JP2014030419A - バイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】バイオマスの水性懸濁液を一次加水分解装置の供給口より連続的に供給して単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類を生成する加圧・加熱条件で一次加水分解処理し、加水分解処理懸濁液を一次加水分解装置の排出口より連続的に排出するとともに、一次加水分解装置の供給口と排出口の中間位置における固−液分離装置を備えた中間取出口より一次加水分解処理液を連続的に取り出し、二次加水分解装置に送って二次加水分解処理することにより一次加水分解処理液中に含まれる単糖類成分、オリゴ糖類成分及びフルフラール類成分から選ばれる少なくとも1種の成分の含有比率を高めた二次加水分解処理液を得る。
【選択図】 図1
Description
例えば、セルロースは製紙用パルプ、あるいは溶解用パルプとして利用できる。また、セルロースはグルコースの重合体であるので、セルロースからグルコースやセロオリゴ糖を得ることができる。グルコースはエタノールや乳酸の発酵原料、セロオリゴ糖は機能性食品として利用可能である。グルコースを還元して得られた糖アルコール(ソルビトール)は、冷涼感を有する甘味料として広く利用されており、最近ではバイオマス由来プラスチック原料としても注目されている(非特許文献1)。
本発明で用いるバイオマスとしては、五炭糖を構成糖として含む材料であれば、特に制限なく使用することができる。例えば、木質系原料であれば、樹木、林地残材、間伐材、廃材等のチップ又は樹皮、製材工場等から発生するおが屑、街路樹の剪定枝葉、建築廃材等が挙げられ、広葉樹、針葉樹共に用いることができる。草本系として、ケナフ、稲藁、麦わら、コーンコブ、バガス等の農産廃棄物、油用作物やゴム等の工芸作物の残渣及び廃棄物(例えば、EFB: Empty Fruit Bunch)、草本系エネルギー作物のエリアンサス、ミスカンサスやネピアグラス等のリグノセルロース系バイオマスが挙げられる。また、バイオマスとしては、木材由来の紙、古紙、パルプ、パルプスラッジ、スラッジ、下水汚泥等、食品廃棄物、等を原料として利用することができる。これらのバイオマスは、単独、あるいは複数を組み合わせて使用することができる。また、バイオマスは、乾燥固形物であっても、水分を含んだ固形物であっても、スラリーであっても用いることができる。バイオマスが乾燥固形物または水分を含んだ固形物であれば、水と混合させスラリー状態にした後に、加水分解反応装置に供給することが好ましい。
本発明の方法で用いる一次加水分解装置は、連続的にバイオマスを加圧・加熱条件下に加水分解処理することができると共に、加水分解処理されたバイオマスと単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類及びその他の有機酸等の加水分解生成物を含む水溶液とよりなる加水分解処理懸濁液から、加水分解生成物を含む水溶液よりなる加水分解処理液、好ましくは、加水分解処理温度と圧力を維持した状態の加水分解処理液を連続的に分離して取り出すことができる加圧、加熱加水分解処理装置である。
本発明の方法において、一次加水分解装置R1内での加水分解処理は、加圧下における熱水処理、酸処理、アルカリ処理等の方法を用いて行うことができるが、生成する単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類を効率的に回収するためには、加圧、加熱状態の水又は酸水溶液を用いた処理が望ましい。加圧、加熱状態の水による処理の場合、バイオマスを水と混合し、加圧、加熱して加水分解を行う。酸水溶液処理の方法としては、バイオマスを酸を含む水と混合し、加圧、加熱して加水分解を行う。酸水溶液処理で用いる酸は特に限定されないが、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、酢酸、シュウ酸等を用いることができる。
加水分解処理の温度としては、120〜250℃で行うことができるが、140〜230℃が好ましく、150〜180℃がより好ましい。
加水分解処理の圧力は、0.35MPa〜2.8MPaであることが好ましい。
バイオマスと混合する水性液体とバイオマスの質量比(水性液体/バイオマス)は2〜8の範囲が好ましい。バイオマスと水性液体を混合して水性懸濁液原料を調製し、加水分解装置に供給して加水分解装置内で所定の温度と圧力で加水分解処理する。
以上の条件下での加水分解処理により、セルロースを主体とする加水分解処理バイオマスと、バイオマス由来の加水分解生成物であるフルフラール、オリゴ糖類、単糖類などを含有する加水分解処理液よりなる加水分解処理懸濁液が得られる。
また、移送管路7によって蒸解工程に送られてパルプの製造原料として用いることができるので、本発明の加水分解方法は、溶解パルプ製造工程でクラフト蒸解の前工程である前加水分解工程とすることもできる。
本発明の方法で用いる二次加水分解装置は、連続的あるいは断続的に一次加水分解処理液を加圧・加熱条件下に加水分解処理することができる加水分解装置である。二次加水分解装置の形態は特に限定されないが、例えば、図1に示すような一次加水分解処理液の温度を調節するための温度調整装置T1、移送管路3A、温度を一定に維持するための恒温装置T2、移送管路3Bから構成される二次加水分解装置R2が挙げられる。二次加水分解装置R2の後に移送管路3Bに取り出された加水分解後の加水分解処理液を冷却するための冷却装置CLを設置し加水分解液を冷却してもよい。また、二次加水分解装置としては図3に示すような反応釜BRが挙げられる。
