JP2014034113A - 画像記録方法 - Google Patents

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Kosho Okuda
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Abstract

【課題】記録媒体の種類に左右されることなく、短時間で印字部を乾燥可能で印刷速度を向上させることが可能であるとともに、優れた耐擦過性を有する画像を形成することができる画像記録方法を提供する。
【解決手段】顔料、樹脂微粒子、及び第1の水溶性高沸点揮発性溶媒を含有するインクを記録媒体に付与する工程と、第2の水溶性高沸点揮発性溶媒を含有する液体組成物をインクが付与された領域の少なくとも一部と重なるように記録媒体に付与する工程と、記録媒体を樹脂微粒子の最低造膜温度以上の温度に加熱する工程とをこの順で有する画像記録方法である。液体組成物の400nm乃至780nmの波長域における最大吸光度Amaxと最小吸光度Aminの比Amax/Aminが1.0以上2.0以下であり、用いる記録媒体の種類に応じて、液体組成物を特定の条件で付与する。
【選択図】なし

Description

本発明は画像記録方法に関する。
近年、インクジェット記録方式は、紙などの浸透性を有する記録媒体への印刷だけではなく、ポリ塩化ビニルやポリエチレンテレフタレートなどのプラスチックを用いた非浸透性の記録媒体への印刷といった応用展開がなされている。従来、非浸透性の記録媒体に用いるインクとしては、非水性の溶剤インクが主流であった。しかしながら、最近では、環境への安全性がより高い水性インクについても検討がなされている。
このため、記録媒体の浸透性・非浸透性に関わらず使用可能な水性インクが検討されている(特許文献1)。特許文献1には、色材及び樹脂微粒子を含有する水性インクを用いて記録した後に、樹脂微粒子の最低造膜温度(MFT)以上で加熱し、樹脂微粒子を皮膜化させることで画像の耐候性を改善することが記載されている。
特開2005−220352号公報
樹脂微粒子を含有する従来の水性インクには、樹脂微粒子のMFTを下げて皮膜化を促進させるために、水溶性揮発性溶媒が添加されている。しかしながら、この水溶性揮発性溶媒は沸点が高い傾向にあるため、印字部の乾燥性が良好ではないという課題があった。水溶性揮発性溶媒を印字部から除去する方法としては、記録媒体を膨潤させることで吸収させる方法と、空気中へ蒸発させる方法の2通りがある。乾燥効率の観点からは、空気中へ蒸発させる方法よりも、記録媒体を膨潤させて吸収させる方法の方が有効である。ただし、記録媒体の種類によっては乾燥時間が長時間に及ぶことがある。すなわち、記録媒体が水溶性高沸点揮発性溶媒に対して膨潤性を有するのであれば、乾燥は短期間で完了する。しかしながら、記録媒体が水溶性高沸点揮発性溶媒に対する膨潤性が小さいものであると、乾燥は蒸発のみに限定されるので、水溶性高沸点揮発性溶媒を除去するのに時間を要することとなる。
そこで、水溶性高沸点揮発性溶媒に対する記録媒体の膨潤性を改善するために、膨潤性の低い記録媒体の表面に樹脂コーティング層や無機微粒子を含むコーティング層(インク受容層)を設ける場合がある。しかしながら、このようなコーティング層を設けた場合、水溶性高沸点揮発性溶媒の浸透性が向上し過ぎてしまうため、水溶性高沸点揮発性溶媒が極めて短時間で除去されてしまう。このため、樹脂微粒子の皮膜化が不十分になる場合がある。また、高い吸水性を有する紙基材などの記録媒体を用いた場合にも、水溶性高沸点揮発性溶媒が基材表面から極めて短時間に除去されてしまうので、樹脂微粒子の皮膜化が不十分になってしまう。
