JP2014025908A - 荷電粒子ビーム照射システム、荷電粒子ビームモニタ装置、荷電粒子ビームモニタ方法、および荷電粒子ビーム照射システム制御方法 - Google Patents

荷電粒子ビーム照射システム、荷電粒子ビームモニタ装置、荷電粒子ビームモニタ方法、および荷電粒子ビーム照射システム制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】荷電粒子ビームを確認のためだけに遮ることなく荷電粒子ビームの照射位置を精度よく検出する。
【解決手段】荷電粒子を発生させる荷電粒子発生装置2と、前記荷電粒子を加速する加速器3,83と、前記荷電粒子が前記加速器3,83により加速された荷電粒子ビームBをターゲット45に照射する照射確認部40,40A,40Bとを備えた荷電粒子ビーム照射システム1,1Bに、ターゲット45における荷電粒子ビームBのビームスポット46から放出される赤外線を検出する赤外線カエラ55と、赤外線カメラ55により検出した前記赤外線のエネルギー量分布に基づく分布画像63を出力するモニタ57aとを備えた。
【選択図】図1

Description

この発明は、例えば荷電粒子ビーム照射システム、荷電粒子ビームモニタ装置、荷電粒子ビームモニタ方法、および荷電粒子ビーム照射システム制御方法に関する。
従来、荷電粒子を加速器で加速し、加速した荷電粒子ビームをターゲットに照射する荷電粒子ビーム照射システムが提供されている。このような荷電粒子ビーム照射システムでは、荷電粒子ビームの形状や照射位置を精度よく制御することが望まれる。ここで、荷電粒子ビームの形状や照射位置は、肉眼で確認することができない。このため、荷電粒子ビームの位置を確認する方法が種々提案されている。
例えば、ダクト断面に対する蛍光板の相対位置を表示するビーム形状モニタシステムが提案されている(特許文献1参照)。このビーム形状モニタシステムは、ビーム軌道を遮断するように挿入する蛍光板と、ビームの相対位置および大きさを確認する蛍光板上の目印と蛍光板上の蛍光を観測する装置と,観測装置の画像を表示する表示モニタにより構成されている。これにより、ダクト断面に対するビームの位置及び断面径の大きさを定量的な表示を容易かつ低コストに出来るとされている。
また、大強度のビームをモニタできるビームモニタシステムが提案されている(特許文献2参照)。このビームモニタシステムは、ビーム検出部をモニタ位置(通過するビームを受ける位置)と非モニタ位置(ビームを受けない位置)とに交互に高速移動させる検出部移動手段を備えている。これにより、大強度のビームを照射でき、またモニタできるとされている。
これらの方法は、荷電粒子ビームがシンチレータ(蛍光板またはビーム検出部)に当たることによる励起現象を利用し、この励起現象による発光を観察することで、荷電粒子ビームの位置等を確認するものである。つまり、肉眼で見ることのできない荷電粒子ビームを、励起現象を用いることで可視化することで、確認できるようにしている。
しかし、これらの方法は、ビームの行路上に蛍光板またはビーム検出部を挿入するために、ビームエネルギーが下がり強度が弱まる破壊的な方法であるという問題点があった。このため、数マイクロアンペア以上にビーム強度を上げられないという問題点があった。
また、特許文献2は、ビームを受ける位置と受けない位置にビーム検出部を検出部移動手段で高速移動させるものである。この特許文献2の方法は、ビームを受けない位置で大強度のビームを照射している間、そのビームの位置および形状等を確認できないという問題があった。
さらに、これらの方法は、ターゲットを直接確認しているのではなく、ビームが透過する蛍光板またはビーム検出部を確認しているものである。このため、実際のターゲットへの照射位置と誤差を生じる可能性があった。
特開平5−223943号公報 特開2002−267759号公報
この発明は、上述した問題に鑑み、荷電粒子ビームを確認のためだけに遮ることなく荷電粒子ビームの照射位置を精度よく検出できる荷電粒子ビーム照射システム、荷電粒子ビームモニタ装置、荷電粒子ビームモニタ方法、および荷電粒子ビーム照射システム制御方法を提供することを目的とする。
この発明は、荷電粒子を発生させる荷電粒子発生部と、前記荷電粒子を加速する加速器と、前記荷電粒子が前記加速器により加速された荷電粒子ビームをターゲットに照射する照射部とを備えた荷電粒子ビーム照射システムであって、前記ターゲットにおける荷電粒子ビーム照射部位から放出される赤外線を検出する赤外線検出部と、前記赤外線検出部により検出した前記赤外線のエネルギー量分布に基づく分布画像を出力する分布画像出力部とを備えた荷電粒子ビーム照射システム、またはこれに利用する荷電粒子ビームモニタ装置、あるいは荷電粒子ビームモニタ方法若しくは荷電粒子ビーム照射システム制御方法であることを特徴とする。
この発明により、荷電粒子ビームを確認のためだけに遮ることなく荷電粒子ビームの照射位置を精度よく検出することができる。
荷電粒子ビーム照射システムの構成を説明する説明図。 検出データと分布画像データの縦横比率調整の説明図。 検出データの温度変化の説明図。 他の実施例の構成を説明する説明図。 実施例4の荷電粒子ビーム照射システムの構成を説明する説明図。 変更制御用データと分布画像の説明図 実施例4の荷電粒子ビーム照射システムの動作を示すフローチャート。
本発明者は、荷電粒子ビーム照射システムの荷電粒子ビームをモニタする方法を鋭意研究した結果、従来の方法では避けられなかったマイナス面を払拭できる画期的な方法を発明した。
すなわち、本発明者は、荷電粒子ビームがターゲット物質に当たるとわずかにエネルギーを落とし、そのときにわずかなエネルギーを熱という形で放出することに着目した。そして、この熱が赤外線を発することに着目し、赤外線を検出することで、荷電粒子ビームの位置及び大きさ、さらには形状を確認できる荷電粒子ビーム照射システムを発明した。これにより、励起現象を用いる必要がなくなり、ターゲットそのものを撮影することが可能となった。このようにターゲットを直接撮影できるため、照射位置等を精度よく確認することができるようになった。また、荷電粒子ビームの行路上に位置確認用の蛍光板等の遮蔽物を置く必要がないため、大強度の荷電粒子ビームを照射することができるようになった。
以下、この発明の一実施形態を図面と共に説明する。
図1は、荷電粒子ビーム照射システム1の構成を説明する説明図であり、図1(A)は、荷電粒子ビーム照射システム1の全体の概略構成を示す構成図であり、 図1(B)は、照射確認部40の概略構成を示す縦断正面図である。
図1(A)に示すように、荷電粒子ビーム照射システム1は、荷電粒子発生装置2(荷電粒子発生部)、加速器3、及び荷電粒子ビーム照射部4(照射部)により構成されている。
荷電粒子発生装置2は、荷電粒子を発生させる装置であり、所望のイオン種を発生させるイオン源等、適宜の装置で構成することができる。この荷電粒子発生装置2が発生させる荷電粒子は、電子、陽子、
重陽子、中性子、アルファ粒子、または重イオンなど、目的に応じて適宜のものとすることができる。
加速器3は、荷電粒子を加速する装置であり、サイクロトロンまたはシンクロトロンなど、適宜の装置で構成することができる。なお、加速器3は、図示では円形加速器としているが、これに限らず線形加速器とする、あるいは線形加速器と円形加速器の両方とするなど、適宜の構成とすることができる。
