JP2014031332A - マークが施された圧縮成形体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧縮成形体の表面にレーザー光を走査してマーキングを施す圧縮成形体の製造方法であって、圧縮成形体として必要な一定の強度を有し、且つ崩壊性が良好な圧縮成形体の製造方法を提供すること。
【解決手段】
粉体を圧縮成形して圧縮成形体を製造する方法において、圧縮成形前に圧縮用金型の表面に光呈色物質と医薬用添加剤を含有する粉末を噴射する工程と得られた圧縮成形体の表面に光を走査させることにより表面にマークを施すマーキング工程を含む圧縮成形体の製造方法が前記課題を解決した。
【解決手段】
粉体を圧縮成形して圧縮成形体を製造する方法において、圧縮成形前に圧縮用金型の表面に光呈色物質と医薬用添加剤を含有する粉末を噴射する工程と得られた圧縮成形体の表面に光を走査させることにより表面にマークを施すマーキング工程を含む圧縮成形体の製造方法が前記課題を解決した。
Description
本発明は、その表面に識別文字等のマークが施された圧縮成形体の製造方法に関する。
医療現場では、錠剤やカプセル剤等の固形製剤の調剤ミスや服薬ミスを未然に防止するため、識別性の優れた錠剤やカプセル剤が求められている。
その識別性を高める代表的な方法として、打錠用金型に刻印用加工を施し、錠剤表面に刻印する方法があるが、刻印部が欠損し易いなどの問題がある。そこで、錠剤表面にインクを用いてグラビアオフセット印刷をする方法やインクジェット印刷をする方法が開発され、実際にカタカナ文字等が印刷されているが、裸錠には直接印刷ができないという問題がある。また、インクを使用するため、印刷の濃淡やインクのにじみ、未乾燥に伴う他錠の汚れ、文字のかすれ等の不良が生じたり、インクや有機溶剤を使用するため環境面、安全性面での問題もある。
この様な背景から、最近になって、打錠用粉末に特定の変色誘起酸化物(例えば、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄)を均一に分散させた錠剤等の表面に一定のレーザー光を照射することにより、識別文字や記号を印刷することができるUVレーザー印刷技術が開発され、その詳細が開示されている(特許文献1)。
その識別性を高める代表的な方法として、打錠用金型に刻印用加工を施し、錠剤表面に刻印する方法があるが、刻印部が欠損し易いなどの問題がある。そこで、錠剤表面にインクを用いてグラビアオフセット印刷をする方法やインクジェット印刷をする方法が開発され、実際にカタカナ文字等が印刷されているが、裸錠には直接印刷ができないという問題がある。また、インクを使用するため、印刷の濃淡やインクのにじみ、未乾燥に伴う他錠の汚れ、文字のかすれ等の不良が生じたり、インクや有機溶剤を使用するため環境面、安全性面での問題もある。
この様な背景から、最近になって、打錠用粉末に特定の変色誘起酸化物(例えば、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄)を均一に分散させた錠剤等の表面に一定のレーザー光を照射することにより、識別文字や記号を印刷することができるUVレーザー印刷技術が開発され、その詳細が開示されている(特許文献1)。
一方、近年の高齢化社会において錠剤の嚥下が困難な高齢者にも服用がし易い口腔内速崩壊錠が種々市販されている。しかし、それらの何れの錠剤も、口内速崩壊性を発揮させるため、フィルムコーティングが施されていない所謂「素錠」であり、錠剤がフィルムコーティングが施されていないことによる脆弱製のため輸送時ないし調剤時に摩損や欠けやすいなどの問題があった。そこで、口腔内速崩壊錠の特長を保持しつつ、高い強度を有するフィルムコーティング錠が提案されている(特許文献2)が、素錠の場合と比較すると、やはり口内速崩壊性の点では十分とは言い難い。
以上のような製剤技術の改善、改良と並行して、製剤用機器の分野でも種々の工夫、改良がなされている。たとえば、錠剤製造の際、スティッキング等の打錠障害を防止するため一定量の粉末滑沢剤が必要であるが、しばしばこの滑沢剤が錠剤の崩壊遅延やひび割れの原因となることが知られている。そこで、少量の滑沢剤で打錠障害を防止することができる回転式粉末圧縮成形機が提案され(特許文献3)、実用化もされている。
