JP2014033824A - 電気自動車向け消火システム - Google Patents

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Abstract

【課題】蓄電装置に複数配置した単電池の異常に起因した電気火災を自動検出して消火抑制する電気自動車向け消火システムを提供する。
【解決手段】複数の単電池26を配列して収納した蓄電装置10の収納容器蓋12の外側に、発煙消火装置16を設ける。発煙消火装置16は、収納容器内にノズル28を突出し、また収納容器内に火災検知部として機能する熱感知ケーブル32を引き込んで布設し、熱感知ケーブル32が火災による熱を受けて絶縁被覆の溶融により一対の信号線の短絡を検知した場合又は外部から点火制御信号を入力した場合に、点火回路部によりヒータを通電加熱し、固形消火剤に点火して燃焼させ、消火用エアロゾルを収納容器内に噴出して消火する。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数の単電池を配列して収納した収納容器の外側に発煙消火装置を設け、単電池の異常に伴う火災を検知して消火する電気自動車向け消火システムに関する。
近年、ガソリンや軽油を燃料としたエンジンを動力源とする自動車以外に、エンジンとモータを搭載したハイブリッド自動車が急増している。この背景には原油価格の上昇により、低燃費車の需要が増加したことや、環境負荷低減の意識向上によりCO2排出量の少ないハイブリッド自動車の需要が増加したことにある。さらに、このようなハイブリッド車に加え、電気モータのみを動力源とし、走行時のCO2排出量がゼロである電気自動車も徐々に普及がはじまっている。
ハイブリッド自動車や電気自動車(以下、総称して「電気自動車」と呼ぶ)の車体には、複数の単電池を配列して直列且つ並列接続した高電圧且つ大容量の蓄電装置が搭載されている。蓄電装置はセルと呼ばれる単電池を複数接続した組電池で構成されている。また蓄電装置に搭載する単電池は、従来のニッケル・水素の単電池から一般家庭でも充電が可能なリチウムイオンの単電池へ移行しており、今後も単電池の高性能化が期待されている。このような高性能な大容量の蓄電装置の特性を利用して、電気料金が安価となる夜間に電気自動車を充電し、日中は電気自動車の動力源や生活用電源として使用するほか、災害等による停電時は、電気自動車の蓄電装置を生活用電源の代替として使用する事例も出ている。
特開2012−129009号公報 特開2011−254906号公報 特開2009−142419号公報 特開2009−142420号公報
このような電気自動車は、従来のエンジン自動車に見られない車両火災が想定される。エンジン自動車は燃料タンクにガソリンや軽油を搭載しており、万が一、車両火災が発生した場合は、油火災として取扱い、油火災に対応した消火設備によって消火活動をおこなっている。具体的には、泡水溶液消火設備や水噴霧設備といった水系消火設備が主流であり、この他に消火器などの粉末消火設備やガス消火設備が車両火災に対応する消火設備として使用されている。しかし、現在普及が始まっている電気自動車は、単電池を複数接続した組電池で構成された高電圧の大容量蓄電装置を搭載しており、蓄電装置に設けた単電池において、内部ショートや過充電等の種々の原因で熱暴走し、電池温度が著しく上昇して、数百度まで達する。そして電池温度が上昇すると、電池内部の圧力が上昇し、その結果、単電池の破裂や発火が起き、蓄電装置を火元とした車両火災となり、エンジン自動車とは異なる電気火災が発生する恐れがある。
一方、建築物等に併設された駐車場は、泡水溶液消火設備や水噴霧設備といった水系消火設備が主流であり、電気自動車から生じる電気火災の消火には対応しておらず、それにもかかわらず電気自動車の入庫を制限する駐車場はほとんど見当たらない。また、一般住宅で電気自動車の充電や生活用電源代替設備として使用する際も、電気火災に対応した設備は住宅設備として持ち合わせていない。電気火災が発生した際に、従来の水系消火設備による消火活動は、火災消火或いは抑制するどころか、感電事故等の二次災害を誘発する危険性が高い。
特許文献1は、ラミネートフィルムでパッキングされたリチウムイオン電池パックを収納する電池ケースにおいて、リチウムイオン電池パックを加圧するために、液体の消火剤を封入した加圧バッグが電池ケース内に備えられていることが開示されている。リチウムイオン電池に異常加熱があった場合は、リチウムイオン電池パックが膨張して加圧バッグを破裂させ、加圧バッグ内の液体消火剤が電池ケース内にばらまかれることによって、発火を抑制するものである。この場合、電池パックの発火を抑制することはできるが、引き続き電池パックの異常加熱が継続して発火した場合は、電池ケース内にばらまかれた消火剤は既に蒸発していると考えられ、消火を行うことができず、大きな車両火災へ発展してしまう可能性が高い。
本発明は、蓄電装置に複数配置した単電池の異常に起因した電気火災を自動検出して消火抑制する電気自動車向け消火システムを提供することを目的とする。
