JP2014038361A - 光ファイバ融着接続機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光ファイバ9同士を融着接続する加熱融着部24Aの左右両側に、光ファイバ9の被覆部を把持固定する被覆クランプ50と、被覆クランプ50のクランプ上部材52がクランプ下部材51に対して閉じられたことを検知するファイバ装着作業検知器31とを備え、開閉可能であり閉じたときに加熱融着部24Aを覆う風防カバーが開いている状態において、ファイバ装着作業検知器31からの検知信号に基づいて風防カバーを動力源で駆動して閉じる動作を行う光ファイバ融着接続機10Aを提供する。
【選択図】図1
Description
また、従来の光ファイバ融着接続機(以下、単に融着接続機とも言う)としては、以下のような機能、構成を有するものが広く提供されている(特許文献1)。
(1)光ファイバを2つの照明光源で2方向から照らし、2つのレンズと2つのカメラで、それぞれの方向から光ファイバを2軸で撮像(2軸観察)する(例えば特許文献1)。
(2)一対の電極棒の間にある加熱融着部の両側に、融着接続する光ファイバの先端を一対の電極棒間に位置決め配置するためのV溝を有する。このV溝は、加熱融着部を介して、一対の電極棒が配置されている装置本体上面に沿い、かつ一対の電極棒の間隔方向である前後方向に垂直の左右方向両側に設けられている。
光ファイバとしては、光ファイバ心線、光ファイバ素線等の被覆光ファイバを用いることが多い。光ファイバ(被覆光ファイバ)先端の被覆除去された光ファイバガラス部はV溝上に配置され、上方から光ファイバガラス部をV溝に押し付けるためのファイバクランプ部材によってV溝との間に把持される。左右2本の光ファイバに対応して、V溝とファイバクランプ部材との組は2組設けられる(例えば特許文献1)。
(3)左右の光ファイバの被覆部分を把持するために、装置本体左右方向に可動の被覆クランプを設けるか、またはファイバホルダを左右に1つずつ装置本体左右方向に可動に配置する(例えば特許文献2、3)。
(4)電極棒間に発生する放電は風に対して敏感であり、わずかな風によっても放電の揺らぎが発生する。そこで融着接続機としては、電極棒、V溝、ファイバクランプ部材又は被覆クランプを覆う、開閉可能な風防カバーを設けた構成が提供されている(例えば特許文献1〜3)。風防カバーは、電極棒等を覆うことで、風が一対の電極棒の間の放電部に到達しない密閉構造となっている。
(a)被覆クランプ方式:蓋を閉めて単心光ファイバを挟んで把持する。大型の被覆クランプは様々な被覆径の単心光ファイバを把持することが可能である。
また、被覆クランプは、装置(融着接続機)に取り付けられているため、紛失の恐れがない。
(b)ファイバホルダ方式:融着接続機とは別体のファイバホルダを融着接続機の上に載せる。ファイバホルダは、ベース板と、該ベース板に枢着して開閉可能に設けられた蓋板との間に光ファイバを挟み込んで把持する構成であり、光ファイバを把持した状態で融着接続機に載置される。
ファイバホルダは、被覆除去、切断、融着の各工程で光ファイバの装着が容易である。
しかし、被覆径や心線数に応じて様々な種類のファイバホルダを準備する必要がある。
すなわち、従来の融着接続機を用いた光ファイバの融着接続作業は、まず、風防カバーを開いた状態として、融着接続機に光ファイバを装着する。被覆クランプ方式の融着接続機の場合は、被覆クランプに光ファイバを挟み込む。ファイバホルダ方式の融着接続機の場合は、光ファイバを挟み込んだファイバホルダを融着接続機に載せる。融着接続機への光ファイバの装着が完了したら風防カバーを閉じ、次いで、融着接続機の接続開始スイッチをオン操作する。これにより、光ファイバを所定の位置に前進させ、電極棒間の放電によって、左右の光ファイバを放電しながら接合し、融着接続される。電極棒間の放電は所定時間行なわれた後、自動で停止し、接続部の検査を行う。融着接続の完了後、風防カバーを開いて光ファイバを取り出す。
光ファイバの融着接続作業は、1日に数百本行なうこともある。このため、融着接続機にあっては、光ファイバの融着接続の作業時間の短縮、作業性向上が求められていた。
第1の発明は、光ファイバ同士を融着接続する加熱融着部を備えた装置本体と、1又は複数のカバー部材によって前記装置本体に対して開閉自在に構成され、閉じた状態において前記加熱融着部を覆う風防カバーと、前記装置本体の前記加熱融着部を介して左右両側に設けられたファイバ装着部と、左右両側の前記ファイバ装着部にそれぞれ設けられたファイバ装着検知器と、風防カバーを開閉動するための風防開閉動力源とを有し、前記ファイバ装着部は、前記装置本体に設けられて、クランプ下部材と該クランプ下部材に開閉可能に枢着されたクランプ上部材との間に光ファイバの被覆部を把持する被覆クランプであるか、あるいは前記装置本体に設けられて、ベース板と該ベース板に開閉可能に枢着された蓋部材との間に光ファイバの被覆部を把持するファイバホルダが脱着可能に載置されるホルダ載置部であり、前記ファイバ装着検知器は、被覆クランプのクランプ上部材がクランプ下部材に対して閉じられたこと、前記ホルダ載置部にファイバホルダが載置されたこと、被覆クランプのクランプ下部材上に光ファイバが載置されたこと、ファイバホルダに把持固定された光ファイバがホルダ載置部上の所定位置に配置されたこと、のいずれかを検知可能であり、風防カバーが開いている状態において、左右両側のファイバ装着検知器からの検知信号に基づいて風防カバーを前記風防開閉動力源で駆動して閉じる動作を行い、かつ、融着接続を行った後に、前記風防開閉動力源で駆動して風防カバーを開く動作を行うことを特徴とする光ファイバ融着接続機を提供する。
第2の発明は、第1の発明の光ファイバ融着接続機において、前記クランプ下部材は、前記装置本体に設けられたクランプ取り付け台に固定されており、前記ホルダ載置部を兼ねる前記クランプ取り付け台を有し、このクランプ取り付け台に対してファイバホルダと被覆クランプとを選択的に装着可能であり、しかもファイバ装着検知器は、前記被覆クランプのクランプ上部材が前記クランプ取り付け台に固定されたクランプ下部材に対して閉じられたこと、及び前記クランプ取り付け台にファイバホルダが載置されたことを検知可能であることを特徴とする光ファイバ融着接続機を提供する。
第3の発明は、第1又は2の発明の光ファイバ融着接続機において、前記加熱融着部の左右両側に、装置本体に対して左右方向に可動に設けられた可動ステージを、その上に前記被覆クランプが取り付けられる前記クランプ取り付け台、あるいは前記ホルダ載置部として有し、前記可動ステージに前記ファイバ装着検知器が組み付けられていることを特徴とする光ファイバ融着接続機を提供する。
第4の発明は、第1の発明の光ファイバ融着接続機において、左右両側のファイバ装着部と前記加熱融着部との間に配置されて前記加熱融着部の左右両側に設けられた位置決め溝と、前記カバー部材に連結され、前記風防カバーを閉じたときに前記光ファイバを前記位置決め溝に押さえ込むファイバクランプ部材とをさらに備え、風防カバーは動力源によって可動する2つ以上のカバー部材から構成され、閉じた状態において、前記加熱融着部と、左右両側の位置決め溝及びファイバクランプ部材と、左右両側のホルダ載置部に載置されたファイバホルダあるいは被覆クランプとを覆い、1以上のカバー部材が、装置本体上面に沿って配置された回転軸を中心に回転開閉する回転カバー部材であり、該回転カバー部材は90度を超える回転動作範囲が確保され、前記ファイバクランプ部材は、前記回転カバー部材の内側に設けられ且つ前記回転カバー部材に対して切り離し可能に連結されたクランプアームと連結され、前記回転カバー部材の開閉に連動して位置決め溝に対して開閉することを特徴とする光ファイバ融着接続機を提供する。
第5の発明は、第1、3、4のいずれか1つの発明の光ファイバ融着接続機において、前記風防カバーの開閉動作用の動力源が、電磁力によって動力を発生するものであり、電動モータ、電磁石、ソレノイドから選択される1又は複数であることを特徴とする光ファイバ融着接続機を提供する。
第6の発明は、第5の発明の光ファイバ融着接続機において、ファイバクランプ部材が連結されたカバー部材の開閉動作は、閉じる場合は閉じ始めを速い速度で、閉じ終わりを閉じ始めに比べてゆっくりとした速度で駆動することを特徴とする光ファイバ融着接続機を提供する。
第7の発明は、第4の発明の光ファイバ融着接続機において、風防カバーが前後2つの回転カバー部材に分割されていることを特徴とする光ファイバ融着接続機を提供する。
第8の発明は、第7の発明の光ファイバ融着接続機において、分割された2つの回転カバー部材のそれぞれの内側に、光ファイバをカメラで撮像する際の光照射用の撮像用光源が配置されていることを特徴とする光ファイバ融着接続機を提供する。