以上説明したように、インクに含有される水溶性高沸点揮発性溶媒に対する膨潤性が異なる記録媒体へ印刷する場合、印字部の乾燥性の最適化と、樹脂微粒子の皮膜化の最適化を両立させることが極めて困難であるという課題があった。すなわち、樹脂微粒子を含有する従来の水性インクに添加される水溶性高沸点揮発性溶媒の量については、記録媒体に対応した最適量が存在する。水溶性高沸点揮発性溶媒の添加量を、水溶性高沸点揮発性溶媒により膨潤する記録媒体に合わせたインクを使用して、水溶性高沸点揮発性溶媒により膨潤しない記録媒体に印刷した場合、インクの乾燥時間が長くなってしまう。一方、同一のインクを使用して高い吸水性を有する記録媒体に印刷した場合には、樹脂微粒子の皮膜化が不十分になるので、形成される画像の耐擦過性が低下してしまうという課題がある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものである。本発明の課題とするところは、記録媒体の種類に左右されることなく、短時間で印字部を乾燥可能で印刷速度を向上させることが可能であるとともに、優れた耐擦過性を有する画像を形成することができる画像記録方法を提供することにある。
すなわち、本発明によれば、顔料、樹脂微粒子、及び第1の水溶性高沸点揮発性溶媒を含有するインクを記録媒体に付与する工程と、第2の水溶性高沸点揮発性溶媒を含有する液体組成物を前記インクが付与された領域の少なくとも一部と重なるように前記記録媒体に付与する工程と、前記記録媒体を前記樹脂微粒子の最低造膜温度以上の温度に加熱する工程とをこの順で有する画像記録方法において、前記液体組成物の400nm乃至780nmの波長域における最大吸光度Amaxと最小吸光度Aminの比Amax/Aminが1.0以上2.0以下であり、用いる前記記録媒体の種類に応じて、前記液体組成物を下記の条件で付与することを特徴とする画像記録方法が提供される。
(条件)
前記第1の水溶性高沸点揮発性溶媒の前記記録媒体への付与量をA、前記第2の水溶性高沸点揮発性溶媒の前記記録媒体への付与量をB、及び前記樹脂微粒子の前記記録媒体への付与量をCとしたときに、(A+B)/Cの値が、(インク受容層を有さない非膨潤性記録媒体)<(インク受容層を有さない膨潤性記録媒体)<(インク受容層を有する記録媒体)を満足する。
本発明の画像記録方法によれば、記録媒体の種類に左右されることなく、短時間で印字部を乾燥可能で印刷速度を向上させることが可能であるとともに、優れた耐擦過性を有する画像を形成することができる。
通常、インクジェットプリンターに装着される各色カラーインク中には、ほぼ同程度の量の水溶性高沸点揮発性溶媒が添加されている。これに対して、本発明の画像記録方法は、顔料、樹脂微粒子、及び第1の水溶性高沸点揮発性溶媒を含有するインクとともに、第2の水溶性高沸点揮発性溶媒を含有する液体組成物を用いる。そして、この液体組成物を、インクが付与された領域の少なくとも一部と重なるように前記記録媒体に付与する工程を有する。また、第1の水溶性高沸点揮発性溶媒の記録媒体への付与量Aと、第2の水溶性高沸点揮発性溶媒の記録媒体への付与量Bと、樹脂微粒子の記録媒体への付与量Cとの関係を、記録媒体の種類に応じて制御する。具体的には、(A+B)/Cの値が、(インク受容層を有さない非膨潤性記録媒体)<(インク受容層を有さない膨潤性記録媒体)<(インク受容層を有する記録媒体)との条件を満足するように、記録媒体の種類に応じて液体組成物を吐出する。このように、水溶性高沸点揮発性溶媒に対する記録媒体の膨潤性の高低に応じて、付与する液体組成物の量を変化させることで、記録媒体に付与される水溶性高沸点揮発性溶媒の量を最適化する。これにより、記録媒体の種類に左右されることなく、印字部の乾燥時間の短縮(印刷速度の向上)と、画像の耐擦過性の向上との両立が可能となる。以下、本発明の画像記録方法の詳細について説明する。
<インク付与工程>
インク付与工程では、顔料、樹脂微粒子、及び第1の水溶性高沸点揮発性溶媒を含有するインクを記録媒体に付与する。記録媒体にインクを付与する方法としては、インクジェット方式の記録ヘッドを備えたプリンター(インクジェットプリンター)を使用する方法が好ましい。インクジェット方式としては、例えば、電気−熱変換体によりインクに膜沸騰を生じさせ気泡を発生させることでインクを吐出する形態、電気−機械変換体によってインクを吐出する形態、静電気を利用してインクを吐出する形態などを挙げることができる。なかでも、電気−熱変換体を利用してインクを吐出することが、高速かつ高密度の印刷が可能であるために好ましい。インクジェット方式の記録ヘッドとしては、ラインヘッドやシリアルヘッドなどを用いることができる。
