JP2014034960A - インバータ一体型電動圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】安全装置等の余計な部品を一切設けることなく、電力が印加されているインバータ装置に接触する危険性を確実に解消することができるインバータ一体型電動圧縮機を提供することを目的とする。
【解決手段】蓋体6で密閉シールされるインバータ収容部5内にインバータ装置を収容設置するとともに、外部電源および制御装置からの電力線、通信線がコネクタ8,10を介してインバータ装置に接続可能とされているインバータ一体型電動圧縮機1において、蓋体6側に圧縮機側コネクタ8が設けられ、該圧縮機側コネクタ8に電線側コネクタ10が結合された時、該電線側コネクタ10で覆われてアクセスが不能となる位置に、蓋体6をインバータ収容部5に固着する固着手段7の少なくとも1本のボルト7Aが設けられている。
【選択図】図1
【解決手段】蓋体6で密閉シールされるインバータ収容部5内にインバータ装置を収容設置するとともに、外部電源および制御装置からの電力線、通信線がコネクタ8,10を介してインバータ装置に接続可能とされているインバータ一体型電動圧縮機1において、蓋体6側に圧縮機側コネクタ8が設けられ、該圧縮機側コネクタ8に電線側コネクタ10が結合された時、該電線側コネクタ10で覆われてアクセスが不能となる位置に、蓋体6をインバータ収容部5に固着する固着手段7の少なくとも1本のボルト7Aが設けられている。
【選択図】図1
Description
本発明は、ハウジングのインバータ収容部に、インバータ装置が一体に組み込まれているインバータ一体型電動圧縮機に関するものである。
電気自動車やハイブリッド車等に搭載される空調装置の圧縮機として、インバータ装置が一体に組み込まれている電動圧縮機が用いられている。このインバータ一体型電動圧縮機は、圧縮機およびそれを駆動する電動機が内蔵されているハウジングの外周にインバータ収容部を設け、該インバータ収容部内に電源ユニットから供給される高電圧の直流電力を三相交流電力に変換して電動機に印加するインバータ装置が収容設置された構成とされている。そして、インバータ収容部は蓋体により密閉シールされるようになっている。
車両空調装置用の電動圧縮機は、一般に車両のエンジンルーム内に搭載されるが、車載状態において、インバータ収容部を密閉している蓋体にアクセス可能な位置に搭載されることが多く、この場合、高圧電源に繋がれている電力線のコネクタを外す等の安全処置を取らなくても蓋体を取り外すことが可能である。従って、インバータ装置に電力を印加したままで蓋体を取り外すことにより、うっかり高電圧に接触する危険性があった。
そこで、インバータ装置をメンテナンスする際などにおいて、作業者がインバータ収容部を密閉している蓋体を取り外す場合、蓋体の上面に設けられている別の保護カバーやインターロックプレートを取り外すことにより、インバータ装置に印加されている電力を自動的に遮断するインターロック機構を設け、蓋体を取り外す際の安全性を確保できるようにした技術が、特許文献1−3により提供されている。また、特許文献4には、電動圧縮機を車載した状態で、蓋体をインバータ収容部に固定している固定ネジの一部を取り外し不能とした安全機構を設けたものが提供されている。
しかしながら、特許文献1−3に示されるインターロック機構は、インバータ収容部の蓋体を外すことにより、電力が印加されているインバータ装置に接触する危険性を回避する安全機構として、蓋体等に着脱自在に設置される保護カバーやインターロックプレートの他に、保護カバーやインターロックプレートの着脱により動作するインターロックスイッチ機構等の電流制御機器を設けることが不可欠なものである。このため、インバータ装置の構成が複雑化するとともに、インターロック機構を設置するスペースの確保やコストアップが避けられない等の問題があった。
