバ検知器34を設けた構成の融着接続機10Dを例示している。
図26において、センサピン31bは、クランプ下部材上面51a上の光ファイバ9が配置される領域(以下、ファイバ載置領域とも言う)、すなわち、光ファイバ9が溝形成基板23の位置決め溝23aによって位置決めするべく配置されるクランプ下部材上面51a上の領域に突出されている。被覆クランプ50のクランプ下部材51は、例えば、その上面51a上に突出された複数の突片、上面51aに形成された溝といった、ファイバ位置決め手段(図示略)を有しており、このファイバ位置決め手段によって光ファイバ9が上面51aのファイバ載置領域に配置されるようになっている。
そして、このクランプ用ファイバ検知器34は、クランプ下部材上面51a上に光ファイバ9が配置されたときに、光ファイバ9の載置によって押圧されたセンサピン31bの検知器本体31aへの押し込みによって、検知器本体31aから取得される検知信号が無検知から検知に遷移する。これにより、クランプ用ファイバ検知器34は、クランプ下部材上面51a上のファイバ載置領域に光ファイバ9が載置されたことを検知する。
図27のホルダ用ファイバ検知器35は、図24における検知器32のセンサピン31bを、可動ステージ22の上面22a上に突出させたものである。図27は、図2の融着接続機10Bのホルダ載置検知器32にかえてホルダ用ファイバ検知器35を設けた構成の融着接続機10Eを例示している。
ホルダ用ファイバ検知器35のセンサピン31bの可動ステージ22上に突出させた部分は、ファイバホルダ40のベース板41をその厚み(板厚)方向に貫通するセンサピン孔41cに内挿可能である。ファイバホルダ40は、ベース板41の上面41aに形成されたファイバ収容溝41d(図9参照)によって、光ファイバ9をベース板上面41a上のファイバ載置領域に位置決めして把持固定する。センサピン孔41cの上端はファイバ載置領域に開口されている。
ホルダ用ファイバ検知器35は、ファイバホルダ40を可動ステージ22上に載置したときに、ベース板41のセンサピン孔41cに挿入されたセンサピン31bが、ファイバホルダ40に把持固定されている光ファイバ9によって下方へ押圧されて検知器本体31aに押し込まれことで、検知器本体31aから取得される検知信号が無検知から検知に遷移する。これにより、ホルダ用ファイバ検知器35は、ファイバホルダ40に把持固定された光ファイバ9が可動ステージ22上の所定位置に配置されたことを検知する。
左右両側の可動ステージ22にファイバ装着検知器としてクランプ用ファイバ検知器34を設けた構成の融着接続機10D、及び左右両側の可動ステージ22にファイバ装着検知器としてホルダ用ファイバ検知器35を設けた構成の融着接続機10Eは、いずれも、ファイバセット待機状態において、駆動制御装置が左右両側の検知器本体31aから取得する検知信号が、左右両側とも無検知から、左右両側とも検知に遷移することで、これがトリガー信号となってファイバ融着・検査動作を開始する。
なお、クランプ用ファイバ検知器34を設けた構成の融着接続機10Dは、被覆クランプ50に把持固定していた光ファイバ9を被覆クランプ50から取り外すことで、クランプ用ファイバ検知器34の検知器本体31aから取得される検知信号が検知から無検知に遷移する。
また、ホルダ用ファイバ検知器35を設けた構成の融着接続機10Eは、可動ステージ22上に載置されていたファイバホルダ40を可動ステージ22上から取り外すことで、ホルダ用ファイバ検知器35の検知器本体31aから取得される検知信号が検知から無検知に遷移する。
また、図示例では、クランプ用ファイバ検知器34の検知器本体31aを可動ステージ22内に組み込んだ構成、ホルダ用ファイバ検知器35の検知器本体31aを可動ステージ22内に組み込んだ構成を例示したが、検知器34、35の検知器本体31aの可動ステージ22に対する取り付け位置はこれに限定されるものではなく、適宜変更可能である。