(電気自動車向け消火システム)
本発明は、電気自動車向け消火システムに於いて、
複数の単電池を収納容器内に配列して収納した蓄電装置と、
収納容器外側に配置され、単電池の異常に伴う火災を検知した場合に、消火用エアロゾルを収納容器内に噴出して消火する発煙消火装置と、
を設けたことを特徴とする。
(収納容器本体又は収納容器蓋の外側に配置)
収納容器は、一方に開口した箱形の収納容器本体と、収納容器本体の開口に装着して閉鎖する収納容器蓋とを備え、発煙消火装置を、収納容器本体又は収納容器蓋の外側に配置する。
(発煙消火器装置)
発煙消火装置は、
収納容器内に消火用エアロゾルを噴出するノズルを備えた筐体と、
筐体に収納され、燃焼により消火用エアロゾルを発生する固形消火剤と、
収納容器内に配置し、単電池の異常に伴う火災を検知する火災検知部と、
火災検知部により収納容器内の火災を検出した場合又は外部から点火制御信号を入力した場合に、ヒータの通電加熱により前記固形消火剤に点火して燃焼させる点火回路部と、
筐体に設けられ、点火回路部との間を信号線で接続したコネクタと、
コネクタに着脱自在に設けられ、火災検知部からの信号線及び収納容器外部に引き出している信号線をコネクタに接続するプラグと、
点火回路部に電源を供給する電池電源と、
を備えを備える。
(熱感知ケーブル)
火災検知部は、筐体から収納容器内に引き込んで布設し、火災による熱を受けた場合の絶縁被覆の溶融により一対の信号線を短絡状態に接触させる熱感知ケーブルであり、
点火回路部は、熱感知ケーブルの短絡を検出した場合に、ヒータの通電加熱により固形消火剤に点火して燃焼させる。
(熱感知ケーブルの布設)
熱感知ケーブルを収納容器内に収納して配列している全ての単電池の近傍を横切るように布設する。
(消火起動信号の外部出力)
発煙消火装置の点火回路部は、ヒータの通電加熱により固形消火剤に点火して燃焼させた場合に、消火起動信号をコネクタ及びプラグを介して外部に出力する。
(発煙消火装置の筐体構造)
発煙消火装置の筐体は、
ノズルを収納容器装着面側に突出して設けた筐体本体と、
筐体本体の内部に支持部材を介して浮いた状態に配置し、固形消火剤を収納した消火剤収納ケースと、
消火剤収納ケースから噴出した消火用エアロゾルをノズルに導く煙道を形成する煙道構造と、
煙道に配置した火炎噴出防止部材と、
を備える。
(基本的な効果)
本発明の電気自動車向け消火システムは、複数の単電池を配列して収納した蓄電装置の収納容器外側に発煙消火装置を配置し、単電池の異常に伴う火災を検知した場合に、発煙消火装置から消火用エアロゾルを収納容器内に噴出して消火するようにしたため、蓄電装置に設けた単電池が、内部ショートや過充電、電気自動車の衝突事故などに伴う損壊等の種々の原因で熱暴走し、電池温度が著しく上昇し、その結果、単電池の破裂や発火が起きた場合に、単電池の異常に伴う電気火災を検知して発煙消火装置から消火用エアロゾルを収納容器内に噴出し、電気火災を蓄電装置の収納容器内で消火抑制し、蓄電装置を火元として大きな自動車火災に拡大してしまうことを未然に防止することを可能とする。
また、発煙消火装置が蓄電装置の収納容器内に噴出する消火用エアロゾルは、固形消火剤を点火・燃焼させることによって発生し、消火用エアロゾルは2μm程度の微粒子であり、その主成分は金属の酸化物、炭酸塩或いは燐酸塩或いはその混合物を含有する。具体的には、塩化カリウム、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウムなどを主成分とし、これに窒素、二酸化炭素、水蒸気などが含まれ、水系消火剤を使用できない電気火災に好適な消火抑制ができる。
また、蓄電装置の収納容器内は、外気から遮断された密閉空間であり、発煙消火装置から噴出した消火用エアロゾルは確実に収納容器内に滞留してほとんど外部に漏れ出すことはなく、単電池の異常で起きた収納容器内の電気火災を、確実に消火抑制することができる。
(収納容器本体又は収納容器蓋の外側に配置する効果)
また蓄電装置の収納容器は、一方に開口した箱形の収納容器本体と、収納容器本体の開口に装着して閉鎖する収納容器蓋とを備え、発煙消火装置を、収納容器本体又は収納容器蓋の外側に配置するようにしたため、蓄電装置を電気自動車に搭載する場合や、複数の蓄電装置を並べたり重ねたりして電気自動車に搭載する場合、蓄電装置の搭載や並べ方に対し、これを妨げない適切な収納容器本体又は収納容器蓋の外側に配置することを可能とする。
(発煙消火器装置による効果)
また、発煙消火装置は、筐体、固形消火剤と、熱感知ケーブル、点火回路部、コネクタ、プラグ、電池電源を備えるようにしたため、蓄電装置の収納容器に対し、発煙消火装置は完全に独立した装置として外付けすることを可能とし、蓄電装置側の変更は、収納容器外側の発煙消火装置の取り付け位置に、ノズルを収納容器内に入れる穴、及び熱監視ケーブル用のコネクタを収納容器内に入れる穴を加工するだけで済み、蓄電装置の収納容器に発煙消火装置を、簡単且つ容易に外付けして、単電池の異常に伴う電気火災の消火抑制を可能とする。