一方、特許文献4に示されるものは、安全カバーの取り付け位置等を工夫することによって、安全カバーを追加設置するだけで、車載された状態において、蓋体の取り外しを不可とし、インバータ装置へのアクセスを不能としたものであるが、専用の安全カバーやその固定ネジ等が必要であることに変わりはなく、部品点数や組み立て工数の増加、それに伴うコストアップ等の課題が残るものであった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、安全装置等の余計な部品を一切設けることなく、電力が印加されているインバータ装置に接触する危険性を確実に解消することができるインバータ一体型電動圧縮機を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明のインバータ一体型電動圧縮機は、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかるインバータ一体型電動圧縮機は、圧縮機および電動機を内蔵するハウジングの外周にインバータ装置を収容設置するインバータ収容部が設けられ、該インバータ収容部が蓋体により密閉シールされるとともに、外部電源および制御装置からの電力線および通信線がコネクタを介して前記インバータ装置に接続可能とされているインバータ一体型電動圧縮機において、前記蓋体側に圧縮機側コネクタが設けられ、該圧縮機側コネクタに電線側のコネクタが結合された時、該電線側コネクタで覆われてアクセスが不能となる位置に、前記蓋体を前記インバータ収容部に固着する固着手段の少なくとも1つが設けられていることを特徴とする。
すなわち、本発明にかかるインバータ一体型電動圧縮機は、圧縮機および電動機を内蔵するハウジングの外周にインバータ装置を収容設置するインバータ収容部が設けられ、該インバータ収容部が蓋体により密閉シールされるとともに、外部電源および制御装置からの電力線および通信線がコネクタを介して前記インバータ装置に接続可能とされているインバータ一体型電動圧縮機において、前記蓋体側に圧縮機側コネクタが設けられ、該圧縮機側コネクタに電線側のコネクタが結合された時、該電線側コネクタで覆われてアクセスが不能となる位置に、前記蓋体を前記インバータ収容部に固着する固着手段の少なくとも1つが設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、インバータ収容部を密閉シールする蓋体側に、電力線および通信線を接続する圧縮機側コネクタが設けられ、この圧縮機側コネクタに電線側のコネクタが結合された時、該電線側コネクタで覆われてアクセスが不能となる位置に、蓋体をインバータ収容部に固着する固着手段の少なくとも1つが設けられているため、インバータ一体型電動圧縮機を車両等に搭載後は、電線側コネクタを圧縮機側コネクタから離脱しない限り、電力線等がインバータ装置に接続されたままの状態、すなわち圧縮機側コネクタに電線側コネクタを結合したままの状態では、蓋体をインバータ収容部に固着している固着手段の1つが電線側コネクタで覆われており、その固着手段に対してアクセスすることができないことから、蓋体を取り外すことが困難であり、電力が印加されている内部のインバータ装置に触れる等の危険性を確実に回避することができる。従って、専用の安全機構やインターロック機構等を一切設けることなく、安全性を確保することができるとともに、それらの機構を省略化することにより小型化、低コスト化を図ることができる。
また、本発明のインバータ一体型電動圧縮機は、上記のインバータ一体型電動圧縮機において、前記電線側コネクタは、電力線用コネクタおよび通信線用コネクタが一体化された構成とされ、前記電力線用コネクタより小型の前記通信線用コネクタで前記固着手段の上部を覆う構成とされていることを特徴とする。
本発明によれば、電線側コネクタが、電力線用コネクタおよび通信線用コネクタが一体化された構成とされ、電力線用コネクタより小型の通信線用コネクタで固着手段の上部を覆う構成とされているため、蓋体を固着する固着手段と通信線用コネクタとの間に互いの干渉を避けるための一定の隙間を確保したとしても、通信線用コネクタの方が電力線用コネクタよりも小さいことから、該隙間が電線側コネクタを圧縮機側コネクタに結合、離脱するために確保される隙間によって制約されることがなく、各々に無理なく最適な隙間を確保することができる。従って、通信線用コネクタで固着手段を覆うことによって、インバータ一体型電動圧縮機の外形が大きくなることはなく、小型化を保つことができる。