図28、図29に示すように、本発明に係る実施形態の融着接続機としては、ファイバ装着検知器を省略して、作業者の手指の近接を検知する指検知器36を左右両側に設けた構成も採用可能である。
指検知器36は、装置本体20上における、左右両側の可動ステージ22を介して加熱融着部24Aとは反対の側(後端側)に取り付けられている。
この指検知器36の装置本体20上における設置位置は、装置本体20に対して閉じた風防カバーに覆われる内側の位置、風防カバーによって覆われない外側の位置のどちらでも可能であるが、風防カバーの小型化の点では、風防カバーによって覆われない外側位置であることが好ましい。
図28に示す融着接続機10Fは、光ファイバ9を被覆クランプ50に把持固定する作業を行なうべく、作業者が光ファイバ9を把持した手指を被覆クランプ50に接近させたときに、指検知器36が該指検知器36に対する手指の近接を検知する構成となっている。
指検知器36としては、例えば赤外線センサ、サーモセンサ等を採用できる。
図29に示す融着接続機10Gは、光ファイバ9を把持固定したファイバホルダ40を可動ステージ22上に載置するべく、作業者がファイバホルダ40を把持した手指を可動ステージ22に接近させたときに、指検知器36が該指検知器36に対する手指の近接を検知する構成となっている。
指検知器36は、手指を検知したときに、指検知器36から駆動制御装置が取得する検知信号が無検知から検知に遷移する。また、指検知器36は、該指検知器36に近接されていた手指(指)が指検知器36から充分な離隔距離を以て離隔されることで、該指検知器36から駆動制御装置へ取得される検知信号が検知から無検知に遷移する。
図28、図29の融着接続機10F、10Gは、ファイバセット待機状態において、駆動制御装置が左右両側の指検知器36から取得する検知信号が、左右両側とも無検知から、左右両側とも検知に遷移し、さらにその後に左右両側とも無検知に遷移することで、これがトリガー信号となってファイバ融着・検査動作を開始する。
図30、図31は、既述の融着接続機10Aに、手動操作によって動作開始指令を入力するための動作指令入力操作部37を追加した融着接続機10Hを示す。
図示例の動作指令入力操作部37は、具体的にはスイッチ台11に設けられた押しボタンである。
なお、動作指令入力操作部37及び駆動制御装置以外の構成は、既述の融着接続機10Aと同様である。このため、この融着接続機10Hについては、図1等の既述の融着接続機10Aを説明する図、及び図30、図31を参照して説明する。
融着接続機10Hは、ファイバセット待機状態にて、駆動制御装置が左右両側のクランプ閉じ検知器31(図1参照)の検知器本体31aから取得する検知信号が両方とも無検知の状態から両方とも検知の状態に遷移した後、動作指令入力操作部37(図30、図31参照。ここでは押しボタン)の押し込み操作によって動作指定が駆動制御装置に入力されることで、これがトリガー信号となってファイバ融着・検査動作を開始する。すなわち、この融着接続機10Hは、ファイバセット待機状態にて、駆動制御装置が左右両側のクランプ閉じ検知器31の検知器本体31aから取得する検知信号が両方とも無検知の状態から両方とも検知の状態に遷移しただけではファイバ融着・検査動作を開始しない。
この融着接続機10Hは、例えば、ファイバセット待機状態にて、左右両側の被覆クランプ50への光ファイバ9の把持固定を行なった後、作業者が光ファイバ9先端の配置状態等を目視確認した後、動作指令入力操作部37(ここでは押しボタン)を押し込み操作するという動作を行なうことで、光ファイバ9の位置ずれなどが無い状態でより確実に融着接続を行なうことができる。
