JP2014025887A - 無線タグシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】無線タグの消費電力を抑制することができ、且つ、要求周期で無線タグの位置を決定することができない期間も少なくすることができる無線タグシステムを提供する。
【解決手段】無線タグ(タグ)が通信を行うことができる無線タグリーダ(リーダ)が2つである状態で、タグとリーダとの通信を用い、2つのリーダとタグとの間のリーダ距離Lを信号収集期間を隔てて2回測定する。信号収集期間にはタグの加速度信号も取得し保存する。通信を行うことができるリーダが3つになり、3つのリーダ距離Lが測定できると、タグの測位を行い(SC13)、測位した三次元位置における高さとリーダの高さとの高さ差Hを算出する(SC14)。この高さ差Hと、事前に測定した2回のリーダ距離Lから、リーダ距離測定時のタグの水平方向位置を算出する(SC15)。この水平方向位置と信号収集期間に取得した加速度信号から対応関係を決定する(SC16)。
【選択図】図7
【解決手段】無線タグ(タグ)が通信を行うことができる無線タグリーダ(リーダ)が2つである状態で、タグとリーダとの通信を用い、2つのリーダとタグとの間のリーダ距離Lを信号収集期間を隔てて2回測定する。信号収集期間にはタグの加速度信号も取得し保存する。通信を行うことができるリーダが3つになり、3つのリーダ距離Lが測定できると、タグの測位を行い(SC13)、測位した三次元位置における高さとリーダの高さとの高さ差Hを算出する(SC14)。この高さ差Hと、事前に測定した2回のリーダ距離Lから、リーダ距離測定時のタグの水平方向位置を算出する(SC15)。この水平方向位置と信号収集期間に取得した加速度信号から対応関係を決定する(SC16)。
【選択図】図7
Description
本発明は、無線タグリーダ、無線タグ、無線タグリーダを制御するコントローラを備えた無線タグシステムに関し、特に、無線タグリーダから無線タグまでの距離を測定(測距)して無線タグの位置を決定する技術と、無線タグが備える移動変位センサ(加速度センサ、ジャイロセンサ、磁気方位センサなど)の信号により無線タグの位置推定を行なう技術とを組み合わせて用いる無線タグシステムに関する。
人が携帯する無線タグの位置を逐次決定することで、人の位置を逐次把握する人見守り技術が知られている。無線タグの位置決定の方法としては、無線タグと所定位置に設置された無線タグリーダとの通信をもとに、その無線タグの位置を決定する技術が知られている。無線タグと無線タグリーダとの距離が3つの異なる場所に設置された無線タグリーダに対して決定できれば、無線タグの位置を計算することができる。そのため、人の位置を逐次把握する必要があるエリアにおいて3つの無線タグリーダの通信範囲が重複するように、且つ、その重複範囲が必要以上に広くならないように、無線タグリーダは配置されている。
人見守り技術をセキュリティや安全対策に使用する場合、人を見失わないようにしなければならない。人を見失わないようにするためには、人が1歩、歩く毎に人の位置を把握することが求められる。成人男性の平均的な歩幅が約70cmであることから、それよりもやや大きい数値、たとえば1m以上の移動は、人が1歩、歩いたと考えることができる。換言すれば、歩行毎に人の位置を検知しようとする場合、1m以上、人を見失わないようにすることが求められる。そのため、人の通常の移動速度で1m移動するのに要する時間以下の短い周期で人の位置を把握することが求められる。以下では、人の位置を把握する必要がある周期を要求周期という。
従って、無線タグリーダとの間の通信をもとにして無線タグの位置を決定する場合には、無線タグは、リーダとの通信も要求周期で行わなければならない。しかし、無線タグリーダとの通信は無線タグ内での信号処理に比較して電力消費が多い。一方、無線タグは電池で動作するものであり、且つ、サイズが小さいことから、無線タグに搭載している電池の容量は小さい。そのため、無線タグの位置を決定するために無線タグが無線タグリーダと要求周期で通信を行なうと、電池切れとなってしまい、この無線タグの位置を決定することができなくなってしまう恐れがある。電池交換を頻繁に行えば、電池の容量が小さくても、且つ、無線タグが無線タグリーダと要求周期で通信を行なっても、電池切れの恐れは少なくなる。しかし、電池交換は手間であることから、できるだけ少なくしたい。従って、無線タグの電池消耗はできるだけ抑制しなければならない。
ここで、特許文献1には、無線タグの移動に応答した信号を発生する移動変位センサ(前述のように、加速度センサ、ジャイロセンサ、磁気方位センサなど)を無線タグに内蔵しておき、このセンサの信号を用いて自律位置推定を行う技術が提案されている。
移動変位センサの信号を用いた自律位置推定はタグ内での信号処理であることから、自律位置推定に必要な電力は、無線タグが無線タグリーダと通信するために必要な電力に比べて小さい。よって、無線タグと3つ以上の無線タグリーダとの通信をもとにして無線タグの位置を決定することに代えて、移動変位センサの信号を用いて位置推定を行えば、無線タグの電池消耗を抑制することができる。
しかし、上記自律位置推定を行うためには、加速度センサの信号と人の動きとの対応関係が必要となる。上記対応関係は、たとえば、加速度センサの鉛直方向データの上ピークと下ピークとのピーク差と歩幅との対応関係、あるいは、そのピーク差と移動速度との対応関係などである。車のような車輪により直線的に移動する物体であれば、対応関係がなくても、加速度センサの信号を直接的に用いて移動距離を算出することができる。しかし、人の歩幅や移動速度は、加速度センサのピーク差が同じとなる場合であっても、人により、あるいは、同一人でも荷持を所持している等の条件の違いにより異なる。そのため、上記対応関係が必要となるのである。
なお、自律位置推定は、加速度センサと対応関係とを用いて前回位置からの移動量を推定し、現在(今回)の位置を推定する方法であるため、自律位置推定を連続的に行なうと、毎回の誤差が累積する。そこで、周期的に、無線タグと無線タグリーダとの通信を用いた無線タグの位置決定を行なって無線タグの位置を補正する。
加速度センサの信号(以下、加速度信号)と無線タグを所持した人の動きとの前述の対応関係を作成するには、2点以上の無線タグの三次元位置(ここではタグ位置という)と、その2点以上のタグ位置間を人が移動しているときの加速度信号が必要である。
上記対応関係の決定に必要な無線タグの三次元位置を決定するためには、無線タグと無線タグリーダとの距離を少なくとも3つの異なる場所に設置された無線タグリーダに対して決定する必要がある。つまり、無線タグが3つの無線タグリーダと通信できる状態となった後でなければ、無線タグの三次元位置を決定することはできない。
加えて、上記対応関係をある程度精度のよいものにするには、無線タグの三次元位置を時間をあけて決定する必要がある。対応関係の決定には、前述のように、人の移動距離とその移動の間の加速度信号が必要であり、無線タグの三次元位置を決定する時間間隔があいていないと、加速度信号のデータ数が不十分となり、対応関係の精度が低下してしまうからである。
そのため、無線タグが3つの無線タグリーダと通信できるエリアに入ってから、上記対応関係を作成するために加速度信号の収集を開始する場合、加速度信号の収集が完了するまでには、ある程度の時間がかかる。
一方で、無線タグが3つの無線タグリーダと通信できるエリア(すなわち、3つの無線タグリーダの通信範囲が重なっているエリア)は、人の位置を要求周期で把握する必要があるエリアであるので、無線タグの位置を要求周期で決定しなければならない。しかし、無線タグが3つの無線タグリーダと通信できるエリアに入った後から、上記対応関係を作成するためのセンサ信号の収集が完了するまでの間は自律位置推定はできない。したがって、加速度信号の収集が完了するまでの間は、要求周期で無線タグの位置を決定するため、その周期毎に、毎回、3つの無線タグリーダとの間で通信を用いて距離を測定して、無線タグの位置を決定する必要がある。つまり、対応関係を決定するための加速度信号の収集が完了するまでの間は、無線タグは、短い要求周期で無線タグリーダと通信を行なう必要がある。この短い要求周期の通信により、無線タグは電池消耗が大きくなってしまうという問題がある。