ここで、外部滑沢装置とは、特許文献3に記載の装置であり、回転式粉末圧縮成形機(打錠機)において、粉末滑沢剤を打錠臼杵内壁に噴霧して滑沢剤を被覆し、滑沢剤の皮膜を形成した臼杵内部に打錠用顆粒を充填して打錠を行うことにより、滑沢剤を必要最小量に抑えることが可能な装置である。本装置は、打錠機の回転軌道上の打錠用顆粒が充填される直前に配置され、滑沢剤を噴霧した後に余分の滑沢剤を吸引除去した後圧縮成形される構造になっており、通常の打錠機と同様に滑沢剤の噴霧と圧縮成形を連続的に高速処理することが可能である。滑沢剤の過量添加は、錠剤硬度低下や溶出遅延を引き起こすことがあるのが、この装置ではその問題は起こらない。
ここで、外部滑沢装置とは、特許文献3に記載の装置であり、回転式粉末圧縮成形機(打錠機)において、粉末滑沢剤を打錠臼杵内壁に噴霧して滑沢剤を被覆し、滑沢剤の皮膜を形成した臼杵内部に打錠用顆粒を充填して打錠を行うことにより、滑沢剤を必要最小量に抑えることが可能な装置である。本装置は、打錠機の回転軌道上の打錠用顆粒が充填される直前に配置され、滑沢剤を噴霧した後に余分の滑沢剤を吸引除去した後圧縮成形される構造になっており、通常の打錠機と同様に滑沢剤の噴霧と圧縮成形を連続的に高速処理することが可能である。滑沢剤の過量添加は、錠剤硬度低下や溶出遅延を引き起こすことがあるのが、この装置ではその問題は起こらない。
なお、特許文献1、特許文献2及び特許文献3には、口腔内速崩壊錠に識別文字等をUVレーザー印刷した例は全く記載されていない。
特許文献1 国際公開2006/126561号公報
特許文献2 特開2010−248106号公報
特許文献3 国際公開2003/051621号公報
特許文献2 特開2010−248106号公報
特許文献3 国際公開2003/051621号公報
本発明の課題は、その表面にUVレーザー光を照射して識別文字などのマークを印刷できる圧縮製剤の製造方法であって、圧縮製剤として必要な一定の強度を有し、且つ、崩壊性が良好な圧縮製剤の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため、最外層に滑沢剤を供給する装置を備えた回転式粉末圧縮成形機を用いて、圧縮成形用金型表面に酸化チタンなどの光呈色物質を噴霧付着させて打錠する方法により、一定の強度と優れた崩壊性を有し、且つ、錠剤の表面に鮮明な文字を印刷した錠剤が得ることを知見し、更に検討を加え、本発明を完成することができた。
本発明によれば、下記(1)〜(11)のマークが施された錠剤の製造方法を提供することができる。
(1)粉体を、上杵、下杵及びテーブルの設けられた臼穴を備えた粉体圧縮成形機で圧縮成形する圧縮成形体の製造方法であって、
(a)上杵の下端面、下杵の上端面及び臼穴の内表面の少なくとも一面に光呈色物質を含有する医薬用添加剤粉末を塗布する塗布工程、
(b)臼穴の中に粉体を充填する充填工程、
(c)臼穴の中に充填された粉体を前記上杵、下杵により圧縮成形する圧縮成形工程および
(d)前記圧縮成形工程により得られた圧縮成形体の表面に光を走査させることにより表面にマークを施すマーキング工程、
を含むマークが施された圧縮成形体の製造方法。
(2)光呈色物質がアナターゼ型若しくはルチル型の酸化チタン、三二酸化鉄又は黄色三二酸化鉄である請求項1に記載の圧縮成形体の製造方法。
(3)光が波長200〜1100nmであり、平均出力が0.1〜50Wであるレーザー光である前記(1)又は(2)に記載の圧縮成形体の製造方法。
(4)医薬用添加剤が、賦形剤、結合剤、崩壊剤及び滑沢剤のいずれか1種又は2種以上である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の圧縮成形体の製造方法。
(5)滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、硬化油、ショ糖脂肪酸エステル、タルク及びフマル酸ステアリルナトリウムからなる群から選ばれた1種又は2種以上である前記(1)〜(4)のいずれかに記載の圧縮成形体の製造方法。
(6)光呈色物質を含有する医薬用添加剤粉末の塗布が、粉末の噴射である前記(1)〜(5)のいずれかに記載の圧縮成形体の製造方法。