さらに、本発明のインバータ一体型電動圧縮機は、上述のいずれかのインバータ一体型電動圧縮機において、前記固着手段は、ボルトとされ、圧縮機の組立時、アクセス可能とされるとともに、前記電線側コネクタが結合された時、工具を介してのアクセスが不能とされていることを特徴とする。
本発明によれば、固着手段が、ボルトとされ、圧縮機の組立時、アクセス可能とされるとともに、電線側コネクタが結合された時、工具を介してのアクセスが不能とされているため、電動圧縮機の組立時には、ボルトを締め付けることによって蓋体を固着することができるが、車両等に搭載され、電線側コネクタが結合された状態では、工具を用いてボルトを取り外すことができないことから、蓋体を取り外して高電圧が印加されているインバータ装置に触れる危険性を確実に排除することができる。従って、インバータ装置へのアクセスは、電線側コネクタを離脱し、電力の印加を遮断後でないと実施できず、特別な安全装置等を設けることなく、安全性を確保することができる。
本発明によると、インバータ一体型電動圧縮機を車両等に搭載した後は、電線側コネクタを圧縮機側コネクタから離脱しない限り、電力線等がインバータ装置に接続されたままの状態、すなわち圧縮機側コネクタに電線側コネクタを結合したままの状態では、蓋体をインバータ収容部に固着している固着手段の1つが電線側コネクタで覆われており、その固着手段にアクセスすることができないことから、蓋体を取り外すことが困難であり、電力が印加されている内部のインバータ装置に触れる等の危険性を確実に回避することができるため、専用の安全機構やインターロック機構等を一切設けることなく、安全性を確保することができるとともに、それらの機構を省略化することにより小型化、低コスト化を図ることができる。
以下に、本発明の一実施形態について、図1ないし図4を参照して説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係るインバータ一体型電動圧縮機の電線側コネクタを結合した状態の斜視図が示され、図2には、電線側コネクタを離脱した状態の斜視図が示されている。
インバータ一体型電動圧縮機1は、内部に図示省略された電動機および該電動機により駆動される圧縮機が内蔵されたハウジング2を備えている。このハウジング2は、アルミダイカスト製のモータハウジング3と圧縮機ハウジング4とが一体に結合された構成とされている。
図1には、本発明の一実施形態に係るインバータ一体型電動圧縮機の電線側コネクタを結合した状態の斜視図が示され、図2には、電線側コネクタを離脱した状態の斜視図が示されている。
インバータ一体型電動圧縮機1は、内部に図示省略された電動機および該電動機により駆動される圧縮機が内蔵されたハウジング2を備えている。このハウジング2は、アルミダイカスト製のモータハウジング3と圧縮機ハウジング4とが一体に結合された構成とされている。
ハウジング2の電動機が内蔵されているモータハウジング3側の外周には、インバータ収容部5が一体に成形されている。このインバータ収容部5は、上面が開口されたボックス形状とされており、内部に図示省略のインバータ装置が収容設置されるように構成されている。インバータ装置は、電源ユニットから供給される高電圧の直流電力を三相交流電力に変換して電動機に印加するものであり、平滑コンデンサやコモンモードコイル等の高電圧系部品、IGBT等の半導体スイッチング素子から構成されるスイッチング回路が実装されたパワー系基板およびCPU等の低電圧で動作される素子から構成される制御通信回路が実装されたCPU基板等により構成される公知のインバータ装置でよい。
インバータ装置は、絶縁、防湿、防振および冷却等が必要であり、それぞれ対応する処置が施された状態でインバータ収容部5内に収容設置されている。このインバータ収容部5の上面開口部は、複数個のボルト7を介して締め付け固定される蓋体6によって密閉され、防水構造とされている。