(インク)
インクには、顔料、樹脂微粒子、及び第1の水溶性高沸点揮発性溶媒が含有される。本発明で用いるインクを樹脂微粒子の最低造膜温度(MFT)以上の温度で加熱すると、インク中の樹脂微粒子が溶融して結合し、顔料を取り込みながら皮膜化する。樹脂微粒子が皮膜化することで、屋内外の厳しい環境に長期間耐えうる耐擦過性や耐水性などの堅牢性の優れた画像を形成することができる。しかしながら、通常の印刷作業環境において、一般的に要求されるレベルの耐擦過性を有する画像が形成される温度にまで加熱して印刷することは困難である。また、樹脂微粒子を単に加熱溶融して形成した皮膜の柔軟性は不十分な場合があり、記録媒体の変形に追従できない場合がある。そこで、水溶性高沸点揮発性溶媒をインクに添加する。水溶性高沸点揮発性溶媒をインクに添加することで樹脂微粒子のMFTを下げることができる。このため、より低温で樹脂微粒子を溶融させて皮膜化させることができるとともに、皮膜の柔軟性を向上させることも可能となるので、記録媒体の変形に対して追従しやすい画像を形成することができる。
顔料は、分散状態でインク中に存在する色材粒子である。この顔料は、同様にインク中に存在する樹脂微粒子に結合していても、結合せずに別個独立していてもよい。さらに、顔料自体は自己分散型顔料であってもよく、樹脂分散型顔料であってもよい。顔料は、印刷後には加熱された樹脂微粒子により形成される皮膜(ポリマー)中に取り込まれ、皮膜中に存在することになる。インク中の顔料の含有量は色種によって異なるが、形成される画像の発色性、階調性、及び堅牢性のバランスから、インク全体を基準として0.2質量%以上4.0質量%以下であることが好ましい。
樹脂微粒子は、水性のインク中でコロイド状に安定的に存在するエマルション粒子である。この樹脂微粒子は十分加熱すると溶融し、樹脂微粒子同士が結合して皮膜化しうるものである。このような樹脂微粒子は、水に乳化しうる複数の単量体を共重合させることにより、エマルションの状態で得ることができる。樹脂微粒子を構成する樹脂としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ビニル系樹脂などを挙げることができる。熱や薬品などに対する樹脂微粒子の安定性、及びインク設計の自由度などを考慮すると、樹脂微粒子を構成する樹脂としてアクリル系樹脂を用いることが好ましい。なお、樹脂は以下に列挙する単量体などを用いて、ラジカル重合などの公知の重合法によって合成することができる。
樹脂微粒子を構成する樹脂を調製するために用いられる単量体の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ノルマルブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレートなどの短鎖アルキル(メタ)アクリレート;ノルマルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ノルマルオクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレートなどの中鎖アルキル(メタ)アクリレート;2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどの長鎖アルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、(メタ)アクリロイルオキシエチルスルホン酸などの酸性基含有不飽和化合物;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどのグリコール系(メタ)アクリレート;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート;フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどの芳香族系(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類;ジアルキルエチル(メタ)アクリレート;スチレン、ビニルトルエン、ビニル安息香酸、α−メチルスチレン、p−ヒドロキシメチルスチレン、スチレンスルホン酸などのスチレン類及びその誘導体;メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン、2−ビニルオキサゾン、ビニルスルホン酸などのビニルエーテル類及びその誘導体などを挙げることができる。
樹脂微粒子の数平均粒子径は、印字物の乾燥性の観点から50nm以上300nm以下であることが好ましい。また、樹脂微粒子を構成する樹脂の重量平均分子量(Mw)は40,000以上100,000以下であることが好ましい。さらに、樹脂微粒子を構成する樹脂のガラス転移温度は70℃以上100℃以下であることが好ましい。このような樹脂微粒子を含有するインクを用いることで、加熱及び造膜後の印字物(皮膜)はエネルギー的に安定し、より耐擦過性に優れた画像を形成することができる。
インク中の樹脂微粒子の含有量は、インク全体を基準として4質量%以上10質量%以下であることが好ましい。樹脂微粒子の含有量が4質量%未満であると、形成される画像の耐擦過性が低下する場合がある。一方、樹脂微粒子の含有量が10質量%超であると、インクの吐出安定性が低下する場合がある。
本発明で用いるインクには、第1の水溶性高沸点揮発性溶媒が含有される。なお、後述する液体組成物には、第2の水溶性高沸点揮発性溶媒が含有される。第1の水溶性高沸点揮発性溶媒と第2の水溶性高沸点揮発性溶媒は、同一であっても、異なっていてもよい。以下、単に「水溶性高沸点揮発性溶媒」というときは、第1の水溶性高沸点揮発性溶媒と第2の水溶性高沸点揮発性溶媒のいずれをも意味する。
水溶性高沸点揮発性溶媒は、記録媒体と皮膜化したインク層との接着強度を左右する成分でもある。水溶性高沸点揮発性溶媒が記録媒体の表面を溶解し荒らすことで、印刷されたインク層にアンカー効果をもたらすためである。水溶性高沸点揮発性溶媒によって膨潤しうる記録媒体を用いた場合には、水溶性高沸点揮発性溶媒が記録媒体の表面を荒らすことで、皮膜化したインク層と記録媒体との接着力が増大する。一方、水溶性高沸点揮発性溶媒によって膨潤しない記録媒体を使用した場合には、皮膜化したインク層と記録媒体との接着力は弱い。さらに、水溶性高沸点揮発性溶媒によって過度に膨潤してしまう記録媒体を使用した場合には、記録媒体が溶けてしまう恐れがある。このため、記録媒体を程よく膨潤させることが可能な水溶性高沸点揮発性溶媒を選択して用いることが好ましい。なお、皮膜化したインク層との接着力の弱い記録媒体を使用する場合には、インクに界面活性剤を添加することが好ましい。界面活性剤を添加して表面張力を低下させたインクを用いると、記録媒体に対するインクの接触角が小さくなり、表面方向に働く物理的な剪断応力を低減させることができるためである。
水溶性高沸点揮発性溶媒の沸点は150℃以上250℃以下であることが好ましい。その沸点が上記の範囲内である水溶性高沸点揮発性溶媒を用いることで、ヘッドフェイス面の湿潤性及び保湿性を確保することができる。なお、水溶性高沸点揮発性溶媒としては、ピロリジノン、ジメチルスルフォキシド、及びジエチレングリコールモノメチルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
サーマルヘッドにおける吐出信頼性の観点からは、水溶性高沸点揮発性溶媒としてはピロリジノンが好ましい。インク中の第1の水溶性高沸点揮発性溶媒の含有量X(質量%)は、吐出性能の観点から、インク全体を基準として3.0≦X≦20.0の関係を満たすことが好ましい。
