JP2014026837A - 照明装置、前照灯、投影装置、屋内照明および屋外照明 - Google Patents

照明装置、前照灯、投影装置、屋内照明および屋外照明 Download PDF

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Abstract

【課題】人間の目における錐体の分布状態に応じてミクロな観点から効率的に視認性を向上させる。
【解決手段】照明光のスポットLSは、立体角θが所定の閾値未満である中心光エリアA1と、立体角θが上記閾値以上である周辺光エリアA2とから成り、周辺光エリアAにおけるS錐体高感度光の割合が、中心光エリアA1におけるS錐体高感度光の割合よりも大きい。
【選択図】図1

Description

本発明は、外部に光を投光することが可能な照明装置、該照明装置を備えた前照灯、投影装置、屋内照明および屋外照明に関する。
近年、LED(LED;Light Emitting Diode)光源の開発の進展により、LED光源を用いた自動車用のヘッドランプが実用化されている。また、LEDヘッドランプは、従来のLED光源を用いていないヘッドランプと比較して省エネおよび長寿命の利点があることから、今後もLEDヘッドランプのシェアが延びていくものと予想される。
このような従来の一般的なLEDヘッドランプにおけるLED光源は、青色の励起光と、その励起光により励起され黄色に波長変換された黄色光と、の混色により擬似白色光を放出するようになっている。
また、LEDヘッドランプに関する技術の別の例として、特許文献1〜3に開示された技術がある。なお、これらの各文献の記載内容は概ね同じである。
上記の各文献では、法規によって規定されたヘッドランプの白色範囲(図5の点35で囲まれた部分参照)の中から、所定人数の母集団を対象とした試験結果に基づき、視認性を向上させることが可能な色度範囲を予め特定し、ヘッドランプから出射される白色光をこの色度範囲内の光とすることで視認性を向上させている。また、これらの文献には、人間の視野を中心視と周辺視とに分け、各視野の視認性を向上させる点が記載されている。
特開2011−165442(2011年8月25日公開) 特開2011−165441(2011年8月25日公開) 特開2011−165341(2011年8月25日公開)
しかしながら、上記の各文献に記載された技術では、所定人数の母集団を対象とした試験結果に基づき、視認性を向上させることが可能な色度範囲を特定しているため、人間の視覚特性をマクロな観点でしか捉えておらず、人間の視野を中心視と周辺視とに分けたことが技術に生かされていないという問題点がある。
ここで、図7(a)に示すように、人間の眼球中の網膜には、中心付近の視野(以下、「中心視野」という)に関する中心窩という部分と、それ以外の周辺の視野(以下、「周辺視野」という)に関する部分と、が存在している。
また、人間の目には、赤色領域(以下、「R」と記載)、緑色領域(以下、「G」と記載)、青色領域(以下、「B」と記載)の、それぞれの光を感じる視細胞である、L錐体、M錐体、S錐体が存在している。例えば、図7(b)は、L、M、S錐体のそれぞれの分光感度特性および標準分光視感効率(標準比視感度曲線)を示しており、L、M、S錐体のそれぞれの分光感度特性は565nm、545nm、440nmの波長付近の光においてピーク感度が存在する曲線で示される。
さらに、人間の目の中心窩という部分には、R、G、Bそれぞれを感じる錐体(それぞれ、L錐体、M錐体、S錐体)が存在し、中心窩にある中心小窩という部分にはL錐体、M錐体は存在するものの、Bを感じるS錐体は存在しない。
このため、中心視野に青色光、すなわち短波長の光が存在していても人間の目はそれを効率よく感知することができないと考えられる。より具体的には、物体に照明光が照射され、その物体から反射して戻ってくる光が人間の目に入ることによって人間は物体の有無を認識しているが、照明光の中に青色光の成分があって、視野の中心に有る物体から青色光が反射して戻ってきたとしても、中心視野においては青色光の感度が低いため、物体の有無を識別するいわゆる視認性が低くなってしまうものと思われる。
一方、逆に、周辺視野に照射される照明光の中に青色光が多く含まれていれば、人間の目に入ってきた反射光を網膜の周辺部に多く存在するS錐体が効率よく感じることができるので、物体の視認性が高まることになるものと考えられる。
以上のように視認性を効率良く向上させるためには、人間の目における錐体の分布状態を考慮して、中心視野に影響を及ぼす光と、周辺視野に影響を及ぼす光とのそれぞれの光学的特性を適切に設定する必要があるものと考えられるが、このような観点を考慮した技術は、本発明者が知る限り過去に例がない。
例えば、上記の各文献の技術は、人間の目における錐体の分布状態に関わらず、色温度が高いと視認性が向上するという一般的な傾向をマクロな観点からしか捉えていない。すなわち、同文献の技術は、人間の目における錐体の分布状態というミクロな観点については全く考慮されていない。
本発明は、上記問題点に鑑みて上記なされたものであり、その目的は、人間の目における錐体の分布状態に応じてミクロな観点から効率的に視認性を向上させることができる照明装置などを提供することにある。
励起光を発する少なくとも1つの励起光源と、該励起光を受けて蛍光を発する少なくとも1つの発光部とを有し、上記少なくとも1つの励起光源から発した上記励起光の一部、および、上記少なくとも1つの発光部から発した蛍光の一部を、光学的性質の異なる複数種類の光からなる照明光として、所定の光軸に沿って外部へ投光する照明装置であって、外部へ投光される上記照明光のスポットは、上記光軸を基準とする立体角が所定の閾値未満である中心光と、上記立体角が上記閾値以上である周辺光と、から成り、上記周辺光の分光スペクトルにおけるS錐体の分光感度が高い波長の光の強度の、上記周辺光の全強度に対する割合が、上記中心光の分光スペクトルにおける上記S錐体の分光感度が高い波長の光の強度の、上記中心光の全強度に対する割合よりも大きいことを特徴とする。
上記構成によれば、周辺光の分光スペクトルにおけるS錐体の分光感度が高い波長の光(以下、「S錐体高感度光」という)の強度の、周辺光の全強度に対する割合(以下、「S錐体高感度光の割合」という)が、中心光におけるS錐体高感度光の割合よりも大きい。
ここで、上記のように、人間の目の中心窩という部分には青色領域の光を感じるS錐体が存在しないが、このS錐体は周辺視野に関する部分に多く存在する傾向がある。
このため、上記構成では、S錐体が多く分布する周辺視野に関する部分に影響を及ぼす周辺光において、S錐体高感度光の割合を中心光よりも多くしている。そうすると、S錐体が多く分布する周辺視野には、そのS錐体の感度が高いS錐体高感度光の割合が高い周辺光が入射することになるため、ミクロな観点から効率的に視認性を向上させることができる。
以上により、人間の目における錐体の分布状態に応じてミクロな観点から効率的に視認性を向上させることができる。
また、本発明の照明装置は、上記の構成に加えて、上記周辺光と上記中心光との相対色温度が等しくても良い。
上記構成によれば、人間の視覚においては周辺光と中心光の色味はほとんど区別できないため、一様な照明光として認識される。
例えば、上記の特許文献1〜3の技術では、色温度が高いと視認性が向上するという傾向に基づき、周辺視の色温度を高くすることが記載されているが、これでは、中心視と周辺視とで色味が異なって認識される可能性がある。しかしながら、上記構成によれば、このような問題点は生じない。
また、本発明の照明装置は、上記の構成に加えて、上記中心光の分光スペクトルにおけるL錐体およびM錐体の分光感度が高い波長の光の強度の、上記中心光の全強度に対する割合が、上記周辺光の分光スペクトルにおける上記L錐体およびM錐体の分光感度が高い波長の光の強度の、上記周辺光の全強度に対する割合よりも大きいことが好ましい。
上記構成によれば、中心光の分光スペクトルにおけるL、M錐体の分光感度が高い波長の光(以下、「LM錐体高感度光」という)の強度の、中心光の全強度に対する割合(以下、「LM錐体高感度光の割合」という)が、中心光におけるLM錐体高感度光の割合よりも大きい。ここで、上記のように、人間の目の中心窩という部分には青色領域の光を感じるS錐体が存在しないが、L、M錐体が多く存在する傾向がある。
このため、上記構成では、S錐体が存在せず、L、M錐体が多く分布する中心窩に影響を及ぼす中心光において、LM錐体高感度光の割合を周辺光よりも多くしている。
そうすると、L、M錐体が多く分布する中心視野には、そのL、M錐体の感度が高いLM錐体高感度光の割合が高い中心光が入射することになるため、全視野において、人間の目における錐体の分布状態に応じてミクロな観点から効率的に視認性を向上させることができる。
また、本発明の照明装置は、上記の構成に加えて、上記複数種類の光を受けて上記中心光と、上記周辺光とに振り分ける投光部材を備えていても良い。
上記の構成によれば、発光部の構成や、発光部と励起光源との配置関係などの自由度が高くなる。
また、本発明の照明装置は、上記の構成に加えて、上記投光部材は、上記複数種類の光を受けて、その光路を変更する光路変更部材あり、上記光路変更部材における上記中心光が投光される源である投光点の位置と、上記周辺光が投光される源である投光点の位置とが互いに異なっていても良い。
上記の構成によれば、励起光源、発光部および光路変更部材のそれぞれの配置関係や、光路変更部材における中心光が投光される源である投光点の位置と、周辺光が投光される源である投光点の位置とを適切に設定することにより、中心光および周辺光のそれぞれの配光特性の調整が容易になる。
