JP2014025609A - 熱交換器およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、設計の手間を軽減することができる熱交換器の製造方法を提供することにある。
【解決手段】本発明に係る熱交換器の製造方法は、組立工程およびパルス通電接合工程を備える。組立工程では、複数の組立部材101,102が、内部に流体通路102aが形成されるように組み立てられる。なお、ここで、複数の組立部材は、熱伝導率が実質的に同一である金属または合金から成る。パルス通電接合工程では、組立工程において組み立てられた複数の組立部材がパルス通電接合法により接合させられる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、熱交換器およびその製造方法に関する。
過去に「分割片を真空ロウ付けにより熱交換器を作製する方法」が提案されている(例えば、特開2002−195712号公報参照)。
特開2002−195712号公報
しかし、分割片を真空ロウ付けにより接合させて熱交換器を作製すると、熱交換器の熱伝導率が分割片単体の熱伝導率よりも小さくなってしまう。
本発明の課題は、分割片の熱伝導率とほぼ同等の熱伝導率を有する熱交換器の製造方法を提供することにある。
本発明の一局面に係る熱交換器の製造方法は、組立工程およびパルス通電接合工程を備える。組立工程では、複数の組立部材(分割片)が、内部に流体通路が形成されるように組み立てられる。なお、ここで、複数の組立部材は、熱伝導率が実質的に同一である金属または合金から成る。パルス通電接合工程では、組立工程において組み立てられた複数の組立部材がパルス通電接合法によりパルス通電接合させられる。
この熱交換器の製造方法では、組立工程において組み立てられた複数の組立部材がパルス通電接合法によりパルス通電接合させられる。パルス通電接合法を利用すると、ロウ材を使用することなく複数の組立部材を直接的に接合することができる。このため、この熱交換器の製造方法を利用すれば、組立部材間の熱伝導率が組立部材の熱伝導率と実質的に同一である熱交換器を製造することができる。したがって、この熱交換器の製造方法を利用すれば、組立部材の熱伝導率とほぼ同等の熱伝導率を有する熱交換器を製造することができる。
本発明の他の局面に係る熱交換器は、内部に流体通路を有する熱交換器であって、複数の組立部材から形成される。複数の組立部材は、熱伝導率が実質的に同一である金属または合金から成る。なお、金属は、熱伝導率が高い金属であれば特に限定されないが、例えば、アルミニウムや銅である。また、合金は、熱伝導率が高い合金であれば特に限定されないが、例えば、アルミニウム系合金や銅系合金である。アルミニウム系合金には、97質量%以上のアルミニウムが含まれることが好ましい。また、金属がアルミニウムである場合または合金がアルミニウム系合金である場合、その組立部材は、押出し成形品であることが好ましい。そして、この熱交換器において、組立部材間の熱伝導率は、組立部材の熱伝導率と実質的に同一である。なお、ここで、「実質的に同一」とは、熱伝導率の差の絶対値が5.0W/(m・K)以下であることを意味する。また、このような熱交換器は、上述の製造方法を利用することにより得られる。
なお、上述の熱交換器において、複数の組立部材は、第11組立部材、第12組立部材および枠状組立部材を含むことが好ましい。第1組立部材は、第11板部および第11フィンを有する。第11フィンは、第11板部上に形成される。第12組立部材は、第12板部および第12フィンを有する。第12フィンは、第12板部上に形成される。なお、第11組立部材、第12組立部材および枠状組立部材は、低コスト化や成形形状の自由度の高さ等の観点からいずれも押出し成形品であることが好ましい。また、この押出し成形品の素材としては、高熱伝導率の観点からA6063材が特に好ましい。そして、この熱交換器では、第11板部の第11フィンが形成されている面と枠状組立部材の一方の面とが突き合わされて第11板部と枠状組立部材とが接合されており、第12板部の第12フィンが形成されている面と枠状組立部材の他方の面とが突き合わされて第12板部と枠状組立部材とが接合されている。なお、この熱交換器では、第11フィンと第12フィンとが隙間を介して対向してもよい。また、この熱交換器では、第11フィンの先端と第12フィンの先端とに隙間があり、複数の第11フィンの延長面の間に複数の第12フィンが入り込んでもよい。また、この熱交換器では、複数の第11フィンの間に、複数の第12フィンが入り込んでもよい。
この熱交換器では、天面側および底面側の両側にフィンが設けられる。このため、この熱交換器は、良好な熱交換性能を示すことができる。
本発明の一実施形態に係る熱交換器の組立方法を示す図である。 パルス通電接合装置の模式図である。 変形例(D)に係る熱交換器の組立方法を示す図である。 変形例(D)に係る熱交換器の断面図である。 変形例(E)に係る熱交換器の組立方法を示す図である。 変形例(E)に係る熱交換器の断面図である。 変形例(F)に係る組立部材の平面図である。
本発明の実施の形態に係る熱交換器の製造方法は、主に、洗浄工程、乾燥工程、組立部材確認工程、カーボンシートカット工程、カーボンシート加工工程、組立工程、保温材形成工程、下段治具設置工程、ワーク設置工程、上段治具設置工程、押込量調整治具等設置工程、保温材設置工程、熱電対設置工程、真空引き工程、パルス通電接合工程、冷却工程、取出工程および熱処理工程を含む。
洗浄工程では、例えば、図1に示される第1組立部材101および第2組立部材102が、有機溶媒や水に浸けられた状態で超音波洗浄される。なお、ここで、第1組立部材101は、A6063等のアルミニウム合金からなる部材であって、図1に示されるように、主に、蓋板部101aおよび一対の接続口101bから構成される。この第1組立部材101は、アルミニウム合金の押出成形板に穴開加工を施した後、その穴に接続口101bを取り付けたものである。第2組立部材102は、A6063等のアルミニウム合金からなるブロック部材である。そして、この第2組立部材102には、長手方向両端で複数回折り返されてなる溝102aが形成されている。この第2組立部材102は、アルミニウム合金の押出成形ブロックに機械加工で溝102aを形成したものである。