インクには、第1の水溶性高沸点揮発性溶媒以外の共溶媒、界面活性剤、pH調整剤、及び吐出安定剤などの添加剤を添加することができる。なかでも界面活性剤は、表面エネルギーが低い記録媒体に画像形成する際に、印字部の乾燥性を向上させる成分として重要である。これらの添加剤の含有量は、インク全体を基準として、それぞれ15質量%以下とすることが好ましい。
(記録媒体)
記録媒体には、インクが付与されて画像が形成(印刷)される。本発明において、記録媒体は、(i)インク受容層を有さない非膨潤性記録媒体、(ii)インク受容層を有さない膨潤性記録媒体、及び(iii)インク受容層を有する記録媒体の3種類に分類される。記録媒体が、上記の3種類のいずれに分類されるのかは、下記の方法によって判断することができる。
(記録媒体の分類方法)
まず、以下の方法で試験用インクを調製する。酸価250mgKOH/g、数平均分子量3,000のベンジルアクリレートとメタクリル酸のブロックポリマーを水酸化カリウム水溶液で中和した後、イオン交換水で希釈して、ポリマーの含有量が50質量%のポリマー水溶液を用意する。次いで、このポリマー水溶液180g、C.I.ピグメントブルー15:3 100g、及びイオン交換水220gを混合し、30分間撹拌する。次に、マイクロフリュイダイザーを使用し、この混合物を、液体圧力約70MPa下で相互作用チャンバ内に5回通すことによって処理する。さらに、12,000rpmで20分間遠心分離処理することによって、粗大粒子などを除去して分散液(顔料濃度が10質量%、分散剤濃度が10質量%)を得る。次いで、分散液15部、JONCRYL 538J(BASF製)7部、ピロリジノン20部、1,2−ヘキサンジオール3部、ポリエチレングリコール4部、フルオロアルキルポリエチレンオキシド0.5部、及びイオン交換水50.5部を混合する。なお、ポリエチレングリコールは、数平均分子量1,000のものを用いる。撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度1.5質量%、分散剤濃度1.5質量%の試験用インクを得る。
フィルムヒーターで55℃に加熱した記録媒体及びステンレス板(以下、「SUS」と記す)にそれぞれ、ピエゾヘッドにて約17pLの試験用インクを吐出し、記録媒体及びSUS上に形成された液滴を、水平方向から10m秒毎に超高速度カメラにて撮影する。撮影した液滴の写真をFAMASソフトを用いて解析し、インクが記録媒体及びSUSに付与されてからの液滴の体積変化挙動を評価する。このとき、インクが記録媒体に付与されてから2秒後の液滴の体積が、付与直後の液滴の体積と比較して、20%未満のものを(iii)インク受容層を有する記録媒体に分類し、上記体積変化が20%以上のものをインク受容層を有さない記録媒体に分類する。
さらに、インク受容層を有さない記録媒体が、膨潤性であるか非膨潤性であるかは以下の方法で判断する。インクが記録媒体に付与されてから2秒後の液滴の体積が、インクがSUSに付与されてから2秒後の液滴の体積と比較して、体積差が5%未満の場合、「インク受容層を有さない非膨潤性記録媒体」であると判断する。また、インクが記録媒体に付与されてから2秒後の液滴の体積が、インクがSUSに付与されてから2秒後の液滴の体積と比較して、体積差が5%以上の場合、「インク受容層を有さない膨潤性記録媒体」であると判断する。
(i)インク受容層を有さない非膨潤性記録媒体の具体例としては、PETなどのポリエステルや金属などからなるインク受容層を有しないフィルムやシートなどを挙げることができる。また、(ii)インク受容層を有さない膨潤性記録媒体の具体例としては、塩化ビニル、又は塩化ビニルによって表面処理されたターポリンなどからなるインク受容層を有しないフィルムやシートなどを挙げることができる。