第9の発明は、第4、7、8のいずれか1つの発明の光ファイバ融着接続機において、前記装置本体上に、前記位置決め溝が上面に形成された溝形成基板を有し、前記回転カバー部材の回転軸の軸線が、前記溝形成基板の上面と概ね同一平面上に配置されていることを特徴とする光ファイバ融着接続機を提供する。
第10の発明は、第1〜9のいずれか1つの発明の光ファイバ融着接続機において、風防カバーが開いている状態において、ファイバ装着検知器からの検知信号が左右両側とも無検知から左右両側とも検知に遷移していった場合に、風防カバーの前記閉動作および前記開動作を行うことを特徴とする光ファイバ融着接続機を提供する。
第11の発明は、光ファイバ同士を融着接続する加熱融着部を備えた装置本体と、1又は複数のカバー部材によって前記装置本体に対して開閉自在に構成され、閉じた状態において前記加熱融着部を覆う風防カバーと、前記装置本体の前記加熱融着部を介して左右両側に設けられたファイバ装着部と、左右両側の前記ファイバ装着部の加熱融着部とは反対の側にそれぞれ設けられて手指を検知する指検知器と、風防カバーを開閉動するための風防開閉動力源と、指検知器からの検知信号に基づいて風防開閉動力源の駆動を制御する駆動制御装置とを有し、前記ファイバ装着部は、前記装置本体に設けられて、クランプ下部材と該クランプ下部材に開閉可能に枢着されたクランプ上部材との間に光ファイバの被覆部を把持する被覆クランプであるか、あるいは前記装置本体に設けられて、ベース板と該ベース板に開閉可能に枢着された蓋部材との間に光ファイバの被覆部を把持するファイバホルダが脱着可能に載置されるホルダ載置部であり、風防カバーが開いている状態において、左右両側の指検知器からの検知信号に基づいて風防カバーを前記風防開閉動力源で駆動して閉じる動作を行い、かつ、融着接続を行った後に、前記風防開閉動力源で駆動して風防カバーを開く動作を行うことを特徴とする光ファイバ融着接続機を提供する。
第12の発明は、光ファイバ同士を融着接続する加熱融着部を備えた装置本体と、1又は複数のカバー部材によって前記装置本体に対して開閉自在に構成され、閉じた状態において前記加熱融着部を覆う風防カバーと、前記装置本体の前記加熱融着部を介して左右両側に設けられたファイバ装着部と、左右両側の前記ファイバ装着部にそれぞれ設けられたファイバ装着検知器と、風防カバーを開閉動するための風防開閉動力源と、手動操作によって動作開始指令を入力するための動作指令入力操作部とを有し、前記ファイバ装着部は、前記装置本体に設けられて、クランプ下部材と該クランプ下部材に開閉可能に枢着されたクランプ上部材との間に光ファイバの被覆部を把持する被覆クランプであるか、あるいは前記装置本体に設けられて、ベース板と該ベース板に開閉可能に枢着された蓋部材との間に光ファイバの被覆部を把持するファイバホルダが脱着可能に載置されるホルダ載置部であり、前記ファイバ装着検知器は、被覆クランプのクランプ上部材がクランプ下部材に対して閉じられたこと、前記ホルダ載置部にファイバホルダが載置されたこと、被覆クランプのクランプ下部材上に光ファイバが載置されたこと、ファイバホルダに把持固定された光ファイバがホルダ載置部上の所定位置に配置されたこと、のいずれかを検知可能であり、風防カバーが開いている状態において、左右両側のファイバ装着検知器からの検知信号と前記動作指令入力操作部からの動作開始指令の入力とに基づいて風防カバーを前記風防開閉動力源で駆動して閉じる動作を行い、かつ、融着接続を行った後に、前記風防開閉動力源で駆動して風防カバーを開く動作を行うことを特徴とする光ファイバ融着接続機を提供する。
第13の発明は、光ファイバ同士を融着接続する加熱融着部を備えた装置本体と、1又は複数のカバー部材によって前記装置本体に対して開閉自在に構成され、閉じた状態において前記加熱融着部を覆う風防カバーと、前記装置本体の前記加熱融着部を介して左右両側に設けられたファイバ装着部と、左右両側の前記ファイバ装着部の加熱融着部とは反対の側にそれぞれ設けられて手指を検知する指検知器と、風防カバーを開閉動するための風防開閉動力源とを有し、前記ファイバ装着部は、前記装置本体に設けられて、クランプ下部材と該クランプ下部材に開閉可能に枢着されたクランプ上部材との間に光ファイバの被覆部を把持する被覆クランプであるか、あるいは前記装置本体に設けられて、ベース板と該ベース板に開閉可能に枢着された蓋部材との間に光ファイバの被覆部を把持するファイバホルダが脱着可能に載置されるホルダ載置部であり、風防カバーが開いている状態において、左右両側の指検知器からの検知信号と動作指令入力操作部からの動作開始指令の入力とに基づいて風防カバーを前記風防開閉動力源で駆動して閉じる動作を行い、かつ、融着接続を行った後に、前記風防開閉動力源で駆動して風防カバーを開く動作を行うことを特徴とする光ファイバ融着接続機を提供する。
第14の発明は、第11の発明の光ファイバ融着接続機において、風防カバーが開いている状態において、指検知器からの検知信号が左右両側とも無検知から左右両側とも検知に遷移し、その後に左右両側とも無検知に遷移していった場合に、風防カバーの前記閉動作および前記開動作を行うことを特徴とする光ファイバ融着接続機を提供する。
第15の発明は、第12の発明の光ファイバ融着接続機において、風防カバーが開いている状態において、ファイバ装着検知器からの検知信号が左右両側とも無検知から左右両側とも検知に遷移し、さらに動作指令入力操作部から動作開始指令が入力された場合に、風防カバーの前記閉動作および前記開動作を行うことを特徴とする光ファイバ融着接続機を提供する。
第16の発明は、第13の発明の光ファイバ融着接続機において、風防カバーが開いている状態において、指検知器からの検知信号が左右両側とも無検知から左右両側とも検知に遷移し、その後に左右両側とも無検知に遷移し、さらに動作指令入力操作部から動作開始指令が入力された場合に、風防カバーの前記閉動作および前記開動作を行うことを特徴とする光ファイバ融着接続機を提供する。
第17の発明は、第1〜16のいずれか1つの発明の光ファイバ融着接続機において、風防カバーの開閉状態を検知する風防カバー検知器をさらに備えることを特徴とする光ファイバ融着接続機を提供する。
第18の発明は、第1〜17のいずれか1つの発明の光ファイバ融着接続機において、前記風防カバーは2つ以上のカバー部材によって構成され、1以上のカバー部材が、装置本体上面に沿って配置された回転軸を中心に回転開閉する回転カバー部材であり、前記装置本体上端部に、開いた状態の回転カバー部材を収容するカバー部材収容溝が前記装置本体上面から窪んで形成されていることを特徴とする光ファイバ融着接続機を提供する。
第19の発明は、第4、7、8、9、18のいずれか1つの発明の光ファイバ融着接続機において、開いた状態のカバー部材が前記装置本体の平面視外側に突出しないことを特徴とする光ファイバ融着接続機を提供する。
図1はこの融着接続機10の一例を示す。
図1に示す融着接続機10(図中符号10Aを付記する)は、光ファイバ9同士を融着接続する装置である。図1において、この融着接続機10Aによって融着接続する一対の光ファイバ9の一方に符号91、他方に符号92を付記する。
ここで例示する光ファイバ9としては、光ファイバ心線、光ファイバ素線等の、光ファイバガラス部9a(裸光ファイバ)の外周に合成樹脂製の被覆材9c(コーティング被覆)が被着、一体化された構成の被覆光ファイバを用いる。
可動ステージ22は、被覆クランプ50(具体的には後述のクランプ下部材51)を取り付けるためのクランプ取り付け台として機能する。
放電部24aは、放電部24aを介して対向する一対の電極棒24の先細りの先端間の放電によって、光ファイバ91、92の先端同士を加熱、融着する加熱融着部24Aを構成する。
本明細書においては、融着接続機10Aについて、一対の可動ステージ22の間隔方向(図1、図2の左右方向、図3〜図6の紙面奥行き方向、図7、図8の上下方向)を左右方向、一対の電極棒24の間隔方向(図1、図2の紙面奥行き方向、図3〜図8の左右方向)を前後方向として説明する。
また、融着接続機10の前後は、図3、図4に示すように装置本体20上に前後方向に互いに離隔して設けられたスイッチ台11及び補強スリーブ加熱器12のうち、スイッチ台11側(図3、図4において左側)を前、補強スリーブ加熱器12側(図3、図4において右側)を後として説明する。図5〜図8においては、左側が前、右側が後である。
また、図1〜図6、図9〜図11については上側を上、下側を下、図7、図8、図12(a)、(b)については紙面手前側を上、紙面奥側を下として説明する。
なお、ステージ用動力源としては、電磁力によって駆動して動力を発生するものが好ましく、例えば電動モータ、電磁石、ソレノイド等を好適に採用できる。
被覆クランプ50としては、クランプ上部材52がクランプ下部材上面51aに対する昇降方向の移動によってクランプ下部材51に対して開閉して、クランプ下部材51との間での光ファイバ9の把持と、把持解除とを切り替え可能な構成のものを採用できる。