乾燥工程では、洗浄後の第1組立部材101および第2組立部材102が温風乾燥機により乾燥させられる。
組立部材確認工程では、作業員によって第1組立部材101および第2組立部材102の面平坦度、厚み、厚みの標準偏差等が確認される。
カーボンシートカット工程では、作業員により第1組立部材101および第2組立部材102を覆うに足り得る大きさのカーボンシートが切り出される。
カーボンシート加工工程では、接合処理に発生するガスの抜け道がカーボンシートに形成される。
組立工程では、例えば、図1に示されるように、第1組立部材101および第2組立部材102が位置決めされて組み立てられると共に、カーボンシートが適切な位置に配置される。なお、第1組立部材101および第2組立部材102の組立てでは、第1組立部材101の側面の面位置と第2組立部材102の側面の面位置とが一致するように第1組立部材101および第2組立部材102が組み立てられる。この結果、平面視において、第2組立部材102の溝102aの端部102bの位置が、第1組立部材101の接続口101bの位置と一致する。以下、第1組立部材101および第2組立部材102が組み立てられたものを「組立体」と称する。
保温材形成工程では、組立体の大きさに応じて保温材(図示せず)が形成される。なお、ここで、保温材は、パルス通電によって生じる熱を接合面全体に均一化する目的で用いられる。また、この保温材は、パルス通電接合に必要な熱エネルギーが発散しないようにする役目を担っている。このため、この保温材を使用することにより、組立体を所定温度まで昇温させるために必要な電力量を軽減することが可能になる。
下段治具設置工程では、図2に示されるパルス通電接合装置200に下段Gr治具(スペーサや保温材等を含む)211が設置される。パルス通電接合装置200は、図2に示されるように、主に、加圧装置201、ピストンロッド202、通電電極203,204、設置台205、電源装置206、真空チャンバ207および通電部材208から構成される。
ワーク設置工程では、カーボンシート付き組立体が下段Gr治具211の上に配置される。
上段治具設置工程では、カーボンシート付き組立体の上に上段Gr治具(スペーサや保温材等を含む)212が設置される。
押込量調整治具等設置工程では、パルス通電接合装置200に押込量調整治具(図示せず)や側面用保温材配置治具(図示せず)が設置される。
保温材設置工程では、側面用保温材配置治具を用いて側面用保温材(図示せず)が設置される。
熱電対設置工程では、熱電対(図示せず)が組立体に接するように設置される。なお、かかる場合、熱電対は、酸化アルミニウム(Al)保護管(図示せず)を介して設置される。
真空引き工程では、組立体を含む空間が真空チャンバ207によって覆われ、真空チャンバ207の内部が真空引きされる。なお、真空引きは、通常、15〜30分程度行われる。
パルス通電接合工程では、加圧装置201により組立体が圧接させられた状態で、組立体真空チャンバ内が昇温されると共に組立体に対してパルス通電接合処理が実施され、目的の熱交換器が作製される。
冷却工程では、例えば、冷却開始約60分後に約300℃、120分後に約200℃となるように組立体が冷却される。
取出工程では、冷却開始後120分後に真空チャンバ207が大気開放され、パルス通電接合装置200から熱交換器が取り出される。なお、冷却開始後120分後では、熱交換器の温度は約200℃になっている。
上述のようにして得られた熱交換器は、その内部に流体通路を有する。また、この熱交換器では、製造時にロウ材が用いらず第1組立部材101と第2組立部材102とがパルス通電接合で直接接合されているため、第1組立部材−第2組立部材間の熱伝導率は、第1組立部材101および第2組立部材102の熱伝導率と実質的に同一である。
<熱交換器の製造方法の特徴>
本発明の実施の形態に係る熱交換器の製造方法では、アルミニウム合金から成る第1組立部材101と第2組立部材102とがロウ材が用いられることなくパルス通電接合で直接接合される。このため、この製造方法で得られる熱交換器では、第1組立部材−第2組立部材間の熱伝導率が、第1組立部材101および第2組立部材102の熱伝導率と実質的に同一である。したがって、この熱交換器の製造方法を利用すれば、組立部材101,102の熱伝導率とほぼ同等の熱伝導率を有する熱交換器を製造することができる。
<変形例>
(A)
先の実施の形態では特に言及しなかったが、組立部材101,102は、機械加工により作製されてもよいし、鋳造されてもよい。
(B)
先の実施の形態では特に言及しなかったが、第1組立部材101に、第2組立部材102の溝に対応する溝が形成されてもかまわない。
(C)
先の実施の形態では組立部材101,102がアルミニウム合金から形成されていたが、組立部材101,102が同種の材料から形成されていれば、どのような金属、合金から形成されてもよい。ただし、その金属、合金は熱交換器に適したものである必要がある。アルミニウム合金以外の材料としては、例えば、銅等が挙げられる。
(D)
先の実施の形態では2つの組立部材101,102から熱交換器が作製されたが、図3に示されるように3つの組立部材301,302,303から熱交換器が作製されてもよい。なお、ここで符号301は第11組立部材を示し、符号302は第13組立部材を示し、符号303は第12組立部材を示す。第11組立部材301は、A6063等のアルミニウム合金の押出成形部材であって、図3に示されるように、主に、第11板部301aおよび第11フィン301bから形成される。第11フィン301bは、図3に示されるように、複数の矩形の板状体であって、第11板部301aの板面から略垂直に延びている。第12組立部材303は、第11組立部材301と同様に、A6063等のアルミニウム合金の押出成形部材であって、図3に示されるように、主に、第12板部303aおよび第12フィン303bから形成される。第12フィン303bは、図3に示されるように、複数の矩形の板状体であって、第12板部303aの板面から略垂直に延びている。第13組立部材302は、A6063等のアルミニウム合金からなる枠状の部材であって、図3に示されるように、主に、枠部302a、一対の接続口302bおよび一対の翼部302cから構成される。枠部302aには、対角関係にある角部近傍の側面に貫通孔が形成されている。接続口302bは、枠部302aの貫通孔に取り付けられている。翼部302cは、枠部302aの長手方向中央部分から外側に向かって延びており、厚み方向に貫通する貫通孔を有する。なお、これらの組立部材301,302,303から作製される熱交換器310では、図4に示されるように、第11フィン301bと第12フィン303bとが隙間SPを介して対向している。