また、本発明の照明装置は、上記の構成に加えて、上記光路変更部材は、上記複数種類の光を受けて反射する光反射凹面を有する反射鏡であり、上記投光点は、上記複数種類の光のいずれかが反射する上記光反射凹面における反射点であっても良い。
上記の構成によれば、励起光源、発光部および反射鏡の配置関係や、反射鏡における中心光が投光される源である反射点の位置と、周辺光が投光される源である反射点の位置とを適切に設定することにより、中心光および周辺光のそれぞれの配光特性の調整が容易になる。
ところで、異なる波長の光を含む単色光ではない光の場合、その屈折率には波長依存性がある。例えば、天体望遠鏡は、大きく分類すると反射望遠鏡と屈折望遠鏡とがあるが、反射望遠鏡は屈折率の波長依存性が関係なくなるので(厳密には色収差に一番影響する対物鏡が色収差を持たないので)、クリヤーな像が得られることが知られている。一方、屈折望遠鏡は色収差を改善するため、通常、対物レンズは2種類以上のレンズを組合せた色消しレンズ(レンズ2枚:アクロマート、レンズ3枚:アポクロマート等)を用いているが、それでも色収差を完全に消すことは困難となることが知られている。
以上の点を考慮すると、上記構成のように、反射鏡を採用した場合、色収差がないので、所望の波長の光を所望の配光で投光することが容易になるといったメリットがある。その他、反射鏡で光が反射することによる、きらめき感がある(意匠性が高い)、反射鏡は大型化が容易であるといったメリットもある。
また、本発明の照明装置は、上記の構成に加えて、上記反射鏡の上記光反射凹面の形状、上記中心光の上記反射点の位置、および、上記周辺光の上記反射点の位置のそれぞれは、上記照明光の所定の配光パターンに合せて設定されていても良い。
上記構成によれば、所定の配光パターンを有する照明光を外部に投光することができる。
また、本発明の照明装置は、上記の構成に加えて、上記光路変更部材は、上記複数種類の光を受けて、その光路を変更するレンズであり、上記投光点は、上記複数種類の光のいずれかが出射する上記レンズにおける出射点であっても良い。
上記の構成によれば、励起光源、発光部およびレンズの配置関係や、レンズにおける中心光が投光される源である出射点の位置と、周辺光が投光される源である出射点の位置とを適切に設定することにより、中心光および周辺光のそれぞれの配光特性の調整が容易になる。
また、上記構成によれば、上記の反射鏡を用いた場合と異なり、照明装置では色消しレンズを用いることは稀なので、色収差が発生するが、これを積極的に利用すると、例えば、異なる波長の光が照射される境界部分をぼかす(徐々に波長が変化し、境界部分を目立たなくする)ことができる。また、レンズ形状などによりその意匠性を高くできる。例えば、意匠性を重視するのであれば使用するレンズは単一球面の形状ではなく、レンズの一部に複数の平面を有する形状にすることでより意匠性を高くすることができる(クリスタルカットガラスなど)。
また、本発明の照明装置は、上記の構成に加えて、上記レンズの形状、上記中心光の上記出射点の位置、および、上記周辺光の上記出射点の位置のそれぞれは、上記照明光の所定の配光パターンに合せて設定されていても良い。
上記構成によれば、所定の配光パターンを有する照明光を外部に投光することができる。
また、上記照明装置を備えた前照灯、投影装置、屋外照明および屋内照明も本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の照明装置は、以上のように、外部へ投光される上記照明光のスポットは、上記光軸を基準とする立体角が所定の閾値未満である中心光と、上記立体角が上記閾値以上である周辺光と、から成り、上記周辺光の分光スペクトルにおけるS錐体の分光感度が高い波長の光の強度の、上記周辺光の全強度に対する割合が、上記中心光の分光スペクトルにおける上記S錐体の分光感度が高い波長の光の強度の、上記中心光の全強度に対する割合よりも大きい構成である。
それゆえ、人間の目における錐体の分布状態に応じてミクロな観点から効率的に視認性を向上させることができるという効果を奏する。
(a)は、本発明における照明装置の実施の一形態に関し、配光パターンの一例を示す図であり、(b)は、上記配光パターンの別の例を示す図である。 (a)は、本発明における照明装置の実施の一形態を示す図であり、(b)は、上記照明装置を構成する照明ユニットの一例を示す断面図である。 (a)は、本発明における照明装置の他の実施形態を示す図であり、(b)は、(a)に示す照明装置の断面図である。 本発明における照明ユニットまたは照明装置のさらに他の実施形態を示す図であり、図2(a)に示す照明装置を構成する照明ユニットまたは図3(a)に示す照明装置の別の一例を示す断面図である。 照明光の色度範囲を示すグラフ(色度図)である。 中心光および周辺光の各分光分布スペクトルを示すグラフである。 (a)は、人間の眼球の構造を示す断面図であり、(b)は、L、M、S錐体のそれぞれの分光感度、および分光視感効率を示すグラフである。 (a)は、自動車用ヘッドランプ(ロービーム/ハイビーム)に要求される配光パターン(対向車の正面側から見たときの配光パターン)を示す模式図であり、(b)は、自動車用ヘッドランプのロービームに要求される配光特性を示す図である。 (a)は、自動車用ヘッドランプに要求される配光パターン(道路の上側から見たときの配光パターン)を示す模式図であり、(b)は、自動車用ヘッドランプの配光特性の詳細を示す図である。 本発明における照明装置のさらに他の実施形態示す図である。 (a)および(b)は、図10に示す照明装置の断面図である。 上記照明装置が実現する配光パターンの例(配光パターンその1〜その4)を示す図である。 本発明の照明装置のさらに他の実施形態であるレーザダウンライトが備える発光ユニットおよび従来のLEDダウンライトの外観を示す概略図である。 上記レーザダウンライトが設置された天井の断面図である。 上記レーザダウンライトの断面図である。 上記LEDダウンライトが設置された天井の断面図である。 上記レーザダウンライトおよび上記LEDダウンライトのスペックを比較するための図である。
本発明の一実施形態について図1〜図17に基づいて説明すれば、次の通りである。以下の特定の項目で説明する構成以外の構成については、必要に応じて説明を省略する場合があるが、他の項目で説明されている場合は、その構成と同じである。また、説明の便宜上、各項目に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。
〔1.照明装置10の構成について〕
まず、図1に基づき、本発明の実施の一形態である照明装置(前照灯、投影装置、屋内照明および屋外照明)10の概要構成について説明する。図1は、照明装置10の概要構成を模式的に示す図である。
(照明装置10)
照明装置10は、光学的性質の異なる複数種類の光(例えば、中心光、周辺光)からなる照明光を、同図に示すα軸(所定の光軸;紙面に対して左右方向に沿って延在している)に沿って外部へ投光する照明装置となっている。
(スポットLS)
図1(a)に照明装置10の配光パターンの一例を示し、図1(b)に照明装置10の配光パターンの別の例を示す。図1(a)に示す例では、照明光のスポット(照明光)LSの形状は、円または楕円形状であるが、図1(b)に示す例では、照明光のスポットLSの形状は、半円または半楕円形状である。このように周辺光エリアA2は、必ずしも中心光エリアA1の周囲を完全に囲んでいる必要はない。また、スポットLSの形状は、必ずしも曲線のみで囲まれた図形である必要はなく、全部または一部に直線を含んでいても良い。さらに、スポットLSの形状は、必ずしも凸図形である必要はなく、凹図形であっても良い。
次に、同図に示すように、照明装置10の外部へ投光される照明光のスポットLSは、α軸(および点O)を基準とする立体角θが所定の閾値未満である中心光エリア(中心光)A1と、立体角θが上記閾値以上である周辺光エリア(周辺光)A2とから成る。なお、中心光エリアA1と周辺光エリアA2との境界が、一定値の立体角θのみの関数で表せる場合、具体的には、スポットLSの形状がX軸とスポットLSを含む平面との交点Qを中心とする真円であるような場合、立体角θの所定の閾値は、0.00096〜0.0976ステラジアン程度に設定することが好ましい。
これは視野角として2°から20°に相当する。中心窩の視野角は2°程度であるが、通常、視点は一点に固定されず、無意識のうちにもある程度移動する。特に夜間走行時の前照灯の場合、運転者の視点は自車の前方の道路上を移動し続けることを考えると、立体角θとしては2°以上であることが好ましく、逆に、20°を超えると25m先の中心光エリアが正面を中心に左右4.4mより大きくなって効果が薄れてくる。特に10°相当である0.024ステラジアン前後、すなわち、0.02から0.04ステラジアンに設定すると効果的である。
また、このように、中心光エリアA1と周辺光エリアA2との境界は、必ずしも立体角θのみの関数である必要はない。
例えば、同図に示すように、照明装置10の光出射側の端部の光出射面の中心(点O)からスポットLSまでの距離r、α軸(および点O)を基準とする立体角θ、スポットLSの中心光エリアA1と周辺光エリアA2との境界上の任意の点と点Qとを結ぶ直線と、β軸との為す角φとする。
このとき、関数f(r,θ,φ)で、中心光エリアA1と周辺光エリアA2との境界を表しても良い。例えば、関数f(r,θ,φ)は、r=一定のとき、スポットLSを含む平面上に、任意の形状の図形の軌跡を描く。よって、関数f(r,θ,φ)が描く軌跡によれば、任意の位置rのスポットLSについて、任意の形状の中心光エリアA1と、周辺光エリアA2との境界を上記軌跡として表すことができる。なお、この場合でも、中心光エリアA1と周辺光エリアA2との境界上の任意の点における立体角θが、角度φに依存して変化する閾値と考えれば、中心光エリアA1と周辺光エリアA2とを、その境界上の点と点Qとを結ぶ直線上において、所定の閾値で明確に区別できる。