さらには、ある無線タグと無線タグリーダとが通信を行なっている間は、別の無線タグは無線タグリーダと通信を行うことができない。そのため、複数の無線タグが同時期に無線タグリーダとの通信により三次元位置を決定しようとすると、他の無線タグが通信を終えるまで通信待ちをしなければならない。この通信待ち時間は、無線タグリーダと通信を行う無線タグの数が多いほど長くなり、その数によっては、人を見失わないようにするために必要とされている短周期(以下、要求周期で三次元位置を決定することができない可能性があり、要求周期で無線タグの三次元位置を決定できないと、人の位置を見失ってしまう期間が長くなってしまうことになる。
本発明は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、無線タグの消費電力を抑制することができ、且つ、複数の無線タグが存在した時に、要求周期で無線タグの位置を決定することができない期間も少なくすることができる無線タグシステムを提供することにある。
その目的を達成するための本発明は、
互いに異なる場所に設置された少なくとも3つの無線タグリーダと、
電池、および、その電池の電力により前記無線タグリーダと通信する通信部を備えた無線タグと、
前記少なくとも3つの無線タグリーダを制御するコントローラとを備え、
少なくとも3つの無線タグリーダの通信範囲が部分的に重複するように、前記無線タグリーダが配置されており、
前記無線タグは、その無線タグの位置変化に対応した信号を発生させるセンサとして加速度センサおよび方向センサを備えている無線タグシステムであって、
前記加速度センサが発生する加速度信号と無線タグの移動距離あるいは移動速度との対応関係、および、前記加速度センサ、方向センサの信号から、前記無線タグの位置を逐次推定する自律位置推定手段と、
前記無線タグと前記無線タグリーダとの通信に基づいて、それら無線タグと無線タグリーダとの距離であるリーダ距離を決定する距離決定手段と、
前記無線タグが異なる3つの無線タグリーダと通信が行える状態において、それら3つの無線タグリーダとの間での前記リーダ距離に基づいて、この無線タグの三次元位置を演算する3辺測距手段と、
前記対応関係が決定されておらず、且つ、前記無線タグが通信をすることができる無線タグリーダが2つである状態において、それら2つの無線タグリーダとの間で前記距離決定手段により決定したリーダ距離である2辺測距時情報を、最初の決定時と最後の決定時との時間間隔が所定時間となるように少なくとも2回決定して所定の記憶部に保存するとともに、最初の2辺測距時情報の決定時点と最後の2辺測距時情報の決定時点との間の信号収集期間に前記加速度センサが発生した加速度信号を逐次保存する保存処理手段と、
前記無線タグが通信をすることができる無線タグリーダが3つとなった後、前記3辺測距手段により演算した三次元位置における高さ成分を用いて、前記記憶部に保存している2辺測距時情報に対応する無線タグリーダと前記無線タグの高さ差を算出する差算出手段と、
この差算出手段で算出した前記高さ差を、前記記憶部に保存されている複数の2辺測距時情報を決定した時点における、2辺測距時情報に対応する無線タグリーダと前記無線タグとの高さ差とみなし、2辺測距時情報と高さ差とから、複数の2辺測距時情報を決定した時点における前記無線タグの水平方向位置をそれぞれ決定する水平位置決定手段と、
その水平位置決定手段で決定した複数の水平方向位置から定まる前記無線タグの位置変化と、前記信号収集期間に取得した加速度信号の変化とに基づいて前記対応関係を決定する関係決定手段を備えることを特徴とする無線タグシステムである。
互いに異なる場所に設置された少なくとも3つの無線タグリーダと、
電池、および、その電池の電力により前記無線タグリーダと通信する通信部を備えた無線タグと、
前記少なくとも3つの無線タグリーダを制御するコントローラとを備え、
少なくとも3つの無線タグリーダの通信範囲が部分的に重複するように、前記無線タグリーダが配置されており、
前記無線タグは、その無線タグの位置変化に対応した信号を発生させるセンサとして加速度センサおよび方向センサを備えている無線タグシステムであって、
前記加速度センサが発生する加速度信号と無線タグの移動距離あるいは移動速度との対応関係、および、前記加速度センサ、方向センサの信号から、前記無線タグの位置を逐次推定する自律位置推定手段と、
前記無線タグと前記無線タグリーダとの通信に基づいて、それら無線タグと無線タグリーダとの距離であるリーダ距離を決定する距離決定手段と、
前記無線タグが異なる3つの無線タグリーダと通信が行える状態において、それら3つの無線タグリーダとの間での前記リーダ距離に基づいて、この無線タグの三次元位置を演算する3辺測距手段と、
前記対応関係が決定されておらず、且つ、前記無線タグが通信をすることができる無線タグリーダが2つである状態において、それら2つの無線タグリーダとの間で前記距離決定手段により決定したリーダ距離である2辺測距時情報を、最初の決定時と最後の決定時との時間間隔が所定時間となるように少なくとも2回決定して所定の記憶部に保存するとともに、最初の2辺測距時情報の決定時点と最後の2辺測距時情報の決定時点との間の信号収集期間に前記加速度センサが発生した加速度信号を逐次保存する保存処理手段と、
前記無線タグが通信をすることができる無線タグリーダが3つとなった後、前記3辺測距手段により演算した三次元位置における高さ成分を用いて、前記記憶部に保存している2辺測距時情報に対応する無線タグリーダと前記無線タグの高さ差を算出する差算出手段と、
この差算出手段で算出した前記高さ差を、前記記憶部に保存されている複数の2辺測距時情報を決定した時点における、2辺測距時情報に対応する無線タグリーダと前記無線タグとの高さ差とみなし、2辺測距時情報と高さ差とから、複数の2辺測距時情報を決定した時点における前記無線タグの水平方向位置をそれぞれ決定する水平位置決定手段と、
その水平位置決定手段で決定した複数の水平方向位置から定まる前記無線タグの位置変化と、前記信号収集期間に取得した加速度信号の変化とに基づいて前記対応関係を決定する関係決定手段を備えることを特徴とする無線タグシステムである。
このように、本発明では、保存処理手段により、対応関係が決定されておらず、且つ、無線タグが通信を行うことができる無線タグリーダが2つである状態で、それらの無線タグリーダとの通信で取得することができる2辺測距時情報を少なくとも2回保存するとともに、その少なくとも2回の2辺測距時情報の保存の間の信号収集期間に加速度センサが発生した加速度信号も逐次保存する。
そして、無線タグが通信を行うことができる無線タグリーダが3つになると、3辺測距手段により、無線タグとそれら3つの無線タグリーダまでのリーダ距離を決定して、無線タグの三次元位置を演算する。さらに、差算出手段により、その三次元位置における高さ成分と無線タグリーダの高さとの高さ差を算出する。この高さ差と3辺測距手段により三次元位置が決定できるようになる前に保存しておいた少なくとも2回の2辺測距時情報から、その2辺測距時情報の保存時の無線タグの水平方向位置を2辺測距時情報毎に算出することができる。また、少なくとも2回の2辺測距時情報を保存する間の信号収集期間には加速度信号も保存している。
そのため、3辺測距手段により三次元位置が一度決定できると、2辺測距時情報の保存時の無線タグの水平方向位置がすぐに決定できるので、対応関係も、3辺測距手段により三次元位置が一度決定できるとすぐに決定することができる。
従って、対応関係を必要とする自律位置推定手段による位置推定を開始できるまでの時間が短くなり、それにより、3辺測距手段により三次元位置を演算しなければならない時間も短くなるので、無線タグの電池消費を抑制することができる。