図3の装置においては、一次加水分解処理液は、一次加水分解処理液の移送管路3が接続されている一次加水分解装置R1の中間取出口Gより水溶液の状態で加圧・加熱加水分解が行われる二次反応釜BRに連続的あるいは断続的に供給され、反応釜BR内で加水分解処理を受けながら装置内を移動し、他方の二次加水分解処理液の移送管路11が接続されている排出口から排出される。
一次加水分解装置R1内の圧力が二次加水分解装置内の圧力より高い場合は、減圧バルブVPにより二次加水分解装置へ一次加水分解処理液を移送する。一方、一次加水分解装置R1内の圧力が二次加水分解装置内の圧力より低い場合は、ポンプを用いてバルブVにより二次加水分解装置へ一次加水分解処理液を移送する(図示せず)。二次加水分解処理液は冷却装置CLにより冷却してから排出することもできるし、冷却せずに背圧弁VBにより系外に排出することもできる。二次加水分解装置R2に一次加水分解処理液が供給される前に一次加水分解処理液のpHを調整する為の酸又はアルカリ薬液を供給できる装置を移送管路3に接続していてもよい。二次加水分解処理液は、連続的に次工程、例えば、生成フルフラールの濃縮回収工程等へそのまま送液することもできるし、タンク等に貯蔵することもできる。
本発明の方法において、二次加水分解装置での加水分解処理は、加圧下における熱水処理、酸処理、アルカリ処理等の方法を用いて行うことができるが、生成する単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類を効率的に回収するためには、加圧、加熱状態の水又は酸水溶液を用いた処理が望ましい。加圧、加熱状態の水による処理の場合、バイオマスを水と混合し、加圧、加熱して加水分解を行う。酸水溶液処理の方法としては、バイオマスを酸を含む水と混合し、加圧、加熱して加水分解を行う。酸水溶液処理で用いる酸は特に限定されないが、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、酢酸、シュウ酸等を用いることができる。
加水分解処理の温度としては、120〜250℃で行うことができるが、140〜230℃が好ましく、160〜200℃がより好ましい。230℃を超えるとフルフラールが重合しフルフラールの損失が進む傾向があるため好ましくない。圧力は、0.35〜2.8MPaであることが好ましい。
二次加水分解処理液は、濃縮分離装置等により単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類を分離し精製して回収するための分離・回収工程に連続的に送ることもできるし、タンク等に貯蔵することもできる。
図2の本発明の方法を実施する装置は、二次加水分解処理液中に含まれるフルフラールの濃縮分離装置Fを備えている。二次加水分解装置R2(T2)からの二次加水分解処理液は、冷却装置CLでの冷却を行うことなく、移送管路10によって直接濃縮分離装置Fに送られ、そこでフラッシュ蒸留が行われる。
図4の装置は、二次反応釜BRから送られた二次加水分解処理液を冷却することなく、移送管路11によって直接分離・精製工程の濃縮分離装置Fに送り、そこでフラッシュ蒸留が行われる例を示している。
本発明では、濃縮分離装置Fとしてフラッシュ蒸留装置以外の蒸留装置を用いることもできる。
循環管路14には回収管路5に取り出される糖類等含有水溶液を保管するための水溶液保管タンクTA2を設置しても良い。タンクTA2に保管した水溶液を必要に応じて二次加水分解装置の供給口(移送管路3)へ供給することができる。
二次加水分解装置を複数並列で設置する場合は、各々の二次加水分解装置に対して循環管路14を独立させて設置することができる。
二次加水分解装置を複数並列で設置する場合は、各々の二次加水分解装置に対して循環管路8を独立させて設置することができる。
二次加水分解処理液あるいは前記の濃縮分離装置Fで分離した後の水溶液(液相)に含まれる単糖類及びオリゴ糖類は、一般的な糖の精製プロセスによって分離・精製することができる。
図7に示す本発明の方法を実施する装置は、図1に示す加水分解装置より得られる二次加水分解処理後の加水分解処理液を用いて二次加水分解処理液に含まれる糖類の精製を行ってオリゴ糖類と単糖類を分離し、精製して回収する装置を有している。
二次加水分解装置から移送管路3Aに取り出した二次加水分解処理液は冷却装置CLで冷却した後、移送管路10によりセラミックフィルターCEを経て、蒸留装置等よりなる濃縮分離装置Eに送られる。移送管路10には、必要に応じて、中和剤NEを供給して二次加水分解処理液中の酸類を中和することができる。
濃縮分離装置Eでフルフラール類を分離した残りの濃縮された糖類含有液は、移送管路44に取り出し、必要に応じてセラミックフィルターCEで残る固形分を除去した後、移送管路29により一群の精製処理装置を有する精製処理工程に送って処理する。
二次加水分解装置から移送管路11に取り出した二次加水分解処理液は、必要に応じて中和剤NEを供給した状態で、必要に応じてセラミックフィルターCEで固形分を除去した後、移送管路28により蒸留装置等よりなる濃縮分離装置Eに送られる。