(中心光エリアA1・周辺光エリアA2)
次に、中心光エリアA1および周辺光エリアA2のそれぞれに照射される光、すなわち、中心光および周辺光のそれぞれの光学的性質について纏めると下記の(1)および(2)に示すとおりとなる。
(1)中心光:L錐体およびM錐体の分光感度が高い波長の光の割合(=L錐体およびM錐体の分光感度が高い波長の光の強度/中心光の全強度)が、周辺光(=L錐体およびM錐体の分光感度が高い波長の光の強度/周辺光の全強度)よりも高い。また、S錐体の分光感度が高い波長の光の割合(=S錐体の分光感度が高い波長の光の強度/中心光の全強度)が、周辺光(=S錐体の分光感度が高い波長の光の強度/周辺光の全強度)よりも低い。
(2)周辺光:L錐体およびM錐体の分光感度が高い波長の光の割合(=L錐体およびM錐体の分光感度が高い波長の光の強度/周辺光の全強度)が、中心光(=L錐体およびM錐体の分光感度が高い波長の光の強度/中心光の全強度)よりも低い。また、S錐体の分光感度が高い波長の光の割合(=S錐体の分光感度が高い波長の光の強度/周辺光の全強度)が、中心光(=S錐体の分光感度が高い波長の光の強度/中心光の全強度)よりも高い。
上記構成によれば、周辺光の分光スペクトルにおけるS錐体の分光感度が高い波長の光(以下、「S錐体高感度光」という)の強度の、周辺光の全強度に対する割合(以下、「S錐体高感度光の割合」という)が、中心光におけるS錐体高感度光の割合よりも大きい。
ここで、上記のように、人間の目の中心窩という部分には青色領域の光を感じるS錐体が存在しないが、このS錐体は周辺視野に関する部分に多く存在する傾向がある。
このため、上記構成では、S錐体が多く分布する周辺視野に関する部分に影響を及ぼす周辺光において、S錐体高感度光の割合を中心光よりも多くしている。そうすると、S錐体が多く分布する周辺視野には、そのS錐体の感度が高いS錐体高感度光の割合が高い周辺光が入射することになるため、ミクロな観点から効率的に視認性を向上させることができる。
以上により、人間の目における錐体の分布状態に応じてミクロな観点から効率的に視認性を向上させることができる。
また、上記のように、中心光の分光スペクトルにおけるL錐体およびM錐体の分光感度が高い波長の光の強度の、中心光の全強度に対する割合が、周辺光の分光スペクトルにおけるL錐体およびM錐体の分光感度が高い波長の光の強度の、周辺光の全強度に対する割合よりも大きいことが好ましい。
上記構成によれば、中心光の分光スペクトルにおけるL、M錐体の分光感度が高い波長の光(以下、「LM錐体高感度光」という)の強度の、中心光の全強度に対する割合(以下、「LM錐体高感度光の割合」という)が、中心光におけるLM錐体高感度光の割合よりも大きい。ここで、上記のように、人間の目の中心窩という部分には青色領域の光を感じるS錐体が存在しないが、L、M錐体が多く存在する傾向がある。
このため、上記構成では、S錐体が存在せず、L、M錐体が多く分布する中心窩に影響を及ぼす中心光において、LM錐体高感度光の割合を周辺光よりも多くしている。
そうすると、L、M錐体が多く分布する中心視野には、そのL、M錐体の感度が高いLM錐体高感度光の割合が高い中心光が入射することになるため、全視野において、人間の目における錐体の分布状態に応じてミクロな観点から効率的に視認性を向上させることができる。
(相対色温度について)
また、周辺光と中心光との相対色温度が等しくても良い。上記構成によれば、人間の視覚においては周辺光と中心光の色味はほとんど区別できないため、一様な照明光として認識される。
例えば、上記の特許文献1〜3の技術では、色温度が高いと視認性が向上するという傾向に基づき、周辺視の色温度を高くすることが記載されているが、これでは、中心視と周辺視とで色味が異なって認識される可能性がある。しかしながら、上記構成によれば、このような問題点は生じない。
(分光スペクトルの色度点のX値について)
次に、相対的に長波長側の光量よりも低波長側の光量が多いか否か、または、相対的に短波長側の光量よりも長波長側の光量が多いか否かを示す指標として分光スペクトルの色度点がある。この分光スペクトルの色度点を用いれば、互いに色温度が同じ複数種類の光について、相対的に長波長側の光量よりも低波長側の光量が多いか否か、または、相対的に短波長側の光量よりも長波長側の光量が多いか否かを区別することができる。
そこで、本発明者が鋭意検討した結果、相対的に色温度が同じ光である場合、分光スペクトルの色度点のX値(および/またはY値)が小さいほど、相対的に青色領域の光の割合が多くなる傾向があることが判明した。また、逆に、分光スペクトルの色度点のX値(および/またはY値)が大きいほど、相対的に赤色領域および緑色領域の光の割合が多くなる傾向があることが判明した。
以上の検討結果を考慮し、本実施形態の照明装置10では、照明光のスポットLSを、中心光エリアA1と、周辺光エリアA2とに分け、中心光の分光スペクトルについて、相対色温度が互いに同じであるが、少なくとも、周辺光の分光スペクトルの色度点のX値(および/またはY値)を、中心光の分光スペクトルの色度点のX値(および/またはY値)よりも小さくしている。
例えば、図5に色度図を示す。なお、色度図の横軸に示す数値は、上記の色度点のX値を示し、縦軸に示す数値は、色度点のY値を示す。また、図6に中心光エリアA1に含まれる照明光、周辺光エリアA2に含まれる照明光の各分光分布スペクトル(以下、単に「分光スペクトル」という)を示す。
これらの図に示すように、図6に示す中心光エリアA1の照明光の分光スペクトルは、相対的に赤色領域(600nm以上680nm以下;色度点のX値=0.63〜0.73)および緑色領域(510nm以上560nm以下;X値0.02〜0.37)の光の割合が多く、このときの色度点のX値は中心光エリアA1と比較して相対的に大きくなっている。
一方、周辺光エリアA2の照明光の分光スペクトルは、相対的に青色領域(440nm以上490nm以下;X値=0.04〜0.16)の光の割合が多く、このときの色度点のX値は周辺光エリアA2と比較して相対的に小さくなっている。
すなわち、周辺光エリアA2では、分光スペクトルの色度点のX値を中心光エリアA1の分光スペクトルの色度点のX値よりも小さくし、青色領域の光の割合を多くしている。このため、S錐体が多く分布する周辺視野に関する部分に影響を及ぼす周辺光エリアA2において、S錐体の感度が高い、青色領域の光の割合を中心光よりも多くしている。そうすると、S錐体が多く分布する周辺視野には、そのS錐体の感度が高い青色領域の光の割合が高い周辺光が入射することになるため、ミクロな観点から効率的に視認性を向上させることができる。以上により、人間の目における錐体の分布状態に応じてミクロな観点から効率的に視認性を向上させることができる。
(分光スペクトルの色度点のY値について)
次に、図6に示す中心光エリアA1の照明光の分光スペクトルは、相対的に赤色領域(Y値=0.26〜0.37)および緑色領域(Y値0.63〜0.76)の光の割合が多く、このときの色度点のY値も周辺光エリアA2と比較して相対的に大きくなっている。
一方、周辺光エリアA2の照明光の分光スペクトルは、相対的に青色領域(Y値=0.01〜0.30)の光の割合が多く、このときの色度点のY値も中心光エリアA1と比較して相対的に小さくなっている。
すなわち、周辺光エリアA2では、分光スペクトルの色度点のY値を中心光エリアA1の分光スペクトルの色度点のY値よりも小さくし、青色領域の光の割合を多くしている。このため、S錐体が多く分布する周辺視野に関する部分に影響を及ぼす周辺光エリアA2において、S錐体の感度が高い、青色領域の光の割合を中心光よりも多くしている。そうすると、S錐体が多く分布する周辺視野には、そのS錐体の感度が高い青色領域の光の割合が高い周辺光が入射することになるため、ミクロな観点から効率的に視認性を向上させることができる。以上により、人間の目における錐体の分布状態に応じてミクロな観点から効率的に視認性を向上させることができる。
周辺光エリアA2に含まれる照明光の分光スペクトルの色度点のX値およびY値のいずれか少なくとも一方が、中心光エリアA1に含まれる照明光の分光スペクトルのX値およびY値のいずれか少なくとも一方よりも小さければ、人間の目における錐体の分布状態に応じてミクロな観点から効率的に視認性を向上させることができる。
(複数の蛍光体と色度との関係について)
次に、図5を用いて、後述する発光部13a〜13cに含まれる複数の蛍光体と、色度との関係について説明する。
ここでは、発光部13a〜13cに含まれる複数の蛍光体の代表例として、Siナノ粒子蛍光体(ピーク波長:約420nm、点36参照)、Caα−SiAlON:Ce蛍光体(ピーク波長:約510nm、点31参照)、および、CASN:Eu蛍光体(ピーク波長:約650nm、点32参照)を用いて説明する。
Siナノ粒子蛍光体、Caα−SiAlON:Ce蛍光体およびCASN:Eu蛍光体は、それぞれ、後述する青色発光蛍光体、緑色発光蛍光体および赤色発光蛍光体の典型例である。
同図の曲線33は、色温度(K:ケルビン)を示すものである。また、同図に示す6つの点35を頂点とする多角形は、法律により規定されている車両用前照灯に要求される白色光の色度範囲を示す。