光ファイバ9は被覆クランプ50に把持固定されることで、融着接続機10Aに装着されることとなる。被覆クランプ50は、融着接続機10Aに光ファイバ9を装着するためのファイバ装着部として機能する。
光ファイバ9は、被覆クランプ50に把持固定する際に、被覆クランプからの突出部9bにおいて被覆が除去された光ファイバガラス部9aを溝形成基板23上の位置決め溝23aに載置する。また、光ファイバ9は、左右両側の被覆クランプ50にそれぞれ光ファイバ9を把持固定したときに各光ファイバ9の光ファイバガラス部9a先端が若干のクリアランスを介して対向配置されるように、被覆クランプからの突出部9bの長さを調整しながら光ファイバ9を被覆クランプへ配置して把持固定する。
また、光ファイバガラス部9aの被覆除去長は、可動ステージ22を待機位置から前進させて前進限界位置(後述)に到達するまでの間に、その先端同士を互いに融着接続可能な位置に配置可能な範囲に事前に長さが調整されている。
溝形成基板23の位置決め溝23aは、装置本体20上に固定して設けられた溝形成基板23に、その上面23b(基板上面)から窪んで形成された溝である。位置決め溝23aは、接続機左右方向に沿って延在形成されている。
但し、カバー部材61、62を装置本体20に対して回転駆動するための動力源63a、63bとしては、電動モータに限定されない。この動力源63a、63bとしては、電磁力によって駆動して動力を発生するものが好ましく、既述の電動モータの他、例えば電磁石、ソレノイド等も採用可能である。
可動ステージ22を移動したとき、可動ステージ22にクランプ下部材51を固定して取り付けた被覆クランプ50も可動ステージ22とともに移動する。被覆クランプ50は、可動ステージ22の移動によって、待機位置(後退限界位置)と、可動ステージ22が溝形成基板23とファイバクランプ部材25に接触する手前の前進限界位置までの範囲を、移動することが可能である。
被覆クランプ50に光ファイバ9を把持固定する作業は、可動ステージ22が待機位置(図1に示す可動ステージ22の位置)に配置された状態にて行なう。
この融着接続機10Aは、左右両側の被覆クランプ50に光ファイバ9を把持固定した後、一対の可動ステージ22を待機位置から前進限界位置に移動させることで、光ファイバ91、92の光ファイバガラス部9a先端同士を互いに突き合わせることができる。
融着接続機10Aとしては、例えば、装置本体20に設けた風防開閉用動力源63a、63bが左右それぞれのステージ用動力源を兼ねる構成も採用可能である。
図示例の可動ステージ22の上面22aは、接続機左右方向において、放電部24aとは反対の側から放電部24aに向かって斜め下方へ傾斜して形成されている。被覆クランプ50のそれぞれ板状のクランプ下部材51及びクランプ上部材52は、可動ステージ上面22aに沿って、放電部24aに接近するにしたがって下方に位置するように傾斜して配置されている。
この融着接続機10Aは、光ファイバ9を被覆クランプ50に把持固定することで、光ファイバ9の被覆クランプ50からの突出部9b先端の光ファイバガラス部9aを、溝形成基板23上の位置決め溝23aに押し付けるようにして載置できる。
このクランプ閉じ検知器31(ファイバ装着検知器)は、可動ステージ22下側に固定された検知器本体31aと、この検知器本体31aから上方に突出されたセンサピン31bとを有する。センサピン31bは、その先端部(上端部)をクランプ下部材51の上面51aよりも上側に突出させて設けられている。
このクランプ閉じ検知器31の検知器本体31aは、可動部への配線を避けるため、左右両側の可動ステージ22の下部に配置されている。
検知器本体31aに押し込み操作されたセンサピン31bは、検知器本体31aへの押し込み力が除かれることで、検知器本体31aに設けられた図示略のスプリングによって初期位置に復帰する。
被覆クランプ50のクランプ上部材52は、センサピン31b先端部に接触しないところまで、クランプ下部材51に対して開くことができる。クランプ上部材52は、クランプ下部材51の上面51a上に光ファイバ9を配置するときに、クランプ下部材51に対して開いて、センサピン31b先端部から離隔してセンサピン31b先端部に接触しない位置に配置する。
本明細書においては、クランプ上部材52を、90度以上の開き角で開いた状態を、クランプ上部材52をクランプ下部材51に対して開いた、ものとして説明する。クランプ下部材51に枢着されたクランプ上部材52の場合は、クランプ上部材52がその自重で開いている状態を維持するため、例えば、クランプ下部材上面51aに対して90度以上の角度で開くことができる構成を好適に採用できる。
センサピン31bは、その先端(上端)が、クランプ下部材51に対して開いた状態のクランプ上部材52に接触せずクランプ上部材52から離隔した位置に配置されるように、先端部のクランプ下部材上面51aから上方への突出寸法を設定する。
一方、この融着接続機10Aは、クランプ閉じ検知器31の検知器本体31aから取得される検知信号が検知から無検知に遷移することで、クランプ下部材51に対して閉じた状態のクランプ上部材52がクランプ下部材51に対して開かれたことを検知(具体的には駆動制御装置が検知)できる。
また、検知器本体31aとしては、この他、例えば、検知状態にあるときのみ信号(検知時出力信号)を出力(信号の出力が無い状態が「検知信号が無検知」に相当する)するもの、無検知状態にあるときのみ信号(無検知時出力信号)を出力(信号の出力が無い状態が「検知信号が無検知」に相当する)するもの、等も採用可能である。検知状態と無検知状態とで信号の出力の有無が切り替わる構成は、検知器本体31aからの検知信号の取得状態が検知状態と無検知状態とで互いに異なっている構成の1例である。この構成の場合、融着接続機の駆動制御装置は、信号の出力が無い状態を、検知信号が無検知の状態、無検知を示す検知信号を取得したものとして扱う。
検知器本体31aとしては、より具体的には、例えば、検知状態と無検知状態とで電気抵抗あるいは出力電流値が切り替わるもの、検知状態及び無検知状態の一方で電気回路を開き他方で電気回路を閉じるもの(スイッチ)、検知状態と無検知状態とで互いに周波数が異なる電波信号あるいは互いに波長が異なる光信号を出力するもの、等を採用できる。
なお、ファイバクランプ部材25は、一対のカバー部材61,62の片方(図示例では、第2カバー部材62)のみに設けられており、符号61の第1カバー部材には設けられていない。
図5、図6に示すように、風防カバー検知器33は、風防カバー60の一対のカバー部材61、62の開閉状態をそれぞれ検知するべく、一対のカバー部材61、62のそれぞれの回転軸61a、62a近傍にひとつずつ配置して、計2つ設けられている。
風防カバー閉じ動作は、一対のカバー部材61、62がそれぞれ、互いに閉じ合わされる閉じ位置に配置されたことを、2つの風防カバー検知器33が検知することで完了する。
2つの風防カバー検知器33の検知器本体33aは、カバー部材61、62の回転軸61a、62a付近にて装置本体20上部に固定して設けられている。各風防カバー検知器33の検知器本体33aは、装置本体20上部の、一対のカバー部材61、62の回転軸61a、62aの間に位置する領域に固定されている。各風防カバー検知器33のセンサピン33bは、回転軸61a、62a付近に上下方向に延在配置して、両側の回転軸61a、62aの間に設けられている。各風防カバー検知器33のセンサピン33bの先端(上端)は、回転軸61a、62aよりも上側に配置されている。
また、この融着接続機は、閉じ位置に配置されたカバー部材61,62をそれぞれ回転によって開いたとき、カバー部材61,62の当接突片60aがセンサピン33b上端から離れ、これにより、風防カバー検知器33が無検知の状態となることで、カバー部材61,62が閉じ位置から開方向へ移動(図示例の場合は回転)されたことを把握できる。
2つの風防カバー検知器33は、風防カバー60の一対のカバー部材61,62について、個々に、その開閉を検知できる。
なお、風防カバー検知器33は、図5、図6のみに図示し、他の図面においては図示を省略している。
この風防カバー検知器としては、例えば、風防カバーが閉じたことを非接触で検知し(検知状態となる)、風防カバーを構成するカバー部材の1以上が閉じ位置から開方向へ変位していて風防カバーが閉じた状態になっていないときに無検知状態となる磁気センサー等も採用可能である。この磁気センサーの場合は、例えば、風防カバーの全てのカバー部材に磁石あるいは磁性体を設けておき、風防カバーが閉じたときの風防カバーが閉じていないときに対する磁界変化を磁気センサーによって検知する。
風防カバー検知器としては、各カバー部材に通電回路を設け、各カバー部材の通電回路のそれぞれに設けた接触端子部同士の接離に伴う通電回路間の電流変化によって、カバー部材間の開閉を検知する通電センサ等も採用可能である。
