JP2014027091A - 固体撮像素子及び固体撮像素子の製造方法 - Google Patents

固体撮像素子及び固体撮像素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 解像感が高く色の再現性が良い画像データを得ることが可能であるとともに、小型化が容易である固体撮像素子を提供する。
【解決手段】 固体撮像素子1は、それぞれの画素領域PAについて入射する光を光電変換する光電変換部11〜13を複数備える基板10と、基板10の表面S上に設けられそれぞれの画素領域PAについて入射する光を分光して複数の光電変換部11〜13のそれぞれに対して出射する分光部20と、を備える。分光部20は、それぞれの画素領域PAについて、伝搬する光の波長帯域が異なる複数の導波路21〜23を備える
【選択図】 図1

Description

本発明は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサやCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサなどに代表される固体撮像素子及びその製造方法に関する。
近年、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサなどの固体撮像素子が、デジタルビデオカメラやデジタルスチルカメラなどの撮像装置や、カメラ付き携帯電話機などの撮像機能を備えた様々な電子機器に用いられている。特に、装置の小型化や簡素化、低コスト化などの観点から、単板式の固体撮像素子が広く用いられている。単板式の固体撮像素子では、例えば、ベイヤ配列のカラーフィルタを用いて画素毎に赤(R)緑(G)青(B)のいずれかの色(波長)の光を取得するとともに、画素毎に取得した光を光電変換することで電荷を生成し、さらに生成した電荷に応じた信号を生成することで、画像データを生成する。
単板式の固体撮像素子では、1つの画素において1色の光の光電変換を行うことから、色毎の画素のピッチが大きくなるため、ナイキスト周波数が小さくなり、モアレが発生しやすくなる。そこで、単板式の固体撮像素子では、このモアレの発生を抑制するべく、入射する光の空間周波数を低減するためのローパスフィルタを備えることが多い。また、最終的にはそれぞれの画素に対して3色のデータを割り当てる必要があるため、単板式の固体撮像素子によって生成される画像データ(RAWデータ)については、それぞれの色毎に補間処理(デモザイキング)が必要になる。
しかしながら、ローパスフィルタを用いて固体撮像素子に入射する光の空間周波数を低下させると、それに伴い解像感が低下するため、問題となる。また、補間処理は、データ処理によって各画素における色のデータを増やすだけであるため、解像感を向上させることはできず、場合によっては偽色等が生じ得るため、問題となる。
そこで、特許文献1では、シリコンにおける赤緑青のそれぞれの色の光の吸収深さの違いを利用して、青色の光を光電変換するためのフォトダイオードと、緑色の光を光電変換するためのフォトダイオードと、赤色の光を光電変換するためのフォトダイオードと、を基板の深さ方向に対して並べて形成することによって、1つの画素領域において赤緑青のそれぞれの色の光を別々に光電変換することを可能にする固体撮像素子が提案されている。なお、シリコンでは、青色の光の「大部分」が0.2μm〜0.5μmの深さで吸収され、赤色の光の「大部分」が1.5μm〜3.0μmの深さで吸収されることが、特許文献1において示されている。
また、この固体撮像素子では、光が入射する基板の表面から順に、浅いn型の半導体から成る領域、浅いp型の半導体から成る領域、深いn型の半導体から成る領域、深いp型の半導体から成る領域が、それぞれ形成されている。そして、浅いn型の半導体から成る領域と、浅いp型の半導体から成る領域とによって、青色の光を光電変換するためのフォトダイオードが構成されている。また、浅いp型の半導体から成る領域と、深いn型の半導体から成る領域とによって、緑色の光を光電変換するためのフォトダイオードが構成されている。また、深いn型の半導体から成る領域と、深いp型の半導体から成る領域とによって、赤色の光を光電変換するためのフォトダイオードが構成されている。
また、特許文献2では、ノコギリ刃状の表面を有したプリズムと、当該プリズムで分光された光を光電変換する固体撮像素子と、を備える撮像装置が提案されている。この撮像装置が備える固体撮像素子では、光が入射する基板表面に形成されたそれぞれの画素領域において、赤色の光を光電変換する光電変換部、緑色の光を光電変換する光電変換部、青色の光を光電変換する光電変換部が、所定の方向に沿って並んで形成される。また、プリズムの1つの刃によって分光されて1つの画素領域に照射される光は、上記の所定の方向に沿って波長が小さくなる(赤から青へと変化する)一連のパターンを有している。したがって、画素領域において、赤色の光を光電変換する光電変換部には赤色の光が照射され、緑色の光を光電変換する光電変換部には緑色の光が照射され、青色の光を光電変換する光電変換部には青色の光が照射されることになるため、1つの画素領域において、赤緑青のそれぞれの色の光を別々に光電変換することが可能になる。
特表2002−513145号公報 特開平8−182006号公報
しかしながら、特許文献1で提案されている固体撮像素子では、入射する光から所定の色の光を選択的に光電変換することで、他の色の光を分離するものであるため、所定の色の光を光電変換する時に、他の色の光の「一部分」(「大部分」以外の部分)が光電変換されてしまう。具体的に例えば、青色の光を光電変換するためのフォトダイオードで、緑色や赤色の光の「一部分」が光電変換されたり、青色の光を光電変換するためのフォトダイオードを透過した青色の光が、緑色や赤色の光を光電変換するためのフォトダイオードで光電変換されたりしてしまう。したがって、特許文献1で提案されている固体撮像素子では、画像データにおける色の再現性が悪くなるため、問題となる。
これに対して、特許文献2で提案されている撮像装置では、固体撮像素子において光電変換をする前に、プリズムによって分光するため、色の再現性が良い画像データを得ることができる。しかしながら、特許文献2で提案されている撮像装置では、適切に分光するために、マイクロレンズ及びプリズム間の距離と、プリズム及び固体撮像素子間の距離と、のそれぞれを十分に確保する必要がある。さらに、プリズムのそれぞれの刃によって分光されたそれぞれの光(上記の一連のパターンを有する光)は、固体撮像素子の表面に対して分散されて照射されるため、画素領域の間隔を狭めることが困難である。したがって、特許文献2で提案されている撮像装置及び固体撮像素子では、小型化が困難になるため、問題となる。