(iii)インク受容層を有する記録媒体の具体例としては、前述の記録媒体(i)にインク受容層を設けたフィルムやシートなどを挙げることができる。なお、インク受容層の具体例としては、多孔質のコーティング層や、樹脂などからなるコーティング層を挙げることができる。
印刷物が屋外で掲示される場合には、屋外での日光や降雨への耐性が優れている非吸水性材料を記録媒体として使用することが好ましい。なかでも、塩化ビニルやポリエステルなどからなる記録媒体は、容易に加工が施せるとともに、安価で取り扱いやすいために特に好ましい。また、耐水加工を施したパルプシート、又はパルプと化学繊維との複合物からなる記録媒体も好ましい。なお、基材に耐水性コート層を設け、乾燥性を増したものも記録媒体として有用である。一方、印刷物が屋内で掲示される場合には、より安価な紙基材を記録媒体として用いることも可能である。
<液体組成物付与工程>
液体組成物付与工程では、第2の水溶性高沸点揮発性溶媒を含有する液体組成物を記録媒体に付与する。また、インクが付与された領域の少なくとも一部と重なるように、液体組成物を記録媒体に付与する。なお、液体組成物付与工程においては、記録媒体の第2の水溶性高沸点揮発性溶媒に対する膨潤性の高低に応じて、記録媒体への液体組成物の付与量を変化させる。
(液体組成物)
液体組成物には、第2の水溶性高沸点揮発性溶媒が含有される。第2の水溶性高沸点揮発性溶媒の具体例としては、前述の第1の水溶性高沸点揮発性溶媒と同様のものを挙げることができる。液体組成物中の第2の水溶性高沸点揮発性溶媒の含有量Y(質量%)は、液体組成物全体を基準としてY≦60.0の関係を満たすことが好ましい。なお、30.0≦Y≦50.0の関係を満たすことがより好ましい。そして、インク中の第1の水溶性高沸点揮発性溶媒の含有量X(質量%)と、液体組成物中の第2の水溶性高沸点揮発性溶媒の含有量Y(質量%)は、X≦Yの関係を満たすことが好ましい。
液体組成物は、可視光の波長域である400乃至780nmの波長域における最大吸光度Amaxと最小吸光度Aminの比Amax/Aminが、1.0以上2.0以下であることを要する。これは、可視光の波長域において、吸光度のピークを実質的に有さないか、有していてもピークの強度が極めて小さいことを意味する。また、液体組成物は、インクで記録した画像に影響を及ぼさないために、無色、乳白色、又は白色であることが好ましい。さらに、液体組成物は色材を含有しないことが好ましい。後述する実施例では、上記の吸光度は、非希釈の液体組成物を用いて、ダブルビーム分光光度計(商品名「U−2900」、日立ハイテクノロジーズ製)によって測定した。なお、吸光度は、液体組成物を希釈して測定してもよい。これは、液体組成物の最大吸光度と最小吸光度の値は、いずれも希釈倍率に比例し、最小吸光度に対する最大吸光度の比(Amax/Amin)の値は希釈倍率に依存しないからである。
液体組成物には、第2の水溶性高沸点揮発性溶媒以外の共溶媒、界面活性剤、pH調整剤、及び吐出安定剤などの添加剤を添加することができる。なかでも界面活性剤は、表面エネルギーが低い記録媒体に画像形成する際に、印字部の乾燥性を向上させる成分として重要である。これらの添加剤の含有量は、液体組成物全体を基準として、それぞれ15質量%以下とすることが好ましい。
<加熱工程>
加熱工程では、記録媒体を樹脂微粒子の最低造膜温度以上の温度で加熱する。記録媒体を加熱することで、付与されたインクに含まれていた樹脂微粒子を溶融させて皮膜化させるとともに、水分や水溶性高沸点揮発性溶媒を記録媒体の表面から除去し、印字部を乾燥させることができる。記録媒体を加熱する方法としては、熱風乾燥方法、ヒータの輻射熱を利用する方法などを挙げることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。
<インク及び液体組成物の調製>
(インク)
表1に示す処方に従ってインクと液体組成物を調製した。なお、非希釈の液体組成物を用いて、ダブルビーム分光光度計(商品名「U−2900」、日立ハイテクノロジーズ製)によって吸光度を測定した。その結果、400nm乃至780nmの波長域における最大吸光度Amaxと最小吸光度Aminの比Amax/Aminは、1.0以上2.0以下であった。