また、本例においても組立部材301,302,303が同種の材料から形成されていれば、どのような金属、合金から形成されてもよい。ただし、その金属、合金は熱交換器に適したものである必要がある。アルミニウム合金以外の材料としては銅等が挙げられる。
(E)
先の実施の形態では2つの組立部材101,102から熱交換器が作製されたが、図5に示されるように3つの組立部材401,402,403から熱交換器が作製されてもよい。なお、ここで符号401は第21組立部材を示し、符号402は第23組立部材を示し、符号403は第22組立部材を示す。第21組立部材401は、A6063等のアルミニウム合金の押出成形部材であって、図5に示されるように、主に、第21板部401aおよび第21フィン401bから形成される。第21フィン401bは、図5に示されるように、複数の矩形の板状体であって、第21板部401aの板面から略垂直に延びている。第22組立部材403は、第21組立部材401と同様に、A6063等のアルミニウム合金の押出成形部材であって、図5に示されるように、主に、第22板部403aおよび第22フィン403bから形成される。第22フィン403bは、図5に示されるように、複数の矩形の板状体であって、第22板部403aの板面から略垂直に延びている。第23組立部材402は、A6063等のアルミニウム合金からなる枠状の部材である(なお、図5では貫通孔、接続口が省略されている)。なお、これらの組立部材401,402,403から作製される熱交換器410では、図6に示されるように、第21フィン401bが第22フィン403bの間に入り込んでいる。
なお、複数の第21フィン401bの延長面の間に複数の第22フィン403bが入り込んでもよい。つまり、図6に示される熱交換器410において第21フィン401bの先端と第22フィン403bの先端との間に隙間が生じてもかまわない。
また、本例においても組立部材401,402,403が同種の材料から形成されていれば、どのような金属、合金から形成されてもよい。ただし、その金属、合金は熱交換器に適したものである必要がある。アルミニウム合金以外の材料としては銅等が挙げられる。
(F)
先の実施の形態では2つの組立部材101,102から熱交換器が作製されたが、図7に示される組立部材500、接続口付きの蓋体(先の実施の形態に係る第1組立部材参照)(図示せず)および底板(図示せず)から熱交換器が作製されてもよい。この組立部材500には、上下方向両端で複数回折り返されてなる貫通溝501が形成されている。そして、この組立部材500は、1つのみ使用されてもよいし、複数積層されて使用されてもよい。すなわち、この組立部材500を利用すると、熱交換器の流体通路の高さを調節することができる。
(G)
先の実施の形態では2つの組立部材101,102から平板型の熱交換器が作製されたが、3つの組立部材から円筒型の熱交換器が作製されてもよい。このような円筒型の熱交換器は、具体的には、「軸方向に側壁を貫通する貫通孔が複数形成される円筒壁部材」、「円筒壁部材の隣り合う2つの貫通孔を交互に連通させる第1連通溝が形成される蓋部材」、「第1連通溝で連通されない2つの隣り合う貫通孔を交互に連通させる第2連通路が形成される底部材」から形成される。
101 第1組立部材(組立部材)
102 第2組立部材(組立部材)
102a 溝(流体通路)
301 第11組立部材
301a 第11板部
301b 第11フィン
302 第13組立部材(枠状組立部材)
303 第12組立部材
303a 第12板部
303b 第12フィン
401 第21組立部材(第11組立部材)
401a 第21板部(第11板部)
401b 第21フィン(第11フィン)
402 第23組立部材(枠状組立部材)
403 第22組立部材(第12組立部材)
403a 第22板部(第12板部)
403b 第22フィン(第12フィン)
500 組立部材
本発明は、熱交換器およびその製造方法に関する。
過去に「分割片を真空ロウ付けにより熱交換器を作製する方法」が提案されている(例えば、特開2002−195712号公報参照)。
特開2002−195712号公報
しかし、分割片を真空ロウ付けにより接合させて熱交換器を作製すると、熱交換器の熱伝導率が分割片単体の熱伝導率よりも小さくなってしまう。
本発明の課題は、分割片の熱伝導率とほぼ同等の熱伝導率を有する熱交換器の製造方法を提供することにある。
本発明の一局面に係る熱交換器の製造方法は、組立工程およびパルス通電接合工程を備える。組立工程では、(a)金属または合金から成る押出成形品であって第11板部と、第11板部上に形成される第11フィンとを有する第11組立部材(分割片)と、(b)第11組立部材と熱伝導率が実質的に同一である金属または合金から成る押出成形品であって第12板部と、第12板部上に形成される第12フィンとを有する第12組立部材と、(c)第11組立部材と熱伝導率が実質的に同一である金属または合金から成る押出成形品である枠状組立部材とが、第11板部の第11フィンが形成されている面と枠状組立部材の一方の面とが突き合わせられると共に第12板部の第12フィンが形成されている面と枠状組立部材の他方の面とが突き合わせられて第11板部、第11フィン、第12板部および第12フィンにより流体通路が形成されるように組み立てられるパルス通電接合工程では、組立工程において組み立てられた第11組立部材、第12組立部材および枠状組立部材がパルス通電接合法により一度に接合される
この熱交換器の製造方法では、組立工程において組み立てられた3つの組立部材がパルス通電接合法により一度に接合させられる。パルス通電接合法を利用すると、ロウ材を使用することなく複数の組立部材を直接的に接合することができる。このため、この熱交換器の製造方法を利用すれば、組立部材間の熱伝導率が組立部材の熱伝導率と実質的に同一である熱交換器を製造することができる。したがって、この熱交換器の製造方法を利用すれば、組立部材の熱伝導率とほぼ同等の熱伝導率を有する熱交換器を製造することができる。
