JP2014030419A - バイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の製造方法 - Google Patents

バイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】バイオマスを加水分解して単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類を任意の比率で製造する方法を提供する。
【解決手段】バイオマスの水性懸濁液を一次加水分解装置の供給口より連続的に供給して単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類を生成する加圧・加熱条件で一次加水分解処理し、加水分解処理懸濁液を一次加水分解装置の排出口より連続的に排出するとともに、一次加水分解装置の供給口と排出口の中間位置における固−液分離装置を備えた中間取出口より一次加水分解処理液を連続的に取り出し、二次加水分解装置に送って二次加水分解処理することにより一次加水分解処理液中に含まれる単糖類成分、オリゴ糖類成分及びフルフラール類成分から選ばれる少なくとも1種の成分の含有比率を高めた二次加水分解処理液を得る。
【選択図】 図1

Description

本発明は、バイオマスの一次加水分解装置で得られる単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類を含有する一次加水分解処理液を、二次加水分解装置でさらに二次加水分解処理することにより、一次加水分解処理液中の単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類からなる各成分の生産量をコントロールする方法に関する。
バイオマス資源は、水と炭酸ガスと太陽エネルギーから光合成により生産される有機資源であり、エネルギー源または化学原料として利用可能である。バイオマス資源は、バイオマス資源から生産される生産物の生産量と生産物の利用量を調和させることができれば、炭酸ガスの排出量を増加させないで利用できる再生可能資源である。
バイオマスとは、生活や産業活動を営む過程で不要物として排出される有機性廃棄物である「廃棄物系バイオマス」、農地にすき込まれたり、山林に放置されたりする農作物の非食用部(例えば、トウモロコシの茎・葉など)や間伐材などの「未利用バイオマス」、食料や木材の生産を目的とせず、物質・エネルギー資源を得ることを目的として、現在の休耕地や未利用地などで栽培される植物である「資源作物」、従来からの手法による品種改良や遺伝子組換技術によって生産性などの機能が改善された資源作物である「新作物」などを指す。
バイオマスは、セルロース、ヘミセルロース、リグニン、細胞内含有成分等の成分により構成されており、成分比はバイオマスの種類によって異なっている。例えば、木質系バイオマスは、約50%のセルロース、20−25%のヘミセルロース、20−25%のリグニン、約5%の細胞内含有成分から構成されている。これらの成分は工業的な利用が可能である。
例えば、セルロースは製紙用パルプ、あるいは溶解用パルプとして利用できる。また、セルロースはグルコースの重合体であるので、セルロースからグルコースやセロオリゴ糖を得ることができる。グルコースはエタノールや乳酸の発酵原料、セロオリゴ糖は機能性食品として利用可能である。グルコースを還元して得られた糖アルコール(ソルビトール)は、冷涼感を有する甘味料として広く利用されており、最近ではバイオマス由来プラスチック原料としても注目されている(非特許文献1)。
一方、ヘミセルロースは、キシラン、マンナン、あるいはガラクタンなどから構成される高分子ヘテロ多糖類であり、キシロース、アラビノース、マンノース、ガラクトース等から構成されている。ヘミセルロースからキシロース、アラビノースなどの単糖やキシロオリゴ糖などのオリゴ糖を得ることができる。また、キシロース等の単糖類は、グルコースと同様に発酵原料として用いることも可能である。キシロースを還元して得られるキシリトールは、糖尿病患者用の輸液や、虫歯になりにくい甘味料としてチューインガム等に配合されている。マンノースを還元して得られるマンニトールは、甘味料として利用されており、また、利尿作用、脳関門を開き脳圧を低下させる作用、薬剤の脳内への輸送を促進する作用が報告されている(非特許文献2)。
更に、キシロースやアラビノース等の五炭糖をフルフラールに変換することが可能であり、グルコースやマンノースなどの六炭糖を5−ヒドロキシメチルフルフラールに変換することが可能である。これらのフルフラール類は、医薬品の中間体、プラスチック原料、フルフリルアルコールの原料(フラン樹脂の原料)として用いることが可能である。5−ヒドロキシメチルフルフラールを酸化して得られる2,5−フランジカルボン酸は、テレフタル酸の代替物質としてポリエステルのモノマーとしての利用が期待されている。また、5−ヒドロキシメチルフルフラールの水素化分解によって得られる2,5−ジメチルフランは、ガソリン代替燃料としての利用が期待されている。米国エネルギー省では、バイオマス資源からバイオプロセスを主要技術として開発可能であり産業として成立する可能性の高い化学品としてキシリトール、ソルビトール、2,5−フランジカルボン酸などの12種の化成品を挙げている(非特許文献3)。
バイオマスを加圧熱水処理することによりバイオマスを構成する成分を分解、抽出することができる。加圧熱水とは、温度が100−374℃であり、飽和蒸気圧以上に加圧した高温高圧の液体状態の水のことである。加圧熱水に対するバイオマス構成成分の反応性の違いを利用することで、バイオマスの構成成分の分離を行うことが可能である。例えば、加圧熱水の温度が100−140℃においては、細胞内有用成分(タンニン、テルペン、有機酸)や水溶性リグニンを回収できることが報告されている。また、加圧熱水の温度が140−230℃においては、ヘミセルロースに由来するオリゴ糖や、キシロース、アラビノース、マンノース、ガラクトースなどの単糖類を回収できることが報告されている(特許文献1、特許文献2、非特許文献4〜6)。
上記の加圧熱水処理のうち、溶解パルプ製造時にクラフト蒸解法の前工程として用いられる加圧熱水処理は、前加水分解工程と呼ばれる。バイオマスから溶解パルプを製造するには、バイオマス中のヘミセルロースとリグニンを選択的に除去し、セルロース純度を高める必要がある。パルプ製造時の前加水分解は、セルロースの分解を抑制し、ヘミセルロースのみを分解する条件で実施される。前加水分解工程では、バイオマスに水を加えて加熱するだけで、ヘミセルロース中のアセチル基が脱離して酢酸を生成し、酸性となり酸加水分解が進む。ヘミセルロースには、六炭糖であるマンノース、グルコース、ガラクトース、五炭糖であるキシロース、アラビノースが構成糖として含まれている。
前加水分解工程において、ヘミセルロースが加水分解すると上記の糖から構成されるオリゴ糖類が生成される。また、オリゴ糖の加水分解がさらに進むと単糖が生成される。これらの糖の中で、五炭糖であるキシロース、アラビノースは、3分子の脱水反応によりフルフラールに変換される(非特許文献7)。バイオマスを前加水分解処理した後の加水分解物(固形分)は、後段のクラフト蒸解工程で加水分解物中に残存するリグニン及びヘミセルロースが除去され、更に次工程で漂白処理を行うことで高純度のセルロース(溶解パルプ)が得られる。
前述のように前加水分解工程では、溶解パルプ(セルロース)を効率よく製造することが第1の目的であるため、前加水分解の条件は、溶解パルプの製造に適した条件で実施される。一般的には、原料チップ(乾燥重量)に対して2〜5程度の液比で水を加え、150℃〜180℃で1〜数時間処理される。また、原料の種類や目的とする溶解パルプの品質に応じて適した前加水分解条件が設定される。従って、前加水分解後の反応液に含まれるオリゴ糖類、単糖類、フルフラール類の比率は目的の比率にはなっていないため、目的の成分を効率的に生産することができないという問題がある。もし、ヘミセルロースに由来するオリゴ糖類、単糖類、フルフラール類の生産比率を任意にコントロールすることができれば、これらの成分の需要に合わせた生産が可能となる。工業的規模での実用化を目指す場合、目的とする必要な成分のみを効率的に生産することができるため経済性の面でも有利である。
バイオマスを原料として加圧熱水処理により生産物の生産量をコントロールする技術として、バイオマスへの加圧熱水の供給量を変更することによりヘミセルロース分解物とセルロース分解物の生産量の比率をコントロールする方法(特許文献3)、バイオマスを第1加水分解工程で主にヘミセルロースを分解し、第1工程の残渣を第2加水分解工程で主にセルロースを分解する方法(特許文献4)、バイオマスを140〜230℃で加圧熱水処理しヘミセルロースを分解抽出後、前記以上の温度で加圧熱水処理しセルロースを分解抽出する方法(特許文献2)が報告されている。しかし、バイオマスを加水分解して同時に得られた単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の各成分の生産比率をコントロールする技術は開示されていない。
特開平10−327900号公報 特開2002―59118号公報 特開2011−144337号公報 特開2010−253348号公報
望月政嗣、大島一史、「バイオプラスチックの素材・技術最前線」p.p.114 岡田弘晃、「製剤設計及び革新的薬物送達システム(DDS)における創薬」YAKUGAKU ZASSHI、131、p.p.1271 (2011) Top Value Added Chemicals from Biomass Volume I−Results of Screening for Potential Candidates from Sugars and Synthesis Gas、DOE、Aug.2004 柴田 昌男、「バイオマス利用技術の開発を目指して−加圧熱水による処理技術−」、平成13年度産業技術総合研究所九州センター研究講演会要旨集 坂木 剛、「加圧熱水によるバイオマスの成分分離」Vol.7、 ページ245−248、日本エネルギー学会講演要旨集、1998年 安藤 浩毅、外5名、「加圧熱水を用いた木質バイオマスの分解挙動」、鹿児島県工業技術センター研究報告 No.14,ページ、2000 Furfural:Hemicellulose/xylosederived biochemical, Ajit Singh Mamman, Biofuels Bioproducts and Biorefining, Volume 2,Issue 5,p.p.438−454 (2008)
本発明の課題は、バイオマスから連続的に加水分解して単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類を製造する工程において、加水分解処理懸濁液から分離した単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類を生成成分として含有する加水分解処理液をさらに処理して、該生成成分中の特定成分の収率を向上せしめることを可能とする方法を提供することにある。
本発明者らは、原料バイオマスを含有する水性懸濁液を連続式加水分解装置の原料供給口から連続的に供給し、装置内を移動する間に単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類を生成する加圧、加熱条件下で加水分解処理し、加水分解処理バイオマスと加水分解生成物含有水溶液からなる加水分解処理懸濁液を加水分解装置の排出口から連続的に取り出す方法において、連続式加水分解装置の中間位置における加水分解処理懸濁液から加水分解液を分離して取り出し、二次加水分解装置に送って、加圧下、120〜230℃、滞留時間1〜180分で二次加水分解処理することにより、一次加水分解処理液中に含まれる単糖類成分、オリゴ糖類成分及びフルフラール類成分から選ばれる少なくとも1種の成分の含有比率を高めた二次加水分解処理液を得ることができることを見出し、下記の発明を完成するに至ったものである。