濃縮分離装置Eでフルフラール類を分離した残りの糖類含有濃縮液は、移送管路44に取り出し、必要に応じてセラミックフィルターCEで残る固形分を除去した後、移送管路29により一群の糖類含有液の精製処理装置に送って処理する。
図8には、一群の糖類含有液の精製処理装置として、図7に示されているものと同様の一群の糖液精製処理装置を有する糖類含有液の精製処理装置が示されている。
二次反応釜BRから送られた二次加水分解処理液は、冷却することなく移送管路11によって直接濃縮分離装置Fに送り、そこでのフラッシュ蒸留が行って気−液分離し、濃縮分離装置Fの頂部から移送管路9によりフルフラール類を含有する蒸気相を移送管路9に取出し、コンデンサーCで凝縮して回収管路4よりフルフラール類含有液を回収する。他方、濃縮分離装置Fの底部からは糖類含有濃縮液を移送管路5に取出し、必要に応じて中和剤NEを添加し、必要に応じてセラミックフィルターCEで固形分を除去した後、移送管路45により濃縮分離装置Eに送られる。濃縮分離装置Eでは、糖類含有濃縮液中に残存するフルフラール類を含有する蒸気相を移送管路48に取出してコンデンサーCを経て回収管路49よりフルフラール類含有液として回収し、濃縮分離装置Eから移送管路46に糖類含有濃縮液が取り出し、セラミックフィルターCEで更に固形分を除いて、移送管路47に取り出し、そこから、図7、図8に示されているものと同様の一群の糖液精製処理装置に送って処理する。
本発明では、前記連続加水分解装置で処理した加水分解処理液あるいは濃縮分離装置で分離した後の水溶液(液相)を活性炭、イオン交換樹脂、吸着樹脂から選ばれる少なくとも一つ用いて単糖類、オリゴ糖類を精製することができる。活性炭、イオン交換樹脂、吸着樹脂の少なくとも2つ以上を用いる場合の順序は特に限定されないが、イオン交換樹脂における負荷を極力減少させるため、活性炭処理または吸着樹脂処理を行った後にイオン交換樹脂の処理を行うことが好ましい。
前記、活性炭、イオン交換樹脂、吸着樹脂を用いることにより加水分解処理液に含まれる不純物を効率的に除去することができ、糖類(単糖類、オリゴ糖類)を効率的に精製することができる。
糖分析は、DIONEX社製糖分析システム(ICS5000)を用いた。カラムはCarbo Pac PA−1 (2×250mm)を用い、20mM NaOH溶液を溶離液とし、0.25ml/minの流速で単糖を溶出させた。検出には、パルスアンペロメトリー検出器を用いた。単糖の標品として、グルコース、ガラクトース、マンノース、アラビノース、キシロースを用いた。これらの各成分の検量線を作成し、試料中の各単糖の含有量を求めた。
試料溶液に最終濃度が4質量%となるように硫酸を添加し、120℃で1時間加水分解を行った後、糖分析を実施し、試料中の各単糖の含有量を求め、その合計値を全糖量とした。
試料中の全糖量から、4質量%硫酸で加水分解を行う前の試料中の各単糖の含有量を差し引いた値をオリゴ糖類の含有量とした。
フルフラール類の定量にはAgilent Technоlоgies社製HPLCシステムを用いた。カラムは、Bio−Rad社製Aminex HPX87P(7.8×300mm)を用い、5mM硫酸を溶離液とし、1ml/minの流速でフルフラール類を溶出させた。検出にはUV−Vis検出器を用いた。フルフラール類の標品として、フルフラールを用い、検量線を作成し、試料中の含有量を求めた。
ユーカリ・ペリータのチップ(厚さ2mm)を、ウィーレー式ミル〔東西精機(社)製〕を用いて粉砕し、得られた破砕物をステンレス製の篩で処理して粒子径100〜120μmの木粉を得た。得られた木粉とイオン交換水とを、木粉(乾燥)1質量部に対してイオン交換水5質量部の割合で混合して原料バイオマスを含有する水性懸濁液原料を調製した。
図1に示す一次加水分解装置R1(木村化工機製)の頂部供給口Aに接続している水性懸濁液原料の供給管路1から上記水性懸濁液原料を連続的に400質量部/時で供給し、一次加水分解装置R1で170℃、0.79MPaで加水分解処理を行い、加水分解処理された木粉含有懸濁液を加水分解装置の底部排出口Bより減圧バルブVPを開いて加水分解処理懸濁液の回収管路2に連続的に排出した。加水分解装置R1内の滞留時間は3時間に設定した。供給開始3時間後から、加水分解装置R1の中央部における目開き80μmのステンレス製金網(S)が設置されている中間取出口G(加水分解処理時間1.5時間の位置)より、加水分解装置R1内の温度及び圧力を維持した状態で加水分解処理懸濁液から一次加水分解処理液(130質量部/時)を一次加水分解処理液の移送管路3の減圧バルブVPを開いて取り出し、この一次加水分解処理液を製造例1の処理液とした。
但し、一次加水分解装置R1内の圧力が二次加水分解装置R2内の圧力より低い製造例では、減圧バルブVPの代替として、バルブVPを開いてポンプ(図示せず)を用いて一次加水分解処理液を取り出した。
製造例1の一次加水分解処理液を、二次加水分解装置R2(恒温装置T2)での加水分解処理液の滞留時間を30分とし、恒温装置T2の温度を、それぞれ250℃(製造例9)、230℃(製造例10)、200℃(製造例11)、180℃(製造例12)、160℃(製造例13)、140℃(製造例14)、120℃(製造例15)とした二次加水分解処理を実施した。尚、各製造例における恒温装置T2内の圧力は、4.03MPa(250℃)、2.85MPa(230℃)、1.61MPa(200℃)、1.05MPa(180℃)、0.67MPa(160℃)、0.40MPa(140℃)、0.25 MPa(120℃)であった。