Figure 2014034113
<インクジェット記録装置>
インクジェット方式でカラーインクと液体組成物を吐出するインクジェット記録装置として、そのプラテン部分を20〜120℃に加熱できるよう改造した大判プリンター(商品名「iPF5000」、キヤノン社製)を使用した。
<記録媒体>
以下に示す3種類の記録媒体を用意した。なお、(i)及び(ii)については、上述の方法で非膨潤性か膨潤性かの確認を行った。また、(iii)についても、上述の方法でインク受容層を有することを確認した。
(i)インク受容層を有さない非膨潤性記録媒体:PETフィルム(商品名「メリネックス339」、帝人デュポンフィルム製)
(ii)インク受容層を有さない膨潤性記録媒体:粘着塩化ビニルシート(商品名「光沢塩ビグレー糊」、桜井製)
(iii)インク受容層を有する記録媒体:コーティング層(インク受容層)を有する粘着塩化ビニルシート(商品名「塩ビフィルム2」、桜井製)
<記録(印字)方法>
スキャン間隔を5秒とし、8回の走査でインクを付与する往方向のみの8パス印字(画像形成)を行った。なお、プラテンは予め90℃に加熱しておき、印字終了まで加熱した。また、液体組成物は、各スキャンにおけるインク吐出後、同じスキャン内にドットオンドットで上乗せした。なお、インクジェットヘッドから吐出する液滴は、1滴=5pLとした。また、画像は面積=2.0cm×2.0cmとし、打ち込み量=100%のパッチとした。前述のインク及び液体組成物を使用し、3種類の記録媒体に対してそれぞれ印字(画像形成)した。具体的には、インクにより記録媒体に印字した後、液体組成物を付与して画像を形成した。水溶性高沸点揮発性溶媒の付与量を表2にまとめた。
Figure 2014034113
<乾燥性の評価>
平板の上に置いた印字直後の印字物の画像の隣に、面積4cm2のシルボン紙を敷いた。このシルボン紙の上に200gの重石を載置した。シルボン紙を持って印字部分の方向へ重石ごとスライドさせて印字部分を擦り、以下に示す基準に従って乾燥性を評価した。評価結果を表3に示す。
○:シルボン紙にインクが転写していない
×:シルボン紙にインクが転写した
<耐擦過性の評価>
学振式試験機を使用し、300gの重石で印字直後に画像を50往復擦った。削れなかったインク層の面積を画像全体の面積に対する百分率で算出し、以下に示す基準に従って画像の耐擦過性を評価した。評価結果を表3に示す。
○:90%以上
×:90%未満
Figure 2014034113

Claims (1)

  1. 顔料、樹脂微粒子、及び第1の水溶性高沸点揮発性溶媒を含有するインクを記録媒体に付与する工程と、第2の水溶性高沸点揮発性溶媒を含有する液体組成物を前記インクが付与された領域の少なくとも一部と重なるように前記記録媒体に付与する工程と、前記記録媒体を前記樹脂微粒子の最低造膜温度以上の温度に加熱する工程とをこの順で有する画像記録方法において、
    前記液体組成物の400nm乃至780nmの波長域における最大吸光度Amaxと最小吸光度Aminの比Amax/Aminが1.0以上2.0以下であり、
    用いる前記記録媒体の種類に応じて、前記液体組成物を下記の条件で付与することを特徴とする画像記録方法。
    (条件)
    前記第1の水溶性高沸点揮発性溶媒の前記記録媒体への付与量をA、前記第2の水溶性高沸点揮発性溶媒の前記記録媒体への付与量をB、及び前記樹脂微粒子の前記記録媒体への付与量をCとしたときに、(A+B)/Cの値が、(インク受容層を有さない非膨潤性記録媒体)<(インク受容層を有さない膨潤性記録媒体)<(インク受容層を有する記録媒体)を満足する。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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