(7)光呈色物質の平均粒子径が5μm以下である前記(1)〜(6)のいずれかに記載の圧縮成形体の製造方法。
(8)光呈色物質含有滑沢剤粉末に含まれる光呈色物質の含有率が、医薬用添加剤に対して1〜50重量%である前記(1)〜(7)のいずれかに記載の圧縮成形体の製造方法。
(9)圧縮成形体の表面に付着した光呈色物質の質量が、0.005〜3mg/cm2である前記(1)〜(8)のいずれかに記載の圧縮成形体の製造方法。
(10)圧縮成形体が錠剤である前記(1)〜(9)のいずれかに記載の圧縮成形体の製造方法。
(11)錠剤が口腔内速崩壊錠である前記(10)に記載の圧縮成形体の製造方法。
(1)粉体を、上杵、下杵及びテーブルの設けられた臼穴を備えた粉体圧縮成形機で圧縮成形する圧縮成形体の製造方法であって、
(a)上杵の下端面、下杵の上端面及び臼穴の内表面の少なくとも一面に光呈色物質を含有する医薬用添加剤粉末を塗布する塗布工程、
(b)臼穴の中に粉体を充填する充填工程、
(c)臼穴の中に充填された粉体を前記上杵、下杵により圧縮成形する圧縮成形工程および
(d)前記圧縮成形工程により得られた圧縮成形体の表面に光を走査させることにより表面にマークを施すマーキング工程、
を含むマークが施された圧縮成形体の製造方法。
(2)光呈色物質がアナターゼ型若しくはルチル型の酸化チタン、三二酸化鉄又は黄色三二酸化鉄である請求項1に記載の圧縮成形体の製造方法。
(3)光が波長200〜1100nmであり、平均出力が0.1〜50Wであるレーザー光である前記(1)又は(2)に記載の圧縮成形体の製造方法。
(4)医薬用添加剤が、賦形剤、結合剤、崩壊剤及び滑沢剤のいずれか1種又は2種以上である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の圧縮成形体の製造方法。
(5)滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、硬化油、ショ糖脂肪酸エステル、タルク及びフマル酸ステアリルナトリウムからなる群から選ばれた1種又は2種以上である前記(1)〜(4)のいずれかに記載の圧縮成形体の製造方法。
(6)光呈色物質を含有する医薬用添加剤粉末の塗布が、粉末の噴射である前記(1)〜(5)のいずれかに記載の圧縮成形体の製造方法。
(7)光呈色物質の平均粒子径が5μm以下である前記(1)〜(6)のいずれかに記載の圧縮成形体の製造方法。
(8)光呈色物質含有滑沢剤粉末に含まれる光呈色物質の含有率が、医薬用添加剤に対して1〜50重量%である前記(1)〜(7)のいずれかに記載の圧縮成形体の製造方法。
(9)圧縮成形体の表面に付着した光呈色物質の質量が、0.005〜3mg/cm2である前記(1)〜(8)のいずれかに記載の圧縮成形体の製造方法。
(10)圧縮成形体が錠剤である前記(1)〜(9)のいずれかに記載の圧縮成形体の製造方法。
(11)錠剤が口腔内速崩壊錠である前記(10)に記載の圧縮成形体の製造方法。
本発明において、粉体、特に医薬及び製剤添加物からなる粉体を圧縮成形する前に、その圧縮成形用金型の粉体と接触する面に光呈色物質と医薬用添加剤を含有する粉末を、例えば数分の1秒間上杵の下端面、下杵の上端面及び臼穴の内表面の少なくともいずれかの表面に噴射し、過剰に付着した滑沢剤粉末を一方で吸引して除去することにより、粉末を極めて薄く且つ均一に塗布することができる。
圧縮成形用金型の粉体と接触する面に付着させる医薬用添加剤粉末(光呈色物質を含む医薬用添加剤の粉末)の質量は、圧縮成形体の表面に対して0.05〜5mg/cm2、好ましくは0.1〜3mg/cm2であり、その中で光呈色物質の質量は、0.005〜3mg/cm2、好ましくは0.01〜2mg/cm2、更に好ましくは0.03〜1.0mg/cm2である。
このように圧縮成形体の最外層に付着させた光呈色物質の量は極めて少量で、層の厚みも極薄であるので、内部の素錠の口腔崩壊性に影響を与えず、服用により人体に与える影響もなく、安全性の点でも全く問題はない。
また、本発明によれば、圧縮成形体表面への光照射時間は、0.01〜1秒といった極めて短時間で済み、しかも識別性の高い文字等のマークが光により明瞭なマークが施されるので、圧縮成形体の生産性は極めて高く、医療過誤の危険性を大幅に改善することができる。錠剤表面に識別文字を刻印した錠剤は、識別文字に色の変化ないので読みづらいが、本発明による呈色した識別文字は図に示すごとく読みとりが明瞭である。