本発明の他の局面に係る熱交換器は、第11組立部材、第12組立部材および枠状組立部材から形成される。第11組立部材は、金属製または合金製の部材であって、第11板部および第11フィンを有する。第11フィンは、第11板部上に形成される。第12組立部材は、金属製または合金製の部材であって、第12板部および第12フィンを有する。第12フィンは、第12板部上に形成される。枠状組立部材は、金属製または合金製の部材である。そして、この熱交換器では、第11板部、第11フィン、第12板部および第12フィンにより流体通路が形成されている。なお、第11組立部材、第12組立部材および枠状組立部材は、製造コストの低廉化や成形形状の自由度の高さ等の観点からいずれも押出成形品であることが好ましい。また、この押出成形品の素材としては、高熱伝導率の観点からA6063材が特に好ましい。第11組立部材、第12組立部材および枠状組立部材は、熱伝導率が実質的に同一である金属または合金から成る。なお、金属は、熱伝導率が高い金属であれば特に限定されないが、例えば、アルミニウムや銅である。また、合金は、熱伝導率が高い合金であれば特に限定されないが、例えば、アルミニウム系合金や銅系合金である。アルミニウム系合金には、97質量%以上のアルミニウムが含まれることが好ましいそして、この熱交換器において、第11組立部材、第12組立部材および枠状組立部材間の熱伝導率は、第11組立部材の熱伝導率と実質的に同一である。なお、ここで、「実質的に同一」とは、熱伝導率の差の絶対値が5.0W/(m・K)以下であることを意味する。また、このような熱交換器は、上述の製造方法を利用することにより得られる。
そして、この熱交換器では、第11板部の第11フィンが形成されている面と枠状組立部材の一方の面とが突き合わされて第11板部と枠状組立部材とが接合されており、第12板部の第12フィンが形成されている面と枠状組立部材の他方の面とが突き合わされて第12板部と枠状組立部材とが接合されている。なお、この熱交換器では、第11フィンと第12フィンとが隙間を介して対向してもよい。また、この熱交換器では、第11フィンの先端と第12フィンの先端とに隙間があり、複数の第11フィンの延長面の間に複数の第12フィンが入り込んでもよい。また、この熱交換器では、複数の第11フィンの間に、複数の第12フィンが入り込んでもよい。
この熱交換器では、天面側および底面側の両側にフィンが設けられる。このため、この熱交換器は、良好な熱交換性能を示すことができる。
本発明の一実施形態に係る熱交換器の組立方法を示す図である。 パルス通電接合装置の模式図である。 変形例(D)に係る熱交換器の組立方法を示す図である。 変形例(D)に係る熱交換器の断面図である。 変形例(E)に係る熱交換器の組立方法を示す図である。 変形例(E)に係る熱交換器の断面図である。 変形例(F)に係る組立部材の平面図である。
本発明の実施の形態に係る熱交換器の製造方法は、主に、洗浄工程、乾燥工程、組立部材確認工程、カーボンシートカット工程、カーボンシート加工工程、組立工程、保温材形成工程、下段治具設置工程、ワーク設置工程、上段治具設置工程、押込量調整治具等設置工程、保温材設置工程、熱電対設置工程、真空引き工程、パルス通電接合工程、冷却工程、取出工程および熱処理工程を含む。
洗浄工程では、例えば、図1に示される第1組立部材101および第2組立部材102が、有機溶媒や水に浸けられた状態で超音波洗浄される。なお、ここで、第1組立部材101は、A6063等のアルミニウム合金からなる部材であって、図1に示されるように、主に、蓋板部101aおよび一対の接続口101bから構成される。この第1組立部材101は、アルミニウム合金の押出成形板に穴開加工を施した後、その穴に接続口101bを取り付けたものである。第2組立部材102は、A6063等のアルミニウム合金からなるブロック部材である。そして、この第2組立部材102には、長手方向両端で複数回折り返されてなる溝102aが形成されている。この第2組立部材102は、アルミニウム合金の押出成形ブロックに機械加工で溝102aを形成したものである。
乾燥工程では、洗浄後の第1組立部材101および第2組立部材102が温風乾燥機により乾燥させられる。
組立部材確認工程では、作業員によって第1組立部材101および第2組立部材102の面平坦度、厚み、厚みの標準偏差等が確認される。
カーボンシートカット工程では、作業員により第1組立部材101および第2組立部材102を覆うに足り得る大きさのカーボンシートが切り出される。
カーボンシート加工工程では、接合処理に発生するガスの抜け道がカーボンシートに形成される。
組立工程では、例えば、図1に示されるように、第1組立部材101および第2組立部材102が位置決めされて組み立てられると共に、カーボンシートが適切な位置に配置される。なお、第1組立部材101および第2組立部材102の組立てでは、第1組立部材101の側面の面位置と第2組立部材102の側面の面位置とが一致するように第1組立部材101および第2組立部材102が組み立てられる。この結果、平面視において、第2組立部材102の溝102aの端部102bの位置が、第1組立部材101の接続口101bの位置と一致する。以下、第1組立部材101および第2組立部材102が組み立てられたものを「組立体」と称する。
保温材形成工程では、組立体の大きさに応じて保温材(図示せず)が形成される。なお、ここで、保温材は、パルス通電によって生じる熱を接合面全体に均一化する目的で用いられる。また、この保温材は、パルス通電接合に必要な熱エネルギーが発散しないようにする役目を担っている。このため、この保温材を使用することにより、組立体を所定温度まで昇温させるために必要な電力量を軽減することが可能になる。
下段治具設置工程では、図2に示されるパルス通電接合装置200に下段Gr治具(スペーサや保温材等を含む)211が設置される。パルス通電接合装置200は、図2に示されるように、主に、加圧装置201、ピストンロッド202、通電電極203,204、設置台205、電源装置206、真空チャンバ207および通電部材208から構成される。
ワーク設置工程では、カーボンシート付き組立体が下段Gr治具211の上に配置される。
上段治具設置工程では、カーボンシート付き組立体の上に上段Gr治具(スペーサや保温材等を含む)212が設置される。
