JP2014029053A - シートベルト用の低摩擦組成体及びそのような組成体でコーティングされるシートベルト - Google Patents

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Abstract

【課題】ベルトの滑らかな取り扱い特性を向上させるだけでなく、リトラクタ内へのベルトの引き込み速度で表わされる摩擦特性も向上させるシートベルト用の新規な低摩擦組成体を提案する。
【解決手段】シートベルト用の低摩擦組成体であって、以下の成分、すなわち、ポリエーテルポリウレタンと、遊離NCO基を有し、脂肪族鎖を含む低分子量ポリウレタンと、遊離NCO基を有さないポリウレタンと、ポリエチレンと、ポリジメチルシロキサンとを備えることを特徴とする低摩擦組成体である。更にフルオロアルキルアクリレートポリマーを含み、水に分散されたエマルジョン形態の低摩擦組成物である。また、そのような組成体でコーティングされるシートベルトを扱う。
【選択図】なし

Description

本発明は、シートベルト用の低摩擦組成体に関する。本発明はまた、そのような組成体でコーティングされるシートベルトに関する。
初期および摩耗後における車両のシートベルトの抜き出し及び引き込み動作は非常に重要である。
実際のところ、衝突時には、抜き出し及び/又は引き込みが速く起これば起こるほど、着用者におけるダメージは重要でなくなる。
その結果、シートベルトの摩擦パラメータを減少させることによってシートベルトの特性を向上させる必要性がある。
この目標に到達しようとする試みが、特開2000−328080号公報に記載されている。シートベルトの低摩擦処理のための物質が開示されている。この物質は、ポリウレタン樹脂と、球状の疎水性シリカを含むポリウレタン組成体とを備える。
この物質は、摺動能力、摩耗耐性、および、汚れ付着などの特性の低下を防止するものとして論じられている。
他の解決策が、特開2001−225717号公報に記載されている。この解決策は、2つのタイプのジメチルポリシロキサンおよび改質シリコン油を備える摩擦低減処理物質からなる。
特開2000−328080号公報 特開2001−225717号公報
本発明の第1の目的は、上記ベルトの滑らかな取り扱い特性を向上させるだけでなく、リトラクタ内へのベルトの引き込み速度で表わされる摩擦特性も向上させるシートベルト用の新規な低摩擦組成体を提案することである。
本発明によれば、シートベルト用のこの低摩擦組成体は、以下の成分、すなわち、
a)ポリエーテルポリウレタンと、
b)遊離NCO基を有し、脂肪族鎖を含む低分子量ポリウレタンと、
c)遊離NCO基を有さないポリウレタンと、
d)ポリエチレンと、
e)ポリジメチルシロキサンと、
を備えることを特徴とする。
この組成体の更なる有利であるが限定的でない特徴によれば、
上記ポリエーテルポリウレタンは弱い自己交差結合の疎水性ポリエーテルポリウレタンであり、
組成体はまた、フルオロカーボンポリマー(成分f))を備え、
上記ポリマーがフルオロアルキルアクリレートポリマーであり、
上記成分が水中で分散形態またはエマルジョン形態を成す。
組成体は、
成分a):25〜35ml、
成分b):4〜6ml、
成分c):4〜6ml、
成分d):1〜3ml、
成分e):35〜45ml、
適量水:1000ml
(組成体の全体積に基づく体積パーセンテージ)を備える。
組成体は、
成分f):4〜6ml
(組成体の全体積に基づく体積パーセンテージ)を備える。
本発明はまた、上記特徴のうちの任意の1つに係る組成体でコーティングされるシートベルトに関する。
このベルトの更なる有利であるが限定的でない特徴によれば、
シートベルトは、上記組成体の乾燥後に、
成分a):0.36〜0.48%、
成分b):0.06〜0.08%、
成分c):0.06〜0.08%、
成分d):0.02〜0.03%、
成分e):0.48〜0.64%
(ベルトの全重量に基づく重量パーセンテージ)を備え、
シートベルトは、上記組成体の乾燥後に、
成分f):0.06〜0.08%
(ベルトの全重量に基づく重量パーセンテージ)を備え、
シートベルトは合成繊維から形成され、
上記繊維がポリエチレンテレフタレート繊維である。
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明を読めば分かる。
前述したように、この低摩擦組成体はシートベルトに適用されるようになっており、これらのベルトは好ましくは合成繊維から形成される。特定の用途において、上記ベルトはポリエチレンテレフタレート繊維から形成される。
この組成体は、寸法安定化されたシートベルト上に熱によって適用されることが好ましい。組成体は、150℃の温度でパディングして硬化することによって適用される。
この組成体を用いて処理されるシートベルトは、初期および摩耗後の抜き出し及び引き込み動作時の摩擦低減において優れている。
シートベルト自体は、極めて滑らかな取り扱い特性を与える。
成分a)はポリエーテルポリウレタンである。この成分は、弱い自己交差結合のポリエーテルポリウレタンからなることが好ましい。そのような生成物は、ベルトの乾燥摩擦およびhexbar摩耗を改善する。
成分b)は、脂肪族鎖を含む遊離基を有する低分子量交差結合ポリウレタンであり、成分c)は硬質ポリウレタンである。
特定の実施形態において、成分b)の平均分子量は670g/モルである。
これらの2つの化合物の組み合わせは、摩擦を改善する。
ポリエチレンからなる成分d)もまた摩擦を改善する。
ポリジメチルシロキサンである成分e)の機能は、湿潤摩擦および摩耗と共にベルトの滑らかな取り扱い特性を改善することである。
フルオロカーボンポリマー、好ましくはフルオロアルキルアクリレートコポリマーである成分f)は、撥水性および撥油性を改善する。しかし、この成分は、コーティングの他の特性に対して著しい影響を与えない。
有利には、これらの成分は、水中で分散形態またはエマルジョン形態を成す。
そのようなコーティングを用いると、シートベルトの摩擦が極めて低減される。動的状況での引き込み及び抜き出し特性が向上される。特に、標準的な試験形態で引き込み速度の速さが50%高められる。
成分a)〜d)の組み合わせは、個々の成分および他のコーティング形態を用いて到達することができない付加価値を摩擦に関して与える。