本発明に係る実施形態の融着接続機としては、例えば、図2に例示した融着接続機10Bに動作指令入力操作部37を追加して、ファイバセット待機状態にて、駆動制御装置が左右両側のホルダ載置検知器32の検知器本体31aから取得する検知信号が両方とも無検知の状態から両方とも検知の状態に遷移した後、動作指令入力操作部37(押しボタン)の押し込み操作によって動作指定が駆動制御装置に入力されることで、これがトリガー信号となってファイバ融着・検査動作を開始する構成とした融着接続機も採用可能である。また、動作指令入力操作部37を設けた融着接続機の左右両側のファイバ装着作業検知器としては、図23、図24、図26、図27に例示したファイバ装着検知器、図28、図29に例示した指検知器36も採用可能である。
ファイバ装着作業検知器が指検知器36である融着接続機は、ファイバセット待機状態において、駆動制御装置が左右両側の指検知器36から取得する検知信号が、左右両側とも無検知から、左右両側とも検知に遷移し、さらにその後に左右両側とも無検知に遷移した後、動作指令入力操作部37(押しボタン)の押し込み操作によって動作指定が駆動制御装置に入力されることで、これがトリガー信号となってファイバ融着・検査動作を開始する構成を採用可能である。
なお、動作指令入力操作部37が無く、ファイバセット待機状態にて、駆動制御装置が左右両側のファイバ装着検知器から取得する検知信号が両方とも無検知の状態から両方とも検知の状態に遷移した場合に、これがトリガー信号となってファイバ融着・検査動作を開始する構成の融着接続機は、図30、図31に例示した融着接続機10Hのように、ファイバ融着・検査動作の開始に、動作指令入力操作部37からの動作指令の入力を要する融着接続機によりも、装置に対する光ファイバ9の装着完了から融着接続の完了までの所要時間を短縮できるという利点がある。
このことは、ファイバ装着作業検知器が指検知器36であり、駆動制御装置が左右両側のファイバ装着作業検知器から取得する検知信号が両方とも無検知の状態から両方とも検知の状態に遷移した後、左右両側とも無検知に遷移した場合に、これがトリガー信号となってファイバ融着・検査動作を開始する構成の融着接続機についても同様である。
融着接続機における動作指令入力操作部37の設置場所としては、特に限定は無く、例えば装置本体20側面等であっても良い。
動作指令入力操作部37としては、押しボタンに限定されない。
動作指令入力操作部37としては、例えばダイヤル形のスイッチ、スライド方式のスイッチ等も採用可能である。また、融着接続機のモニタ装置14としてタッチパネルを用い、このタッチパネルに表示したタッチボタンを動作指令入力操作部37として用いても良い。
10、10A〜10H…融着接続機、20…装置本体、23…溝形成基板、23a…位置決め溝、24…電極棒、24A…加熱融着部、21…(装置本体の)上面、22…可動ステージ、クランプ取り付け台、ホルダ載置部、22A…可動ユニット、22B…クランプ付き可動ステージ、31…ファイバ装着検知器(クランプ閉じ検知器、ファイバ装着作業検知器)、32…ファイバ装着検知器(ホルダ載置検知器、ファイバ装着作業検知器)、33…風防カバー検知器、34…ファイバ装着検知器(クランプ用ファイバ検知器、ファイバ装着作業検知器)、35…ファイバ装着検知器(ホルダ用ファイバ検知器、ファイバ装着作業検知器)、36…指検知器(ファイバ装着作業検知器)、37…動作指令入力操作部、40…ファイバホルダ、50…被覆クランプ、60、60A、60B、60C…風防カバー、61、61A、62、62A…カバー部材(回転カバー部材)、63a、63b…風防開閉用動力源、68、681、682…カバー部材(固定カバー部材)。

Claims (19)

  1. 光ファイバ同士を融着接続する加熱融着部を備えた装置本体と、
    1又は複数のカバー部材によって前記装置本体に対して開閉自在に構成され、閉じた状態において前記加熱融着部を覆う風防カバーと、
    前記装置本体の前記加熱融着部を介して左右両側に設けられたファイバ装着部と、