また収納容器内の単電池の異常に伴う電気火災の検知は、例えば熱感知ケーブルが単電池の破裂や発火に伴う熱を受けた場合の絶縁被覆の溶融により一対の信号線を短絡状態に接触させることで検知しており、温度センサなどを使用した場合に必要な火災を検知する閾値温度の設定や、閾値と検出温度の比較判断を不要とし、簡単且つ確実に、単電池の異常に伴う電気火災を検知して消火用エアロゾルを収納容器内に噴出し、消火抑制できる。
(熱感知ケーブルの布設による効果)
また、蓄電装置の収納容器内には、複数の単電池を配列して直列且つ並列接続した組電池を収納しており、熱感知ケーブルを収納容器内に収納して配列している全ての単電池の近傍を横切るように布設するため、熱感知ケーブルの布設という簡単な構成により、全ての単電池の各々に対し、個別的に異常に伴う発火や破裂による火災を確実に検出して、消火用エアロゾルの収納容器内噴出による消火抑制ができる。
(消火起動信号の外部出力)
また、発煙消火装置の点火回路部は、ヒータの通電加熱により固形消火剤に点火して燃焼させた場合に、消火起動信号をコネクタ及びプラグを介して外部に出力するため、例えば消火起動信号に基づき運転席のパネルに消火起動を表示して報知することを可能とする。
(発煙消火装置の筐体構造による効果)
発煙消火装置の筐体は、筐体本体、消火剤収納ケース、煙道構造、火炎噴出防止部材により構成しており、水系の消火装置に比べると、例えばブックサイズ程度のコンパクトで且つ軽量な消火装置とすることができ、蓄電装置の収納容器に外付けしても、蓄電装置の電気自動車への搭載スペースに大きく影響することはない。
また消火に必要な消火用エアロゾルを得るための固形消火剤の重量は、例えば1立方メートル当たり80グラム〜200グラム程度となることが知られており、蓄電装置における収納容器の内容積は、トラックやバスなどの大型電気自動車であっても、0.25立方メートル程度であり、これに必要な固形消火剤は20グラム〜50グラム程度であり、実際には、収納容器内に複数の単電池を配列して収納することから、実質的な収納容器内の空き容積はそれよりも更に小さく、必要な固形消火剤が少なくて済むため、発煙消火装置はブックサイズよりも更に小さいサイズとすることが可能である。
また、必要とする固形消火剤の量が少なくてすむため、固形消火剤を燃焼して消火用エアロゾルを発生しても、固形消火剤の燃焼による炎や発熱を少なくすることができ、単電池による電気火災を逆に煽ってしまうような不具合は起きない。
本発明による電気自動車向け消火システムの実施形態を示した説明図 図1の内部構造を示した断面図 図1の収納容器蓋を外して収納容器本体の内部を示した平面図 図1の収納容器蓋の内側を示した説明図 発煙消火装置の内部断面構造を示した説明図 図5の蓋を外して筐体内部を示した説明図 図5の筐体の収納容器装着面側を示した説明図 図5の筐体内部に配置した点火回路部の実施形態を示した回路図 発煙消火装置を起動して消火用エアロゾルを発生する状態を示した説明図 発煙消火装置を設けた蓄電装置を含む電気自動車システムを示したブロック図
[電気自動車向け消火システムの構成]
図1は本発明による電気自動車向け消火システムにおける発煙消火装置を外付けした蓄電装置を示した斜視図、図2は蓄電装置の内部構造を示した断面図、図3は収納容器本体内を示した平面図、図4は収納容器蓋の内側を示した説明図である。
(蓄電装置の概要)
図1、図2、図3及び図4に示すように、蓄電装置10は、上部に開口した箱型の収納容器本体11と、収納容器本体11の開口に装着してボルト13で固定した収納容器蓋12を備え、収納容器本体11と収納容器蓋12で蓄電装置10の収納容器を構成する。なお、蓄電装置10は、電池モジュール或いは電池パックとも呼ばれる。
収納容器本体11の長手方向の一端に位置する手前側の側壁には、蓄電装置10の正極出力端子14aと負極出力端子14bを取付けている。
収納容器本体11の内部には、2組の組電池25を収納している。組電池25の各々には、複数の単電池26を配列している。単電池26は、電池セルとして知られたリチウムイオン電池等の非水電解質二次電池であり、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金で形成された扁平な矩形箱状の外装容器に、非水電解液と共に電極体を備えている。単電池26の電極体は、例えば、正極板及び負極板をその間にセパレータを介在させて渦巻き状に捲回し、さらに、径方向に圧縮することにより、扁平な矩形状に形成している。単電池セル26の外装容器の上端には、正極端子26a及び負極端子26bを設けている。
2組の組電池25の各々には例えば30個の単電池26を配列して直列接続しており、更に2組の組電池25を直列接続している。ここで、リチウムイオン電池の平均セル電圧を例えば3.6ボルトとすると、各組電池25の電圧は108ボルトとなり、2組の組電池25を直列接続することで、蓄電装置10の正極出力端子14aと負極出力端子14bの電圧は216ボルトとなる。
