JP2014025449A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関のノックの発生を抑制しつつ、燃費の向上を図る。
【解決手段】ノック検出手段を有する内燃機関の制御に用いられ、前記ノック検出手段がノックを検出した際に点火時期を遅角する制御装置において、ノック検出手段が検出したノックの度合いが大きいほど、ノックを検出した直後の遅角量を大きくし、その後、徐々に単位時間あたりの点火時期の遅角量を小さくする、即ち、徐々に進角する制御を行う。その結果、ノックの発生に伴う点火遅角を早期に終了させ、最良の燃費が得られる。
【選択図】図2

Description

本発明は、ノック検出手段を有する内燃機関の制御に用いられる内燃機関の制御装置に関する。
従来より、車両に搭載される内燃機関においてノックの発生を抑制すべく、ノック検出手段を備えさせ、ノック検出手段がノックを検出した際にノックの発生を抑制すべく点火時期を遅角する制御を行うことが知られている、このような制御の例として、ノック検出手段がノックを検出した際に車速に応じた遅角幅だけ点火時期を遅角する制御や、ノック検出手段の出力に応じた遅角幅だけ点火時期を遅角する制御等が知られている(例えば、特許文献1及び2を参照)。
しかして、上述した特許文献1及び2記載の発明のような制御では、点火時期を遅角した後の単位時間あたりの点火時期の進角量が一定である。また、ノックの発生を抑制すべく単位時間あたりの点火時期の進角量は小さな値に設定している。そのため、ノックが小さい場合であっても最良の燃費が得られる点火タイミングよりも点火タイミングを遅角させた状態となる期間が長く、燃費の面で不利であるという別の不具合が存在する。
特開昭64−32034号公報 特開昭58−41264号公報
本発明は以上の点に着目し、ノックの発生を抑制しつつ、燃費の向上を図ることを目的とする。
以上の課題を解決すべく、本発明に係る内燃機関の制御装置は、以下に述べるような制御を行う。すなわち本発明に係る内燃機関の制御装置は、ノック検出手段を有する内燃機関の制御に用いられ、前記ノック検出手段がノックを検出した際に点火時期を遅角するものであって、ノック検出手段が検出したノックの度合いが大きくなるにつれて、ノックを検出した直後の遅角量を大きくし、その後の単位時間あたりの点火時期の進角量を小さくする制御を行う。
このような制御を行えば、ノックの度合いが小さい場合には直後の遅角量を小さくし、かつその後の単位時間あたりの進角量を大きくすることによりノックの発生に伴う点火遅角を早期に終了させ、最良の燃費が得られる点火タイミングで点火する期間を長くすることができ、燃費の向上を図ることができる。
本発明によれば、ノックの発生を抑制しつつ、ノックの度合いが小さい場合には直後の遅角量を小さくし、その後の単位時間あたりの進角量を大きくすることによりノックの発生に伴う点火遅角を早期に終了させるので、燃費の向上を図ることができる。
本発明の一実施形態における内燃機関を示す概略構成図。 同実施形態における内燃機関の制御装置が行う制御の手順を示すフローチャート。 同実施形態における内燃機関の制御装置がによる制御の作用を示す概略図。
本実施形態における内燃機関は、火花点火式ガソリンエンジンであり、複数の気筒1(図1には、そのうち一つを図示している)を具備している。各気筒1の燃焼室の天井部には、燃料を噴射するインジェクタ11及び点火プラグ12を取り付けてある。
吸気を供給するための吸気通路3は、外部から空気を取り入れて各気筒1の吸気ポートへと導く。吸気通路3上には、エアクリーナ31、電子スロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホルド34を、上流からこの順序に配置している。
排気を排出するための排気通路4は、気筒1内で燃料を燃焼させた結果発生した排気を各気筒1の排気ポートから外部へと導く。この排気通路4上には、排気マニホルド42及び排気浄化用の三元触媒41を配置している。
ここで本実施形態では、気筒1の外壁、より正確にはシリンダブロックの外壁にノックを検出するためのノック検出手段を構成するノックセンサ13を取り付けている。このノックセンサ13は、気筒1の振動を検知する振動センサである。このノックセンサ13から出力される振動信号hは、ECU0に向けて出力される。
内燃機関の運転制御を司る制御装置であるECU0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。