そこで、本発明は、解像感が高く色の再現性が良い画像データを得ることが可能であるとともに、小型化が容易である固体撮像素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、それぞれの画素領域について、入射する光を光電変換する光電変換部を複数備える基板と、前記基板の表面上に設けられ、それぞれの前記画素領域について、入射する光を分光して複数の前記光電変換部のそれぞれに対して出射する分光部と、を備え、それぞれの前記画素領域について、前記分光部が、伝搬する光の波長帯域が異なる複数の導波路を備えることを特徴とする固体撮像素子を提供する。
この固体撮像素子によれば、基板の表面上に設けた分光部において、プリズムやカラーフィルタ等を用いることなく、導波路を用いて分光することが可能になる。
さらに、上記特徴の固体撮像素子において、それぞれの前記画素領域について、前記分光部が、幅及び屈折率の少なくともいずれか一方が異なる複数の前記導波路を備えると、好ましい。
この固体撮像素子によれば、導波路の幅及び屈折率の少なくともいずれか一方を異ならせるだけで、伝搬する光の波長帯域が異なる複数の導波路を、容易に形成することが可能になる。
さらに、上記特徴の固体撮像素子において、前記導波路の下端と、当該導波路に対応する前記光電変換部の上端と、が対向していると、好ましい。
この固体撮像素子によれば、それぞれの導波路が出射する光を、導波路に対応する光電変換部に対して精度良く入射させることが可能になる。
さらに、上記特徴の固体撮像素子において、それぞれの前記画素領域について、前記分光部が備える複数の前記導波路は、ある導波路に入射するとともに当該ある導波路に伝搬されずに透過した光が、当該ある導波路よりも伝搬する光の波長帯域の上限波長が大きい他の導波路に入射するように、形成されていると、好ましい。
特に、上記特徴の固体撮像素子において、それぞれの前記画素領域について、前記分光部が備える複数の前記導波路は、前記分光部内における少なくとも一部の光の進行方向に対して、ある導波路が、当該ある導波路よりも伝搬する光の波長帯域の上限波長が大きい他の導波路を覆うように形成されていると、好ましい。
この固体撮像素子によれば、伝搬する光の波長帯域の上限波長が小さい導波路に、波長が小さい光が選択的に取り込まれた後、残った波長が大きい光が、伝搬する光の波長帯域の上限波長が大きい導波路に取り込まれることになる。そのため、導波路による分光の精度を、高めることが可能になる。
さらに、上記特徴の固体撮像素子において、それぞれの前記画素領域について、少なくとも1つの前記導波路の少なくとも一部が、前記基板の前記表面に垂直な方向に対して傾斜していると、好ましい。
この固体撮像素子によれば、分光部内を進行する光が、導波路に入射し易くなる。そのため、導波路が、分光部内を進行する光を効率良く取り込むことが可能になる。
さらに、上記特徴の固体撮像素子において、それぞれの前記画素領域について、少なくとも1つの前記導波路は、前記基板に近い側が前記基板の前記表面に対して垂直となり、前記基板から遠い側が前記基板の前記表面に垂直な方向に対して傾斜していると、好ましい。
この固体撮像素子によれば、導波路から出射される光が、基板の表面に対して垂直に入射する。そのため、導波路が出射した光を、効率良く光電変換部に入射させることが可能になる。
さらに、上記特徴の固体撮像素子において、それぞれの前記画素領域について、少なくとも1つの前記導波路は、前記基板から遠い側の幅が、前記基板に近い側の幅よりも大きくなっていると、好ましい。
この固体撮像素子によれば、基板から遠い側において、分光部内を進行する光を導波路に効率良く取り込ませるとともに、基板から近い側において、精度良く分光することが可能になる。
さらに、上記特徴の固体撮像素子において、それぞれの前記画素領域について、少なくとも1つの前記導波路は、前記基板から遠い側の幅が、前記基板に近い側に向かって漸減している
この固体撮像素子によれば、導波路の幅が急峻に変化しないため、導波路の内部で光の散乱等が発生することを、抑制することが可能になる。
さらに、上記特徴の固体撮像素子において、それぞれの前記画素領域について、少なくとも1つの前記導波路の、前記基板から遠い側が、複数に枝分かれしていると、好ましい。
この固体撮像素子によれば、導波路が有するそれぞれの枝から、分光部内を進行する光を効率良く取り込むことが可能になる。さらに、マイクロレンズ等の集光用の部材を用いる代わりに、枝分かれした導波路を用いて集光することが可能になるため、集光用の部材を不要にして固体撮像素子の小型化及び簡素化を図ることが可能になる。
さらに、上記特徴の固体撮像素子において、それぞれの前記画素領域について、前記分光部が、伝搬する光の波長帯域が等しい複数の前記導波路を備えると、好ましい。
この固体撮像素子によれば、同様の導波路を複数備えることによって、分光の精度を高めることが可能になる。
さらに、上記特徴の固体撮像素子において、それぞれの前記画素領域について、少なくとも1つの前記導波路が、平面視で回転対称となる形状であると、好ましい。
この固体撮像素子によれば、分光部内のあらゆる方向から進行してくる光を、導波路が精度良く分光することが可能になる。
さらに、上記特徴の固体撮像素子において、それぞれの前記画素領域について、前記基板が備える複数の前記光電変換部は、前記分光部から出射される光の波長が大きいものほど、前記基板の前記表面から離れた深い位置まで形成されていると、好ましい。
この固体撮像素子によれば、基板の深い位置まで進入する波長が大きい光を、当該光に対応させるべく基板の深い位置まで形成した光電変換部によって、選択的に光電変換することが可能になる。したがって、導波路だけでなく、光電変換部においても分光することが可能になるため、精度良く分光することが可能になる。
さらに、上記特徴の固体撮像素子において、それぞれの前記画素領域について、少なくとも1つの前記光電変換部の、前記基板の前記表面から離れた側が、前記基板の前記表面に平行な方向に対して広がっていると、好ましい。
この固体撮像素子によれば、基板の深い位置まで進入する波長が大きい光を、当該光に対応させるべく基板の深い位置で広がるように形成した光電変換部によって、選択的に光電変換することが可能になる。したがって、導波路だけでなく、光電変換部においても分光することが可能になるため、精度良く分光することが可能になる。
さらに、上記特徴の固体撮像素子において、前記分光部が、前記画素領域の境界に、光を反射または吸収する画素分離部を備えると、好ましい。
この固体撮像素子によれば、画素分離部を設けることで、導波路に取り込まれず分光部内を意図しない方向に進行する光が、隣接する画素領域に進入することを、抑制することが可能になる。そのため、解像感が高い画像データを得ることが可能になる。