蓋体6には、車両側に搭載された電源ユニット(バッテリ)や制御装置(ECU)からの直流電力や制御信号をインバータ装置側に印加する電力線や通信線、あるいはインターロック用の通信線を接続するための圧縮機側コネクタ8がその上面の後方側に設けられている。圧縮機側コネクタ8は、電力線用コネクタ8Aと通信線用コネクタ8Bとが一体化されたものであり、インバータ収容部5内に設置されるインバータ装置と電気的に接続されている。なお、本発明での通信線用コネクタ8Bとは、制御信号用の通信線および/または電力線用コネクタ8Aの接続を確認するインターロック用の通信線を接続する単独あるいは複数のコネクタを含むものとする。
この蓋体6側に設けられている圧縮機側コネクタ8に対しては、上記した電力線および通信線を1本に束ねた電気ケーブル(電力線および通信線)9の一端に設けられている電線側コネクタ10が結合、離脱自在とされている。電線側コネクタ10は、電力線用コネクタ10Aと通信線用コネクタ10Bとが一体化されたものであり、蓋体6の上面と略平行な方向から圧縮機側コネクタ8に挿し込み可能とされている。なお、通信線用コネクタ10Bは、上記通信線用コネクタ8Bに対応した構成のコネクタとされている。
インバータ一体型電動圧縮機1は、電気自動車やハイブリッド車等の車両に搭載される場合、一般にエンジンルーム内において、モータやエンジン本体(被搭載部)あるいは車体フレームに直付け、もしくは圧縮機マウント用ブラケット等を介して搭載される。そして、このインバータ一体型電動圧縮機1に組み込まれているインバータ装置に対して、車載されている電源ユニットから電線ケーブル9を介して高電圧の直流電力が供給される。このため、メンテナンス時などにおいて、圧縮機側コネクタ8に電線側コネクタ10を接続したままの状態でインバータ収容部5の蓋体6を取り外すと高電圧に触れる危険性が生ずる。
この危険性を排除するため、本実施形態においては、図3に示されるように、蓋体6をインバータ収容部5に固着する複数のボルト(固着手段)7のうちの少なくとも1本のボルト7Aの近くに、圧縮機側コネクタ8を設け、この圧縮機側コネクタ8に電線側コネクタ10を結合した時、図4に示されるように、電線側コネクタ10の一部である通信線用コネクタ10Bでボルト7Aの上部を覆うことにより、ボルト7Aに対して工具を用いて着脱等のアクセスが不能な構成としている。
つまり、ボルト7Aは、インバータ一体型電動圧縮機1の組立時においては、圧縮機側コネクタ8に電線側コネクタ10が結合されておらず、図3に示されるように、上方が開放されていることから、ボルト7Aの締め付け作業を行うことができるが、インバータ一体型電動圧縮機1が車載され、電線側コネクタ10が結合された状態では、図4に示されるように、通信線用コネクタ10Bがボルト7Aの上部を覆ってしまうため、ネジレンチ等の工具を用いてボルト7Aにアクセスし、それを外して蓋体6をインバータ収容部5から取り外すことが困難となる。
また、ボルト7Aの上部を覆うコネクタは、電線側コネクタ10の電力線用コネクタ10Aまたは通信線用コネクタ10Bのいずれであってもよいが、本実施形態では、通信線用コネクタ10Bでボルト7Aの上部を覆う構成としている。電線側コネクタ10を圧縮機側コネクタ8に挿し込んで結合するためには、蓋体6の上面との間に一定の隙間を確保しておく必要であるが、同時にボルト7Aとの干渉を避けるための隙間を確保する必要があり、通常、電力線用コネクタ10Aに比べて通信線用コネクタ10Bの方が小さいことから、通信線用コネクタ10Bでボルト7Aの上部を覆うことにより、ボルト7Aとの干渉を避けるための隙間を無理なく確保することができる。
以上に説明の構成により、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