二次加水分解処理後の加水分解処理液(130質量部/時)を二次加水分解液の移送管路10により取り出し、二次加水分解処理液に含まれる全糖、単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の含有量を測定して、原料(乾燥質量)に対する各成分の収率を算出した。結果を表2に示す。
製造例1の一次加水分解処理液を、二次加水分解装置R2(恒温装置T2)での加水分解処理液の滞留時間を60分とし、恒温装置T2の温度を、それぞれ250℃(製造例16)、230℃(製造例17)、200℃(製造例18)、180℃(製造例19)、160℃(製造例20)、140℃(製造例21)、120℃(製造例22)とした二次加水分解処理を実施した。尚、各製造例における恒温装置T2内の圧力は、4.03MPa(250℃)、2.85MPa(230℃)、1.61MPa(200℃)、1.05MPa(180℃)、0.67MPa(160℃)、0.40MPa(140℃)、0.25 MPa(120℃)であった。
二次加水分解後の加水分解処理液(130質量部/時)を二次加水分解液処理管路10により取り出し、二次加水分解処理液に含まれる全糖、単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の含有量を測定して、原料(乾燥質量)に対する各成分の収率を算出した。結果を表3に示す。
製造例1の一次加水分解処理液を、二次加水分解装置R2(恒温装置T2)での加水分解処理液の滞留時間を120分とし、恒温装置T2の温度を、それぞれ250℃(製造例23)、230℃(製造例24)、200℃(製造例25)、180℃(製造例26)、160℃(製造例27)、140℃(製造例28)、120℃(製造例29)とした二次加水分解処理を実施した。尚、各製造例における恒温装置T2内の圧力は、4.03MPa(250℃)、2.85MPa(230℃)、1.61MPa(200℃)、1.05MPa(180℃)、0.67MPa(160℃)、0.40MPa(140℃)、0.25 MPa(120℃)であった。
二次加水分解処理液に含まれる全糖、単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の含有量を測定して、原料(乾燥質量)に対する各成分の収率を算出した。結果を表4に示す。
また、製造例1〜29の結果より、二次加水分解処理の温度だけでなく、滞留時間を制御することにより、単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の生産比率をコントロールできることが判明した。
製造例1の一次加水分解処理液(pH3.8)に硫酸を添加してpH1.0に調整した。この一次加水分解処理液(pH1.0)を二次加水分解装置R2(T1、T2)に移送し、二次加水分解装置R2(恒温装置T2)での加水分解処理液の滞留時間が10分となるように設定し、二次加水分解装置R2(恒温装置T2)の温度を、それぞれ250℃(製造例30)、230℃(製造例31)、200℃(製造例32)、180℃(製造例33)、160℃(製造例34)、140℃(製造例35)、120℃(製造例36)として二次加水分解処理を実施した。尚、各製造例における恒温装置T2内の圧力は、4.03MPa(250℃)、2.85MPa(230℃)、1.61MPa(200℃)、1.05MPa(180℃)、0.67MPa(160℃)、0.40MPa(140℃)、0.25 MPa(120℃)であった。
二次加水分解処理液に含まれる全糖、単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の含有量を測定して、原料(乾燥質量)に対する各成分の収率を算出した。結果を表5に示す。
図1に示す加水分解装置において、装置底部の向流洗浄液供給装置Wから供給管路6により洗浄水を400質量部/時で供給して、前記目開き80μmのステンレス製金網Sが設置されている一次加水分解装置R1の中間取出口Gから下方に移動する加水分解処理懸濁液と向流接触させた以外は、製造例1と同様の方法で一次加水分解処理を行った。
供給開始3時間後から、一次加水分解装置R1の中央部における目開き80μmのステンレス製金網Sが設置されている中間取出口G(加水分解処理時間1.5時間の位置)より、加水分解装置R1内の温度及び圧力を維持した状態で加水分解処理懸濁液から分離された一次加水分解処理液(260質量部/時)を加水分解処理液の移送管路3より取り出して二次加水分解装置R2へ移送した。温度調整装置T1に供給された一次加水分解処理液はT1内で温度調整した後、管路3Aより恒温装置T2に供給しT2内で10分間の滞留時間で、二次加水分解装置R2(恒温装置T2)の温度を、それぞれ250℃(製造例37)、230℃(製造例38)、200℃(製造例39)、180℃(製造例40)、160℃(製造例41)、140℃(製造例42)、120℃(製造例43)とした二次加水分解処理を実施した。尚、各製造例における恒温装置T2内の圧力は、4.03MPa(250℃)、2.85MPa(230℃)、1.61MPa(200℃)、1.05MPa(180℃)、0.67MPa(160℃)、0.40MPa(140℃)、0.25 MPa(120℃)であった。
二次加水分解処理液に含まれる全糖、単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の含有量を測定して、原料(乾燥質量)に対する各成分の収率を算出した。結果を表6に示す。