さらに、上記特徴の固体撮像素子において、それぞれの前記画素領域について、前記分光部が備える複数の前記導波路の、伝搬する光の波長帯域の上限波長を決定づける幅が、伝搬する光の波長帯域の上限波長が小さいほど小さくなるようにしてもよい。
具体的に例えば、上記特徴の固体撮像素子において、それぞれの前記画素領域について、前記分光部が備える複数の前記導波路の、伝搬する光の波長帯域の上限波長を決定づける幅が、伝搬する光の波長帯域の上限波長の半分の長さを当該導波路の屈折率で割った長さとしてもよい。
また例えば、上記特徴の固体撮像素子において、それぞれの前記画素領域について、前記分光部が備える複数の前記導波路の、伝搬する光の波長帯域の上限波長を決定づける幅が、伝搬する光の波長帯域の上限波長の半分の長さを当該導波路の屈折率で割った長さから、エバネセント波の染み出し長を減じた長さとしてもよい。
また、上記特徴の固体撮像素子において、それぞれの前記画素領域について、前記分光部が備える複数の前記導波路の屈折率が、伝搬する光の波長帯域の上限波長が小さいほど大きくなるようにしてもよい。
これらの固体撮像素子によれば、波長が小さい光を伝搬する導波路の幅がより狭くなり、波長が大きい光を伝搬する導波路の幅がより広くなるため、これらの差を大きくすることが可能になる。そのため、導波路による分光の精度を、高めることが可能になる。
さらに、上記特徴の固体撮像素子において、それぞれの前記画素領域について、前記分光部が、青色の光を伝搬する前記導波路と、緑色の光を伝搬する前記導波路と、赤色の光を伝搬する前記導波路と、のそれぞれ備えるようにすると、好ましい。
この固体撮像素子によれば、単板式の固体撮像素子であっても、デモザイキング等の処理を要することなく、青色、緑色及び赤色の三原色の値を含む画像データを得ることが可能になる。
また、本発明は、上記特徴の固体撮像素子の製造方法であって、前記導波路を備えた前記分光部が、化学蒸着によって形成されることを特徴とする固体撮像素子の製造方法を提供する。
この固体撮像素子の製造方法によれば、幅を精度良く制御して導波路を形成することが可能になる。即ち、導波路が伝搬する光の波長帯域を、精度良く制御することが可能になる。
上記特徴の固体撮像素子によれば、基板の表面上に設けた分光部において、プリズムやカラーフィルタ等を用いることなく、導波路を用いて分光することが可能になる。したがって、解像感が高く色の再現性が良い画像データを得ることが可能になるとともに、容易に小型化を図ることが可能になる。
本発明の第1実施形態に係る固体撮像素子の全体構造の一例を示す断面図。 本発明の第1実施形態に係る固体撮像素子の導波路について示す要部断面図。 本発明の第2実施形態に係る固体撮像素子の導波路について示す要部断面図。 本発明の第3実施形態に係る固体撮像素子の導波路について示す要部断面図。 本発明の第4実施形態に係る固体撮像素子の全体構造の一例を示す断面図。 本発明の第4実施形態に係る固体撮像素子の導波路の構造の具体例について示す要部断面図。 本発明の第4実施形態に係る固体撮像素子の導波路の構造の別の具体例について示す要部断面図。 本発明の第5実施形態に係る固体撮像素子の全体構造の一例を示す断面図。 本発明の第6実施形態に係る固体撮像素子の全体構造の一例を示す断面図。 本発明の第7実施形態に係る固体撮像素子の全体構造の一例を示す断面図。 本発明の第8実施形態に係る固体撮像素子の全体構造の一例を示す断面図。 固体撮像素子の製造方法の一例について説明するための要部断面図。 電荷の読出構造の一例について説明するための基板の要部平面図。
以下、本発明に係る固体撮像素子の第1〜第8実施形態について、以下図面を参照して説明する。なお、それぞれの実施形態は、本発明に係る固体撮像素子の具体例を示すものであり、それぞれの実施形態における特徴は、矛盾無き限り組み合わせて実施することが可能である。
<第1実施形態>
最初に、本発明の第1実施形態に係る固体撮像素子の全体構造の一例について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る固体撮像素子の全体構造の一例を示す断面図である。なお、本願の図面は、図示の明確化のために、断面を示すハッチングを一部省略している。
図1に示すように、固体撮像素子1は、基板10と、基板10の表面S(図中上側の面)上に設けられる分光部20と、分光部20上に設けられ入射する光を集光して分光部20に対して出射するマイクロレンズ30と、を備える。
基板10は、例えばシリコンから成る。また、画素領域PAにおいて、基板10内の光電変換によって生じた電荷を蓄積する複数の蓄積部11〜13が、基板10の内部に形成されている。蓄積部11〜13は、その周囲の領域とは逆の導電型の半導体から成っている。そのため、蓄積部11〜13のそれぞれと、それぞれの周囲の領域と、によってそれぞれフォトダイオード(光電変換部)を構成している。なお、図1では、基板10がp型の半導体から成るとともに、蓄積部11〜13がn型の半導体から成る場合について例示しているが、基板10がn型の半導体から成るとともに、蓄積部11〜13がp型の半導体から成っていてもよい。また、図1に例示するように基板10の全体が単一の導電型の半導体から成っていてもよいし、基板10内の素子構造を形成するための一部の領域(ウエル)のみが当該導電型の半導体から成っていてもよい。
分光部20は、入射する光を伝搬する複数の導波路21〜23と、画素領域PAの境界に設けられる配線部24と、画素領域PAの境界かつ表面Sの近傍に設けられ蓄積部11〜13のそれぞれに蓄積された電荷の移動などを制御する回路部25と、を備える。導波路21〜23は、分光部20の母材201よりも屈折率(絶対屈折率、以下同じ)が高い材料から成り、それぞれが伝搬する光の波長帯域が異なっている。
例えば、分光部20の母材201は、SiO(屈折率約1.45)から成り、導波路21〜23のそれぞれは、SiN(屈折率約2.0)から成る。また例えば、分光部20の母材201は、屈折率が約1.3から約1.5程度となるように組成等を調整した樹脂類から成り、導波路21〜23のそれぞれは、屈折率が約1.5から約1.7程度となるように組成等を調整した樹脂類から成る。また、配線部24や回路部25は、例えば金属材料から成る。
画素領域PAは、固体撮像素子1内で所定の周期性を有して配置される。例えば、画素領域PAは、固体撮像素子1内で基板1の表面Sと平行な方向に対して、マトリクス状に配置される。
固体撮像素子1の画素領域PAにおいて、マイクロレンズ30によって集光された光が、分光部20に入射する。分光部20に入射した光は、分光部20内を進行するが、伝搬する波長帯域が異なる導波路21〜23によって選択的に伝搬されることによって、分光される(詳細は後述)。