荷電粒子ビーム照射部4は、荷電粒子をターゲットに照射する出口部分の装置であり、照射確認部40が設けられている。
この荷電粒子ビーム照射システム1は、例えば、BNCTシステム(中性子捕捉療法システム)における中性子源とすることができる。この場合、荷電粒子発生装置2を陽子を生成するイオン源とし、加速器3をサイクロトロンとし、ターゲットをベリリウムとするとよい。これにより、陽子を加速してベリリウムターゲットに照射し、中性子を発生させることができる。この中性子により、予めホウ素薬剤を患者に投与しておき、がん細胞に選択的にとりこまれたホウ素に対して中性子ビームを照射してがん細胞を破壊するBNCT療法を実施できる。
図1(B)に示すように、照射確認部40は、筐体41と、冷却部47と、CCDカメラ51と、赤外線カメラ55(赤外線検出部)と、PC57とを有している。
筐体41は、円筒形の導管基部41aと、この導管基部41aより荷電粒子照射方向後段(図1(B)の下部)にある円筒形の照射端部41dと、この照射端部41dの少し導管基部41a側に設けられた可視光用導管41bおよび赤外線用導管41fとで構成されている。この筐体41の内部は、荷電粒子ビームBの輸送を妨げないように真空である。
筐体41の基部側は、荷電粒子ビーム照射部4にフランジ4aにより隙間なく接続されている。この導管基部41aの内部で、照射部4から輸送されてきた荷電粒子ビームBがターゲット45に向かって直進する。
可視光用導管41bは、荷電粒子ビームBの進行方向21に対して45°の角度に配置された円筒形の部材である。可視光用導管41bの導管基部41a側および照射端部41d側は、導管基部41aおよび照射端部41dに隙間なく接続されている。可視光用導管41bの他端側となる開口部41cは、導管基部41aおよび照射端部41dより外側で導管基部41aより照射部4側に位置し、可視光透過板43で密閉されている。可視光透過板43は、透明ガラス等の可視光を透過させる素材で形成された板状の部材であり、開口部41cを完全に覆う大きさに形成されている。
照射端部41dは、導管基部41aよりも半径が大きい円筒形に形成されている。この照射端部41dの先端に、ターゲット45が設置される。
赤外線用導管41fは、荷電粒子ビームBの進行方向21に対して45°の角度に配置された円筒形の部材である。赤外線用導管41fの導管基部41a側および照射端部41d側は、導管基部41aおよび照射端部41dに隙間なく接続されている。赤外線用導管41fの他端側となる開口部41gは、導管基部41aおよび照射端部41dより外側で導管基部41aより照射部4側に位置し、赤外線透過板44(窓カバー)で密閉されている。赤外線透過板44は、フッ化バリウム(BaF2)のガラスまたはフッ化カルシウム(CaF2)のガラス等、赤外線を透過させる素材(赤外線透過部材)で形成された板状の部材であり、開口部41gを完全に覆う大きさに形成されている。
この赤外線透過板44は、赤外線カメラ55のレンズ55a側が取り付けられる取付部としても機能する。なお、取付部は、赤外線透過板44に赤外線カメラ55を直接固定して取り付ける構成とする、あるいは赤外線カメラ55を筐体41等の他の部位に固定してレンズ55aを赤外線透過板44に向い合せて配置する構成とする等、適宜の構成とすることができる。
ターゲット45は、荷電粒子ビームBを照射するターゲットである。このターゲット45は、荷電粒子ビームBの照射によりわずかにでも温度上昇する素材を利用でき、例えば銅またはベリリウムなど、目的に応じて適宜の素材で構成される。このターゲット45の中心付近に荷電粒子ビームBが照射されてビームスポット46(荷電粒子ビーム照射部位)となる。なお、ターゲット45は、金属であることが好ましい。これにより、荷電粒子ビームBの照射によるわずかな温度上昇を赤外線として検出しやすくできる。
このターゲット45の上面(荷電粒子ビーム照射面)は、点線で示すように校正用目印部材25を載置することができる。この校正用目印部材25をターゲット45の温度よりも高い温度に温めてターゲット45上に載置し、校正用目印部材25から放射される赤外線を赤外線カメラ55で検出することで、赤外線カメラ55の設置位置を調整して赤外線カメラ55による撮影範囲を校正することができる。
なお、校正用目印部材25は、例えばゴムなど、ターゲット45よりも熱伝導の悪い部材を用いることが好ましい。これにより、校正作業を行っている間も校正用目印部材25の熱を保持でき、赤外線カメラ55で校正用目印部材25を識別し続けることができる。また、校正用目印部材25は、例えば内径と外径を測定できるリング型(ラバー製のOリングなど)、または、縦長さと横長さを測定できる十字型あるいはT字型など、2次元での撮影により2以上のパラメータを取得できる形状にすることが好ましい。これにより、赤外線カメラ55の設置位置を最適化でき、撮影領域をCCDカメラ51による撮影領域と一致させるなど、適切な校正を行うことができる。また、校正用目印部材25は、赤外線カメラ55から見て赤外線用導管41fの内側に収まる大きさ、すなわち校正用目印部材25の全体を撮影できる大きさとすることが好ましい。これにより、校正用目印部材25の全体を撮影できるように撮影領域をCCDカメラ51の設置位置を調整でき、適切な校正を容易に行うことができる。
この校正用目印部材25は、校正が終わると、ターゲット45上などの荷電粒子ビームBの通路内に存在しないように、外部へ取り出されて適宜保管される。すなわち、校正を行うときのみ校正用目印部材25がターゲット45上に載置され、それ以外は外部へ取り除かれる。
冷却部47は、冷媒を通過させる流路48を備えている。すなわち、冷却部47は、ターゲット45の少なくともビームスポット46の裏面側(荷電粒子ビームが照射される表面の反対面側)のほぼ全体に渡って空洞を有している。そして、この空洞に、流入口48aから流入した冷媒を通過させた後、流出口48bから冷媒を排出する。この流路48に冷水等の液体を通過させることで、ターゲット45を冷却する。
CCDカメラ51は、ターゲット45のビームスポット46とその周囲を可視光線により撮影して二次元画像を取得する可視光線撮像装置である。このCCDカメラ51は、撮影方向23が荷電粒子ビームBの進行方向21に対して45°となるよう配置されている。この角度は、赤外線カメラ55の撮影方向22と荷電粒子ビームBの進行方向21との角度と同じ角度とすることができる。ビームスポット46周辺の様子を撮影した二次元画像をLCD53に送信する。
LCD53は、画像を表示する表示装置である。このLCD53は、CCDカメラ51から受信する二次元画像を表示する。これにより、ビームスポット46周辺の様子を、肉眼で見るのと同様にリアルタイムに確認することができる。
赤外線カメラ55は、ターゲット45のビームスポット46とその周囲から放射される赤外線を検出する赤外線検出装置である。この赤外線カメラ55は、赤外線のエネルギー量分布を2次元の画素別の検出データとして取得し、この検出データをPC57に送信する。この赤外線カメラ55は、ビームスポット46が焦点となるように設置されることが好ましい。この赤外線カメラ55とPC57は、荷電粒子ビームBをモニタする荷電粒子ビームモニタ装置として機能する。
