JP5835186B2 - バイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明で用いるバイオマスとしては、例えば、木質系原料であれば、樹木、林地残材、間伐材、廃材等のチップ又は樹皮、製材工場等から発生するおが屑、街路樹の剪定枝葉、建築廃材等が挙げられ、広葉樹、針葉樹共に用いることができる。草本系として、ケナフ、稲藁、麦わら、コーンコブ、バガス等の農産廃棄物、油用作物やゴム等の工芸作物の残渣及び廃棄物(例えば、EFB: Empty Fruit Bunch)、草本系エネルギー作物のエリアンサス、ミスカンサスやネピアグラス等のリグノセルロース系バイオマスが挙げられる。また、本発明のバイオマスとしては、木材由来の紙、古紙、パルプ、パルプスラッジ、スラッジ、下水汚泥等、食品廃棄物、等を原料として利用することができる。これらのバイオマスは、単独、あるいは複数を組み合わせて使用することができる。また、バイオマスは、乾燥固形物であっても、水分を含んだ固形物であっても、スラリーであっても用いることができる。バイオマスが乾燥固形物または水分を含んだ固形物であれば、水と混合させスラリー状態にした後に、加水分解反応装置に供給することが好ましい。
本発明の方法において、連続加水分解装置R1内での加水分解処理は、加圧下における熱水処理、酸処理、アルカリ処理等の方法を用いて行うことができるが、生成する単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類を効率的に回収するためには、加圧、加熱状態の水又は酸水溶液を用いた処理が望ましい。加圧、加熱状態の水による処理の場合、バイオマスを水と混合し、加圧、加熱して加水分解を行う。酸水溶液処理の方法としては、バイオマスを酸を含む水と混合し、加圧、加熱して加水分解を行う。酸水溶液処理で用いる酸は特に限定されないが、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、酢酸、シュウ酸等を用いることができる。
加水分解処理の温度としては、120〜250℃で行うことができるが、140〜230℃が好ましく、150〜190℃がより好ましい。
加水分解処理の圧力は、0.35MPa〜2.8MPaであることが好ましい。
バイオマスと混合する水性液体とバイオマスの質量比(水性液体/バイオマス)は2〜8の範囲が好ましい。バイオマスと水性液体を混合して水性懸濁液原料を調製し、加水分解装置に供給して加水分解装置内で所定の温度と圧力で加水分解処理する。
以上の条件下での加水分解処理により、セルロースを主体とする加水分解処理バイオマスと、バイオマス由来の加水分解生成物であるフルフラール、オリゴ糖類、単糖類などを含有する加水分解処理液よりなる加水分解処理懸濁液が得られる。
しかし、本発明のように連続加水分解装置R1の円筒部の側面に取り付けられた中間取出口Gの位置を上下方向に移動させた位置に変更することにより、単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類の生産比率及び各成分の生産量をコントロールすることが可能となる。
また、固形分の移送管路7によって蒸解工程に送られてパルプの製造原料として用いることができるので、本発明の加水分解方法は、溶解パルプ製造工程でクラフト蒸解の前工程である前加水分解工程とすることもできる。
このように連続加水分解装置R1を一次加水分解装置とし、得られた加水分解処理液(一次加水分解処理液)にさらに加水分解処理を施す二次加水分解装置を設けることにより、パルプ生産と同時にフルフラール類、オリゴ糖類、単糖類を効率よく生産することが可能になる。
フラッシュ蒸留装置としては、フラッシュタンク、フラッシュサイクロン等が使用される。
濃縮分離装置の底部から水溶性の加水分解生成物であるオリゴ糖類や単糖類からなる糖類や酢酸等の有機酸を含有する糖類含有水溶液として糖類含有濃縮液を回収することができる。
一次加水分解処理液、二次加水分解処理液あるいは前記の濃縮分離装置でフルフラール類を分離した後の糖類含有濃縮液に含まれる単糖類及びオリゴ糖類は、一般的に糖の精製プロセスで用いられる方法で分離・精製することができる。また、UF膜(限外濾過膜)、RO膜(逆浸透膜)、NF膜(ナノフィルトレーション)、分子ふるいクロマトグラフィー、疑似移動床クロマトグラフィー等を用いてオリゴ糖類を濃縮したり、オリゴ糖類及び単糖類を分離したりすることができる。一次加水分解処理液、二次加水分解処理液あるいは濃縮分離装置からの糖類含有濃縮液に含まれる着色成分や塩類等の不純物は、活性炭、イオン交換樹脂(陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹脂等)、吸着樹脂等を用いて除去することができる。