(1)バイオマスの水性懸濁液を連続一次加水分解装置の供給口より連続的に供給して装置内を移動させつつ単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類を生成する加圧・加熱条件でバイオマスを一次加水分解処理し、加水分解処理懸濁液を一次加水分解装置の排出口より連続的に排出するとともに、一次加水分解装置の前記供給口と前記排出口の中間位置における固−液分離装置を備えた中間取出口より、装置内の加水分解処理懸濁液から分離した一次加水分解処理液を連続的に取り出し、二次加水分解装置に送って、加圧下、120〜230℃、滞留時間1〜180分で二次加水分解処理することにより一次加水分解処理液中に含まれる単糖類成分、オリゴ糖類成分及びフルフラール類成分から選ばれる少なくとも1種の成分の含有比率を高めた二次加水分解処理液を得ることを特徴とする、バイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の連続製造方法。
(2)前記二次加水分解装置における二次加水分解処理が、加圧下で、温度140〜230℃及び滞留時間5〜120分の範囲から選ばれる条件で行われることを特徴とする、(1)項に記載のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の連続製造方法。
(3)前記二次加水分解装置における二次加水分解処理が、前記一次加水分解処理液中のフルフラール類成分の含有比率を高める処理であることを特徴とする、(1)項又は(2)項に記載のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の連続製造方法。
(4)前記二次加水分解装置から得られる二次加水分解処理液を、さらに該二次加水分解処理液からフルフラール、単糖類及びオリゴ糖類を分離・精製して回収する分離・回収工程で処理することを特徴とする、(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の連続製造方法。
(5)前記分離・回収工程における処理が、前記二次加水分解装置から得られる二次加水分解処理液を生成フルフラールを含有する蒸気相と単糖類及びオリゴ糖類を含有する液相に分離する濃縮分離装置による処理を含むことを特徴とする(4)項に記載のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の連続製造方法。
(6)前記濃縮分離装置が、フラッシュ蒸留装置、減圧蒸留装置から選ばれる少なくとも一種の装置よりなることを特徴とする、(5)項に記載のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の連続製造方法。
(7)前記分離・回収工程の前記濃縮分離装置によって得られる単糖類及びオリゴ糖類を含有する液相の少なくとも一部を前記一次加水分解処理液と共に二次加水分解装置に供給することを特徴とする、(5)項又は(6)項に記載のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の連続製造方法。
(8)前記分離・回収工程の前記濃縮分離装置による処理によって得られる単糖類及びオリゴ糖類を含有する液相の少なくとも一部を前記一次加水分解装置に供給されるバイオマスの水性懸濁液と共に一次加水分解処理装置に供給することを特徴とする、(5)項〜(7)項のいずれか1項に記載のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の連続製造方法。
(9)前記濃縮分離装置による処理によって得られる単糖類及びオリゴ糖類を含有する液相の少なくとも一部を活性炭、イオン交換樹脂、吸着樹脂から選ばれる少なくとも一種を用いて処理して単糖類、オリゴ糖類を精製することを特徴とする、(5)項〜(8)項のいずれか1項に記載の単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の連続製造方法。
(10)前記一次加水分解装置の前記排出口の近傍から水性洗浄液を一次加水分解処置内に供給して前記固−液分離装置を備えた中間取出口と前記排出口との間で加水分解処理懸濁液と向流接触させることを特徴とする、(1)項〜(9)項のいずれか1項に記載のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類、及びフルフラール類の連続製造方法。
(11)前記バイオマスの水性懸濁液が、バイオマスをイオン交換水及び酸水溶液から選ばれる1種に懸濁させてなる水性懸濁液であることを特徴とする、(1)〜(10)項のいずれか1項に記載のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の連続製造方法。
(12)前記バイオマスが木質系バイオマスであることを特徴とする、(1)項〜(11)項のいずれか1項に記載のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の連続製造方法。
本発明によれば、バイオマスを水性懸濁液の状態で連続的に一次加圧加水分解処理することによって得られる加水分解処理懸濁液から固−液分離によって分離される単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類を含有する加水分解処理液を二次加水分解処理することにより一次加水分解処理液中に含まれる単糖類成分、オリゴ糖類成分及びフルフラール類成分から選ばれる少なくとも1種の成分の含有比率を高めた二次加水分解処理液を得る方法が提供される。
本発明のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の連続製造方法を実施するための装置の一例を示す図である。 本発明のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の連続製造方法を実施するための装置の一例を示す図である。 本発明のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の連続製造方法を実施するための装置の一例を示す図である。 本発明のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の連続製造方法を実施するための装置の一例を示す図である。 本発明のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の連続製造方法を実施するための装置の一例を示す図である。 本発明のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の連続製造方法を実施するための装置の一例を示す図である。 本発明のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の連続製造方法を実施するための装置の一例を示す図である。 本発明のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の連続製造方法を実施するための装置の一例を示す図である。 本発明のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の連続製造方法を実施するための装置の一例を示す図である。
以下、本発明の単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の製造方法をさらに詳しく説明する。
(バイオマスの種類)
本発明で用いるバイオマスとしては、五炭糖を構成糖として含む材料であれば、特に制限なく使用することができる。例えば、木質系原料であれば、樹木、林地残材、間伐材、廃材等のチップ又は樹皮、製材工場等から発生するおが屑、街路樹の剪定枝葉、建築廃材等が挙げられ、広葉樹、針葉樹共に用いることができる。草本系として、ケナフ、稲藁、麦わら、コーンコブ、バガス等の農産廃棄物、油用作物やゴム等の工芸作物の残渣及び廃棄物(例えば、EFB: Empty Fruit Bunch)、草本系エネルギー作物のエリアンサス、ミスカンサスやネピアグラス等のリグノセルロース系バイオマスが挙げられる。また、バイオマスとしては、木材由来の紙、古紙、パルプ、パルプスラッジ、スラッジ、下水汚泥等、食品廃棄物、等を原料として利用することができる。これらのバイオマスは、単独、あるいは複数を組み合わせて使用することができる。また、バイオマスは、乾燥固形物であっても、水分を含んだ固形物であっても、スラリーであっても用いることができる。バイオマスが乾燥固形物または水分を含んだ固形物であれば、水と混合させスラリー状態にした後に、加水分解反応装置に供給することが好ましい。
(一次加水分解装置)
本発明の方法で用いる一次加水分解装置は、連続的にバイオマスを加圧・加熱条件下に加水分解処理することができると共に、加水分解処理されたバイオマスと単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類及びその他の有機酸等の加水分解生成物を含む水溶液とよりなる加水分解処理懸濁液から、加水分解生成物を含む水溶液よりなる加水分解処理液、好ましくは、加水分解処理温度と圧力を維持した状態の加水分解処理液を連続的に分離して取り出すことができる加圧、加熱加水分解処理装置である。
上記一次加水分解装置としては、図1に示すように、バイオマスと水よりなる水性懸濁液原料の供給管路1が接続されている供給口Aと加水分解処理されたバイオマスを含有する加水分解処理懸濁液を排出する移送管路2が接続されている排出口Bと、該原料懸濁液の供給口と加水分解処理懸濁液の排出口との中間部において、単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類を生成する圧力及び温度条件下で懸濁液中のバイオマスが加水分解処理されている加水分解処理懸濁液から、水溶性の加水分解生成物を含有する水溶液からなる加水分解処理液部分を連続的に分離して取り出すことができる固−液分離装置Sを備えた中間取出口Gを持つ塔式の加水分解装置R1が挙げられる。
図1の装置においては、原料バイオマスは、水性懸濁液原料の供給管路1が接続されている供給口Aより水性懸濁液の状態で加圧・加熱加水分解装置R1内に連続的に供給され、加水分解処理を受けながら装置内を移動し、他方の加水分解処理懸濁液を排出する移送管路2が接続されている排出口Bから加水分解処理されたバイオマスを含有する加水分解処理懸濁液として連続的に排出されるとともに、供給口Aから排出口Bに至る装置の中間取出口Gにおいて、固−液分離装置Sにより装置内を移動する加水分解処理懸濁液から水溶性の加水分解生成物を含有する加水分解処理液の部分が分離され、好ましくは、加水分解処理の圧力と温度を維持したまま連続的に移送管路3に取り出されて二次加水分解装置R2に送られる。
固−液分離装置Sとしては、メッシュ(網目)が10μm〜5cmの範囲のストレーナーやフィルターが採用される。ストレーナーとしては、目詰まりのトラブルの回避と分離される水溶液中への懸濁物質の随伴を極力避けるために40〜500μmの範囲のストレーナーが好適に採用される。
図1に示されているように、洗浄液供給装置Wから供給管路6により加水分解装置R1の底部に洗浄液を供給して、加水分解装置R1の中間取出口Gの設置箇所から底部排出口方向に移動する加水分解処理懸濁液と向流接触させることができる。供給管路6からの洗浄液は、連続的に供給しても良いし、断続的に供給しても良い。洗浄液供給管路6からの洗浄液としては、水や酸を含む水溶液を用いることが望ましいが、中間取出口Gから移送管路3に取り出される加水分解処理液に悪影響を及ぼさない水溶液であれば特に制限なく用いることができる。底部に供給された洗浄液は、加水分解物の移動方向とは逆に下部から上部へ移動し、装置中間の固−液分離装置Sを備えた中間取出口Gから加水分解処理液と混合状態で移送管路3に取り出される。