    左右両側の前記ファイバ装着部にそれぞれ設けられたファイバ装着検知器と、
    風防カバーを開閉動するための風防開閉動力源とを有し、
    前記ファイバ装着部は、前記装置本体に設けられて、クランプ下部材と該クランプ下部材に開閉可能に枢着されたクランプ上部材との間に光ファイバの被覆部を把持する被覆クランプであるか、あるいは前記装置本体に設けられて、ベース板と該ベース板に開閉可能に枢着された蓋部材との間に光ファイバの被覆部を把持するファイバホルダが脱着可能に載置されるホルダ載置部であり、
    前記ファイバ装着検知器は、被覆クランプのクランプ上部材がクランプ下部材に対して閉じられたこと、前記ホルダ載置部にファイバホルダが載置されたこと、被覆クランプのクランプ下部材上に光ファイバが載置されたこと、ファイバホルダに把持固定された光ファイバがホルダ載置部上の所定位置に配置されたこと、のいずれかを検知可能であり、
    風防カバーが開いている状態において、左右両側のファイバ装着検知器からの検知信号に基づいて風防カバーを前記風防開閉動力源で駆動して閉じる動作を行い、かつ、融着接続を行った後に、前記風防開閉動力源で駆動して風防カバーを開く動作を行うことを特徴とする光ファイバ融着接続機。
  2. 請求項1に記載の光ファイバ融着接続機において、
    前記クランプ下部材は、前記装置本体に設けられたクランプ取り付け台に固定されており、
    前記ホルダ載置部を兼ねる前記クランプ取り付け台を有し、このクランプ取り付け台に対してファイバホルダと被覆クランプとを選択的に装着可能であり、しかもファイバ装着検知器は、前記被覆クランプのクランプ上部材が前記クランプ取り付け台に固定されたクランプ下部材に対して閉じられたこと、及び前記クランプ取り付け台にファイバホルダが載置されたことを検知可能であることを特徴とする光ファイバ融着接続機。
  3. 請求項1又は2に記載の光ファイバ融着接続機において、
    前記加熱融着部の左右両側に、装置本体に対して左右方向に可動に設けられた可動ステージを、その上に前記被覆クランプが取り付けられる前記クランプ取り付け台、あるいは前記ホルダ載置部として有し、前記可動ステージに前記ファイバ装着検知器が組み付けられていることを特徴とする光ファイバ融着接続機。
  4. 請求項1に記載の光ファイバ融着接続機において、
    左右両側のファイバ装着部と前記加熱融着部との間に配置されて前記加熱融着部の左右両側に設けられた位置決め溝と、前記カバー部材に連結され、前記風防カバーを閉じたときに前記光ファイバを前記位置決め溝に押さえ込むファイバクランプ部材とをさらに備え、
    風防カバーは動力源によって可動する2つ以上のカバー部材から構成され、閉じた状態において、前記加熱融着部と、左右両側の位置決め溝及びファイバクランプ部材と、左右両側のホルダ載置部に載置されたファイバホルダあるいは被覆クランプとを覆い、
    1以上のカバー部材が、装置本体上面に沿って配置された回転軸を中心に回転開閉する回転カバー部材であり、該回転カバー部材は90度を超える回転動作範囲が確保され、
    前記ファイバクランプ部材は、前記回転カバー部材の内側に設けられ且つ前記回転カバー部材に対して切り離し可能に連結されたクランプアームと連結され、前記回転カバー部材の開閉に連動して位置決め溝に対して開閉することを特徴とする光ファイバ融着接続機。
  5. 請求項1、3、4のいずれか1項に記載の光ファイバ融着接続機において、
    前記風防カバーの開閉動作用の動力源が、電磁力によって動力を発生するものであり、
    電動モータ、電磁石、ソレノイドから選択される1又は複数であることを特徴とする光ファイバ融着接続機。
  6. 請求項5に記載の光ファイバ融着接続機において、