そして、導波路21が伝搬する光(例えば、青色の光)が、導波路21の下端に対して上端が対向する基板10内の蓄積部11に対して出射される。同様に、導波路22が伝搬する光(例えば、緑色の光)が、導波路22の下端に対して上端が対向する基板10内の蓄積部12に対して出射される。同様に、導波路23が伝搬する光(例えば、赤色の光)が、導波路22の下端に対して上端が対向する基板10内の蓄積部13に対して出射される。
これにより、蓄積部11〜13を備えるそれぞれのフォトダイオードにおいて、光電変換が行なわれる。その結果、導波路21が伝搬した光に対応した電荷が蓄積部11に蓄積され、導波路22が伝搬した光に対応した電荷が蓄積部12に蓄積され、導波路23が伝搬した光に対応した電荷が蓄積部13に蓄積され、それぞれの蓄積部11〜13に蓄積された電荷に応じた信号を生成することで、画像データが得られる。
以上のように、固体撮像素子1では、基板10の表面S上に設けた分光部20において、プリズムやカラーフィルタ等を用いることなく、導波路21〜23を用いて分光することが可能になる。したがって、解像感が高く色の再現性が良い画像データを得ることが可能になるとともに、容易に小型化を図ることが可能になる。
次に、導波路21〜23の詳細について、図1に加えて図2を参照して説明する。図2は、本発明の第1実施形態に係る固体撮像素子の導波路について示す要部断面図である。なお、図2中の下側に基板10が存在し、図2中の上側にマイクロレンズ30が存在している(図1参照)。
図2に示すように、導波路21は、青色の光(例えば、波長が490nm以下の光)を伝搬する。また、導波路22は、緑色の光(例えば、波長が490nmより大きく580nm以下の光)を伝搬する。また、導波路23は、赤色の光(例えば、波長が580nmより大きい光)を伝搬する。
導波路21〜23が伝搬する光の波長帯域について、その上限波長(遮断波長)λcutoffは、理論上、下記式(1)によって決定される。なお、下記式(1)中、「n」は、導波路21〜23の屈折率であり、「a」は、光の伝搬方向に対して垂直な導波路の断面(以下、垂直断面と称する)において、導波路21〜23が伝搬する光の波長帯域の上限波長を決定づける幅である(以下、単に幅と称する)。具体的に、例えば導波路の垂直断面が長方形であれば、幅「a」はその長辺の長さであり、例えば導波路の垂直断面が円形であれば、幅「a」はその直径である。
・・・(1)
上記式(1)より、導波路21〜23の屈折率「n」を大きくするほど、上限波長λcutoffを大きくすることができる。同様に、導波路21〜23の幅「a」を大きくするほど、上限波長λcutoffを大きくすることができる。なお、以下では説明の具体化のため、導波路21〜23が、その幅が異なるように形成されることで、伝搬する光の波長帯域が異なっているものとする。具体的には、導波路21、導波路22、導波路23の順番で、幅が大きくなる(即ち、上限波長λcutoffが大きくなる)ものとする。
ただし、導波路の垂直断面の形状によっては、厳密には上記式(1)が成立しない(所定の係数等を乗じる必要がある)場合もあり得る。しかし、このような場合でも、屈折率「n」及び幅「a」の少なくともいずれか一方を大きくすれば、上限波長λcutoffを大きくすることが可能である。
上記式(1)は、例えば下記式(2)から導出される。下記式(2)は、導波路の垂直断面が長方形(長辺a、短辺b)である場合において、導波路が伝搬し得る波長λを示すものである。下記式(2)において、「x」及び「y」は、導波モードを示す数であり、それぞれ0以上の整数である。下記式(2)において、x=1及びy=0のときに波長λが最大値を取り、当該最大値が上記式(1)における上限波長λcutoffに相当する。
・・・(2)
図1及び図2に示すように、導波路21〜23は、基板10に近い側が表面Sに対して垂直となり、基板10から遠い側が表面Sに垂直な方向に対して傾斜している。導波路21〜23をこのような形状にすると、分光部20内を進行する光が、導波路21〜23に入射し易くなり、導波路21〜23が分光部20内を進行する光を効率良く取り込むことが可能になるため、好ましい。また、導波路21〜23から出射される光が、基板10の表面Sに対して垂直に入射することで、導波路21〜23が出射した光を、蓄積部11〜13を備えるそれぞれのフォトダイオード対して、効率良く入射させることが可能になる。
また、図1及び図2に示すように、導波路21〜23のそれぞれにおける、基板10から遠い側は、同じ方向に対して平行に傾斜している。即ち、導波路21は、分光部20内における少なくとも一部の光の進行方向(例えば、図2中の上下方向)に対して、導波路21の上限波長λcutoffが大きい導波路22を覆うように形成されていることになる。同様に、導波路22は、分光部20内における少なくとも一部の光の進行方向(例えば、図2中の上下方向)に対して、導波路22よりも上限波長λcutoffが大きい導波路23を覆うように形成されていることになる。
この場合、図2に示すように、導波路21に入射するとともに導波路21内を伝搬せずに透過した光(即ち、導波路21の上限波長λcutoffよりも大きい波長の光)は、次に導波路22に入射する。そして、導波路22に入射するとともに導波路22内を伝搬せずに透過した光(即ち、導波路22の上限波長λcutoffよりも大きい波長の光)は、次に導波路23に入射する。
具体的に例えば、導波路21の上限波長λcutoffが490nmであれば、導波路21は青色の光を伝搬することになる。また、導波路22の上限波長λcutoffが580nmであれば、導波路22は緑色の光を伝搬することになる。そして、導波路23の上限波長λcutoffが十分に大きい値(例えば、750nm以上)であれば、導波路23は赤色の光を伝搬することになる。このように、導波路21〜23を用いることで、例えば赤(R)緑(G)青(B)の光に分光することが可能になる。
なお、図2では、導波路21〜23の幅「a」が、紙面(基板10の表面Sに対して垂直な面であって、導波路21〜23が隣接する方向に対して平行な面)に対して平行な方向の長さである場合について例示しているが、この方向以外の長さであってもよい。例えば、導波路21〜23の幅「a」が、紙面に対して垂直な方向(紙面奥行方向)の長さであってもよい。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る固体撮像素子について、図面を参照して説明する。図3は、本発明の第2実施形態に係る固体撮像素子の導波路について示す要部断面図である。なお、ここでは、本発明の第2実施形態に係る固体撮像素子について、本発明の第1実施形態に係る固体撮像素子1と異なる部分のみ説明し、同様となる部分については本発明の第1実施形態に係る固体撮像素子1の説明を参酌するものとして、その説明を省略する。