押込量調整治具等設置工程では、パルス通電接合装置200に押込量調整治具(図示せず)や側面用保温材配置治具(図示せず)が設置される。
保温材設置工程では、側面用保温材配置治具を用いて側面用保温材(図示せず)が設置される。
熱電対設置工程では、熱電対(図示せず)が組立体に接するように設置される。なお、かかる場合、熱電対は、酸化アルミニウム(Al2O3)保護管(図示せず)を介して設置される。
真空引き工程では、組立体を含む空間が真空チャンバ207によって覆われ、真空チャンバ207の内部が真空引きされる。なお、真空引きは、通常、15〜30分程度行われる。
パルス通電接合工程では、加圧装置201により組立体が圧接させられた状態で、組立体真空チャンバ内が昇温されると共に組立体に対してパルス通電接合処理が実施され、目的の熱交換器が作製される。
冷却工程では、例えば、冷却開始約60分後に約300℃、120分後に約200℃となるように組立体が冷却される。
取出工程では、冷却開始後120分後に真空チャンバ207が大気開放され、パルス通電接合装置200から熱交換器が取り出される。なお、冷却開始後120分後では、熱交換器の温度は約200℃になっている。
上述のようにして得られた熱交換器は、その内部に流体通路を有する。また、この熱交換器では、製造時にロウ材が用いらず第1組立部材101と第2組立部材102とがパルス通電接合で直接接合されているため、第1組立部材−第2組立部材間の熱伝導率は、第1組立部材101および第2組立部材102の熱伝導率と実質的に同一である。
<熱交換器の製造方法の特徴>
本発明の実施の形態に係る熱交換器の製造方法では、アルミニウム合金から成る第1組立部材101と第2組立部材102とがロウ材が用いられることなくパルス通電接合で直接接合される。このため、この製造方法で得られる熱交換器では、第1組立部材−第2組立部材間の熱伝導率が、第1組立部材101および第2組立部材102の熱伝導率と実質的に同一である。したがって、この熱交換器の製造方法を利用すれば、組立部材101,102の熱伝導率とほぼ同等の熱伝導率を有する熱交換器を製造することができる。
<変形例>
(A)
先の実施の形態では特に言及しなかったが、組立部材101,102は、機械加工により作製されてもよいし、鋳造されてもよい。
(B)
先の実施の形態では特に言及しなかったが、第1組立部材101に、第2組立部材102の溝に対応する溝が形成されてもかまわない。
(C)
先の実施の形態では組立部材101,102がアルミニウム合金から形成されていたが、組立部材101,102が同種の材料から形成されていれば、どのような金属、合金から形成されてもよい。ただし、その金属、合金は熱交換器に適したものである必要がある。アルミニウム合金以外の材料としては、例えば、銅等が挙げられる。
(D)
先の実施の形態では2つの組立部材101,102から熱交換器が作製されたが、図3に示されるように3つの組立部材301,302,303から熱交換器が作製されてもよい。なお、ここで符号301は第11組立部材を示し、符号302は第13組立部材を示し、符号303は第12組立部材を示す。第11組立部材301は、A6063等のアルミニウム合金の押出成形部材であって、図3に示されるように、主に、第11板部301aおよび第11フィン301bから形成される。第11フィン301bは、図3に示されるように、複数の矩形の板状体であって、第11板部301aの板面から略垂直に延びている。第12組立部材303は、第11組立部材301と同様に、A6063等のアルミニウム合金の押出成形部材であって、図3に示されるように、主に、第12板部303aおよび第12フィン303bから形成される。第12フィン303bは、図3に示されるように、複数の矩形の板状体であって、第12板部303aの板面から略垂直に延びている。第13組立部材302は、A6063等のアルミニウム合金からなる枠状の部材であって、図3に示されるように、主に、枠部302a、一対の接続口302bおよび一対の翼部302cから構成される。枠部302aには、対角関係にある角部近傍の側面に貫通孔が形成されている。接続口302bは、枠部302aの貫通孔に取り付けられている。翼部302cは、枠部302aの長手方向中央部分から外側に向かって延びており、厚み方向に貫通する貫通孔を有する。なお、これらの組立部材301,302,303から作製される熱交換器310では、図4に示されるように、第11フィン301bと第12フィン303bとが隙間SPを介して対向している。
また、本例においても組立部材301,302,303が同種の材料から形成されていれば、どのような金属、合金から形成されてもよい。ただし、その金属、合金は熱交換器に適したものである必要がある。アルミニウム合金以外の材料としては銅等が挙げられる。
(E)
先の実施の形態では2つの組立部材101,102から熱交換器が作製されたが、図5に示されるように3つの組立部材401,402,403から熱交換器が作製されてもよい。なお、ここで符号401は第21組立部材を示し、符号402は第23組立部材を示し、符号403は第22組立部材を示す。第21組立部材401は、A6063等のアルミニウム合金の押出成形部材であって、図5に示されるように、主に、第21板部401aおよび第21フィン401bから形成される。第21フィン401bは、図5に示されるように、複数の矩形の板状体であって、第21板部401aの板面から略垂直に延びている。第22組立部材403は、第21組立部材401と同様に、A6063等のアルミニウム合金の押出成形部材であって、図5に示されるように、主に、第22板部403aおよび第22フィン403bから形成される。第22フィン403bは、図5に示されるように、複数の矩形の板状体であって、第22板部403aの板面から略垂直に延びている。第23組立部材402は、A6063等のアルミニウム合金からなる枠状の部材である(なお、図5では貫通孔、接続口が省略されている)。なお、これらの組立部材401,402,403から作製される熱交換器410では、図6に示されるように、第21フィン401bが第22フィン403bの間に入り込んでいる。
なお、複数の第21フィン401bの延長面の間に複数の第22フィン403bが入り込んでもよい。つまり、図6に示される熱交換器410において第21フィン401bの先端と第22フィン403bの先端との間に隙間が生じてもかまわない。