    ファイバクランプ部材が連結されたカバー部材の開閉動作は、閉じる場合は閉じ始めを速い速度で、閉じ終わりを閉じ始めに比べてゆっくりとした速度で駆動することを特徴とする光ファイバ融着接続機。
  7. 請求項4に記載の光ファイバ融着接続機において、
    風防カバーが前後2つの回転カバー部材に分割されていることを特徴とする光ファイバ融着接続機。
  8. 請求項7に記載の光ファイバ融着接続機において、
    分割された2つの回転カバー部材のそれぞれの内側に、光ファイバをカメラで撮像する際の光照射用の撮像用光源が配置されていることを特徴とする光ファイバ融着接続機。
  9. 請求項4、7、8のいずれか1つに記載の光ファイバ融着接続機において、
    前記装置本体上に、前記位置決め溝が上面に形成された溝形成基板を有し、
    前記回転カバー部材の回転軸の軸線が、前記溝形成基板の上面と概ね同一平面上に配置されていることを特徴とする光ファイバ融着接続機。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の光ファイバ融着接続機において、
    風防カバーが開いている状態において、ファイバ装着検知器からの検知信号が左右両側とも無検知から左右両側とも検知に遷移していった場合に、風防カバーの前記閉動作および前記開動作を行うことを特徴とする光ファイバ融着接続機。
  11. 光ファイバ同士を融着接続する加熱融着部を備えた装置本体と、
    1又は複数のカバー部材によって前記装置本体に対して開閉自在に構成され、閉じた状態において前記加熱融着部を覆う風防カバーと、
    前記装置本体の前記加熱融着部を介して左右両側に設けられたファイバ装着部と、
    左右両側の前記ファイバ装着部の加熱融着部とは反対の側にそれぞれ設けられて手指を検知する指検知器と、
    風防カバーを開閉動するための風防開閉動力源とを有し、
    前記ファイバ装着部は、前記装置本体に設けられて、クランプ下部材と該クランプ下部材に開閉可能に枢着されたクランプ上部材との間に光ファイバの被覆部を把持する被覆クランプであるか、あるいは前記装置本体に設けられて、ベース板と該ベース板に開閉可能に枢着された蓋部材との間に光ファイバの被覆部を把持するファイバホルダが脱着可能に載置されるホルダ載置部であり、
    風防カバーが開いている状態において、左右両側の指検知器からの検知信号に基づいて風防カバーを前記風防開閉動力源で駆動して閉じる動作を行い、かつ、融着接続を行った後に、前記風防開閉動力源で駆動して風防カバーを開く動作を行う
    ことを特徴とする光ファイバ融着接続機。
  12. 光ファイバ同士を融着接続する加熱融着部を備えた装置本体と、
    1又は複数のカバー部材によって前記装置本体に対して開閉自在に構成され、閉じた状態において前記加熱融着部を覆う風防カバーと、
    前記装置本体の前記加熱融着部を介して左右両側に設けられたファイバ装着部と、
    左右両側の前記ファイバ装着部にそれぞれ設けられたファイバ装着検知器と、
    風防カバーを開閉動するための風防開閉動力源と、
    手動操作によって動作開始指令を入力するための動作指令入力操作部と
    を有し、
    前記ファイバ装着部は、前記装置本体に設けられて、クランプ下部材と該クランプ下部材に開閉可能に枢着されたクランプ上部材との間に光ファイバの被覆部を把持する被覆クランプであるか、あるいは前記装置本体に設けられて、ベース板と該ベース板に開閉可能に枢着された蓋部材との間に光ファイバの被覆部を把持するファイバホルダが脱着可能に載置されるホルダ載置部であり、
    前記ファイバ装着検知器は、被覆クランプのクランプ上部材がクランプ下部材に対して閉じられたこと、前記ホルダ載置部にファイバホルダが載置されたこと、被覆クランプのクランプ下部材上に光ファイバが載置されたこと、ファイバホルダに把持固定された光ファイバがホルダ載置部上の所定位置に配置されたこと、のいずれかを検知可能であり、