(発煙消火装置の概要)
図1、図2及び図4に示すように、蓄電装置10における収納容器蓋12の外側には、発煙消火装置16を取付けている。発煙消火装置16は、収納容器内に収納した単電池26の異常に伴う火災を検知した場合に、固形消火剤の燃焼により発生した消火用エアロゾルを収納容器内に噴出して消火する。なお、本実施形態では、発煙消火装置16を収納容器蓋12の外側に取付けているが、収納容器本体11の側面の外側に取り付けるようにしても良い。
発煙消火装置16は、収納容器蓋12に対する装着面にノズル28とコネクタ30を設けており、収納容器蓋12に取付けた状態で、ノズル28の先端のノズル開口を収納容器蓋12の内側の内部空間に位置し、消火用エアロゾルを収納容器内に噴出可能としている。また、発煙消火装置16のコネクタ30も収納容器蓋12に取付けた状態で、ノズル28を収納容器蓋12の内側の内部空間に位置し、コネクタ30に対しプラグ52の装着することで、火災検知部として機能する熱感知ケーブル32と、信号線33、34を発煙消火装置16に接続している。
熱感知ケーブル32は、ビニールなどの樹脂で絶縁被覆した2本の撚られた信号線であり、発煙消火装置16から収納容器内に引き込まれて布設され、2本の信号線の間に発煙消火装置16から電圧を印加しており、火災による熱を受けた場合の絶縁被覆の溶融により一対の信号線が短絡状態に接触し、感知電流が流れることで火災を検知する。
コネクタ30及びプラグ52により収納容器内に引き出された熱感知ケーブル32は、図4に示すように、収納容器蓋12の内側に沿って布設し、熱感知ケーブル32は、その下に位置する図3に示す収納容器本体11に配列している複数の単電池26の直上を通過するように布設し、単電池26の各々の異常に伴う火災による熱を検知可能としている。
また、コネクタ30及びプラグ52を介して引き出した信号線33、34は、収納容器本体11の長手方向の一端の側面に設けたコネクタ24に接続している。信号線33は外部から点火制御信号を入力し、発煙消火装置16を遠隔的に動作させる。また、信号線34は、発煙消火装置16で固形消火剤に点火して燃焼させた場合に消火起動信号を出力する。このためコネクタ24に車両用制御装置側からの信号ケーブルをプラグ接続しておくことで、車両制御装置側からの点火制御信号による発煙消火装置16を動作を可能とし、また、運転表示パネルなどに発煙消火装置16の起動を表示することを可能とする。
[発煙消火装置の構成]
(発煙消火装置の構造)
図5は発煙消火装置の内部断面構造を示した説明図、図6は図5の蓋を外して筐体内部を示した説明図、図7は図5の筐体の収納容器装着面側を示した説明図である。
図5、図6及び図7に示すように、本実施形態の発煙消火装置16は、一端に開口した箱形の筐体本体18と蓋部材20で構成し、筐体本体18の開口にシールパッキン(図示せず)を介して蓋部材20を装着し、ビス35により固定している。筐体18の収納容器装着面となる図示の底面には、ノズル28を溶接などにより取り付け、ノズル28の先端を外部に突出している。また筐体本体18の収納容器装着面となる図示の底面にはコネクタ30を外側に露出して取付けている。更に、筐体本体18の取付側となる底部4隅にはビスにより収納容器に固定するための取付リブ58を設けている。
発煙消火装置16の内部には消火剤収納ケース36を組み込んでいる。消火剤収納ケース36は、ノズル28を設けた方向を前方とすると、後方に開口した箱型のケース部材であり、前部を蓋部材20に固定した支持片50に溶接などで固着し、蓋部材20の筐体本体18に対する組付けで、筐体本体18及び蓋部材20の内部に浮いた状態となるように消火剤収納ケース36を位置決め支持している。
また消火剤収納ケース36の後部については、下方向に屈曲した支持片46、上方向に屈曲して蓋部材20に溶接などで固着した支持片48、及び側面を後方に延在した一対の延在片56を形成し、蓋部材20の筐体本体18に対する組付けで、同様に、筐体本体18内に浮いた状態となるように消火剤収納ケース36を位置決め支持している。
この消火剤収納ケース36の支持構造は、筐体本体18及び蓋部材20に対する接触を最小限に抑え、固形消火剤38の燃焼による熱が外側の筐体本体18及び蓋部材20に伝わり難い空気層を介在した断熱構造としている。
ここで、筐体本体18、蓋部材20、消火剤収納ケース36、支持片46,48,50は、固形消火剤38の燃焼により消火用エアロゾルを発生することから、固形消火剤38の燃焼による熱に耐える構造とするため金属材料で作られている。
消火剤収納ケース26の内部に固形消火剤38を収納し、固形消火剤38に対してはヒータ40を取り付けている。
また筐体本体18の内部には電池電源(一次電池)を内蔵した点火回路部42を設けている。点火回路部42に対しては、コネクタ30側より、プラグ52を介して熱感知ケーブル32、点火制御信号を入力する信号線33、及び消火起動信号を出力する信号線34を接続するための信号線を接続し、またヒータ40に対する信号線も接続している。