また、本例においても組立部材401,402,403が同種の材料から形成されていれば、どのような金属、合金から形成されてもよい。ただし、その金属、合金は熱交換器に適したものである必要がある。アルミニウム合金以外の材料としては銅等が挙げられる。
(F)
先の実施の形態では2つの組立部材101,102から熱交換器が作製されたが、図7に示される組立部材500、接続口付きの蓋体(先の実施の形態に係る第1組立部材参照)(図示せず)および底板(図示せず)から熱交換器が作製されてもよい。この組立部材500には、上下方向両端で複数回折り返されてなる貫通溝501が形成されている。そして、この組立部材500は、1つのみ使用されてもよいし、複数積層されて使用されてもよい。すなわち、この組立部材500を利用すると、熱交換器の流体通路の高さを調節することができる。
(G)
先の実施の形態では2つの組立部材101,102から平板型の熱交換器が作製されたが、3つの組立部材から円筒型の熱交換器が作製されてもよい。このような円筒型の熱交換器は、具体的には、「軸方向に側壁を貫通する貫通孔が複数形成される円筒壁部材」、「円筒壁部材の隣り合う2つの貫通孔を交互に連通させる第1連通溝が形成される蓋部材」、「第1連通溝で連通されない2つの隣り合う貫通孔を交互に連通させる第2連通路が形成される底部材」から形成される。
101 第1組立部材(組立部材)
102 第2組立部材(組立部材)
102a 溝(流体通路)
301 第11組立部材
301a 第11板部
301b 第11フィン
302 第13組立部材(枠状組立部材)
303 第12組立部材
303a 第12板部
303b 第12フィン
401 第21組立部材(第11組立部材)
401a 第21板部(第11板部)
401b 第21フィン(第11フィン)
402 第23組立部材(枠状組立部材)
403 第22組立部材(第12組立部材)
403a 第22板部(第12板部)
403b 第22フィン(第12フィン)
500 組立部材
本発明は、熱交換器およびその製造方法に関する。
過去に「分割片を真空ロウ付けにより熱交換器を作製する方法」が提案されている(例えば、特開2002−195712号公報参照)。
特開2002−195712号公報
しかし、分割片を真空ロウ付けにより接合させて熱交換器を作製すると、熱交換器の熱伝導率が分割片単体の熱伝導率よりも小さくなってしまう。
本発明の課題は、分割片の熱伝導率とほぼ同等の熱伝導率を有する熱交換器の製造方法を提供することにある。
本発明の一局面に係る熱交換器の製造方法は、組立工程およびパルス通電接合工程を備える。組立工程では、アルミニウム合金A6063の押出成形品である複数の組立部材(分割片)が内部に流体通路が形成されるように組み立てられる。パルス通電接合工程では、組立工程において組み立てられた複数の組立部材がパルス通電接合法により一度に接合される。
この熱交換器の製造方法では、組立工程において組み立てられた複数の組立部材がパルス通電接合法により一度に接合させられる。パルス通電接合法を利用すると、ロウ材を使用することなく複数の組立部材を直接的に接合することができる。このため、この熱交換器の製造方法を利用すれば、組立部材間の熱伝導率が組立部材の熱伝導率と実質的に同一である熱交換器を製造することができる。したがって、この熱交換器の製造方法を利用すれば、組立部材の熱伝導率とほぼ同等の熱伝導率を有する熱交換器を製造することができる。
本発明の他の局面に係る熱交換器は、内部に流体通路を有する熱交換器であって、アルミニウム合金A6063から成る複数の組立部材から形成されるそして、この熱交換器において、組立部材間の熱伝導率は、組立部材の熱伝導率と実質的に同一である。なお、ここで、「実質的に同一」とは、熱伝導率の差の絶対値が5.0W/(m・K)以下であることを意味する。また、このような熱交換器は、上述の製造方法を利用することにより得られる。
なお、上述の熱交換器において、複数の組立部材は、第11組立部材、第12組立部材および枠状組立部材を含むことが好ましい。第1組立部材は、第11板部および第11フィンを有する。第11フィンは、第11板部上に形成される。第12組立部材は、第12板部および第12フィンを有する。第12フィンは、第12板部上に形成される。なお、第11組立部材、第12組立部材および枠状組立部材は、低コスト化や成形形状の自由度の高さ等の観点からいずれも押出し成形品であることが好ましい。また、この押出し成形品の素材としては、高熱伝導率の観点からA6063材が特に好ましい。そして、この熱交換器では、第11板部の第11フィンが形成されている面と枠状組立部材の一方の面とが突き合わされて第11板部と枠状組立部材とが接合されており、第12板部の第12フィンが形成されている面と枠状組立部材の他方の面とが突き合わされて第12板部と枠状組立部材とが接合されている。なお、この熱交換器では、第11フィンと第12フィンとが隙間を介して対向してもよい。また、この熱交換器では、第11フィンの先端と第12フィンの先端とに隙間があり、複数の第11フィンの延長面の間に複数の第12フィンが入り込んでもよい。また、この熱交換器では、複数の第11フィンの間に、複数の第12フィンが入り込んでもよい。
この熱交換器では、天面側および底面側の両側にフィンが設けられる。このため、この熱交換器は、良好な熱交換性能を示すことができる。
本発明の一実施形態に係る熱交換器の組立方法を示す図である。 パルス通電接合装置の模式図である。 変形例(D)に係る熱交換器の組立方法を示す図である。 変形例(D)に係る熱交換器の断面図である。 変形例(E)に係る熱交換器の組立方法を示す図である。 変形例(E)に係る熱交換器の断面図である。 変形例(F)に係る組立部材の平面図である。
本発明の実施の形態に係る熱交換器の製造方法は、主に、洗浄工程、乾燥工程、組立部材確認工程、カーボンシートカット工程、カーボンシート加工工程、組立工程、保温材形成工程、下段治具設置工程、ワーク設置工程、上段治具設置工程、押込量調整治具等設置工程、保温材設置工程、熱電対設置工程、真空引き工程、パルス通電接合工程、冷却工程、取出工程および熱処理工程を含む。