図3に示すように、本発明の第2実施形態に係る固体撮像素子は、本発明の第1実施形態に係る固体撮像素子1と同様に、導波路21a〜23aを備える。ただし、本発明の第2実施形態に係る固体撮像素子では、導波路21a,22aの基板10から遠い側の幅が、導波路21a,22aの基板10に近い側の幅よりも、大きくなっている。さらに、導波路21a,22aは、基板10から遠い側の幅が、基板10に近い側に向かって漸減している。
このように、本発明の第2実施形態に係る固体撮像素子では、導波路21a,22aが、基板10から遠い側において分光部20内を進行する光を効率良く取り込むとともに、基板10から近い側において精度良く分光することが可能になる。さらに、導波路21a,22aでは、幅が急峻に変化しないため、導波路21a,22aの内部で光の散乱等が発生することを、抑制することが可能になる。
なお、図3に示す例では、導波路21a〜23aの中の2つの導波路21a,22aが、上述のように基板10から遠い側の幅が基板10に近い側の幅よりも大きくなるものとしたが、導波路21a〜23aの少なくとも1つがこのような形状であれば、上述した効果を得ることが可能である。
また、図3では、紙面(基板10の表面Sに対して垂直な面であって、導波路21a〜23cが隣接する方向に対して平行な面)に対して平行な方向に、導波路21a,22aの幅を変化させる場合について例示しているが、当該方向に加えて(または代えて)、他の方向に幅を変化させてもよい。例えば、導波路21a,22aの幅を、紙面に対して垂直な方向(紙面奥行方向)に変化させてもよい。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る固体撮像素子について、図面を参照して説明する。図4は、本発明の第3実施形態に係る固体撮像素子の導波路について示す要部断面図である。なお、ここでは、本発明の第3実施形態に係る固体撮像素子について、本発明の第1実施形態に係る固体撮像素子1と異なる部分のみ説明し、同様となる部分については本発明の第1実施形態に係る固体撮像素子1の説明を参酌するものとして、その説明を省略する。
図4に示すように、本発明の第3実施形態に係る固体撮像素子は、本発明の第1実施形態に係る固体撮像素子1と同様に、導波路21b〜23bを備える。ただし、本発明の第3実施形態に係る固体撮像素子は、導波路21bを3つ、導波路22bを2つ、導波路23bを1つ備えている。なお、3つの導波路21bは、伝搬する光の波長帯域が等しくなっており、2つの導波路22bも、伝搬する光の波長帯域が等しくなっている。
このように、本発明の第3実施形態に係る固体撮像素子は、同様の導波路21b,22bを複数備えることによって、分光の精度を高めることが可能になる。
なお、図4に示す例では、導波路21b〜23bの中の2種類の導波路21b,22bが、上述のように複数備えられるものとしたが、導波路21a〜23aの少なくとも1種類がこのように複数備えられていれば、上述した効果を得ることが可能である。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係る固体撮像素子について、図面を参照して説明する。図5は、本発明の第4実施形態に係る固体撮像素子の全体構造の一例を示す断面図である。また、図6は、本発明の第4実施形態に係る固体撮像素子の導波路の構造の具体例について示す要部断面図である。なお、図6は、図5のA―A断面を示すものであり、導波路21c〜23cの垂直断面を示すものである。また、ここでは、本発明の第4実施形態に係る固体撮像素子について、本発明の第1実施形態に係る固体撮像素子1と異なる部分のみ説明し、同様となる部分については本発明の第1実施形態に係る固体撮像素子1の説明を参酌するものとして、その説明を省略する。
図5に示すように、本発明の第4実施形態に係る固体撮像素子1cは、本発明の第1実施形態に係る固体撮像素子1と同様に、導波路21c〜23cと、蓄積部11c〜13cと、を備える。ただし、図6に示すように、本発明の第4実施形態に係る固体撮像素子1cでは、導波路21c,22cのそれぞれの垂直断面が円環状となり、導波路23cの垂直断面が円形状となる。さらに、導波路21c〜23cは、同心状に配置されている。具体的に、導波路21cの内側に導波路22cが配置され、導波路22cの内側に導波路23cが配置されている。また、図5に示すように、蓄積部11c〜13cは、基板10内において、導波路21c〜23cに対応する位置に形成されている。
このように、本発明の第4実施形態に係る固体撮像素子1cは、導波路21c〜23cが、平面視で回転対称となる形状になる。そのため、分光部20内のあらゆる方向から進行する光を、導波路21c〜23cが精度良く分光することが可能になる。
なお、図6に示す例では、導波路21c,22cのそれぞれの垂直断面が円環状であり、導波路23cの垂直断面が円形状となっているが、導波路21c〜23cの少なくとも1つが平面視で回転対称となる形状であれば、上述した効果を得ることが可能である。また、導波路21c〜23cの形状は、平面視で回転対称となる形状であれば、例えば長方形や正方形など、どのような形状であってもよい。
また、導波路21c〜23cは、その垂直断面の形状が、図6に示したような連続的なものでなくてもよい。この具体例について、図7を参照して説明する。図7は、本発明の第4実施形態に係る固体撮像素子の導波路の構造の別の具体例について示す要部断面図である。また、図7も図6と同様に、図5のA―A断面を示すものであり、導波路21c〜23cの垂直断面を示すものである。
図7に示す例では、導波路21c,22cのそれぞれの垂直断面が、複数箇所で分断された円環状となっており、導波路23cの垂直断面が円形状となっている。このような導波路21c〜23cであっても、平面視の形状が回転対称であれば、上述した効果を得ることができる。さらに、図7に示す導波路21c,22cのように、導波路を垂直断面において分断すると、伝搬する光の波長帯域を精度良く制御することが可能になるため、好ましい。
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態に係る固体撮像素子について、図面を参照して説明する。図8は、本発明の第5実施形態に係る固体撮像素子の全体構造の一例を示す断面図である。なお、ここでは、本発明の第5実施形態に係る固体撮像素子1dについて、本発明の第1実施形態に係る固体撮像素子1と異なる部分のみ説明し、同様となる部分については本発明の第1実施形態に係る固体撮像素子1の説明を参酌するものとして、その説明を省略する。