上記のような向流洗浄操作を採用することによって、上部から下部へ移動する加水分解処理されたバイオマスを含有する水性懸濁液であって、前記固−液分離装置Sで加水分解処理液の一部分が除かれている、加水分解処理懸濁液中の加水分解生成物(単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類)を洗浄液中に移行させて前記中間取出口Gから移送管路3に取り出される加水分解処理液として回収できるので、加水分解処理バイオマスに随伴されて加水分解装置R1の底部の加水分解処理懸濁液とともに管路2から排出される加水分解物の損失が抑制されるというメリットがある。
(一次加水分解条件)
本発明の方法において、一次加水分解装置R1内での加水分解処理は、加圧下における熱水処理、酸処理、アルカリ処理等の方法を用いて行うことができるが、生成する単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類を効率的に回収するためには、加圧、加熱状態の水又は酸水溶液を用いた処理が望ましい。加圧、加熱状態の水による処理の場合、バイオマスを水と混合し、加圧、加熱して加水分解を行う。酸水溶液処理の方法としては、バイオマスを酸を含む水と混合し、加圧、加熱して加水分解を行う。酸水溶液処理で用いる酸は特に限定されないが、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、酢酸、シュウ酸等を用いることができる。
加水分解処理に供するバイオマスを含有する水性懸濁液のpHは0.5〜5.0の範囲が好ましい。
加水分解処理の温度としては、120〜250℃で行うことができるが、140〜230℃が好ましく、150〜180℃がより好ましい。
加水分解処理の圧力は、0.35MPa〜2.8MPaであることが好ましい。
バイオマスと混合する水性液体とバイオマスの質量比(水性液体/バイオマス)は2〜8の範囲が好ましい。バイオマスと水性液体を混合して水性懸濁液原料を調製し、加水分解装置に供給して加水分解装置内で所定の温度と圧力で加水分解処理する。
バイオマスの加水分解処理時間は、バイオマスの種類や一次加水分解装置R1内の温度等に応じて適宜選択できる。例えば、140〜230℃で加水分解処理する場合、加水分解処理時間は0.5〜180分の範囲で適宜選択される。
以上の条件下での加水分解処理により、セルロースを主体とする加水分解処理バイオマスと、バイオマス由来の加水分解生成物であるフルフラール、オリゴ糖類、単糖類などを含有する加水分解処理液よりなる加水分解処理懸濁液が得られる。
生成するフルフラール類としては、フルフラール、5−ヒドロキシメチルフルフラール等が挙げられる。生成するオリゴ糖類としては、キシロオリゴ糖、セロオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖等が挙げられ、前記オリゴ糖にアラビノース、マンノース、グルコース、キシロース、グルクロン酸、4−O−メチルグルクロン酸等が側鎖として付加したオリゴ糖も含まれる。生成する単糖類としては、キシロース、アラビノース、グルコース、ガラクトース、マンノース等が挙げられる。
一次加水分解装置R1内で加水分解処理されたバイオマスを含有する加水分解処理懸濁液は、一次加水分解装置R1の中間取出口Gに設置されている固−液分離装置Sにより水溶性の加水分解生成物を含有する水溶液からなる加水分解処理液の一部が分離されて移送管路3に取り出された後の残りの懸濁液として一次加水分解装置R1の加水分解処理懸濁液の排出口Bに接続されている加水分解処理懸濁液の移送管路2から装置外に排出される。一次加水分解装置R1の中間取出口Gの固−液分離装置Sから前記排出口Bに移動する加水分解処理されたバイオマスを含有する加水分解処理懸濁液を、洗浄液供給装置Wから供給管路6により一次加水分解装置R1内に供給する洗浄液と向流接触させることによって洗浄して加水分解処理懸濁液排出口Bから排出することもできる。
一次加水分解装置R1から移送管路2に排出された加水分解処理懸濁液中のバイオマスよりなる固形分は、バイオマス由来の有用成分の製造原料として再利用することができる。
また、移送管路7によって蒸解工程に送られてパルプの製造原料として用いることができるので、本発明の加水分解方法は、溶解パルプ製造工程でクラフト蒸解の前工程である前加水分解工程とすることもできる。
溶解パルプの製造を目的として一次加水分解装置R1での一次加水分解処理(前加水分解)を行う場合、一次加水分解処理は溶解パルプの製造に適した条件(セルロースの過分解を防ぐ条件)で行われるため、副産物として得られるフルフラール類、オリゴ糖類、単糖類は、一次加水分解処理のみでは効率よく生産することができないという問題がある。従って、一次加水分解装置R1で得られた加水分解処理液に二次加水分解を施すことにより、パルプ生産と同時にフルフラール類、オリゴ糖類、単糖類を効率よく生産することが可能になる。
一次加水分解装置R1から移送管路3に取り出された一次加水分解処理液を、加水分解処理温度と圧力を保持した状態で直接二次加水分解装置に供給することもできるし、また、減圧濃縮装置等の濃縮装置を用いて一次加水分解処理液を濃縮してから二次加水分解装置に供給することもできる。
(二次加水分解装置)
本発明の方法で用いる二次加水分解装置は、連続的あるいは断続的に一次加水分解処理液を加圧・加熱条件下に加水分解処理することができる加水分解装置である。二次加水分解装置の形態は特に限定されないが、例えば、図1に示すような一次加水分解処理液の温度を調節するための温度調整装置T1、移送管路3A、温度を一定に維持するための恒温装置T2、移送管路3Bから構成される二次加水分解装置R2が挙げられる。二次加水分解装置R2の後に移送管路3Bに取り出された加水分解後の加水分解処理液を冷却するための冷却装置CLを設置し加水分解液を冷却してもよい。また、二次加水分解装置としては図3に示すような反応釜BRが挙げられる。
図1の装置においては、一次加水分解処理液は、一次加水分解処理液の移送管路3が接続されている一次加水分解装置R1の中間取出口Gより水溶液の状態で加圧・加熱加水分解が行われる二次加水分解装置R2の温度調整装置T1に連続的に供給され、移送管路3Aを経て恒温装置T2で加水分解処理を受けながら装置内を移動し、他方の移送管路3Bに取り出され、必要に応じて冷却装置CLで冷却されて二次加水分解処理液の移送管路10から連続的に排出される。
図3の装置においては、一次加水分解処理液は、一次加水分解処理液の移送管路3が接続されている一次加水分解装置R1の中間取出口Gより水溶液の状態で加圧・加熱加水分解が行われる二次反応釜BRに連続的あるいは断続的に供給され、反応釜BR内で加水分解処理を受けながら装置内を移動し、他方の二次加水分解処理液の移送管路11が接続されている排出口から排出される。
前記二次加水分解装置は、複数の装置を並列で設置することもでき、一次加水分解処理液を複数の二次加水分解装置で同時に処理することもできる。
一次加水分解装置R1内の圧力が二次加水分解装置内の圧力より高い場合は、減圧バルブVPにより二次加水分解装置へ一次加水分解処理液を移送する。一方、一次加水分解装置R1内の圧力が二次加水分解装置内の圧力より低い場合は、ポンプを用いてバルブVにより二次加水分解装置へ一次加水分解処理液を移送する(図示せず)。二次加水分解処理液は冷却装置CLにより冷却してから排出することもできるし、冷却せずに背圧弁VBにより系外に排出することもできる。二次加水分解装置R2に一次加水分解処理液が供給される前に一次加水分解処理液のpHを調整する為の酸又はアルカリ薬液を供給できる装置を移送管路3に接続していてもよい。二次加水分解処理液は、連続的に次工程、例えば、生成フルフラールの濃縮回収工程等へそのまま送液することもできるし、タンク等に貯蔵することもできる。
(二次加水分解条件)
本発明の方法において、二次加水分解装置での加水分解処理は、加圧下における熱水処理、酸処理、アルカリ処理等の方法を用いて行うことができるが、生成する単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類を効率的に回収するためには、加圧、加熱状態の水又は酸水溶液を用いた処理が望ましい。加圧、加熱状態の水による処理の場合、バイオマスを水と混合し、加圧、加熱して加水分解を行う。酸水溶液処理の方法としては、バイオマスを酸を含む水と混合し、加圧、加熱して加水分解を行う。酸水溶液処理で用いる酸は特に限定されないが、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、酢酸、シュウ酸等を用いることができる。
二次加水分解に供する一次加水分解処理液のpHは0.5〜5.0の範囲が好ましい。
加水分解処理の温度としては、120〜250℃で行うことができるが、140〜230℃が好ましく、160〜200℃がより好ましい。230℃を超えるとフルフラールが重合しフルフラールの損失が進む傾向があるため好ましくない。圧力は、0.35〜2.8MPaであることが好ましい。
二次加水分解装置に供給された一次加水分解処理液の滞留時間(二次加水分解装置R2の場合は、二次加水分解装置R2の温度を一定に維持しているT2部分を通過する時間)は、1〜180分が好ましく、5〜120分がより好ましい。二次加水分解装置に供給された一次加水分解処理液は、二次加水分解装置内で所定の温度で所定の時間、処理されることにより、単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類が目的とする比率で含まれている加水分解処理液が得られる。
二次加水分解処理液は、濃縮分離装置等により単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類を分離し精製して回収するための分離・回収工程に連続的に送ることもできるし、タンク等に貯蔵することもできる。
(単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の分離回収)
図2の本発明の方法を実施する装置は、二次加水分解処理液中に含まれるフルフラールの濃縮分離装置Fを備えている。二次加水分解装置R2(T2)からの二次加水分解処理液は、冷却装置CLでの冷却を行うことなく、移送管路10によって直接濃縮分離装置Fに送られ、そこでフラッシュ蒸留が行われる。
図4の装置は、二次反応釜BRから送られた二次加水分解処理液を冷却することなく、移送管路11によって直接分離・精製工程の濃縮分離装置Fに送り、そこでフラッシュ蒸留が行われる例を示している。
濃縮分離装置Fとしては、フラッシュタンク、フラッシュサイクロン、蒸留塔、エバポレーター等が使用される。二次加水分解装置R2からのエネルギーを利用して濃縮を行うには、フラッシュタンク、フラッシュサイクロンが望ましい。フラッシュタンク内では、二次加水分解装置内の圧力と温度を維持したまま送られた加水分解生成物を含有する水溶液からなる加水分解処理液がフラッシュ蒸留により気−液分離され、タンク頂部から移送管路9に取り出される蒸気相は凝縮器C(コンデンサー)で凝縮されてフルフラールを含有する水溶液がフルフラール水溶液の回収管路4より回収され、フラッシュタンク底部の糖類等含有水溶液の回収管路5からは、加水分解生成物であるオリゴ糖類や単糖類からなる糖類や酢酸等の有機酸を含有する水溶液が回収される。
フラッシュ蒸留(又はフラッシュ蒸留以外の蒸留)で分離された蒸気相には液相よりも高濃度でフルフラールが含まれており、この蒸気相をコンデンサー等の冷却装置により冷却して濃度の高いフルフラール水溶液として回収することができる。
本発明では、濃縮分離装置Fとしてフラッシュ蒸留装置以外の蒸留装置を用いることもできる。
図5又は図6に示すように、濃縮分離装置Fの底部の管路5から回収される糖類等含有水溶液の全量又は一部を循環管路14を経由して二次加水分解装置への一次加水分解処理液の移送管路3に連続的に供給し、二次加水分解装置で二次加水分解を行う。フルフラールを効率的に生産するためには、回収管路5により取り出される糖類等含有水溶液の全量を循環管路14により二次加水分解装置へ供給することが望ましい。フラッシュタンクでフルフラールが除かれたオリゴ糖類、単糖類を含む水溶液を二次加水分解装置に連続的に循環させることにより新たにオリゴ糖類、単糖類からフルフラールが生成されるため、フルフラールの生産効率を高めることができる。