また、対応関係を決定するための三次元位置の決定が一度でよいことから、複数の無線タグが同時に3つの無線タグリーダと通信が行える状態となった場合にも、各無線タグは、他の無線タグが通信を行なっているために、通信開始を待たなければならないという事態が抑制できる。よって、無線タグの位置を、要求周期で決定も推定もできないということが抑制できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態となる無線タグシステム1のシステム構成の概念図である。この無線タグシステム1は、家屋400内を無線タグ200の位置を測位する測位範囲としている。この測位範囲を含むように形成された3辺測距エリア102内に無線タグ200が存在している場合、無線タグ200の位置を短周期で決定する。
以下で詳しく説明するように、無線タグ200の位置決定方法には、無線タグ200と無線タグリーダ100との通信を利用する方法と、無線タグ200が自律的に位置推定を行なう方法とがある。
図1に示すように、無線タグシステム1は、3台の無線タグリーダ100A、100B、100Cと、無線タグ200とを備えている。なお、図1には1つの無線タグ200を示しているが、無線タグ200は複数であってもよい。さらに、無線タグシステム1は、無線タグリーダ100を制御するコントローラ300(図2参照)も備えている。
この図1では、各無線タグリーダ100A〜100Cは、家屋400の4つの隅部のうちの3つの隅部にそれぞれ配置されている。これら3つの無線タグリーダ100A〜100Cは、いずれも、その無線タグリーダ100A〜100Cを中心とする通信エリア101A〜101Cを持ち、その通信エリア101内に無線タグ200が存在している場合、無線タグ200と通信を行うことができる。
また、3つの通信エリア101A〜101Cは一部が互いに重複しており、3つの通信エリア101A〜101Cが重複するエリア102では、無線タグ200との間で3つの無線タグリーダ100の全部が距離を測定することができる。以下、このエリア102を3辺測距エリアといい、2つの通信エリア101のみが重複するエリアを2辺測距エリア103という。3辺測距エリア102は家屋400を含むように形成されている。
図2は、無線タグリーダ100の構成を示す図である。図2に示すように、無線タグリーダ100は、制御部110、送信部120、受信部130、測距通信部140、アンテナ150を備えている。
制御部110は、外部へ無線送信させるデータを送信部120へ送るとともに、アンテナ150によって受信され受信部130によって復調・復号されたデータをその受信部130から取得する。また、制御部110は、測距通信部140を制御して、測距用の電波をアンテナ150から無線タグ200へ送信させるとともに、測距通信部140が復調した信号を取得する。
また、制御部110は、内部にメモリ111とタイマ112とを備えている。メモリ111には、この無線タグリーダ100のID、設置座標などが記憶されている。タイマ112は、送信周期の計測などに用いる。
送信部120、受信部130は、無線タグ200との間でデータの送受信を行なう部分である。送信部120は、符号部121、変調部122、増幅部123を備えている。符号部121は、制御部110から供給されたデータを符号化する。符号部121は、この符号化した信号を変調部122へ出力する。変調部122は、符号部121にて符号化された信号を電気的デジタル信号に変換した後に、予め設定されている通信チャンネルを用いて位相偏移変調や周波数偏移変調等の所定の変調方式により変調する。増幅部123は、変調部122で変調された信号を増幅する。増幅された信号は、アンテナ150から電波として送信される。
また、アンテナ150は、無線タグ200から送信された電波を受信する。受信した電波は復調部131において復調される。復調された信号は復号部132において符号化され、符号化された信号が制御部110に送られる。
前述の制御部110は、受信部130から供給される信号に基づいて、無線タグ200がこの無線タグリーダ100の通信範囲に入ったことを検知すると、その無線タグ200までの距離を、測距通信部140を用いて測定する。
測距通信部140は、制御部110からの指示に従い、送信部120、受信部130を用いるデータ通信用の周波数とは異なる測距用の所定周波数の電波を無線タグ200へ送信する。この測距用の周波数は、位相差を用いて測距を行なう場合には、無線タグリーダ100と、この無線タグリーダ100の通信範囲の境界付近に存在する無線タグ200との間の電波の往復距離程度となる周波数を用いる。たとえば、無線タグリーダ100からその無線タグリーダ100の通信範囲の境界までの距離が15mである場合、周波数10MHz(波長30m)の電波を用いればよい。
無線タグ200は、無線タグリーダ100から測距用の電波を受信したら、測距用の電波を送信した無線タグリーダ100に電波を送信(返信)する。測距通信部140は、無線タグリーダ100が送信したこの電波をアンテナ150を介して取得する。そして、取得した電波を復調し、復調した信号を制御部140へ出力する。
制御部110は、無線タグ200へ測距用の電波を送信してから、無線タグ200からの電波を受信するまでの時間差、あるいは送信した電波の位相と受信した電波の位相との位相差を決定し、この時間差あるいは位相差をコントローラ300へ送る。なお、測距通信部140は、この時間差あるいは位相差を決定できる電波を送受信できればよいことから、送信機能として増幅部、変調部を備え、受信機能として復調部を備えていればよく、符号部や復号部は不要である。
コントローラ300は、無線タグリーダ100が出力した時間差あるいは位相差を用いて無線タグ200と無線タグリーダ100との距離の決定、さらに、無線タグ200の三次元位置の決定などを行なう。コントローラ300が行なうこれらの処理は後述する。
図3は、無線タグ200の構成を示す図である。無線タグ200は人に携帯されるものである。無線タグ200は、アクティブ方式の無線タグであり、電池210を備えている。この電池210の他に、無線タグ200は、送信部220、受信部230、測距通信部240、アンテナ250、移動変位センサ270、制御部280を備えており、電池210は、これらに電力を供給する。
送信部220は、符号部221、変調部222、増幅部223を備えている。符号部221は制御部280から送信されるデータを符号化して変調部222に送る。変調部222は、符号部221からの符号を、たとえば、振幅変位変調などの変調方式により変調する。増幅部223は、変調部222が変調した信号を増幅して、アンテナ250から送信させる。
受信部230は、アンテナ250が受信した電波を復調する復調部231と、復調部231が復調した信号を復号する復号部232とを備えている。復号部232は、復号した信号を制御部280へ供給する。
測距通信部240は、無線タグリーダ100が送信する測距用の電波をアンテナ250を介して取得して、無線タグリーダ100へ測距用の電波を送り返す機能を備える。単純な構成としては、局部発振器とミキサを備え、無線タグリーダ100から送信された測距用の電波と局部発振器で発生させた信号とをミキサで混合する構成とすることができる。また、
移動変位センサ270は、この無線タグ200の位置変化に対応したセンサ信号を発生するものであり、たとえば、3軸加速度センサおよび方向センサが用いられる。方向センサとしては、絶対方位を検出する地磁気センサでもよいし、相対的な方位変化を検出するジャイロセンサでもよい。加速度センサおよび方向センサが発生したセンサ信号は制御部280に入力される。
移動変位センサ270は、この無線タグ200の位置変化に対応したセンサ信号を発生するものであり、たとえば、3軸加速度センサおよび方向センサが用いられる。方向センサとしては、絶対方位を検出する地磁気センサでもよいし、相対的な方位変化を検出するジャイロセンサでもよい。加速度センサおよび方向センサが発生したセンサ信号は制御部280に入力される。
制御部280は、送信部220、受信部230、測距通信部240を制御する。送信部220に対する制御としては、起動中、周期的にタグ通知信号を送信させる制御がある。タグ通知信号は、このシステム1のシステムIDなどを含むデータである。また、制御部280は、タイマ281、メモリ282を備えている。タイマ281は、クロック発振器(図示せず)のクロックを計数することで計時を行う。