洗浄工程では、例えば、図1に示される第1組立部材101および第2組立部材102が、有機溶媒や水に浸けられた状態で超音波洗浄される。なお、ここで、第1組立部材101は、A6063等のアルミニウム合金からなる部材であって、図1に示されるように、主に、蓋板部101aおよび一対の接続口101bから構成される。この第1組立部材101は、アルミニウム合金の押出成形板に穴開加工を施した後、その穴に接続口101bを取り付けたものである。第2組立部材102は、A6063等のアルミニウム合金からなるブロック部材である。そして、この第2組立部材102には、長手方向両端で複数回折り返されてなる溝102aが形成されている。この第2組立部材102は、アルミニウム合金の押出成形ブロックに機械加工で溝102aを形成したものである。
乾燥工程では、洗浄後の第1組立部材101および第2組立部材102が温風乾燥機により乾燥させられる。
組立部材確認工程では、作業員によって第1組立部材101および第2組立部材102の面平坦度、厚み、厚みの標準偏差等が確認される。
カーボンシートカット工程では、作業員により第1組立部材101および第2組立部材102を覆うに足り得る大きさのカーボンシートが切り出される。
カーボンシート加工工程では、接合処理に発生するガスの抜け道がカーボンシートに形成される。
組立工程では、例えば、図1に示されるように、第1組立部材101および第2組立部材102が位置決めされて組み立てられると共に、カーボンシートが適切な位置に配置される。なお、第1組立部材101および第2組立部材102の組立てでは、第1組立部材101の側面の面位置と第2組立部材102の側面の面位置とが一致するように第1組立部材101および第2組立部材102が組み立てられる。この結果、平面視において、第2組立部材102の溝102aの端部102bの位置が、第1組立部材101の接続口101bの位置と一致する。以下、第1組立部材101および第2組立部材102が組み立てられたものを「組立体」と称する。
保温材形成工程では、組立体の大きさに応じて保温材(図示せず)が形成される。なお、ここで、保温材は、パルス通電によって生じる熱を接合面全体に均一化する目的で用いられる。また、この保温材は、パルス通電接合に必要な熱エネルギーが発散しないようにする役目を担っている。このため、この保温材を使用することにより、組立体を所定温度まで昇温させるために必要な電力量を軽減することが可能になる。
下段治具設置工程では、図2に示されるパルス通電接合装置200に下段Gr治具(スペーサや保温材等を含む)211が設置される。パルス通電接合装置200は、図2に示されるように、主に、加圧装置201、ピストンロッド202、通電電極203,204、設置台205、電源装置206、真空チャンバ207および通電部材208から構成される。
ワーク設置工程では、カーボンシート付き組立体が下段Gr治具211の上に配置される。
上段治具設置工程では、カーボンシート付き組立体の上に上段Gr治具(スペーサや保温材等を含む)212が設置される。
押込量調整治具等設置工程では、パルス通電接合装置200に押込量調整治具(図示せず)や側面用保温材配置治具(図示せず)が設置される。
保温材設置工程では、側面用保温材配置治具を用いて側面用保温材(図示せず)が設置される。
熱電対設置工程では、熱電対(図示せず)が組立体に接するように設置される。なお、かかる場合、熱電対は、酸化アルミニウム(Al2O3)保護管(図示せず)を介して設置される。
真空引き工程では、組立体を含む空間が真空チャンバ207によって覆われ、真空チャンバ207の内部が真空引きされる。なお、真空引きは、通常、15〜30分程度行われる。
パルス通電接合工程では、加圧装置201により組立体が圧接させられた状態で、組立体真空チャンバ内が昇温されると共に組立体に対してパルス通電接合処理が実施され、目的の熱交換器が作製される。
冷却工程では、例えば、冷却開始約60分後に約300℃、120分後に約200℃となるように組立体が冷却される。
取出工程では、冷却開始後120分後に真空チャンバ207が大気開放され、パルス通電接合装置200から熱交換器が取り出される。なお、冷却開始後120分後では、熱交換器の温度は約200℃になっている。
上述のようにして得られた熱交換器は、その内部に流体通路を有する。また、この熱交換器では、製造時にロウ材が用いられず第1組立部材101と第2組立部材102とがパルス通電接合で直接接合されているため、第1組立部材−第2組立部材間の熱伝導率は、第1組立部材101および第2組立部材102の熱伝導率と実質的に同一である。
<熱交換器の製造方法の特徴>
本発明の実施の形態に係る熱交換器の製造方法では、アルミニウム合金から成る第1組立部材101と第2組立部材102とがロウ材が用いられることなくパルス通電接合で直接接合される。このため、この製造方法で得られる熱交換器では、第1組立部材−第2組立部材間の熱伝導率が、第1組立部材101および第2組立部材102の熱伝導率と実質的に同一である。したがって、この熱交換器の製造方法を利用すれば、組立部材101,102の熱伝導率とほぼ同等の熱伝導率を有する熱交換器を製造することができる。
<変形例>
(A)
先の実施の形態では特に言及しなかったが、組立部材101,102は、機械加工により作製されてもよいし、鋳造されてもよい。
(B)
先の実施の形態では特に言及しなかったが、第1組立部材101に、第2組立部材102の溝に対応する溝が形成されてもかまわない。
(C)
先の実施の形態では組立部材101,102がアルミニウム合金から形成されていたが、組立部材101,102が同種の材料から形成されていれば、どのような金属、合金から形成されてもよい。ただし、その金属、合金は熱交換器に適したものである必要がある。アルミニウム合金以外の材料としては、例えば、銅等が挙げられる。
(D)