入力インタフェースには、車両の実車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、クランクシャフトの回転角度及びエンジン回転数を検出するエンジン回転センサから出力されるクランク角信号(N信号)b、アクセルペダルの踏込量またはスロットルバルブ32の開度をアクセル開度(いわば、要求負荷)として検出するセンサから出力されるアクセル開度信号c、ブレーキペダルの踏込量を検出するセンサから出力されるブレーキ踏量信号d、吸気通路3(特に、サージタンク33)内の吸気温及び吸気圧を検出する温度・圧力センサから出力される吸気温・吸気圧信号e、機関の冷却水温を検出する水温センサから出力される冷却水温信号f、吸気カムシャフトまたは排気カムシャフトの複数のカム角にてカム角センサから出力されるカム角信号(G信号)g、前記ノックセンサ13から出力される振動信号h等が入力される。
出力インタフェースからは、点火プラグ12に対して点火信号i、インジェクタ11に対して燃料噴射信号j、スロットルバルブ32に対して開度操作信号k等を出力する。
ECU0のプロセッサは、予めメモリに格納されているプログラムを解釈、実行し、運転パラメータを演算して内燃機関の運転を制御する。ECU0は、内燃機関の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、hを入力インタフェースを介して取得し、エンジン回転数を知得するとともに気筒1に充填される吸気量を推算する。そして、それらエンジン回転数及び吸気量等に基づき、要求される燃料噴射量、燃料噴射タイミング(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃料噴射圧、点火タイミングといった各種運転パラメータを決定する。運転パラメータの決定手法自体は、既知のものを採用することが可能である。しかして、ECU0は、運転パラメータに対応した各種制御信号i、j、kを出力インタフェースを介して印加する。
本実施形態において、ECU0は、ノックセンサ13を介して取得される振動信号hを参照し、気筒1におけるノッキングの有無を判定する。以下、振動信号hを参照したノック判定に関して述べる。
ノッキングの有無を判定するにあたり、ECU0は予め、統計処理によりノック判定値を算定しておく。具体的には、何れの気筒1においてもノッキングが起こっていないと思しき状況下で、シリンダブロックの振動をノックセンサ13を介してサンプリングし、振動信号hを得る。そして、この振動信号hのサンプリング値Jのある期間内の時系列から、平均値及び標準偏差、ひいては第1ノック判定閾値J1を算出する。平均値をX、標準偏差をσとおくと、第1ノック判定閾値J1は、
1=X+Uσ (1)
として求められる。上の(1)式における係数Uは、そのときの運転領域、即ちエンジン回転数及び要求負荷に応じて設定する。
その上で、ノックセンサ13が出力する振動信号hの現在のサンプリング値Jを、第1ノック判定閾値J1と比較する。現在のサンプリング値Jが第1ノック判定閾値J1を上回ったならは、何れかの気筒1にてノッキングが起こったものと判定する。逆に、現在のサンプリング値Jが第1ノック判定閾値J1以下であるならば、気筒1にてノッキングは起こっていないものと判定する。係数U、第1ノック判定閾値J1等は、ECU0のメモリに記憶保持する。
さらに本実施形態では、小規模なノックが発生した場合と大規模なノックが発生した場合とで異なる点火時期制御を行うようにすべく、以下の式により第1ノック判定閾値J1より大きな値を示す第2ノック判定閾値J2を算出する。平均値をX、標準偏差をσとおくと、第2ノック判定閾値J2は、
2=X+KUσ (2)
として求められる。上の(2)式における係数Uは、前記(1)式における係数Uと同一である。また、同式における係数Kは、1よりも大きな正の定数である。なお、定数Kの値は、後述する点火時期制御プログラムによる制御において、ノックを検出して点火時期を遅角制御した後の点火時期の単位時間当たりの進角量を従来のものと比較して大きくできる最小限の値として予め実験により求められる。
さらに、本実施形態のECU0は、始動時においてECU0のメモリに内蔵した点火時期制御プログラムをプロセッサが実行することにより、以下に述べるような制御を行う。すなわち、ノックセンサ13が出力する振動信号hの現在のサンプリング値Jをノックの度合いを示すパラメータとし、このサンプリング値Jが高周波側を示す領域ではノックを検出した直後の遅角量を大きくし、その後の単位時間あたりの点火時期の進角量である減衰量を小さくするとともに、前記サンプリング値Jが低周波側を示す領域ではノックを検出した直後の遅角量を小さくし、その後の単位時間あたりの点火時期の進角量である減衰量を大きくする制御を行う。より具体的には、前記サンプリング値Jが前記第2ノック判定閾値J2より高周波側である際には、ノックを検出した直後の遅角量を第1の遅角量θ1、その後の単位時間あたりの点火時期の進角量である減衰量d1を第1の減衰量d1に設定する。これら第1の遅角量θ1及び第1の減衰量d1は、従来のこの種のノック発生時における点火タイミングの遅角制御におけるものと同程度である。一方、前記サンプリング値Jが前記第2ノック判定閾値J2より低周波側である際には、ノックを検出した直後の遅角量を前記第1の遅角量θ1より小さい第2の遅角量θ2、その後の単位時間あたりの点火時期の進角量である減衰量を前記第1の減衰量d1より大きい第2の減衰量d2に設定する。この点火時期制御プログラムによる制御の手順についてフローチャートである図2を参照しつつ以下に述べる。