図8に示すように、本発明の第5実施形態に係る固体撮像素子1dは、本発明の第1実施形態に係る固体撮像素子1と同様に、導波路21d〜23dと、蓄積部11d〜13dと、を備える。ただし、図8に示すように、本発明の第5実施形態に係る固体撮像素子1dは、上述した本発明の第4実施形態に係る固体撮像素子1cが備える導波路21c〜23c(図6参照)と同様の導波路21d〜23dを備えるとともに、基板10内において形成される深さ(基板10の表面Sからの距離)が異なる蓄積部11d〜13dと、を備える。
蓄積部11d〜13dは、分光部20(導波路21d〜23d)から出射される光の波長が大きいものほど、基板10の表面Sから離れた深い位置まで形成されている。具体的に例えば、導波路11d、導波路12d、導波路13dの順番で、基板10の表面Sから深い位置まで延びるように形成されている。さらに、蓄積部12d,13dは、基板10の表面Sから離れた側が、基板10の表面Sに平行な方向に対して広がっている。
このように、本発明の第5実施形態に係る固体撮像素子1dでは、基板10の表面Sから離れた深い位置まで進入する波長が大きい光を、当該光に対応させるべく基板10の表面Sから離れた深い位置で広がるように形成した蓄積部12d,13dを備えるフォトダイオードによって、選択的に光電変換することが可能になる。したがって、導波路21d〜23dだけでなく、蓄積部11d〜13dを備えるフォトダイオードにおいても分光することが可能になるため、精度良く分光することが可能になる。
なお、図8に示す例では、蓄積部11d〜13dの中の2つの蓄積部12d,13dが、上述のように基板10の表面Sから遠い側が広がるものとしたが、蓄積部11d〜13dの少なくとも1つ(特に、波長が大きい光を光電変換するもの)がこのような形状であれば、上述した効果を得ることが可能である。
<第6実施形態>
次に、本発明の第6実施形態に係る固体撮像素子について、図面を参照して説明する。図9は、本発明の第6実施形態に係る固体撮像素子の全体構造の一例を示す断面図である。なお、ここでは、本発明の第6実施形態に係る固体撮像素子1eについて、本発明の第1実施形態に係る固体撮像素子1と異なる部分のみ説明し、同様となる部分については本発明の第1実施形態に係る固体撮像素子1の説明を参酌するものとして、その説明を省略する。
図9に示すように、本発明の第6実施形態に係る固体撮像素子1eは、本発明の第1実施形態に係る固体撮像素子1と同様に、導波路21e〜23eと、フォトダイオードと、を備える。ただし、図9に示すように、本発明の第6実施形態に係る固体撮像素子1dは、上述した本発明の第4実施形態に係る固体撮像素子1cが備える導波路21c〜23c(図6参照)と同様の導波路21e〜23eを備えるとともに、基板10中にフォトダイオードを構成する各領域141〜144を備える。
具体的に、固体撮像素子1dは、基板10内において、n型の半導体から成る領域である第1領域141と、第1領域に隣接するp型半導体から成る領域である第2領域142と、第2領域142に隣接するn型半導体から成る領域である第3領域143と、第3領域143に隣接するp型半導体から成る領域である第4領域144と、を備える。
そして、第1領域141及び第2領域142によって構成されるフォトダイオードの上端は、導波路21eの下端に対向するように設けられている。また、第2領域142及び第3領域143によって構成されるフォトダイオードの上端は、導波路22eの下端に対向するように設けられている。また、第3領域143及び第4領域144によって構成されるフォトダイオードの上端は、導波路23eの下端に対向するように設けられている。この場合、固体撮像素子1eは、上述した特許文献1と同様に、それぞれのフォトダイオードを流れる電流を検出することで、画像データを生成することができる。
上述のように、特許文献1の固体撮像素子では、複数のフォトダイオードを用いた選択的な光電変換のみで複数色の画像データを得るため、得られる画像データにおける色の再現性が悪くなる。しかしながら、本発明の第6実施形態に係る固体撮像素子1eのように、フォトダイオードに入射する前に光を分光することによって、色の再現性が良い画像データを得ることが可能になる。
<第7実施形態>
次に、本発明の第7実施形態に係る固体撮像素子について、図面を参照して説明する。図10は、本発明の第7実施形態に係る固体撮像素子の全体構造の一例を示す断面図である。なお、ここでは、本発明の第7実施形態に係る固体撮像素子1fについて、本発明の第1実施形態に係る固体撮像素子1と異なる部分のみ説明し、同様となる部分については本発明の第1実施形態に係る固体撮像素子1の説明を参酌するものとして、その説明を省略する。
図10に示すように、本発明の第7実施形態に係る固体撮像素子1fは、本発明の第1実施形態に係る固体撮像素子1と同様に、導波路21f〜23fと、蓄積部11f〜13fと、を備える。ただし、図10に示すように、本発明の第7実施形態に係る固体撮像素子1fは、上述した本発明の第4実施形態に係る固体撮像素子1cが備える導波路21c〜23c(図6参照)と同様に平面視において回転対称の形状である導波路21f〜23fと、上述した本発明の第4実施形態に係る固体撮像素子1cが備える蓄積部11c〜13c(図6参照)と同様の蓄積部11f〜13fと、を備える。また、本発明の第7実施形態に係る固体撮像素子1fは、マイクロレンズ30を備えていない。
導波路21f,22fは、基板10から遠い側が枝分かれしている。また、導波路23fは、本発明の第2実施形態に係る固体撮像素子が備える導波路21a,22a(図3参照)と同様に、導波路23fの基板10から遠い側の幅が、導波路23fの基板10に近い側の幅よりも大きくなるとともに、基板10から遠い側の幅が、基板10に近い側に向かって漸減している。
このように、本発明の第7実施形態に係る固体撮像素子1fでは、導波路21f,22fが有するそれぞれの枝から、分光部20内を進行する光を効率良く取り込むことが可能になる。また、本発明の第2実施形態に係る固体撮像素子について説明したように、導波路23fも、分光部20内を進行する光を効率良く取り込むことが可能である。さらに、マイクロレンズ30の代わりに、枝分かれした導波路21f,22fを用いて集光することが可能になるため、マイクロレンズ30を不要にして固体撮像素子1fの小型化及び簡素化を図ることが可能になる。
なお、図10に示す例では、導波路21f〜23fの中の2つの導波路21f,22fが、上述のように基板10から遠い側が枝分かれするものとしたが、導波路21f〜23fの少なくとも1つがこのような形状であれば、上述した効果を得ることが可能である。また、特に必要であれば、固体撮像素子1fにマイクロレンズ30を設けてもよい。
<第8実施形態>
次に、本発明の第8実施形態に係る固体撮像素子について、図面を参照して説明する。図11は、本発明の第8実施形態に係る固体撮像素子の全体構造の一例を示す断面図である。なお、ここでは、本発明の第8実施形態に係る固体撮像素子1gについて、本発明の第1実施形態に係る固体撮像素子1と異なる部分のみ説明し、同様となる部分については本発明の第1実施形態に係る固体撮像素子1の説明を参酌するものとして、その説明を省略する。