ここで、上記の3種類の蛍光体の配合比を調整することにより、点31、点32、および点36を頂点とする三角形で示される色度範囲に含まれる、任意の色度の照明光を放射できる発光部13a〜13cの製造が可能である。なお、上記の3種類の蛍光体の組合せでは、図3に示すグラフの色度範囲を覆う三角形の面積がほぼ最大となるので、極めて広範囲の色度の照明光を放射できる発光部13a〜13cの製造が可能である。
また、上記三角形で示される色度範囲は、上記車両用前照灯に要求される白色光の色度範囲と広い範囲で重複している。よって、上記の3種類の蛍光体の配合比を調整することにより、車両用前照灯に好適な発光部13a〜13cを製造することも可能である。
なお、発光部13a〜13cに含まれる複数種類の蛍光体が上記の3種類の蛍光体の組合せでない場合でも、各蛍光体の材料や種類数などに関わらず、上記車両用前照灯に要求される白色光の色度範囲に含まれる色度の照明光を放射できるように、発光部13a〜13cに含まれる各蛍光体の配合比を調整すれば良い。これにより、発光部13a〜13cに含まれる各蛍光体の材料や種類数などに関わらず、車両用前照灯に好適な発光部13a〜13cを製造することも可能である。
〔2.照明装置10aの構成について〕
次に、図2に基づき、本発明の他の実施形態である照明装置10aの概要構成について説明する。図2(a)は、照明装置10aの概要構成を模式的に示す図である。図2(a)に示すように、照明装置10aは、紙面に対して上下方向の中心に配置された1本の照明ユニット11aと、この照明ユニット11aの上下に配置された2本の照明ユニット11bとを備えている。すなわち、本実施形態の照明装置10aは、複数の照明ユニットの組合せにより、光学的性質の異なる複数種類の光(中心光、周辺光)からなる照明光を、所定の光軸に沿って外部へ投光する照明装置となっている。換言すれば、本実施形態の照明装置10aでは、複数のリフレクタ(反射鏡)を用いて、それぞれのリフレクタに光源(光源ユニット)がそれぞれ備えられているような構成(マルチリフレクタ方式)を採用している。
図2(a)に示す例では、1本の照明ユニット11aは、中心光エリアA1に照射される光を発し、2本の照明ユニット11bは、ともに周辺光エリアA2に照射される光を発する。
(照明ユニット11a、照明ユニット11b)
次に、図2(b)に、照明装置10aを構成する照明ユニット11aまたは11bの構造の概要を示す。
同図に示すように、照明ユニット11aまたは11bは、光源ユニット(励起光源)12、発光部13aまたは発光部13b、反射鏡14a、レンズ15を備えている。
(光源ユニット12)
光源ユニット12は、励起光を発生する励起光源として機能するものである。
本実施形態の光源ユニット12には、光源として1チップ1ストライプの半導体レーザ(LD)(後述する半導体レーザ3と同様)を10個備えている。
光源ユニット12が備えるLDは、例えば、405nm(青紫色)のレーザ光を発振し、光出力が1.0W、動作電圧が4V、電流が0.7Aであり、直径5.6mmのパッケージ(ステム)に封入されている(不図示)。また、上記のように、本実施形態では、LDを10個用いており、光出力の合計は10Wである。
光源ユニット12は、本実施形態のように、LDを複数備えていても良く、1つのみ備えていても良い。
また、LDとして、本実施形態のように、1つのチップに1つの発光点を有するもの(1チップ1ストライプ)を用いてもよいし、複数の発光点を有するもの(1チップ複数ストライプ)を用いてもよい。なお、本実施形態では、光源ユニット12が、LDを備えているものとして説明するが、これに限定されない。例えば、光源ユニット12はLDではなくLEDを光源として備えていても良い。また、光源ユニット12が複数の光源を備えている場合、LDまたはLEDのみで構成しても良いし、LDとLEDとを混在させても良い。
光源ユニット12が発振するレーザ光の波長は、405nmに限定されず、近紫外領域から青色領域(350nm以上460nm以下)、より好ましくは、近紫外領域から青紫色領域(370nm以上420nm以下)の波長範囲にピーク波長(発光ピーク波長)を有するものであればよい。
また、光源ユニット12の光出力は、1W以上20W以下程度であり、発光部13a、13bに照射されるレーザ光の光密度は、0.1W/mm以上50W/mm以下であることが好ましい。この範囲の光出力であれば、車両用のヘッドランプに要求される光束および輝度を実現できるとともに、高出力のレーザ光によって発光部13a、13bが極度に劣化することを防止できる。すなわち、高光束かつ高輝度でありながら、長寿命の光源を実現できる。
光源ユニット12は、紙面に対して左側から発光部13a、13bの励起光が照射される光照射面の側に励起光を照射することが可能な位置に設ける。
(発光部13a、13b)
発光部13a、13bは、それぞれ、含まれている蛍光体の種類や量が異なっており、励起光が照射されることにより、各発光部から複数種類の光(中心光、周辺光)が放出されるようになっている。但し、複数種類の光のそれぞれは、励起光の一部を含んでいても良い。
なお、各蛍光体を封止する封止材は、有機成分を含まない無機ガラスであることが好ましいが、極端に高出力・高光密度での励起光を用いないのであれば、シリコーン樹脂などの樹脂や、有機ハイブリッドガラスであっても良い。なお、発光部13a、13bは、各蛍光体のみを押し固めたものであってもよいが、各蛍光体が封止材の中に分散されたものであることが好ましい。各蛍光体のみを押し固めた場合には、レーザ光が照射されることにより生じる発光部13a、13bの劣化が促進される可能性があるからである。
ここで、以下、簡単のため、青色波長領域にピーク波長を有する蛍光を発生する蛍光体を、青色発光蛍光体と呼ぶ。また、黄色波長領域にピーク波長を有する蛍光を発生する蛍光体を黄色発光蛍光体と呼ぶ。また、緑色波長領域にピーク波長を有する蛍光を発生する蛍光体を緑色発光蛍光体と呼ぶ。さらに、赤色波長領域にピーク波長を有する蛍光を発生する蛍光体を赤色発光蛍光体と呼ぶ。
一般に、照明光として用いられる白色(または擬似白色)光は、等色の原理を満たす3つの色の混色、または補色の関係を満たす2つの色の混色などで実現できる。この等色または補色の原理・関係に基づき、例えば、発光部13a、13bに含まれる複数の蛍光体のそれぞれが発する蛍光の色の混色で白色(または擬似白色)光を実現できる。
例えば、発光部13a、13bは、緑色発光蛍光体、赤色発光蛍光体、および青色発光蛍光体が、封止材の中に分散されたものであっても良い。この場合には、白色光を実現できる。
また、発光部13a、13bは、青色発光蛍光体および黄色発光蛍光体が、封止材の中に分散されたものであっても良い。この場合には、(擬似)白色光を実現できる。具体的には、発光部13a、13bに対して、近紫外から青紫色の(350nm以上420nm未満の発振波長を有する)励起光を照射することにより、発光部13a、13bから発生する照明光が発光効率の良い(擬似)白色光となる。
次に、青色発光蛍光体、緑色発光蛍光体、赤色発光蛍光体および黄色発光蛍光体の具体例について説明する。
(青色発光蛍光体)
青色発光蛍光体の具体例としては、Euで賦活したバリウムアルミン酸マグネシウム蛍光体、BaMgAl1017:Eu(以下、「BAM蛍光体」と略称する)を例示することができる。このBAM蛍光体は、455nmの発光ピーク波長を有するものである。
また、その他の例としては、例えばJEM相を含む酸窒化物系の蛍光体(JEM相蛍光体)を例示することができる。JEM相蛍光体は、希土類元素によって安定化されたサイアロン蛍光体を調整するプロセスにおいて生成することが確認された物質である。また、JEM相は、窒化珪素系材料の粒界相として発見されたセラミックスであり、一般的に、組成式MAl(Si6−zAl)N10−z(ただし、MはLa、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群から選択される少なくとも1種の元素)で表され、zをパラメータとする組成からなる特有な原子配列を有する結晶相(酸窒化物結晶)である。JEM相は、結晶の共有結合性が強いため耐熱性に優れている。
特に、Ce3+賦活のJEM相蛍光体(JEM相:Ce蛍光体)であることが好ましい。JEM相蛍光体にCe成分が含まれることにより、350nm〜400nm近傍の励起光を吸収し、青色から青緑色にかけての発光を得やすくなるとともに、発光の半値幅もブロードとなるため、例えば暗所視における比視感度の高い波長域を十分カバーすることができる。また、JEM相:Ce蛍光体は、励起波長が360nmのとき、ピーク波長が480nmであり、そのときの発光効率は60%である。また、励起波長が405nmのとき、ピーク波長が490nmであり、そのときの発光効率は50%である。
(緑色発光蛍光体)
緑色発光蛍光体の具体例としては、各種の窒化物系または酸窒化物系の蛍光体が挙げられる。特に、酸窒化物系の蛍光体は耐熱性に優れ、高い発光効率で安定した材料であるので、耐熱性に優れ、高い発光効率で安定した発光部13a、13bを実現できる。
例えば、緑色に発光する酸窒化物系蛍光体として、Eu2+がドープされたβ−SiAlON:Eu蛍光体、Ce3+がドープされたCaα−SiAlON:Ce蛍光体などが挙げられる。β−SiAlON:Eu蛍光体は、近紫外から青色の励起光によりピーク波長が約540nmの強い発光を示す。この蛍光体の発光スペクトル半値幅は約55nmである。また、Caα−SiAlON:Ce蛍光体は、近紫外から青色の励起光によりピーク波長が約510nmの強い発光を示す。