点火回路部42は、単電池の異常に伴う火災を熱感知ケーブル32の短絡により検知した場合に、ヒータ40に通電して加熱することにより固形消火剤38に点火して燃焼させる。また、信号線33を介して外部から点火制御信号を入力した場合にも、ヒータ40に通電して加熱することにより固形消火剤38に点火して燃焼させる。
本実施形態で使用する固形消火剤38は、燃焼により消火用エアロゾルを発生する。消火用エアロゾルは2μm程度の超微粒子であり、その主成分は金属の酸化物、炭酸塩あるいは燐酸塩あるいはその混合物を含有している。
具体的には、塩化カリウム、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウムなどを主成分とし、これに窒素、二酸化炭素、水蒸気などが含まれている。このような主成分を持つ消火用エアロゾルにあっては、消火用エアロゾルそのものに毒性がなく、環境に優しい発生ガスということができる。
固形消火剤38の燃焼により発生した消火用エアロゾルによる消火作用は、蓄電装置の収納容器内を消火用エアロゾルで満たすことで、火災の発生により燃焼している燃焼の活性中心を消滅、抑制する作用により消火を行うものであり、水系消火剤を使用することのできない電気火災に好適な消火作用が得られる。
また固形消火剤38の量は蓄電装置の収納容器内の容積に応じて決まる。閉鎖空間となる消火対象エリア1立方メートル当たりを消火するに必要な消火用エアロゾルを発生するための固形消火剤38の重量は、80グラム〜200グラム程度であり、これに基づき、消火対象とする蓄電装置の収納容器内の容積に応じた量の固形消火剤38を消火剤収納ケース36に収納している。
本実施形態の発煙消火装置16が消火対象とする自動車向け蓄電装置の収納容器内容積は、例えば0.1立方メートル〜0.25立方メートル程度であり、これに複数の単電池で構成した組電池を収納することから、実際の空きスペースの容積は更に小さなものとなる。例えば蓄電装置の収納容器内容積を0.1立方メートルとした場合に必要な固形消火剤の重量は8グラム〜20グラムとなり、また0.25立方メートルとした場合に必要な固形消火剤の重量は20グラム〜50グラムとなる。
発煙消火装置16の大きさは、必要とする固形消火剤38の重量で決まり、最大でも50グラム以下で済むことから、この程度の重量の固形消火剤38を収納する筐体本体18は例えば単電池の外容器サイズで緯度まで小型化が可能となる。
固形消火剤38を収納した発煙消火装置16の内部には、消火剤収納ケース36の背後からその周囲を通って前方のノズル28へ至る煙道45を形成している。このように背後から前方に回りこむ煙道45の形成は、固形消火剤38とノズル28との距離を離し、且つ炎の出る向きと噴出口が直線方向とならないよう煙道45を屈曲させた構成としたことで、固形消火剤38の燃焼による炎がノズル28から蓄電装置の収納容器内に吹き出さないようにしている。
また固形消火剤38による炎の噴出を更に効果的に防止するためには、必要に応じて煙道45の途中に、金網などのエアロゾルだけを通過するような火炎噴出防止部材54を配置することが望ましい。本実施形態では、消火剤収納ケース36の後部開口44から延在した延在片56の内側に火炎噴出防止部材54を配置している。
火炎噴出防止部材54の具体例としては、ガラスや磁器などの細径パイプを複数並べて炎の噴出しを抑制する構造、複数の金網を分離配置して炎の噴出しを抑制する構造、ガラスや磁器などのボールを複数配置して炎の噴出しを抑制する構造、更には複数の金網の間にガラスや磁器などのボールを複数配置して炎の噴出しを抑制する構造などがある。
(点火回路部の構成)
図8は、図5の筐体内部に配置した点火回路部の実施形態を示した回路図である。図8に示すように、点火回路部42は、プラグ52及びコネクタ30を介して蓄電装置の収納容器内に布線した熱感知ケーブル32、点火制御信号を入力する信号線33、及び消火起動信号を出力する信号線34を接続している。なお、点火制御信号を入力する信号線33は通常監視状態で開放状態にあり、点火制御信号を入力する場合は、短絡状態となる。
点火回路部32には、トランジスタ68、リレー70、抵抗62,64,66を備えたヒータ駆動回路及び電池電源60が設けられる。電池電源60は釦電池などの一次電池であり、外部からの電源供給を不要としている。
トランジスタ68は抵抗62,64の分圧電圧を、抵抗66を介してベースに印加しており、熱感知ケーブル32には抵抗62,64を介して電池電源60からの電源電圧を常時、印加している。ここで、通常監視状態でトランジスタ68はオフであり、また熱感知ケーブル32の一方の信号線には電源電圧のみが印加されるだけで電流は流れておらず、点火回路部42の消費電量は漏れ電流などに起因した極く僅かな消費電流だけであり、電池電源60として一次電池を使用しても、必要にして十分な電池寿命を確保可能である。
トランジスタ68はPNPトランジスタであり、コレクタ側に負荷としてリレー70を接続しており、通常監視状態にあっては、熱感知ケーブル32は2本の信号線のビニールなどによる絶縁被覆で開放状態にあることから、電池電源60から電流は流れず、トランジスタ68はエミッタ,ベース間の電圧が0ボルトであることからオフ状態となっている。