図11に示すように、本発明の第8実施形態に係る固体撮像素子1gは、分光部20の内部であり画素領域PAの境界に沿って延びるように形成される遮光部26(画素分離部)を備える。遮光部26は、例えば金属などから成り、分光部20内を進行する光を反射または吸収する。なお、図11に示す固体撮像素子1gでは、配線部24について図示していないが、配線部24は、遮光部26の一部であってもよいし、図1に示す固体撮像素子1とは異なる場所に配置されてもよい。
このように、本発明の第8実施形態に係る固体撮像素子1gでは、分光部20内に遮光部26を設けることによって、導波路21g〜23gに取り込まれず分光部内を意図しない方向に進行する光が、隣接する画素領域PAに進入することを、抑制することが可能になる。そのため、解像感が高い画像データを得ることが可能になる。
なお、程度の差はあり得るが、分光部20内に設けられる配線部24や回路部25(図1参照)も、遮光部26と同様に、隣接する画素領域PAに光が進入することを抑制し得る。したがって、配線部24や回路部25を、遮光部26(画素分離部)の一部として解釈してもよい。
<変形等>
[1] 上述した本発明のそれぞれの実施形態に係る固体撮像素子の製造方法(特に、分光部20の製造方法)の一例について、図面を参照して説明する。図12は、固体撮像素子の製造方法の一例について説明するための要部断面図である。
図12に例示する製造方法では、化学蒸着(Chemical Vapor Deposition:CVD)を適用する。この場合、例えば、上限波長λcutoffが最大となる導波路の一部(または全部)である芯部20Aを形成した後、分光部20の母材201を成す膜20Bと、導波路を成す膜20Cと、を交互に成膜する。
このように、導波路を備えた分光部20の製造に化学蒸着を適用すると、幅を精度良く制御しながら導波路を形成することが可能になる。即ち、導波路が伝搬する光の波長帯域を、精度良く制御することが可能になる。特に、芯部20Aを形成した後に、化学蒸着によって膜20B,20Cの成膜を行うと、基板10の表面Sに対して垂直な方向(図12中の上下方向)における導波路の幅(例えば、膜20Cの膜厚)についても、容易に精度良く制御することが可能になる。
なお、膜20B,20Cを単純に交互に成膜するのみでは、所望の形状の導波路を備えた分光部20を得ることができない場合は、膜の一部を除去したり継ぎ足したりする工程を、適宜追加すればよい。また、図12は、化学蒸着により分光部20を製造することの直感的な理解のために例示したものに過ぎず、本発明のそれぞれの実施形態に係る固体撮像素子の製造の際に、必ずしも図12に例示する形状を経由する必要はない。
[2] 上述した本発明のそれぞれの実施形態に係る固体撮像素子では、主として導波路の幅を異ならせることで、伝搬する光の波長帯域の上限波長を異ならせる場合について例示したが、これに加えて(または、代えて)、導波路の屈折率を異ならせることで、伝搬する光の波長帯域の上限波長を異ならせてもよい。例えば、第1実施形態に係る固体撮像素子1において、導波路23、導波路22、導波路21の順番で、屈折率が大きくなるようにしてもよい。この場合、波長が小さい光を伝搬する導波路21の幅がより狭くなり、波長が大きい光を伝搬する導波路23の幅がより広くなるため、これらの差を大きくすることが可能になる。そのため、導波路21〜23による分光の精度を、高めることが可能になる。
[3] 導波路内を伝搬する光は、境界で反射するときに、当該境界から外部に対してわずかに染み出す。この染み出す電磁波がエバネセント波であるが、上述した本発明のそれぞれの実施形態に係る固体撮像素子において、導波路の幅を決定する際に、このエバネセント波の染み出し長を考慮してもよい。具体的に例えば、上記式(1)によって求められる幅「a」から、エバネセント波の染み出し長を減じた長さを、導波路の長さとしてもよい。
[4] 上述した本発明のそれぞれの実施形態に係る固体撮像素子における、基板中の蓄積部に蓄積した電荷の読出構造の一例について、図面を参照して説明する。図13は、電荷の読出方法の一例について説明する基板の要部平面図である。なお、図13は、上述した本発明の第1実施形態に係る固体撮像素子1の基板10を、表面S側から見た場合の平面図であって、読出構造に関する部分のみを示したものである。また、図13は、上述した図1と同様に、蓄積部11〜13がn型である場合について例示したものである。
図13に示すように、基板10内には、上述の蓄積部11〜13と、基板10内で蓄積部11に対向する読出部14と、基板10内で蓄積部12に対向する読出部15と、基板10内で蓄積部13に対向する読出部16と、がそれぞれ形成されている。読出部14〜16は、蓄積部11〜13と同じ導電型(n型)の半導体から成り、読出部14〜16の不純物濃度(n)は、蓄積部11〜13の不純物濃度(n)よりも高くなっている。
また、基板10の表面S上には、不図示の絶縁膜を介して転送ゲート電極40が形成されている。転送ゲート電極40は、蓄積部11及び読出部14の間と、蓄積部12及び読出部15の間と、蓄積部13及び読出部16の間と、のそれぞれを覆うように形成される。そして、この読出構造において、転送ゲート電極40に所定の電位を与えると、蓄積部11〜13に蓄積されている電荷(電子)が、対向する読出部14〜16に読み出される。
なお、図13では、対向する蓄積部11〜13及び読出部14〜16が成すそれぞれの組に対して、一体的な転送ゲート電極40を形成することによって、蓄積部11〜13から読出部14〜16に向けて一斉に電荷(電子)を読み出すことが可能な読出構造について例示しているが、当該組のそれぞれに対して、転送ゲート電極を個別的に形成してもよい。
また、図13では、本発明の第1実施形態に係る固体撮像素子1における、電荷の読出構造について例示したが、同様の読出構造は、本発明の第1実施形態以外の実施形態に係る固体撮像素子にも適用することが可能である。ただし、本発明の第4,第5,第7及び第8実施形態に係る固体撮像素子1c,1d,1f,1gにおいて、垂直断面が円環状となる導波路に合わせて、蓄積部の平面視の形状を円環状にする場合は、内側の蓄積部から電荷を取り出すための電荷の通路を形成しておくと、好ましい。
[5] 上述した本発明のそれぞれの実施形態に係る固体撮像素子では、配線部24や回路部25が、基板10の光が入射する表面S側に配置されるものとして説明したが、配線部24や回路部25を、基板10の裏面側(表面Sの反対側)に配置してもよい。
本発明に係る固体撮像素子及びその製造方法は、例えば撮像機能を有する各種電子機器に搭載されるCMOSイメージセンサやCCDイメージセンサ等に、好適に利用され得る。