なお、上記のα−SiAlONおよびβ−SiAlON(サイアロン)は、いわゆるサイアロン蛍光体(酸窒化物系蛍光体)であり、窒化ケイ素と同様に、結晶構造によりα型とβ型とがある。特に、α−サイアロンは,一般式Si12−(m+n)Al(m+n)16−n(m+n<12,0<m ,n<11;m ,nは整数)であらわされる28原子からなる単位構造の中に2箇所の空隙があり、ここに各種金属を侵入固溶させることが可能である。希土類元素を固溶させることで蛍光体になる。カルシウム(Ca)とユーロピウム(Eu)とを固溶させると、後述するYAG:Ce蛍光体よりも長波長の黄色から橙色の範囲で発光する特性の良い蛍光体が得られる。
また、サイアロン蛍光体は、近紫外から青色の(350nm以上460nm以下)の光で励起可能であり、白色LED用の蛍光体などに適している。
(赤色発光蛍光体)
赤色発光蛍光体の具体例としては、各種の窒化物系の蛍光体が挙げられる。例えば、窒化物系の蛍光体としては、Eu2+がドープされたCaAlSiN:蛍光体(CASN:Eu蛍光体)、Eu2+がドープされたSrCaAlSiN蛍光体(SCASN:Eu蛍光体)などが挙げられる。これらの窒化物系の蛍光体は、上述した酸窒化物蛍光体と組合せることにより、演色性をより高めることができる。
CASN:Eu蛍光体は、励起波長が350nm〜450nmのとき、赤色の蛍光を発し、そのピーク波長は650nmであり、その発光効率は73%である。また、SCASN:Eu蛍光体は、励起波長が350nm〜450nmのとき、赤色の蛍光を発し、そのピーク波長は630nmであり、その発光効率は70%である。
これらの赤色発光蛍光体を用いることにより、演色性が非常に良い白色光を実現することができる。また、赤色発光蛍光体であれば、その白色光を照射する対象物が赤色である場合に、その対象物の視認性を高めることができる。交通標識の背景色として、赤色、黄色および青色が用いられているため、照明装置10、10aが備える発光部13a、13bに赤色発光蛍光体を用いることは、背景色が赤色の交通標識を視認する上で有効である。
また、赤色に発光する窒化物系蛍光体の例としては、(Mg、Ca、Sr、Ba)AlSiN:Eu等のEu賦活窒化物蛍光体や(Mg、Ca、Sr、Ba)AlSiN:Ce等のCe賦活窒化物蛍光体などが挙げられる。
(黄色発光蛍光体)
黄色発光蛍光体の具体例としては、セリウム(Ce)で賦活したイットリウム(Y)−アルミニウム(Al)−ガーネット(Garnet)蛍光体であるYAG:Ce蛍光体や、Eu2+がドープされたCaα−SiAlON:Eu蛍光体などが挙げられる。
YAG:Ce蛍光体は、550nm付近(550nmよりも若干長波長側)に発光ピークが存在するブロードな発光スペクトルをもつ。また、Caα−SiAlON:Eu蛍光体は、近紫外から青色の励起光によりピーク波長が約580nmの強い発光を示す。
(ナノ粒子蛍光体について)
次に、ナノ粒子蛍光体について説明する。ナノ粒子蛍光体の構成材料である半導体物質の典型は、ZnSe、ZnTe、CdSe、CdTe等のII−VI族化合物、Si、Ge等の4B族元素、GaAs、InP等のIII−V族化合物である。半導体ナノ粒子は半導体材料からなる、平均粒径が100nm以下程度の粒子を指し、1個のナノ粒子に含まれる原子数は102〜104個である。量子サイズ効果により、バルク(目で見える大きさの塊)の半導体とは異なる波長の光を吸収・発光する。例えば、間接遷移型のため、通常では発光しないSiについてもナノ粒子化することによって発光させることができる。
量子サイズ効果とは、粒子が小さくなるにつれて材料中の電子の状態が変わって、より短い波長の光を吸収したり放出したりする現象のことである。特に平均粒径10nm以下の粒子について顕著に見られることが多い。
すなわち、ナノ粒子蛍光体の特徴の一つは、同一の化合物半導体(例えばインジュウムリン:InP)を用いても、その粒径をnmオーダのサイズに変更することにより、量子サイズ効果によって発光色を変化させることができる点である。例えば、InPでは、粒子サイズが3〜4nm程度のときに赤色に発光する[ここで、粒子サイズは透過型電子顕微鏡(TEM)にて評価した]。
また、ナノ粒子蛍光体は、半導体ベースであるので蛍光寿命が短く、励起光のパワーを素早く蛍光として放射できるのでハイパワーの励起光に対して耐性が強いという特徴もある。これは、このナノ粒子蛍光体の発光寿命が10ns(ナノ秒)程度と、希土類を発光中心とする通常の希土類賦活蛍光体に比べて5桁も小さいためである。
さらに、上述したように、発光寿命が短いため、励起光の吸収と蛍光体の発光を素早く繰り返すことができる。その結果、強いレーザ光に対しても高効率を保つことができ、蛍光体からの発熱を低減させることができる。
よって、発光部13a、13bに含まれる蛍光体をナノ粒子蛍光体とすることにより、発光部13a、13bが熱により劣化(変色や変形)するのをより抑制することができる。これにより、光出力が高い発光素子を光源として用いる場合に、本実施形態の照明装置10aや、後述する照明装置10b〜10dの寿命が短くなるのをより抑制することができる。
なお、発光部13a、13bの劣化は、発光部13a、13bに含まれる蛍光体の封止材(例えば、シリコーン樹脂)の劣化が主たる原因であると考えられる。すなわち、上述のサイアロン蛍光体は、レーザ光が照射されると60〜80%の効率で蛍光を発生させるが、残りは熱となって放出される。この熱によって封止材が劣化すると考えられる。
従って、封止材としては、熱耐性の高い封止材が好ましい。熱耐性の高い封止材としては、例えば、ガラスなどが例示できる。
(反射鏡14a)
反射鏡14aは、発光部13a、13bが出射した蛍光(照明光)、または、光源ユニット12から出射した励起光(照明光)の一部を反射することにより、所定の立体角内を進む光線束を形成するものである。すなわち、反射鏡14aは、発光部13a、13bからの蛍光、または、光源ユニット12から出射した励起光の一部を反射することにより、照明装置10aの前方(光軸方向)へ進む光線束を形成する。この反射鏡14aは、例えば、金属薄膜がその表面に形成された曲面形状(カップ状曲面)の部材であり、反射した光の進行方向に開口している。
(レンズ15)
レンズ(光路変更部材)15は、発光部13a、13bから出射された蛍光の光路を変更する光路変更部材の一例である。また、レンズ15の形状は、照明ユニット11aおよび照明ユニット11aのそれぞれの配光特性に合わせて設定される。
また、照明ユニット11aおよび11bの配置はスポットLSにおける中心光エリアA1と周辺光エリアA2の配光パターンによって設定される。
(発光部13a、13bの配置および形状)
発光部13a、13bは、反射鏡14aの内部において、反射鏡14aの焦点位置またはその近傍に固定されている。発光部13a、13bの位置の固定方法は、特に限定されず、反射鏡14aから延出する棒状または筒状の部材(透明であることが好ましい)によって発光部13a、13bの位置を固定してもよい。
発光部13a、13bの形状は、特に限定されず、直方体であっても、円柱状であってもよい。本実施形態では、円柱状である。この円柱状の発光部13a、13bは、直径2mm、厚み(高さ)0.8mmの円柱状である。
また、発光部13a、13bにレーザ光が照射される面であるレーザ光照射面は、平面である必要は必ずしもなく、曲面であってもよい。但し、レーザ光の反射を制御するためには、レーザ光照射面は、レーザ光の光軸に対して垂直な平面であることが好ましい。
また、円柱状の発光部13a、13bの厚みは0.8mmでなくともよい。また、ここで必要とされる発光部13a、13bの厚みは、発光部13a、13bにおける封止材と蛍光体との割合に従って変化する。発光部13a、13bにおける蛍光体の含有量が多くなれば、レーザ光が白色光に変換される効率が高まるため円柱状の発光部13a、13bの厚みを薄くできる。
〔3.照明装置10bの構成について〕
次に、図3に基づき、本発明の他の実施形態である照明装置(前照灯、投影装置、屋内照明および屋外照明)10bの概要構成について説明する。図3(a)は、照明装置10bの概要構成を模式的に示す図である。図3(a)に示すように、照明装置10bは、1本のみの照明ユニットからなる。すなわち、本実施形態の照明装置10bは、1本の照明ユニットのみにより、光学的性質の異なる複数種類の光(中心光、周辺光)からなる照明光を、所定の光軸に沿って外部へ投光する照明装置となっている点が、上述した照明装置10aと異なっている。
図3(a)に示す例では、1本の照明装置10bは、単独で中心光エリアA1に照射される光とともに、周辺光エリアA2に照射される光を発している。
(発光部13c)
同図に示すように、照明装置10bは、上述した照明ユニット11a、11bの発光部13a、13bを、発光部13cに置き換えた構造となっている点が、照明ユニット11a、11bと異なっている。
発光部13cは、円柱形状の中心部13ccと、円環形状の周辺部13csとからなり、周辺部13csの円環の中央の中空に円柱形状の中心部13ccを嵌合させた構造となっている。このような構造により、中心部13ccから発する光は、中心光エリアA1に照射される中心光L1となり、周辺部13csから発する光は、周辺光エリアA2に照射される周辺光L2となる。
(レンズ15;レンズ15a〜15c)
レンズ(投光部材、光路変更部材)15は、上記の複数種類の光を受けて中心光エリアA1と、周辺光エリアA2とに振り分ける投光部材(光路変更部材)の一例である。レンズ15によれば、発光部13cの構成や、発光部13cと光源ユニット12との配置関係などの自由度が高くなる。
また、レンズ15は、上記の複数種類の光を受けて、その光路を変更するレンズであり、レンズ15の出射面における出射点P1およびP2の各位置と、出射点P3の位置とは異なっている。これにより、出射点P1およびP2は、周辺光エリアA2に照射される光が投光される源となる投光点となっており、出射点P3は、中心光エリアA1に照射される光が投光される源となる投光点なっている。