図2に示す装置により、一次加水分解装置R1から取り出された製造例1の一次加水分解処理液を、製造例4と同一の条件で二次加水分解装置R2で二次加水分解処理を行なった。但し、恒温装置T2から排出された二次加水分解処理液の冷却は行わずに、二次加水分解処理液移送管路10のバルブVBを開いて加水分解処理液をフラッシュタンクF((株)進栄技研製、容量4L)へ移送した。フラッシュタンクF(濃縮分離装置)で分離した蒸気相をコンデンサーCで冷却してフルフラール水溶液の回収管路4からフルフラール水溶液(9.9質量部/時)を取り出した。また、フラッシュタンク内の液相として糖類等含有水溶液(120質量部/時)を回収管路5により取り出した。
フラッシュタンクから得られる各水溶液に含まれる全糖、単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の含有量を測定し、原料(乾燥質量)に対する各成分の収率を算出した。結果を表7に示す。
図2に示す装置により、一次加水分解装置R1から取り出された製造例1の一次加水分解処理液を、製造例39と同一の条件で二時加水分解装置R2で二次加水分解を行なった。但し、恒温装置T2から排出された二次加水分解処理液の冷却は行わずに二次加水分解処理液の移送管路10のバルブVBを開いて二次加水分解処理液をフラッシュタンクF((株)進栄技研製、容量4L)へ移送した。フラッシュタンクF(濃縮分離装置)で分離した蒸気相をコンデンサーCで冷却してフルフラール水溶液の回収管路4からフルフラール水溶液(19.8質量部/時)を取り出した。またフラッシュタンク内の液相として糖類等含有水溶液(239質量部/時)を回収管路5より取り出した。
フラッシュタンクから得られる各水溶液に含まれる全糖、単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の含有量を測定し、原料(乾燥質量)に対する各成分の収率を算出した。結果を表8に示す。
図3に示す装置により、製造例1と同様の方法で一次加水分解を行った。次いで、上記製造例1の一次加水分解処理液を、二次反応釜BRへ移送し、二次反応釜BRで30分間の滞留時間で次のように温度条件を変えて加水分解処理を行って、製造例46(250℃)、製造例47(230℃)、製造例48(200℃)、製造例49(180℃)、製造例50(160℃)、製造例51(140℃)、製造例52(120℃)の各二次加水分解処理液を得た。尚、各製造例における反応釜内の圧力は、4.03MPa(250℃)、2.85MPa(230℃)、1.61MPa(200℃)、1.05MPa(180℃)、0.67MPa(160℃)、0.40MPa(140℃)、0.25 MPa(120℃)であった。製造例46〜52の加水分解処理液(130質量部/時)に含まれる全糖、単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の含有量を測定して、原料(乾燥質量)に対する各成分の収率を算出した。結果を表9に示す。
図4に示す装置により、一次加水分解装置R1から取り出された製造例1の一次加水分解処理液を、製造例48と同一の条件で二次反応釜BRで二次加水分解処理を行なった。次に、二次加水分解処理液の移送管路11のバルブVを開いて加水分解処理液をフラッシュタンク((株)進栄技研製、容量4L)へ移送した。フラッシュタンク(濃縮分離装置F)で分離した蒸気相をコンデンサーCで冷却してフルフラール水溶液の回収管路4からフルフラール水溶液(10質量部/時)を取り出した。また、フラッシュタンク内の液相として糖類等含有水溶液(120質量部/時)を回収管路5より取り出した。
フラッシュタンクから得られる各水溶液に含まれる全糖、単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の含有量を測定し、原料(乾燥質量)に対する各成分の収率を算出した。結果を表10に示す。
図7に示す製造工程で試験した。
<キシロース含有糖液の製造>
製造例31と同様の方法で一次加水分解処理、及び二次加水分解処理を行った。二次加水分解処理後の加水分解処理液を用いて加水分解処理液(二次加水分解処理液)に含まれる糖類の精製を行った。まず、二次加水分解処理液に水酸化カルシウムを添加し、pHを2.7とした後、生成した石膏をセラミックフィルターCEを用いて石膏と濾液に分離した。得られた濾液は、移送管路28からエバポレーター(濃縮分離装置E)に移送し、エバポレーターで液相(糖類含有)と蒸気相(フルフラール含有)に分離した。液相の全糖濃度が50質量%となるまで濃縮した。一方、蒸気相を移送管路42を経由してコンデンサーCに移送して凝縮し、フルフラールを高含量で含む濃縮液を回収管路43から取り出した。エバポレーターで分離した濃縮液(液相)を移送管路44によりセラミックフィルターCEに送り、含まれる沈殿物をセラミックフィルターCEを用いて除去して濾液を分離した。
この濾液(濃縮液)を、移送管路29から粒状活性炭(カルゴンカーボン製MS10)を充填した活性炭カラムACにSV=2の流速で通液し、脱色を行った。次に、脱色後の濃縮液を移送管路30により陽イオン交換樹脂CA(オルガノ製CT200)を充填したカラムへ通液し、さらに移送管路31から陰イオン交換樹脂AN(オルガノ製IRA96SB)を充填したカラムにSV=2で通液した。陰イオン交換樹脂ANから排出された水溶液(糖類含有)をさらに移送管路32を経由して陽イオン交換樹脂CA、移送管路33を経由して陰イオン交換樹脂ANへ通液し、回収管路34から水溶液(糖液)を回収した。得られた糖液を、エバポレーターで濃縮し、70質量%の液糖を得た。得られた液糖の420nmにおける吸光度は0、電気伝導度は0.001mS/mであった。液糖の糖組成を表11に示す。