また、風防カバー検知器としては、カバー部材のその回転軸の延長上あるいはその周囲に形成された部分(検知用回転部)の回転角度を計測するエンコーダあるいは角度センサ等も採用可能である。エンコーダ、角度センサといった回転角度計測センサの場合は、カバー部材が閉じ位置に配置されたことの検知の他、カバー部材が所定の開放位置に配置されたことの検知が可能であり、さらにカバー部材が前記開放位置と閉じ位置の間にあることの検知も可能である。
また、風防カバー検知器は、カバー部材が閉じ位置に配置されたことの検知に加えて、カバー部材が所定の開放位置に配置されたことを検知するべく、開放位置にも設置しても良い。
また、融着接続機10Aは、融着接続動作の完了後に接続部検査動作を自動で実行する。
融着接続機10Aは、光ファイバ接続前検査動作の終了後、融着接続動作へ移行する。
そして、融着接続機10Aは、放電部24aに向かって前進させたステージ押圧部材81によって可動ステージ22を前進限界位置とは反対の側から押圧して、可動ステージ22を前進限界位置に向かって前進させる構造となっている。
また、融着接続機10Aは、左右両側の可動ステージ22の間に、両側の可動ステージ22を互いに離隔する方向に弾性付勢するスプリング83(以下、ステージ付勢スプリングとも言う。図示例は圧縮コイルスプリング。)を有している。
左右両側の可動ステージ22は、押圧部材待機位置から前進させたステージ押圧部材81によって押圧することで、待機位置から、ステージ付勢スプリング83を押し縮めながら前進限界位置に向かって前進される。そして、左右両側の可動ステージ22は、光ファイバ接続前検査動作及び融着接続動作を経て、図25(b)の状態に至る。
接続部引張検査は、接続部検査動作の完了後、図25(c)に示すように、押圧部材移動機構82の駆動によってステージ押圧部材81を押圧部材待機位置に向かって移動(後退)させることで、ステージ付勢スプリング83の弾性付勢力によって、融着接続部9fに引張荷重を作用させる。図25(c)では、ステージ押圧部材81を押圧部材待機位置に配置する。この接続部引張検査では、ステージ押圧部材が後退して可動ステージ22から引き離され、融着接続部9fにステージ付勢スプリングの弾性付勢力のみを融着接続部9fに引張荷重として作用させる。
接続部引張検査の開始タイミングは、風防カバー開放動作の開始と無関係に設定できる。また、接続部引張検査の完了タイミングは、風防カバー開放動作の完了と無関係に設定できる。接続部引張検査は、風防カバー開放動作の開始前に完了しても良いし、開放動作の完了後に完了しても良い。
作業者は、風防カバー開放動作が完了した状態で検査完了報知が行われたなら、あるいは検査完了報知が行われた後に風防カバー開放動作が完了したならば、左右両側の被覆クランプ50のクランプ上部材52をそれぞれクランプ下部材51に対して開き、被覆クランプ50に把持固定されていた光ファイバ91、92を融着接続部9fとともに取り出す(ファイバ取り出し作業)。
これにより、例えば風防カバー60を構成するカバー部材と装置本体20との間に手指を挟むことなどを回避できる。
動作待機初期状態の融着接続機10Aは、電源スイッチを操作してオン状態からオフに切り換えることで、動作待機初期状態のまま電源がオフとなる。
融着接続機10Aは、例えば、風防カバー開放動作の完了と同時、あるいはそれ以前に、接続部引張検査が完了する場合に、検査完了報知動作を行なわず、風防カバー開放動作の完了後に、作業者がファイバ取り出し作業を行なうようにしても良い。
また、融着接続機10Aは、例えば、風防カバー開放動作の完了後の所定時間だけ経過ときに接続部引張検査が完了する場合に、検査完了報知動作を行なわず、風防カバー開放動作の完了から接続部引張検査も完了する時間経過後に、作業者がファイバ取り出し作業を行なうようにしても良い。
融着接続機10Aは、図示略の電源スイッチをオン状態からオフにしたときに、可動ステージ22が待機位置に配置され、かつ、風防カバー60が閉じられた状態(以下、動作待機初期状態とも言う)となる。動作待機初期状態の融着接続機10Aは、オフ状態になっていた電源スイッチをオンにすることで、風防カバー60が開放されて、ファイバセット待機状態となる。ファイバセット待機状態の融着接続機10Aは、被覆クランプ50に光ファイバ9を把持固定するべく、左右両側の被覆クランプ50のクランプ上部材52をクランプ下部材51に対して開かれた状態からクランプ下部材51に対して閉じられると、既述のように、左右両側のクランプ閉じ検知器31の検知器本体31aから取得される検知信号が左右両側とも無検知から左右両側とも検知に遷移することで、風防カバー閉じ動作を行なう。
ファイバセット待機状態の融着接続機10Aは、オン状態になっていた電源スイッチを操作してオフにすることで、動作待機初期状態となる。
なお、本発明に係る実施形態の融着接続機としては、可動ステージ22が、被覆クランプ50の取り付けに専用で、ファイバホルダ40を載置するためのホルダ載置部として用いることがない構成も採用である。
ファイバホルダ40は、可動ステージ22上に載置して、可動ステージ22から取り外し可能に設けられる。
図2、図9に例示したファイバホルダ40は、長方形板状のベース板41の長手方向片側の端部に蓋板42を枢着した構成になっている。蓋板42は、ベース板41のその厚み方向片側の面であるベース板上面41aに対して開閉可能である。図8、図9に示すように、蓋板42は、長方形板状のベース板41の幅方向(図8左右方向)片端に、ベース板41長手方向に沿って設けられた回転軸43を介してベース板41に枢着されている。
ファイバホルダ40は、光ファイバ9の被覆部9dをベース板41と蓋板42との間に挟み込んで把持固定する。
また、光ファイバガラス部9aの被覆除去長は、可動ステージ22を待機位置から前進させて前進限界位置に到達するまでの間にその先端同士を互いに融着接続可能な位置に配置可能なように事前に調整されている。
図9に示すように可動ステージ22はプレート状に形成されている。
また、図9は、可動ステージ22に、その可動ステージ上面22a上に突出する2本の位置決めピン22bと、可動ステージ上面22a上にファイバホルダ40が載置されたことを検知する検知器32(ホルダ載置検知器)とが取り付けられた構成の可動ユニット22Aを示す。
可動ユニット22Aの位置決めピン22bは、図9、図11のみに図示し、図9、図11以外の図面では図示を省略している。
この可動ステージ22上に載置するファイバホルダ40としては、ベース板41の2箇所にピン嵌合穴41bが形成されているものを用いる。図9に例示したファイバホルダ40は、ピン嵌合穴41bがベース板41をその厚み方向に貫通する貫通穴である構成を例示している。但し、ピン嵌合穴41bとしては、ベース板41のベース板上面41aとは反対の下面に開口し、可動ステージ22上に突出している位置決めピン22bを収容して、ファイバホルダ40のベース板41を可動ステージ22の上面22aに当接、載置可能とする構成であれば良く、この点、ベース板上面41aに開口しない非貫通穴であっても良い。
図2に示すように、この検知器32は、図1に例示した融着接続機10Aのクランプ閉じ検知器31のセンサピン31bの先端部を可動ステージ上面22a上に若干突出させて配置したものであり、センサピン31b先端部の位置以外は既述のクランプ閉じ検知器31と同様である。このホルダ載置検知器32(ファイバ装着検知器)についても、クランプ閉じ検知器31と同様に、検知器本体に図中符号31a,センサピンに図中符号31bを付記して説明する。
なお、この融着接続機10Bは、可動ステージ22をホルダ載置部として使用する点、及びクランプ閉じ検知器31にかえてホルダ載置検知器32を使用する点のみが、図1の融着接続機10Aと異なるものであり、これら相違点以外の、例えば検知器32と駆動制御装置との関係等は図1の融着接続機10Aと同様になっている。
図9、図12(b)に示すように、上下貫通孔22cの上端は、可動ステージ上面22aに開口している。
この融着接続機10Bの風防カバー閉じ動作は、左右両側のホルダ載置検知器32の検知器本体31aが両方とも無検知から検知に切り替わり、駆動制御装置にて両方の検知器本体31aから取得される検知信号が両方とも検知となった場合に、その時点、あるいはその時点から予め設定しておいた待ち時間(例えば数秒間)が経過したときに自動で開始する。この融着接続機10Bは、駆動制御装置にて左右両側のホルダ載置検知器32の検知器本体31aから取得される検知信号が両方とも無検知の状態から両方とも検知の状態に遷移した場合に、これがトリガー信号となってファイバ融着・検査動作を自動で開始する。
この融着接続機10Bは、ファイバ融着・検査動作を実行することで、最終的に、風防カバー60及び左右両側の可動ステージ22が融着接続機10Aと同様のファイバセット待機状態、すなわち、風防カバー60が開放され、かつ左右両側の可動ステージ22が待機位置に配置された状態となる。