上記の構成によれば、光源ユニット12、発光部13cおよびレンズ15のそれぞれの配置関係や、レンズ15における出射点P1〜P3の位置を適切に設定することにより、中心光エリアA1および周辺光エリアA2のそれぞれの配光特性の調整が容易になる。
ところで、異なる波長の光を含む単色光ではない光の場合、その屈折率には波長依存性がある。例えば、天体望遠鏡は、大きく分類すると反射望遠鏡と屈折望遠鏡とがあるが、反射望遠鏡は屈折率の波長依存性が関係なくなるので(厳密には色収差に一番影響する対物鏡が色収差を持たないので)、クリヤーな像が得られることが知られている。一方、屈折望遠鏡は色収差を改善するため、通常、対物レンズは2種類以上のレンズを組合せた色消しレンズ(レンズ2枚:アクロマート、レンズ3枚:アポクロマート等)を用いることが知られており、それでも色収差を完全に消すことは困難となる。
以上の点を考慮すると、後述する反射鏡を用いた形態(図10参照)と異なり照明装置10bでは色消しレンズを用いることは稀なので、色収差が発生するが、これを積極的に利用すると、例えば、異なる波長の光が照射される境界部分をぼかす(徐々に波長が変化し、境界部分を目立たなくする)ことができる。また、レンズ形状などによりその意匠性を高くできる。例えば、意匠性を重視するのであれば使用するレンズは単一球面の形状ではなく、レンズの一部に複数の平面を有する形状にすることでより意匠性を高くすることができる(クリスタルカットガラスなど)。
本実施形態の照明装置10bは、レンズ15a〜15cの形状、出射点P1〜P3の位置のそれぞれは、照明光の所定の配光パターンに合せて設定されていても良い。例えば、上述したレンズ15の形状は、同図に示すレンズ(投光部材)15a〜15cのように、非球面レンズ、すなわち表面が連続でないようなレンズや、凹凸が組合さったレンズなど様々なレンズ形状を採用することができる。レンズ15a〜15cに示すレンズ形状によれば、上述した出射点P1およびP3と、出射点P2と、のように、互いに色度が異なる投光点が2つ以上存在していても、単純な凸レンズまたは凹レンズのみのレンズ形状と比較して、所望の配光パターンを配光させることが容易になる。
〔4.照明装置10cの構成について〕
次に、図4に基づき、本発明のさらに他の実施形態である照明装置(前照灯、投影装置、屋内照明および屋外照明)10cの概要構成について説明する。
図4に示す照明装置10cは、上述した照明装置10aの構成要素である照明ユニット11a、11b、または、照明装置10bのいずれかの変形例を示している。
照明装置10cは、反射鏡14bの構造が、反射鏡14aと異なっている点が、照明ユニット11a、11b、または、照明装置10bとの相違点である。
反射鏡14bは、2つの曲面、すなわち、開口の直径が異なる2種類のカップ状曲面を組合せた形状を有する部材であり、反射した光の進行方向に開口している。このように、反射鏡の形状をより細かく調整することにより、外部に投光される照明光の配光パターンをより細かく調整することができる。
なお、照明装置10cのレンズ15のレンズ形状として、図3(b)に示すレンズ15a〜15cのようなレンズ形状を採用しても良い。すなわち、本実施形態の照明装置10cは、レンズ15a〜15cの形状、上述した2以上の出射点の位置(図3(b)参照)のそれぞれは、照明光の所定の配光パターンに合せて設定されていても良い。
〔5.自動車用ヘッドランプに要求される配光パターンについて〕
次に、図8(a)は、自動車用ヘッドランプ(ロービーム/ハイビーム)に要求される配光パターンを示す模式図である。
図8(a)に示すように、ヘッドランプに要求される配光パターンには、ロービームに要求される配光パターンとハイビームに要求される配光パターンとの2種類がある。同図に示すスクリーン配光は、ヘッドランプに正対させた鉛直なスクリーンに照射される光の照度分布である。正面方向の最も明るい部分をホットゾーンと呼び、この部分の光度が遠方への到達距離を決定する。
また、ロービームでは、対向車へのグレア(まぶしさ)を抑制するために、水平線の上下で大きな明暗差が要求される。例えば、図8(b)は、自動車用ヘッドランプのロービームに要求される配光特性を示す図である。同図に示すように斜線領域Iと領域IVとの境界、斜線領域IIIと領域IVとの境界にロービーム特有の配光パターンの明暗境界を定めるカットラインが形成されている。このロービームに要求される配光特性では、水平線の上下で大きな明暗差が要求されている。
(ロービーム、ハイビームとスポットLSとの関係について)
図8(a)に示すロービームにおけるホットゾーンを上述した中心光エリアA1に振り分け、中拡散領域および大拡散領域を周辺光エリアA2に振り分けても良く、ホットゾーンおよび中拡散領域を中心光エリアA1に振り分け、大拡散領域を周辺光エリアA2に振り分けても良い。
一方、ハイビームにおける略楕円形状のホットゾーンを上述した中心光エリアA1に振り分け、その周囲を囲む略楕円形状の照射領域を周辺光エリアA2に振り分けても良い。
次に、図9(a)は、自動車用ヘッドランプに要求される配光パターン(道路の上側から見たときの配光パターン)を示す模式図であり、図9(b)は、自動車用ヘッドランプの配光特性の詳細を示す図である。
図9(a)に示すスポットLSは、自動車のヘッドライトで路面を照射している部分を示す。ここで、同図に示すスポットLSの中央部分は、上述した中心光エリアA1であり、その周辺部分は、周辺光エリアA2である。
以上のようにすることで、人間の目における錐体の分布状態に応じてミクロな観点から効率的に視認性を向上させることができる。
また、周辺光エリアA2に照射される光は、逆に対向車から見ると中心視野を含む領域に照射される光となり、対向車のドライバーにとっては、中心視野における感度が低いS錐体高感度光が多く含まれるため、グレアを低減させることができる。
〔6.照明装置10dの構成について〕
次に、図10および図11に基づき、本発明のさらに他の形態である照明装置(前照灯、投影装置、屋内照明および屋外照明)10dの概要構成について説明する。図10は、照明装置10dの概要構成を模式的に示す図である。
一方、図11は、図10に示す照明装置10dの断面図であり、図11(a)は、光源ユニット12aから出射される中心光L1の光路を示し、図11(b)は、光源ユニット12bから出射される中心光L2の光路を示している。
これらの図に示すように、照明装置10dは、光源ユニット12a、12b、第1反射鏡(投光部材、光路変更部材、反射鏡)16a、第2反射鏡(投光部材、光路変更部材、反射鏡)16b、ヒートシンク17を備えている。
(光源ユニット12a、12b)
光源ユニット12a、12bは、上述した光源ユニット12と異なり、LDと蛍光体を分散させた発光部とを備えている(不図示)。これにより、光源ユニット12a、12bは、それぞれ、単独で、互いに種類の異なる複数の光を所定の光軸方向に出射可能な構成となっている。
(第1反射鏡16a、第2反射鏡16b)
第1反射鏡16a、第2反射鏡16bは、それぞれ、上記の複数種類の光を受けて反射する光反射凹面を有する反射鏡であり、上記の複数種類の光を受けて中心光エリアA1と、周辺光エリアA2とに振り分ける投光部材の一例である。このように、投光部材を構成する光学部品は単一の光学部品で構成されていなくても良く、複数の光学部品を組合せた構成であっても良い。
同図に示すように、光源ユニット12aから出射した第1の白色光は、第1反射鏡16aの光反射凹面上の特定の反射点で反射し、さらに第2反射鏡16bの光反射凹面上の反射点(投光点)P4で反射し、中心光L1として外部に投光される。
一方、光源ユニット12bから出射した第2の白色光は、第1反射鏡16aの光反射凹面上の特定の反射点で反射し、さらに第2反射鏡16bの光反射凹面上の反射点(投光点)P5で反射し、周辺光L2として外部に投光される。
この反射点P4、P5は、中心光L1、周辺光L2のそれぞれが投光される源である投光点の例であり、第2反射鏡16bの光反射凹面上で反射点P4の位置と、反射点P5の位置とは異なっている。
上記の構成によれば、光源ユニット12a、12b、第1反射鏡16a、第2反射鏡16bの配置関係や、第2反射鏡16bにおける中心光L1が投光される源である反射点P4の位置と、周辺光L2が投光される源である反射点P5の位置とを適切に設定することにより、中心光L1および周辺光L2のそれぞれの配光特性を調整することができる。
また、本実施形態の照明装置10dのように、反射鏡を採用した場合、色収差がないので、所望の波長の光を所望の配光で投光することが容易になるといったメリットがある。その他、反射鏡で光が反射することによる、きらめき感がある(意匠性が高い)、反射鏡は大型化が容易であるといったメリットもある。
また、本実施形態の照明装置10dでは、第1反射鏡16aおよび第2反射鏡16bの各光反射凹面の形状、反射点P4、P5の位置のそれぞれは、照明光の所定の配光パターンに合せて設定されていても良い。これにより、所定の配光パターンを有する照明光を外部に投光することができる。
(ヒートシンク17)
ヒートシンク17の材料は、熱伝導率および/または反射率が高いものが好ましく、熱伝導率および反射率が高い材料として金属材料が好ましいが、金属材料に限定されず、例えば、セラミックス材料や樹脂材料などであっても良い。
より具体的には、ヒートシンク17の材料は、光源ユニット12a、12bが発する光から出射される蛍光に対する反射率が80%以上であることが好ましい。ヒートシンク17の表面の反射率を80%以上とするには、ヒートシンク17の材料を、金属、アルミ合金(反射率80〜85%)などの合金、酸化アルミニウム(反射率80〜85%)などとしても良いし、ヒートシンク17の上記各表面にメッキを施しても良い。