図8に示す製造工程で試験した。
<キシロース含有糖液の製造>
製造例46と同様の方法で一次加水分解処理、及び二次加水分解処理を行った。二次加水分解後の加水分解処理液を用いて製造例54と同様の方法で液糖を製造した。エバポレーターで濃縮した70質量%の液糖の420nmにおける吸光度は0、電気伝導度は0.001mS/mであった。液糖の糖組成を表11に示す。
図8に示す製造工程で試験した。
<キシロース含有糖液の製造>
製造例46と同様の方法で一次加水分解処理、及び二次加水分解処理を行った。活性炭カラムACの代替としてフェノール・ホルムアルデヒド樹脂:合成吸着樹脂(味の素ファインテクノ社製)を用いた以外は全て製造例54と同様の方法で液糖を製造した。エバポレーターで濃縮した70質量%の液糖の420nmにおける吸光度は0、電気伝導度は0.001mS/mであった。液糖の糖組成を表11に示す。
図9に示す製造工程で試験した。
<キシロース含有糖液の製造>
製造例53と同様の方法で一次加水分解処理、及び二次加水分解処理を行い、フラッシュタンクで蒸気相と液相に分離した。フラッシュタンク内の液相に水酸化カルシウムを添加し、pHを2.7とした後、生成した石膏をセラミックフィルターCEを用いて石膏と濾液に分離した。得られた濾液は、移送管路45によりエバポレーター(濃縮分離装置E)に移送し、エバポレーターで液相(糖類含有)と蒸気相(フルフラール含有)に分離した。液相の全糖濃度が50質量%となるまで濃縮した。一方、蒸気相を移送管路48を経由してコンデンサーCに送って凝縮し、フルフラールを高含量で含む濃縮液を回収管路49から取り出した。エバポレーターで分離した濃縮液(液相)に含まれる沈殿物をセラミックフィルターCEを用いて除去し濾液を分離した。
この濾液(濃縮液)を移送管路47から粒状活性炭(カルゴンカーボン製MS10)を充填した活性炭カラムACにSV=2の流速で通液し、以下、製造例54と同様の方法で液糖を製造した。管路34から水溶液(糖液)を回収した糖液を、エバポレーターで濃縮し、70質量%の液糖を得た。エバポレーターで濃縮した70質量%の液糖の420nmにおける吸光度は0、電気伝導度は0.001mS/mであった。液糖の糖組成を表11に示す。
図5に示す装置により、製造例1と同様の方法で一次加水分解を行った。次いで、一次加水分解処理液を、二次加水分解装置R2(T1、T2)へ移送し、T1内で温度調整した後、移送管路3Aより恒温装置T2に供給し、T2内で1.05MPaの加圧下、180℃で10分間の滞留時間で加水分解処理を行って二次加水分解処理液を得た。恒温装置T2から移送管路3Bに取り出された二次加水分解処理液の冷却は行わずに、二次加水分解処理液の移送管路10のバルブVBを開いて加水分解処理液をフラッシュタンク((株)進栄技研製、容量4L)へ移送した。フラッシュタンク(濃縮分離装置)で分離した蒸気相をコンデンサーCで冷却してフルフラール水溶液の回収管路4からフルフラール水溶液(10質量部/時)を取り出した。一方、フラッシュタンク内の液相として糖類等含有水溶液(120質量部/時)を回収管路5に取り出し、糖類等含有水溶液の循環管路14を経由して二次加水分解装置R2(T1→T2)の供給口へ連続的に循環させて供給した。二次加水分解装置R2への循環を開始した時点で、一次加水分解装置R1から二次加水分解装置R2への一次加水分解処理液の送液量を10質量部/時に調節し連続的に運転(定常運転)を継続した。
定常運転(循環開始から30分後)において、フラッシュタンクから得られる各水溶液に含まれる全糖、単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の含有量を測定し、原料(乾燥質量)に対する各成分の収率を算出した。結果を表12に示す。
実施例1の方法において、フラッシュタンクで分離した糖類含有水溶液(液相)を二次加水分解装置へ循環しない試験を比較例1とした。
結果を表12に示す。
実施例1で、二次加水分解装置での滞留時間を20分に変更した以外は、実施例1と同様の方法で実施した。定常運転(循環開始から60分後)において、フラッシュタンクから得られる各水溶液に含まれる全糖、単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の含有量を測定し、原料(乾燥質量)に対する各成分の収率を算出した。結果を表13に示す。
実施例2の方法において、フラッシュタンクで分離した糖類含有水溶液(液相)を二次加水分解装置R2へ循環しない試験を比較例2とした。結果を表13に示す。
実施例1で、二次加水分解装置R2での滞留時間を30分に変更した以外は、実施例1と同様の方法で実施した。定常運転(循環開始から90分後)において、フラッシュタンクから得られる各水溶液に含まれる全糖、単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の含有量を測定し、原料(乾燥質量)に対する各成分の収率を算出した。結果を表14に示す。
実施例3の方法において、フラッシュタンクで分離した糖類含有水溶液(液相)を二次加水分解装置R2へ循環しない試験を比較例3とした。結果を表14に示す。