圧縮成形用金型の粉体と接触する面に付着させる医薬用添加剤粉末(光呈色物質を含む医薬用添加剤の粉末)の質量は、圧縮成形体の表面に対して0.05〜5mg/cm2、好ましくは0.1〜3mg/cm2であり、その中で光呈色物質の質量は、0.005〜3mg/cm2、好ましくは0.01〜2mg/cm2、更に好ましくは0.03〜1.0mg/cm2である。
このように圧縮成形体の最外層に付着させた光呈色物質の量は極めて少量で、層の厚みも極薄であるので、内部の素錠の口腔崩壊性に影響を与えず、服用により人体に与える影響もなく、安全性の点でも全く問題はない。
また、本発明によれば、圧縮成形体表面への光照射時間は、0.01〜1秒といった極めて短時間で済み、しかも識別性の高い文字等のマークが光により明瞭なマークが施されるので、圧縮成形体の生産性は極めて高く、医療過誤の危険性を大幅に改善することができる。錠剤表面に識別文字を刻印した錠剤は、識別文字に色の変化ないので読みづらいが、本発明による呈色した識別文字は図に示すごとく読みとりが明瞭である。
本発明に係るマーキングされた圧縮成形体の製造方法は、医薬などの粉末を、例えば特許文献3に記載された粉末滑沢剤噴射装置を備えた回転式粉末圧縮成形機で圧縮成形すると同時に圧縮成形体の外層に光呈色物質と滑沢剤等を含む医薬用添加剤から成る外層を形成させ、得られた成形体の表面を光走査してマーキングを施すことにより実施することができる。
本発明の方法に用いる打錠用粉末、つまり圧縮成型用粉体は、圧縮成形機にかけて圧縮成形されるものであればどのようなものでもよく、常法にしたがって製造すればよい。たとえば、医薬を賦形剤、崩壊剤、結合剤、結合剤、嬌味嬌臭剤等と混合したものでもよく、又流動層造粒機や高速撹拌造粒機等で造粒し、得られた顆粒に滑沢剤等の必要な添加物を加え混合することにより製造したものでもよい。医薬に苦味がある場合等は必要に応じて医薬や顆粒にコーティングを施しても良い。
本発明で用いられる圧縮成形用粉体としては、例えば、医薬、食品などの粉末が挙げられる。粉末粒子の大きさは特に限定されないが、圧縮成形機の臼穴に充填することができ、それを圧縮成形することができるものであれはよく、微粉末から顆粒と称される大きさの範囲を含み、平均粒子径は0.01〜3mm、好ましくは0.1〜1mm程度である。
本発明に用いる賦形剤としては、乳糖、白糖、D-マンニトール、トレハロース、キシリトール、エリスリトール、リン酸水素カルシウム、結晶セルロース、トウモロコシデンプン、バレイショデンプンを挙げることができる。
また、崩壊剤としては、カルメロース、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、部分アルファー化デンプンが挙げられる。
結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ポビドン、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール共重合体又はポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体等これら添加剤は必要により混合物として使用される。
また、崩壊剤としては、カルメロース、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、部分アルファー化デンプンが挙げられる。
結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ポビドン、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール共重合体又はポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体等これら添加剤は必要により混合物として使用される。