濾過脱水装置としては、オリバーフィルター、ベルトフィルター、プレコートフィルター、ディスクフィルター、水平ベルトフィルターなどの真空濾過脱水装置、密閉式加圧濾過装置、フィルタープレス装置、ベルトプレス装置、スクリュープレス装置、バスケット型及びデカンター型遠心濾過脱水装置、回転加圧脱水装置、多重円盤脱水装置、中空糸膜濾過装置、クロスフロー型濾過装置等が使用できる。
本発明では、前記連続加水分解装置で処理した加水分解処理液あるいは濃縮分離装置から得られる糖類含有水溶液を活性炭、イオン交換樹脂、吸着樹脂から選ばれる少なくとも一つを用いて単糖類、オリゴ糖類を精製することができる。活性炭、イオン交換樹脂、吸着樹脂の少なくとも2つ以上を用いる場合の順序は特に限定されないが、イオン交換樹脂における負荷を極力減少させるため、活性炭処理または吸着樹脂処理を行った後にイオン交換樹脂の処理を行うことが好ましい。
ユーカリ・ペリータのチップ(厚さ2mm)1kg(乾燥重量)に対してイオン交換水5kgの比率で混合し、この混合物を原料として用いた。図1に示す連続加水分解装置R1の頂部供給口Aに接続している水性懸濁液供給管路1から上記水性懸濁原料を連続的に400質量部/時で供給し、連続加水分解装置R1で150℃、0.48MPaで加水分解処理を行い、加水分解処理された原料含有懸濁液を連続加水分解装置R1の排出口Bより連続的に排出した。原料が加水分解装置R1の供給口Aから供給されてから排出口Bから排出されるまでの時間(滞留時間)を100分に設定した。
原料供給開始3時間後(定常状態後)から加水分解装置R1の加水分解処理時間20分の位置の中間取出口Gより、加水分解装置R1内の温度及び圧力を維持した状態で加水分解処理液(130質量部/時)をバルブを開き取り出した。取出した加水分解処理液の全糖、単糖類、オリゴ糖類、フルフラールの含有量を下記の方法で測定し、溶液中の定量値より、原料(乾燥重量)に対する各成分の収率を算出した。結果を表1に示す。
糖分析は、DIONEX社製糖分析システム(ICS5000)を用いた。カラムはCArBopAk PA−1 (20 × 250mm)を用い、20mM NaOH溶液を溶離液とし、0.25ml/minの流速で単糖を溶出させた。検出には、パルスアンペロメトリー検出器を用いた。単糖の標品として、グルコース、ガラクトース、マンノース、アラビノース、キシロースを用いた。これらの各成分の検量線を作成し、試料中の各単糖の含有量を求めた。
試料溶液に最終濃度が4質量%となるように硫酸を添加し、120℃で1時間加水分解を行った後、糖分析を実施し、試料中の各単糖の含有量を求め、その合計値を全糖量とした。
試料中の全糖量から、4質量%硫酸で加水分解を行う前の試料中の各単糖の含有量を差し引いた値をオリゴ糖含有量とした。
フルフラール類の定量にはAgilent社製HPLCシステムを用いた。カラムは、Bio−RAd社製Aminex HPX87P(7.8×300mm)を用い、5mM硫酸を溶離液とし、1ml/minの流速でフルフラール類を溶出させた。検出にはUV−Vis検出器を用いた。フルフラール類の標品として、フルフラールを用い、検量線を作成し、試料中の含有量を求めた。
製造例1において、加水分解処理時間30分の位置の中間取出口より加水分解処理液を取出した以外は製造例1と同様の方法で加水分解処理を行った。結果を表1に示す。
製造例1において、加水分解処理時間40分の位置の中間取出口より加水分解処理液を取出した以外は製造例1と同様の方法で加水分解処理を行った。結果を表1に示す。
製造例1において、加水分解処理時間50分の位置の中間取出口より加水分解処理液を取出した以外は製造例1と同様の方法で加水分解処理を行った。結果を表1に示す。
製造例1において、加水分解処理時間60分の位置の中間取出口より加水分解処理液を取出した以外は製造例1と同様の方法で加水分解処理を行った。結果を表1に示す。
製造例1において、加水分解処理時間70分の位置の中間取出口より加水分解処理液を取出した以外は製造例1と同様の方法で加水分解処理を行った。結果を表1に示す。