循環管路14には回収管路5に取り出される糖類等含有水溶液を保管するための水溶液保管タンクTA2を設置しても良い。タンクTA2に保管した水溶液を必要に応じて二次加水分解装置の供給口(移送管路3)へ供給することができる。
二次加水分解装置を複数並列で設置する場合は、各々の二次加水分解装置に対して循環管路14を独立させて設置することができる。
フルフラールのみを効率的に生産しようとする場合、前記二次加水分解処理でキシロースからフルフラールへの変換効率の高い二次加水分解条件を設定することが望ましい。キシロースからフルフラールへの変換効率を高めるためには、二次加水分解処理の温度を、160〜200℃、二次加水分解装置に供給された一次加水分解処理液の滞留時間を、1〜40分に設定することが望ましい。キシロースからフルフラールへの変換効率が高い条件で二次加水分解を行い、得られた二次加水分解処理液を濃縮分離装置Fで蒸気相を除いた水溶液(液相)を二次加水分解装置に循環させることによりフルフラールの生産効率を高めることができる。
濃縮分離装置Fから回収管路5に取り出される糖類等含有水溶液は、水溶性の加水分解生成物であるオリゴ糖類や単糖類からなる糖類や酢酸等の有機酸を含有する水溶液である。この水溶液に含まれている酢酸はバイオマスの加水分解反応を促進する物質であるし、糖類の中には加水分解反応条件でフルフラールを生成する五炭糖類等も含まれていることから、図2又は図4に示すように、循環管路8により水性懸濁液原料供給管路1に循環して懸濁液調製用水性液体の一部として利用することもできる。循環管路8には前記水性液を保管するための水溶液保管タンクTA1を設置しても良い。タンクTA1に保管した水性液を必要に応じて水性懸濁液原料の供給管路1へ供給することができる。
二次加水分解装置を複数並列で設置する場合は、各々の二次加水分解装置に対して循環管路8を独立させて設置することができる。
(オリゴ糖類、単糖類の分離・精製工程)
二次加水分解処理液あるいは前記の濃縮分離装置Fで分離した後の水溶液(液相)に含まれる単糖類及びオリゴ糖類は、一般的な糖の精製プロセスによって分離・精製することができる。
図7に示す本発明の方法を実施する装置は、図1に示す加水分解装置より得られる二次加水分解処理後の加水分解処理液を用いて二次加水分解処理液に含まれる糖類の精製を行ってオリゴ糖類と単糖類を分離し、精製して回収する装置を有している。
二次加水分解装置から移送管路3Aに取り出した二次加水分解処理液は冷却装置CLで冷却した後、移送管路10によりセラミックフィルターCEを経て、蒸留装置等よりなる濃縮分離装置Eに送られる。移送管路10には、必要に応じて、中和剤NEを供給して二次加水分解処理液中の酸類を中和することができる。
濃縮分離装置Eはフルフラール類と糖類を分離する装置であり、たとえば蒸留装置よりなる。濃縮分離装置Eから蒸気相として取り出したフルフラール類は蒸気相の移送管路42によりコンデンサーCに送り、凝縮して高濃度フルフラール水溶液を回収管路43より回収する。
濃縮分離装置Eでフルフラール類を分離した残りの濃縮された糖類含有液は、移送管路44に取り出し、必要に応じてセラミックフィルターCEで残る固形分を除去した後、移送管路29により一群の精製処理装置を有する精製処理工程に送って処理する。
図7には、一群の糖液精製処理装置として、最初に活性炭カラムACで処理(脱色)し、移送管路30により陽イオン交換樹脂カラムCAに送って処理し、陽イオン交換樹脂カラムCAより取り出した処理液を移送管路31により陰イオン交換樹脂カラムANに送って処理し、処理した液を取り出して移送管路32により陽イオン交換樹脂カラムCAに送って処理し、処理した液を取り出して移送管路33により陰イオン交換樹脂カラムANに送って処理し、精製糖類含有液を回収管路34より取り出す装置を示している。
図8に示す本発明の方法を実施する装置は、図3に示す加水分解装置より得られる二次加水分解処理後の加水分解処理液を用いて二次加水分解処理液に含まれる糖類の精製を行ってオリゴ糖類と単糖類を含有する糖類含有液を精製して回収する装置を示している。
二次加水分解装置から移送管路11に取り出した二次加水分解処理液は、必要に応じて中和剤NEを供給した状態で、必要に応じてセラミックフィルターCEで固形分を除去した後、移送管路28により蒸留装置等よりなる濃縮分離装置Eに送られる。
濃縮分離装置Eはフルフラール類と糖類とを分離する装置であり、たとえば蒸留装置よりなる。濃縮分離装置Eから蒸気相として取り出したフルフラール類は蒸気相の移送管路42によりコンデンサーCに送り、凝縮して高濃度フルフラール水溶液として回収管路43より回収する。
濃縮分離装置Eでフルフラール類を分離した残りの糖類含有濃縮液は、移送管路44に取り出し、必要に応じてセラミックフィルターCEで残る固形分を除去した後、移送管路29により一群の糖類含有液の精製処理装置に送って処理する。
図8には、一群の糖類含有液の精製処理装置として、図7に示されているものと同様の一群の糖液精製処理装置を有する糖類含有液の精製処理装置が示されている。
図9に示す本発明の方法を実施する装置は、図4に示す加水分解装置より得られる二次加水分解処理後の加水分解処理液を用いて二次加水分解処理液に含まれる糖類の精製を行ってオリゴ糖類と単糖類を分離し、精製して回収する装置を有している。
二次反応釜BRから送られた二次加水分解処理液は、冷却することなく移送管路11によって直接濃縮分離装置Fに送り、そこでのフラッシュ蒸留が行って気−液分離し、濃縮分離装置Fの頂部から移送管路9によりフルフラール類を含有する蒸気相を移送管路9に取出し、コンデンサーCで凝縮して回収管路4よりフルフラール類含有液を回収する。他方、濃縮分離装置Fの底部からは糖類含有濃縮液を移送管路5に取出し、必要に応じて中和剤NEを添加し、必要に応じてセラミックフィルターCEで固形分を除去した後、移送管路45により濃縮分離装置Eに送られる。濃縮分離装置Eでは、糖類含有濃縮液中に残存するフルフラール類を含有する蒸気相を移送管路48に取出してコンデンサーCを経て回収管路49よりフルフラール類含有液として回収し、濃縮分離装置Eから移送管路46に糖類含有濃縮液が取り出し、セラミックフィルターCEで更に固形分を除いて、移送管路47に取り出し、そこから、図7、図8に示されているものと同様の一群の糖液精製処理装置に送って処理する。
図7〜図9に示されている一群の糖液精製処理装置で精製処理して得られる糖類含有濃縮液は、UF膜(限外濾過膜)、RO膜(逆浸透膜)、NF膜(ナノフィルトレーション)、分子ふるいクロマトグラフィー、疑似移動床クロマトグラフィー等を用いてオリゴ糖類を濃縮したり、オリゴ糖類と単糖類を分離したりすることができる。糖液に含まれる着色成分や塩類等の不純物は、前記一群の精製処理装置において、活性炭、イオン交換樹脂陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹脂等、吸着樹脂等の吸着樹脂等のカラムを通すことによって除去することができる。
前記一次加水分解処理液、二次加水分解処理液あるいは前記の濃縮分離装置Fで分離した後の水溶液(液相)は、糖類の精製を行う前に濃縮分離装置Eで濃縮することができる。一次加水分解処理液や、二次加水分解処理液中には、フルフラール類や有機酸類が含まれており、濃縮分離装置Eにおいて得られる蒸発画分からこれらの成分を有価物として回収することができる。また、これらの成分は糖を精製する際には精製負荷となるので、濃縮分離装置Eで除くことにより糖類の精製工程での負荷を軽減することができる。糖液の濃度が、5〜60質量%の範囲になるように濃縮することが好ましく、20〜50質量%の範囲になるように濃縮することがさらに好ましい。
前記、一次加水分解処理液、二次加水分解処理液あるいは前記の濃縮分離装置Fで分離した後の水溶液(液相)が酸性、特に低pH、である場合、アルカリを添加することにより中和することができる。用いるアルカリとしては、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を用いることができる。二次加水分解の工程において、硫酸を用いて処理を行った場合には、不溶性の塩を形成しうる水酸化カルシウムを用いた中和方法が、水酸化ナトリウム等の水溶性塩を用いるよりも、糖液(水溶液)と分離し易いというメリットがあるため好ましい。このように、不溶性塩としてイオンを除去することにより、糖類の精製工程の負荷を低減することができる。
前記濃縮分離装置Eで濃縮した水溶液、あるいは中和した後の水溶液には不溶性の浮遊物が含まれているため、濾過脱水装置を用いて不溶性の浮遊物を除去することが望ましい。予め不溶性の浮遊物を除去することにより、後の糖類含有液の精製工程(活性炭、イオン交換樹脂、吸着樹脂等)においてカラム内での目詰まりを低減でき、カラムに通液する水溶液の流速を安定に維持することができる。濾過脱水装置としては、オリバーフィルター、ベルトフィルター、プレコートフィルター、ディスクフィルター、水平ベルトフィルターなどの真空濾過脱水装置、密閉式加圧濾過装置、フィルタープレス装置、ベルトプレス装置、スクリュープレス装置、バスケット型及びデカンター型遠心濾過脱水装置、回転加圧脱水装置、多重円盤脱水装置、中空糸膜濾過装置、クロスフロー型濾過装置等が使用できる。後段の精製工程における負荷を減らすためには、より清澄度の高い濾液が得られる濾過装置が望ましい。そのような濾過装置としては、プレコートフィルター、ディスクフィルター、中空糸膜濾過装置、クロスフロー型濾過装置を用いることが望ましく、設置面積が小さくて済み、濾過助剤を使用せず、濾過後のケークなどの廃棄物が少なくて良い中空糸膜濾過装置、クロスフロー型濾過装置を用いることがより望ましい。
使用する濾過助剤や膜の孔径としては、0.01μm〜100μmが望ましく、0.1〜10μmがより望ましい。使用する濾過助剤の種類としては、珪藻土やパーライト、並びにこれらを任意の割合で混合したものを使用できる。使用する膜の材質としては、酢酸セルロース、芳香族ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリアクリロニトリル、セラミック、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン等が使用でき、酢酸セルロース、芳香族ポリアミド、セラミックが洗浄薬液に対する耐久性が高いため望ましく、更に物理的安定性に優れたセラミックがより望ましい。
活性炭としては、粒状炭、粉末炭等、糖液中の着色物質等の不純物の含量を低減する能力を有するものであれば特に制限なく用いることができる。用いる活性炭の平均細孔径は0.1nm〜5nmが望ましく、1.5nm〜3nmがさらに好ましい。また、細孔径の分布は0.1nm〜100nmの範囲でブロードとなっているものが望ましい。前記の細孔径を持つ活性炭を用いることにより効率良く糖液中の着色物質を除去することができる。また、粒状の活性炭を用いる方が、粉末状の活性炭を用いるよりも操作上、水溶液との分離が容易であり、薬液再生や焼成再生が行いやすい点で好ましい。
イオン交換樹脂を用いる場合は、陽イオン交換樹脂あるいは陰イオン交換樹脂を単独で用いても良いし、陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂を直列に連結させて用いることもできる。陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂を直列に連結させる場合の陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂の順序は特に限定されない。また、陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂は混合して用いることもできる。
吸着樹脂としては、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂(味の素ファインケミカル社製、商品名:「ホクエツHS」、「ホクエツKS」)、スチレン−ジビニルベンゼン系樹脂(三菱化学社製、商品名:「ダイヤイオンHP20」、「ダイヤイオンHP21」)、等が挙げられる。