赤外線カメラ55は、撮影方向22が荷電粒子ビームBの進行方向21に対して、平行ではないように配置されることが好ましく、0°より大きく90°より小さい角度になるように設置されることが好ましく、荷電粒子ビームを妨げずかつビームスポットを撮影できる角度に配置されることがより好ましい。この実施例1の赤外線カメラ55は、撮影方向22が荷電粒子ビームBの進行方向21に対して、45°に設置されている。
この赤外線カメラ55は、赤外領域を撮影できる適宜のカメラで構成することができ、中性子等の荷電粒子ビームBに対する損傷の少ないものが好ましい。例えば、赤外線カメラ55は、量子型赤外線撮像素子を用いた赤外線カメラより、ボロメータ型赤外線撮像素子を用いた非冷却式赤外線カメラの方が、耐性の点で好ましい。すなわち、ボロメータ型赤外線撮像素子を用いた非冷却式赤外線カメラの方が中性子に対する損傷を減らすことが出来、より大強度のビームに長期間、利用することができる。普通のCCDカメラも利用可能であるが、中性子による損傷により、画像に欠損が生じる可能性が残る。
また、この赤外線カメラ55は、2次元で赤外線を検出でき、かつ、ターゲットが荷電粒子ビームBの照射によって温度上昇することによる赤外線のエネルギー量の差を認識できる精度のものを用いるとよい。具体的には、赤外線カメラ55は、少なくとも1℃の温度変化を認識できるものが好ましく、0.5℃の温度変化を検出できるものがより好ましい。これにより、荷電粒子ビームBの照射によるターゲット表面のわずかな温度上昇(例えばターゲットにおける荷電粒子ビームBの照射部位が常温から0.5℃あるいは1℃温度程度上昇)を確実に認識することができる。
PC57は、制御部と記憶部と入力部とモニタ57a(分布画像出力部)とを備えたコンピュータで構成されている。入力部は、赤外線カメラ55から検出データの入力を受け付ける。モニタ57aは、液晶ディスプレイやCRTディスプレイ等の出力部で構成されている。制御部は、CPUとROMとRAMで構成され、入力部で受け付けた検出データを赤外線の強度がわかる二次元の分布画像データに変換し、モニタ57aに送信する。PC57は、この検出データを受け付けて分布画像データに変換しモニタ57aに送信する処理を連続して繰り返して実行する。このため、分布画像データは常に更新され、ターゲット45に荷電粒子ビームBが照射されているビームスポット46の位置と大きさと形状をリアルタイムに表示できる。
モニタ57aは、この分布画像データを画面に表示する。なお、赤外線カメラ55による検出データの取得は、所定時間間隔で静止画撮影するごとく取得してもよく、また、動画撮影するごとく連続取得してもよい。いずれの場合でも、最新の検出データを繰り返し取得して更新することができ、リアルタイムの確認を実現できる。
図2は、赤外線カメラ55で取得した検出データの縦横比率を調整してビームスポット46を真正面(荷電粒子ビームBの進行方向)から見るのと同じ状態の分布画像データとして表示する仕組みの説明図である。
図2(A)は、赤外線カメラ55で検出する検出データ61と、各画素61aの縦横の密度を示す平面図である。この図2(A)の左右は図1(B)の左右に対応し、図2(A)の上側は図1(B)の奥側に対応し、図2(A)の下側は図1(B)の手前側に対応している。
図1(B)に示したように、赤外線カメラ55は、傾斜した方向からビームスポット46を撮影している。このため、本来円形の撮影領域および校正用目印部材25は、図2(A)の撮影領域R1および校正用目印部材25に示すように、赤外線カメラ55の位置から見た縦横比率で撮影され、赤外線カメラ55の傾斜方向が縮んだように楕円形になる。なお、撮影領域R1は、赤外線用導管41f(図1(B)参照)の照射端部41d側の接続端部と一致している。すなわち、赤外線用導管41fの導管を通して視認できる範囲が撮影領域R1となる。
実施例として示したように45°の傾斜であった場合には、傾斜方向側の距離が1/√2に縮小表示される。そこで、赤外線カメラ55は、傾斜方向の画素の配置間隔を、傾斜方向と直角の方向の画素の配置間隔よりも1/√2だけ短くして密度を上げて撮影できるように構成されている。例えば、略正方形の撮影範囲に対して傾斜方向を320画素、傾斜方向と直角の方向を240画素といったように設定できる。
図2(B)は、PC57のモニタ57aに表示する分布画像(ビームプロファイル)63を示す正面図である。分布画像63は、赤外線カメラ55で検出した検出データ61を、画素61aごとに検出した赤外線のエネルギー量に応じたカラー画素63aに変換し、このカラー画素63aの縦横比率を1対1にして表示した画像である。この分布画像63は、荷電粒子ビームBの進行方向から見て1対1の縦横比率となり、撮影領域R2および校正用目印部材25に示すように、本来円形の撮影領域および校正用目印部材25を正しく円形に表示できる。
図3(1)は、実際にターゲット45に対して荷電粒子ビームBの照射をON/OFFにし、赤外線カメラ55により検出した温度変化を示すグラフであり、横軸を時間、縦軸を温度(℃)としている。図中に矢印でしめすA〜Hの各時点は、荷電粒子ビームBの照射をONにする瞬間を0秒とし、OFFにする瞬間を165秒として、次のタイミングを示している。
矢印A:ビーム照射前(−1秒)
矢印B:ビーム照射開始時(0秒)
矢印C:1秒後
矢印D:15秒後
矢印E:45秒後
矢印F:105秒後
矢印G:164秒後
矢印H:ビーム照射終了直後(165秒)
図示している温度は、各時点において、ターゲット45の全範囲の温度のうち最高温度を示している。なお、ターゲット45の全範囲の温度のうち最高温度とすることに限らず、例えば、撮影領域R2の内側に見える全範囲の温度のうち最高温度とする、あるいは赤外線カメラ55で撮影している範囲の温度のうち最高温度とするなど、適宜の設定にできる。いずれの設定でも、最も高温となるのが荷電粒子ビームBの照射位置であるから、知りたい位置の温度を抽出することができる。
図3(1)に示すように、荷電粒子ビームBをOFFの状態からONにすると、赤外線カメラ55により検出する温度は、図中に黒色の折れ線で表すグラフL1の矢印Aから矢印Bの範囲に示すように急激に上昇する。荷電粒子ビームBをONの状態からOFFにすると、赤外線カメラ55により検出する温度は、図中のグラフL1の矢印Gから矢印Hの範囲に示すように急激に下降する。ビームエリア外の温度上昇は、図中に灰色の折れ線で表すグラフL2に示すようにごく僅かである。
この図に示すように、赤外線カメラ55により、荷電粒子ビームの照射の有無を明確に認識できている。
図3(A)〜図3(H)は、図3(1)に示した矢印A〜矢印Hの各時点で赤外線カメラ55により実際に撮影した分布画像63を示すイメージ図である。
図3(A)に示すように、分布画像63には、円形の撮影領域R2が写っており、この撮影領域R2の外側に赤外線用導管41fが写っている。また、撮影領域R2の内側には、ターゲット45が写っている。さらに、図3(B)に示すように、ターゲット45の内側にビームスポット46が写っている。