製造例1において、加水分解処理時間80分の位置の中間取出口より加水分解処理液を取出した以外は製造例1と同様の方法で加水分解処理を行った。結果を表1に示す。
単糖類の収率は、70分(製造例6)の位置の中間取出口から取出した加水分解処理液が最も高かった。オリゴ糖類の収率は、60分(製造例5)の位置の中間取出口から取出した加水分解処理液が最も高かった。フルフラール類の収率は、80分(製造例7)の位置の中間取出口から取出した加水分解処理液が最も高かった。
また、20分(製造例1)、30分(製造例2)及び40分(製造例3)の位置の中間取出口から取出した加水分解処理液は、フルフラール類に対する糖類(単糖類+オリゴ糖類)の比率が高かった。
製造例1において、連続加水分解装置R1で、170℃、0.80MPaで加水分解処理を行なった以外は製造例1と同様の方法で加水分解処理を行った。加水分解処理時間20分の位置の中間取出口より加水分解処理液を取出した。結果を表2及び図2に示す。
製造例1において、連続加水分解装置R1で、170℃、0.80MPaで加水分解処理を行なった以外は製造例1と同様の方法で加水分解処理を行った。加水分解処理時間30分の位置の中間取出口より加水分解処理液を取出した。結果を表2及び図2に示す。
製造例1において、連続加水分解装置R1で、170℃、0.80MPaで加水分解処理を行なった以外は製造例1と同様の方法で加水分解処理を行った。加水分解処理時間40分の位置の中間取出口より加水分解処理液を取出した。結果を表2及び図2に示す。
製造例1において、連続加水分解装置R1で、170℃、0.80MPaで加水分解処理を行なった以外は製造例1と同様の方法で加水分解処理を行った。加水分解処理時間50分の位置の中間取出口より加水分解処理液を取出した。結果を表2及び図2に示す。
製造例1において、連続加水分解装置R1で、170℃、0.80MPaで加水分解処理を行なった以外は製造例1と同様の方法で加水分解処理を行った。加水分解処理時間60分の位置の中間取出口より加水分解処理液を取出した。結果を表2及び図2に示す。
製造例1において、連続加水分解装置R1で、170℃、0.80MPaで加水分解処理を行なった以外は製造例1と同様の方法で加水分解処理を行った。加水分解処理時間70分の位置の中間取出口より加水分解処理液を取出した。結果を表2及び図2に示す。
製造例1において、連続加水分解装置R1で、170℃、0.80MPaで加水分解処理を行なった以外は製造例1と同様の方法で加水分解処理を行った。加水分解処理時間80分の位置の中間取出口より加水分解処理液を取出した。結果を表2及び図2に示す。
単糖類の収率は、60分(製造例12)の位置の中間取出口から取出した加水分解処理液が最も高かった。オリゴ糖類の収率は、40分(製造例10)の位置の中間取出口から取出した加水分解処理液が最も高かった。フルフラール類の収率は、70分(製造例13)の位置の中間取出口から取出した加水分解処理液が最も高かった。
製造例1において、連続加水分解装置R1で、190℃、1.26MPaで加水分解処理を行なった以外は製造例1と同様の方法で加水分解処理を行った。加水分解処理時間20分の位置の中間取出口より加水分解処理液を取出した。結果を表3に示す。
製造例1において、連続加水分解装置R1で、190℃、1.26MPaで加水分解処理を行なった以外は製造例1と同様の方法で加水分解処理を行った。加水分解処理時間30分の位置の中間取出口より加水分解処理液を取出した。結果を表3に示す。
製造例1において、連続加水分解装置R1で、190℃、1.26MPaで加水分解処理を行なった以外は製造例1と同様の方法で加水分解処理を行った。加水分解処理時間40分の位置の中間取出口より加水分解処理液を取出した。結果を表3に示す。
製造例1において、連続加水分解装置R1で、190℃、1.26MPaで加水分解処理を行なった以外は製造例1と同様の方法で加水分解処理を行った。加水分解処理時間50分の位置の中間取出口より加水分解処理液を取出した。結果を表3に示す。
製造例1において、連続加水分解装置R1で、190℃、1.26MPaで加水分解処理を行なった以外は製造例1と同様の方法で加水分解処理を行った。加水分解処理時間60分の位置の中間取出口より加水分解処理液を取出した。結果を表3に示す。
製造例1において、一次加水分解装置R1で、190℃、1.26MPaで加水分解処理を行なった以外は製造例1と同様の方法で加水分解処理を行った。加水分解処理時間70分の位置の中間取出口より加水分解処理液を取出した。結果を表3に示す。