また、ヒートシンク17の熱伝導率は、100W/m・K以上であることが好ましい。このような材料としては、合金や金属などを挙示することができる。例えば、熱伝導率が100W/m・K以上の材料としては、後述するアルミニウム、金、銀、銅の他、黄銅(106W/m・K)、亜鉛(117W/m・K)、マグネシウム(153W/m・K)、シリコン(168W/m・K)などを挙示することができる。
これにより、光源ユニット12a、12bから発生した熱を、ヒートシンク17を通じて逃がすことが可能となるので、光源ユニット12a、12bの温度上昇を抑制することができる。このため、光源ユニット12a、12bが備える発光部に含まれる蛍光体が劣化してしまい発光効率が低下してしまうことをより強く抑制することができる。
〔7.照明装置10a〜10dから出射されるスポットLSの配光パターン〕
次に、図12に、上述した照明装置10a〜10dから出射されるスポットLSの配光パターンの例(配光パターンその1〜その4)を示す。これらの配光パターンその1〜その4は、項目5.の〔自動車用ヘッドランプに要求される配光パターンについて〕で説明したロービームの配光パターンに相当するものである。
以上の配光パターンその1〜その4を採用することで、人間の目における錐体の分布状態に応じてミクロな観点から効率的に視認性を向上させることができる。
〔8.レーザダウンライト200について〕
本発明の照明装置のさらに他の実施形態であるレーザダウンライト(照明装置、屋内照明)200について図13〜図17に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
ここでは、本発明の照明装置の一例としてのレーザダウンライト200について説明する。レーザダウンライト200は、家屋、乗物などの構造物の天井に設置される照明装置であり、後述する半導体レーザ(励起光源)3から出射したレーザ光を発光部13cに照射することによって発生する蛍光を照明光として用いるものである。なお、半導体レーザ3は、上述した照明ユニット11a、11bが備える半導体レーザと同じものである。また、発光部13cは、図3(b)に示すものと同じものである。
また、レーザダウンライト200と同様の構成を有する照明装置を、構造物の側壁または床に設置してもよく、上記照明装置の設置場所は特に限定されない。
図13は、発光ユニット210および従来のLEDダウンライト300の外観を示す概略図である。図14は、レーザダウンライト200が設置された天井の断面図である。図15は、レーザダウンライト200の断面図である。図13〜図15に示すように、レーザダウンライト200は、天板400に埋設され、照明光を出射する発光ユニット210と、光ファイバー5を介して発光ユニット210へレーザ光を供給するLD光源ユニット220とを含んでいる。LD光源ユニット220は、天井には設置されておらず、ユーザが容易に触れることができる位置(例えば、家屋の側壁)に設置されている。このようにLD光源ユニット220の位置を自由に決定できるのは、LD光源ユニット220と発光ユニット210とが光ファイバー5によって接続されているからである。この光ファイバー5は、天板400と断熱材401との間の隙間に配置されている。
(発光ユニット210の構成)
発光ユニット210は、図15に示すように、筐体211、光ファイバー5、発光部13cおよび透光板213を備えている。
筐体211には、凹部212が形成されており、この凹部212の底面に発光部13cが配置されている。凹部212の表面には、金属薄膜が形成されており、凹部212は反射鏡として機能する。
また、筐体211には、光ファイバー5を通すための通路が形成されており、この通路を通って光ファイバー5が発光部13cの上部まで延びている。
透光板213は、凹部212の開口部をふさぐように配置された透明または半透明の板である。この透光板213は、レーザ光を遮断し、発光部13cから発した第1の白色光および第2の白色光は、透光板213を透して照明光として出射される。透光板213は、筐体211に対して取外し可能であってもよく、省略されてもよい。
図13では、発光ユニット210は、円形の外縁を有しているが、発光ユニット210の形状(より厳密には、筐体211の形状)は特に限定されない。
なお、ダウンライトでは、車両用前照灯の場合とは異なり、理想的な点光源は要求されず、発光点が1つというレベルで十分である。それゆえ、発光部13cの形状、大きさおよび配置に関する制約は、車両用前照灯の場合よりも少ない。
以上の構成によれば、発光ユニット210の真下付近は、中心光エリアA1となり、その周囲は、周辺光エリアA2となる。
ところで、一般的な日常生活において、発光ユニット210の真下から、発光ユニット210を見上げることはほとんど無く、その眼差しは、略水平方向であると考えられる。そうすると、発光ユニット210の真下に立ったユーザの目に入る光は、ほとんど周辺光となる。よって、レーザダウンライト200によれば、発光ユニット210の真下に立ったユーザの周辺視野に、S錯体高感度光の割合が高い光が入射する。
一方、発光ユニット210の真下から離れた位置のユーザの目に入る光は、当然ながら、周辺光となる。よって、レーザダウンライト200によれば、発光ユニット210が設置された家屋内の任意の位置のユーザの周辺視野に、S錯体高感度光の割合が高い光を入射させることができる。
(LD光源ユニット220の構成)
LD光源ユニット220は、半導体レーザ3、非球面レンズ4および光ファイバー5を備えている。
なお、非球面レンズ3は、光源ユニット12から発振されたレーザ光を収束させ、比較的小さな(例えば、直径1mm以下)光入射面に導くためのものである。例えば、非球面レンズ3として、アルプス電気製のFLKN1 405を用いることができる。上述の機能を有するレンズであれば、非球面レンズ3の形状および材質は特に限定されないが、励起光の波長である405nm近傍の透過率が高く、かつ、耐熱性のよい材料であることが好ましい。導光部4の光入射面4aが、レーザ光を収束させる必要のない程度に大きい場合には、非球面レンズ3を設ける必要はない。
光ファイバー5の一方の端部である入射端部は、LD光源ユニット220に接続されており、半導体レーザ3から発振されたレーザ光は、非球面レンズ4を介して光ファイバー5の入射端部に入射される。
図15に示すLD光源ユニット220の内部には、半導体レーザ3および非球面レンズ4が一対のみ示されているが、発光ユニット210が複数存在する場合には、発光ユニット210からそれぞれ延びる光ファイバー5の束を1つのLD光源ユニット220に導いてもよい。この場合、1つのLD光源ユニット220に複数の半導体レーザ3と非球面レンズ4との対が収納されることになり、LD光源ユニット220は集中電源ボックスとして機能する。
(レーザダウンライト200と従来のLEDダウンライト300との比較)
従来のLEDダウンライト300は、図13に示すように、複数の透光板301を備えており、各透光板301からそれぞれ照明光が出射される。すなわち、LEDダウンライト300において発光点は複数存在している。LEDダウンライト300において発光点が複数存在しているのは、個々の発光点から出射される光の光束が比較的小さいため、複数の発光点を設けなければ照明光として十分な光束の光が得られないためである。
これに対して、レーザダウンライト200は、高光束の照明装置であるため、発光点は1つでもよい。それゆえ、照明光による陰影がきれいに出るという効果が得られる。また、発光部13cの蛍光体を高演色蛍光体(例えば、数種類の酸窒化物蛍光体の組み合わせ)にすることにより、照明光の演色性を高めることができる。
図16は、LEDダウンライト300が設置された天井の断面図である。同図に示すように、LEDダウンライト300では、LEDチップ、電源および冷却ユニットを収納した筐体302が天板400に埋設されている。筐体302は比較的大きなものであり、筐体302が配置されている部分の断熱材401には、筐体302の形状に沿った凹部が形成される。筐体302から電源ライン303が延びており、この電源ライン303はコンセント(不図示)につながっている。
このような構成では、次のような問題が生じる。まず、天板400と断熱材401との間に発熱源である光源(LEDチップ)および電源が存在しているため、LEDダウンライト300を使用することにより天井の温度が上がり、部屋の冷房効率が低下するという問題が生じる。
また、LEDダウンライト300では、光源ごとに電源および冷却ユニットが必要であり、トータルのコストが増大するという問題が生じる。
また、筐体302は比較的大きなものであるため、天板400と断熱材401との間の隙間にLEDダウンライト300を配置することが困難な場合が多いという問題が生じる。
これに対して、レーザダウンライト200では、発光ユニット210には、大きな発熱源は含まれていないため、部屋の冷房効率を低下させることはない。その結果、部屋の冷房コストの増大を避けることができる。
また、発光ユニット210ごとに電源および冷却ユニットを設ける必要がないため、レーザダウンライト200を小型および薄型にすることができる。その結果、レーザダウンライト200を設置するためのスペースの制約が小さくなり、既存の住宅への設置が容易になる。
また、レーザダウンライト200は、小型および薄型であるため、上述したように、発光ユニット210を天板400の表面に設置することができ、天板裏側のスペースもほとんど必要ないためにLEDダウンライト300よりも設置に係る制約を小さくすることができるとともに工事費用を大幅に削減できる。