まず、前記振動信号hに基づきノッキングが発生しているか否か、より具体的には前記サンプリング値Jが前記第1ノック判定閾値J1より高周波側であるか否かを判定する(S1)。次いで、ノッキングが発生している場合には、ノッキングが大規模なものであるか否か、より具体的には前記サンプリング値Jが前記第2ノック判定閾値J2より高周波側であるか否かを判定する(S2)。大規模なノッキングが発生した場合、すなわち前記サンプリング値Jが前記第2ノック判定閾値J2より高周波側である場合には、点火タイミングを前記第1の遅角量θ1だけ遅角させる(S3)。それから、大規模なノックを検出したことを示すフラグFの値を「1」に設定する(S4)。また、小規模なノッキングが発生した場合、すなわち前記サンプリング値Jが前記第1ノック判定閾値J1より高周波側で、かつ前記サンプリング値Jが前記第2ノック判定閾値J2より低周波側である場合には、点火タイミングを前記第2の遅角量θ2だけ遅角させる(S5)。それから、大規模なノックを検出したことを示すフラグFの値を「0」に設定する(S6)。一方、ノッキングが発生していない場合には、前回検出したノッキングが大規模なものであるか否か、すなわち前記フラグの値が「1」であるか否かを判定する(S7)。前記フラグの値が「1」である場合すなわち前回検出したノッキングが大規模なものである場合は点火タイミングを前記第1の減衰量d1だけ進角させる(S8)。前記フラグの値が「1」でない場合すなわち前回検出したノッキングが小規模なものである場合は点火タイミングを前記第2の減衰量d2だけ進角させる(S9)。
すなわち、ECU0は、図3の期間T1のように、小規模なノックのみが発生している期間においては、ノックを検知した後、点火タイミングを小幅に、すなわち前記第2の遅角量θ2だけ遅角させ、その後前記第2の減衰量d2だけ進角させて点火タイミングを速やかにMBTに近づける制御を行う。一方、図3の期間T2のように、大規模なノックが発生している期間においては、ノックを検知した後、点火タイミングを大幅に、すなわち前記第1の遅角量θ1だけ遅角させ、その後、ノックの再発を抑制すべく点火タイミングをゆるやかに、具体的には前記第1の減衰量d1だけ進角させる制御を行う。
以上に述べたように、本実施形態の制御を行うことにより、小規模なノックのみが散発的に発生するような条件下では、点火タイミングの遅角量を小さくし、その後速やかに点火タイミングを進角させることにより点火タイミングがMBT又はその近傍である期間を長くし、燃費の向上を図ることができる。
なお、本発明は以上に述べた実施形態に限らない。
例えば、上述した実施形態では、気筒の外壁(シリンダブロックの外壁)にノックを検出するためのノック検出手段を構成するノックセンサを取り付け、このノックセンサから出力される振動信号に基づきノックを検出するようにしているが、火花点火用の電気回路に、イオン電流を検出するための回路を付加し、検出されたイオン電流に基づきノックを検出するようにしてもよい。また、気筒内部の筒内圧や、気筒内部の温度等に基づきノック及びその度合いを検出するようにしてもよい。これらの場合、各気筒ごとにノックの度合いに基づく点火タイミングの制御をおこなうようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、ノックの度合いを示す振動信号のサンプリング値が第2ノック判定閾値を上回る場合には第1の遅角量だけ点火タイミングを遅角させて第1の減衰量で点火タイミングを進角させるとともに前記サンプリング値が第2ノック判定閾値を下回る場合は前記第1の遅角量より小さな第2の遅角量だけ点火タイミングを遅角させて前記第1の減衰量よりも大きな値の第2の減衰量で点火タイミングを進角させるようにしているが、3通り以上の遅角量及び減衰量を用いた制御を行うようにしてもよく、さらに、ノックの度合いが前記第1ノック判定閾値又はこれに相当する閾値を上回る幅に対応させて遅角量及び減衰量を無段階に設定してもよい。
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変更してよい。
0…制御装置(ECU)
12…点火プラグ
13…ノックセンサ
h…振動信号

Claims (1)

  1. ノック検出手段を有する内燃機関の制御に用いられ、前記ノック検出手段がノックを検出した際に点火時期を遅角するものであって、
    ノック検出手段が検出したノックの度合いが大きくなるにつれて、ノックを検出した直後の遅角量を大きくし、その後の単位時間あたりの点火時期の進角量を小さくする制御を行うことを特徴とする内燃機関の制御装置。
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