この融着接続機10Bは、図示略の電源スイッチをオフ状態からオンにしたときに、融着接続機10Aと同様のファイバセット待機状態となる。ファイバセット待機状態の融着接続機10Bは、電源スイッチを操作してオン状態からオフに切り換えることで、動作待機初期状態となり、電源がオフとなる。
既述の特許文献2記載の融着接続機のように、従来構成の融着接続機にあっては、風防カバーとクランプアームは通常連動しているが、風防カバーを速く閉めた際にファイバクランプ部材が高速で光ファイバに衝突するようになる。図22のグラフは、特許文献2に相当する光ファイバ融着接続機にV溝上に1本の光ファイバを載せ、風防カバーを高速で閉めた場合と、風防カバーをゆっくり閉めた場合の光ファイバの引っ張り破断強度を比較したものである。光ファイバのガラス部がファイバクランプ部材によって損傷を受けるため、光ファイバの強度は当初の約7GN/m2 から低下しているが、風防カバーを速く閉めた場合の方が光ファイバの損傷が大きい。なお本実験は、ファイバクランプ部材が光ファイバに与える損傷のみを示したデータであり、実際には被覆除去時、切断時、融着接続時の損傷が加わり、融着接続後の強度はさらに低下する。
図11〜図12(a)、(b)は、可動ユニット22Aの可動ステージ22上に被覆クランプ50を取り付けて構成したクランプ付き可動ステージ22Bの一例を示す。また、図10は、図2の融着接続機10Bの左右両側の可動ユニット22Aの可動ステージ22上にそれぞれ被覆クランプ50を取り付けてクランプ付き可動ステージ22Bを組み立てた融着接続機10Bの一例を示す。
被覆クランプ50は、クランプ下部材51の2箇所のピン嵌合穴56に可動ユニット22Aの位置決めピン22bを内挿嵌合して可動ステージ22上に取り付けることができる。被覆クランプ50は、クランプ下部材51を、その2箇所のピン嵌合穴56に内挿嵌合された位置決めピン22bに沿ってスライド移動させることで、可動ステージ22に対して脱着できる。
図示例の被覆クランプ50のクランプ下部材51のピン嵌合穴56は、板状のクランプ下部材51の厚みを貫通する貫通穴となっている。但し、ピン嵌合穴56としては、クランプ下部材51の上面51aとは反対の下面に開口する開口部から、可動ステージ22上に突出している位置決めピン22bを挿脱可能に収容することで、クランプ下部材51を可動ステージ22の上面22aに当接、載置可能とする構成であれば良い。この点、ピン嵌合穴56としては、クランプ下部材上面51aに開口しない非貫通穴であっても良い。
一方、延長レバー53は、クランプ上部材52をクランプ下部材51に閉じたときに、クランプ下部材51の切り欠き部54に挿入されて、センサピン31b先端部を下方へ押圧できるように、クランプ上部材52の回転軸55側に突設されている。
この構成は、クランプ上部材52から突出する延長レバー53が、クランプ下部材51と該クランプ下部材51に対して開いた状態のクランプ上部材52との間に光ファイバ9を挿入する作業の障害になりにくい、といった利点がある。
可動ユニット22Aの検知器32は、クランプ付き可動ステージ22Bにあってはクランプ閉じ検知器として使用でき、可動ステージ22を被覆クランプ50を取り付けずにホルダ載置部として使用する場合にあってはホルダ載置検知器として使用できる。
なお、一対のカバー部材61、62のうち、ファイバクランプ部材25が設けられていないカバー部材61を、以下、第1カバー部材、ファイバクランプ部材25が設けられているカバー部材62を、以下、第2カバー部材とも言う。
第2カバー部材62は、断面アーチ状で延在する主壁部62bと、この主壁部62bの延在方向両端からその内面側に、該主壁部62bの延在方向に垂直に張り出された端壁部62cとを有する構成となっている。
また、風防カバー60は、カバー部材61、62同士が閉じ合わることで、カバー部材61、62の主壁部61b、62bによってカバー主壁部64が構成され、カバー部材61、62の端壁部61c、62cによってカバー端壁部65が構成される。
第2カバー部材62の長手方向2箇所のファイバクランプ部材25は、一対のカバー部材61、62を閉じ合わせたときに、放電部24aを介して左右両側の溝形成基板23に対応する位置に設けられている。すなわち、一対のカバー部材61、62を閉じ合わせたときには、第2カバー部材62の2箇所のファイバクランプ部材25によって、放電部24aを介して左右両側の溝形成基板23のそれぞれの位置決め溝23aに載置されている光ファイバ9の光ファイバガラス部9aを位置決め溝23aの溝底に向かって押さえ込むことができる。
第2カバー部材62は、風防カバー60を閉じた状態としたときに、主壁部62bの閉じ合わせ側端部62fが、放電部24a、左右両側の溝形成基板23、左右両側のファイバホルダ40のうち、少なくとも左右両側の溝形成基板23の上方に配置される構成であれば良い。このため、一対のカバー部材61、62としては、例えば、風防カバー60を閉じた状態としたときに、第2カバー部材62の主壁部62bの閉じ合わせ側端部62fが左右両側の溝形成基板23の上方のみに配置され、放電部24a及び左右両側のファイバホルダ40の上方には、第1カバー部材61の主壁部61bの閉じ合わせ端面61d側の端部が配置される構成も採用可能である。
なお、図示例のスプリング26bは具体的にはコイルスプリングであり、ファイバクランプ部材25のシャフト部25cに外挿されている。
また、装置本体20には、各カメラ71a、71bの放電部24a側に配置されたレンズ73a、73bも組み込まれている。各カメラ71a、71bは、放電部24a(あるいはその近傍も含む)に配置された光ファイバ9を、装置本体20に設けられた透光部とレンズ73a、73bとを介して撮像する。
図5に示すように、この融着接続機10は、風防カバー60を閉じたときに、第1カバー部材61内側の撮像用光源72aと第2カメラ71bとが放電部24aを介して対向配置され、第2カバー部材62内側の撮像用光源72bと第1カメラ71aとが放電部24aを介して対向配置される。
なお、撮像用光源72a、72bは、少なくとも、カメラ71で光ファイバを撮像する際に点灯すれば良い。このため、撮像用光源72a、72bは、例えば、カメラ71による光ファイバの撮像時のみ点灯し、それ以外は消灯しておくことも可能である。
スイッチ台11は、装置本体20の上面21前端部上に、接続機左右方向(図3、図4紙面奥行き方向)に沿って延在配置されている。このスイッチ台11には図示略の操作スイッチが取り付けられている。
補強スリーブ加熱器12は、装置本体20の上面21後端部上に、接続機左右方向に沿って延在配置されている。この補強スリーブ加熱器12は、光ファイバ91、92同士を融着接続した融着接続部に外挿した熱収縮性の補強スリーブを加熱して収縮させ、融着接続部に一体化させる装置である。装置本体20上に補強スリーブ加熱器12を有する構成は、光ファイバ91、92同士の融着接続部を一対の電極棒24間の放電部24aから取り出して、補強スリーブ加熱器12へ移設する作業を円滑に効率良く行なえる。
このモニタ装置14はパネル状に形成されている。モニタ装置14としては、例えば液晶表示装置を好適に用いることができる。
このモニタ装置14は、その両側から突出する取り付けアーム14aを、装置本体20上のスイッチ台11の左右(図3、図4)両側に、ヒンジピン14bを介して接続機左右方向の回転軸線を以て回転自在に取り付けられている。
この融着接続機10は、作業者が持ち運び可能な可搬性を有し、例えば通信ケーブル(光ファイバケーブル)の接続工事等に好適に使用できる。但し、本発明に係る実施形態の融着接続機10は、光ファイバ同士の融着接続に使用される融着接続機として幅広く適用可能であり、可搬性を有するもの、通信ケーブル(光ファイバケーブル)の接続工事に使用されるものに限定されない。
なお、モニタ装置14の装置本体20に対する角度調整範囲は適宜設定可能であり、例えば、上述の使用時向きから、装置本体上面21上に配置して表示面14cが装置本体上面21に対面する向きまで角度調整可能としても良い。
融着接続機10の一対の電極棒24、放電部24a、左右両側の溝形成基板23、左右両側の可動ステージ22、風防カバー60の一対のカバー部材61、62の回転軸61a、62aは、装置本体20上端部のカバー部材収容溝27a、27b間の中央台部28に設けられている。
この構成は、開放状態の風防カバー60を閉じるときに、溝形成基板23の位置決め溝23a上の光ファイバ9を押圧するファイバクランプ部材25が光ファイバ9に捻れ応力を与えることの防止あるいは抑制に有効に寄与する。
なお、ファイバクランプ部材25の回転軸線と溝形成基板上面23bとは厳密に一致している必要はない。ファイバクランプ部材25の回転軸線と溝形成基板上面23bとは、ある程度一致していれば、光ファイバ9に対する捻じれ応力を防止できる。