リレー70は、その常開リレー接点74を介してヒータ40を接続している。また、リレー72の常開リレー接点72をトランジスタ68のエミッタ,コレクタ間に接続し、ラッチ回路を形成している。更に、コネクタ30の端子に消火起動信号を出力するためのリレー接点76を接続している。
蓄電装置に収納した単電池の異常発熱に伴う火災の熱を受けて熱感知ケーブル32の絶縁被覆であるビニールが溶け、2本の信号線が接触状態になると、抵抗62、64を介して熱感知ケーブル32に電流が流れる。このため、抵抗62に生ずる電圧によりトランジスタ68のエミッタ、ベース間にバイアス電圧が加わり、これによってトランジスタ68がオンしてリレー70を作動する。
リレー70が作動すると常開リレー接点74が閉じ、ヒータ40に通電し、ヒータ40の通電による加熱で固形消火剤38に点火し、固形消火剤38の燃焼により消火用エアロゾルを発生して、ノズル28から収納容器内に消火用エアロゾルを噴出させる。
またリレー70の作動によりリレー接点72が閉じることで、リレー70を作動状態にラッチし、これによって、熱感知ケーブル32の短絡状態の変動による誤動作を防ぐようにしている。
更に、リレー接点76が閉じることで、信号線34を介して外部に対し消火動作が行われたことを示す消火起動信号を出力する。本実施形態の発煙消火装置16からの消火起動信号は、車両制御装置へ送られ、運転表示パネルに電池火災に対する消火装置の起動を表示して知らせる。
一方、運転者の操作や衝突事故検知などに基づき、例えば車両制御装置側から点火制御信号が入力されると、信号線33は短絡状態となり、熱感知ケーブル32により火災検知した場合と同様に、抵抗62、64を介して信号線33に電流が流れてトランジスタ68がオンし、リレー70の作動で常開リレー接点74が閉じてヒータ40に通電し、加熱で固形消火剤38に点火し、固形消火剤38の燃焼により消火用エアロゾルを発生して、ノズル28から収納容器内に消火用エアロゾルを噴出させる。
(発煙消火装置の動作)
図9は発煙消火装置の動作を示した説明図である。図9において、発煙消火装置16は、収納容器蓋12の外側に、シールパッキン75を介して取付固定している。発煙消火装置16に収納した点火回路部42が蓄電装置の収納容器内に布設した熱感知ケーブル32の火災による短絡状態を検出した場合、又は外部から点火制御信号が入力した場合、ヒータ40に通電加熱して固形消火剤38に点火し、固形消火剤38が燃焼して消火用エアロゾルを発生する。
固形消火剤38の燃焼により発生した消火用エアロゾルは、消火剤収納ケース36の後方開口から火炎噴出防止部材54を介して噴き出した後、周囲の空洞である煙道45を通って前方に移動し、ノズル28から蓄電装置の収納容器内となる収納容器蓋11の内側の空間に消火用エアロゾル78を噴出し、収納容器内を消火用エアロゾル78で満たし、単電池の異常による電気火災を消火抑制する。
この場合、固形消火剤38による燃焼の炎は後方に噴き出し、また、火炎噴出防止部材54が炎の吹き出しを抑制し、炎が前方に折り返している煙道45を迂回して蓄電装置の収納容器内に噴き出すようなことはない。また固形消火剤38の燃焼により消火剤収納ケース36が加熱されるが、筐体本体18に対する接触は支持片46,48,50によりほぼ浮動状態に支持して接触部分が少ない断熱構造としているため、熱伝導による外側の筐体本体18及び蓋部材20の温度上昇を抑制し、発煙消火装置16の過熱が火災の要因となることを防止している。
(電気自動車システムの概要)
図10は、発煙消火装置を収納容器に外付けした蓄電装置を含む電気自動車システムを示したブロックであり、ハイブリッド自動車を例にとっている。図10において、電気自動車システムは、モータジェネレータ80,インバータ装置82、車両制御装置90、および蓄電装置10を備える。
モータジェネレータ80は、例えば三相交流機である。モータジェネレータ80は、車両の力行時(駆動走行時)及び内燃機関であるエンジンを始動する時など、回転動力が必要な運転モードでは、モータ駆動し、発生した回転動力を車輪及びエンジンなどの被駆動体に供給する。この場合、モータジェネレータ80に、蓄電装置10からインバータ装置82を介して、直流電力を三相交流電力に変換して供給する。
また、モータジェネレータ80は、車両の減速、制動などの回生、及び蓄電装置16の充電が必要な場合などの、発電が必要な運転モードでは、車輪或いはエンジンからの駆動力によって駆動し、ジェネレータとして三相交流電力を発生させる。この場合、モータジェネレータ80からの三相交流電力を、インバータ装置82を介して直流電力に変換し、蓄電装置10に供給し、電力を蓄積する。
蓄電装置10は、例えば二組の組電池25を備え、各組電池25には図2及び図3に示したように、複数の単電池26を電気的に直列に接続し、更に二組の組電池25を直列接続している。