前記、活性炭、イオン交換樹脂、吸着樹脂は、カラムに充填するか、バッチ方式で使用することができる。カラムに充填する場合、糖液をカラムに1回通液しても良いし、複数回繰り返し通液させても良い。
本発明では、前記連続加水分解装置で処理した加水分解処理液あるいは濃縮分離装置で分離した後の水溶液(液相)を活性炭、イオン交換樹脂、吸着樹脂から選ばれる少なくとも一つ用いて単糖類、オリゴ糖類を精製することができる。活性炭、イオン交換樹脂、吸着樹脂の少なくとも2つ以上を用いる場合の順序は特に限定されないが、イオン交換樹脂における負荷を極力減少させるため、活性炭処理または吸着樹脂処理を行った後にイオン交換樹脂の処理を行うことが好ましい。
前記、活性炭、イオン交換樹脂、吸着樹脂は、並列に設置し同時に平行して糖類を精製することもできる。並列して設置すれば、連続して処理を行う場合、樹脂の洗浄や交換が必要になっても、連続処理を停止することなく、洗浄と精製処理を同時に実施することが可能である。
前記連続加水分解装置で処理した加水分解処理液をクロスフロー型濾過装置で不純物を除去してから活性炭、イオン交換樹脂、吸着樹脂へ供給しても良いし、濃縮分離装置で濃縮してから活性炭、イオン交換樹脂、吸着樹脂へ供給しても良いが、濃縮分離装置で濃縮してから活性炭、イオン交換樹脂、吸着樹脂へ供給する方が、活性炭、イオン交換樹脂、吸着樹脂の処理装置を小型化することが可能となるため好ましい。
前記、活性炭、イオン交換樹脂、吸着樹脂を用いることにより加水分解処理液に含まれる不純物を効率的に除去することができ、糖類(単糖類、オリゴ糖類)を効率的に精製することができる。
分子ふるいクロマトグラフィーやイオン交換クロマトグラフィー、逆浸透膜濾過装置を用いて、グルコースとキシロースの分離や、ガラクトースとキシロースの分離等の特定成分同士の分離を行うことも可能である。分子ふるいクロマトグラフィーやイオン交換クロマトグラフィーを用いる場合は、連続処理が可能な疑似移動床式クロマト分離装置を用いることが望ましい。精製工程途中の糖液あるいは精製した糖液は、晶析を行うことによって、高純度の糖の結晶を得ることも可能である。
精製した単糖類を含む水溶液は、濃縮して液糖や水飴としたり、スプレードライによって粉末化することも出来る。また、精製した糖液をスプレードライヤーや凍結乾燥装置などを用いて粉末化することも可能である。
本発明では、加水分解処理液、精製工程途中の糖液あるいは精製した糖液等の単糖類を含む水溶液を発酵微生物(Saccharomyces cerevisiae等の酵母を含む微生物)を用いて単糖類を消費させ、オリゴ糖の含有比率を高めることも出来る。同様に、微生物による糖の資化性の違いを利用して、五炭糖類と六炭糖類の混合液から六炭糖類のみを微生物によって消費させ、五炭糖類の含有比率を高めることも出来る。
前記で得られたキシロースを含む水溶液、あるいは精製したキシロースから水素添加等の方法によりキシリトールに変換することもできる。また、Candida magnolia等のキシリトール生産菌を用い、キシロースをキシリトールに変換することも出来る。
以下、本発明をバイオマスの加水分解処理条件を変えて行なった多種の製造例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
[糖分析]
糖分析は、DIONEX社製糖分析システム(ICS5000)を用いた。カラムはCarbo Pac PA−1 (2×250mm)を用い、20mM NaOH溶液を溶離液とし、0.25ml/minの流速で単糖を溶出させた。検出には、パルスアンペロメトリー検出器を用いた。単糖の標品として、グルコース、ガラクトース、マンノース、アラビノース、キシロースを用いた。これらの各成分の検量線を作成し、試料中の各単糖の含有量を求めた。
[全糖量の分析]
試料溶液に最終濃度が4質量%となるように硫酸を添加し、120℃で1時間加水分解を行った後、糖分析を実施し、試料中の各単糖の含有量を求め、その合計値を全糖量とした。
[オリゴ糖類含有量の計算]
試料中の全糖量から、4質量%硫酸で加水分解を行う前の試料中の各単糖の含有量を差し引いた値をオリゴ糖類の含有量とした。
[フルフラール類の定量]
フルフラール類の定量にはAgilent Technоlоgies社製HPLCシステムを用いた。カラムは、Bio−Rad社製Aminex HPX87P(7.8×300mm)を用い、5mM硫酸を溶離液とし、1ml/minの流速でフルフラール類を溶出させた。検出にはUV−Vis検出器を用いた。フルフラール類の標品として、フルフラールを用い、検量線を作成し、試料中の含有量を求めた。
製造例1〜8
ユーカリ・ペリータのチップ(厚さ2mm)を、ウィーレー式ミル〔東西精機(社)製〕を用いて粉砕し、得られた破砕物をステンレス製の篩で処理して粒子径100〜120μmの木粉を得た。得られた木粉とイオン交換水とを、木粉(乾燥)1質量部に対してイオン交換水5質量部の割合で混合して原料バイオマスを含有する水性懸濁液原料を調製した。
図1に示す一次加水分解装置R1(木村化工機製)の頂部供給口Aに接続している水性懸濁液原料の供給管路1から上記水性懸濁液原料を連続的に400質量部/時で供給し、一次加水分解装置R1で170℃、0.79MPaで加水分解処理を行い、加水分解処理された木粉含有懸濁液を加水分解装置の底部排出口Bより減圧バルブVPを開いて加水分解処理懸濁液の回収管路2に連続的に排出した。加水分解装置R1内の滞留時間は3時間に設定した。供給開始3時間後から、加水分解装置R1の中央部における目開き80μmのステンレス製金網(S)が設置されている中間取出口G(加水分解処理時間1.5時間の位置)より、加水分解装置R1内の温度及び圧力を維持した状態で加水分解処理懸濁液から一次加水分解処理液(130質量部/時)を一次加水分解処理液の移送管路3の減圧バルブVPを開いて取り出し、この一次加水分解処理液を製造例1の処理液とした。
但し、一次加水分解装置R1内の圧力が二次加水分解装置R2内の圧力より低い製造例では、減圧バルブVPの代替として、バルブVPを開いてポンプ(図示せず)を用いて一次加水分解処理液を取り出した。
次いで、上記製造例1の一次加水分解処理液を、二次加水分解装置R2(T1、T2)へ移送し、T1内で温度調整した後管路3Aより恒温装置T2に供給し、T2内で10分間の滞留時間で以下のように温度条件を変えて加水分解処理を行って、製造例2(250℃)、製造例3(230℃)、製造例4(200℃)、製造例5(180℃)、製造例6(160℃)、製造例7(140℃)、製造例8(120℃)の各二次加水分解処理液を得た。尚、各製造例における恒温装置T2内の圧力は、4.03MPa(250℃)、2.85MPa(230℃)、1.61MPa(200℃)、1.05MPa(180℃)、0.67MPa(160℃)、0.40MPa(140℃)、0.25 MPa(120℃)であった。製造例1〜8の加水分解処理液(130質量部/時)に含まれる全糖、単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の含有量を測定して、原料(乾燥質量)に対する各成分の収率を算出した。結果を表1に示す。
Figure 2014030419
一次加水分解処理液を二次加水分解処理(熱水処理、滞留時間10分)した結果、二次加水分解後の加水分解処理液(製造例2〜8)に含まれる全糖、単糖類、オリゴ糖、フルフラール類の比率が、一次加水分解処理液(製造例1)と比較して顕著に変化した。フルフラール類の収率は、230℃(製造例3)が最も高く、次に200℃(製造例4)が高かった。単糖類の収率は、160℃(製造例6)が最も高く、次に180℃(製造例5)が高かった。オリゴ糖類の収率は、180℃(製造例5)が最も高く、次に160℃(製造例6)が高かった。以上の結果より、二次加水分解装置R2の滞留時間を10分で行った場合、二次加水分解処理の温度を制御することにより、単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の生産比率をコントロールできることが判明した。また、250℃(製造例2)では、フルフラールが重合により変化した結果、フルフラールの収率は0%であった。
製造例9〜15
製造例1の一次加水分解処理液を、二次加水分解装置R2(恒温装置T2)での加水分解処理液の滞留時間を30分とし、恒温装置T2の温度を、それぞれ250℃(製造例9)、230℃(製造例10)、200℃(製造例11)、180℃(製造例12)、160℃(製造例13)、140℃(製造例14)、120℃(製造例15)とした二次加水分解処理を実施した。尚、各製造例における恒温装置T2内の圧力は、4.03MPa(250℃)、2.85MPa(230℃)、1.61MPa(200℃)、1.05MPa(180℃)、0.67MPa(160℃)、0.40MPa(140℃)、0.25 MPa(120℃)であった。
二次加水分解処理後の加水分解処理液(130質量部/時)を二次加水分解液の移送管路10により取り出し、二次加水分解処理液に含まれる全糖、単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の含有量を測定して、原料(乾燥質量)に対する各成分の収率を算出した。結果を表2に示す。
Figure 2014030419
一次加水分解処理液を二次加水分解(熱水処理、滞留時間30分)した結果、二次加水分解後の加水分解処理液(製造例9〜15)に含まれる全糖、単糖類、オリゴ糖、フルフラール類の比率が、一次加水分解液(製造例1)と比較して顕著に変化した。フルフラール類の収率は、180℃(製造例12)が最も高く、次に200℃(製造例11)が高かった。単糖類の収率は、160℃(製造例13)が最も高く、次に180℃(製造例12)が高かった。オリゴ糖類の収率は、160℃(製造例13)が最も高く、次に140℃(製造例14)が高かった。また、250℃(製造例9)では、フルフラールが重合により変化した結果、フルフラールの収率は0%であった。
製造例16〜22
製造例1の一次加水分解処理液を、二次加水分解装置R2(恒温装置T2)での加水分解処理液の滞留時間を60分とし、恒温装置T2の温度を、それぞれ250℃(製造例16)、230℃(製造例17)、200℃(製造例18)、180℃(製造例19)、160℃(製造例20)、140℃(製造例21)、120℃(製造例22)とした二次加水分解処理を実施した。尚、各製造例における恒温装置T2内の圧力は、4.03MPa(250℃)、2.85MPa(230℃)、1.61MPa(200℃)、1.05MPa(180℃)、0.67MPa(160℃)、0.40MPa(140℃)、0.25 MPa(120℃)であった。
二次加水分解後の加水分解処理液(130質量部/時)を二次加水分解液処理管路10により取り出し、二次加水分解処理液に含まれる全糖、単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の含有量を測定して、原料(乾燥質量)に対する各成分の収率を算出した。結果を表3に示す。
Figure 2014030419
一次加水分解処理液を二次加水分解(熱水処理、滞留時間60分)した結果、二次加水分解後の加水分解処理液(製造例16〜22)に含まれる全糖、単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の比率が、一次加水分解液(製造例1)と比較して顕著に変化した。フルフラール類の収率は、200℃(製造例18)が最も高く、次に230℃(製造例17)が高かった。単糖類の収率は、160℃(製造例20)が最も高く、次に180℃(製造例19)が高かった。オリゴ糖類の収率は、160℃(製造例20)が最も高く、次に140℃(製造例21)が高かった。また、250℃(製造例16)では、フルフラールが重合により変化した結果、フルフラールの収率は0%であった。
製造例23〜29