図3(A)に示すように荷電粒子ビームBをOFFにしているとターゲット45が写っているだけだが、荷電粒子ビームBをONにした瞬間に図3(B)に示すようにビームスポット46が温度上昇して可視化される。これにより、荷電粒子ビームBが照射されているビームスポット46の位置、大きさ、形状を即座に確認できる。また、図3(B)から図3(G)に示すように、ビームスポット46の位置、大きさ、形状が変化していることも、リアルタイムに確認できる。そして、荷電粒子ビームBをOFFにした瞬間に、図3(H)に示すようにビームスポット46が写らなくなり、荷電粒子ビームBがOFFされたことを即座に確認できる。
図3(A)〜図3(H)はグレースケール画像となっているが、実際にはエネルギー量の高低によって色を変えることで、わかりやすくカラーで見ることができる。例えば、エネルギー量の高いところから低いところへ赤、黄、緑のグラデーションで表示する設定とすることができる。この場合、分布画像63は、ビームスポット46が赤色で表示され、ターゲット45が黄色で表示され、赤外線用導管41fが緑色で表示される。このエネルギー量は、ビームの強度に比例している。
以上の構成と動作により、ターゲット45に対して荷電粒子ビームBが照射されたビームスポット46を、直接確認することができる。従って、荷電粒子ビームBを蛍光板等で遮る必要がないため、大強度の荷電粒子ビームBを照射することが可能となる。
また、ターゲット45上のビームスポット46に赤外線カメラ55の焦点を合わせて直接撮影により確認できるため、従来のように蛍光板で検出した位置からまっすぐ照射されることを前提にしてビームスポットの位置等を確認するために生じる誤差等を解消することができる。
また、従来のように蛍光板を出し入れする必要もないため、ビーム照射中もビームの位置、大きさ、形状を監視することができる。
また、実証実験で20μA〜200μAでの監視を実現できており、原理的に1mA以上でも監視できる。
また、従来のシステムのビームポートに赤外線カメラ55を取り付けて、簡単な位置とサイズの校正で利用することができる。
また、赤外線カメラ55は、荷電粒子ビームBを妨げない位置に配置され、荷電粒子ビームBの進行方向に対して任意の角度で交差する方向に赤外線の検出方向が向けられているため、ビームスポットから放出される赤外線を適切に検出できる。
また、複雑なパラメータ調整が不用であるため、1分程度の短時間でモニタ化することができる。
また、赤外線カメラ55のレンズ55aを接触または近接させる位置に赤外線透過板44を設けることで、筐体41内の真空を保ちつつ撮影することができる。
また、冷却部47によりターゲット45を冷却することで、応答速度を高めることができる。すなわち、ターゲット45のビームスポット46から放射される赤外線のエネルギー量の変化は、ビームスポット46付近のターゲット45のわずかな温度変化に連動する。このため、例えば荷電粒子ビームBの照射を停止しても、ターゲット45の余熱によって放射される赤外線のエネルギー量がすぐに低くはならない。そうすると、残像が残り、荷電粒子ビームBの照射停止や照射強度の低下にすぐに反応できないこととなる。これに対し、冷却部47で素早く冷却し続けることで、荷電粒子ビームBの照射の停止または照射強度低下を実施すると、ビームスポット46付近の温度を非冷却時よりも早く下げることができ、放出される赤外線のエネルギー量も早く減らせる。従って、荷電粒子ビームBが照射されているビームスポット46の位置、大きさ、および形状をリアルタイム(または、ほぼリアルタイム)に監視することができる。特に、残像により遅延の生じやすい冷却側の応答速度を向上できる。この応答速度は1秒以下が好ましく、冷却部47によってこの好ましい応答速度を実現できる。
また、構造上、赤外線カメラ55を荷電粒子ビームBの照射方向に対して傾斜させて配置せざるを得ないことから、得られる検出データ61は縦横比率が1対1ではなくなる。この点について、上述した構成により正しい縦横比率の分布画像63に変換して監視することができる。これにより、荷電粒子ビームBの位置、大きさ、および形状を適切に監視できる。
また、従来の蛍光板を利用する方法の場合、暗室などで暗くする必要があった。しかし、赤外線カメラ55を用いる本方法は、暗室などを必要とせずに荷電粒子ビームBを監視することができる。
また、校正用目印部材25を用いて校正する方法(荷電粒子ビームモニタ装置校正方法)により、荷電粒子ビームBを照射しない休止状態で、赤外線カメラ55の設置位置および撮影範囲を容易に精度よく校正することができる。校正用目印部材25をターゲット45よりも熱伝導の悪いゴム等の部材を用いることで、人の手で校正用目印部材25を温めてからターゲット45上に載置して校正するといったことができ、特別な加温を必要とせずに容易に校正できる。
なお、以上の実施例では、CCDカメラ51を備えたが、CCDカメラ51を備えない構成としてもよい。この場合でも、赤外線カメラ55によりビームスポット46の位置、大きさ、形状等を問題なく監視できる。
また、本手法は、大気中でも使用可能である。この場合、図1(B)の筐体部41と、赤外線透過板44が不要となる。
図4は、応用例となる他の実施例を説明する説明図である。図4(A)は、陽子線治療に応用する場合の実施例2の照射確認部40Aの概略構成を示す斜視図である。この場合、実施例1の図1(B)に示した荷電粒子発生装置2を所望のイオン種を発生させるイオン種とし、加速器3をシンクロトロンとし、ターゲット45を患者とするとよく、実施例1の照射確認部40の代わりに照射確認部40Aが設けられる。
図4(A)に示すように、実施例2の照射確認部40Aは、X方向ワプラー電磁石71、Y方向ワプラー電磁石72、散乱体73、リッジフィルタ74、レンジフタ75、ブロックコリメータ76、多葉コリメータ77、およびポーラス78が荷電粒子ビームBの照射方向にこの順で配置されている。この照射確認部40Aの荷電粒子ビームB下流側には、傾斜した位置からターゲット45のビームスポット46に焦点を当てた赤外線カメラ55が設けられている。
X方向ワプラー電磁石71およびY方向ワプラー電磁石72は、荷電粒子ビームBを回転磁場によりX方向とY方向に回転させて照射野を平坦化させる。
散乱体73は、荷電粒子ビームBを散乱させてさらに平坦化させる。
リッジフィルタ74は、照射対象(がん等)の深さ(ビームスポット46の深さ)に合わせて荷電粒子ビームBのフラッグピークの幅を変化させる。
レンジフタ75は、照射対象(がん等)の深さ(ビームスポット46の深さ)に合わせて荷電粒子ビームBのエネルギーを吸収させ、ビームが到達する距離を微調整する。
ブロックコリメータ76は、必要な範囲以外の荷電粒子ビームBを遮断する。
多葉コリメータ77は、複数の可動リーフを照射対象(がん等)の形状に合わせて配置し荷電粒子ビームBの形状を調節する。
ポーラス78は、荷電粒子ビームBの飛程を照射対象(がん等)の末端側の形状に合わせて調整する。
このようにして形状が調整された荷電粒子ビームBをターゲット45(患者)のビームスポット46(がんに合わせて設定された照射位置)に照射する。