この融着接続機10は、図3に示す閉じ合わせ状態から動力源63a、63bの駆動力によって互いに離隔する方向に回転させたカバー部材61、62を、装置本体20のカバー部材収容溝27a、27bに入り込ませることができる(図4参照)。この融着接続機10は、カバー部材収容溝27a、27bにカバー部材61、62を入り込ませる構成により、カバー部材61、62を90度を超える角度範囲(閉じ位置から90度を超える角度範囲)で回転開閉動作させることが可能となっている。
図5、図6において、第1カバー部材収容溝27aは、スイッチ台11と中央台部28との間にてスイッチ台11から後側にずれた位置に形成されている。また、第2カバー部材収容溝27bは、補強スリーブ加熱器12と中央台部28との間にて補強スリーブ加熱器12から前側にずれた位置に形成されている。このため、第1カバー部材収容溝27aとスイッチ台11との間、及び第2カバー部材収容溝27bと補強スリーブ加熱器12との間には、装置本体上面21の一部が存在する。
図5、図6は、図5に示す閉じ合わせ時の位置(閉じ位置。図5に示す位置)から開方向に回転させたカバー部材61、62をカバー部材収容溝27a、27bに収容可能とすることで、カバー部材61、62を閉じ位置から135度程度回転できるようにした構成を例示している。
カバー部材61、62を閉じ位置から90度を超える角度範囲で回転できるようにした構成は、風防カバー60の開放時の開口面積を広げ、可動ステージ22に対するファイバホルダの脱着、被覆クランプの開閉などを容易にする利点がある。
また、可動ステージ22上に被覆クランプ50が設けられている構成の場合は、被覆クランプ50とその両側の開放状態のカバー部材61、62との間に確保された指スペースSに差し入れた手指によって、クランプ上部材52のクランプ下部材51に対する開閉操作を楽に行える。
これに対して、特開平11−90625号公報には、風防カバーを装置外側に突出させない目的で提案された発明が開示されている。特開平11−90625号公報には、風防カバーを2つに分割し、個々の風防カバーをそれぞれスライド退避する、あるいは装置内部の回転軸(51)を中心に風防カバー回転退避させることで、風防カバーの外側への突出を防止する機構が開示されている。
(1) 風防カバーを前後にスライドして退避させる構造の場合、融着接続機の上面で退避場所が必要になる。通信ケーブルの接続に使用される工事用途の融着接続機は小型に設計されているため、退避場所を確保するのが難しい。スライド量が少ないと、風防カバーが開いた状態での開口面積が狭くなり、被覆クランプレバーを指で開閉する、あるいはファイバホルダを指で持って装着する動作の障害となる。
既述の特許文献3(特開2003−167151号公報)には、風防カバー内側にファイバクランプ部材を配置することで風防カバーの小型化を実現した発明が開示されている。但し、この特許文献3は、クランプアームを省略した構成を開示したものである。
また、既述の特許文献1(特許4382694号公報)では、風防カバー内側の照明光反射ミラーの代わりに照明用光源を配置し、電極棒外側の照明用光源2個を無くして風防カバーを小型化した技術が開示されている。
上記の2つのケースにおいては、装置外側への突出容積が減っただけであり、根本的に突出が無くなったわけではない。
これに対して、本発明に係る実施形態の融着接続機10は、開放動作させたカバー部材61、62を、装置本体上面21に形成したカバー部材収容溝27a、27bに収容できる構成により、装置外側への突出を防止するべくカバー部材61、62を小型化しても、風防カバーの開放時の開口面積を充分に確保できる。また、本発明に係る実施形態の融着接続機は、ファイバクランプ部材25、撮像用光源72a、72b、ファイバホルダ40、被覆クランプ50を収容可能な範囲でカバー部材61、62を小型化して、装置外側への突出を容易に防止できる。また、閉じ合わせ時に、一対の電極棒24と、放電部24aと、左右両側の溝形成基板23及びファイバクランプ部材25と、左右の可動ステージ22上にそれぞれ配置されたファイバホルダ40あるいは被覆クランプ50を収容(図示例では撮像用光源72a、72bも収容している)する風防カバー60は、ファイバホルダあるいは被覆クランプを収容しない構成の風防カバーに比べて、風防カバー外側から内側への風の侵入防止に有利であり、風が、放電部24aでの光ファイバ91、92同士の融着接続に影響を与えることを確実に防ぐことができる。
これに対して、本発明に係る実施形態の融着接続機10の風防カバー60のカバー部材61、62は、風防カバー60の開放時に装置本体20から外側に突出しない大きさに小型化されている。このため、風防カバー60のカバー部材61、62は、風防カバー60の開閉状態によらず、装置本体20から外側のモニタ装置14を遮る位置に配置されることは無く、モニタ装置14の視認性に影響を与えることがない。
互いに閉じ合わせたカバー部材61、62の一方を手動で開く操作は、例えば、風防カバー閉じ動作の後、光ファイバ接続前検査動作の完了前に装置本体20に設けられている図示略の一時停止ボタンの押し込み操作によって、融着接続機の全ての動力源を停止した状態で行なう。
ただし、下記の問題もある。
・風防カバーとクランプアームの連結や切り離しを風防カバーの外から行える機構が必要。
・クランプアームが切り離された状態でクランプアームを閉じて把持状態を修正し、後から風防カバーを閉じて再連結する際に、再連結の振動でファイバクランプ部材による光ファイバの把持状態が再び悪化することがある。
なお、図14〜図18(a)、(b)においては左側を前、右側を後、上側を上、下側を下として説明する。
図14〜図17に示すように、この風防カバー60Aは、一対のカバー部材61、62(回転カバー部材)に加えて、装置本体20に固定して一対の電極棒24の後端部をそれぞれ収容する2つのカバー部材68(以下、固定カバー部材とも言う)を有し、計4つのカバー部材で構成されている。一対の固定カバー部材68は、放電部24aを介してその前後両側に設けられている。図14〜図17において、放電部24aの前側(図14〜図17において左側)の固定カバー部材68を、以下、第1固定カバー部材681、放電部24aの後側(図14〜図17において右側)の固定カバー部材68を、以下、第2固定カバー部材682とも言う。
図14、図16に示すように、内側カバー部68aは、風防カバー60Aのカバー部材61A、62Aを互いに閉じ合わせた状態において、風防カバー60Aの内側に位置する。図18(a)、(b)に示すように、この内側カバー部68aは、天板部68cの両側からその片面側に一対の脚部68dが張り出された概ね断面U字形に形成されている。そして、この内側カバー部68aは、両側の脚部68dの天板部68cとは反対の突端を装置本体20の中央台部28の上面28aに当接させて装置本体20上に設けられている。
第1固定カバー部材681の固定カバー本体68bは、第1カバー部材61の固定カバー用切り欠き部61g内周面に沿う概略アーチ形(円弧状の他、U形、V形等を含む)の断面形状で、カバー部材61Aの回転軸61aを中心とする回転に伴う固定カバー用切り欠き部61g内周面の移動(回転)軌跡に沿って延在形成されている。
第2固定カバー部材682の固定カバー本体68bは、第2カバー部材62の固定カバー用切り欠き部62g内周面に沿う概略アーチ形(円弧状の他、U形、V形等を含む)の断面形状で、カバー部材62Aの回転軸62aを中心とする回転に伴う固定カバー用切り欠き部62g内周面の移動(回転)軌跡に沿って延在形成されている。
さらに、この風防カバー60Aは、閉じた状態において、各カバー部材61A、62Aの主壁部61b、62bの固定カバー用切り欠き部61g、62gの周囲に位置する部分が、内側カバー部68aの内周リブ部68eに接近配置あるいは面接触するため、風防カバー60外側から内側への風や埃等の侵入を一層効率良く抑えることができる。
また、この融着接続機10は、カバー部材61、62の小型化により、装置本体20から外側(平面視において外側)へのカバー部材61、62の突出を解消していることで、自動化しても、光ファイバをカバー部材に引っ掛けて損傷してしまうといった問題が無く、カバー部材61、62同士を迅速かつ確実に開閉できる。
風防カバーとしては、一対のカバー部材の両方が装置本体上端部に対して回転軸を介して枢着された回転カバー部材である構成に限定されない。融着接続機としては、例えば、図19、図20に示すように、上述の実施形態の融着接続機10について、一対のカバー部材61、62(回転カバー部材)のうち、ファイバクランプ部材25が設けられていない第1カバー部材61を、装置本体20上に設けられたスライド移動機構69によって装置本体20に対して接続機前後方向にスライド移動して開閉させる構成に変更したものである。第2カバー部材62については、上述の実施形態の融着接続機10から変更無い。
スライド移動機構69によって装置本体20上面に沿ってスライド移動されるカバー部材を、以下、スライドカバー部材とも言う。