先の実施の形態では2つの組立部材101,102から熱交換器が作製されたが、図3に示されるように3つの組立部材301,302,303から熱交換器が作製されてもよい。なお、ここで符号301は第11組立部材を示し、符号302は第13組立部材を示し、符号303は第12組立部材を示す。第11組立部材301は、A6063等のアルミニウム合金の押出成形部材であって、図3に示されるように、主に、第11板部301aおよび第11フィン301bから形成される。第11フィン301bは、図3に示されるように、複数の矩形の板状体であって、第11板部301aの板面から略垂直に延びている。第12組立部材303は、第11組立部材301と同様に、A6063等のアルミニウム合金の押出成形部材であって、図3に示されるように、主に、第12板部303aおよび第12フィン303bから形成される。第12フィン303bは、図3に示されるように、複数の矩形の板状体であって、第12板部303aの板面から略垂直に延びている。第13組立部材302は、A6063等のアルミニウム合金からなる枠状の部材であって、図3に示されるように、主に、枠部302a、一対の接続口302bおよび一対の翼部302cから構成される。枠部302aには、対角関係にある角部近傍の側面に貫通孔が形成されている。接続口302bは、枠部302aの貫通孔に取り付けられている。翼部302cは、枠部302aの長手方向中央部分から外側に向かって延びており、厚み方向に貫通する貫通孔を有する。なお、これらの組立部材301,302,303から作製される熱交換器310では、図4に示されるように、第11フィン301bと第12フィン303bとが隙間SPを介して対向している。
また、本例においても組立部材301,302,303が同種の材料から形成されていれば、どのような金属、合金から形成されてもよい。ただし、その金属、合金は熱交換器に適したものである必要がある。アルミニウム合金以外の材料としては銅等が挙げられる。
(E)
先の実施の形態では2つの組立部材101,102から熱交換器が作製されたが、図5に示されるように3つの組立部材401,402,403から熱交換器が作製されてもよい。なお、ここで符号401は第21組立部材を示し、符号402は第23組立部材を示し、符号403は第22組立部材を示す。第21組立部材401は、A6063等のアルミニウム合金の押出成形部材であって、図5に示されるように、主に、第21板部401aおよび第21フィン401bから形成される。第21フィン401bは、図5に示されるように、複数の矩形の板状体であって、第21板部401aの板面から略垂直に延びている。第22組立部材403は、第21組立部材401と同様に、A6063等のアルミニウム合金の押出成形部材であって、図5に示されるように、主に、第22板部403aおよび第22フィン403bから形成される。第22フィン403bは、図5に示されるように、複数の矩形の板状体であって、第22板部403aの板面から略垂直に延びている。第23組立部材402は、A6063等のアルミニウム合金からなる枠状の部材である(なお、図5では貫通孔、接続口が省略されている)。なお、これらの組立部材401,402,403から作製される熱交換器410では、図6に示されるように、第21フィン401bが第22フィン403bの間に入り込んでいる。
なお、複数の第21フィン401bの延長面の間に複数の第22フィン403bが入り込んでもよい。つまり、図6に示される熱交換器410において第21フィン401bの先端と第22フィン403bの先端との間に隙間が生じてもかまわない。
また、本例においても組立部材401,402,403が同種の材料から形成されていれば、どのような金属、合金から形成されてもよい。ただし、その金属、合金は熱交換器に適したものである必要がある。アルミニウム合金以外の材料としては銅等が挙げられる。
(F)
先の実施の形態では2つの組立部材101,102から熱交換器が作製されたが、図7に示される組立部材500、接続口付きの蓋体(先の実施の形態に係る第1組立部材参照)(図示せず)および底板(図示せず)から熱交換器が作製されてもよい。この組立部材500には、上下方向両端で複数回折り返されてなる貫通溝501が形成されている。そして、この組立部材500は、1つのみ使用されてもよいし、複数積層されて使用されてもよい。すなわち、この組立部材500を利用すると、熱交換器の流体通路の高さを調節することができる。
(G)
先の実施の形態では2つの組立部材101,102から平板型の熱交換器が作製されたが、3つの組立部材から円筒型の熱交換器が作製されてもよい。このような円筒型の熱交換器は、具体的には、「軸方向に側壁を貫通する貫通孔が複数形成される円筒壁部材」、「円筒壁部材の隣り合う2つの貫通孔を交互に連通させる第1連通溝が形成される蓋部材」、「第1連通溝で連通されない2つの隣り合う貫通孔を交互に連通させる第2連通路が形成される底部材」から形成される。
101 第1組立部材(組立部材)
102 第2組立部材(組立部材)
102a 溝(流体通路)
301 第11組立部材
301a 第11板部
301b 第11フィン
302 第13組立部材(枠状組立部材)
303 第12組立部材
303a 第12板部
303b 第12フィン
401 第21組立部材(第11組立部材)
401a 第21板部(第11板部)
401b 第21フィン(第11フィン)
402 第23組立部材(枠状組立部材)
403 第22組立部材(第12組立部材)
403a 第22板部(第12板部)
403b 第22フィン(第12フィン)
500 組立部材

Claims (3)

  1. 熱伝導率が実質的に同一である金属または合金から成る複数の組立部材を、内部に流体通路が形成されるように組み立てる組立工程と、
    前記組立工程において組み立てられた前記複数の組立部材をパルス通電接合法によりパルス通電接合させるパルス通電接合工程と
    を備える、熱交換器の製造方法。
  2. 内部に流体通路を有する熱交換器であって、
    熱伝導率が実質的に同一である金属または合金から成る複数の組立部材から形成され、
    前記組立部材間の熱伝導率が前記組立部材の熱伝導率と実質的に同一である
    熱交換器。
  3. 前記複数の組立部材は、(a)第11板部と、前記第11板部上に形成される第11フィンとを有する第11組立部材、(b)第12板部と、前記第12板部上に形成される第12フィンとを有する第12組立部材、および(c)枠状組立部材を含み、
    前記第11板部の前記第11フィンが形成されている面と前記枠状組立部材の一方の面とが突き合わされて前記第11板部と前記枠状組立部材とが接合されており、
    前記第12板部の前記第12フィンが形成されている面と前記枠状組立部材の他方の面とが突き合わされて前記第12板部と前記枠状組立部材とが接合されている
    請求項2に記載の熱交換器。
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