また蓄電装置10には、バッテリー制御部88とセル制御部86を設けている。バッテリー制御部88は、蓄電装置10の状態を管理及び制御すると共に、上位制御装置である車両制御装置90やインバータ装置82の制御部に蓄電装置10の状態や許容充放電電力などの充放電制御指令を通知する。バッテリー制御部88による蓄電装置10の状態の管理及び制御には、バッテリー電圧及び電流の計測、蓄電状態及び劣化状態などの演算、各組電池25の温度の計測、セル制御部86に対するセル電圧を計測するための指令、セル蓄電量を調整するための指令などの出力などがある。
セル制御部86は、バッテリー制御部88からの指令によって複数の単電池(セル電池)の状態の管理及び制御を行う単電池毎に設けた複数の集積回路によって構成する。複数の単電池の状態の管理及び制御には、各単電池の電圧の計測,各単電池の蓄電量の調整などがある。
断接部84は、リレー機構を備え、電気自動車システムの起動時には蓄電装置10とインバータ装置82との間を導通し、電気自動車システムの停止時及び異常時には蓄電装置10とインバータ装置82との間を遮断する。
ここで、蓄電装置10の断接部84、セル制御部86及びバッテリー制御部88は、図1に示した蓄電装置10とは別に設けた制御装置の収納容器内に配置し、この制御装置を蓄電装置10と共に電気自動車の電池搭載場所に配置している。
蓄電装置10に対しては発煙消火装置16を設け、発煙消火装置16から引き出した熱感知ケーブル32を蓄電装置10に設けた組電池25を収納した収納容器内に布設し、また、点火制御信号を入力する制御線33と消火起動信号を出力する信号線34をバッテリー制御部88に接続し、運転者の操作や衝突検知などに基づき車両制御装置90が出力した点火制御信号をバッテリー制御装置88を経由して入力し、また、バッテリー制御部88を介して消火起動信号を車両制御装置90へ送信し、運転パネルに消火起動を表示可能としている。
[本発明の変形例]
上記の実施形態にあっては、発煙消火装置に一次電池を用いた電池電源を内蔵して点火回路部を動作しているが、蓄電装置の収納容器内に収納している単電池(二次電池)から電源を供給するようにしても良い。
また、上記の実施形態にあっては、扁平な矩形箱状の外装容器の単電池を収納容器内に複数配置しているが、円筒形の外装容器を使用した単電池や、ラミネート型の単電池(フィルム外装電池)を収納容器内に複数配置した蓄電装置についても、その収納容器外側に発煙消火装置を取付けることで、同様に適用できる。
また、点火回路部は、上記の実施形態に限定されず、火災による熱感知ケーブルの短絡を検知して固定消火剤に点火する回路機能、外部から点火制御信号を入力して固形消火剤に点火する回路機能、及び消火起動信号を外部に出力する回路機能を備えれば、適宜の回路とすることができる。
また、上記の実施形態にあっては、蓄電装置の収納容器に発煙消火装置を1台外付けしているが、必要に応じ、複数台の発煙消火装置を収納容器に外付けしても良い。
また、蓄電装置の収納容器外側に発煙消火装置を外付収納容器する場合、発煙消火装置の部分が収納容器の外側に飛び出して、複数の蓄電装置を横に並べたり重ねたり搭載する場合に邪魔にならないようにするため、収納容器外側に収納凹部を形成し、その中に発煙消火装置を収納容器から飛び出すことのないように取付けるようにしても良い。
また、上記の実施形態は、単電池の異常に伴う火災を検知する火災検知部として熱感知ケーブルを設けているが、これ以外に、熱電対、サーミスタ等の温度センサ、レーザパルス光を入射した場合の後方散乱光の強度から温度を測定する光ファイバーセンサなどの適宜の火災検知部を設けても良い。
また、本実施形態の蓄電装置に組み込む単電池にあっては、容器内のガス圧異常により作動してガスを排出するガス排出弁を設けている場合があり、これに伴い蓄電装置に単電池の異常に伴い噴出した一酸化炭素ガスなどの有毒ガスを排ガスする排ガス機構、例えば収納容器内圧が所定値以上の場合に開放する逆止弁を備えている場合があるが、発煙消火装置から収納容器内に消火用エアロゾルを噴出しても、収納容器内の内圧は排ガス機構を作動する圧力までは上昇せず、消火用エアロゾルが外部に漏れ出して消火効果が下がることはない。
また、上記の実施形態で発煙消火装置に設けた点火回路部は、外部から点火制御信号によっても固形消火剤に点火して消火用エアロゾルを発生させているが、これは行わず、熱感知ケーブル等の火災検知部による火災検知のみで固形消火剤に点火して消火用エアロゾルを発生させるようにしても良い。
また、上記の実施形態は、ハイブリッド自動車の電気自動車システムを例にとるものであったが、電気モータのみを動力源とする電気自動車の電気自動車システムについても、同様に適用可能である。
また、本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10:蓄電装置
11:収納容器本体
12:収納容器蓋
14a:正極出力端子
14b:負極出力端子
16:発煙消火装置
18:筐体本体
20:蓋部材
24,30:コネクタ
25:組電池
26:単電池