    風防カバーが開いている状態において、左右両側のファイバ装着検知器からの検知信号と前記動作指令入力操作部からの動作開始指令の入力とに基づいて風防カバーを前記風防開閉動力源で駆動して閉じる動作を行い、かつ、融着接続を行った後に、前記風防開閉動力源で駆動して風防カバーを開く動作を行うことを特徴とする光ファイバ融着接続機。
  13. 光ファイバ同士を融着接続する加熱融着部を備えた装置本体と、
    1又は複数のカバー部材によって前記装置本体に対して開閉自在に構成され、閉じた状態において前記加熱融着部を覆う風防カバーと、
    前記装置本体の前記加熱融着部を介して左右両側に設けられたファイバ装着部と、
    左右両側の前記ファイバ装着部の加熱融着部とは反対の側にそれぞれ設けられて手指を検知する指検知器と、
    風防カバーを開閉動するための風防開閉動力源とを有し、
    前記ファイバ装着部は、前記装置本体に設けられて、クランプ下部材と該クランプ下部材に開閉可能に枢着されたクランプ上部材との間に光ファイバの被覆部を把持する被覆クランプであるか、あるいは前記装置本体に設けられて、ベース板と該ベース板に開閉可能に枢着された蓋部材との間に光ファイバの被覆部を把持するファイバホルダが脱着可能に載置されるホルダ載置部であり、
    風防カバーが開いている状態において、左右両側の指検知器からの検知信号と動作指令入力操作部からの動作開始指令の入力とに基づいて風防カバーを前記風防開閉動力源で駆動して閉じる動作を行い、かつ、融着接続を行った後に、前記風防開閉動力源で駆動して風防カバーを開く動作を行うことを特徴とする光ファイバ融着接続機。
  14. 請求項11に記載の光ファイバ融着接続機において、
    風防カバーが開いている状態において、指検知器からの検知信号が左右両側とも無検知から左右両側とも検知に遷移し、その後に左右両側とも無検知に遷移していった場合に、風防カバーの前記閉動作および前記開動作を行うことを特徴とする光ファイバ融着接続機。
  15. 請求項12に記載の光ファイバ融着接続機において、
    風防カバーが開いている状態において、ファイバ装着検知器からの検知信号が左右両側とも無検知から左右両側とも検知に遷移し、さらに動作指令入力操作部から動作開始指令が入力された場合に、風防カバーの前記閉動作および前記開動作を行うことを特徴とする光ファイバ融着接続機。
  16. 請求項13に記載の光ファイバ融着接続機において、
    風防カバーが開いている状態において、指検知器からの検知信号が左右両側とも無検知から左右両側とも検知に遷移し、その後に左右両側とも無検知に遷移し、さらに動作指令入力操作部から動作開始指令が入力された場合に、風防カバーの前記閉動作および前記開動作を行うことを特徴とする光ファイバ融着接続機。
  17. 請求項1〜16のいずれか1項に記載の光ファイバ融着接続機において、
    風防カバーの開閉状態を検知する風防カバー検知器をさらに備えることを特徴とする光ファイバ融着接続機。
  18. 請求項1〜17のいずれか1項に記載の光ファイバ融着接続機において、
    前記風防カバーは2つ以上のカバー部材によって構成され、1以上のカバー部材が、装置本体上面に沿って配置された回転軸を中心に回転開閉する回転カバー部材であり、
    前記装置本体上端部に、開いた状態の回転カバー部材を収容するカバー部材収容溝が前記装置本体上面から窪んで形成されていることを特徴とする光ファイバ融着接続機。
  19. 請求項4、7、8、9、18のいずれか1項に記載の光ファイバ融着接続機において、
    開いた状態のカバー部材が前記装置本体の平面視外側に突出しないことを特徴とする光ファイバ融着接続機。
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