製造例1の一次加水分解処理液を、二次加水分解装置R2(恒温装置T2)での加水分解処理液の滞留時間を120分とし、恒温装置T2の温度を、それぞれ250℃(製造例23)、230℃(製造例24)、200℃(製造例25)、180℃(製造例26)、160℃(製造例27)、140℃(製造例28)、120℃(製造例29)とした二次加水分解処理を実施した。尚、各製造例における恒温装置T2内の圧力は、4.03MPa(250℃)、2.85MPa(230℃)、1.61MPa(200℃)、1.05MPa(180℃)、0.67MPa(160℃)、0.40MPa(140℃)、0.25 MPa(120℃)であった。
二次加水分解処理液に含まれる全糖、単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の含有量を測定して、原料(乾燥質量)に対する各成分の収率を算出した。結果を表4に示す。
Figure 2014030419
製造例1の一次加水分解処理液を、二次加水分解(熱水処理、滞留時間120分)した結果、二次加水分解後の加水分解処理液(製造例23〜29)に含まれる全糖、単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の比率が、一次加水分解液(製造例1)と比較し顕著に変化した。フルフラール類の収率は、160℃(製造例27)が最も高く、次に180℃(製造例26)が高かった。単糖類の収率は、160℃(製造例27)が最も高く、次に140℃(製造例28)が高かった。オリゴ糖類の収率は、160℃(製造例27)が最も高く、次に140℃(製造例28)が高かった。また、250℃(製造例23)では、フルフラールが重合により変化した結果、フルフラールの収率は0%であった。
また、製造例1〜29の結果より、二次加水分解処理の温度だけでなく、滞留時間を制御することにより、単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の生産比率をコントロールできることが判明した。
製造例30〜36
製造例1の一次加水分解処理液(pH3.8)に硫酸を添加してpH1.0に調整した。この一次加水分解処理液(pH1.0)を二次加水分解装置R2(T1、T2)に移送し、二次加水分解装置R2(恒温装置T2)での加水分解処理液の滞留時間が10分となるように設定し、二次加水分解装置R2(恒温装置T2)の温度を、それぞれ250℃(製造例30)、230℃(製造例31)、200℃(製造例32)、180℃(製造例33)、160℃(製造例34)、140℃(製造例35)、120℃(製造例36)として二次加水分解処理を実施した。尚、各製造例における恒温装置T2内の圧力は、4.03MPa(250℃)、2.85MPa(230℃)、1.61MPa(200℃)、1.05MPa(180℃)、0.67MPa(160℃)、0.40MPa(140℃)、0.25 MPa(120℃)であった。
二次加水分解処理液に含まれる全糖、単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の含有量を測定して、原料(乾燥質量)に対する各成分の収率を算出した。結果を表5に示す。
Figure 2014030419
一次加水分解処理液(pH1.0)を二次加水分解(酸処理、滞留時間10分)した結果、二次加水分解後の加水分解処理液(製造例30〜36)に含まれる全糖、単糖類、オリゴ糖、フルフラール類の比率が、一次加水分解液(製造例1)と比較し顕著に変化した。フルフラール類の収率は、200℃(製造例32)が最も高く、次に230℃(製造例31)が高かった。単糖類の収率は、160℃(製造例34)が最も高く、次に180℃(製造例33)が高かった。オリゴ糖類の収率は、160℃(製造例34)が最も高く、次に140℃(製造例35)が高かった。以上の結果より、一次加水分解処理液を酸性にして二次加水分解を行った場合においても、単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の生産比率をコントロールできることが判明した。また、250℃(製造例30)では、フルフラールが重合により変化した結果、フルフラールの収率は0%であった。
製造例37〜43
図1に示す加水分解装置において、装置底部の向流洗浄液供給装置Wから供給管路6により洗浄水を400質量部/時で供給して、前記目開き80μmのステンレス製金網Sが設置されている一次加水分解装置R1の中間取出口Gから下方に移動する加水分解処理懸濁液と向流接触させた以外は、製造例1と同様の方法で一次加水分解処理を行った。
供給開始3時間後から、一次加水分解装置R1の中央部における目開き80μmのステンレス製金網Sが設置されている中間取出口G(加水分解処理時間1.5時間の位置)より、加水分解装置R1内の温度及び圧力を維持した状態で加水分解処理懸濁液から分離された一次加水分解処理液(260質量部/時)を加水分解処理液の移送管路3より取り出して二次加水分解装置R2へ移送した。温度調整装置T1に供給された一次加水分解処理液はT1内で温度調整した後、管路3Aより恒温装置T2に供給しT2内で10分間の滞留時間で、二次加水分解装置R2(恒温装置T2)の温度を、それぞれ250℃(製造例37)、230℃(製造例38)、200℃(製造例39)、180℃(製造例40)、160℃(製造例41)、140℃(製造例42)、120℃(製造例43)とした二次加水分解処理を実施した。尚、各製造例における恒温装置T2内の圧力は、4.03MPa(250℃)、2.85MPa(230℃)、1.61MPa(200℃)、1.05MPa(180℃)、0.67MPa(160℃)、0.40MPa(140℃)、0.25 MPa(120℃)であった。
二次加水分解処理液に含まれる全糖、単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の含有量を測定して、原料(乾燥質量)に対する各成分の収率を算出した。結果を表6に示す。
Figure 2014030419
図1に示す一次加水分解装置R1に洗浄液を供給するシステム(製造例37〜43)では、図1の洗浄液を供給しないシステム(製造例2〜8)と比較して、二次加水分解後の加水分解液に含まれる単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の収率が向上した。
製造例44
図2に示す装置により、一次加水分解装置R1から取り出された製造例1の一次加水分解処理液を、製造例4と同一の条件で二次加水分解装置R2で二次加水分解処理を行なった。但し、恒温装置T2から排出された二次加水分解処理液の冷却は行わずに、二次加水分解処理液移送管路10のバルブVBを開いて加水分解処理液をフラッシュタンクF((株)進栄技研製、容量4L)へ移送した。フラッシュタンクF(濃縮分離装置)で分離した蒸気相をコンデンサーCで冷却してフルフラール水溶液の回収管路4からフルフラール水溶液(9.9質量部/時)を取り出した。また、フラッシュタンク内の液相として糖類等含有水溶液(120質量部/時)を回収管路5により取り出した。
フラッシュタンクから得られる各水溶液に含まれる全糖、単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の含有量を測定し、原料(乾燥質量)に対する各成分の収率を算出した。結果を表7に示す。
Figure 2014030419
製造例45
図2に示す装置により、一次加水分解装置R1から取り出された製造例1の一次加水分解処理液を、製造例39と同一の条件で二時加水分解装置R2で二次加水分解を行なった。但し、恒温装置T2から排出された二次加水分解処理液の冷却は行わずに二次加水分解処理液の移送管路10のバルブVBを開いて二次加水分解処理液をフラッシュタンクF((株)進栄技研製、容量4L)へ移送した。フラッシュタンクF(濃縮分離装置)で分離した蒸気相をコンデンサーCで冷却してフルフラール水溶液の回収管路4からフルフラール水溶液(19.8質量部/時)を取り出した。またフラッシュタンク内の液相として糖類等含有水溶液(239質量部/時)を回収管路5より取り出した。
フラッシュタンクから得られる各水溶液に含まれる全糖、単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の含有量を測定し、原料(乾燥質量)に対する各成分の収率を算出した。結果を表8に示す。
Figure 2014030419
表7及び表8に示すように、製造例44及び製造例45の方法では、加水分解反応で生成した各種加水分解生成物の中からフルフラールの殆どの部分がフラッシュタンクにおけるフラッシュ蒸留によって蒸気相中に含まれた状態でフラッシュタンクから取り出される結果、生成フルフラールの主たる部分を含有している高純度フルフラールの高濃度水溶液を連続的に得ることができた。一方、フラッシュ蒸留後のフラッシュタンク内から排出される液相には、フルフラール類は極めて少量しか含まれておらず、オリゴ糖類、単糖類が高濃度で含まれており、液相からは単糖類及びオリゴ糖類を高濃度で含む水溶液を回収することができた。
製造例46〜52
図3に示す装置により、製造例1と同様の方法で一次加水分解を行った。次いで、上記製造例1の一次加水分解処理液を、二次反応釜BRへ移送し、二次反応釜BRで30分間の滞留時間で次のように温度条件を変えて加水分解処理を行って、製造例46(250℃)、製造例47(230℃)、製造例48(200℃)、製造例49(180℃)、製造例50(160℃)、製造例51(140℃)、製造例52(120℃)の各二次加水分解処理液を得た。尚、各製造例における反応釜内の圧力は、4.03MPa(250℃)、2.85MPa(230℃)、1.61MPa(200℃)、1.05MPa(180℃)、0.67MPa(160℃)、0.40MPa(140℃)、0.25 MPa(120℃)であった。製造例46〜52の加水分解処理液(130質量部/時)に含まれる全糖、単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の含有量を測定して、原料(乾燥質量)に対する各成分の収率を算出した。結果を表9に示す。
Figure 2014030419
一次加水分解処理液を反応釜BRで二次加水分解処理(熱水処理、滞留時間30分)した結果、二次加水分解後の加水分解処理液(製造例46〜52)に含まれる全糖、単糖類、オリゴ糖、フルフラール類の比率が、一次加水分解処理液(製造例1)と比較して顕著に変化した。フルフラール類の収率は、180℃(製造例49)が最も高く、次に200℃(製造例48)が高かった。単糖類の収率は、160℃(製造例50)が最も高く、次に180℃(製造例49)が高かった。オリゴ糖類の収率は、140℃(製造例51)が最も高く、次に160℃(製造例50)が高かった。以上の結果より、二次加水分解装置の滞留時間を30分で行った場合、二次加水分解処理の温度を制御することにより、単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の生産比率をコントロールできることが判明した。また、250℃(製造例46)では、フルフラールが重合により変化した結果、フルフラールの収率は0%であった。
製造例53
図4に示す装置により、一次加水分解装置R1から取り出された製造例1の一次加水分解処理液を、製造例48と同一の条件で二次反応釜BRで二次加水分解処理を行なった。次に、二次加水分解処理液の移送管路11のバルブVを開いて加水分解処理液をフラッシュタンク((株)進栄技研製、容量4L)へ移送した。フラッシュタンク(濃縮分離装置F)で分離した蒸気相をコンデンサーCで冷却してフルフラール水溶液の回収管路4からフルフラール水溶液(10質量部/時)を取り出した。また、フラッシュタンク内の液相として糖類等含有水溶液(120質量部/時)を回収管路5より取り出した。
フラッシュタンクから得られる各水溶液に含まれる全糖、単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の含有量を測定し、原料(乾燥質量)に対する各成分の収率を算出した。結果を表10に示す。
Figure 2014030419