また、光呈色物質としては、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、アナターゼ型若しくはルチル型の酸化チタン、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄等が挙げられ、とりわけアナターゼ型若しくはルチル型の酸化チタン、三二酸化鉄又は黄色三二酸化鉄などの光の走査により呈色する物質があげられる。本発明の光呈色物質を含む滑沢剤粉末は粉末噴射に適した微細な粉末であることが望ましく、その平均粒子径は、通常0.01〜10μm、好ましくは、0.1〜5μmである。
錠剤表面に走査する光としては、出力0.1〜10W、波長200〜800nmのUVレーザー光が好ましい。このレーザー光を光呈色物質を付着させた圧縮成形体の表面に走査することにより錠剤表面に印字することができる。光走査時間は圧縮成形体の一表面当たり0.1〜1.0秒程度で十分である。この方法によれば、マーキングに溶剤を使用する必要がないので、環境汚染を引き起こすこともなく、光によるマーキングは一瞬に行われるので生産効率も極めて良好である。
以下、参考例及び実施例を挙げて本発明を説明する。
〔参考例1〕
打錠用混合物の製造
部分アルファー化デンプン(PCS/旭化成ケミカルズ製)792.5gを流動層造粒乾燥コーティング機(MP−01SPC型/パウレック製)に投入し、これに、予めドネペジル塩酸塩250g(TEVA製)及びポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体(POVACOAT/大同化成工業製)7.5gを精製水750gに溶解・分散させた液を噴霧し、レイヤリング造粒した。
次いで、ポリビニルアルコール共重合体20g及びタルク(クラウンタルク/松村産業製)を精製水1,300gに溶解・分散させた液を噴霧してコーティングし、乾燥した。この乾燥造粒物に、さらにメタクリル酸コポリマーLD(オイドラギッドL30D−55/エボニック・テグサ・ジャパン製)1,500g、D−マンニトール(マンニットP/三菱フードテック製)125g、タルク125g及びクエン酸トリエチル(シトロフレックス2SC−60/森村商事製)を精製水1,875gに溶解・分散した液でコーティングし、乾燥して、コーティング顆粒を得た。
このコーティング顆粒とD−マンニトール3890.5g、結晶セルロース(セオラスKG-802/旭化成ケミカルズ製)及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(NBD-022/信越化学製)1,000gを流動層造粒乾燥コーティング機(FD-GPCG-5SPC型/パウレック製)に投入し、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC-L/日本曹達製)90gを精製水2,910gに溶解した液を噴霧しながら造粒し、乾燥して造粒顆粒を得た。
この造粒顆粒を結晶セルロース150g、l−メントール(小林桂製)12g、アスパルテーム(味の素製)150g、香料(ドライコートストロベリー/高田香料製)7.5g及びステアリン酸マグネシウム(太平化学産業製)100gと共にタンブラー混合機(TM-15S型/昭和技研製)に投入して混合し、ドネペジル塩酸塩口腔内崩壊錠打錠用混合物を得た。
〔参考例1〕
打錠用混合物の製造
部分アルファー化デンプン(PCS/旭化成ケミカルズ製)792.5gを流動層造粒乾燥コーティング機(MP−01SPC型/パウレック製)に投入し、これに、予めドネペジル塩酸塩250g(TEVA製)及びポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体(POVACOAT/大同化成工業製)7.5gを精製水750gに溶解・分散させた液を噴霧し、レイヤリング造粒した。
次いで、ポリビニルアルコール共重合体20g及びタルク(クラウンタルク/松村産業製)を精製水1,300gに溶解・分散させた液を噴霧してコーティングし、乾燥した。この乾燥造粒物に、さらにメタクリル酸コポリマーLD(オイドラギッドL30D−55/エボニック・テグサ・ジャパン製)1,500g、D−マンニトール(マンニットP/三菱フードテック製)125g、タルク125g及びクエン酸トリエチル(シトロフレックス2SC−60/森村商事製)を精製水1,875gに溶解・分散した液でコーティングし、乾燥して、コーティング顆粒を得た。