赤外線カメラ55は、ターゲット45のビームスポット46の表面に焦点を合わせて設置される。図示の例ではターゲット45を患者としているが、これに限らず、散乱体73、リッジフィルタ74、レンジフタ75、ブロックコリメータ76、多葉コリメータ77、またはポーラス78といった荷電粒子ビームBが通過する構造体をターゲット45とし、赤外線カメラ55がこのターゲット45を適宜の角度(例えば45°)から撮影する構成にしてもよい。患者をターゲット45とすればビームスポット46を直接的に確認できるが、それが難しい場合、これらの構造体をターゲット45とすることで荷電粒子ビームBの位置、大きさ、および形状を監視することができる。
この実施例2では、真空下ではなく大気下にて赤外線カメラ55が赤外線のエネルギー量を検出する。赤外線カメラ55は、ビームスポット46等の検出対象表面付近の赤外線のエネルギー量を検出し、実施例1で説明したように分布画像63をPC57のモニタ57aに表示する。
この実施例2では、実施例1のような冷却部47が設けられず、大気下であるから赤外線透過板44も設けられていない。その他の構成は、実施例1と同様であるため、詳細な説明を省略する。
以上の実施例2でも、冷却による効果と真空による効果以外は、実施例1と同様の効果を得ることができる。
図4(C)は、電子線照射に応用する場合の実施例3の荷電粒子ビーム照射システム1Bの概略構成を示す正面図である。
荷電粒子ビーム照射システム1Bは、マイクロ波を生成するマイクロ波生成器81と、このマイクロ波を増幅・発振させる電子管82と、ビームを加速する加速器83と、ビームを偏向させるビーム偏向電磁石84と、ビームをスキャニングするビームスキャニング部85と、ビームを照射する照射管86(照射部)と、赤外線を検出する赤外線カメラ45を備えている。マイクロ波生成器81と電子管82は、荷電粒子発生部として機能する。
この場合も、ビームの照射方向に対して赤外線カメラ45が傾斜して配置されている。赤外線カメラ45は、大気下で、ターゲット45のビームスポット46から放出される赤外線のエネルギー量を検出する。
以上に説明した実施例3でも、冷却による効果と真空による効果以外は、実施例1と同様の効果を得ることができる。
図5(A)は、実施例4の荷電粒子ビーム照射システム1Cのシステム構成図を示す。図示するように、荷電粒子ビーム照射システム1Cは、荷電粒子発生装置2、加速器3、荷電粒子ビーム照射部4、照射確認部40、および制御装置58を備えている。
荷電粒子発生装置2、加速器3、荷電粒子ビーム照射部4、照射確認部40、およびPC57は、実施例1と同一の構成を有し同一の動作を行うため、同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
なお、荷電粒子発生装置2は、図示するように荷電粒子ビームの通路を遮蔽/解放するシャッタを開閉制御するシャッタ開閉部2sが加速器3側に設けられている。これにより、シャッタの閉鎖による荷電粒子ビームの照射中断を実行する。
また、荷電粒子ビーム照射部4は、図示するように荷電粒子ビームの通路を遮蔽/解放するシャッタを開閉制御するシャッタ開閉部4s、および、X方向ワプラー電磁石とY方向ワプラー電磁石等で構成されて荷電粒子ビームの照射方向を制御する照射方向制御部4mも備えている。これにより、荷電粒子ビームの照射方向の制御と、シャッタの閉鎖による荷電粒子ビームの照射中断を実行する。また、荷電粒子ビーム照射部4は、実施例1と同様に、PC57が接続されている照射確認部40を有している。
制御装置58は、図示省略する制御部と記憶部と入力部と表示部と音声出力部とを備えたコンピュータで構成されている。入力部は、キーボードやマウスや通信インタフェース等で構成されている。表示部は、液晶ディスプレイやCRTディスプレイ等で構成されている。記憶部は、判定基準となるデータや各種のプログラムを記憶している。制御部は、CPUとROMとRAMで構成され、入力部や通信インタフェースで受け付けた信号に基づいて状況を判定し、必要に応じて各種の制御信号の送信とアラームの出力(表示出力と音声出力)を行う。音声出力部は、アンプとスピーカで構成されている。
制御装置58は、照射確認部40に接続されているPC57から通信インタフェースを介して荷電粒子ビームの照射状態を検出した検出信号を受信する。この検出信号は、図示するように異常であることを示す異常信号のみ受信する構成としても良いが、正常時の検出信号も含めて受信する構成としても良い。この場合、PC57の制御部が分布画像データに基づいて異常を検出しておくことが好ましい。なお、制御装置58は、赤外線の強度がわかる二次元の分布画像データをPC57からそのまま受信する構成としてもよい。この場合、制御装置58が分布画像データから異常の有無等を判定するとよい。
また、制御装置58は、シャッタ開閉部4sおよびシャッタ開閉部2sに対してシャッタの開閉を指示するシャッタ信号を送信するシャッタ閉鎖処理と、照射方向制御部4mに対して荷電粒子ビームの照射方向を変更させる変更指示信号を送信する方向変更処理と、荷電粒子発生装置2に対して荷電粒子ビームの発生を調整(荷電粒子ビームの強度の減少あるいは荷電粒子ビームの発生停止)する荷電粒子ビーム発生調整処理とを実行する。
図5(B)は、ターゲット45(図1(B)参照)に対する荷電粒子ビームB(図1(B)参照)の照射領域90(領域マップ)を示す照射領域平面図である。
照射領域90は、中心の円形の領域である正常領域91(正常照射領域)と、その外側周囲に位置する円環状のビーム調整領域92(92a〜92h)と、さらにその外側周囲に位置する円環状のビーム中断領域93(93a〜93h)とに分割されている。この実施例では、赤外線用導管41fが写っている領域をビーム中断領域93に設定し、ターゲット45が写っている領域で赤外線用導管41f付近をビーム調整領域92とし、ビーム調整領域92の内側を正常領域91としているが、正常領域91、ビーム調整領域92、およびビーム中断領域93の領域設定は、これに限らず、適宜の設定とすることができる。なお、ビーム調整領域92(92a〜92h,93a〜93h)およびビーム中断領域93は、照射状態の変更が必要な要変更照射領域となる。
ビーム調整領域92およびビーム中断領域93は、いずれも円周方向に所定数の部分領域に均等分割されている。図示する例では、それぞれ8等分されており、1つ1つのビーム調整領域92a〜92hおよびビーム中断領域93a〜93hがいずれも円弧状に形成されている。ビーム調整領域92a〜92hおよびビーム中断領域93a〜93hは、照射領域90の中心から見て距離が異なるだけで同じ位置に配置されている。すなわち、ビーム調整領域92aの外側にビーム中断領域93aが位置し、以下同様に、ビーム調整領域92b〜92hの各外側にビーム中断領域93b〜93hがそれぞれ位置している。
なお、正常領域91、ビーム調整領域92、およびビーム中断領域93の領域設定は、例えば四角形、六角形、八角形など、任意の形状とすることができる。また、各領域の分割数についても、任意の個数とすることができる。検出目的によっては、各領域の形状および大きさをそれぞれ異なるように設定することもできる。
図6(A)は、制御装置58の記憶部に記憶されている変更制御用データ101のデータ構成図である。図示するように、変更制御用データ101は、照射領域別に荷電粒子ビームBの照射制御内容とアラーム内容を記憶している。