図19、図20の構成の場合、風防カバー60Bを構成する第1カバー部材61を移動して開閉する機構(スライド移動機構69)と、第2カバー部材62を開閉させる機構とが、互いに独立の機構となっている。このため、図19、図20の構成にあっては、第2カバー部材62を閉じ位置(図19、図20の第2カバー部材62の位置)に配置したまま、第1カバー部材61の開閉操作を行える。
図21に例示した風防カバー60Cは、図1〜13の融着接続機10の風防カバー60の第1カバー部材61をその長手方向に2分割した2つの分割カバー部材611、612と、第2カバー部材62(回転カバー部材)とで構成されている。2つの分割カバー部材611、612は、図1〜13の融着接続機10の風防カバー60の第1カバー部材61と同じ回転軸線を以て装置本体20に枢着された回転カバー部材である。また、2つの分割カバー部材611、612は、分割カバー部材611、612の個々に対応して設けられた動力伝達系によって回転開閉される。
また、この融着接続機10Cは、2つの分割カバー部材611、612のうち、分割カバー主部材611を第2カバー部材62に対して開いたときに、残る分割カバー部材612を開く必要が無い。このため、風防カバー内側への塵埃の侵入リスクを少なく抑えることができる。
但し、風防カバーは、該風防カバーを構成する複数のカバー部材のうち、1以上のカバー部材が、装置本体上面に沿って配置された回転軸を中心に回転開閉する回転カバー部材であり、この回転カバー部材に、融着接続機の位置決め溝に対応してファイバクランプ部材25が設けられた構成を採用する。ファイバクランプ部材付きの回転カバー部材は、例えば、融着接続機の左右の位置決め溝に対応して一対のファイバクランプ部材25が取り付け(機械的に連結)された構成であるが、この他、2つの回転カバー部材に、左右の位置決め溝の片方のみに対応(光ファイバを押さえ込む)する2つのファイバクランプ部材の片方ずつが設けられた構成も採用可能である。
ファイバクランプ部材付きの回転カバー部材以外のカバー部材は必ずしも回転カバー部材である必要は無いため、例えば装置本体上に設けたスライド移動機構によってスライド移動されるスライドカバー部材であっても良い。
複数のカバー部材に分割された風防カバーは、1以上の回転カバー部材を含む構成を採用でき、さらに1以上の固定カバー部材を含む構成も採用できる。
ファイバ装着検知器(ファイバ装着作業検知器)の検知器本体31aを可動ステージ22内に組み込んだ構成は、本発明に係る実施形態の融着接続機に広く適用可能であり、例えば、図10に例示した融着接続機についても適用可能である。
また、ホルダ用ファイバ検知器35を設けた構成の融着接続機10Eは、可動ステージ22上に載置されていたファイバホルダ40を可動ステージ22上から取り外すことで、ホルダ用ファイバ検知器35の検知器本体31aから取得される検知信号が検知から無検知に遷移する。
また、図示例では、クランプ用ファイバ検知器34の検知器本体31aを可動ステージ22内に組み込んだ構成、ホルダ用ファイバ検知器35の検知器本体31aを可動ステージ22内に組み込んだ構成を例示したが、検知器34、35の検知器本体31aの可動ステージ22に対する取り付け位置はこれに限定されるものではなく、適宜変更可能である。
指検知器36は、装置本体20上における、左右両側の可動ステージ22を介して加熱融着部24Aとは反対の側(後端側)に取り付けられている。
この指検知器36の装置本体20上における設置位置は、装置本体20に対して閉じた風防カバーに覆われる内側の位置、風防カバーによって覆われない外側の位置のどちらでも可能であるが、風防カバーの小型化の点では、風防カバーによって覆われない外側位置であることが好ましい。
指検知器36としては、例えば赤外線センサ、サーモセンサ等を採用できる。
図28、図29の融着接続機10F、10Gは、ファイバセット待機状態において、駆動制御装置が左右両側の指検知器36から取得する検知信号が、左右両側とも無検知から、左右両側とも検知に遷移し、さらにその後に左右両側とも無検知に遷移することで、これがトリガー信号となってファイバ融着・検査動作を開始する。
図示例の動作指令入力操作部37は、具体的にはスイッチ台11に設けられた押しボタンである。
なお、動作指令入力操作部37及び駆動制御装置以外の構成は、既述の融着接続機10Aと同様である。このため、この融着接続機10Hについては、図1等の既述の融着接続機10Aを説明する図、及び図30、図31を参照して説明する。
本発明に係る実施形態の融着接続機としては、例えば、図2に例示した融着接続機10Bに動作指令入力操作部37を追加して、ファイバセット待機状態にて、駆動制御装置が左右両側のホルダ載置検知器32の検知器本体31aから取得する検知信号が両方とも無検知の状態から両方とも検知の状態に遷移した後、動作指令入力操作部37(押しボタン)の押し込み操作によって動作指定が駆動制御装置に入力されることで、これがトリガー信号となってファイバ融着・検査動作を開始する構成とした融着接続機も採用可能である。また、動作指令入力操作部37を設けた融着接続機の左右両側のファイバ装着作業検知器としては、図23、図24、図26、図27に例示したファイバ装着検知器、図28、図29に例示した指検知器36も採用可能である。
ファイバ装着作業検知器が指検知器36である融着接続機は、ファイバセット待機状態において、駆動制御装置が左右両側の指検知器36から取得する検知信号が、左右両側とも無検知から、左右両側とも検知に遷移し、さらにその後に左右両側とも無検知に遷移した後、動作指令入力操作部37(押しボタン)の押し込み操作によって動作指定が駆動制御装置に入力されることで、これがトリガー信号となってファイバ融着・検査動作を開始する構成を採用可能である。
このことは、ファイバ装着作業検知器が指検知器36であり、駆動制御装置が左右両側のファイバ装着作業検知器から取得する検知信号が両方とも無検知の状態から両方とも検知の状態に遷移した後、左右両側とも無検知に遷移した場合に、これがトリガー信号となってファイバ融着・検査動作を開始する構成の融着接続機についても同様である。
動作指令入力操作部37としては、押しボタンに限定されない。
動作指令入力操作部37としては、例えばダイヤル形のスイッチ、スライド方式のスイッチ等も採用可能である。また、融着接続機のモニタ装置14としてタッチパネルを用い、このタッチパネルに表示したタッチボタンを動作指令入力操作部37として用いても良い。
Claims (19)
- 光ファイバ同士を融着接続する加熱融着部を備えた装置本体と、
1又は複数のカバー部材によって前記装置本体に対して開閉自在に構成され、閉じた状態において前記加熱融着部を覆う風防カバーと、
前記装置本体の前記加熱融着部を介して左右両側に設けられたファイバ装着部と、
左右両側の前記ファイバ装着部にそれぞれ設けられたファイバ装着検知器と、
風防カバーを開閉動するための風防開閉動力源とを有し、
前記ファイバ装着部は、前記装置本体に設けられて、クランプ下部材と該クランプ下部材に開閉可能に枢着されたクランプ上部材との間に光ファイバの被覆部を把持する被覆クランプであるか、あるいは前記装置本体に設けられて、ベース板と該ベース板に開閉可能に枢着された蓋部材との間に光ファイバの被覆部を把持するファイバホルダが脱着可能に載置されるホルダ載置部であり、
前記ファイバ装着検知器は、被覆クランプのクランプ上部材がクランプ下部材に対して閉じられたこと、前記ホルダ載置部にファイバホルダが載置されたこと、被覆クランプのクランプ下部材上に光ファイバが載置されたこと、ファイバホルダに把持固定された光ファイバがホルダ載置部上の所定位置に配置されたこと、のいずれかを検知可能であり、
風防カバーが開いている状態において、左右両側のファイバ装着検知器からの検知信号に基づいて風防カバーを前記風防開閉動力源で駆動して閉じる動作を行い、かつ、融着接続を行った後に、前記風防開閉動力源で駆動して風防カバーを開く動作を行うことを特徴とする光ファイバ融着接続機。 - 請求項1に記載の光ファイバ融着接続機において、
前記クランプ下部材は、前記装置本体に設けられたクランプ取り付け台に固定されており、
前記ホルダ載置部を兼ねる前記クランプ取り付け台を有し、このクランプ取り付け台に対してファイバホルダと被覆クランプとを選択的に装着可能であり、しかもファイバ装着検知器は、前記被覆クランプのクランプ上部材が前記クランプ取り付け台に固定されたクランプ下部材に対して閉じられたこと、及び前記クランプ取り付け台にファイバホルダが載置されたことを検知可能であることを特徴とする光ファイバ融着接続機。 - 請求項1又は2に記載の光ファイバ融着接続機において、