製造例1において、一次加水分解装置R1で190℃、1.26MPaで加水分解処理を行なった以外は製造例1と同様の方法で加水分解処理を行った。加水分解処理時間80分の位置の中間取出口より加水分解処理液を取出した。結果を表3に示す。
単糖類の収率は、50分(製造例18)の位置の中間取出口から取出した加水分解処理液が最も高かった。オリゴ糖類の収率は、30分(製造例16)の位置の中間取出口から取出した加水分解処理液が最も高かった。フルフラール類の収率は、60分(製造例19)の位置の中間取出口から取出した加水分解処理液が最も高かった。
図1に示す連続加水分解装置R1において、装置底部の向流洗浄液供給装置Wから供給管路6により洗浄水を400質量部/時で供給して、前記目開き80μmのステンレス製金網Sが設置されている連続加水分解装置R1の中央部の取出口から下方に移動する加水分解処理懸濁液と向流接触させた以外は、製造例8(加水分解温度170℃)と同様の方法で連続加水分解処理を行った。
原料供給開始3時間後(定常状態後)から加水分解装置の加水分解処理時間20分の位置の中間取出口より、加水分解装置内の温度及び圧力を維持した状態で加水分解処理液(130質量部/時)をバルブを開き取り出した。取出した加水分解処理液の全糖、単糖類、オリゴ糖類、フルフラールの含有量を測定し、溶液中の定量値より、原料(乾燥重量)に対する各成分の収率を算出した。結果を表4に示す。
製造例22において、加水分解処理時間30分の位置の中間取出口より加水分解処理液を取出した以外は、製造例22と同様の方法で連続加水分解処理を行った。結果を表4に示す。
製造例22において、加水分解処理時間40分の位置の中間取出口より加水分解処理液を取出した以外は、製造例22と同様の方法で連続加水分解処理を行った結果を表4に示す。
結果を表4に示す。
製造例22において、加水分解処理時間50分の位置の中間取出口より加水分解処理液を取出した以外は、製造例22と同様の方法で連続加水分解処理を行った結果を表4に示す。
製造例22において、加水分解処理時間60分の位置の中間取出口より加水分解処理液を取出した以外は、製造例22と同様の方法で連続加水分解処理を行った結果を表4に示す。
製造例22において、加水分解処理時間70分の位置の中間取出口より加水分解処理液を取出した以外、製造例22と同様の方法で連続加水分解処理を行った結果を表4に示す。
製造例22において、加水分解処理時間80分の位置の中間取出口より加水分解処理液を取出した以外は、製造例22と同様の方法で連続加水分解処理を行った結果を表4に示す。
製造例8において、原料としてスギ(厚さ2mm)を用いて連続加水分解処理(170℃)を行い、加水分解処理時間20分の位置の中間取出口より加水分解処理液を取出した以外は製造例8と同様の方法で連続加水分解処理を行った。結果を表5に示す。
製造例9において、原料としてスギ(厚さ2mm)を用いて連続加水分解処理(170℃)を行い、加水分解処理時間30分の位置の中間取出口より加水分解処理液を取出した以外は製造例9と同様の方法で連続加水分解処理を行った。結果を表5に示す。
製造例10において、原料としてスギ(厚さ2mm)を用いて連続加水分解処理(170℃)を行い、加水分解処理時間40分の位置の中間取出口より加水分解処理液を取出した以外は製造例10と同様の方法で連続加水分解処理を行った。結果を表5に示す。
製造例11において、原料としてスギ(厚さ2mm)を用いて連続加水分解処理(170℃)を行い、加水分解処理時間50分の位置の中間取出口より加水分解処理液を取出した以外は製造例11と同様の方法で加水分解処理を行った。結果を表5に示す。
製造例12において、原料としてスギ(厚さ2mm)を用いて連続加水分解処理(170℃)を行い、加水分解処理時間60分の位置の中間取出口より加水分解処理液を取出した以外は製造例12と同様の方法で加水分解処理を行った。結果を表5に示す。
製造例13において、原料としてスギ(厚さ2mm)を用いて連続加水分解処理(170℃)を行い、加水分解処理時間70分の位置の中間取出口より加水分解処理液を取出した以外は製造例13と同様の方法で加水分解処理を行った。結果を表5に示す。
製造例14において、原料としてスギ(厚さ2mm)を用いて連続加水分解処理(170℃)を行い、加水分解処理時間80分の位置の中間取出口より加水分解処理液を取出した以外は製造例14と同様の方法で加水分解処理を行った。結果を表5に示す。