実施例1で、二次加水分解装置R2での滞留時間を40分に変更した以外は、実施例1と同様の方法で実施した。定常運転(循環開始から120分後)において、フラッシュタンクから得られる各水溶液に含まれる全糖、単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の含有量を測定し、原料(乾燥質量)に対する各成分の収率を算出した。結果を表15に示す。
実施例4の方法において、フラッシュタンクで分離した糖類含有水溶液(液相)を二次加水分解装置R2へ循環しない試験を比較例4とした。結果を表15に示す。
又、実施例1〜4を比較すると、二次加水分解処理の滞留時間が20分の場合(実施例2)が最もフルフラールの収率が高かった。
また、比較例1〜4で実施した二次加水分解処理工程でキシロースから新たに生成されたフルフラールの収率(対キシロース)を表17に示す。
また、比較例1〜4の実験(循環なし)で原料から生成されるフルフラール収率は、滞留時間30分が最も高かったが、キシロースから生成されるフルフラールの収率(対キシロース)は、滞留時間20分が最も高かった。以上の結果から、キシロースから生成されるフルフラール収率が最も高い滞留時間(20分)で二次加水分解を行い、フラッシュタンクで蒸気相を除去した後の加水分解処理液(オリゴ糖類、単糖類含有)を二次加水分解装置R2に循環させることにより最も効率良くフルフラールを生産できることが示唆された。
図6に示す装置により、製造例1と同様の方法で一次加水分解を行った。次いで、一次加水分解処理液を、二次反応釜BRへ移送し、二次反応釜BR内で1.05MPaの加圧下、180℃で10分間の滞留時間で加水分解処理を行って二次加水分解処理液を得た。二次反応釜BRから二次加水分解処理液の移送管路11のバルブVを開いて加水分解処理液を冷却せずに連続的にフラッシュタンク((株)進栄技研製、容量4L)へ移送した。フラッシュタンク(濃縮分離装置F)で分離した蒸気相をコンデンサーCで冷却してフルフラール水溶液の回収管路4からフルフラール水溶液(10質量部/時)を取り出した。一方、フラッシュタンク内の液相として糖類等含有水溶液(120質量部/時)を回収管路5より取り出し糖類等含有水溶液の循環管路14を経由して二次反応釜BRの供給口(管路3)へ供給し連続的に循環させた。二次反応釜BRへの循環を開始した時点で、一次加水分解装置R1から二次反応釜BRへの一次加水分解処理液の送液量を10質量部/時に調節し連続的に運転(定常運転)を継続した。
定常運転(循環開始から30分後)において、フラッシュタンクから得られる各水溶液に含まれる全糖、単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の含有量を測定し、原料(乾燥質量)に対する各成分の収率を算出した。結果を表18に示す。
実施例5の方法において、フラッシュタンクで分離した糖類含有水溶液(液相)を二次反応釜BRへ循環しない試験を比較例5とした。結果を表18に示す。
実施例5で、二次反応釜BRでの滞留時間を20分に変更した以外は、実施例5と同様の方法で実施した。定常運転(循環開始から60分後)において、フラッシュタンクから得られる各水溶液に含まれる全糖、単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の含有量を測定し、原料(乾燥質量)に対する各成分の収率を算出した。結果を表19に示す。
実施例6の方法において、フラッシュタンクで分離した糖類含有水溶液(液相)を二次反応釜BRへ循環しない試験を比較例6とした。結果を表19に示す。
実施例5で、二次反応釜BRでの滞留時間を30分に変更した以外は、実施例5と同様の方法で実施した。定常運転(循環開始から90分後)において、フラッシュタンクから得られる各水溶液に含まれる全糖、単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の含有量を測定し、原料(乾燥質量)に対する各成分の収率を算出した。結果を表20に示す。
実施例7の方法において、フラッシュタンクで分離した糖類含有水溶液(液相)を二次反応釜BRへ循環しない試験を比較例7とした。結果を表20に示す。
実施例5で、二次反応釜BRでの滞留時間を40分に変更した以外は、実施例5と同様の方法で実施した。定常運転(循環開始から120分後)において、フラッシュタンクから得られる各水溶液に含まれる全糖、単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の含有量を測定し、原料(乾燥質量)に対する各成分の収率を算出した。結果を表21に示す。
実施例8の方法において、フラッシュタンクで分離した糖類含有水溶液(液相)を二次反応釜BRへ循環しない試験を比較例8とした。
結果を表21に示す。
又、実施例5〜8を比較すると、二次加水分解処理の滞留時間が20分の場合(実施例5)が最もフルフラールの収率が高かった。
また、比較例5〜8で実施した二次反応釜BRでキシロースから新たに生成されたフルフラールの収率(対キシロース)を表23に示す。
2,3,3A,3B,7,9,10,11,28〜33,42,44〜48:移送管路
4,5,34,43,49:回収管路、
6:洗浄液の供給管路
8,14:循環管路
A:原料懸濁液の供給口
B:加水分解処理懸濁液の排出口
R1:一次加水分解装置