以上のように構成された無線タグリーダ100、無線タグ200、およびコントローラ300がそれぞれ実行する処理を、図4〜図9に示すタイムチャートを用いて説明する。なお、図4〜図9に示すタイムチャートにおいて、横方向の破線矢印は電波を送信していることを概念的に示すものである。また、破線矢印の先が示す装置は、図4〜図9および明細書においてそれらの図を説明する部分に明示の記載がなくても、それらの電波を受信したか否かの判断を繰り返す処理を実行する。
無線タグ200は、図4のステップST1で、この無線タグ200の存在を無線タグリーダ100に通知するための信号であるタグ通知信号を送信する。このステップST1は、起動時に実行する。また、同図のステップST3、ST4、ST5、図5のステップST55、図8のステップST28を経て実行することもある。ただし、ステップST3、ST4、ST5、ST55、ST28を経た場合には、前回の送信時から一定時間の経過を待って、このステップST1を実行する。上記一定時間は、たとえば、いずれの無線タグリーダ100からも応答信号を受信しない状態では2.0秒、いずれか1つでも無線タグリーダ100から応答信号を受信できるようになったら0.5秒とする。
無線タグリーダ100は、タグ通知信号を受信したか否かを判断している(SR1)。この判断がNOの場合、繰り返しタグ通知信号を受信したか否かを判断する。一方、この判断がYESの場合には、タグ通知信号を受信したことを無線タグ200に知らせるための応答信号を送信する(SR2)。なお、3つの無線タグリーダ100A、100B、100Cは、互いに異なるスロットで応答信号を送信するように設定されており、同じタグ通知信号に応答して複数の無線タグリーダ100が応答信号を送信しても、応答信号同士は衝突しないようになっている。
無線タグ200は、タグ通知信号を送信した後、図4には示してないが応答信号を受信したか否かの判断を一定時間行なっており、その後、ステップST2で、応答信号の数から受信可能リーダ数を把握する。そして、ステップST2の結果をもとに、通信できる無線タグリーダ100の数を判断する(ST3)。通信できる無線タグリーダ100の数が0または1である場合にはステップST1へ戻り、通信できる無線タグリーダ100の数が2つである場合にはステップST4へ進み、通信できる無線タグリーダ100の数が3つである場合には、ステップST6へ進む。
ステップST6では、事前データ収集済みか否かを判断する。事前データは次に説明するステップST5を実行することで収集できる。多くの場合、このステップST6の判断はYESとなるが、無線タグ200を所持した人が、2辺測距エリア103を経由せずに3辺測距エリア102に入ると、このステップST6はNOとなる。ステップST6がYESとなったら図7の3辺測距処理に進む。一方、ステップST6がNOとなった場合には、3辺測距エリア102に入ってから、対応関係を作成するためのデータ収集を行なう、従来と同じ処理を実行する。
ステップST3において、通信できる無線タグリーダ100の数が2つであると判断した場合には、ステップST4で事前データ収集済みか否かを判断する。事前データ収集済みの場合(ST4:YES)もステップST1へ戻り、事前データ未収集である場合にはステップST5に進み、事前データ収集処理(請求項の保存処理手段に相当)を実行する。この事前データ収集処理の詳細は図5に示す。
図5に示すように、事前データ収集処理では、まず、2辺測距処理を実行する(ステップST51)。2辺測距処理は、2つの無線タグリーダ100が無線タグ200とそれぞれ通信を行なって、無線タグ200から無線タグリーダ100までの距離を決定する処理である。この2辺測距処理の詳細は図6を用いて後述する。
ステップST52では、無線タグ200が備える加速度センサが発生した信号(以下、加速度信号)を取得し、メモリ282に保存する。
ステップST53では、ステップST51で2辺測距処理を実行してから4秒が経過したか否かを判断する。この4秒は、請求項の保存処理手段における所定時間に相当する。この所定時間が短すぎると、人が移動する距離が短すぎ、加速度信号のデータ数が不十分となり対応関係の精度が不十分となってしまう。一方、所定時間が長すぎると消費電力の点で好ましくなく、また、無線タグ200が通信できる無線タグリーダ100が2つである状態が所定時間継続しない可能性が高くなる。これらの観点を考慮して、本実施形態では所定時間を4秒に設定している。
ステップST53がNOであればステップS52に戻り、加速度信号の取得と保存とを継続する。一方、ステップS53がYESとなったら、ステップST54へ進み、通信できるリーダ数を把握する。この処理は、タグ通知信号を送信し、それに応答して送信される応答信号の数から、通信できるリーダ数を把握する。
続くステップST55で、ステップS54の結果をもとに、通信できる無線タグリーダ100の数を判断する。通信できる無線タグリーダ100の数が0または1である場合には図4のST1へ戻る。一方、通信できる無線タグリーダ100の数が2以上である場合には、ステップST56へ進み、2辺測距処理を行なう。このステップST56における2辺測距処理も、ステップST51と同じ処理である。
次に、この2辺測距処理を図6を用いて説明する。まず、無線タグ200が、2つの無線タグリーダ100と通信可能であること、および、通信可能な無線タグリーダ100がどれであるかを示す信号(以下、2辺測距可能信号)を、無線タグ200が通信可能ないずれかの無線タグリーダ100に送信する(ST511)。
無線タグリーダ100は、無線タグ200から2辺測距可能信号を受信したか否かを周期的に判断しており、2辺測距可能信号を受信した場合には、その信号をコントローラ300へ送信する(SR511)。
コントローラ300は、2辺測距可能信号を無線タグリーダ100から受信すると、無線タグ200が通信可能な2つの無線タグリーダ100に、順次、測距指示を出す(SC511)。
無線タグリーダ100は、上記測距指示をコントローラ300から受信すると、測距通信部140を使い、無線タグ200に測距用電波を送信する(SR512)。無線タグ200は、無線タグリーダ100が送信した測距用電波を測距通信部240で受信すると、その測距通信部240を使って無線タグリーダ100へ電波を返信する(ST512)。
無線タグリーダ100は、測距通信部140を用いて、無線タグ200が送信する上記電波を受信すると、ステップSR512で電波を送信してから無線タグ200から返信される電波を受信するまでの時間差、あるいは、ステップSR512で送信した電波の位相と無線タグ200から受信した電波の位相との位相差から、無線タグ200までの距離を測定する(SR513)。
時間差を用いる場合には、たとえば、その時間差からから、無線タグリーダ100、無線タグ200の内部処理時間を引くことで、電波の伝播時間を算出する。この伝播時間は往復時間であることから、これを1/2し、さらに、電波の速度を乗じることで、距離を算出する。なお、上記内部処理時間には、予め記憶してある一定値を用いる。また、位相差を用いる方法は、たとえば、特開2004−198306号公報に記載されている方法を用いる。以下では、ここで測定した距離をリーダ距離Lといい、リーダ距離Lを測定した無線タグリーダ100が、無線タグリーダ100Aであればリーダ距離L1と表記し、無線タグリーダ100Bであればリーダ距離L2とし、無線タグリーダ100Cであればリーダ距離L3とする。
無線タグリーダ100は、リーダ距離Lを測定したら、そのリーダ距離Lをコントローラ300へ通知する(SR514)。コントローラ300は、2つの無線タグリーダ100からそれぞれ通知されるリーダ距離Lを、コントローラ300が備える図示しない記憶部に保存する(SC512)。以上が2辺測距処理の内容である。
次に、図4のステップST3で通信できる無線タグリーダ100の数が3つ以上であると判断し、且つ、事前データ収集済みである場合(ST6:YES)に実行する3辺測距状態処理を説明する。
3辺測距状態処理は、図7〜図9に示す処理であり、図7が最初に実行する処理である。図7において、ステップST11では、無線タグ200は、3辺測距エリア102に入ったこと、および、図4のステップST5を実行して得た事前データ(すなわち、2回の2辺測距処理の間に取得し保存した4秒間の加速度信号)を含む信号(以下、3辺測距エリア進入時信号という)を、この無線タグ200が通信可能ないずれかの無線タグリーダ100へ送信する。