図17は、レーザダウンライト200およびLEDダウンライト300のスペックを比較するための図である。同図に示すように、レーザダウンライト200は、その一例では、LEDダウンライト300に比べて体積は94%減少し、質量は86%減少する。
また、LD光源ユニット220をユーザの手が容易に届く所(高さ)に設置できるため、半導体レーザ3が故障した場合でも、手軽に半導体レーザ3を交換できる。また、複数の発光ユニット210から延びる光ファイバー5を1つのLD光源ユニット220に導くことにより、複数の半導体レーザ3を一括管理できる。そのため、複数の半導体レーザ3を交換する場合でも、その交換が容易にできる。
なお、LEDダウンライト300において、高演色蛍光体を用いたタイプの場合、消費電力10Wで約500lmの光束が出射できるが、同じ明るさの光をレーザダウンライト200で実現するためには、3.3Wの光出力が必要である。この光出力は、LD効率が35%であれば、消費電力10Wに相当し、LEDダウンライト300の消費電力も10Wであるため、消費電力では、両者の間に顕著な差は見られない。それゆえ、レーザダウンライト200では、LEDダウンライト300と同じ消費電力で、上述の種々のメリットが得られることになる。
以上のように、レーザダウンライト200は、レーザ光を出射する半導体レーザ3を少なくとも1つ備える光源ユニット220と、発光部13cおよび反射鏡としての凹部212を備える少なくとも1つの発光ユニット210と、発光ユニット210のそれぞれへ上記レーザ光を導く光ファイバー5とを含んでいる。
光ファイバー5の複数の出射端部は、発光ユニット210が備える1つの発光部13cに対して複数配置されており、複数配置された出射端部から出射されるレーザ光がそれぞれ有する光強度分布における最も光強度の大きい部分が、配置の対象となる発光部13cの互いに異なる部分に対して照射される。
それゆえ、レーザダウンライト200において、レーザ光が発光部13cの一箇所に集中的に照射されることによって発光部13cが著しく劣化する可能性を低減できる。その結果、長寿命のレーザダウンライト200を実現できる。
〔本発明の別表現〕
本発明は以下のようにも表現できる。
すなわち、本発明の照明装置は、遠方に照明光を照射する照明装置に関するもので、上記照明光は周辺光と中心光とから成り、周辺光と中心光は各々の分光スペクトルが異なり、中心光の分光スペクトルのうち、M錐体の視感度ピークである波長(個人差や人種による差があるが例えば545nm)からL錐体の視感度ピークである波長(同じく例えば565nm)における光強度が、周辺光の分光スペクトルのうちの上記M錐体の視感度ピークである波長から上記L錐体の視感度ピークの波長における光強度よりも大きく、周辺光の分光スペクトルのうち、S錐体の視感度ピークである波長(同じく例えば波長440nm)における光強度が、中心光の分光スペクトルのうちのS錐体の視感度ピークである波長における光強度よりも大きくてもよい。
人間の目の網膜は、中心部(中心窩)には青色光を感じるS錐体(感度のピークは440nm)がなく、周辺部だけS錐体が存在する。中心窩にはL錐体(感度ピーク:565nm)とM錐体(感度ピーク:545nm)のみが存在する。一方、網膜周辺部にはL錐体、M錐体、S錐体全てが存在する。このことから、視野の中心に照射する中心光には、L錐体、M錐体が効率よく感じることのできるそれぞれの視細胞の感度ピークである545nmから565nmの光を多く含ませ、周辺光には網膜の中央部以外存在するS錐体で感じることのできる440nmの光を中心光よりも多く含ませるようにすることによって、視認性という点で効率が良い照明光を発することのできる照明装置を提供することができる。
〔付記事項〕
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組合せて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、照明装置、該照明装置を備えた前照灯、投影装置、屋内照明および屋外照明などに適用することができる。また、照明装置(または前照灯)としては、車両用前照灯のみならず、その他の照明装置(または前照灯)に適用することができる。その他の照明装置(または前照灯)の一例としては、ダウンライトを挙げることができる。ダウンライトは、家屋、乗物などの構造物の天井に設置される照明装置である。さらに、その他にも、本発明の照明装置(または前照灯)は、車両以外の移動物体(例えば、人間・船舶・航空機・潜水艇・ロケットなど)のヘッドランプとして実現されてもよいし、サーチライト、プロジェクタ、ダウンライト以外の室内用照明器具(スタンドランプなど)および屋外用照明器具(街路灯など)として実現されてもよい。
3 半導体レーザ(励起光源)
10 照明装置(前照灯、投影装置、屋内照明および屋外照明)
10a 照明装置(前照灯、投影装置、屋内照明および屋外照明)
10b 照明装置(前照灯、投影装置、屋内照明および屋外照明)
10c 照明装置(前照灯、投影装置、屋内照明および屋外照明)
10d 照明装置(前照灯、投影装置、屋内照明および屋外照明)
11a 照明ユニット
11b 照明ユニット
12 光源ユニット(励起光源)
12a 光源ユニット
12b 光源ユニット
13a 発光部
13b 発光部
13c 発光部
13cc 中心部
13cs 周辺部
14a 反射鏡
14b 反射鏡
15 レンズ(投光部材、光路変更部材)
15a〜15c レンズ(投光部材、光路変更部材)
16a 第1反射鏡(投光部材、光路変更部材、反射鏡)
16b 第2反射鏡(投光部材、光路変更部材、反射鏡)
17 ヒートシンク
200 レーザダウンライト(照明装置、屋内照明)
A1 中心光エリア(中心光)
A2 周辺光エリア(周辺光)
LS スポット(照明光)
L1 中心光
L2 周辺光
P1 出射点(投光点)
P2 出射点(投光点)
P3 出射点(投光点)
P4 反射点(投光点)
P5 反射点(投光点)

Claims (13)

  1. 励起光を発する少なくとも1つの励起光源と、該励起光を受けて蛍光を発する少なくとも1つの発光部とを有し、上記少なくとも1つの励起光源から発した上記励起光の一部、および、上記少なくとも1つの発光部から発した蛍光の一部を、光学的性質の異なる複数種類の光からなる照明光として、所定の光軸に沿って外部へ投光する照明装置であって、
    外部へ投光される上記照明光のスポットは、
    上記光軸を基準とする立体角が所定の閾値未満である中心光と、上記立体角が上記閾値以上である周辺光と、から成り、
    上記周辺光の分光スペクトルにおけるS錐体の分光感度が高い波長の光の強度の、上記周辺光の全強度に対する割合が、上記中心光の分光スペクトルにおける上記S錐体の分光感度が高い波長の光の強度の、上記中心光の全強度に対する割合よりも大きいことを特徴とする照明装置。
  2. 上記周辺光と上記中心光との相対色温度が等しいことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
  3. 上記中心光の分光スペクトルにおけるL錐体およびM錐体の分光感度が高い波長の光の強度の、上記中心光の全強度に対する割合が、上記周辺光の分光スペクトルにおける上記L錐体およびM錐体の分光感度が高い波長の光の強度の、上記周辺光の全強度に対する割合よりも大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
  4. 上記複数種類の光を受けて上記中心光と、上記周辺光とに振り分ける投光部材を備えることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の照明装置。
  5. 上記投光部材は、
    上記複数種類の光を受けて、その光路を変更する光路変更部材あり、
    上記光路変更部材における上記中心光が投光される源である投光点の位置と、上記周辺光が投光される源である投光点の位置とが互いに異なっていることを特徴とする請求項4に記載の照明装置。
  6. 上記光路変更部材は、
    上記複数種類の光を受けて反射する光反射凹面を有する反射鏡であり、
    上記投光点は、
    上記複数種類の光のいずれかが反射する上記光反射凹面における反射点であることを特徴とする請求項5に記載の照明装置。
  7. 上記反射鏡の上記光反射凹面の形状、上記中心光の上記反射点の位置、および、上記周辺光の上記反射点の位置のそれぞれは、上記照明光の所定の配光パターンに合せて設定されていることを特徴とする請求項6に記載の照明装置。
  8. 上記光路変更部材は、
    上記複数種類の光を受けて、その光路を変更するレンズであり、
    上記投光点は、
    上記複数種類の光のいずれかが出射する上記レンズにおける出射点であることを特徴とする請求項5に記載の照明装置。
  9. 上記レンズの形状、上記中心光の上記出射点の位置、および、上記周辺光の上記出射点の位置のそれぞれは、上記照明光の所定の配光パターンに合せて設定されていることを特徴とする請求項8に記載の照明装置。
  10. 請求項6または7に記載の照明装置を備えることを特徴とする前照灯。
  11. 請求項8または9に記載の照明装置を備えることを特徴とする投影装置。
  12. 請求項6から9までのいずれか1項に記載の照明装置を備えることを特徴とする屋外照明。
  13. 請求項6から9までのいずれか1項に記載の照明装置を備えることを特徴とする屋内照明。
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