上記のインバータ一体型電動圧縮機1は、車載状態において、図2、図4に示されるように、車載の電源ユニット(バッテリ)および制御装置(ECU)と電線ケーブル9を介して接続され、電源ユニットからインバータ収容部5内に設置されているインバータ装置に給電される電力によって駆動される。この電力は高電圧の直流電力であり、インバータ装置によって制御装置(ECU)からの指令周波数の三相交流電力に変換され、ハウジング2内に内蔵されている電動機に印加される。
上記のインバータ一体型電動圧縮機1は、車載状態において、図2、図4に示されるように、車載の電源ユニット(バッテリ)および制御装置(ECU)と電線ケーブル9を介して接続され、電源ユニットからインバータ収容部5内に設置されているインバータ装置に給電される電力によって駆動される。この電力は高電圧の直流電力であり、インバータ装置によって制御装置(ECU)からの指令周波数の三相交流電力に変換され、ハウジング2内に内蔵されている電動機に印加される。
このインバータ一体型電動圧縮機1では、インバータ装置をメンテナンスする必要が生じた場合、インバータ収容部5を密閉している蓋体6を外さなければならないが、電線ケーブル9のコネクタ10を外す等の安全処置を取らないまま蓋体6を取り外すと、うっかりインバータ装置に印加されている高電圧に触れてしまう危険性がある。この危険性を排除するため、本実施形態においては、電線ケーブル9側のコネクタ10を圧縮機側のコネクタ8から離脱しないと、蓋体6をインバータ収容部5に固着しているボルト7Aを取り外すことができないようにしている。
つまり、インバータ収容部5を密閉シールする蓋体6側に、電力線および通信線を束ねた電線ケーブル9を接続する圧縮機側コネクタ8を設け、この圧縮機側コネクタ8に電線ケーブル9の一端に設けられた電線側コネクタ10が結合された時、電線側コネクタ10の通信線用コネクタ10Bで覆われてアクセスが不能となる位置に、蓋体6をインバータ収容部5に固着する複数のボルト(固着手段)7の中の少なくとも1本のボルト7Aを設けた構成としている。
このため、インバータ一体型電動圧縮機1を車両等に搭載した後は、電線側コネクタ10を圧縮機側コネクタ8から離脱しない限り、電線ケーブル9がインバータ装置に接続されたままの状態、すなわち圧縮機側コネクタ8に対して電線側コネクタ10を結合したままの状態では、蓋体6をインバータ収容部5に固着しているボルト7の少なくとも1本のボルト7Aが電線側コネクタ10で覆われており、そのボルト7Aにアクセスすることができないことから、蓋体6を取り外すことが困難であり、電力が印加されている内部のインバータ装置に触れる等の危険性を確実に回避することができる。
従って、専用の安全機構やインターロック機構等を一切設けることなく、安全性を確保することができるとともに、それらの機構を省略化することにより小型化、低コスト化を図ることができる。
従って、専用の安全機構やインターロック機構等を一切設けることなく、安全性を確保することができるとともに、それらの機構を省略化することにより小型化、低コスト化を図ることができる。
また、上記の電線側コネクタ10が、電力線用コネクタ10Aと通信線用コネクタ10Bとが一体化された構成とされており、電力線用コネクタ10Aに比べて小型の通信線用コネクタ10Bでボルト7Aの上部を覆った構成としている。このため、蓋体6を固着するボルト7Aと通信線用コネクタ10Bとの間に互いの干渉を避けるための一定の隙間を確保したとしても、通信線用コネクタ10Bの方が電力線用コネクタ10Aよりも小さいことから、該隙間が電線側コネクタ10を圧縮機側コネクタ8に結合、離脱するために確保される隙間によって制約されることがなく、各々に無理なく最適な隙間を確保することができる。従って、通信線用コネクタ10Bでボルト7Aを覆うことにより、インバータ一体型電動圧縮機1の外形が大きくなることはなく、小型化を保つことができる。
さらに、本実施形態では、蓋体6を固着する固着手段が、ボルト7とされ、インバータ一体型電動圧縮機1の組立時、アクセス可能とされるとともに、電線側コネクタ10が圧縮機側コネクタ8結合された時、工具を介してのアクセスが不能とされている。このため、インバータ一体型電動圧縮機1の組立時には、ボルト7Aを締め付けることにより蓋体6を固着することができるが、車両等に搭載され、電線側コネクタ10が結合された状態では、工具を用いてボルト7Aを取り外すことができないことから、蓋体6を取り外して高電圧が印加されているインバータ装置に触れる危険性を確実に排除することができる。従って、インバータ装置へのアクセスは、電線側コネクタ10を離脱し、電力の印加を遮断後でないと実施できず、特別な安全装置等を設けることなく、安全性を確保することができる。