R2:二次加水分解装置
T1:温度調整装置
T2:恒温装置
CL:冷却装置
S:ストレーナー
BR:二次反応釜
E,F:濃縮分離装置
C:コンデンサー
G:中間取出口
W:向流洗浄液供給装置
V:バルブ
VP:減圧バルブ
VB:背圧バルブ
TA1:水溶液保管タンク
TA2:水溶液保管タンク
CE:セラミックフィルター
AC:活性炭カラム
CA:陽イオン交換樹脂カラム
AN:陰イオン交換樹脂カラム
NE:中和剤
Claims (12)
- バイオマスの水性懸濁液を連続一次加水分解装置の供給口より連続的に供給して装置内を移動させつつ単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類を生成する加圧・加熱条件でバイオマスを一次加水分解処理し、加水分解処理懸濁液を一次加水分解装置の排出口より連続的に排出するとともに、一次加水分解装置の前記供給口と前記排出口の中間位置における固−液分離装置を備えた中間取出口より、装置内の加水分解処理懸濁液から分離した一次加水分解処理液を連続的に取り出し、二次加水分解装置に送って、加圧下、120〜230℃、滞留時間1〜180分で二次加水分解処理することにより一次加水分解処理液中に含まれる単糖類成分、オリゴ糖類成分及びフルフラール類成分から選ばれる少なくとも1種の成分の含有比率を高めた二次加水分解処理液を得ることを特徴とする、バイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の連続製造方法。
- 前記二次加水分解装置における二次加水分解処理が、加圧下で、温度140〜230℃及び滞留時間5〜120分の範囲から選ばれる条件で行われることを特徴とする、請求項1に記載のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の連続製造方法。
- 前記二次加水分解装置における二次加水分解処理が、前記一次加水分解処理液中のフルフラール類成分の含有比率を高める処理であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の連続製造方法。
- 前記二次加水分解装置から得られる二次加水分解処理液を、さらに該二次加水分解処理液からフルフラール、単糖類及びオリゴ糖類を分離・精製して回収する分離・回収工程で処理することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の連続製造方法。
- 前記分離・回収工程における処理が、前記二次加水分解装置から得られる二次加水分解処理液を生成フルフラールを含有する蒸気相と単糖類及びオリゴ糖類を含有する液相に分離する濃縮分離装置による処理を含むことを特徴とする請求項4に記載のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の連続製造方法。
- 前記濃縮分離装置が、フラッシュ蒸留装置、減圧蒸留装置から選ばれる少なくとも一種の装置よりなることを特徴とする、請求項5に記載のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の連続製造方法。
- 前記分離・回収工程の前記濃縮分離装置によって得られる単糖類及びオリゴ糖類を含有する液相の少なくとも一部を前記一次加水分解処理液と共に二次加水分解装置に供給することを特徴とする、請求項5又は6に記載のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の連続製造方法。
- 前記分離・回収工程の前記濃縮分離装置による処理によって得られる単糖類及びオリゴ糖類を含有する液相の少なくとも一部を前記一次加水分解装置に供給されるバイオマスの水性懸濁液と共に一次加水分解処理装置に供給することを特徴とする、請求項5〜7のいずれか1項に記載のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の連続製造方法。
- 前記濃縮分離装置による処理によって得られる単糖類及びオリゴ糖類を含有する液相の少なくとも一部を活性炭、イオン交換樹脂、吸着樹脂から選ばれる少なくとも一種を用いて処理して単糖類、オリゴ糖類を精製することを特徴とする、請求項5〜8のいずれか1項に記載の単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の連続製造方法。
- 前記一次加水分解装置の前記排出口の近傍から水性洗浄液を一次加水分解処置内に供給して前記固−液分離装置を備えた中間取出口と前記排出口との間で加水分解処理懸濁液と向流接触させることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類、及びフルフラール類の連続製造方法。
- 前記バイオマスの水性懸濁液が、バイオマスをイオン交換水及び酸水溶液から選ばれる1種に懸濁させてなる水性懸濁液であることを特徴とする、請求項1〜10項のいずれか1項に記載のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の連続製造方法。
- 前記バイオマスが木質系バイオマスであることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の連続製造方法。
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