このコーティング顆粒とD−マンニトール3890.5g、結晶セルロース(セオラスKG-802/旭化成ケミカルズ製)及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(NBD-022/信越化学製)1,000gを流動層造粒乾燥コーティング機(FD-GPCG-5SPC型/パウレック製)に投入し、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC-L/日本曹達製)90gを精製水2,910gに溶解した液を噴霧しながら造粒し、乾燥して造粒顆粒を得た。
この造粒顆粒を結晶セルロース150g、l−メントール(小林桂製)12g、アスパルテーム(味の素製)150g、香料(ドライコートストロベリー/高田香料製)7.5g及びステアリン酸マグネシウム(太平化学産業製)100gと共にタンブラー混合機(TM-15S型/昭和技研製)に投入して混合し、ドネペジル塩酸塩口腔内崩壊錠打錠用混合物を得た。
参考例1で得られた打錠用混合物200gを外部滑沢装置(ELS-P1/菊水製作所製)を装備したロータリー式打錠機(AQUARIUS 3型/菊水製作所製)に投入し、これに、予め酸化チタン500g及びステアリン酸マグネシウム500gを均一に混合した滑沢剤粉末を、外部滑沢装置を用いて噴霧流量毎時28gで打錠臼杵面に噴霧しながら毎分30回転の速度で打錠を行い、直径8mm、厚み3.3mm、1錠質量190mgのレーザー印刷用口腔内崩壊錠を得た。錠剤表面の酸化チタン付着量は0.86mg/cm2であった。
参考例1で得られた打錠用混合物200gを外部滑沢装置を装備したロータリー式打錠機に投入し、これに、予め酸化チタン300g及びステアリン酸マグネシウム700gを均一に混合した粉末を、外部滑沢装置を用いて噴霧流量毎時78gで打錠臼杵面に噴霧しながら毎分30回転の速度で打錠を行い、直径8mm、厚み3.3mm、1錠質量190mgのレーザー印刷用口腔内崩壊錠を得た。錠剤表面の酸化チタン付着量は0.46mg/cm2であった。
参考例1で得られた打錠用混合物200gを外部滑沢装置を装備したロータリー式打錠機に投入し、これに、予め三二酸化鉄200g及びステアリン酸マグネシウム800gを均一に混合した粉末を、外部滑沢装置を用いて噴霧流量毎時76gで打錠臼杵面に噴霧しながら毎分30回転の速度で打錠を行い、直径8mm、厚み3.3mm、1錠質量190mgのレーザー印刷用口腔内崩壊錠を得た。錠剤表面の三二酸化鉄付着量は0.05mg/cm2であった。
参考例1で得られた打錠用混合物200gを外部滑沢装置を装備したロータリー式打錠機に投入し、これに、予め黄色三二酸化鉄100g及びステアリン酸マグネシウム900gを均一に混合した粉末を、外部滑沢装置を用いて噴霧流量毎時72gで打錠臼杵面に噴霧しながら毎分30回転の速度で打錠を行い、直径8mm、厚み3.3mm、1錠質量190mgのレーザー印刷用口腔内崩壊錠を得た。錠剤表面の黄色三二酸化鉄付着量は0.06mg/cm2であった。
参考例1で得られた打錠用混合物200gを外部滑沢装置を装備したロータリー式打錠機に投入し、これに、予め酸化チタン50g及びステアリン酸マグネシウム950gを均一に混合した粉末を、外部滑沢装置を用いて噴霧流量毎時72gで打錠臼杵面に噴霧しながら毎分30回転の速度で打錠を行い、直径8mm、厚み3.3mm、1錠質量190mgのレーザー印刷用口腔内崩壊錠を得た。錠剤表面の酸化チタン付着量は0.16mg/cm2であった。
参考例1で得られた打錠用混合物200gを外部滑沢装置を装備したロータリー式打錠機に投入し、これに、予め酸化チタン200g、ステアリン酸700g及びステアリン酸マグネシウム100gを均一に混合した粉末を、外部滑沢装置を用いて噴霧流量毎時112gで打錠臼杵面に噴霧しながら毎分30回転の速度で打錠を行い、直径8mm、厚み3.3mm、1錠質量190mgのレーザー印刷用口腔内崩壊錠を得た。錠剤表面の酸化チタン付着量は0.36mg/cm2であった。