前記加熱融着部の左右両側に、装置本体に対して左右方向に可動に設けられた可動ステージを、その上に前記被覆クランプが取り付けられる前記クランプ取り付け台、あるいは前記ホルダ載置部として有し、前記可動ステージに前記ファイバ装着検知器が組み付けられていることを特徴とする光ファイバ融着接続機。 - 請求項1に記載の光ファイバ融着接続機において、
左右両側のファイバ装着部と前記加熱融着部との間に配置されて前記加熱融着部の左右両側に設けられた位置決め溝と、前記カバー部材に連結され、前記風防カバーを閉じたときに前記光ファイバを前記位置決め溝に押さえ込むファイバクランプ部材とをさらに備え、
風防カバーは動力源によって可動する2つ以上のカバー部材から構成され、閉じた状態において、前記加熱融着部と、左右両側の位置決め溝及びファイバクランプ部材と、左右両側のホルダ載置部に載置されたファイバホルダあるいは被覆クランプとを覆い、
1以上のカバー部材が、装置本体上面に沿って配置された回転軸を中心に回転開閉する回転カバー部材であり、該回転カバー部材は90度を超える回転動作範囲が確保され、
前記ファイバクランプ部材は、前記回転カバー部材の内側に設けられ且つ前記回転カバー部材に対して切り離し可能に連結されたクランプアームと連結され、前記回転カバー部材の開閉に連動して位置決め溝に対して開閉することを特徴とする光ファイバ融着接続機。 - 請求項1、3、4のいずれか1項に記載の光ファイバ融着接続機において、
前記風防カバーの開閉動作用の動力源が、電磁力によって動力を発生するものであり、
電動モータ、電磁石、ソレノイドから選択される1又は複数であることを特徴とする光ファイバ融着接続機。 - 請求項5に記載の光ファイバ融着接続機において、
ファイバクランプ部材が連結されたカバー部材の開閉動作は、閉じる場合は閉じ始めを速い速度で、閉じ終わりを閉じ始めに比べてゆっくりとした速度で駆動することを特徴とする光ファイバ融着接続機。 - 請求項4に記載の光ファイバ融着接続機において、
風防カバーが前後2つの回転カバー部材に分割されていることを特徴とする光ファイバ融着接続機。 - 請求項7に記載の光ファイバ融着接続機において、
分割された2つの回転カバー部材のそれぞれの内側に、光ファイバをカメラで撮像する際の光照射用の撮像用光源が配置されていることを特徴とする光ファイバ融着接続機。 - 請求項4、7、8のいずれか1つに記載の光ファイバ融着接続機において、
前記装置本体上に、前記位置決め溝が上面に形成された溝形成基板を有し、
前記回転カバー部材の回転軸の軸線が、前記溝形成基板の上面と概ね同一平面上に配置されていることを特徴とする光ファイバ融着接続機。 - 請求項1〜9のいずれか1項に記載の光ファイバ融着接続機において、
風防カバーが開いている状態において、ファイバ装着検知器からの検知信号が左右両側とも無検知から左右両側とも検知に遷移していった場合に、風防カバーの前記閉動作および前記開動作を行うことを特徴とする光ファイバ融着接続機。 - 光ファイバ同士を融着接続する加熱融着部を備えた装置本体と、
1又は複数のカバー部材によって前記装置本体に対して開閉自在に構成され、閉じた状態において前記加熱融着部を覆う風防カバーと、
前記装置本体の前記加熱融着部を介して左右両側に設けられたファイバ装着部と、
左右両側の前記ファイバ装着部の加熱融着部とは反対の側にそれぞれ設けられて手指を検知する指検知器と、
風防カバーを開閉動するための風防開閉動力源とを有し、
前記ファイバ装着部は、前記装置本体に設けられて、クランプ下部材と該クランプ下部材に開閉可能に枢着されたクランプ上部材との間に光ファイバの被覆部を把持する被覆クランプであるか、あるいは前記装置本体に設けられて、ベース板と該ベース板に開閉可能に枢着された蓋部材との間に光ファイバの被覆部を把持するファイバホルダが脱着可能に載置されるホルダ載置部であり、
風防カバーが開いている状態において、左右両側の指検知器からの検知信号に基づいて風防カバーを前記風防開閉動力源で駆動して閉じる動作を行い、かつ、融着接続を行った後に、前記風防開閉動力源で駆動して風防カバーを開く動作を行う
ことを特徴とする光ファイバ融着接続機。 - 光ファイバ同士を融着接続する加熱融着部を備えた装置本体と、
1又は複数のカバー部材によって前記装置本体に対して開閉自在に構成され、閉じた状態において前記加熱融着部を覆う風防カバーと、
前記装置本体の前記加熱融着部を介して左右両側に設けられたファイバ装着部と、
左右両側の前記ファイバ装着部にそれぞれ設けられたファイバ装着検知器と、
風防カバーを開閉動するための風防開閉動力源と、
手動操作によって動作開始指令を入力するための動作指令入力操作部と
を有し、
前記ファイバ装着部は、前記装置本体に設けられて、クランプ下部材と該クランプ下部材に開閉可能に枢着されたクランプ上部材との間に光ファイバの被覆部を把持する被覆クランプであるか、あるいは前記装置本体に設けられて、ベース板と該ベース板に開閉可能に枢着された蓋部材との間に光ファイバの被覆部を把持するファイバホルダが脱着可能に載置されるホルダ載置部であり、
前記ファイバ装着検知器は、被覆クランプのクランプ上部材がクランプ下部材に対して閉じられたこと、前記ホルダ載置部にファイバホルダが載置されたこと、被覆クランプのクランプ下部材上に光ファイバが載置されたこと、ファイバホルダに把持固定された光ファイバがホルダ載置部上の所定位置に配置されたこと、のいずれかを検知可能であり、
風防カバーが開いている状態において、左右両側のファイバ装着検知器からの検知信号と前記動作指令入力操作部からの動作開始指令の入力とに基づいて風防カバーを前記風防開閉動力源で駆動して閉じる動作を行い、かつ、融着接続を行った後に、前記風防開閉動力源で駆動して風防カバーを開く動作を行うことを特徴とする光ファイバ融着接続機。 - 光ファイバ同士を融着接続する加熱融着部を備えた装置本体と、
1又は複数のカバー部材によって前記装置本体に対して開閉自在に構成され、閉じた状態において前記加熱融着部を覆う風防カバーと、
前記装置本体の前記加熱融着部を介して左右両側に設けられたファイバ装着部と、
左右両側の前記ファイバ装着部の加熱融着部とは反対の側にそれぞれ設けられて手指を検知する指検知器と、
風防カバーを開閉動するための風防開閉動力源とを有し、
前記ファイバ装着部は、前記装置本体に設けられて、クランプ下部材と該クランプ下部材に開閉可能に枢着されたクランプ上部材との間に光ファイバの被覆部を把持する被覆クランプであるか、あるいは前記装置本体に設けられて、ベース板と該ベース板に開閉可能に枢着された蓋部材との間に光ファイバの被覆部を把持するファイバホルダが脱着可能に載置されるホルダ載置部であり、
風防カバーが開いている状態において、左右両側の指検知器からの検知信号と動作指令入力操作部からの動作開始指令の入力とに基づいて風防カバーを前記風防開閉動力源で駆動して閉じる動作を行い、かつ、融着接続を行った後に、前記風防開閉動力源で駆動して風防カバーを開く動作を行うことを特徴とする光ファイバ融着接続機。 - 請求項11に記載の光ファイバ融着接続機において、
風防カバーが開いている状態において、指検知器からの検知信号が左右両側とも無検知から左右両側とも検知に遷移し、その後に左右両側とも無検知に遷移していった場合に、風防カバーの前記閉動作および前記開動作を行うことを特徴とする光ファイバ融着接続機。 - 請求項12に記載の光ファイバ融着接続機において、
風防カバーが開いている状態において、ファイバ装着検知器からの検知信号が左右両側とも無検知から左右両側とも検知に遷移し、さらに動作指令入力操作部から動作開始指令が入力された場合に、風防カバーの前記閉動作および前記開動作を行うことを特徴とする光ファイバ融着接続機。 - 請求項13に記載の光ファイバ融着接続機において、
風防カバーが開いている状態において、指検知器からの検知信号が左右両側とも無検知から左右両側とも検知に遷移し、その後に左右両側とも無検知に遷移し、さらに動作指令入力操作部から動作開始指令が入力された場合に、風防カバーの前記閉動作および前記開動作を行うことを特徴とする光ファイバ融着接続機。 - 請求項1〜16のいずれか1項に記載の光ファイバ融着接続機において、
風防カバーの開閉状態を検知する風防カバー検知器をさらに備えることを特徴とする光ファイバ融着接続機。 - 請求項1〜17のいずれか1項に記載の光ファイバ融着接続機において、
前記風防カバーは2つ以上のカバー部材によって構成され、1以上のカバー部材が、装置本体上面に沿って配置された回転軸を中心に回転開閉する回転カバー部材であり、
前記装置本体上端部に、開いた状態の回転カバー部材を収容するカバー部材収容溝が前記装置本体上面から窪んで形成されていることを特徴とする光ファイバ融着接続機。 - 請求項4、7、8、9、18のいずれか1項に記載の光ファイバ融着接続機において、
開いた状態のカバー部材が前記装置本体の平面視外側に突出しないことを特徴とする光ファイバ融着接続機。
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