無線タグ200から、3辺測距エリア進入時信号を受信した無線タグリーダ100は、その信号をコントローラ300へ送信する(SR11)。コントローラ300は、3辺測距エリア進入時信号を受信すると、その信号に含まれている事前データを保存する(SC11)。そして、3つの無線タグリーダ100A、100B、100Cに順番に測距指示を出す(SC12)。
無線タグリーダ100は、上記測距指示をコントローラ300から受信すると、測距通信部140を使い、無線タグ200に測距用電波を送信する(SR12)。無線タグ200は、無線タグリーダ100が送信した測距用電波を測距通信部240で受信すると、その測距通信部240を使って無線タグリーダ100へ電波を返信する(ST12)。
無線タグリーダ100は、測距通信部140を用いて、無線タグ200が送信する上記電波を受信すると、図6のステップSR513と同様の処理にて、リーダ距離Lを測定する(SR13)。そして、測距結果(すなわちリーダ距離L)をコントローラ300に通知する(SR14)。
コントローラ300は、3つの無線タグリーダ100A、100B、100Cからそれぞれ測距結果(リーダ距離L1、L2、L3)を取得する。そして、それらの3つの測距結果を用いて、式1から、無線タグ200の測位、すなわち、無線タグ200の現在の三次元位置(xt,yt、zt)の決定を行なう(SC13)。
無線タグ200の三次元位置(xt,yt、zt)は、3つのリーダ距離L1、L2、L3と、各無線タグリーダ100A、100B、100Cの座標(x1,y1,z1)、(x2,y2、z2)、(x3、y3、z3)を用いて、下記式1から決定する。各無線タグリーダ100A〜Cの座標は、コントローラ300が備える図示しない記憶部に予め記憶されている。
続いて、事前データ収集処理(図5)において2辺測距処理(ST51、ST56)を実行することにより、無線タグ200と通信できる無線タグリーダ100の数が2つである状態で測距し、保存しておいた2つのリーダ距離Lを用い、図10に示す垂直距離Rおよび高さ差Hを算出する(SC14)。なお、2辺測距処理は、ステップST51およびST56の2回実行している。このステップSC14では、それぞれの2辺測距処理で測距、保存したリーダ距離Lを用いて垂直距離Rをそれぞれ算出するとともに、高さHも算出する。
図10では、無線タグリーダ100A、100Bが同じ高さに設置されているとしている。図10に示すように、垂直距離Rは、無線タグ200から、2つの無線タグリーダ100を結ぶ線分へ引いた垂線の距離である。この垂直距離Rは式2から求めることができる。式2は、リーダ距離L1、垂直距離Rを2辺とする直角三角形に三平方の定理を適用した式、および、リーダ距離L2、垂直距離Rを2辺とする直角三角形に三平方の定理を適用した式から得られる。
式2において、Wは、無線タグリーダ100A〜Cの座標と同様、予め所定の記憶部に記憶されているので、垂直距離Rは、2つのリーダ距離L1、L2から算出することができる。そのため、垂直距離Rは、無線タグ200と通信できる無線タグリーダ100の数が2つである状態で測距した2つのリーダ距離Lからも算出できるのである。なお、式2においては、リーダ距離LをL1、L2としているが、もちろん、いずれか一方に代えて、L3を用いてもよい。
次に高さ差Hを説明する。高さ差Hも図10に示している。高さ差Hは、ステップSC13で決定した三次元位置(xt,yt、zt)のうちの高さztと、垂直距離Rの算出に用いた無線タグリーダ100の高さzとの差である。
この高さ差Hは、直接的には、無線タグ200が3辺測距エリア102に入った後での無線タグ200と無線タグリーダ100との高さ差である。しかし、人が所持している無線タグ200の高さは、無線タグ200が3辺測距エリア102に入る前後で変化がないと考えてよい。
このことに着目し、次のステップSC15では、ステップSC14で算出した高さ差Hを垂直距離Rの算出に用いたリーダ距離Lを測距したときの高さ差として用いて、その測距時の無線タグ200の水平方向位置(xt’、yt’)を算出する。この水平方向位置(xt’、yt’)は、ステップSC14で算出した垂直距離Rおよび高さ差Hを、下記式3、4に代入することで算出する。ステップSC14で説明したように垂直距離Rは2つ算出している。このステップSC15では、それら2つの垂直距離Rをそれぞれ用いて、無線タグ200の2箇所の水平方向位置(xt’、yt’)を算出する。
続くステップSC16では、ステップSC15で算出した2箇所での無線タグ200の水平方向位置(xt’、yt’)と、それら2箇所の水平方向位置(xt’、yt’)の間を無線タグ200が移動する間にステップST52〜ST53の繰り返しで取得・保存した加速度信号とから、加速度信号と無線タグ200の位置変化との対応関係を決定する。
より具体的に説明すると、信号収集期間(ST52〜ST53を繰り返し期間)に取得した加速度信号の変化から歩数を決定する。歩数は、鉛直方向加速度信号において連続する一組の上ピークと下ピークとのピーク差を1歩とする。一方でステップSC15で決定した2つの水平方向位置の間の距離を信号収集期間の水平方向移動距離として算出する。そして、この水平方向移動距離を、信号収集期間における歩数で割ることで、歩幅を決定する。本実施形態での対応関係は、加速度信号のピーク差と歩幅(すなわち移動距離)との対応関係である。
ただし、対応関係はこれに限られず、公知の種々の具体的な対応関係を決定することができる。たとえば、加速度センサの水平方向の信号強度と移動距離との対応関係でもよい。この対応関係は、たとえば、水平方向位置から決定できる移動距離を、加速度センサの信号強度の積分値で割ることにより求める。これら公知の種々の具体的な対応関係を決定する場合の処理は、従来技術において、3辺測距エリア102に無線タグ200が入ってから逐次求めた無線タグ200の三次元位置における水平成分を用いていることに代えて、ステップSC15で算出した水平方向位置を用いる以外は、公知の方法と同じである。
ステップSC16で対応関係を決定するには、無線タグ200の2点の水平方向位置 とその2点の間を移動しているときの加速度信号が必要である。従来技術では、この水平方向位置を決定するために、無線タグ200と3つの無線タグリーダ100との間でそれぞれリーダ距離Lを測定している。そのため、対応関係を決定するための加速度信号の収集も、無線タグ200が3辺測距エリア102に入ってから行わなければならない。これに対して、本実施形態では、水平方向位置を、2辺測距処理で得た2つのリーダ距離L、垂直距離R、高さ差Hから算出しており(式3、4)、垂直距離Rは2つのリーダ距離Lから算出でき、高さ差Hは、3辺測距エリア102に無線タグ200が入った直後の無線タグ200の三次元位置から算出している。従って、本実施形態では、無線タグ200が3辺測距エリア102に入ってすぐに、上記対応関係を決定することができる。
ステップSC16で対応関係を決定したら、次いで、上記対応関係と、ステップSC13で測位した三次元位置(図7では測位値と記載)、および、その三次元位置を中心とする周辺地図を、無線タグ200と通信可能ないずれかの無線タグリーダ100へ送る(SC17)。上記周辺地図は、上述のように、測位した無線タグ200の三次元位置を中心としている。この周辺地図が示す範囲は、次の周辺地図更新までの時間(本実施形態では、後述するように4秒間)に移動する可能性がある範囲である。この周辺地図はコントローラ300が予め記憶している3辺測距エリア102の地図から切り出したものである。3辺測距エリア102の地図には進入禁止範囲が座標により示されており、3辺測距エリア102の地図から切り出した周辺地図も、進入禁止範囲を含んでいれば、進入禁止範囲が座標により示される。
コントローラ300から上記対応関係、測位値、周辺地図が送信された無線タグリーダ100は、それらを無線タグ200へ送信する(SR15)。無線タグ200は、それら対応関係、測位値、周辺地図を受信すると(ST14)、自律位置推定を開始する(ST15)。この後の無線タグ200の処理を示すタイムチャートは図8に示す。