参考例1で得られた打錠用混合物200gを外部滑沢装置を装備したロータリー式打錠機に投入し、これに、予め酸化チタン200g、ヒドロキシプロピルセルロース700g及びステアリン酸マグネシウム100gを均一に混合した粉末を、外部滑沢装置を用いて噴霧流量毎時86gで打錠臼杵面に噴霧しながら毎分30回転の速度で打錠を行い、直径8mm、厚み3.3mm、1錠質量190mgのレーザー印刷用口腔内崩壊錠を得た。錠剤表面の酸化チタン付着量は0.21mg/cm2であった。
参考例1で得られた打錠用混合物200gを外部滑沢装置を装備したロータリー式打錠機に投入し、これに、予め酸化チタン200g、トウモロコシデンプン700g及びステアリン酸マグネシウム100gを均一に混合した粉末を、外部滑沢装置を用いて噴霧流量毎時110gで打錠臼杵面に噴霧しながら毎分30回転の速度で打錠を行い、直径8mm、厚み3.3mm、1錠質量190mgのレーザー印刷用口腔内崩壊錠を得た。錠剤表面の酸化チタン付着量は0.19mg/cm2であった。
〔比較例1〕
〔比較例1〕
参考例1で得られた打錠用混合物を、ロータリー式打錠機を用い、刻印加工を施した打錠杵を用いて打錠し、直径8mm、厚み3.3mm、1錠質量190mgの刻印錠剤を得た。
〔試験例1〕
〔試験例1〕
実施例で得た口腔内崩壊錠について、UVレーザーマーキング装置(LIS-250型/クオリカプス製)にてPE=38%、30,000Hzの条件でレーザー印刷を施したもの及び比較例の識別状態を図1に示した。また実施例のレーザー印刷錠の錠剤物性を測定し、表1の結果を得た。
実施例で得たレーザー印刷錠は、比較例の刻印錠に比べいずれも識別状態は良好であり、また、市場での流通状態に耐えうる錠剤硬度を保ちつつ、口腔内崩壊時間が早い結果であった。これらの結果より、本発明はレーザー印刷口腔内崩壊錠の製造方法として有用であることが示された。
本発明は、一定の強度を有し崩壊性良好かつ医薬の識別性が高い錠剤を容易、且つ高い生産性で提供することができる。また、錠剤表面の明確な識別表示は、服用する者にとっても錠剤の飲み違いを防ぐために極めて有用である。
図中の実施例1〜8及び比較例は、それぞれ各例で得られた錠剤を意味する。
Claims (11)
- 粉体を、上杵、下杵及びテーブルの設けられた臼穴を備えた粉体圧縮成形機で圧縮成形する圧縮成形体の製造方法であって、
(a)上杵の下端面、下杵の上端面及び臼穴の内表面の少なくとも一面に光呈色物質を含有する医薬用添加剤粉末を塗布する塗布工程、
(b)臼穴の中に粉体を充填する充填工程、
(c)臼穴の中に充填された粉体を前記上杵、下杵により圧縮成形する圧縮成形工程および
(d)前記圧縮成形工程により得られた圧縮成形体の表面に光を走査させることにより表面にマークを施すマーキング工程、
を含むマークが施された圧縮成形体の製造方法。 - 光呈色物質がアナターゼ型若しくはルチル型の酸化チタン、三二酸化鉄又は黄色三二酸化鉄である請求項1に記載の圧縮成形体の製造方法。
- 光が波長200〜1100nmであり、平均出力が0.1〜50Wであるレーザー光である請求項1又は2に記載の圧縮成形体の製造方法。
- 医薬用添加剤が、賦形剤、結合剤、崩壊剤及び滑沢剤のいずれか1種又は2種以上である請求項1〜3のいずれかに記載の圧縮成形体の製造方法。
- 滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、硬化油、ショ糖脂肪酸エステル、タルク及びフマル酸ステアリルナトリウムからなる群から選ばれた1種又は2種以上である請求項1〜4のいずれかに記載の圧縮成形体の製造方法。
- 光呈色物質を含有する医薬用添加剤粉末の塗布が、粉末の噴射である請求項1〜5のいずれかに記載の圧縮成形体の製造方法。
- 光呈色物質の平均粒子径が5μm以下である請求項1〜6のいずれかに記載の圧縮成形体の製造方法。
- 光呈色物質含有滑沢剤粉末に含まれる光呈色物質の含有率が、医薬用添加剤に対して1〜50重量%である請求項1〜7のいずれかに記載の圧縮成形体の製造方法。
- 圧縮成形体の表面に付着した光呈色物質の質量が、0.005〜3mg/cm2である請求項1〜8のいずれかに記載の圧縮成形体の製造方法。
- 圧縮成形体が錠剤である請求項1〜9のいずれかに記載の圧縮成形体の製造方法。
- 錠剤が口腔内速崩壊錠である請求項10に記載の圧縮成形体の製造方法。
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