28:ノズル
32:熱感知ケーブル
34:信号線
36:消火剤収納ケース
38:固形消火剤
40:ヒータ
42:点火回路部
44:後部開口
45:煙道
46,48:支持片
50:支持部材
52:プラグ
54:火炎防止部材
56:延在部
60:電池電源
68:トランジスタ
70:リレー
また、発煙消火装置が蓄電装置の収納容器内に噴出する消火用エアロゾルは、固形消火剤を点火・燃焼させることによって発生し、消火用エアロゾルは2μm程度の微粒子であり、その主成分は例えば金属の酸化物、炭酸塩或いは燐酸塩或いはその混合物を含有する。一例としては、塩化カリウム、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウムなどを主成分とし、これに窒素、二酸化炭素、水蒸気などが含まれ、水系消火剤を使用できない電気火災に好適な消火抑制ができる。

本実施形態で使用する固形消火剤38は、燃焼により消火用エアロゾルを発生する。消火用エアロゾルは2μm程度の超微粒子であり、その主成分は、例えば金属の酸化物、炭酸塩あるいは燐酸塩あるいはその混合物などを含有している。

具体的な一例としては、塩化カリウム、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウムなどを主成分とし、これに窒素、二酸化炭素、水蒸気などが含まれている。このような主成分を持つ消火用エアロゾルにあっては、消火用エアロゾルそのものに毒性がなく、環境に優しい発生ガスということができる。なお、固形消火剤138の成分は、上記に限定されず、リチウムイオン電池火災の消火抑制に有効な適宜の成分を含有した固形消火剤とすることができる。

Claims (7)

  1. 複数の単電池を収納容器内に配列して収納した蓄電装置と、
    前記収納容器の外側に配置され、前記単電池の異常に伴う火災を検知した場合に、消火用エアロゾルを前記収納容器内に噴出して消火する発煙消火装置と、
    を設けたことを特徴とする電気自動車向け消火システム。
  2. 請求項1記載の電気自動車向け消火システムに於いて、前記収納容器は、一方に開口した箱形の収納容器本体と、前記収納容器本体の開口に装着して閉鎖する収納容器蓋とを備え、前記発煙消火装置を、前記収納容器本体又は収納容器蓋の外側に配置したことを特徴とする電気自動車向け消火システム。
  3. 請求項1記載の電気自動車向け消火システムに於いて、前記発煙消火装置は、
    前記収納容器内に消火用エアロゾルを噴出するノズルを備えた筐体と、
    前記筐体に収納され、燃焼により前記消火用エアロゾルを発生する固形消火剤と、
    前記収納容器内に配置し、前記単電池の異常に伴う火災を検知する火災検知部と、
    前記火災検知部により前記収納容器内の火災を検出した場合又は外部から点火制御信号を入力した場合に、ヒータの通電加熱により前記固形消火剤に点火して燃焼させる点火回路部と、
    前記筐体に設けられ、前記点火回路部との間を信号線で接続したコネクタと、
    前記コネクタに着脱自在に設けられ、前記火災検知部からの信号線及び前記収納容器外部に引き出している信号線を前記コネクタに接続するプラグと、
    前記点火回路部に電源を供給する電池電源と、
    を備えを備えたことを特徴とする電気自動車向け消火システム。
  4. 請求項3記載の電気自動車向け消火システムに於いて、
    前記火災検知部は、前記筐体から前記収納容器内に引き込んで布設し、火災による熱を受けた場合の絶縁被覆の溶融により一対の信号線を短絡状態に接触させる熱感知ケーブルであり、
    前記点火回路部は、前記熱感知ケーブルの短絡を検出した場合に、ヒータの通電加熱により前記固形消火剤に点火して燃焼させることを特徴とする電気自動車向け消火システム。
  5. 請求項4記載の電気自動車向け消火システムに於いて、前記熱感知ケーブルを前記収納容器内に収納して配列している全ての単電池の近傍を横切るように布設したことを特徴とする電気自動車向け消火システム。
  6. 請求項3記載の電気自動車向け消火システムに於いて、前記発煙消火装置の点火回路部は、前記ヒータの通電加熱により前記固形消火剤に点火して燃焼させた場合に、消火起動信号を前記コネクタ及びプラグを介して外部に出力することを特徴とすることを特徴とする電気自動車向け消火システム。
  7. 請求項3記載の電気自動車向け消火システムに於いて、
    前記発煙消火装置の筐体は、
    前記ノズルを収納容器装着面側に突出して設けた筐体本体と、
    前記筐体本体の内部に支持部材を介して浮いた状態に配置し、前記固形消火剤を収納した消火剤収納ケースと、
    前記消火剤収納ケースから噴出した前記消火用エアロゾルを前記噴出口に導く煙道を形成する煙道構造と、
    前記煙道に配置した火炎噴出防止部材と、
    を備えたことを特徴とする電気自動車向け消火システム。
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