図示する例では、ビーム調整領域92a〜92hおよびビーム中断領域93(93a〜93h)のそれぞれについて、シャッタ挿入によるビーム遮断をするか否か、照射位置を移動する方向と長さを特定できる情報となるX移動量とY移動量、および、アラーム内容を記憶している。
アラームAは、例えば、ビームが異常であること、ビーム位置が移動したこと、ビーム位置が移動したためにもとに戻す制御をしたこと等の内容とするとよい。アラームBは、例えば、シャッタを挿入して荷電粒子ビームBを中断させたこと等の内容とするとよい。
このデータ構成により、ビーム調整領域92a〜92hに荷電粒子ビームBが移動してきたときは、方向制御して荷電粒子ビームBの位置を戻し、ビーム中断領域93(93a〜93h)に荷電粒子ビームBが移動してきたときは、荷電粒子ビームBの照射を中断するといった制御ができる。
図6(B)は、制御装置58の記憶部に記憶されている変更制御用データ101とは異なる判断基準および制御動作を記憶する変更制御用データ102のデータ構成図である。この変更制御用データ102は、照射領域別に制御動作とアラーム内容を記憶している。
変更制御用データ102の制御動作は、ビーム調整領域92(92a〜92h)の場合に荷電粒子発生装置2に制御信号を送信して荷電粒子ビームBのビーム強度を減少させ、ビーム中断領域93(93a〜93h)の場合にシャッタ開閉部4sおよびシャッタ開閉部2sによりシャッタを挿入して閉鎖することを記憶している。
変更制御用データ102のアラームは、ビーム調整領域92(92a〜92h)の場合にアラームC、ビーム中断領域93(93a〜93h)の場合にアラームDを出力することを記憶している。
アラームCは、例えば、ビームが異常であること、ビーム強度が強すぎること、ビーム強度を減少させたこと等の内容にするとよい。アラームDは、例えば、シャッタを挿入して荷電粒子ビームBを中断させたこと等の内容とするとよい。
なお、制御装置58の記憶部には、変更制御用データ101および変更制御用データ102等の複数の変更制御用データを記憶しておき、荷電粒子ビームBの照射目的やターゲット45等の違いによって使いわける、あるいは1つの変更制御用データを記憶しておいてこれを用いるなど、適宜の個数の変更制御用データを記憶しておくとよい。
図6(C)〜図6(E)は、荷電粒子ビームBが照射されるターゲット45から赤外線カメラ55が取得する検出データに基づく二次元の分布画像と、ビーム調整領域92およびビーム中断領域93を示す分布画像説明図である。
図6(C)は、荷電粒子ビームBがビーム調整領域92(図5(B)のビーム調整領域92gに対応)に位置している状態を示している。このように、二次元の分布画像と、ビーム調整領域92およびビーム中断領域93を重ねあわせることで、荷電粒子ビームBがどの領域に照射されているかを容易に判定できる。このようにビーム調整領域92に荷電粒子ビームBが入ってくると、正常領域91の中心側へ向かって照射方向を変更させるように指示する。
図6(D)は、正常領域91に荷電粒子ビームBが照射されている状態を示している。このように正常領域91に荷電粒子ビームBが照射されていれば問題ないため、荷電粒子ビームBの照射をそのまま継続する。
図6(E)は、荷電粒子ビームBの照射を中断した状態を示している。荷電粒子ビームBの照射を中断すると、図示するように高温部分が無くなり、赤外線カメラ55によっても荷電粒子ビームBが観測されなくなる。従って、荷電粒子ビームBの照射位置がビーム中断領域93に入った場合、あるいは荷電粒子ビームBによってターゲット45の温度が上昇しすぎた場合に、荷電粒子ビームBの照射を中断させることで温度上昇による不具合を防止できる。
図7は、PC57の制御部および制御装置58の制御部が実行する荷電粒子ビームの制御処理を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、荷電粒子ビームBの照射開始から照射終了までの間、繰り返し実行される。
PC57の制御部は、赤外線カメラ55(図1(B)参照)で検出した検出データを変換した赤外線の強度がわかる二次元の分布画像データから、二次元上での温度分布を検出する(ステップS1)。
PC57の制御部は、検出した温度分布または分布画像データを記憶部に記憶する(ステップS2)。
PC57の制御部は、前回までの温度分布と今回の温度分布とを比較し、変化を検出する(ステップS3)。ここで、検出する変化は、荷電粒子ビームBの照射位置の移動、荷電粒子ビームBのビーム強度の変動、ターゲット45の全体温度または平均温度の変動、あるいはこれらの複数とする。
PC57の制御部は、変化内容に基づいて、異常の有無を判定する(ステップS4)。このステップS4を行うPC57の制御部は、判定手段として機能する。ここで、異常の有無は、例えば、荷電粒子ビームBによる高温部分が正常領域91内であれば正常、それ以外であれば異常とする、あるいは高温部分が正常領域91内でかつターゲット45の平均温度が所定温度の範囲内であれば正常、それ以外は異常とするなど、適宜の判定基準によって判断すると良い。
なお、異常判定は、例えば荷電粒子ビームBの照射位置が、正常領域91からビーム調整領域92(92a〜92h)またはビーム中断領域93(93a〜93h)の中にあること、あるいは、ターゲット45の全体温度または平均温度が所定値以上に上がっている等とすることもできる。照射位置の判定は、ターゲット45の全体(赤外線カメラ55で検出可能な範囲全体)の温度分布の中で高温部分がどの領域92,93に存在しているかにより判定できる。
この判定のための荷電粒子ビームBの照射位置の識別は、例えば、最も高温となっている位置(若しくは予め定めたビーム照射温度より高温となっている領域の中心)が正常領域91内か否か(あるいはどの領域91,92a〜92h,93a〜93hにあるか)で識別する、あるいは正常領域91の平均温度と正常領域91の外(領域92a〜92h,93a〜93h)の平均温度を比較して平均温度の高い領域に荷電粒子ビームBが照射されていると識別するなど、適宜の方法とすることができる。
PC57の制御部は、異常がなければ(ステップS4:No)ステップS1に処理を戻し、異常があれば(ステップS4:Yes)、異常信号を制御装置58へ送信する(ステップS5)。
このとき送信する異常信号は、例えば、荷電粒子ビームBによる高温部分が存在する領域(92a〜92h,93a〜93h)、ターゲット45の平均温度、ターゲット45の最高温度、赤外線カメラ55で検出した二次元の分布画像データ、あるいはこれらの複数など、適宜の情報を示す信号とすることができる。
制御装置58の制御部は、受信した異常信号を確認し、記憶部に記憶している変更制御用データ101または変更制御用データ102に基づいて、荷電粒子ビームBの照射制御によって調整可能なものか否かを判定する(ステップS6)。異常信号として二次元の分布画像データを受信している場合であれば、ここから荷電粒子ビームBが存在している領域(92a〜92h,93a〜93h)を特定すると良い。この場合、このステップS6を行う制御装置58の制御部は、判定手段として機能する。