なお、本発明は、上記実施形態にかかる発明に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。例えば、上記実施形態では、モータハウジング3側の外周にインバータ収容部5を一体成形した例について説明したが、インバータ収容部5は、ハウジング2の端面等、外周のいずれの位置に設けてもよい。また、インバータ収容部5の形状や大きさ等は、特に制限されるものではない。
さらに、上記実施形態では、圧縮機側コネクタ8および電線側コネクタ10の結合方向を蓋体の上面に沿う方向とし、や電線側コネクタ10によって覆うボルト7Aの数を1本としているが、その方向や数は、車両への搭載姿勢や搭載状態との兼ね合いで、適宜変更してもよいことはもちろんである。また、上記実施形態では、電力線用コネクタ10Aより小型の通信線用コネクタ10Bでボルト7Aの上部を覆った構成としているが、電力線用コネクタ10Aによってボルト7Aの上部を覆った構成とすることを除外するものではなく、電力線用コネクタ10Aでボルト7Aの上部を覆った構成としてもよいことは云うまでもない。
また、上記実施形態では、電力線用コネクタ8Aと通信線用コネクタ8Bおよび電力線用コネクタ10Aと通信線用コネクタ10Bをそれぞれ一体化した場合の例について説明したが、制御信号用の通信線と電源ユニットからの直流電力用の電力線とを離れた位置でコネクタ接続する構成としたものにも同様に適用することができ、この場合、電力線用コネクタ側で少なくとも1本のボルト7Aの上部を覆った構成とすればよい。但し、この構成とした場合において、電力線用コネクタの接続を確認するインターロック用の通信線用コネクタは、電力線用コネクタ側に設けられるので、この通信線用コネクタでボルト7Aの上部を覆う構成としてもよいことはもちろんである。
1 インバータ一体型電動圧縮機
2 ハウジング
5 インバータ収容部
6 蓋体
7,7A ボルト(固着手段)
8 圧縮機側コネクタ
9 電線ケーブル(電力線および通信線)
10 電線側コネクタ
10A 電力線用コネクタ
10B 通信線用コネクタ
2 ハウジング
5 インバータ収容部
6 蓋体
7,7A ボルト(固着手段)
8 圧縮機側コネクタ
9 電線ケーブル(電力線および通信線)
10 電線側コネクタ
10A 電力線用コネクタ
10B 通信線用コネクタ
Claims (3)
- 圧縮機および電動機を内蔵するハウジングの外周にインバータ装置を収容設置するインバータ収容部が設けられ、
該インバータ収容部が蓋体により密閉シールされるとともに、外部電源および制御装置からの電力線および通信線がコネクタを介して前記インバータ装置に接続可能とされているインバータ一体型電動圧縮機において、
前記蓋体側に圧縮機側コネクタが設けられ、
該圧縮機側コネクタに電線側のコネクタが結合された時、該電線側コネクタで覆われてアクセスが不能となる位置に、前記蓋体を前記インバータ収容部に固着する固着手段の少なくとも1つが設けられていることを特徴とするインバータ一体型電動圧縮機。 - 前記電線側コネクタは、電力線用コネクタおよび通信線用コネクタが一体化された構成とされ、前記電力線用コネクタより小型の前記通信線用コネクタで前記固着手段の上部を覆う構成とされていることを特徴とする請求項1に記載のインバータ一体型電動圧縮機。
- 前記固着手段は、ボルトとされ、圧縮機の組立時、アクセス可能とされるとともに、前記電線側コネクタが結合された時、工具を介してのアクセスが不能とされていることを特徴とする請求項1または2に記載のインバータ一体型電動圧縮機。
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