図8において、ステップST21では、移動変位センサ270が発生するセンサ信号を0.5秒間収集、保存する。0.5秒は、自律位置推定における位置推定周期である。なお、位置推定周期は、0.5秒に限らず、無線タグ200を携帯した人を見失わないようにできる周期であればよく、たとえば、後に示す図11〜図13の例のように、1.0秒周期でもよい。
続くステップST22では自律位置推定を行なう。詳しくは、ステップS21で保存したセンサ信号のうちの加速度信号と、コントローラ300から取得した対応関係とから、移動距離を算出する。また、方向センサのセンサ信号から移動方向を決定する。そして、このステップST22を実行する直前の推定位置を、この移動方向に上記移動距離だけ移動させる。移動後の位置を、最新の推定位置とする。
ステップST23では、最新の推定位置を周辺地図と比較する。ステップST24では、上記比較の結果を用いて、最新の推定位置が進入禁止範囲内であるか否かを判断する。進入禁止範囲内であった場合にはステップST25で推定位置を無線タグリーダ100に送信する。この図8には図示していないが、無線タグ200から推定位置を受信した無線タグリーダ100は、その推定位置をコントローラ300へ通知する。
ステップST25を実行したらステップST26へ進む。一方、ステップST24の判断がNOであった場合には、直接、ステップST26へ進む。ステップST26では、図7のステップST15で自律位置推定開始と判断してから、あるいは、次に説明する図9を経てこの図8に戻った場合には、前回のこのステップST26の実行時から、4秒経過したか否かを判断する。この4秒は、推定位置を補正する位置補正周期である。
ステップST26の判断がNOであればステップST21へ戻り、センサ信号の収集、保存、自律位置推定を継続する。一方、ステップST26の判断がYESとなった場合には、ステップST27へ進む。ステップST27では、通信できる無線タグリーダ100の数を判断する。この図8では記載を省略しているが、通信できる無線タグリーダ100の数を把握するために、無線タグ200は、図4のステップST1、ST2の処理を行い、無線タグリーダ100は図4のステップSR1、SR2の処理を行なう。
通信できる無線タグリーダ100の数が1または2である場合、このステップST27を繰り返す。通信できるリーダ100の数が1または2の場合、無線タグ200は3辺測距エリア102内には存在しないと判断できるので、自律位置推定や、無線タグリーダ100と通信して測距、測位を行なう必要はない。しかし、3辺測距エリア102の近くに存在しており、再び、3辺測距エリア102に戻ることも十分に考えられる。そこで、通信できる無線タグリーダ100の数が1または2である場合には、ステップST27の判断を繰り返しつつ、待機する。
通信できる無線タグリーダ100の数が0になった場合には、無線タグ200は、3辺測距エリア102から遠ざかったと判断し、ステップST28で対応関係を破棄した後、図4のステップST1へ戻る。通信できる無線タグリーダ100の数が3つである場合には、図9の位置補正処理を行なう。
図9の位置補正処理では、無線タグ200は、まず、測距要求信号を、通信可能ないずれかの無線タグリーダ100へ送信する(ST31)。無線タグリーダ100は、この測距要求を受信すると、その測距要求をコントローラ300へ送信する(SR31)。
コントローラ300は、測距要求を受信すると、3つの無線タグリーダ100A、100B、100Cに順番に測距指示を出す(SC31)。
無線タグリーダ100は、上記測距指示をコントローラ300から受信すると無線タグ200に測距用電波を送信する(SR32)。無線タグ200は、無線タグリーダ100が送信した測距用電波を受信すると無線タグリーダ100へ電波を返信する(ST32)。
無線タグリーダ100は、測距通信部140を用いて、無線タグ200が送信する上記電波を受信すると、図6のステップSR513と同様の処理にて、リーダ距離Lを測定する(SR33)。そして、測距結果(すなわちリーダ距離L)をコントローラ300に通知する(SR34)。
コントローラ300は、3つの無線タグリーダ100A、100B、100Cからそれぞれ測距結果(リーダ距離L1、L2、L3)を取得する(SC32)。次いで、それらの3つの測距結果を用いて、前述の式1から、無線タグ200の測位(すなわち三次元位置(xt,yt、zt)の決定)を行なう(SC33)。
次に、ステップSC33で得た測位値、および、その測位値を中心とする周辺地図を無線タグリーダ100に送る。この周辺地図は、中心位置は上記ステップSC33で得た測位値であるが、広さは、ステップSC17で送信する周辺地図と同じであり、また、その周辺地図内に進入禁止範囲が含まれていれば、その進入禁止範囲が座標により示される。なお、ステップSC17では、測位値と周辺地図に加えて対応関係も送信しているが、このステップSC33では対応関係は送信しない。対応関係は、人により、あるいは、その人のその時の状況(体調、荷持を持っているかなど)により変化するものの、継続的に3辺測距エリア102の中にいるという短い時間で考えた場合、上記状況の変化はないと考えられる。そのため、それまでの対応関係を引き続き用いて自律位置推定を行うことにしているのである。
コントローラ300から測位値、周辺地図が送信された無線タグリーダ100は、それらを無線タグ200へ送信する(SR35)。無線タグ200は、それら測位値、周辺地図を受信すると(ST33)、現在位置を上記測位値とする現在位置の更新を行い、図8のステップST24で用いる周辺地図を、ステップST33で受信した周辺地図に更新する。その後、図8へ戻る。
次に、時間経過に伴って無線タグ200の制御部280が行なう具体的処理を、受信可能な無線タグリーダ100の数、測距数と対応させつつ、図11〜図13を用いて説明する。
図11(B)は、本実施形態の無線タグ200の制御部280が実行する処理を時間経過に沿って示している。図11(A)は比較例であり、従来のように、3辺測距エリア102に無線タグ200が入ってから対応関係の決定に必要なデータを収集する場合に実行する処理である。
この図11に示す例でも、信号収集期間(図ではセンサデータ収集と記載)を4秒間としている。また、1m程度の精度で人の位置を決定していくことが要求されているとする。さらに、3つの無線タグリーダ100との間で、リーダ距離L1、L2、L3を決定するために、無線タグ200が各無線タグリーダ100A、100B、100Cとの間で必要な通信を順次行なうのに、トータルで0.5秒を要するとする。
上述したように、1m程度の精度で人の位置を決定することが要求されている場合、人の移動速度を1m/秒とすれば、少なくとも1秒間隔で無線タグ200の位置を決定していく必要がある。従って、3辺測距による測位または自律位置推定による無線タグ200の位置決定(推定)の周期を1.0秒としている。
そのため、対応関係が決定できるまでの間は、1秒毎に3つの無線タグリーダ100A、100B、100Cと通信を行なってリーダ距離L1、L2、L3を決定し、それら3つのリーダ距離L1、L2、L3から、前述の式1を用いて無線タグ200の三次元位置を決定する。
対応関係を決定するための信号収集期間は、上述のように4秒間である。従って、従来例である図11(A)では、無線タグ200が3つの無線タグリーダ100A、100B、100Cから信号を受信できるようになる8.5秒時点から、その4秒後の12.5秒時点まで、1秒毎に3辺測距を行なう。なお、3辺測距は、図9において位置補正処理として説明した処理である。また、図11〜図13において、タグ内部処理に記載のスリープとは、受信可能なリーダ数を判断するための処理のみを行なう状態である。