表10に示すように、製造例53の方法では、加水分解反応で生成した各種加水分解生成物の中からフルフラールの殆どの部分がフラッシュタンクにおけるフラッシュ蒸留によって蒸気相中に含まれた状態でフラッシュタンクから取り出される結果、生成フルフラールの主たる部分を含有している高純度フルフラールの高濃度水溶液を連続的に得ることができた。一方、フラッシュ蒸留後のフラッシュタンク内から排出される液相には、フルフラール類は極めて少量しか含まれておらず、オリゴ糖類、単糖類が高濃度で含まれており、液相からは単糖類及びオリゴ糖類を高濃度で含む水溶液を回収することができた。
製造例54
図7に示す製造工程で試験した。
<キシロース含有糖液の製造>
製造例31と同様の方法で一次加水分解処理、及び二次加水分解処理を行った。二次加水分解処理後の加水分解処理液を用いて加水分解処理液(二次加水分解処理液)に含まれる糖類の精製を行った。まず、二次加水分解処理液に水酸化カルシウムを添加し、pHを2.7とした後、生成した石膏をセラミックフィルターCEを用いて石膏と濾液に分離した。得られた濾液は、移送管路28からエバポレーター(濃縮分離装置E)に移送し、エバポレーターで液相(糖類含有)と蒸気相(フルフラール含有)に分離した。液相の全糖濃度が50質量%となるまで濃縮した。一方、蒸気相を移送管路42を経由してコンデンサーCに移送して凝縮し、フルフラールを高含量で含む濃縮液を回収管路43から取り出した。エバポレーターで分離した濃縮液(液相)を移送管路44によりセラミックフィルターCEに送り、含まれる沈殿物をセラミックフィルターCEを用いて除去して濾液を分離した。
この濾液(濃縮液)を、移送管路29から粒状活性炭(カルゴンカーボン製MS10)を充填した活性炭カラムACにSV=2の流速で通液し、脱色を行った。次に、脱色後の濃縮液を移送管路30により陽イオン交換樹脂CA(オルガノ製CT200)を充填したカラムへ通液し、さらに移送管路31から陰イオン交換樹脂AN(オルガノ製IRA96SB)を充填したカラムにSV=2で通液した。陰イオン交換樹脂ANから排出された水溶液(糖類含有)をさらに移送管路32を経由して陽イオン交換樹脂CA、移送管路33を経由して陰イオン交換樹脂ANへ通液し、回収管路34から水溶液(糖液)を回収した。得られた糖液を、エバポレーターで濃縮し、70質量%の液糖を得た。得られた液糖の420nmにおける吸光度は0、電気伝導度は0.001mS/mであった。液糖の糖組成を表11に示す。
製造例55
図8に示す製造工程で試験した。
<キシロース含有糖液の製造>
製造例46と同様の方法で一次加水分解処理、及び二次加水分解処理を行った。二次加水分解後の加水分解処理液を用いて製造例54と同様の方法で液糖を製造した。エバポレーターで濃縮した70質量%の液糖の420nmにおける吸光度は0、電気伝導度は0.001mS/mであった。液糖の糖組成を表11に示す。
製造例56
図8に示す製造工程で試験した。
<キシロース含有糖液の製造>
製造例46と同様の方法で一次加水分解処理、及び二次加水分解処理を行った。活性炭カラムACの代替としてフェノール・ホルムアルデヒド樹脂:合成吸着樹脂(味の素ファインテクノ社製)を用いた以外は全て製造例54と同様の方法で液糖を製造した。エバポレーターで濃縮した70質量%の液糖の420nmにおける吸光度は0、電気伝導度は0.001mS/mであった。液糖の糖組成を表11に示す。
製造例57
図9に示す製造工程で試験した。
<キシロース含有糖液の製造>
製造例53と同様の方法で一次加水分解処理、及び二次加水分解処理を行い、フラッシュタンクで蒸気相と液相に分離した。フラッシュタンク内の液相に水酸化カルシウムを添加し、pHを2.7とした後、生成した石膏をセラミックフィルターCEを用いて石膏と濾液に分離した。得られた濾液は、移送管路45によりエバポレーター(濃縮分離装置E)に移送し、エバポレーターで液相(糖類含有)と蒸気相(フルフラール含有)に分離した。液相の全糖濃度が50質量%となるまで濃縮した。一方、蒸気相を移送管路48を経由してコンデンサーCに送って凝縮し、フルフラールを高含量で含む濃縮液を回収管路49から取り出した。エバポレーターで分離した濃縮液(液相)に含まれる沈殿物をセラミックフィルターCEを用いて除去し濾液を分離した。
この濾液(濃縮液)を移送管路47から粒状活性炭(カルゴンカーボン製MS10)を充填した活性炭カラムACにSV=2の流速で通液し、以下、製造例54と同様の方法で液糖を製造した。管路34から水溶液(糖液)を回収した糖液を、エバポレーターで濃縮し、70質量%の液糖を得た。エバポレーターで濃縮した70質量%の液糖の420nmにおける吸光度は0、電気伝導度は0.001mS/mであった。液糖の糖組成を表11に示す。
Figure 2014030419
製造例54、製造例55及び製造例56では、キシロースを高含量で含む液糖を製造することができた。一方、製造例57では、キシロース及びオリゴ糖類を高含量で含む液糖を製造するこができた。
実施例1
図5に示す装置により、製造例1と同様の方法で一次加水分解を行った。次いで、一次加水分解処理液を、二次加水分解装置R2(T1、T2)へ移送し、T1内で温度調整した後、移送管路3Aより恒温装置T2に供給し、T2内で1.05MPaの加圧下、180℃で10分間の滞留時間で加水分解処理を行って二次加水分解処理液を得た。恒温装置T2から移送管路3Bに取り出された二次加水分解処理液の冷却は行わずに、二次加水分解処理液の移送管路10のバルブVBを開いて加水分解処理液をフラッシュタンク((株)進栄技研製、容量4L)へ移送した。フラッシュタンク(濃縮分離装置)で分離した蒸気相をコンデンサーCで冷却してフルフラール水溶液の回収管路4からフルフラール水溶液(10質量部/時)を取り出した。一方、フラッシュタンク内の液相として糖類等含有水溶液(120質量部/時)を回収管路5に取り出し、糖類等含有水溶液の循環管路14を経由して二次加水分解装置R2(T1→T2)の供給口へ連続的に循環させて供給した。二次加水分解装置R2への循環を開始した時点で、一次加水分解装置R1から二次加水分解装置R2への一次加水分解処理液の送液量を10質量部/時に調節し連続的に運転(定常運転)を継続した。
定常運転(循環開始から30分後)において、フラッシュタンクから得られる各水溶液に含まれる全糖、単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の含有量を測定し、原料(乾燥質量)に対する各成分の収率を算出した。結果を表12に示す。
比較例1
実施例1の方法において、フラッシュタンクで分離した糖類含有水溶液(液相)を二次加水分解装置へ循環しない試験を比較例1とした。
結果を表12に示す。
Figure 2014030419
表12の結果より、フラッシュタンクで分離した糖液を含む水溶液を二次加水分解装置R2(180℃、滞留時間10分)へ連続的に循環させた場合(実施例1)、二次加水分解装置R2へ循環させない場合(比較例1)と比較し、フルフラールが効率的に回収できることが判明した。
実施例2
実施例1で、二次加水分解装置での滞留時間を20分に変更した以外は、実施例1と同様の方法で実施した。定常運転(循環開始から60分後)において、フラッシュタンクから得られる各水溶液に含まれる全糖、単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の含有量を測定し、原料(乾燥質量)に対する各成分の収率を算出した。結果を表13に示す。
比較例2
実施例2の方法において、フラッシュタンクで分離した糖類含有水溶液(液相)を二次加水分解装置R2へ循環しない試験を比較例2とした。結果を表13に示す。
Figure 2014030419
表13の結果より、フラッシュタンクで分離した糖液を含む水溶液を二次加水分解装置R2(180℃、滞留時間20分)へ連続的に循環させた場合(実施例2)、二次加水分解装置R2へ循環させない場合(比較例2)と比較し、フルフラールが効率的に回収できることが判明した。
実施例3
実施例1で、二次加水分解装置R2での滞留時間を30分に変更した以外は、実施例1と同様の方法で実施した。定常運転(循環開始から90分後)において、フラッシュタンクから得られる各水溶液に含まれる全糖、単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の含有量を測定し、原料(乾燥質量)に対する各成分の収率を算出した。結果を表14に示す。
比較例3
実施例3の方法において、フラッシュタンクで分離した糖類含有水溶液(液相)を二次加水分解装置R2へ循環しない試験を比較例3とした。結果を表14に示す。
Figure 2014030419
フラッシュタンクで分離した糖液を含む水溶液を二次加水分解装置R2(180℃、滞留時間30分)へ連続的に循環させた場合(実施例3)、二次加水分解装置R2へ循環させない場合(比較例3)と比較し、フルフラールが効率的に回収できることが判明した。
実施例4
実施例1で、二次加水分解装置R2での滞留時間を40分に変更した以外は、実施例1と同様の方法で実施した。定常運転(循環開始から120分後)において、フラッシュタンクから得られる各水溶液に含まれる全糖、単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の含有量を測定し、原料(乾燥質量)に対する各成分の収率を算出した。結果を表15に示す。
比較例4
実施例4の方法において、フラッシュタンクで分離した糖類含有水溶液(液相)を二次加水分解装置R2へ循環しない試験を比較例4とした。結果を表15に示す。
Figure 2014030419
フラッシュタンクで分離した糖液を含む水溶液を二次加水分解装置R2(180℃、滞留時間40分)へ連続的に循環させた場合(実施例4)、二次加水分解装置R2へ循環させない場合(比較例4)と比較して、フルフラールが効率的に回収できることが判明した。
又、実施例1〜4を比較すると、二次加水分解処理の滞留時間が20分の場合(実施例2)が最もフルフラールの収率が高かった。
実施例1〜4及び比較例1〜4の結果(表12〜15)より抜粋したフラッシュタンクで分離した気相より回収したフルフラール類の収率(一覧)を表16(実施例1〜4)及び表17(比較例1〜4)に示す。
また、比較例1〜4で実施した二次加水分解処理工程でキシロースから新たに生成されたフルフラールの収率(対キシロース)を表17に示す。
Figure 2014030419
Figure 2014030419
表17に示す比較例1〜4のフラッシュタンクで分離した加水分解処理液(液相)を二次加水分解装置R2に循環しない場合、滞留時間30分(比較例3)が最もフルフラール収率が高かった。一方、表16に示す実施例1〜4のフラッシュタンクで分離した加水分解処理液を二次加水分解装置R2に循環した場合、滞留時間20分(実施例2)が最もフルフラール収率が高かった。以上の結果から、フラッシュタンクで分離した加水分解処理液を二次加水分解装置R2に循環した場合、循環させない場合と比較し、フルフラールの収率が向上するだけでなく、高いフルフラール収率を得るために要する滞留時間を短縮できることが判明した。
また、比較例1〜4の実験(循環なし)で原料から生成されるフルフラール収率は、滞留時間30分が最も高かったが、キシロースから生成されるフルフラールの収率(対キシロース)は、滞留時間20分が最も高かった。以上の結果から、キシロースから生成されるフルフラール収率が最も高い滞留時間(20分)で二次加水分解を行い、フラッシュタンクで蒸気相を除去した後の加水分解処理液(オリゴ糖類、単糖類含有)を二次加水分解装置R2に循環させることにより最も効率良くフルフラールを生産できることが示唆された。
実施例5