単糖類の収率は、60分(製造例33)の位置の中間取出口から取出した加水分解処理液が最も高かった。オリゴ糖類の収率は、40分(製造例31)の位置の中間取出口から取出した加水分解処理液が最も高かった。フルフラール類の収率は、70分(製造例34)の位置の中間取出口から取出した加水分解処理液が最も高かった。
図3に示す製造工程に従って、フルフラール類、単糖類及びオリゴ糖類を製造した。
<キシロース高含有糖液の製造>
製造例12と同様の方法で一次加水分解処理を行った。一次加水分解処理後の一次加水分解処理液を移送管路3によりエバポレーター(濃縮分離装置E)に移送し、エバポレーターで液相(糖類含有濃縮液)と蒸気相(フルフラール含有蒸気)に分離した。エバポレーターでは液相の全糖濃度が25質量%となるまで濃縮した。一方、蒸気相を移送管路40を経由してコンデンサーCに送って凝縮し、フルフラールを高含量で含む凝縮液を回収管路41により取り出した。エバポレーターで分離した液相に含まれる沈殿物をセラミックフィルターCEを用いて除去して濾液を分離した。分離した濾液を、移送管路38により粒状活性炭(カルゴンカーボン製MS10)を充填した活性炭カラムACにSV=2の流速で通液し、脱色を行った。次に、脱色後の処理液を移送管路30により陽イオン交換樹脂CA(オルガノ製CT200)を充填したカラムへ通液し、さらに移送管路31により陰イオン交換樹脂AN(オルガノ製IRA96SB)を充填したカラムにSV=2で通液した。陰イオン交換樹脂ANから排出された処理液をさらに管路32を経由して陽イオン交換樹脂CAに通液し、次いで、管路33を経由して陰イオン交換樹脂ANへ通液させた後、陰イオン交換樹脂ANに接続している管路34から糖液として回収した。回収した糖液を、エバポレーターで濃縮し、70質量%の液糖を得た。得られた液糖の420nmにおける吸光度は0、電気伝導度は0.001mS/mであった。液糖の糖組成を表6に示す。
図3に示す製造工程に従って、フルフラール類、単糖類及びオリゴ糖類を製造した。
<キシロオリゴ糖高含有糖液の製造>
製造例24と同様の方法で一次加水分解処理を行った。それ以外の操作は全て製造例36と同様の方法で試験した。エバポレーターで濃縮した70質量%の液糖の420nmにおける吸光度は0、電気伝導度は0.001mS/mであった。液糖の糖組成を表6に示す。
図4に示す製造工程に従って、フルフラール類、単糖類及びオリゴ糖類を製造した。
<キシロオリゴ糖高含有糖液の製造>
製造例24と同様の方法で一次加水分解処理を行った。一次加水分解処理後の一次加水分解処理液を移送管路3によりエバポレーター(濃縮分離装置E)に移送し、エバポレーターで液相(糖類含有濃縮液)と蒸気相(フルフラール含有蒸気)に分離した。エバポレーターでは液相の全糖濃度が25質量%となるまで濃縮した。一方、蒸気相を移送管路40を経由してコンデンサーCで凝縮し、フルフラールを高含量で含む凝縮液を回収管路41により取り出した。エバポレーターで分離した液相に含まれる沈殿物をセラミックフィルターCEを用いて除去して濾液を分離した。分離した濾液を、移送管路38により粒状活性炭(カルゴンカーボン製MS10)を充填した活性炭カラムACにSV=2の流速で通液し、脱色を行った。次に、脱色後の処理液を移送管路30により陽イオン交換樹脂CA(オルガノ製CT200)を充填したカラムへ通液し、さらに移送管路31により陰イオン交換樹脂AN(オルガノ製IRA96SB)を充填したカラムにSV=2で通液した。陰イオン交換樹脂ANから排出された処理液をさらに移送管路32を経由して陽イオン交換樹脂CAに通液し、次いで、移送管路33を経由して陰イオン交換樹脂ANへ通液した。
次に、陰イオン交換樹脂ANに接続している移送管路35に排出された処理液を陽イオン交換樹脂(三菱科学製、ダイヤイオンUBK530(Na型))を充填した二成分分離クロマト分離装置SC(日本錬水製)に通液して単糖画分を回収管路37から回収し、オリゴ糖画分を移送管路36を経由してイオン交換樹脂IO:陽イオン交換樹脂(オルガノ製IRA120B)と陰イオン交換樹脂(オルガノ製XE583)を1:2の比率で混合充填したポリッシャーにSV=2の流速で通液し、糖液を回収管路42により回収した。回収した糖液をエバポレーターで濃縮し、70質量%の液糖とした。エバポレーターで濃縮した70質量%の液糖の420nmにおける吸光度は0、電気伝導度は0.001mS/mであった。液糖の糖組成を表6に示す。