8.5秒を開始時点とする信号収集期間では加速度信号の収集を行い、信号収集期間が経過した12.0秒において、信号収集期間に収集した加速度信号をコントローラ300に送信する。これによりコントローラ300で対応関係が作成され、その対応関係を無線タグ200は無線タグリーダ100を介してコントローラ300から取得する。その後は、センサ信号とその対応関係とに基づいて自律位置推定を行いつつ、4秒毎に3辺測距を行ない、センサ信号から推定した位置の誤差を補正する。この図11(A)の例では、0〜18秒までの間に、合計18回、リーダ距離Lを測定している。よって、測距18回分の電力を無線タグ200は消費することになる。
これに対して、本実施形態の無線タグ200の制御部280は、図11(B)に示すように、2つの無線タグリーダ100A、100Bからの信号を受信できるようになった時刻0.5秒の時点で、図4のステップST5の事前データ収集処理を開始する。
そのため、0.5秒の時点で2辺測距(図5のST51)を行い、そのときから、加速度信号の収集を開始する(図5のST52〜ST53)。そして、信号収集期間(4秒)が経過した時点で加速度信号の収集を終了し(ST53:YES)、再度、時刻4.5秒の時点で2辺測距を行なう(ST56)。
その後、まだ、2辺測距エリア103に無線タグ200が存在してれば、図4のステップST4がYESになるので、スリープ状態に入る。すなわち、ステップST1〜ST3を繰り返すのみの状態となる。
時刻8.5秒の時点で無線タグ200は3辺測距エリア102に入ることから、3辺測距状態処理(図7)を行なって無線タグ200の三次元位置を決定する(図7のSC13)。本実施形態では、3辺測距エリア102に入ってからの情報を、この一点の三次元位置のみとして、2辺測距エリア103における水平方向位置の算出(図7のSC15)、対応関係の決定(図7のSC16)が可能である。
よって、3辺測距を一度行なったのみで、その後は、センサ信号と対応関係とを用いた自律位置推定を開始している(図11(B)の9秒〜、図7のST15)。なお、4秒毎に3辺測距を行なって、自律位置推定により推定した位置を補正する点は図11(A)と同じである。
図11(A)の例では0〜18秒までの間に合計18回、測距を行なっているのに対して、この図11(B)の例では、測距の回数が13回で済んでおり、測距の回数が5回少なくなっている。その分、消費電力を低減できる。
次に、図12の処理例を説明する。図12(A)は、図11(A)と同様、従来技術を適用した比較例であり、図12(B)が本実施形態の処理例である。図11との違いは無線タグ200の数であり、図11は無線タグ200が一つであったのに対して、この図11の例は無線タグ200が2つであり、且つ、それら2つの無線タグ200が同時に3辺測距エリア102に入ってきた場合である。信号収集期間など、その他の前提は図11と同じである。
図12(A)に示すように、無線タグ200A(図ではタグA)は、図11(A)と同じように、8.5秒時点から12.5秒時点まで、1秒毎に3辺測距を行なっている。その後は、センサ信号に基づいて自律位置推定を行いつつ、4秒毎に3辺測距を行ない、センサ信号から推定した位置を補正している。
しかし、図11にて説明したように、1つの無線タグ200が3辺測距を行うのに0.5秒が必要であることから、無線タグ200B(図ではタグB)は、無線タグ200Aが3辺測距を終了した後である9.0秒からしか3辺測距を行うことができない。その結果、無線タグ200Bの処理は、無線タグ200Aよりも0.5秒遅れて、各処理を実行する。
図12(B)に示す本実施形態の例でも、無線タグ200Aは図11(B)と同じ処理を同じ時刻に実行する一方、無線タグ200Bは、無線タグ200Aと同じ処理を、無線タグ200Aよりも0.5秒遅れて実行する。
各無線タグ200A、200Bの処理が、それぞれ、図11と同じであることから、総測距回数は、図12(A)では36回であるのに対して図12(B)では26回で済む。
次に、図13の処理例を説明する。図13(A)は、図11(A)、図12(A)と同様、従来技術を適用した比較例であり、図13(B)が本実施形態の処理例である。図11、12との違いは無線タグ200の数であり、この図13の例は無線タグ200が3つであり、且つ、それら3つの無線タグ200が同時に3辺測距エリア102に入ってきた場合である。信号収集期間など、その他の前提は図11、12と同じである。
図13(A)に示すように、無線タグ200Aは、図11(A)と同様、8.5秒時点で3辺測距を行う。その後、一旦、スリープ状態に入る。続いて無線タグ200Bが9.0秒から0.5秒間、3辺測距を行う。続いて、無線タグ200Cが9.5秒から0.5秒間、3辺測距を行う。
図12(A)では、無線タグ200Aは、9.5秒から再び3辺測距を行うことができた。しかし、無線タグ200が3つであるこの図13の例では、9.5秒から無線タグ200Cが3辺測距を行なっている。この3辺測距は通信を用いることから、無線タグ200は通信チャネルが使用できるようになるまで、すなわち、他の無線タグ200の3辺測距が終わるまで、3辺測距を行うことができない。そのため、無線タグ200Aは、無線タグ200Cが3辺測距を終了した後の10.0秒からしか、2回目の3辺測距を行うことができない。
このように、各無線タグ200が3辺測距を実行できる周期は、「無線タグ200の数」×「3辺測距1回分の所要時間」となる。一方、図11で説明したように、1m程度の精度で人の位置を決定することが要求されている場合、本来は、少なくとも1秒間隔で無線タグ200の位置を決定しなければならない。しかしながら、無線タグ200の数が3つになると、1.5秒周期でしか3辺測距ができないので、目標の測位精度を維持することができない。対応関係が決定できてしまえば、通信を行わずに位置を決定(推定)することができるのであるが、これには4秒間以上の信号収集期間と、その信号収集期間終了時点での3辺測距が必要であることから、図13(A)では、目標の測位精度が得られない時間が4秒間あるいはそれ以上継続してしまう。
これに対して、図13(B)では、8.5秒時点で3つの無線タグ200が同時に3辺測距を開始できない点は、図13(A)と同じであるものの、3辺測距エリア102に入る前に収集した事前データを用いることで、3辺測距エリア102に入ってからの情報としては一つの三次元位置(xt,yt、zt)のみで、対応関係を決定することができる。そのため、各無線タグ200は、各1回の3辺測距が終了したら、すぐに、自律位置推定を行うことができる。よって、目標の測位精度が得られない時間は、無線タグ200Cが、3辺測距を待つ間の時間だけである。
以上、説明した本実施形態によれば、無線タグ200が通信を行うことができる無線タグリーダ100が2つである状態で、それらの2つの無線タグリーダ100と無線タグ200が通信を行なって、無線タグ200から2つの無線タグリーダ100までのリーダ距離Lを測定する2辺測距を、信号収集期間を隔てて2回行なっている(図5のST51、ST56)。加えて、上記2回の2辺測距の間に加速度センサが発生した加速度信号も逐次保存している。
無線タグ200が通信を行うことができる無線タグリーダ100が3つになると、それら3つの無線タグリーダ100までのリーダ距離L1、L2、L3を決定して、無線タグ200の三次元位置(xt,yt、zt)を決定する(図7のSC13)。この一度の三次元位置と、無線タグ200が3辺測距エリア102に入る前の2回の2辺測距処理(ST51、ST54)で得た各2つのリーダ距離Lとを用いて、その三次元位置における高さztと無線タグリーダ100の高さとの高さ差H、および、2辺測距処理を行った時点における無線タグ200の位置の情報である垂直距離Rが算出できる(SC14)。これら高さ差H、垂直距離R、および、垂直距離Rの算出に用いたリーダ距離Lから、幾何学計算により、3辺測距が行えない2箇所の位置での無線タグ200の水平方向位置を算出することができる。
しかも、その2箇所の間を無線タグ200が移動する間に発生した加速度信号も保存している。そのため、三次元位置が一度決定できると、すぐに、対応関係を決定することができる。
従って、対応関係を必要とする自律位置推定を開始できるまでの時間が短くなり、それにより、3辺測距を行なって三次元位置を演算しなければならない回数が少なくなるので、無線タグ200の電池消費を抑制することができる。