1 : 固体撮像素子
10 : 基板
11〜13 : 蓄積部
20 : 分光部
201 : 母材
21〜23 : 導波路
24 : 配線部
25 : 回路部
30 : マイクロレンズ
40 : 転送ゲート電極
PA : 画素領域
S : 表面

Claims (21)

  1. それぞれの画素領域について、入射する光を光電変換する光電変換部を複数備える基板と、
    前記基板の表面上に設けられ、それぞれの前記画素領域について、入射する光を分光して複数の前記光電変換部のそれぞれに対して出射する分光部と、を備え、
    それぞれの前記画素領域について、前記分光部が、伝搬する光の波長帯域が異なる複数の導波路を備えることを特徴とする固体撮像素子。
  2. それぞれの前記画素領域について、前記分光部が、幅及び屈折率の少なくともいずれか一方が異なる複数の前記導波路を備えることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子。
  3. 前記導波路の下端と、当該導波路に対応する前記光電変換部の上端と、が対向していることを特徴とする請求項1または2に記載の固体撮像素子。
  4. それぞれの前記画素領域について、前記分光部が備える複数の前記導波路は、
    ある導波路に入射するとともに当該ある導波路に伝搬されずに透過した光が、当該ある導波路よりも伝搬する光の波長帯域の上限波長が大きい他の導波路に入射するように、形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体撮像素子。
  5. それぞれの前記画素領域について、前記分光部が備える複数の前記導波路は、
    前記分光部内における少なくとも一部の光の進行方向に対して、ある導波路が、当該ある導波路よりも伝搬する光の波長帯域の上限波長が大きい他の導波路を覆うように形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の固体撮像素子。
  6. それぞれの前記画素領域について、少なくとも1つの前記導波路の少なくとも一部が、前記基板の前記表面に垂直な方向に対して傾斜していることを特徴とする請求項4または5に記載の固体撮像素子。
  7. それぞれの前記画素領域について、少なくとも1つの前記導波路は、前記基板に近い側が前記基板の前記表面に対して垂直となり、前記基板から遠い側が前記基板の前記表面に垂直な方向に対して傾斜していることを特徴とする請求項6に記載の固体撮像素子。
  8. それぞれの前記画素領域について、少なくとも1つの前記導波路は、前記基板から遠い側の幅が、前記基板に近い側の幅よりも大きくなっていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の固体撮像素子。
  9. それぞれの前記画素領域について、少なくとも1つの前記導波路は、前記基板から遠い側の幅が、前記基板に近い側に向かって漸減していることを特徴とする請求項8に記載の固体撮像素子。
  10. それぞれの前記画素領域について、少なくとも1つの前記導波路の、前記基板から遠い側が、複数に枝分かれしていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の固体撮像素子。
  11. それぞれの前記画素領域について、前記分光部が、伝搬する光の波長帯域が等しい複数の前記導波路を備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の固体撮像素子。
  12. それぞれの前記画素領域について、少なくとも1つの前記導波路が、平面視で回転対称となる形状であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の固体撮像素子。
  13. それぞれの前記画素領域について、前記基板が備える複数の前記光電変換部は、
    前記分光部から出射される光の波長が大きいものほど、前記基板の前記表面から離れた深い位置まで形成されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の固体撮像素子。
  14. それぞれの前記画素領域について、少なくとも1つの前記光電変換部の、前記基板の前記表面から離れた側が、前記基板の前記表面に平行な方向に対して広がっていることを特徴とする請求項13に記載の固体撮像素子。
  15. 前記分光部が、前記画素領域の境界に、光を反射または吸収する画素分離部を備えることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の固体撮像素子。
  16. それぞれの前記画素領域について、前記分光部が備える複数の前記導波路の、伝搬する光の波長帯域の上限波長を決定づける幅が、伝搬する光の波長帯域の上限波長が小さいほど小さくなっていることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の固体撮像素子。
  17. それぞれの前記画素領域について、前記分光部が備える複数の前記導波路の、伝搬する光の波長帯域の上限波長を決定づける幅が、伝搬する光の波長帯域の上限波長の半分の長さを当該導波路の屈折率で割った長さとなっていることを特徴とする請求項16に記載の固体撮像素子。
  18. それぞれの前記画素領域について、前記分光部が備える複数の前記導波路の、伝搬する光の波長帯域の上限波長を決定づける幅が、伝搬する光の波長帯域の上限波長の半分の長さを当該導波路の屈折率で割った長さから、エバネセント波の染み出し長を減じた長さであることを特徴とする請求項16に記載の固体撮像素子。
  19. それぞれの前記画素領域について、前記分光部が備える複数の前記導波路の屈折率が、伝搬する光の波長帯域の上限波長が小さいほど大きくなっていることを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の固体撮像素子。
  20. それぞれの前記画素領域について、前記分光部が、青色の光を伝搬する前記導波路と、緑色の光を伝搬する前記導波路と、赤色の光を伝搬する前記導波路と、のそれぞれ備えることを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載の固体撮像素子。
  21. 請求項1〜20のいずれか1項に記載の固体撮像素子の製造方法であって、
    前記導波路を備えた前記分光部が、化学蒸着によって形成されることを特徴とする固体撮像素子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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