図6に示す装置により、製造例1と同様の方法で一次加水分解を行った。次いで、一次加水分解処理液を、二次反応釜BRへ移送し、二次反応釜BR内で1.05MPaの加圧下、180℃で10分間の滞留時間で加水分解処理を行って二次加水分解処理液を得た。二次反応釜BRから二次加水分解処理液の移送管路11のバルブVを開いて加水分解処理液を冷却せずに連続的にフラッシュタンク((株)進栄技研製、容量4L)へ移送した。フラッシュタンク(濃縮分離装置F)で分離した蒸気相をコンデンサーCで冷却してフルフラール水溶液の回収管路4からフルフラール水溶液(10質量部/時)を取り出した。一方、フラッシュタンク内の液相として糖類等含有水溶液(120質量部/時)を回収管路5より取り出し糖類等含有水溶液の循環管路14を経由して二次反応釜BRの供給口(管路3)へ供給し連続的に循環させた。二次反応釜BRへの循環を開始した時点で、一次加水分解装置R1から二次反応釜BRへの一次加水分解処理液の送液量を10質量部/時に調節し連続的に運転(定常運転)を継続した。
定常運転(循環開始から30分後)において、フラッシュタンクから得られる各水溶液に含まれる全糖、単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の含有量を測定し、原料(乾燥質量)に対する各成分の収率を算出した。結果を表18に示す。
比較例5
実施例5の方法において、フラッシュタンクで分離した糖類含有水溶液(液相)を二次反応釜BRへ循環しない試験を比較例5とした。結果を表18に示す。
Figure 2014030419
表18の結果より、フラッシュタンクで分離した糖液を含む水溶液を二次反応釜BR(180℃、滞留時間10分)へ連続的に循環させた場合(実施例5)、二次反応釜BRへ循環させない場合(比較例5)と比較し、フルフラールが効率的に回収できることが判明した。
実施例6
実施例5で、二次反応釜BRでの滞留時間を20分に変更した以外は、実施例5と同様の方法で実施した。定常運転(循環開始から60分後)において、フラッシュタンクから得られる各水溶液に含まれる全糖、単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の含有量を測定し、原料(乾燥質量)に対する各成分の収率を算出した。結果を表19に示す。
比較例6
実施例6の方法において、フラッシュタンクで分離した糖類含有水溶液(液相)を二次反応釜BRへ循環しない試験を比較例6とした。結果を表19に示す。
Figure 2014030419
表19の結果より、フラッシュタンクで分離した糖液を含む水溶液を二次反応釜BR(180℃、滞留時間20分)へ連続的に循環させた場合(実施例6)、二次反応釜BRへ循環させない場合(比較例6)と比較し、フルフラールが効率的に回収できることが判明した。
実施例7
実施例5で、二次反応釜BRでの滞留時間を30分に変更した以外は、実施例5と同様の方法で実施した。定常運転(循環開始から90分後)において、フラッシュタンクから得られる各水溶液に含まれる全糖、単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の含有量を測定し、原料(乾燥質量)に対する各成分の収率を算出した。結果を表20に示す。
比較例7
実施例7の方法において、フラッシュタンクで分離した糖類含有水溶液(液相)を二次反応釜BRへ循環しない試験を比較例7とした。結果を表20に示す。
Figure 2014030419
フラッシュタンクで分離した糖液を含む水溶液を二次反応釜BR(180℃、滞留時間30分)へ連続的に循環させた場合(実施例7)、二次反応釜BRへ循環させない場合(比較例7)と比較し、フルフラールが効率的に回収できることが判明した。
実施例8
実施例5で、二次反応釜BRでの滞留時間を40分に変更した以外は、実施例5と同様の方法で実施した。定常運転(循環開始から120分後)において、フラッシュタンクから得られる各水溶液に含まれる全糖、単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の含有量を測定し、原料(乾燥質量)に対する各成分の収率を算出した。結果を表21に示す。
比較例8
実施例8の方法において、フラッシュタンクで分離した糖類含有水溶液(液相)を二次反応釜BRへ循環しない試験を比較例8とした。
結果を表21に示す。
Figure 2014030419
フラッシュタンクで分離した糖液を含む水溶液を二次反応釜BR(180℃、滞留時間40分)へ連続的に循環させた場合(実施例8)、二次反応釜BRへ循環させない場合(比較例8)と比較し、フルフラールが効率的に回収できることが判明した。
又、実施例5〜8を比較すると、二次加水分解処理の滞留時間が20分の場合(実施例5)が最もフルフラールの収率が高かった。
実施例5〜8及び比較例5〜8の結果(表18〜21)より抜粋したフラッシュタンクで分離した気相より回収したフルフラール類の収率(一覧)を表22(実施例5〜8)及び表23(比較例5〜8)に示す。
また、比較例5〜8で実施した二次反応釜BRでキシロースから新たに生成されたフルフラールの収率(対キシロース)を表23に示す。
Figure 2014030419
Figure 2014030419
表23に示す比較例5〜8のフラッシュタンクで分離した加水分解処理液(液相)を二次反応釜BRに循環しない場合、滞留時間30分(比較例7)が最もフルフラール収率が高かった。一方、表22に示す実施例5〜8のフラッシュタンクで分離した加水分解処理液を二次反応釜BRに循環した場合、滞留時間20分(実施例6)が最もフルフラール収率が高かった。以上の結果から、フラッシュタンクで分離した加水分解処理液を二次反応釜BRに循環した場合、循環させない場合と比較し、フルフラールの収率が向上するだけでなく、高いフルフラール収率を得るために要する滞留時間を短縮できることが判明した。
また、比較例5〜8(循環なし)で原料から生成されるフルフラール収率は、滞留時間30分が最も高かったが、キシロースから生成されるフルフラールの収率(対キシロース)は、滞留時間20分が最も高かった。以上の結果から、キシロースから生成されるフルフラール収率が最も高い滞留時間(20分)で二次加水分解を行い、フラッシュタンクで蒸気相を除去した後の加水分解処理液(オリゴ糖類、単糖類含有)を二次反応釜BRに循環させる方法が、製造工程内で最も効率良くフルフラールを生産する方法であることが示唆された。
本発明で得られるフルフラール類は、医薬中間体、プラスチック原料などに用いられる。また、フラン樹脂の原料であるフルフリルアルコールの原料として用いられる。一方、単糖類、オリゴ糖類は、食品、食品添加物、発酵原料などに用いられる。
1:水性懸濁液原料の供給管路
2,3,3A,3B,7,9,10,11,28〜33,42,44〜48:移送管路
4,5,34,43,49:回収管路、
6:洗浄液の供給管路
8,14:循環管路
A:原料懸濁液の供給口
B:加水分解処理懸濁液の排出口
R1:一次加水分解装置
R2:二次加水分解装置
T1:温度調整装置
T2:恒温装置
CL:冷却装置
S:ストレーナー
BR:二次反応釜
E,F:濃縮分離装置
C:コンデンサー
G:中間取出口
W:向流洗浄液供給装置
V:バルブ
VP:減圧バルブ
VB:背圧バルブ
TA1:水溶液保管タンク
TA2:水溶液保管タンク
CE:セラミックフィルター
AC:活性炭カラム
CA:陽イオン交換樹脂カラム
AN:陰イオン交換樹脂カラム
NE:中和剤

Claims (12)

  1. バイオマスの水性懸濁液を連続一次加水分解装置の供給口より連続的に供給して装置内を移動させつつ単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類を生成する加圧・加熱条件でバイオマスを一次加水分解処理し、加水分解処理懸濁液を一次加水分解装置の排出口より連続的に排出するとともに、一次加水分解装置の前記供給口と前記排出口の中間位置における固−液分離装置を備えた中間取出口より、装置内の加水分解処理懸濁液から分離した一次加水分解処理液を連続的に取り出し、二次加水分解装置に送って、加圧下、120〜230℃、滞留時間1〜180分で二次加水分解処理することにより一次加水分解処理液中に含まれる単糖類成分、オリゴ糖類成分及びフルフラール類成分から選ばれる少なくとも1種の成分の含有比率を高めた二次加水分解処理液を得ることを特徴とする、バイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の連続製造方法。
  2. 前記二次加水分解装置における二次加水分解処理が、加圧下で、温度140〜230℃及び滞留時間5〜120分の範囲から選ばれる条件で行われることを特徴とする、請求項1に記載のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の連続製造方法。
  3. 前記二次加水分解装置における二次加水分解処理が、前記一次加水分解処理液中のフルフラール類成分の含有比率を高める処理であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の連続製造方法。
  4. 前記二次加水分解装置から得られる二次加水分解処理液を、さらに該二次加水分解処理液からフルフラール、単糖類及びオリゴ糖類を分離・精製して回収する分離・回収工程で処理することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の連続製造方法。
  5. 前記分離・回収工程における処理が、前記二次加水分解装置から得られる二次加水分解処理液を生成フルフラールを含有する蒸気相と単糖類及びオリゴ糖類を含有する液相に分離する濃縮分離装置による処理を含むことを特徴とする請求項4に記載のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の連続製造方法。
  6. 前記濃縮分離装置が、フラッシュ蒸留装置、減圧蒸留装置から選ばれる少なくとも一種の装置よりなることを特徴とする、請求項5に記載のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の連続製造方法。
  7. 前記分離・回収工程の前記濃縮分離装置によって得られる単糖類及びオリゴ糖類を含有する液相の少なくとも一部を前記一次加水分解処理液と共に二次加水分解装置に供給することを特徴とする、請求項5又は6に記載のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の連続製造方法。
  8. 前記分離・回収工程の前記濃縮分離装置による処理によって得られる単糖類及びオリゴ糖類を含有する液相の少なくとも一部を前記一次加水分解装置に供給されるバイオマスの水性懸濁液と共に一次加水分解処理装置に供給することを特徴とする、請求項5〜7のいずれか1項に記載のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の連続製造方法。
  9. 前記濃縮分離装置による処理によって得られる単糖類及びオリゴ糖類を含有する液相の少なくとも一部を活性炭、イオン交換樹脂、吸着樹脂から選ばれる少なくとも一種を用いて処理して単糖類、オリゴ糖類を精製することを特徴とする、請求項5〜8のいずれか1項に記載の単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の連続製造方法。
  10. 前記一次加水分解装置の前記排出口の近傍から水性洗浄液を一次加水分解処置内に供給して前記固−液分離装置を備えた中間取出口と前記排出口との間で加水分解処理懸濁液と向流接触させることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類、及びフルフラール類の連続製造方法。
  11. 前記バイオマスの水性懸濁液が、バイオマスをイオン交換水及び酸水溶液から選ばれる1種に懸濁させてなる水性懸濁液であることを特徴とする、請求項1〜10項のいずれか1項に記載のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の連続製造方法。
  12. 前記バイオマスが木質系バイオマスであることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の連続製造方法。
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