図3に示す製造工程に従って、フルフラール類、単糖類及びオリゴ糖類を製造した。
<キシロース高含有糖液の製造>
製造例36と同様の方法で実施した。活性炭カラムACの代替としてフェノール・ホルムアルデヒド樹脂:合成吸着樹脂(味の素ファインテクノ社製)を用いた以外は全て製造例36と同様の方法で液糖を製造した。エバポレーターで濃縮した70質量%の液糖の420nmにおける吸光度は0、電気伝導度は0.001mS/mであった。液糖の糖組成を表6に示す。
6:洗浄液の供給管路
2,3,7,30〜33,35,36,38,39,40:移送管路
34,37,41,42:回収管路
R1:加水分解装置
S:ストレーナー
W:向流洗浄液供給装置
V:バルブ
VP:減圧バルブ
CE:セラミックフィルター
E:濃縮分離装置
AC:活性炭カラム
CA:陽イオン交換樹脂カラム
AN:陰イオン交換樹脂カラム
SC:二成分分離クロマト分離装置
IO:イオン交換樹脂カラム
C:コンデンサー
NE:中和剤
Claims (11)
- バイオマスの水性懸濁液を、連続加水分解装置の供給口より連続的に供給して装置内を移動させつつ単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類を生成する加圧・加熱条件でバイオマスを連続加水分解処理し、連続加水分解処理液を連続加水分解装置の排出口より連続的に排出するとともに、連続加水分解装置の前記供給口と前記排出口の中間の任意の位置に取り付けられている固−液分離装置を備えた中間取出口より、装置内の連続加水分解処理懸濁液から分離した加水分解処理液を加水分解処理の温度及び加圧を保った状態で取り出し、取り出した加水分解処理液を、該加水分解処理液からフルフラール類、単糖類及びオリゴ糖類を分離して回収する分離・回収工程に移送してフルフラール類含有蒸気と糖類含有濃縮液に分離し、該フルフラール類含有蒸気を凝縮してフルフラール類含有水溶液として濃縮分離するとともに、該糖類含有濃縮液を精製工程に移送して該糖類含有濃縮液に中和剤を添加した後に糖類含有濃縮液を精製処理することを特徴とする、バイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の製造方法。
- 前記糖類含有濃縮液の精製工程で、糖類含有濃縮液に対して固形分除去処理工程での処理、脱色・脱塩処理工程での処理を行うことを特徴とする、請求項1に記載のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の製造方法。
- バイオマスの水性懸濁液を、連続加水分解装置の供給口より連続的に供給して装置内を移動させつつ単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類を生成する加圧・加熱条件でバイオマスを連続加水分解処理し、連続加水分解処理液を連続加水分解装置の排出口より連続的に排出するとともに、連続加水分解装置の前記供給口と前記排出口の中間の任意の位置に取り付けられた固−液分離装置を備えた中間取出口より、装置内の連続加水分解処理懸濁液から分離した加水分解処理液を加水分解処理の温度及び加圧を保った状態で取り出し、取り出した加水分解処理液を、該加水分解処理液からフルフラール類、単糖類及びオリゴ糖類を分離して回収する分離・回収工程に移送してフルフラール類含有蒸気と糖類含有濃縮液に分離し、該フルフラール類含有蒸気を濃縮分離工程で凝縮してフルフラール類含有水溶液を回収するとともに、該糖類含有濃縮液を精製工程に移送して固形分除去処理工程での処理、脱色・脱塩処理工程での処理を行うことを特徴とする、バイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の製造方法。
- 前記糖類含有濃縮液の精製工程で、前記糖類含有濃縮液に対して、セラミックフィルターによるろ過処理工程での処理、活性炭による吸着処理工程での処理、陽イオン交換樹脂処理工程と陰イオン交換樹脂処理工程よりなる少なくとも1種のイオン交換樹脂処理工程での処理、吸着樹脂による処理工程での処理から選ばれる少なくとも1種による精製処理を行うことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の製造方法。