また、対応関係を決定するための三次元位置の決定が一度でよいことから、複数の無線タグ200が同時に3辺測距エリア102に入った場合にも、各無線タグ200は、他の無線タグ200が無線タグリーダ100と通信を行なっているために、無線タグリーダとの通信を行うことができないという事態を抑制できる。よって、無線タグ200の位置を、必要とされている周期で決定も推定もできないということが抑制できる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、次の実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
たとえば、前述の実施形態では、コントローラ300は、測位値を無線タグ200に送信する際、測位値の周辺の周辺地図も無線タグ200に送信しており(SC17、SC34)、無線タグ200は、この周辺地図と自律位置推定で推定した推定位置とを比較していた。そして、進入禁止範囲内に位置していると判断した場合に限り、推定位置をコントローラ300に通知していた。しかしこの態様に限らず、ステップST22で推定した推定位置を、逐次、コントローラ300に通知するようにしてもよい。
また、前述の実施形態では、無線タグ200は、事前データに、2回の2辺測距処理の間に取得し保存した4秒間の加速度信号を含ませていた(ST11)。しかし、本実施形態では、対応関係の決定に加速度信号をそのまま用いるのではなく、加速度信号の上下ピークのピーク差を用いる。そこで、加速度信号そのものを事前データに含ませることに代えて、信号収集期間に得た加速度信号から決定した複数のピーク差を事前データに含ませてもよい。
また、前述の実施形態では、リーダ距離Lの測定は無線タグリーダ100が行なっていた(SR513)。しかし、無線タグ200が無線タグリーダ100へ測距用電波を送信するように構成しておき、無線タグリーダ100が無線タグ200へ電波を返信する構成としておき、無線タグ200がリーダ距離Lを測定するようにしてもよい。
また、リーダ距離Lを無線タグ200が測定する場合、無線タグ200がリーダ距離Lを保存するようにしてもよい。
さらには、無線タグ200が3つのリーダ距離Lを測定する構成とする場合には、前述の実施形態においてコントローラ300が実行していたステップSC14、SC15の処理、すなわち、高さ差Hの算出、水平方向位置(xt’、yt’)の算出も、無線タグ200が行なってもよい。
そして、水平方向位置(xt’、yt’)の算出を無線タグ200が行なう構成であれば、さらに、対応関係の決定を無線タグ200が行なってもよい。
また、前述の実施形態においてコントローラ300が行なっていた機能の一部、または、全部を、複数の無線タグリーダ100のうちのいずれか一つが行うようにしてもよい。
また、前述の実施形態では、対応関係を破棄するタイミングを、自律位置推定開始後、通信できる無線タグリーダ100の数が0になったときとしていた(ST28)。しかし、これに限らず、対応関係を取得してから所定の有効時間が経過した場合に対応関係を破棄してもよい。また、日付が変わった時点で対応関係を破棄するようにしてもよい。
また、前述の実施形態では、信号収集期間の開始時点と終了時点において、2辺測距を実行していた。しかし、信号収集期間の途中でも2辺測距を実行してもよい。信号収集期間の途中にも2辺測距を行う場合、信号収集期間の途中での水平方向位置も算出できる。よって、信号収集期間の無線タグ200の移動経路を複数の直線とすることができるので、その複数の直線の距離を、対応関係の決定に用いる水平方向移動距離とする。
また、前述の実施形態では、無線タグ200が2辺測距エリア103に入るとすぐに事前データ収集処理(ST5)を実行していた。しかし、無線タグ200が2辺測距エリア103に入ってから、予め設定された一定時間が経過してから、事前データ収集処理(ST5)を実行してもよい。
また、前述の実施形態では、移動変位センサとして、3軸加速度センサと地磁気センサを示したが、これに加えて3軸ジャイロセンサを用いてもよく、また、地磁気センサに代えてジャイロセンサを用いてもよい。
1 無線タグシステム、 100 無線タグリーダ、 101 通信エリア、 102 3辺測距エリア、 103 2辺測距エリア、 110 制御部、 111 メモリ、 112 タイマ、 120 送信部、 130 受信部、 140 測距通信部、 150 アンテナ、 200 無線タグ、 210 内蔵電源、 220 送信部、 230 受信部、 250 アンテナ、 260 測距通信部、 270 移動変位センサ、 280 制御部、 281 タイマ、 282 メモリ、 300 コントローラ、 400 家屋
Claims (1)
- 互いに異なる場所に設置された少なくとも3つの無線タグリーダと、
電池およびその電池の電力により前記無線タグリーダと通信する通信部を備えた無線タグと、
前記少なくとも3つの無線タグリーダを制御するコントローラとを備え、
少なくとも3つの無線タグリーダの通信範囲が部分的に重複するように、前記無線タグリーダが配置されており、
前記無線タグは、その無線タグの位置変化に対応した信号を発生させるセンサとして加速度センサおよび方向センサを備えている無線タグシステムであって、
前記加速度センサが発生する加速度信号と無線タグの移動距離あるいは移動速度との対応関係、および、前記加速度センサ、方向センサの信号から、前記無線タグの位置を逐次推定する自律位置推定手段と、
前記無線タグと前記無線タグリーダとの通信に基づいて、それら無線タグと無線タグリーダとの距離であるリーダ距離を決定する距離決定手段と、
前記無線タグが異なる3つの無線タグリーダと通信が行える状態において、それら3つの無線タグリーダとの間での前記リーダ距離に基づいて、この無線タグの三次元位置を演算する3辺測距手段と、
前記対応関係が決定されておらず、且つ、前記無線タグが通信をすることができる無線タグリーダが2つである状態において、それら2つの無線タグリーダとの間で前記距離決定手段により決定したリーダ距離である2辺測距時情報を、最初の決定時と最後の決定時との時間間隔が所定時間となるように少なくとも2回決定して所定の記憶部に保存するとともに、最初の2辺測距時情報の決定時点と最後の2辺測距時情報の決定時点との間の信号収集期間に前記加速度センサが発生した加速度信号を逐次保存する保存処理手段と、
前記無線タグが通信をすることができる無線タグリーダが3つとなった後、前記3辺測距手段により演算した三次元位置における高さ成分を用いて、前記記憶部に保存している2辺測距時情報に対応する無線タグリーダと前記無線タグの高さ差を算出する差算出手段と、
この差算出手段で算出した前記高さ差を、前記記憶部に保存されている複数の2辺測距時情報を決定した時点における、2辺測距時情報に対応する無線タグリーダと前記無線タグとの高さ差とみなし、2辺測距時情報と高さ差とから、複数の2辺測距時情報を決定した時点における前記無線タグの水平方向位置をそれぞれ決定する水平位置決定手段と、
その水平位置決定手段で決定した複数の水平方向位置から定まる前記無線タグの位置変化と、前記信号収集期間に取得した加速度信号の変化とに基づいて前記対応関係を決定する関係決定手段を備えることを特徴とする無線タグシステム。
Priority Applications (1)
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CN110231588A (zh) * | 2019-05-15 | 2019-09-13 | 欧普照明股份有限公司 | 一种基于无线信号指标进行定位的方法和装置 |
CN112714394A (zh) * | 2020-12-11 | 2021-04-27 | 成都四相致新科技有限公司 | 一种多标签测距方法、系统、存储介质及终端 |
-
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CN110231588B (zh) * | 2019-05-15 | 2023-08-22 | 欧普照明股份有限公司 | 一种基于无线信号指标进行定位的方法和装置 |
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