調整可能か否かの判定は、例えば、変更制御用データ101を参照し、シャッタ挿入「しない」であれば調整可能、シャッタ挿入「する」であれば照射中断条件を満たしていて調整不可能と判定すると良い。また、変更制御用データ102を参照する場合であれば、制御動作が「ビーム強度減少」であれば調整可能、「シャッタ挿入」であれば、照射中断条件を満たしていて調整不可能と判定するとよい。
調整可能と判定した場合(ステップS6:Yes)、制御装置58の制御部は、変更制御用データ101,102の「アラーム」に記憶されているアラーム内容を出力する(ステップS7)。このアラームの出力は、制御装置58の表示部に表示する、あるいは音声出力部から音声を出力する等の適宜の方法により出力するとよい。
制御装置58の制御部は、ビーム調整信号を送信する(ステップS8)。例えば変更制御用データ101を用いた場合、制御装置58の制御部は、照射方向制御部4mに荷電粒子ビームBをX方向およびY方向にどれだけ移動させるかを示す電磁石制御信号を送信する。また、変更制御用データ102を用いた場合、制御装置58の制御部は、ビーム強度を減少させるために電流を低下させるビーム指示信号を荷電粒子発生装置2に送信する。
前記ステップS6で調整不可能と判定した場合(ステップS6:No)、制御装置58の制御部は、シャッタ開閉部4sおよびシャッタ開閉部2sにシャッタ挿入を指示させるストップ信号(中断指示信号)を送信する(ステップS9)。ここで、ステップS8またはステップS9を実行する制御装置58の制御部は、照射変更指示手段として機能する。
制御装置58の制御部は、荷電粒子ビームBの照射を中断したことを示す「中断しました」等の情報を出力する。この出力は、制御装置58の表示部に表示する、あるいは音声出力部から音声を出力する等の適宜の方法により出力するとよい。
制御装置58の制御部は、終了でなければ(ステップS11:No)、ステップS1に処理を戻して繰り返し、終了であれば(ステップS11:Yes)、処理を終了する。
以上の構成および動作により、ビームプロファイルの変化を画像認識して荷電粒子ビームBの照射を制御することができる。すなわち、予め設定した領域(91〜93)内の温度の増減、ビーム照射領域に関係する温度領域の面積の増減、領域外の温度の増減等の変化を画像処理したデータから取得し、これに基づいて荷電粒子ビームBの照射を制御することができる。
これにより、無人で危険を感知して、ビームの強制停止の実行、シャッタの強制挿入、電磁石によるビーム位置の調整などを実行することができる。このように機械的に判定実行するため、作業員の目視による操作よりも格段に高速に危険感知してビーム制御することが可能となる。
また、荷電粒子ビームBがビーム調整領域92を横切ってビーム中断領域93に入った場合には、シャッタ開閉部4sおよびシャッタ開閉部2sによりシャッタを強制的に挿入して荷電粒子ビームBを即座に遮断するため、目的外の領域に荷電粒子ビームBが入っても一瞬で照射を中断できる。仮に制御作業員が目視で監視していた場合であれば、異常に気付いて中断という行動に移すまでに10秒程度を要するが、上述した実施例であれば、2〜3秒で即座に強制遮断できる。
また、作業員の目視であれば気づくのに遅れ、ビーム位置の調整で対応できる時期を逸してビームを中断しなければならないといったことがあるが、上記実施形態によれば、ビーム制御を必要なタイミングで確実に実行できるため、ビームを中断しなければならない状態に移行するケースを減少でき、荷電粒子ビームBの照射を中断せずに継続することができる。
また、ビーム調整領域92(92a〜92h)およびビーム中断領域93は、円環形状を複数の円弧状に分断した形状であるため、どの領域92,93に荷電粒子ビームBが入ったかを判定すれば、ビームが移動してきた方向やビーム位置と、このビームを戻すべき方向や距離を確認できる。
また、ハードウェア的要素を用いなくても、画像処理で制御を実現できるため、ハードを作り替えることなくソフト上で領域設定を変更できる。このため、顧客要望等に対する対応時間の短縮と低価格を実現することができる。
また、荷電粒子ビームBを照射しているビームスポット46(図1(B)参照)を赤外線によって直接確認して判定できるため、照射状態を正確かつ遅延なくリアルタイムに実行できる。
また、変更制御用データ101,102は、ビーム位置や温度等によって制御動作が定められているため、最適な制御を迅速かつ確実に実行できる。
また、荷電粒子ビーム照射システム1Cは、セグメント化したファラデーカップやビーム電流読み込み機構によりハード的に対応するのではなく、画像データを取り扱うものであるため、ハードを作り替えること無くソフト上で領域の設定を変更できる。これにより、対応時間を短縮でき、かつ低価格で実現できる。
また、照射確認部40が冷却部47(図1(B)参照)を備えているため、荷電粒子ビームBの温度変化、位置変化を即時に認識でき、早いタイミングで荷電粒子ビームBの異常検知と変更指示を実行できる。すなわち、余熱が残ると荷電粒子ビームBの照射位置の変化やターゲット45全体の温度変化を正しく判定することが困難になる。これに対し、冷却部47で効率よく冷却し続けることで、荷電粒子ビームBの照射位置変動前の照射位置は急速に冷却されて温度低下し、またターゲット45の全体温度も常に冷却されて温度低下するため、荷電粒子ビームBの照射による直接的な温度変化を適切に検出して判定し、制御動作することができる。
以上の効果により、制御作業員が片時も目を離さずにビーム位置を監視するといった必要がなく、荷電粒子ビームBの変化をアラームで制御作業員に知ら、危険を知らせることができる。従って、ビーム位置の変化が1秒程度で起こっても、制御作業員はアラームで即座に知ることができる。
また、システム側が自動でビームの異常を検知できるため、制御作業員の負担を軽減でき、認識の遅れによる損傷を軽減できる。
なお、荷電粒子ビームBの照射位置を移動させる指示は、上述したようにビーム調整領域92a〜92h毎に予め定めた方向および距離だけ移動させるに限らず、荷電粒子ビームBの照射位置を検出しながら当初設定した場所に戻るようにゆるやかに調整してもよい。この場合、ビーム調整領域92内での荷電粒子ビームBの位置と、当初設定した位置との差分によって方向や距離を計算するとよく、その方向へ荷電粒子ビームBの照射位置を移動しながら赤外線カメラ55の検出データによって現在の照射位置を確認し、この現在の照射位置が当初設定した位置に重なるまで荷電粒子ビームBの照射位置を当初設定した位置へ向かって移動すると良い。
また、荷電粒子ビームBの照射位置がビーム調整領域92に入ったとき、ビームを移動させるのではなく、ビーム強度を緩やかに減少させて、ビーム変化をアラームで制御作業員に知らせてもよい。この場合、位置ずれした状態で荷電粒子ビームBを大強度で照射し続けることを防止できるとともに、制御作業員が荷電粒子ビームBの照射位置を精度よく調整することができる。特に、制御作業員が調整作業をしている間、荷電粒子ビームBを照射する強度が弱められているため、目的外の領域にビームを照射することでの問題を削減若しくは排除することができ、制御作業員は焦ることなく適切に作業することができる。
また、荷電粒子ビームBの照射状態を変更する指示の内容は、照射方向の変更、電流強度の低下、および照射の中断のいずれかとしたが、これに限らず、適宜の指示内容とすることができる。