- バイオマスの水性懸濁液を、連続加水分解装置の供給口より連続的に供給して装置内を移動させつつ単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類を生成する加圧・加熱条件でバイオマスを連続加水分解処理し、連続加水分解処理液を連続加水分解装置の排出口より連続的に排出するとともに、連続加水分解装置の前記供給口と前記排出口の中間の任意の位置に取り付けられた固−液分離装置を備えた中間取出口より、装置内の連続加水分解処理懸濁液から分離した加水分解処理液を加水分解処理の温度及び加圧を保った状態で取り出し、取り出した加水分解処理液を、該加水分解処理液からフルフラール類、単糖類及びオリゴ糖類を分離して回収する分離・回収工程に移送してフルフラール類含有蒸気と糖類含有濃縮液に分離し、該フルフラール類含有蒸気を濃縮分離工程で凝縮してフルフラール類含有水溶液を回収するとともに、該糖類含有濃縮液を精製工程に移送して、セラミックフィルターによるろ過処理工程での処理、活性炭による吸着処理工程での処理、陽イオン交換樹脂処理工程と陰イオン交換樹脂処理工程よりなる少なくとも1種のイオン交換樹脂処理工程での処理、吸着樹脂による処理工程での処理から選ばれる少なくとも1種による精製処理を行うことを特徴とする、バイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の製造方法。
- 前記糖類含有濃縮液の精製工程で、前記糖類含有濃縮液を、セラミックフィルターによるろ過処理工程での処理、活性炭による吸着処理工程での処理及び複数の陽イオン交換樹脂処理と陰イオン交換樹脂処理を交互に行うイオン交換樹脂処理工程での処理をからなる精製処理を行うことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の製造方法。
- バイオマスの水性懸濁液を、連続加水分解装置の供給口より連続的に供給して装置内を移動させつつ単糖類、オリゴ糖類、フルフラール類を生成する加圧・加熱条件でバイオマスを連続加水分解処理し、連続加水分解処理液を連続加水分解装置の排出口より連続的に排出するとともに、連続加水分解装置の前記供給口と前記排出口の中間の任意の位置に取り付けられた固−液分離装置を備えた中間取出口より、装置内の連続加水分解処理懸濁液から分離した加水分解処理液を加水分解処理の温度及び加圧を保った状態で取り出し、取り出した加水分解処理液を、該加水分解処理液からフルフラール類、単糖類及びオリゴ糖類を分離して回収する分離・回収工程に移送してフルフラール類含有蒸気と糖類含有濃縮液に分離し、該フルフラール類含有蒸気を濃縮分離工程で凝縮してフルフラール類含有水溶液を回収するとともに、該糖類含有濃縮液を精製工程に移送して、セラミックフィルターによるろ過処理工程での処理、活性炭による吸着処理工程での処理、陽イオン交換樹脂処理と陰イオン交換樹脂処理を交互に行うイオン交換樹脂処理工程での処理からなる精製処理を行うことを特徴とする、バイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の製造方法。
- 前記連続加水分解装置の前記排出口の近傍から水性洗浄液を連続加水分解処置内に供給して前記固−液分離装置を備えた中間取出口と前記排出口との間で加水分解処理懸濁液と向流接触させることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の製造方法。
- 前記糖類含有濃縮液の精製工程に引き続いて、精製処理された糖類含有濃縮液から糖類成分分離工程において単糖類とオリゴ糖類を分離、回収する処理を行うことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の製造方法。
- 前記糖類含有濃縮液の精製工程に引き続いて、精製処理された糖類含有濃縮液から糖類成分分離工程において、分子ふるいクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィ−、逆浸透膜ろ過装置から選ばれる二成分分離装置により単糖類とオリゴ糖類の分離を行うことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の製造方法。
- 前記バイオマスが木質バイオマスであることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載のバイオマスからの単糖類、オリゴ糖類及びフルフラール類の製造方法。
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