Claims (13)

  1. シートベルト用の低摩擦組成体であって、以下の成分を含むことを特徴とする低摩擦組成体。
    a)ポリエーテルポリウレタン、
    b)遊離NCO基を有し、脂肪族鎖を含むポリウレタン、
    c)遊離NCO基を有さないポリウレタン、
    d)ポリエチレン、
    e)ポリジメチルシロキサン
  2. 前記ポリエーテルポリウレタンが自己硬化性の疎水性ポリエーテルポリウレタンであることを特徴とする請求項1に記載の低摩擦組成体。
  3. 成分a):25〜35ml、
    成分b):4〜6ml、
    成分c):4〜6ml、
    成分d):1〜3ml、
    成分e):35〜45ml、
    適量水:1000ml
    (組成体の全体積に基づく体積パーセンテージ)を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の低摩擦組成体。
  4. フルオロカーボンポリマー(成分f))をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の低摩擦組成体。
  5. 前記ポリマー(成分f)がフルオロアルキルアクリレートポリマーであることを特徴とする請求項4に記載の低摩擦組成体。
  6. 成分f):4〜6ml
    (組成体の全体積に基づく体積パーセンテージ)を含むことを特徴とする、請求項4又は5に記載の低摩擦組成体。
  7. 前記成分が水中で分散形態またはエマルジョン形態を成すことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の低摩擦組成体。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の組成体でコーティングされるシートベルト。
  9. 前記組成体の乾燥後に、
    成分a):0.36〜0.48%、
    成分b):0.06〜0.08%、
    成分c):0.06〜0.08%、
    成分d):0.02〜0.03%、
    成分e):0.48〜0.64%
    (ベルトの全重量に基づく重量パーセンテージ)を含むことを特徴とする請求項8に記載のシートベルト。
  10. 請求項4乃至6のいずれか一項に記載の組成体でコーティングされるシートベルト。
  11. 前記組成体の乾燥後に、
    成分f):0.06〜0.08%
    (ベルトの全重量に基づく重量パーセンテージ)を含むことを特徴とする請求項10に記載のシートベルト。
  12. 合成繊維から形成されることを特徴とする請求項8乃至11のいずれか一項に記載のシートベルト。
  13. 前記繊維がポリエチレンテレフタレート繊維であることを特徴とする請求項12に記載のシートベルト。
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