また、荷電粒子ビームBの照射中断は、シャッタ開閉部4sおよびシャッタ開閉部2sによるシャッタ挿入ではなく、荷電粒子発生装置2に対して荷電粒子ビームBの発生停止信号を送信し、荷電粒子ビームBの発生そのものを中断することで実施する構成としてもよい。この場合、変更制御用データ101および変更制御用データ102の「シャッタ挿入」の代わりに「照射中断」等を記憶しておくとよい。
また、シャッタ開閉部4sおよびシャッタ開閉部2sによる荷電粒子ビームBの照射中断は、シャッタ開閉部4sとシャッタ開閉部2sのいずれか一方のシャッタ挿入によって実行してもよい。この場合、シャッタ開閉部4sとシャッタ開閉部2sの一方のみを備える構成としてもよい。この場合でも同様の効果を得ることができる。
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば、可視光用導管41bまたは赤外線用導管41fの角度は、荷電粒子ビームBの進行方向に対して照射位置を中心に45°傾斜させた角度としたが、これに限らず、荷電粒子ビームBの照射を妨げない位置で、かつ、ターゲット表面を撮影できる位置に赤外線カメラ55を設置できる適宜の角度にすることができる。この場合も、設置された角度に応じて、検出データ61の縦横比率を1対1の縦横比率の分布画像63となるように変換することで、荷電粒子ビームBの位置、大きさ、および形状を適切に監視できる。
この発明は、BNCT治療などに用いる中性子発生システム、陽子線治療システム、PET用RI製造ライン、加速器実験、材料照射、放射光の入射電子、粒子線治療、電子線滅菌など、荷電粒子ビームを照射する様々な用途に用いることができる。
1,1B…荷電粒子ビーム照射システム
2…荷電粒子発生装置
3,83…加速器
40,40A,40B…照射確認部
44…赤外線透過板
45…ターゲット
46…ビームスポット
47…冷却部
55…赤外線カメラ
57…PC
57a…モニタ
63…分布画像
81…マイクロ波生成器
82…電子管
90…照射領域
91…正常領域
92,92a〜92h…ビーム調整領域
93,93a〜93h…ビーム中断領域
B…荷電粒子ビーム

Claims (12)

  1. 荷電粒子を発生させる荷電粒子発生部と、
    前記荷電粒子を加速する加速器と、
    前記荷電粒子が前記加速器により加速された荷電粒子ビームをターゲットに照射する照射部とを備えた荷電粒子ビーム照射システムであって、
    前記ターゲットにおける荷電粒子ビーム照射部位から放出される赤外線を検出する赤外線検出部と、
    前記赤外線検出部により検出した前記赤外線のエネルギー量分布に基づく分布画像を出力する分布画像出力部とを備えた
    荷電粒子ビーム照射システム。
  2. 前記赤外線検出部は、
    前記荷電粒子ビームを妨げない位置に配置され、
    前記荷電粒子ビームの進行方向に対して任意の角度で交差する方向に赤外線の検出方向が向けられた
    請求項1記載の荷電粒子ビーム照射システム。
  3. 前記赤外線検出部は、前記エネルギー量の2次元分布を検出データとして取得する構成であり、
    前記分布画像出力部が出力する前記分布画像の縦横比率を、
    前記赤外線検出部の位置から見た縦横比率ではなく、前記荷電粒子ビームの進行方向から見た縦横比率と一致させる構成とした
    請求項2記載の荷電粒子ビーム照射システム。
  4. 前記照射部内を真空にし、
    前記照射部の壁部に前記赤外線を透過する赤外線透過部材で形成した窓カバーを備え、
    前記赤外線検出部は、前記窓カバーを通じて前記荷電粒子照射部位を撮影する構成である
    請求項1、2、または3記載の荷電粒子ビーム照射システム。
  5. 前記ターゲットを冷却する冷却部を備えた
    請求項1から4のいずれか1つに記載の荷電粒子ビーム照射システム。
  6. 前記赤外線検出部により検出した前記赤外線のエネルギー量分布に基づいて荷電粒子ビームの照射状態を変化させる必要があるか否か判定する判定手段と、
    前記判定手段により変化させる必要があると判定した場合に、前記荷電粒子発生部と前記加速器と前記照射部の少なくとも1つに前記荷電粒子ビームの照射状態の変更を指示する照射変更指示手段とを備えた
    請求項1から5のいずれか1つに記載の荷電粒子ビーム照射システム。
  7. 前記判定手段は、前記ターゲットに対する前記荷電粒子ビームの照射領域を正常照射領域と要変更照射領域とに領域設定した領域マップに基づいて、前記荷電粒子ビームの照射位置が前記要変更照射領域に入ったと判定すると、前記照射部に前記荷電粒子ビームの照射位置を前記正常照射領域側へ変更させる指示信号を送信する構成である
    請求項1から6のいずれか1つに記載の荷電粒子ビーム照射システム。
  8. 前記要変更照射領域は、前記正常照射領域の周囲を囲む円環形状であり、かつ、この円環形状の領域が円周方向に複数の部分領域に分割して構成され、
    前記判定手段は、前記荷電粒子ビームが照射された前記部分領域の位置に対応して荷電粒子ビームの照射位置を変更すべき方向を決定する構成である
    請求項1から7のいずれか1つに記載の荷電粒子ビーム照射システム。
  9. 前記判定手段は、前記荷電粒子ビームの照射を中断すべきである照射中断条件を満たすと判定すると、前記荷電粒子ビームの照射中断を指示する中断指示信号を送信する構成である
    請求項1から8のいずれか1つに記載の荷電粒子ビーム照射システム。
  10. 荷電粒子ビーム照射システムによって荷電粒子ビームがターゲットに照射された荷電粒子ビーム照射部位から放出される赤外線を検出する赤外線検出部を備え、
    前記赤外線検出部は、
    前記荷電粒子ビームを妨げない位置に配置され、
    前記荷電粒子ビームの進行方向に対して任意の角度で交差する方向に赤外線の検出方向が向けられた
    荷電粒子ビームモニタ装置。
  11. 荷電粒子を発生させる荷電粒子発生部と、前記荷電粒子を加速する加速器と、前記荷電粒子が前記加速器により加速された荷電粒子ビームをターゲットに照射する照射部とを備えた荷電粒子ビーム照射システムの荷電粒子ビームをモニタする荷電粒子ビームモニタ方法であって、
    前記ターゲットにおける荷電粒子ビーム照射部位から放出される赤外線を赤外線検出部により検出し、
    前記赤外線検出部により検出した前記赤外線のエネルギー量分布に基づく分布画像を分布画像出力部により出力する
    荷電粒子ビームモニタ方法。
  12. 荷電粒子を発生させる荷電粒子発生部と、前記荷電粒子を加速する加速器と、前記荷電粒子が前記加速器により加速された荷電粒子ビームをターゲットに照射する照射部とを備えた荷電粒子ビーム照射システムを制御する荷電粒子ビーム照射システム制御方法であって、
    前記赤外線検出部により検出した前記赤外線のエネルギー量分布に基づいて荷電粒子ビームの照射状態を変化させる必要があるか否かを判定し、
    変化させる必要があると判定した場合に、前記荷電粒子発生部と前記加速器と前記照射部の少なくとも1つに前記荷電粒子ビームの照射状態の変更を指示する
    荷電粒子ビーム照射システム制御方法。
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